JP2005215250A - 音場制御システム及び音場制御方法 - Google Patents

音場制御システム及び音場制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 例えば、音場制御システムにおいて、処理時間を短縮すると共に処理負荷を軽減する。
【解決手段】 音場制御システム100において、信号処理部300は、音響信号を複数の周波数帯域に分割するBPF310と、分割された帯域毎に、音響信号に反射音パターンを付加することによって音響信号を補正するAPF320を備える。APF320は無限インパルス応答型フィルタであり、遅延量と利得とが係数として可変に構成されている。音場制御処理が実行されると、再生音場においてBPF310及びAPF320を通過した音響信号による残響特性が測定され、予め測定されている原音場の残響特性と比較される。比較の結果、最も原音場の残響特性に近い特性を与える係数が、その帯域に対応するAPF320に設定される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、再生音場における残響特性を原音場に近似させるための音場制御システム及び音場制御方法の技術分野に関する。
この様な音場制御は、目標とする原音場の残響特性を、受聴する再生音場で実現するために行われ、本出願人によって、有限インパルス応答型フィルタ、即ちFIR(Finite Impulse Response)フィルタを使用した方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
係る音場制御方法によれば、先ず、原音場と再生音場の残響特性が測定され、その差異が求められる。求められた残響特性の差異から、FIRフィルタによって、再生音場の残響特性が原音場の残響特性に近似するような反射音パターンが算出され、再生音に付加されて再生音場で再生される。従って、再生音場において原音場と近い臨場感を得ることが可能であるとされている。
特開2003−255955号公報
しかしながら、係る従来の音場制御システムは、例えば、以下に例示する問題を有する。
即ち、係る方法において、反射音パターンを生成するFIRフィルタは、そのフィルタ係数を同定する処理に膨大な時間が必要であると共に、特性を調整するためのパラメータはフィルタ係数の数だけあり、効率的且つ効果的な調整は容易ではない。
即ち、従来における音場制御方法では、小さい処理負荷で迅速に所望の残響特性を得ることが事実上不可能であるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば、上述した課題を解決するためになされたものであって、処理時間を短縮すると共に処理負荷を軽減することが可能な音場制御システム及び音場制御方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の音場制御システムは、予め複数の周波数帯域毎に測定された、基準とする第1音場の残響特性の測定結果に基づいて、受聴する第2音場における残響特性を制御する音場制御システムであって、音響信号を前記複数の周波数帯域に分割する周波数分割手段と、前記第2音場の残響特性を前記複数の周波数帯域毎に取得する残響特性取得手段と、前記取得された第2音場の残響特性と前記基準とする第1音場の残響特性との差異を、前記複数の周波数帯域毎に検出する検出手段と、前記検出された残響特性の差異に基づき、前記複数の周波数帯域毎に、前記複数の周波数帯域に分割された音響信号に付加すべき反射音情報を生成すると共に、該生成された反射音情報を前記音響信号に付加することによって前記音響信号を補正する無限インパルス応答型フィルタと、前記補正された音響信号を、前記複数の周波数帯域について合成する合成手段とを具備することを特徴としている。
上述した課題を解決するため、請求項11に記載の音場制御方法は、予め複数の周波数帯域毎に測定された、基準とする第1音場の残響特性の測定結果に基づいて、受聴する第2音場における残響特性を制御する音場制御方法であって、音響信号を前記複数の周波数帯域に分割する周波数分割工程と、前記第2音場の残響特性を前記複数の周波数帯域毎に取得する残響特性取得工程と、前記取得された第2音場の残響特性と前記基準とする第1音場の残響特性との差異を、前記複数の周波数帯域毎に検出する検出工程と、前記検出された残響特性の差異に基づき、無限インパルス応答型フィルタによって前記複数の周波数帯域に分割された音響信号に付加すべき反射音情報を生成すると共に該生成された反射音情報を前記音響信号に付加することによって前記音響信号を補正する音響信号補正工程と、前記補正された音響信号を前記複数の周波数帯域について合成する合成工程とを具備することを特徴としている。
