JP2002345075A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JP2002345075A
JP2002345075A JP2001142766A JP2001142766A JP2002345075A JP 2002345075 A JP2002345075 A JP 2002345075A JP 2001142766 A JP2001142766 A JP 2001142766A JP 2001142766 A JP2001142766 A JP 2001142766A JP 2002345075 A JP2002345075 A JP 2002345075A
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signal
level
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maximum value
digital
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Application number
JP2001142766A
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English (en)
Inventor
Fumihiko Miyamoto
文彦 宮本
Hajime Yoshino
肇 吉野
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性可変時に信号がクリップしないようディ
ジタル信号系においてレベルを下げる際に、S/Nの悪
化を抑制する。 【解決手段】 DSP等からなる信号処理部13におい
て、グラフィックイコライザ22を構成し、所定の周波
数帯域のレベルを変化可能な信号特性可変回路を構成す
る。このとき、グラフィックイコライザ22の設定変更
時にはその設定状態でのインパルス応答特性を得て、こ
のインパルス応答の周波数特性の最大値を算出する。そ
して、グラフィックイコライザ22の前段のディジタル
レベル補正部21において前記最大値分だけディジタル
信号のレベルを減少する。これにより、グラフィックイ
コライザ22のレベル変化特性に合わせて最小限のレベ
ル減少のみで信号のクリップを防止するレベル補正がで
きるので、ダイナミックレンジが最大限に確保され、S
/Nの悪化が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ信号の
周波数特性を調整するイコライザ装置など、周波数軸上
でのレベルを適宜変化させることのできる信号処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】DSP(Digital Signal Processor)な
どを用いて、ディジタル化したオーディオ信号の周波数
特性や位相特性、音場特性などの各種特性を変化させ、
所望の視聴環境を得るための信号処理装置が種々開発さ
れている。この種の信号処理装置の一例として、グラフ
ィックイコライザ装置では、所定の周波数帯域(バン
ド)ごとにレベルを可変するための複数のレベル調整部
が並設され、ユーザはこのレベル調整部の表示操作部を
視覚的に確認しながら操作することによって、任意に周
波数特性を調整することができるようになっている。
【0003】従来のグラフィックイコライザ装置におけ
るレベル調整処理の一例を説明する。図8は各周波数帯
域のレベル変化を示す説明図である。ディジタル信号の
レベルを変化させる場合、レベルを上げるとディジタル
信号系の最大レベル(例えばフルビットの最大値=0d
B)を越えて信号がクリップしてしまうおそれがある。
このため、ディジタル的にレベル可変を行うグラフィッ
クイコライザ装置では、ディジタル信号系においてレベ
ルを上げる場合に、入力信号のレベルを全周波数帯域に
わたって下げるレベル調整を行うとともに、このディジ
タル信号系において下げた元のレベルまでアナログ信号
系において増幅するような構成が採られる。これによっ
て、グラフィックイコライザ装置の入出力での不自然な
レベル変化を防止できる。
【0004】例えば図8に示すように周波数帯域ごとに
