JP2000113594A - デジタル音質調節器およびデジタル音質調節方法 - Google Patents

デジタル音質調節器およびデジタル音質調節方法

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JP2000113594A
JP2000113594A JP11279739A JP27973999A JP2000113594A JP 2000113594 A JP2000113594 A JP 2000113594A JP 11279739 A JP11279739 A JP 11279739A JP 27973999 A JP27973999 A JP 27973999A JP 2000113594 A JP2000113594 A JP 2000113594A
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JP11279739A
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Rustin W Allred
ダブリュ.オーレッド ラスティン
Robert S Young
エス.ヤング ロバート
Michael J Tsecouras
ジェイ.トセカラス マイケル
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Texas Instruments Inc
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
    • H03G5/00Tone control or bandwidth control in amplifiers
    • H03G5/005Tone control or bandwidth control in amplifiers of digital signals

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  • Tone Control, Compression And Expansion, Limiting Amplitude (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタルオーディオトレブル音質調節器用シ
ェルビングフィルタを使用して実現されるデジタルオー
ディオ音質調節器において音質調節設定値が変えられる
時のアーチファクト(ノイズ、歪み、等)を解消する。 【解決手段】 フィルタステップを線形目盛上の小さな
等ステップへ変えてアーチファクトを解消する。ステッ
プが所要分解能に対して大きすぎる場合は、フィルタス
テップを付加する。トレブル調節におよそ150フィル
タステップを使用しバス音質調節に128フィルタステ
ップを使用する。デジタル音質調節のためのフィルタス
テップを実現する効率的な方法は1セットのフィルタ係
数値および少量の付加情報を格納し、次に他の全てのス
テップ間で係数を増分する。それはフィルタ係数を定義
し、フィルタ係数対フィルタステップのプロットを区分
的に線形化して線形領域を画定し、フィルタ係数の初期
セットを定義し、フィルタステップ間の増分を定義して
達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は音質調節設定値を変
える時にアーチファクト(ノイズや歪み)を生じること
なくより高性能オーディオ出力信号を発生するデジタル
オーディオ音質調節器を実現するための改良された方法
に関する。それはユニークで非常に効率的なデジタルフ
ィルタ係数変更方法を使用して達成される。本発明はデ
ジタルフィルタのリアルタイム可調節性により作り出さ
れるアーチファクトを解消するあらゆる応用に適用され
る。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号を処理してその聴取特性
を改善することは前からよく理解されている周知の技術
領域である。これらのオーディオ信号源は多種多様であ
り、ざっとあげただけでもラジオおよびTV局、テー
プ、CD,PC,および衛星がある。オーディオ信号は
各人の生活の重要な部分である。そのため、クリアでノ
イズおよび歪みの無い聴取を行うことが大概のオーディ
オシステムの目的となる。広帯域利得(ボリューム)、
高周波利得(トレブル)および低周波利得(バス)の可
調整性は大概のオーディオシステムにとって不可欠とは
いわないまでも望ましい特徴である。
【0003】歴史的に、システムはアナログオーディオ
信号を受信してきている。今日でも、大概のシステムは
アナログオーディオ信号を変換せずに受信し処理するよ
うに設計されている。図1はオーディオ信号を人間が聴
くことのできる音へ変換する音源(100)、オーディ
オ処理(101)およびラウドスピーカ(102)を示
す典型的なオーディオシステムのブロック図を示す。図
2は典型的なアナログオーディオシステムがどのように
実現されるかを示す。音源(103)、システムスペク
トル応答を平坦化するのに使用できる等化器(10
4)、特定(バスもしくはトレブル)の周波数範囲内の
利得を調整する音質調節器(105)、全体信号強度お
よびラウドスピーカを調整するオーディオ増幅器(10
6)が示されている。
【0004】等化器および音質調節器に関していくらか
注釈を加えるのが適切と思われる。前記したように、等
化器はオーディオ信号帯域内のシステムスペクトル応答
を平坦化する。通常、理想的な応答はほぼ20Hzから
20kHzまで平坦である。音質調節(バスおよび/も
しくはトレブル)は大概のシステムにおいて不可欠であ
り等化器付きもしくは無しで使用できる。現在の高性能
システムは一般的にアナログ等化器を使用している。前
記したように、音質調節器は特定の周波数範囲内でオー
ディオ信号を増減する。トレブルの場合、この範囲はオ
ーディオ帯域の高端でありおよそ10kHz以上であ