<音場制御システムの実施形態>
音場制御システムの実施形態は、予め複数の周波数帯域毎に測定された、基準とする第1音場の残響特性の測定結果に基づいて、受聴する第2音場における残響特性を制御する音場制御システムであって、音響信号を前記複数の周波数帯域に分割する周波数分割手段と、前記第2音場の残響特性を前記複数の周波数帯域毎に取得する残響特性取得手段と、前記取得された第2音場の残響特性と前記基準とする第1音場の残響特性との差異を、前記複数の周波数帯域毎に検出する検出手段と、前記検出された残響特性の差異に基づき、前記複数の周波数帯域毎に、前記複数の周波数帯域に分割された音響信号に付加すべき反射音情報を生成すると共に、該生成された反射音情報を前記音響信号に付加することによって前記音響信号を補正する無限インパルス応答型フィルタと、前記補正された音響信号を、前記複数の周波数帯域について合成する合成手段とを具備する。
ここで述べる、「無限インパルス応答型フィルタ」とは、IIR(Infinite Impulse Response)形式を有するフィルタのことであり、離散時間系において、入力信号に対し理論的には無限に応答を続けるフィルタである。
係る音場制御システムによれば、無限インパルス応答型フィルタによって、音響信号に付加すべき反射音情報が速やかに生成される。従って、処理時間を短縮すると共に処理負荷を軽減することが可能である。
音場制御システムの実施形態の一態様では、前記無限インパルス応答型フィルタは、遅延量が可変な遅延手段及び利得が可変な利得手段を具備し、前記遅延量及び利得に基づいて前記反射音情報を生成する。
この態様によれば、遅延手段の遅延量及び利得手段の利得に基づいて反射音情報が生成されるから、処理時間を短縮すると共に処理負荷を軽減することが可能である。
また、前記遅延手段及び利得手段を有する音場制御システムの実施形態の他の態様では、前記遅延量及び該遅延量に対応する前記利得からなる係数組を予め複数組について保持する係数保持手段を更に具備する。
この態様によれば、無限インパルス応答型フィルタにおける可変な遅延量及び利得は、予め係数組として複数保持される。従って、反射音情報生成に要する処理時間を更に短縮可能であると共に、処理負荷を更に軽減し得る。
更に、前記係数組を予め保持する音場制御システムの実施形態の他の態様では、前記無限インパルス応答型フィルタは、前記残響特性の差異に基づき、前記係数保持手段によって保持される前記係数組の中からいずれか一つの係数組を選択すると共に、該選択された係数組に対応する前記遅延量及び前記利得に基づいて前記反射音情報を生成する。
この態様によれば、予め保持される係数組の中から適切な係数組が選択されると共に、該選択された係数組に基づいて反射音情報が生成されるから、適切な反射音情報の生成が可能となる。
音場制御システムの実施形態の他の態様では、前記無限インパルス応答型フィルタは全域通過型のフィルタである。
ここで述べる「全域通過型」とは、原音場の残響特性を規定する周波数帯域において、フィルタの周波数特性がフラットであるか、又はそれに近い特性を有するという概念である。
この態様によれば、無限インパルス応答型フィルタは全域通過型のフィルタであるから、分割された周波数帯域毎にフィルタの通過特性に差が生じにくい。従って、周波数歪みのない良好な残響特性を得ることが可能である。
音場制御システムの実施形態の他の態様では、前記周波数分割手段は、分割された周波数帯域の夫々が、隣接する帯域との間に共有帯域を有するように、前記音響信号を分割する。
この態様によれば、分割された周波数帯域の夫々が隣接する周波数帯域と共有部分を有する様に、周波数帯域が分割される。従って、聴覚的に自然な残響音の生成が可能となる。
音場制御システムの実施形態の他の態様では、前記残響特性取得手段は、基準信号を発生させる基準信号発生手段と、前記帯域分割手段及び前記無限インパルス応答型フィルタを通過した後に前記第2音場に音波として出力される前記基準信号を前記第2音場において集音する集音手段とを具備し、前記集音された基準信号に基づいて、前記第2音場における残響特性を取得する。