レベルを変化させる場合、各バンドのレベル変化特性1
01a,101b,101cは設定された可変値とバン
ドごとの周波数特性によって決まる。そして、これらの
レベル変化特性101a〜101cを合成した周波数帯
域全体のレベル変化特性102は、最大レベル変化量が
各バンドのレベル変化量より大きくなるが、レベル変化
量の最大値を求めることはできなかった。このため、可
変できる最大のレベル変化特性に対するマージン分を考
慮して、信号がクリップしないようにレベル調整を行う
際に一律に入力信号のレベルを下げるようにする。例え
ば各バンドで±8dB可変のグラフィックイコライザ装
置では、前記のマージン分を考慮してレベル調整部にお
いて一律に12dB下げるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような信号処理
装置では、ディジタル信号系においてレベルを下げてか
ら後段のアナログ信号系において増幅すると、D/A変
換器以降のノイズ成分も一緒に増幅されるため、このレ
ベル減少・増幅のゲイン分だけS/Nが悪化することに
なる。したがって、前述した従来の装置のように、ディ
ジタル信号系において予めマージン分を考慮して一律に
レベルを下げてしまうと、レベル調整部においてあまり
レベルを上げないような場合には、必要以上にS/Nの
悪化となってしまう問題点があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、特性可変時に信号がクリップしないようディジタル
信号系において周波数軸上でのレベル変化特性に合わせ
て最大増加分だけレベルを下げることができ、S/Nの
悪化を抑制することが可能な信号処理装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、ディ
ジタルのオーディオ信号の特性を可変する信号特性可変
回路を有する信号処理装置であって、前記信号特性可変
回路における周波数空間でのレベル変化特性の最大値を
得る最大値取得手段と、前記信号特性可変回路において
前記最大値に応じてディジタル信号のレベルを減少する
レベル補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】また好ましくは、第2に、前記レベル補正
手段は、前記信号特性可変回路において前記最大値分だ
けディジタル信号のレベルを減少することとする。
【0009】上記構成において、信号特性可変回路にお
ける周波数空間でのレベル変化特性の最大値を演算など
によって得て、信号特性可変回路において前記最大値に
応じて、例えば前記最大値分だけディジタル信号のレベ
ルを減少する。これにより、特性可変時に信号がクリッ
プしないようにするために、信号特性可変回路のレベル
変化特性に合わせて最小限のレベル減少のみでレベル補
正が実行される。したがって、ディジタル信号系におけ
るダイナミックレンジが最大限に確保され、S/Nの悪
化が抑制される。
【0010】また好ましくは、第3に、前記信号特性可
変回路において処理されたディジタル信号をアナログ信
号に変換するD/A変換回路と、前記レベル補正手段で
のレベル減少分をアナログ信号において増幅する増幅回
路とを備える。
【0011】上記構成では、ディジタル信号のレベル補
正を行うとともに信号特性を可変し、このディジタル信
号をアナログ信号に変換して前記レベル減少分を増幅す
る。これにより、レベル補正を行った信号が元のレベル
に戻されるため、ユーザにとって違和感のない自然なレ
ベル補正がなされる。このとき、アナログ信号の増幅は
最小限で済むため、S/Nの悪化が抑制される。
【0012】また好ましくは、第4に、前記最大値取得
手段は、インパルス信号を生成して前記信号特性可変回
路のインパルス応答特性を得るインパルス応答取得手段
と、前記インパルス応答特性を周波数空間に変換する座
標変換手段と、前記インパルス応答の周波数特性の最大
値を算出する最大値算出手段とを有してなる。
【0013】上記構成では、信号特性可変回路のインパ
ルス応答特性を得てフーリエ変換などで周波数空間に変
換し、このインパルス応答の周波数特性の最大値を検索
など行って算出する。これにより、信号特性可変回路に
おける周波数空間でのレベル変化特性の最大値を、現在
の設定状態の特性に応じて正確に得られる。