る。バスの場合、周波数範囲はオーディオ帯域の低端で
ありおよそ20Hzから数百Hzまでである。図3は±
18dBの音質調節バスブーストおよびカットのインパ
クトを有する典型的なオーディオスペクトルを示す。イ
ンパクトは主として100Hzよりも下である。中間プ
ロットはオリジナル信号である。図4は±18dBの音
質調節トレブルブーストおよびカットのインパクトを有
する典型的なオーディオスペクトル(判りやすくするた
めに平均化されている)を示す。図3と同様に中間プロ
ットはオリジナル信号である。上下のプロットはそれぞ
れブースト(利得増加)もしくはカット(利得低減)さ
れたオリジナル信号である。
【0005】アナログシステムの利点は、1)自然界が
アナログであり今日でも多くの信号がアナログフォーマ
ットで作り出される、2)特に高性能システムに対し
て、良く実現されたアナログシステムは知覚される僅か
な歪みもしくは無歪みで優れた音を作り出す、3)アナ
ログ設計者の間には歴史と経験の大きな資産がある。し
かしながら、アナログシステムにはいくつかの制約があ
る。デジタルシステムに較べてアナログはコストが高
く、またデータの格納および伝送が容易であるだけでな
くフレキシビリティおよびプログマビリティが改善され
ているため、世界は急速にデジタルシステムへ変換しつ
つある。アナログシステムでは、システム性能は利用可
能な部品の特性により制約される傾向があり、またハー
ドワイヤされる傾向がある。デジタルシステムではそう
ではない。
【0006】デジタルオーディオシステムの利点は良く
知られているが明快にするために要約する。第1に、何
よりもまず、デジタルシステムはアナログシステムでは
得られない性能利点を提供する。それらの利点はデジタ
ルシステムの、1)大概の任意の数学的機能を実現す
る、2)ノイズを免れる、および3)プログマビリティ
の能力から生じるものである。一般的に、デジタルシス
テムは類似性能のアナログシステムより低廉であり、著
しく低廉であることもしばしばである。
【0007】デジタルシステムの多くの利点により、ア
ナログオーディオシステムは全面的もしくは部分的にデ
ジタル技術への急速な変換を開始している。1980年
代初期にソニーにより導入されたコンパクトディスク
(CD)のようなオーディオシステムからのデジタル入
力が、AES/EBU−SPDIFおよびIEEE13
94のような標準デジタルオーディオインターフェイス
からの入力と組み合わされて、システムエンジニアは等
化器および音質調節器を含む全デジタルオーディオシス
テムを考慮せざるをえなくされている。大抵の場合、オ
ーディオ増幅器およびラウドスピーカは予知できる未来
についてアナログのままとされるものと思われる。デジ
タルオーディオ信号は既知のデジタル/アナログコンバ
ータ(DAC)技術を使用して処理した後でアナログへ
変換され、その後増幅してスピーカへ入力される。事
実、今日多くの市販製品/システムの出力はアナログで
はなくデジタルであり、DVD、デジタルテープ、直接
衛星放送、高精細度TV(HDTV)放送、その他多く
の例がある。オーディオを含む大概の娯楽コンテントが
現在コンテントプロバイダによりデジタルで作り出され
処理されている。
【0008】概念的な“従来技術”のハイブリッドデジ
タルオーディオシステムのブロック図を図5に示す。デ
ジタルシステムは図5の頂部に示すように実現される。
それはデジタル音源(107)、オプショナルであるデ
ジタル等化器(108)、デジタル音質調節器(11
1)および処理したデジタルオーディオ信号をアナログ
へ変換し戻してオーディオ増幅器(113)およびスピ
ーカへ入力するDAC(112)を含んでいる。多くの
コンテント(入力信号)がまだアナログ形状であるた
め、システムはアナログもしくはデジタル信号を受け入
れるように設計することができる。図5の下部はハイブ
リッドアナログ/デジタルシステムを作り出すためシス
テムへ加えられる、デジタルもしくはアナログ信号を受
信して処理することができるアナログ/デジタル変換
(ADC)機能(110)を示す。このようなハイブリ
ッドシステムはまだ市場で代表的なものではないが、文
献にそのように記載されているため従来技術と考えられ
る。本発明はこのようなシステムをより実現可能にす
る。
【0009】本発明は図5に記載したデジタルオーディ
オシステムの音質調節部に関する。単一チャネルに対す
るデジタル音質調節器を実現する既知の技術を図6に示
す。典型的なオーディオシステムは、ある形式の集積回
路コントローラ(116)により制御される、各チャネ
ル内のトレブル(114)およびバス(115)に対す
る個別のデジタルフィルタを含んでいる。図5には1チ
ャネルしか図示されていないが、第2もしくは多数のチ
ャネルの各々が同一で同じプロセッサ(116)により
制御することができる。入力プロセッサ(116)はマ
イクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μ
C)、デジタル信号プロセッサ(DSP)もしくはカス
タムコントローラの中で、システムで利用できるものも
しくは最もコスト効果の高いものとすることができる。
デジタルフィルタを実現し変更するための情報を制御し
格納するのに必要なタイプの数学にとってDSPは特に
よく適しており非常に効率的である。コントローラへの
音質調節入力は数学的もしくは電気的刺激により作り出
すことができる。電気的入力へ変換されたポテンショメ
ータ、キーボードおよびシャフトエンコーダからの機械
的入力が一般的である。
【0010】デジタル音質調節器に使用されるフィルタ
は典型的にはシェルビングフィルタである。本出願で
は、シェルビングフィルタはオーディオ帯域の中心では
0dBへ向かって収束し、帯域エッジではある有限値に
向かって収束する。多くのフィルタは使用中は固定され
たままであるパラメータを有するが、オーディオ音質調
節フィルタのパラメータは可調整でなければならない。
【0011】デジタルフィルタの動作および数学につい