この態様によれば、帯域分割手段及び無限インパルス応答型フィルタに通過した後に第2音場に出力される基準信号を集音手段によって集音することが可能であるから、正確に第2音場における残響特性を取得することが可能である。
音場制御システムの実施形態の他の態様では、前記無限インパルス応答型フィルタは、複数の前記無限インパルス応答型フィルタが従続接続されてなる。
この態様によれば、無限インパルス応答型フィルタが、複数の無限インパルス応答型フィルタを従続接続することによって構成されるから、反射音情報を一層詳細に生成することが可能である。
音場制御システムの実施形態の他の態様では、前記遅延手段は、前記無限インパルス応答型フィルタである。
この態様によれば、無限インパルス応答型フィルタの一構成要素である遅延手段が、無限インパルス応答型フィルタで構成されるから、反射音情報を一層詳細に生成することが可能である。
また、前記遅延手段が前記無限インパルス応答型フィルタで構成される態様の一の態様において、前記無限インパルス応答型フィルタは、固定された遅延量を有する第2の遅延手段と、前記無限インパルス応答型フィルタとを具備する。
この態様によれば、固定された遅延量を有する第2の遅延手段によって、遅延量が可変な遅延手段を簡便に構成することが可能である。
<音場制御方法の実施形態>
音場制御方法の実施形態は、予め複数の周波数帯域毎に測定された、基準とする第1音場の残響特性の測定結果に基づいて、受聴する第2音場における残響特性を制御する音場制御方法であって、音響信号を前記複数の周波数帯域に分割する周波数分割工程と、前記第2音場の残響特性を前記複数の周波数帯域毎に取得する残響特性取得工程と、前記取得された第2音場の残響特性と前記基準とする第1音場の残響特性との差異を、前記複数の周波数帯域毎に検出する検出工程と、前記検出された残響特性の差異に基づき、無限インパルス応答型フィルタによって前記複数の周波数帯域に分割された音響信号に付加すべき反射音情報を生成すると共に該生成された反射音情報を前記音響信号に付加することによって前記音響信号を補正する音響信号補正工程と、前記補正された音響信号を前記複数の周波数帯域について合成する合成工程とを具備する。
係る音場制御方法によれば、無限インパルス応答型フィルタを使用することによって、音響信号に付加するための反射音情報が速やかに生成される。従って、処理時間を短縮すると共に処理負荷を軽減することが可能である。
音場制御方法の実施形態の一態様では、前記無限インパルス応答型フィルタは、遅延量が可変な遅延手段及び利得が可変な利得手段を具備し、前記音響信号補正工程は、前記検出された残響特性の差異に基づいて、前記遅延量及び利得を決定する工程を含んでなる。
この態様によれば、遅延量及び利得を決定することによって、反射音情報を生成することが可能であるから、処理時間を短縮すると共に、処理負荷を軽減することが可能である。
音場制御方法の実施形態の他の態様では、前記音響信号補正工程において、前記遅延量が決定された後に前記利得が決定される。
この態様によれば、遅延量が利得に先立って決定されるから、反射音情報の生成に要する時間を短縮することが可能である。
音場制御方法の実施形態の他の態様では、前記音響信号補正工程において、前記遅延量は、前記複数の周波数帯域の少なくとも一部において異なるように与えられる。
この態様によれば、分割された周波数帯域の全てで遅延手段の遅延量が等しくなることが回避されるから、聴覚的に自然な残響音の生成が可能である。
音場制御方法の実施形態の他の態様において、前記残響特性取得工程は、基準信号を前記第2音場において出力手段により音波として出力する工程と、前記出力された基準信号を集音手段により集音する工程とを具備し、前記残響特性は、前記集音された基準信号に基づいて取得される。
前記残響特性が前記集音された基準信号に基づいて取得される音場制御方法の実施形態の一の態様において、前記基準信号はインパルス信号であり、前記残響特性は、前記出力手段と前記集音手段との間のインパルス応答に基づいて取得される。
この態様では、簡便に残響特性を取得することが可能である。
前記残響特性が前記インパルス応答に基づいて取得される音場制御方法の実施形態の他の態様において、前記残響特性取得工程は、前記インパルス応答に基づくシミュレーションによって前記残響特性を取得する工程を含む。
この態様では、残響特性の一部を前記インパルス応答に基づくシミュレーションによって取得することが可能となるから、残響特性の取得に要する時間を大幅に短縮可能である。