【0014】また好ましくは、第5に、前記信号特性可
変回路は、ディジタルのオーディオ信号における所定の
周波数帯域のレベルを変化させるイコライザであるもの
とする。あるいは、第6に、前記信号特性可変回路は、
ディジタルのオーディオ信号における所定の周波数帯域
を通過させるフィルタ、遅延量を変化させるディレイ、
レベルを変化させるレベル変換器のうちの少なくとも一
つを含むオーディオプロセッサであるものとする。
【0015】上記構成のように、信号特性可変回路とし
てイコライザ、オーディオプロセッサなどを有する信号
処理装置に本発明の構成を適用することにより、これら
の信号処理装置におけるS/Nの悪化が好適に抑制され
る。
【0016】本発明は、第7に、ディジタルのオーディ
オ信号の特性を可変する信号特性可変手段と、前記信号
特性可変手段における周波数空間でのレベル変化特性の
最大値を得る最大値取得手段と、前記信号特性可変手段
において前記最大値に応じてディジタル信号のレベルを
減少するレベル補正手段と、を含む信号処理手段として
コンピュータを機能させるためのプログラムを提供す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係る信
号処理装置を備えたオーディオ装置の構成を示すブロッ
ク図である。このオーディオ装置は、一般にAVアンプ
などと呼ばれるもので、各種オーディオ信号の入力選
択、周波数特性や音場特性などの調整処理、信号増幅な
どの機能を有している。
【0018】信号入力部には、ディジタルオーディオ信
号の入力インタフェースを有しディジタル信号の入力選
択、デコード等を行うディジタル入力部11と、アナロ
グオーディオ信号の入力インタフェースを有しアナログ
信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ(A
DC)12とを備えている。ディジタル入力部11は、
ディジタルオーディオ・インタフェース・レシーバ(Di
gital audio Interface Receiver:DIR)などによっ
て構成される。
【0019】ディジタル入力部11及びA/Dコンバー
タ12の後段には、信号特性可変回路を構成するDSP
(Digital Signal Processor)等からなる信号処理部1
3が設けられ、ここでディジタル信号に対する各種信号
処理がなされるようになっている。信号処理部13の後
段には、ディジタル信号をアナログ信号に変換するD/
A変換回路としてのD/Aコンバータ(DAC)14、
アナログ信号を増幅する増幅回路としてのアンプ15、
信号出力レベルを調整するボリューム16が設けられ、
出力としてアナログのオーディオ信号がスピーカ等へ出
力されるようになっている。ボリューム16は、電子ボ
リューム又は、抵抗アレイ及び切り替えスイッチなどで
構成される。
【0020】また、装置の動作状態などを表示する蛍光
表示管のディスプレイパネル等からなる表示部17と、
グラフィックイコライザの調整操作を行うためのスライ
ドスイッチやタッチパネル等からなるイコライザ操作部
18とが設けられている。そして、マイクロコンピュー
タ(MPU)等による制御部19が設けられ、装置各部
と接続されて動作制御を行うようになっている。
【0021】図2は第1実施形態に係る信号処理部の構
成例を示すブロック図である。この第1実施形態では、
信号処理部13においてディジタルレベル補正部21と
グラフィックイコライザ(GEQ)22とを構成し、こ
のグラフィックイコライザ22によって複数の周波数帯
域ごとにレベルを上下することにより、ディジタル信号
系での周波数特性を調整する場合を例示する。この場
合、入力されたディジタル信号は、グラフィックイコラ
イザ22によって帯域全体の周波数特性が調整され、D
/Aコンバータ14でアナログ信号に変換された後、ア
ンプ15で増幅されて出力される。なお、信号処理部1
3において構成するディジタルレベル補正部21及びグ
ラフィックイコライザ22は、例えば浮動小数点型DS
Pなどを用いることにより、ディジタルレベル補正部2
1→グラフィックイコライザ22の順番に限らず、グラ
フィックイコライザ22→ディジタルレベル補正部21
の順番に構成することもできる。
【0022】グラフィックイコライザ22で信号レベル