ては下記の文献で広く検討されている、1)1998年
マクミラン出版社、プロアキスおよびマノラキス“In
troduction to Digital Sig
nal Processing”。
【0012】オーディオ処理用デジタルフィルタは下記
の文献で詳しく検討されている、1)イノンディンおよ
びディビッドロッサン、“Filter Morphi
ngof Parametric and Shelv
ing Filter for Audio Sign
al Processing”、第821−826頁、
Journal of Audio Engineer
ing Society,第43巻、第10号、199
5年10月。2)ムールジョプロス、キリアキス−ビツ
ァロスおよびグーティス、“Theory and R
eal−Time Implementation o
f Time−Varying Digital Au
dio Filters”、第523−536頁、Jo
urnal of the Audio Engine
ering Society;Audio/Acous
tics/Applications,第38巻、第7
/8号、1990年7月/8月。3)ゾエルツァー、レ
ッドマーおよびブコロツ、“Strategies f
or Switching DigitalAudio
Filters”、Audio Engineeri
ng Society(AES)Reprint、第3
714号(B1−PM−6)、1993年10月7−1
0日ニューヨークのAES協議会で提案された。
【0013】典型的なデジタルフィルタアーキテクチュ
アは図7Aに示すように定義することができる。ここ
に、a0,a1,a2およびb0,b1,b2はフィルタ係数
であり、z-nはnサンプルの遅延である。フィルタの伝
達関数は次のように記述することができる。
【数1】 ここに、Y(z)はオーディオ出力信号(周波数領域)
またX(z)は入力信号(周波数領域)である。参考文
献には、デジタルフィルタの動作が詳細に検討されてお
り当業者ならばよく知っている。参考文献に従って、フ
ィルタ係数は一般的に現在および所望の設定値間を横切
る時にフィルタ応答がいくつかの小さく(端数dB)、
指数的に等しいフィルタステップ中をシーケンスするよ
うに変えられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】デジタル音質調節のこ
の概念を試験する時に、CDデジタルオーディオ出力、
16ビット信号および44.1kHzのサンプルレート
を使用するデジタルオーディオシステムでは、望ましく
ないアーチファクトが導入されることが判った。これら
のアーチファクトはバスおよびトレブルレベルが調整さ
れた時のクリック、ポップおよびジッパーノイズ(一連
のポップ)のようなノイズもしくは歪みの形状をとる。
より小さいフィルタステップ(0.01dBまで)によ
り問題は解決されるものと思われたが、より小さいステ
ップが使用された時にもまだアーチファクトは存在し
た。これはトレブル調節において特にそうであった。多
数のより小さいステップは、それ自体内で設計者に対し
てさらに問題を提示した。それは、1)実現時間;例と
して、0.01dBステップは±18dBオーディオ調
節範囲に対して3600の設定値を必要とする。2)プ
ログラミングの複雑度が増し、3)大きな半導体ダイを
必要とするメモリサイズ増大の潜在的な付加コストであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は設定値が変更さ
れる時にアーチファクトを解消するデジタルオーディオ
音質調節システムを設計するための新しい非常にユニー
クな方法を提供する。また、トレブルおよびバス音質調
節の両方に使用される複素デジタルシェルビングフィル
タ係数を実現するための非常に効率的な方法も説明され
る。それは、1)メモリ記憶スペース、2)プロセッサ
計算パワー、3)利用可能な集積回路ダイサイズおよび
/もしくは4)他のコスト要件、等の制約があるところ
に応用することができる。典型的に、この効率的な方法
は小型で、コストが変動しやすい、中−高性能スタンド
アロンオーディオシステムにとって非常に重要となるこ
とがあり、アーチファクト解消方法はいかなるデジタル
音質調節方式にも応用できる。
【0016】デジタルオーディオ音質調節器はシェルビ
ングフィルタを使用して実現することができる。デジタ
ルオーディオトレブル音質調節器は音質調節設定値が変
更された時にアーチファクト(ノイズ、歪み、等)を示
したことが判った。それは従来1dBの端数の従来の小
さく等しい(dB目盛で)フィルタステップ内でフィル
タ係数を変えることにより達成された。これはバスフィ
ルタに対しては有効に作用したが、トレブルに対するア
ーチファクトは依然として存在した。本発明はフィルタ
ステップを線形目盛上で小さく等しいステップへ変更す
ることによりこれらのアーチファクトを解消できること
に気づいた。さらに、所要分解能に対してステップが大
きくなりすぎた場合には、付加フィルタステップが加え
られた。トレブル調節器に対しては150フィルタステ
ップが使用され、バス音質調節器には128フィルタス
テップが使用された。
【0017】デジタル音質調節器用フィルタステップを
実現する非常に効率的な方法が説明される。全フィルタ
係数、もしくはフィルタ係数計算式を格納し次に各係数
ステップを計算する替わりに、本発明は1セットのフィ
ルタ係数値および少量の付加情報を格納し次に他の全て
のステップ間の係数を増分する。本発明は所要メモリを
95%も低減することができるまたはフィルタ係数を実
現するマシンサイクルを40−200回削減することが
できる。この新しい効率的方法は、1)フィルタ係数を
定義し、2)フィルタ係数対フィルタステップのプロッ
トを区分的に線形化して線形領域を画定し、3)フィル
タ係数の初期セットを定義し、4)フィルタステップ間