前記残響特性が前記集音された基準信号に基づいて取得される音場制御方法の実施形態の他の態様において、前記基準信号は、ランダムノイズであり、前記残響特性は、複数回集音された前記ランダムノイズに基づいて取得される。
この態様では、ランダムノイズから残響特性を取得可能であるから、残響特性を簡便に取得可能である。
以上説明したように、音場制御システムの実施形態によれば、周波数分割手段、残響特性取得手段、検出手段、無限インパルス応答型フィルタ及び合成手段を具備するので、処理時間を短縮すると共に処理負荷を軽減することが可能である。音場制御方法の実施形態によれば、周波数分割工程、残響特性取得工程、検出工程、音響信号補正工程及び合成工程を具備するので、処理時間を短縮すると共に処理付加を軽減することが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
<第1実施例>
<実施例の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施例に係る音場制御システムの構成について説明する。ここに、図1は、音場制御システム100のブロック図である。
図1において、音場制御システム100は、制御部200、信号処理部300及び合成部330を備えており、前段から供給される音響信号を制御部200及び信号処理部300で処理すると共に、後段の、本発明に係る「出力手段」の一例たるスピーカ10へと供給するシステムである。
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)210、ROM(Read Only Memory)220、RAM(Random Access Memory)230、テスト信号発生部240及びマイクロフォン250から構成されている。
CPU210は、本発明に係る「無限インパルス応答型フィルタ」、「残響特性取得手段」及び「検出手段」の一例を構成しており、或いは本発明に係る「残響特性取得工程」、「検出工程」及び「音響信号補正工程」の一例を実行する様に構成されており、制御部200及び信号処理部300の各構成要素を制御して、後述する音場制御処理を実行する。
ROM220には、予めN個の周波数帯域に分割されて測定された、目標とする原音場(即ち、本発明に係る「第1音場」)の残響特性R(R=[R00,R01,・・・,R0N])が記憶されている。また、ROM220は、後述する係数テーブルを記憶しており、本発明に係る「保持手段」の一例として機能する。RAM230は、音場制御処理において、後述するAPF320の係数が一時格納されると共に、CPU210の作業領域として機能する。テスト信号発生部240は、本発明に係る「基準信号発生手段」の一例であり、又、マイクロフォン250は、本発明に係る「集音手段」の一例であって、夫々、音場制御処理において、再生音場(即ち、本発明に係る「第2音場」)の残響特性測定に使用される。
信号処理部300は、BPF310、APF320から構成されている。BPF310はBPF(Band Pass Filter:帯域通過フィルタ)であり、本発明における周波数分割手段の一例として機能する。BPF310は、夫々フィルタ係数が異なるN個のBPF3101,BPF3102,・・・,BPF310Nからなり、夫々通過させる周波数帯域が異なっている。尚、BPF310によって分割されるN個の周波数帯域は、原音場における残響特性の周波数帯域と同等である。
尚、本実施例において、BPF310のフィルタ係数は、BPF310の夫々が通過させる帯域が、その両端部で、隣接する周波数帯域と一部重なり合うように決定されている。
APF320はAPF3201,APF3202,・・・,APF320NからなるN個のIIR形式を有するAPF(All Pass Filter:全域通過型フィルタ)であり、CPU210と共に、本発明に係る「無限インパルス応答型フィルタ」の一例を構成する。APF320は、BPF310の後段に夫々接続され、BPF310によって分割された周波数帯域毎に、音響信号に付加すべき反射音パターン、(即ち、本発明に係る「反射音情報」)を生成すると共に、この反射音パターンを当該音響信号に付加することによって音響信号を補正する。
ここで、図2を参照して、APF320の詳細構成について説明する。ここに、図2は、APF320のブロック図である。