を可変する場合、ディジタル信号系の最大レベル(フル
ビットの値)を越えないように、全周波数帯域での合成
レベル変化特性におけるレベル増加分の最大値を演算に
より求め、この最大値の分だけグラフィックイコライザ
22の入力段のディジタルレベル補正部21でレベルを
下げるように補正する。このとき、信号処理部13及び
制御部19によって最大値取得手段を構成し、ディジタ
ルレベル補正部21によってレベル補正手段を構成す
る。
【0023】そして、後段のアナログ信号系のアンプ1
5においてレベル補正分を増幅し、元の信号レベルに戻
すようにする。これにより、グラフィックイコライザの
入出力での不自然なレベル変化を無くし、ユーザが聞い
たときに違和感が無いようにできる。このようなグラフ
ィックイコライザにおけるレベル増加分補正処理につい
て、図3〜図5を用いて以下に説明する。
【0024】図3はグラフィックイコライザによる周波
数特性の調整例を示す特性図である。ここでは、図3の
ように8kHzと16kHzとでそれぞれ+4dBブー
ストする(レベルを上げる)場合を考える。この場合、
それぞれのバンドでのレベル変化特性31,32を合成
した合成レベル変化特性33を演算によって求めて最大
値Aを得る。この合成レベル変化特性33は、図4に示
すような最大値取得手段の構成によってグラフィックイ
コライザのインパルス応答特性を用いた演算を行って求
める。
【0025】図4はグラフィックイコライザにおける合
成レベル変化特性を算出する際の機能構成を示すブロッ
ク図である。合成レベル変化特性33の算出方法として
は、まず、インパルス応答取得手段によってインパルス
信号δ(n)をレベル調整設定済みのグラフィックイコ
ライザ41に入力し、その出力として得られるグラフィ
ックイコライザ41のインパルス応答h(n)を座標変
換手段であるFFT部(高速フーリエ変換部)42によ
ってフーリエ変換して周波数成分g(ω)を得る。そし
て、最大値算出手段である最大値検索部43によってイ
ンパルス応答の周波数成分g(ω)から全周波数帯域に
おける最大値Aを検索して求める。この最大値Aが現在
のグラフィックイコライザ41の設定におけるレベル増
加分の最大値となる。上記のような方法によって、グラ
フィックイコライザにおける合成レベル変化特性の最大
値を正確に求めることができる。なお、インパルス応答
取得手段、座標変換手段、最大値算出手段は、制御部1
9及び信号処理部13において構成される。
【0026】図5はグラフィックイコライザによるレベ
ル増加分の補正値の算出手順を示すフローチャートであ
る。ユーザがグラフィックイコライザを使用する際に
は、表示部17の表示を見ながらイコライザ操作部18
を操作することで、各バンドごとのレベルを調整する。
まず、ステップS1で、ユーザがイコライザ操作部18
を操作するなどして、グラフィックイコライザの設定が
変更されたかを判断し、設定が変更されてグラフィック
イコライザ自体の出力レベルの周波数特性が変化した場
合は、ステップS2に進んでレベル補正値設定モードに
入る。
【0027】そしてステップS3で、グラフィックイコ
ライザ41にインパルス信号δ(n)を入力し、ステッ
プS4で、グラフィックイコライザ41のインパルス応
答をFFT42によりフーリエ変換して周波数成分g
(ω)を求める。次いで、ステップS5で、インパルス
応答の周波数成分g(ω)から最大値Aを検索して求め
る。その後ステップS6で、この最大値Aの値をレベル
増加分補正値dとして設定し、ステップS7で通常モー
ドに移行する。上記求めたレベル増加分補正値dはメモ
リ等に格納しておくことで、グラフィックイコライザ前
段において適量のディジタルレベル補正を行うことがで
きる。
【0028】上記のインパルス応答の算出、FFT、最
大値検索などは、図1における制御部19の指示に従っ
て信号処理部13において実行される。つまり、信号処
理部13のDSPで構成される実際のグラフィックイコ
ライザにおいて、インパルス応答を求めて全周波数帯域
での合成レベル変化特性の最大値Aを算出するようにし
ている。
【0029】図6はグラフィックイコライザの入出力段
におけるレベル変化を示す動作説明図である。図6で
は、図3のグラフィックイコライザの周波数特性におけ
る1kHz(レベル変化無し)と11kHz(レベル変