の増分を定義して達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明はトレブル音質調整器が変
更される時にアーチファクトを解消するデジタルオーデ
ィオ音質調整システムを設計するための新しい非常にユ
ニークな方法である。トレブルおよびバス音質調整器の
両方で使用される複素シェルビングフィルタを実現する
ための非常に効率的な方法も説明される。これは、1)
メモリ記憶スペース、2)プロセッサ計算パワー,3)
メモリに利用可能なダイサイズおよび/もしくは4)コ
スト要件、等の制約があるところに応用できる。
【0019】快適音響バスおよびトレブル調節器の特性 本発明へと導いた最初の要件は、デジタルフィルタ係数
を変えてバスおよびトレブル調節器が調整される時に生
じることがあるアーチファクトを除去することであっ
た。変動する粒度(granularity)によりフ
ィルタ係数が変えられる所で実験が実施された。係数変
化間の時間経過も変更された。主観的な聴取試験はトレ
ブル調整よりもバス調整の方が遥かに可聴アーチファク
トの影響を受けないことを示した。たとえ変化の粒度が
端数dBであっても、トレブル調整において可聴アーチ
ファクトが生じることが判った。トレブルアーチファク
トを解消する方法は特許請求の範囲の1つである。トレ
ブルフィルタが従来のdB目盛のように対数的にではな
く線形に変化するようにシェルビングフィルタ係数を変
化させると、アーチファクトが解消されることが判っ
た。
【0020】線形ベースでの等増分対dBベースでの標
準等増分フィルタステップ変化の概念についてはさらに
説明する必要がある。図7Bのプロットは等線形ステッ
プおよび従来技術およびより伝統的な等dBステップに
対するdBフィルタ利得対フィルタステップのデルタd
Bのプロットを示す。等dBステップをプロットする時
に予期されるように、定義されたdBステップデルタに
おける直線が得られる。プロットにおいて(点線)dB
間隔は全フィルタステップ間で0.25dBの等間隔で
ある。フィルタステップ間を等線形間隔でプロットする
と遥かに異なる結果が示される。利得が+18dBから
−10dBまで横切ると、フィルタステップはdB目盛
上で漸増するが、−10dBおよび−18dB間を続け
て横切るとフィルタステップは大きくなる。後述するよ
うに、1dBよりも大きいステップは設計者にとって問
題であるため、これは重大である。
【0021】図8はフィルタが従来のdB目盛(左の図
表)もしくは標準線形目盛(右の図表)上を±18dB
範囲にわたって20ステップで均一に横切る場合にデジ
タルトレブル音質調整器において使用することができる
デジタルフィルタの周波数応答間の概念的な違いを示
す。左の図表(図8A)は均一な(等しい)dBステッ
プを有する20のデジタルシェルビングフィルタに対す
るトレブルデジタルフィルタ周波数応答である。図8B
のプロットは±18dB間で均一な線形ステップを有す
る20のデジタルシェルビングフィルタに対するトレブ
ルデジタルフィルタ周波数応答である。
【0022】利得を均一な線形増分で変化させるとアー
チファクトの解消に役立つが、それでも利得を小さい増
分で変化させる必要がある。さらに、係数変化間である
量の遅延を除去することにより聴取経験が非常に改善さ
れる。利得分布が均一でトレブル利得変化間におよそ6
4のサンプルを有する(44.1kHzで)128のフ
ィルタが最善の音響構成であることが確認された。この
構成はアナログ調節器と極めて同様に響く。それは正確
に128フィルタもしくは64サンプルである必要がな
い。この一般的な方法がアーチファクトを解消する。後
述する他のさまざまな係数だけでなく128および64
の値もこの概念の1つの有効な実施例を表す。トレブル
調整が行われると、各変化間に64サンプルの遅延を有
して、古い利得レベルと新しい利得レベル間で各フィル
タを通る動きが生じる。
【0023】調査全体を通してトレブルおよびバス調節
範囲は±18dBでコーナー周波数はバスに対しては1
00Hzトレブルに対しては10kHzと仮定された。
これらのパラメータは容易に変更され全体アーキテクチ
ュアに影響を及ぼすことがない。図9はトレブルフィル
タ利得対±18dB間で均一な線形間隔を有する128
のシェルビングフィルタに対する周波数を示す。しかし
ながら、図9の一連のフィルタプロットを考慮すると、
これらのフィルタしか使用されない場合には、可調整性
分解能が低すぎる場所があることは明らかである。例え
ば、−18dBと次のフィルタの間には4dBギャップ
がある。一般的に、ユーザは1dBよりも小さい分解能
ステップを望んでいる。図9に示されているのは可聴ア
ーチファクトを防止するのに必要な最小セットのフィル
タであるため、分解能を高めるためにさらにフィルタを
付加することは問題ない。そのため下記の方法が選択さ
れる、1)128のオリジナルフィルタを維持し、さら
に2)その間に22のフィルタを付加してギャップを埋
め必要な分解能を与える。このような1セットのフィル
タが図10に図示されている。さらに聴取試験を行って
図10のフィルタセットは所望の可調整性分解能を提供
しながらアーチファクトの無い、快適な聴取経験を実際
に提供することが立証された。
【0024】この新しい発明により、フィルタ更新すな
わち増分が単純に達成される。入力語が新しい利得設定
値を表示し装置は現在の設定値と新しい音質調節設定値
間で各フィルタ中をステップし、各ステップ間で64サ
ンプルを濾波する。本発明では、必要な全てのフィルタ
が装置内で予め定義されており、全ての遷移が同様に実
現される。本開示の第2の部分はフィルタ係数の変更を
ユニークな方法でどのように効率的かつコスト効果的に
実現できるかを説明することである。
【0025】効率的かつコスト効果的なデジタルフィル
タの実現 図10のフィルタセットは合計150フィルタを含んで
いる。装置はそれら全てに対する定義を有し、かつトレ
ブルフィルタ係数更新が行われる時にその各々を前後に