図2において、APF320は、入力端子321、遅延回路322、第1利得器323、第2利得器324及び出力端子325から構成されている。
入力端子321には、APF320の前段であるBPF310から各帯域に分割された音響信号が入力される。また、出力端子325からは、APF320の出力信号が出力される。
遅延回路322は、帯域毎に反射音を付加する時間周期を規定するオールパスパラメータである遅延量「M」を有する遅延回路であり、本発明に係る「遅延手段」の一例である。遅延回路322は、入力端子321に入力される入力信号を、Mサンプル分遅延させて出力端子325に出力する。第1利得器323は利得「G」を有する利得器であり、入力信号に対し利得「G」を与えると共に、入力信号を、遅延回路322を介さずに出力端子325に出力する。第2利得器324は、利得「−G」を有する利得器であり、出力端子に現れる出力信号に利得「−G」を与えると共に、再び遅延回路322にフィードバックする。尚、第1利得器323及び第2利得器324は、本発明に係る「利得手段」の夫々一例である。APF320において、遅延量「M」及び利得「G」は可変に構成されている。
ここで、APF320の動作について、図3を参照して説明する。ここに、図3は、APF320の出力信号の例示図である。
図3において、入力信号として「1」なる単位信号が与えられている。この場合、最初に出力端子325に現れる信号は、第1利得器323を通過した信号である。即ち、時刻Tにおいて信号「G」が出力される。次に、この信号「G」は、第2利得器324によって利得「−G」与えられた後、遅延回路322に入力される。従って、時刻T、即ち時刻TからMサンプル分遅延した時刻において、出力端子325には信号「(1−G)」が現れる。以降、第2利得器324を通過するフィードバックが繰り返され、時刻T2Mにおいて信号「−G(1−G)」、時刻T3Mにおいて信号「G(1−G)」が出力端子に現れる。この様に、APF320に一旦入力された信号は、Mサンプル分の遅延と共に徐々に減衰しつつ、出力端子325に無限時間に渡って現れ続ける。
また、図3に示す様に、APF320は、遅延回路322、第1利得器323及び第2利得器324等、周波数通過特性がフラットな要素のみで構成されている。従って、APF320は、入力信号の周波数特性が保存される全域通過型フィルタである。
図1に戻る。合成部330は、本発明に係る「合成手段」の一例であり、BPF310及びAPF320からなる信号処理部300によって補正された音響信号を全ての周波数帯域について合成する回路である。合成部330によって合成された補正後の音響信号は、最終的に、原音場の残響特性に近似した残響特性を有する音響信号としてスピーカ10から出力される。
<実施例の動作>
次に、音場制御システム100の動作、即ち、本発明に係る音場制御方法の実施例について、図4及び図5を参照して説明する。ここに、図4は、CPU210が実行する音場制御処理のフローチャートであり、図5は、図4におけるAPF320の係数算出処理のフローチャートである。ここで、「音場制御処理」とは、原音場の残響特性に近似した残響特性を、原音場の残響特性に基づき再生音場において実現する処理である。
図4において、始めにCPU210は、カウンタ「i」を「0」にリセットする(ステップS501)。次に、CPU210は、ROM220から、カウンタ「i」の値で特定される周波数帯域iに対応する原音場の残響特性R0iを読み出し、RAM230に格納する(ステップS502)。続いて、CPU210は、周波数帯域iに対応するAPF320の係数算出処理を実行する(ステップS600)。APF320の係数とは、即ち、遅延量「M」及び利得「G」であり、これらの値は、この係数算出処理によって決定される。
図5において、係数算出処理が始まると、CPU210は、最初に、周波数帯域iに対応したBPF310、即ちBPF310iと、周波数帯域iに対応するAPF320、即ちAPF320iとを選択する(ステップS601)。次に、CPU210は、周波数帯域iに対応する係数テーブルをROM220から読み出す(ステップS602)。
ここで、係数テーブルについて、図6を参照して説明する。ここに図6は、係数テーブルの模式図である。係数テーブルは、変数「k」をインデックスとして本発明に係る「係数組」の一例たる遅延量「M」及び利得「G」の組が定められてなるテーブルである。ここで、変数「k」は、係数テーブルのサイズを規定する値であり、本実施例では「0」〜「L−1」(L:自然数)のL個の値をとる。従って、一つの係数テーブルに対し、予め遅延量「M」及び利得「G」の組がL個用意されることになる。この「L」の値は、再生音場のサイズに応じて、予め経験的、実験的又はシミュレーション等により決定されている。