化最大)でのレベル変化を示している。実線X1と破線
Y1が本実施形態の動作例であり、X1が11kHz、
Y1が1kHzを示している。また、一点鎖線X2と二
点鎖線Y2が従来例の動作例であり、X2が11kH
z、Y2が1kHzを示している。ここでは0dBのデ
ィジタル信号が信号処理部13に入力される場合を考え
る。
【0030】本実施形態では、信号処理部13の入力段
のディジタルレベル補正部21において、グラフィック
イコライザ22の前段で前述のように求めた合成レベル
変化特性の最大値Aをレベル増加分補正値dとしてレベ
ル減少する。そして、グラフィックイコライザ22で各
周波数帯域毎のレベル調整を行うと、11kHzでは前
記最大値Aだけレベルが増加される。そして、D/Aコ
ンバータ14で変換後のアナログ信号の状態において、
後段のアンプ15によって前記レベル増加分補正値dに
よるレベル減少分Aのゲインを増幅し、1kHzでレベ
ルが元の0dBとなるようにする。この場合、アナログ
信号系におけるノイズ成分の増幅が最小限に抑えられ、
出力信号のダイナミックレンジD1は大きく確保でき
る。
【0031】一方従来例のように、グラフィックイコラ
イザの前段においてマージン分αを含めた値Bをレベル
増加分補正値dとしてレベル減少した場合でも、グラフ
ィックイコライザでは11kHzにおいて前記最大値A
だけレベルが増加される。そして、D/Aコンバータ1
4で変換後に元の信号レベルに戻すためには、後段のア
ンプ15で前記レベル減少分Bのゲインを増幅する必要
がある。この場合、ノイズ成分の増幅ゲインも一緒に増
加してしまうため、ダイナミックレンジD2はアナログ
信号系でのゲイン増加分、すなわちマージン分αだけ小
さくなってしまう。
【0032】なお、アナログ信号を増幅するアンプ15
には、制御部19からの制御信号に従って細かいステッ
プでゲインを可変できるアンプを用いる。これにより、
前段のディジタルレベル補正部21でのレベル減少分、
すなわちグラフィックイコライザ22の合成レベル変化
特性の最大値Aに応じた量だけ増幅を行うことが可能に
なる。
【0033】上述したように、本実施形態では、グラフ
ィックイコライザのインパルス応答特性を用いた演算に
よって、現在のグラフィックイコライザのレベル設定に
おける全周波数帯域でのレベル増加分の最大値を求める
ことができ、グラフィックイコライザの前段でその最大
値のレベル分だけ減少することによって、入力信号がデ
ィジタル信号系での最大レベルを超えてクリップしてし
まうことを防止しつつ、S/Nの悪化を最小限に抑える
ことが可能である。
【0034】図7は第2実施形態に係る信号処理部の構
成例を示すブロック図である。第2実施形態では、第1
実施形態のグラフィックイコライザの代わりに、信号処
理部13においてカットオフ周波数可変型のフィルタ5
1、遅延量可変型のディレイ52、ゲイン可変型のレベ
ル変換器(アンプ)53、加算器54を設け、特性変化
させた信号と元の信号とをミックスするオーディオプロ
セッサを構成した例を示す。この構成は、周波数特性や
残響特性を変化させたり反射音を付加して所望の音場を
形成するために信号処理を行う音場プロセッサ、エフェ
クタなどにおいて用いられる。
【0035】この場合、入力されたディジタル信号は、
フィルタ51によって所定の周波数成分のみが通過する
よう帯域制限され、ディレイ52によって時間軸上で所
定量の遅延がかけられ、レベル変換器53によって所定
量のレベル増減がなされる。そして、加算器54によっ
て元の信号と特性変化させた信号とが加算されて混合さ
れる。このようなフィルタ、ディレイ、及びレベル変換
器によって信号特性を変化させると、周波数軸上では、
図7に示すように入力信号がフラットな特性を持つ場合
であっても、出力信号は所定の周波数帯域においてレベ
ルが変化する。
【0036】このようなオーディオプロセッサでは、従
来は周波数帯域における合成レベル変化特性を得てレベ
ル増加分の最大値を求めることは困難であったが、前述
したインパルス応答特性に基づく演算を用いることによ
って、第1実施形態と同様にして合成レベル変化特性の
最大値を正確に求めることができる。したがって、第1
実施形態と同様に算出した最大値の分だけレベル増加分
補正値としてオーディオプロセッサの前段でレベル減少