通過できる必要がある。しかしながら、これらの全係数
を格納することは費用のかかるものとなることがある。
したがって、1セットのフィルタ係数とこれらの係数に
対するおよそ6セットの更新すなわち増分しか格納する
必要のない方法が開発された。つぎに、このプロセスに
ついて説明する。
【0026】このプロセスの実施例は下記のステップを
含む。 1. 使用されるシェルビングフィルタセットを決定す
る。(説明するトレブルケースの例では、それは図10
に示す150フィルタのセットである)、 2. フィルタステップの関数としてフィルタ係数をプ
ロットする(図11および12)、 3. プロットを区分的に線形化する、 4. 使用するフィルタ係数の初期セットを選択する
(ここでは、0dB係数がデフォールトケースとして選
択される)、 5. ステップ3の区分的線形化に基づいて、フィルタ
係数を変える時に使用されるデルタすなわち増分を決定
する、 6. 所望のフィルタ応答からの偏差を最小限に抑える
ために区分的線形化の調整が必要となることもある。
【0027】図11に従来技術プロセスのステップ2に
記述したプロットを示す。図10の最終トレブル構成に
対して、プロットされたb0,b1,b2,a1およびa2
に対するトレブルシェルビングフィルタ係数対±18d
B範囲に対する1−150のフィルタステップのプロッ
トである。係数a0は常に1として定義されそのためプ
ロットされない。
【0028】1セットの係数および少量の更新(増分)
情報を格納することにより、図10の全セットを実現す
るのに必要なフィルタを単純に計算することができる。
図示する例では、1セットの係数と5もしくは6セット
のデルタが実現のために格納される。計算負担は非常に
軽い。これは多数の係数を格納するための非常に低コス
トな方法である。この技術は一般的でありさまざまな特
定の方式をとることができるが、一例を示す。
【0029】多数のフィルタ変更に対するこの単純化さ
れた非常に効率的な増分方法を、1)公式を格納して係
数を計算するあるいは2)完全な係数セットを格納す
る、考えられる他の方法と比較すると即座に重要性が判
る。全フィルタ係数を格納された公式から計算する方式
は、本発明で検討される増分方法を実行するのに必要な
マシン(コントローラ)サイクル数の40−200倍の
範囲のマシンサイクル数を必要とする。新しい単純な技
術を使用するこの特定の音質調節応用に必要なメモリ
は、係数が格納された場合の640−750語に対して
およそ30−35(24ビット)語の記憶装置を必要と
し、95%の低減となる。集積回路方式ではメモリは典
型的に低廉であるが、利用可能なメモリ容量に達してい
る時にメモリの付加ブロックを付加するのは費用がかか
ることがある。
【0030】トレブルおよびバス(後述する)の両方を
シリコン内に実現するハードウェアだけでなくシミュレ
ーションが達成され優れた結果を立証した。使用したシ
ミュレーションソフトウェアパッケージはMatla
b,Release5.1997年4月であった。それ
はThe Math Works,24 PrimeP
arkway,Natick,Ma.01760の製品
である。ハードウェア実現の前に、標準Matlabソ
フトウェアパッケージを使用してトレブルおよびバス調
節技術がプロトタイプされた。シミュレーションでは、
ウェーブファイル(2進フォーマット)形式の16ビッ
ト、44.1kHzデジタルオーディオ信号選択が処理
された。トレブルおよびバスレベルはあるプリセットパ
ターン中を通されさまざまなランダム値へも移行され
た。CDへウェーブファイルを出力しトレブルもしくは
バス内のアーチファクトを任意に処理するために音楽を
聴取して評価を実施した。
【0031】図10に示すトレブルフィルタ(150フ
ィルタステップ)が次のように実現された。0dBに対
する初期浮動小数点フィルタ係数(フィルタステップ1
14)が示される。
【数2】 公式2: 0dBに対するトレブルフィルタ係数適用可
能な場合全データがMatlab記数法である。係数は
式1に示す定義のフィルタに対するものである。
【0032】表2は図11のプロットの特定のフィルタ
ステップに対するフィルタ係数を決定するのに使用した
増分(更新)を示す。
【0033】
【表1】トレブルシェルビングフィルタ係数増分 表2:データトレブル音質調節器に対する浮動小数点係
数増分(更新)対フィルタステップ
【0034】左側の列は関心のあるフィルタステップ範
囲を表す。表の頂部を横切る値は適切な変数(a0
1,a2,b0,b1,b2)のフィルタ係数増分(更
新)である。初期化されると、0dB係数がロードされ
る(公式2)。異なるトレブル設定値へ指令されると、
各中間フィルタ設定値が横切される。それは係数に適切
な増分値を加算する(より低いフィルタステップへ移る
場合)かあるいは減算して(より高いフィルタステップ
へ移る場合)行われる。最低フィルタステップは1であ
り最高は150である。係数a0は常に1であるためデ
ルタはゼロでありなんの操作も実施する必要がない。0
dBを通過する時は計算値ではなく実際の初期係数が使
用される。区切り点(フィルタステップ範囲の)では異
なる増分をチェックするよう注意しなければならない。
領域126:150は領域114:125とは異なる増
分を有することをお判り願いたい。フィルタ数を増分す
る時に、使用した増分は現在のフィルタに関連したもの
である。そのため、125から126へ遷移が行われる
時は、114:125フィルタステップに対する増分が
使用される。しかしながら、126から127へ移る時
は、126:150フィルタステップに対する増分が使
用される。次に低いフィルタへ移行するコマンドが受信
される場合、使用される増分は次の行先領域に関連した
ものである。それは127から126へ移行する時に、
フィルタステップ126:150に対する増分が加算さ
れることを意味する。また、126から125へ移行す
る時に、フィルタステップ114:125に対する増分
が加算される。