再び、図5において、CPU210は、変数「k」に「0」をセットする(ステップS603)。続いて、CPU210は、変数「k」に対応する係数を係数テーブルから読み出し、RAM230に格納する(ステップS604)。次に、CPU210は、RAM230に格納した係数をAPF320iに設定する(ステップS605)。以上の処理が完了すると、BPF310i及びAPF320iが夫々フィルタとして機能するようになる。
次に、CPU210は、テスト信号発生部240を制御して、本発明に係る「基準信号」の一例たるテスト信号をBPF310iに供給する(ステップS606)。ここでは、このテスト信号はインパルス信号であるとする。BPF310iを通過したテスト信号は、周波数帯域iの信号成分が抽出され、APF320iに供給される。APF320iでは、図3に例示した如き無限インパルス応答が行われ、反射音パターンが生成される。この反射音パターンが付加された周波数帯域iのテスト信号は、本発明に係る「補正された音響信号」の一例であり、スピーカ10によって再生音場に放音される。
BPF310i及びAPF320iを通過し、スピーカ10より放音されたテスト信号は、マイクロフォン250により集音される。CPU210は、この集音された信号から得られるインパルス応答に基づいて再生音場における残響特性を算出する(ステップS607)。
尚、テスト信号発生部240が発生するテスト信号としては、インパルス信号の他に、M系列雑音及びタイムストレッチドパルス等が使用されてもよい。更には、集音された信号から残響特性を算出可能な信号が、係る「テスト信号」の範疇であって、この概念が担保される限りにおいて、係るテスト信号の形態はこれら例示した形態に限定されない。
また、残響特性の算出は、上述のインパルス応答に限定されない。例えば、テスト信号としてランダムノイズを使用し、このランダムノイズから残響特性を取得することも可能である。この場合には、スピーカ10からのランダムノイズの出力が停止した時点から始まる減衰過程をマイクロフォン250により測定し、係る測定を複数回繰り返した上で測定結果を平均する等して残響特性が取得される。
再生音場の残響特性が算出されると、CPU210は、RAM230に読み出し済みの、周波数帯域iに対応する原音場の残響特性「R0i」と、算出された再生音場の残響特性とを比較し、その誤差「Ek」を算出する(ステップS608)。算出された誤差「Ek」は、RAM230に一時的に格納される。尚、CPU210は、原音場の残響特性Riと比
較するに適した形式で再生音場の残響特性を算出している。この比較が行える限りにおいて、ROM220に格納される原音場の残響特性及びRAM230に格納される再生音場の残響特性は、如何なる形式を有していてもよい。
変数「k」(現在は「0」)に対応する残響特性の誤差「Ek」をRAM230に格納すると、CPU210は、変数「k」を「1」だけインクリメントする(ステップS609)。続いて、CPU210は、現在の変数「k」が、「L−1」であるか否かを確認する(ステップS610)。即ち、ステップS610は、係数テーブルに用意された全ての係数について、誤差「Ek」が算出されたか否かを確認する処理である。
全ての係数について誤差「Ek」の算出が終了していない場合(ステップS610:NO)、CPU210は、処理を再びステップS604に戻し、同様にステップS604からステップS610までの処理を繰り返す。
最終的に、係数テーブルに用意された全ての係数組について残響特性の誤差「Ek」の算出が終了すると(ステップS610:YES)、CPU210は、RAM230に一時的に格納されたL個の「Ek」の内、最も小さい値、即ち最も原音場と近い残響特性を与える値を選択し、その「Ek」を与える係数、即ち、遅延量「M」及び利得「G」を、周波数帯域iに対応するAPF320iの係数として、RAM230に格納する(ステップS611)。周波数帯域iに対応するAPF320iの係数がRAM230に格納されると、係数算出処理は終了し、処理は再び音場制御処理に復帰する。