することにより、後段のアナログ信号系での増幅ゲイン
を最小限にすることができ、ディジタル信号系での信号
レベルの飽和を防止しつつ、出力信号のダイナミックレ
ンジをより大きく確保することが可能である。
【0037】なお、上述した実施形態では、最大値取得
手段において、ユーザの操作などによってグラフィック
イコライザなどの信号処理部の特性が変化したときに、
周波数帯域における合成レベル変化特性の最大値を求め
てレベル増加分補正値を設定したが、これに限るもので
はない。例えば、それぞれの特性設定ごとに予め合成レ
ベル変化特性の最大値を求めてレベル増加分補正値を決
定し、補正テーブルなどでメモリ等に格納しておき、動
作時にこの補正テーブルから現在の設定に対応するレベ
ル増加分補正値を読み出すようにしてもよい。ただし、
上記の実施形態の構成によれば、レベル増加分補正値を
記憶するメモリが最小限で済み、DSPやMPUのプロ
グラム変更や追加のみで実現できるため、装置規模の大
型化やコスト上昇を抑制でき、より好適である。
【0038】また、上述した実施形態では、信号処理部
の周波数帯域における合成レベル変化特性の最大値を求
める際に、制御部のMPUなどの指示によって信号処理
部のDSPで演算を行う場合を示したが、演算能力など
に問題がない場合はMPU側で演算を行って最大値を設
定するような構成でもよい。
【0039】また、上述した実施形態では、求めた最大
値に応じてレベル調整を行う際に、典型例として最大値
そのものをレベル減少量とした例を示したが、これに限
らず、演算誤差を吸収するマージンなどを含めた所定値
を最大値に加算した分のレベルを下げるようにしてもよ
い。
【0040】また、上述した本実施形態の技術をパーソ
ナルコンピュータ(PC)などのコンピュータにおいて
実行するプログラムによって各手段の機能を実現するこ
ともでき、このプログラムはCDなどの記録媒体、又は
ネットワークを経由してオンラインで配布流通可能であ
る。
【0041】以上のように、ディジタル信号系において
信号処理部による周波数特性などの変更に伴う信号クリ
ップを防止するためにレベル補正を行う場合、実際の信
号処理部の合成レベル変化特性の最大値を求めてこの最
大値に応じてレベル減少を行うことによって、ディジタ
ル信号系でのレベル減少を最小限にしてダイナミックレ
ンジをできるだけ大きくとることが可能である。これに
よって、後段のアナログ信号系でのレベル合わせのため
の増幅ゲインも最小限で済むので、S/Nの悪化を抑制
することができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、特
性可変時に信号がクリップしないように、信号特性可変
回路のレベル変化特性に合わせて最小限のレベル減少の
みでレベル補正を実行できるので、ディジタル信号系に
おけるダイナミックレンジを最大限に確保でき、S/N
の悪化を抑制できる。
【0043】また、ディジタル信号のレベル補正を行う
とともに信号特性を可変し、このディジタル信号をアナ
ログ信号に変換して前記レベル減少分を増幅することに
より、レベル補正を行った信号が元のレベルに戻される
ため、ユーザにとって違和感のない自然なレベル補正が
可能であり、このときアナログ信号の増幅は最小限で済
むため、S/Nの悪化を抑制できる。
【0044】また、信号特性可変回路のインパルス応答
特性を得てフーリエ変換などで周波数空間に変換し、こ
のインパルス応答の周波数特性の最大値を検索など行っ
て算出することにより、信号特性可変回路における周波
数空間でのレベル変化特性の最大値を、現在の設定状態
の特性に応じて正確に得ることができる。
【0045】また、信号特性可変回路として所定の周波
数帯域のレベルを変化させるイコライザや、所定の周波
数帯域を通過させるフィルタ、遅延量を変化させるディ
レイ、レベルを変化させるレベル変換器のうちの少なく
とも一つを含むオーディオプロセッサなどを有する信号
処理装置に適用することにより、これらの信号処理装置
におけるS/Nの悪化を好適に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る信号処理装置を備えた
オーディオ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る信号処理部の構成例を示す