【0035】44.1kHzのサンプルレートに対し
て、次のセットへ移行する前におよそ64サンプルを各
係数セットで濾波しなければならない。フィルタ設定値
変更間で同じ時定数すなわち遅延を維持することが重要
であるため、著しく異なるサンプルレートを使用する時
はこの数を幾分変更しなければならない。(注;フィル
タ係数自体もサンプルレート従属性であるため、異なる
サンプルレートが使用される場合は再定義しなければな
らない)。
【0036】本発明に記載されたこれらの新しいフィル
タおよび方式を使用してさまざまなオーディオ選択が処
理されている。これらの実例において、フィルタは全範
囲をとおしてインデクスされ、かつランダム範囲をとお
してインデクスされた。それらはアーチファクトの無い
快適な聴取経験を提供することになる。
【0037】このタイプの方法の1つの潜在的な関心事
は、フィルタが再初期化されることなく何度も調整され
る場合に数値的に不安定となる可能性があることであ
る。しかしながら、係数計算にはランダム要素がないた
め−既知の固定量が各増分すなわち更新と加減算される
−係数値は良好な挙動を続ける。この点もシミュレーシ
ョンにより立証された。
【0038】バスフィルタ デジタルオーディオバス音質調節器調整はトレブル調整
よりも遥かにアーチファクトの影響を受けないことが観
察された。前記したトレブルデジタル音質調節技術、す
なわちフィルタ位置間の線形ステップ、はバス調節に有
効な役割を果たすが、バス係数はフィルタ係数内の小さ
なエラーに遥かに敏感であることが判る。したがって、
前記した線形間隔のトレブル発明を使用して十分な精度
で係数プロットを区分的に線形化することは、トレブル
よりもバスに対して一層費用がかかることになる。バス
の方が容易な問題であるため、実現コストを低く維持す
るために幾分異なる方法で問題に取り組むことが決定さ
れた。この方法はトレブル調節について前記した多くの
概念を、バス状況に対して修正して使用する。ここで
は、128のバスフィルタが±18dB範囲にわたって
dBで均一に分布された(正規の技術)。それは適切な
分解能、快適な聴取経験(バスの場合のみ)を提供し、
係数は本発明に記載されているトレブル係数として線形
空間に均一に分布される場合よりもエラーに対する影響
が幾分少なくなる。最善の場合、128よりも少ないフ
ィルタが適切な分解能を提供することをお判り願いた
い。しかしながら、過剰なギャップを防止して聴取者に
予期した分解能を与えるために、区分的に線形化した後
のフィルタステップ間に付加フィルタが必要である。
【0039】ここでは、(浮動小数点)0dB係数はフ
ィルタステップ64である。それらは下記のように示さ
れる。
【数3】 公式3:0dBに対するバスフィルタ係数
【0040】たとえバス係数に対する利得分布が変化し
ても、増分はやはりトレブルの場合よりも幾分困難であ
る。トレブルに対しては5つしか使用されなかったが、
バスに対しては6つの線形領域が区分的線形化のために
使用された。128フィルタステップ全体に対する増分
を表3に示す。係数および増分は浮動小数点値で示され
ている。適切な精度が維持される限り、固定小数点方式
も可能である。利用可能な精度が低すぎる場合には、得
られるフィルタ応答はオリジンに対して逸脱することが
ある。得られるフィルタが適切な応答を示すようにオリ
ジナルフィルタを調整することにより、この問題を最小
限に抑えることができる。
【0041】
【表2】バスシェルビングフィルタ係数増分 表3: デジタルバス音質調節器に対する浮動小数点係
数増分対フィルタステップ
【0042】図12はb0,b1,b2,a1およびa2
対するバスシェルビング係数対±18dB範囲に対する
1−127のフィルタステップの区分的線形化プロット
である。
【0043】バスフィルタ利得対前記したバス係数およ
び増分から生じる全フィルタステップに対する周波数が
dB対周波数で図13に図示されている。
【0044】このデジタルオーディオ音質調節(トレブ
ルとバスの両方)概念のハードウェアインプリメンテー
ションの機能ブロック図を図14に示す。このシステム
は全入力を統合する音質調節器(117)、全体システ
ムを制御するプロセッサ(118)、符号、バスおよび
トレブルフィルタ係数およびフィルタステップ増分だけ
でなく現在および所望オーディオトレブルおよびバスレ
ベルを格納するメモリ(119)により構成される。こ
れは一般的なインプリメンテーションであり、機能が得
られる限りこのブロック図は適用できる。
【0045】本発明は設定値が変更される時にアーチフ
ァクトを解消するデジタルオーディオ音質調節システム
の新しい非常にユニークな設計方法を説明している。ト
レブルおよびバスの両方の音質調節器内で使用される複
素デジタルシェルビングフィルタ係数の非常に効率的な
実現方法も説明されている。それは、1)メモリ記憶ス
ペース、2)プロセッサ計算パワー、3)利用可能な集
積回路ダイサイズおよび/もしくは4)他のコスト要件
等の制約があるところに応用できる。典型的に、この効
率的な方法は小型で、コストが変動しやすい、中−高性
能スタンドアロンオーディオシステムにとって非常に重
要となることがあり、アーチファクトを解消する方法は
いかなるデジタル音質調節器インプリメンテーションに
も応用できる。デジタル音質調節器に対するフィルタス
テップの効率的な実現方法が説明されている。全フィル
タ係数、もしくはフィルタ係数計算式を格納し次に各係
数ステップを計算するのではなく、本発明は1セットの
フィルタ係数値および少量の付加情報を格納し次に他の
全てのステップ間で係数を増分する。本発明は所要メモ
リを95%も低減することができる、すなわちフィルタ
係数を実現するマシンサイクルを40−200倍縮小す
ることができる。この新しい効率的な方法は、1)フィ
ルタ係数を定義し、2)フィルタ係数対フィルタステッ
プのプロットを区分的に線形化して線形領域を画定し、
3)フィルタ係数の初期セットを定義し、4)フィルタ