ブロック図である。
【図3】グラフィックイコライザによる周波数特性の調
整例を示す特性図である。
【図4】グラフィックイコライザにおける合成レベル変
化特性を算出する際の機能構成を示すブロック図であ
る。
【図5】グラフィックイコライザによるレベル増加分の
補正値の算出手順を示すフローチャートである。
【図6】グラフィックイコライザの入出力段におけるレ
ベル変化を示す動作説明図である。
【図7】第2実施形態に係る信号処理部の構成例を示す
ブロック図である。
【図8】従来例における各周波数帯域のレベル変化を示
す説明図である。
【符号の説明】
11 ディジタル入力部 12 A/Dコンバータ(ADC) 13 信号処理部(DSP) 14 D/Aコンバータ(DAC) 15 アンプ 16 ボリューム 17 表示部 18 イコライザ操作部 19 制御部 21 ディジタルレベル補正部 22,41 グラフィックイコライザ 31,32 各バンドでのレベル変化特性 33 合成レベル変化特性 42 FFT部 43 最大値検索部 51 カットオフ周波数可変型のフィルタ 52 遅延量可変型のディレイ 53 ゲイン可変型のレベル変換器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタルのオーディオ信号の特性を可
    変する信号特性可変回路を有する信号処理装置であっ
    て、 前記信号特性可変回路における周波数空間でのレベル変
    化特性の最大値を得る最大値取得手段と、 前記信号特性可変回路において前記最大値に応じてディ
    ジタル信号のレベルを減少するレベル補正手段と、 を備えたことを特徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記レベル補正手段は、前記信号特性可
    変回路において前記最大値分だけディジタル信号のレベ
    ルを減少することを特徴とする請求項1記載の信号処理
    装置。
  3. 【請求項3】 前記信号特性可変回路において処理され
    たディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換
    回路と、前記レベル補正手段でのレベル減少分をアナロ
    グ信号において増幅する増幅回路とを備えたことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記最大値取得手段は、インパルス信号
    を生成して前記信号特性可変回路のインパルス応答特性
    を得るインパルス応答取得手段と、前記インパルス応答
    特性を周波数空間に変換する座標変換手段と、前記イン
    パルス応答の周波数特性の最大値を算出する最大値算出
    手段とを有してなることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の信号処理装置。
  5. 【請求項5】 前記信号特性可変回路は、ディジタルの
    オーディオ信号における所定の周波数帯域のレベルを変
    化させるイコライザであることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の信号処理装置。
  6. 【請求項6】 前記信号特性可変回路は、ディジタルの
    オーディオ信号における所定の周波数帯域を通過させる
    フィルタ、遅延量を変化させるディレイ、レベルを変化
    させるレベル変換器のうちの少なくとも一つを含むオー
    ディオプロセッサであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の信号処理装置。
  7. 【請求項7】 ディジタルのオーディオ信号の特性を可
    変する信号特性可変手段と、 前記信号特性可変手段における周波数空間でのレベル変
    化特性の最大値を得る最大値取得手段と、 前記信号特性可変手段において前記最大値に応じてディ
    ジタル信号のレベルを減少するレベル補正手段と、 を含む信号処理手段としてコンピュータを機能させるた
    めのプログラム。
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