ステップ間の増分を定義して達成される。
【0046】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 (1) 連続するフィルタの利得間に所定の線形均一間
隔を有する最小セットのシェルフフィルタを含む、デジ
タル音質調節器。
【0047】(2) 第1項記載のデジタル音質調節器
であって、シェルフフィルタの利得は0dBよりも上の
第1の領域と0dBよりも下の第2の領域内に線形に均
一に分布されているデジタル音質調節器。
【0048】(3) 第2項記載のデジタル音質調節器
であって、さらに第2の領域内に所定の均一なdB間隔
を有するシェルフフィルタの付加セットを含むデジタル
音質調節器。
【0049】(4) 第3項記載のデジタル音質調節器
であって、シェルフフィルタの付加セットは第2の領域
内に0.5dBの均一な利得間隔を有するシェルフフィ
ルタを含むデジタル音質調節器。
【0050】(5) 第1項記載のデジタル音質調節器
であって、最小セットのシェルフフィルタは±18dB
間に線形に間隔をとった利得間隔を有する少なくとも1
28のシェルフフィルタを含むデジタル音質調節器。
【0051】(6) 第4項記載のデジタル音質調節器
であって、最小セットのシェルフフィルタおよび付加セ
ットのシェルフフィルタは少なくとも150のシェルフ
フィルタを含むデジタル音質調節器。
【0052】(7) 第4項記載のデジタル音質調節器
であって、最小セットのシェルフフィルタおよび付加セ
ットのシェルフフィルタは連続する利得変化間に少なく
とも150のシェルフフィルタおよび少なくとも64の
サンプルを含むデジタル音質調節器。
【0053】(8) デジタル音質調節方法であって、
シェルフフィルタに対するユーザ選択利得設定値を受信
するステップと、シェルフフィルタ利得を線形目盛上の
均一なステップで漸次増減させてユーザ選択利得設定値
へできるだけ近似させるステップと、を含むデジタル音
質調節方法。
【0054】(9) 第8項記載の方法であって、フィ
ルタ利得を漸次増減させるステップはシェルフフィルタ
のフィルタ係数を変えてシェルフフィルタの利得をユー
ザ選択利得設定値へ向けて線形目盛上で均一に変えるス
テップを含む方法。
【0055】(10) 第8項記載の方法であって、フ
ィルタ利得を漸次増減させるステップは、シェルフフィ
ルタのフィルタ係数を変えてシェルフフィルタの利得を
0dBよりも上の利得について線形目盛上で均一なステ
ップで変えるステップと、シェルフフィルタのフィルタ
係数を変えてシェルフフィルタの利得を0dBよりも下
の利得について対数dB目盛上で均一なステップで変え
るステップと、を含む方法。
【0056】(11) 第8項記載の方法であって、フ
ィルタ利得を漸次増減させるステップは、区分的線形化
近似法を使用してシェルフフィルタのフィルタ係数を計
算しフィルタ係数を計算するステップを含む方法。
【0057】(12) 第8項記載の方法であって、フ
ィルタ利得を漸次増減させるステップは、フィルタに対
する1セットのフィルタ係数値といくつかの係数更新デ
ータとを格納するステップと、計算されるフィルタのフ
ィルタインデクスを決定するステップと、格納されたフ
ィルタ係数値セット、フィルタインデクス、および係数
更新データから区分的線形化近似法を使用して少なくと
も1つの第2セットのフィルタ係数を計算するステップ
と、を含む方法。
【0058】(13) 第12項記載の方法であって、
フィルタ係数値セットを格納するステップは0dBに対
するフィルタ係数値および各線形係数領域に対する係数
デルタ値セットを格納するステップを含む方法。
【0059】(14) 第12項記載の方法であって、
計算ステップは、現在のフィルタインデクスおよびユー
ザ選択利得設定値に対応する終了フィルタインデクスを
決定するステップと、ユーザ選択利得設定値に達するま
で現在のフィルタインデクスと終了フィルタインデクス
間の各中間フィルタ係数値に対する線形係数領域に対応
する格納された係数デルタ値によりフィルタ係数値を変
えるステップと、を含む方法。
【0060】(15) デジタル音質調節方法であっ
て、0dBよりも上に均一な線形に間隔のとられた利得
を有する最小セットのシェルフフィルタ、および0dB
よりも下に均一な対数dB間隔の利得を有する付加セッ
トのシェルフフィルタを定義するステップと、シェルフ
フィルタに対する1セットのフィルタ係数値とフィルタ
係数の各線形領域に対する係数デルタ値とを格納するス
テップと、計算されるフィルタのフィルタインデクスを
決定するステップと、格納されたフィルタ係数値セッ
ト、フィルタインデクス、および係数更新データから区
分的線形化近似法を使用して少なくとも1つの第2セッ
トのフィルタ係数を計算するステップと、を含む方法。
【0061】(16) 第12項記載の方法であって、
計算ステップは、現在のフィルタインデクスおよびユー
ザ選択利得設定値に対応する終了フィルタインデクスを
決定するステップと、ユーザ選択利得設定値に達するま
で現在のフィルタインデクスと終了フィルタインデクス
間の各中間フィルタ係数値に対する線形係数領域に対応
する格納された係数デルタ値によりフィルタ係数値を変
えるステップと、を含む方法。
【0062】(17) 第15項記載の方法であって、
さらに、シェルフフィルタのフィルタ係数を変えてシェ
ルフフィルタの利得を0dBよりも上の利得について線
形目盛上で均一なステップで変えるステップと、シェル
フフィルタのフィルタ係数を変えてシェルフフィルタの
利得を0dBよりも下の利得について対数dB目盛上で
均一なステップで変えるステップと、を含む方法。
【0063】(18) 第15項記載の方法であって、
フィルタ係数値セットを格納するステップは0dBに対
するフィルタ係数値および各線形係数領域に対する係数
デルタ値セットを格納するステップを含む方法。
【0064】(19) デジタルオーディオトレブル音
質調節器用シェルビングフィルタを使用して実現される
デジタルオーディオ音質調節器は音質調節設定値が変更
される時にアーチファクト(ノイズ、歪み、等)を示
す。従来これは1dBの端数の伝統的な小さく等しい
(dB目盛上で)フィルタステップ内でフィルタ係数を
変えて達成された。それはバスフィルタに対しては有効
に作用したが、トレブルに対するアーチファクトが依然
存在した。本発明はフィルタステップを線形目盛上の小
さな等ステップへ変えることによりこれらのアーチファ
クトを解消する。さらに、ステップが所要分解能に対し
て大きくなりすぎる場合には、付加フィルタステップが
追加される。トレブル調節におよそ150フィルタステ
ップが使用されバス音質調節に128フィルタステップ
が使用される。デジタル音質調節器のためのフィルタス
テップを実現する効率的な方法は1セットのフィルタ係
数値および少量の付加情報を格納し(119)次に他の
全てのステップ間で係数を増分する。それにより所要メ
モリは95%も低減される、すなわちフィルタ係数を実
現するためのマシンサイクルは40−200倍縮小され
る。この新しい効率的な方法は、1)フィルタ係数を定
義し、2)フィルタ係数対フィルタステップのプロット
を区分的に線形化して線形領域を画定し、3)フィルタ
係数の初期セットを定義し、4)フィルタステップ間の
増分を定義して達成される。
【0065】関連出願 本出願は1998年9月30日に出願されたラスチン
ダブリュー.オールレッド等の米国仮出願第60/10
2,410号、Tone Control With
Linear Step Coefficients、
の利点を特許請求するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】音源、オーディオ処理部、およびラウドスピー
カを含む“典型的なオーディオシステム”のブロック
図。
【図2】音源、等化器、バスおよびトレブル用音質調節
器、オーディオ増幅器およびスピーカを含む“典型的な
アナログオーディオシステム”のブロック図。
【図3】“典型的な(非正規化)オーディオスペクト
ル”および±18dB範囲にわたる音質調節バスカット
もしくはブースト後に生じる信号のグラフ。
【図4】“典型的な(非正規化)オーディオスペクトル
(判りやすくするために平均されている)”および±1
8dB範囲にわたる音質調節トレブルカットもしくはブ
ースト後に生じる信号のグラフ。
【図5】“概念的ハイブリッド(デジタルおよびアナロ
グ)オーディオシステム”のブロック図。
【図6】“典型的なデジタル音質調節システム”に対す
る1チャネルのブロック図。
【図7】Aは、“典型的なデジタルフィルタアーキテク
チュア”の線図。Bは、“線形ステップおよび等dBス
テップの両方に対するフィルタ利得dB対フィルタステ
ップのデルタdB”のグラフ。
【図8】±18dB間の20出力ステップに対して線形
dB目盛および線形目盛の両方を使用する“トレブルフ
ィルタ利得対周波数”のグラフ。
【図9】±18dB間で等線形フィルタステップを有す
る128デジタルシェルビングフィルタに対する“トレ
ブルオーディオ音質調節フィルタ利得対周波数”のグラ
フ。
【図10】128フィルタステップが線形目盛上で均一
に間隔がとられかつ分解能のために22の付加フィルタ
ステップが加えられて聴取経験を最適化しユーザによる
妥当な可調整性を提供する、±18dB間の150シェ
ルビングフィルタに対する“最終デジタルトレブルフィ
ルタ利得対周波数”プロットのグラフ。
【図11】使用するデジタルオーディオトレブル音質調
節概念の各フィルタ伝達関数変数(a1,a2,b0
1,b2)に対する“フィルタ係数対フィルタステッ
プ”のグラフ。
【図12】使用するデジタルオーディオバス音質調節概
念の各フィルタ伝達関数変数(a 1,a2,b0,b1,b
2)に対する“フィルタ係数対フィルタステップ”のグ
ラフ。
【図13】フィルタステップが±18dB範囲に対して
線形dB目盛上で均一に(等しく)間隔がとられている
128デジタルシェルビングフィルタに対する“最終デ
ジタルバスフィルタ利得対周波数”のグラフ。
【図14】本発明に記載されたデジタルトレブルおよび
バス音質調節器のハードウェアインプリメンテーション
の機能ブロック図。
【符号の説明】
100 音源 101 オーディオ処理 102 ラウドスピーカ 103 アナログ音源 104 等化器 105 音質調節器 106,113 オーディオ増幅器 107 デジタル音源 108 デジタル等化器 109 アナログ音源 110 アナログ/デジタルコンバータ 111 デジタル音質調節器 112 デジタル/アナログコンバータ 114 トレブルフィルタ 115 バスフィルタ 116 集積回路コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル ジェイ.トセカラス アメリカ合衆国,テキサス,キャロルト ン,ケンブリッジシャー ドライブ 2833

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続するフィルタの利得間に所定の線形
    均一間隔を有する最小セットのシェルフフィルタを含
    む、デジタル音質調節器。
  2. 【請求項2】 シェルフフィルタに対するユーザ選択利
    得設定値を受信するステップと、 シェルフフィルタ利得を線形目盛上の均一なステップで
    漸次増減させてユーザ選択利得設定値へできるだけ近似
    させるステップと、を含むデジタル音質調節方法。
JP11279739A 1998-09-30 1999-09-30 デジタル音質調節器およびデジタル音質調節方法 Pending JP2000113594A (ja)

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US10241098P 1998-09-30 1998-09-30
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