尚、本実施例において、変数「k」に対応する係数が設定されたAPF320iに対し、毎回インパルス信号が発生され、マイクロフォン250によって集音されるが、係数テーブルのサイズが大きい場合には、この様に毎回測定を行うとCPU210の処理負担が大きくなる場合がある。この様な場合には、CPU210が、周波数帯域i毎に、即ち、APF320iの係数算出処理1回につき1回の割合で、スピーカ10とマイクロフォン250との間のインパルス応答を測定し、RAM230に格納してもよい。この様にして格納されたインパルス応答に基づいて、変数「k」に対応して係数が変更された時の再生音場の残響特性を、CPU210が、シミュレーション等により実測を伴わずに算出してもよい。
再び、図4において、周波数帯域iに対応するAPF320iの係数算出処理が終了すると、CPU210は、カウンタ「i」を「1」だけインクリメントする(ステップS503)。続いて、CPU210は、カウンタ「i」が「N」であるか否かを判別する(ステップS504)。即ち、ステップS504は、全ての周波数帯域について、APF320の係数が決定されたかを確認する処理である。係数が決定されていないAPF320がある場合(ステップS504:NO)、CPU210は、処理を再びステップS502に戻し、全ての周波数帯域についてAPF320の係数が決定されるまでステップS502からステップS504を繰り返す。全ての周波数帯域について、APF320の係数が決定された場合(ステップS504:YES)、音場制御処理は終了する。
音場制御処理が終了すると、音場制御システム100は、全N個の周波数帯域全てについて、原音場の残響特性に近似された残響特性を実現することが可能となる。この状態で、
信号処理部300に供給される音響信号は、信号処理部300によって原音場と同様の残響特性を有するような補正信号となり、合成部330によって合成された後、スピーカ10に供給されて再生音場に放音される。
以上説明した様に、本実施例に係る音場制御システム100によれば、再生音場において、原音場に近似された残響特性を遅延量「M」及び利得「G」の2つのフィルタ係数を決定するのみによって良好に取得することができる。従って、音場制御処理に要する時間を短縮すると共に、CPU210の処理負荷を軽減することが可能である。また、APF320は、周波数依存性を有さないから、音場制御システム100は周波数歪みのない良好な周波数特性を実現することが可能である。更に、音響信号を各周波数帯域に分割するBPF310は、夫々隣接する帯域の一部を含む様に周波数帯域を分割するから、各周波数帯域間で残響特性が不連続とならず、極めて自然な残響特性を得ることが可能である。
尚、上述した係数決定処理は、本発明に係る音場制御方法の一例を示すものであり、例えば、APF320の係数決定処理に際し、遅延量「M」が、利得「G」に先立って決定されてもよい。遅延量「M」は、離散時間系において入力信号をMサンプル分遅延させる意味をもつ。即ち、遅延量「M」は、付加すべき反射音情報の付加周期を規定するパラメータであり、再生音場における部屋の広さに関係するパラメータである。一方、利得「G」は、大きい程減衰時間が長くなるから、再生音場における壁面の吸音率を規定するパラメータと言うことができる。従って、遅延量「M」を先に決定するということは、再生音場の広さを決定することと等価であり、この様に再生音場を大略的に原音場に近似した上で、利得「G」によって調整を行うことにより、音場制御処理に要する時間を短縮することが可能となる。尚、この様に、遅延量「M」を先に決定する場合には、係数テーブルがそれに適した形態を有していれば好適である。
尚、例えば、再生音場における残響特性と原音場における残響特性を比較した結果、再生音場における残響特性の方が高い音圧レベルを有するサンプル点においては、CPU210が、反射音パターンの生成を行わない様に信号処理部300を制御することも可能である。逆特性の反射音による消音は、再生音場の限られた空間にしか効果がなく、聴覚的な違和感を生じさせる場合が多いが、この様な制御によれば、この様な事態の発生が防止される。
尚、遅延量「M」が、全ての周波数帯域で等しくなる場合には、CPU210が、一部の遅延量「M」を変更する様に係数算出処理を実行してもよい。遅延量「M」が全ての周波数帯域で等しい場合、反射音パターンの付加周期が全ての周波数帯域で等しくなって、反射音パターンの周期性が強調される。この場合、受聴者に人工的な残響音と知覚され易い。従って、この様に、敢えて遅延量「M」が一様にならない様な制御を行うことによって、再生音場において自然な残響特性を実現することが可能である。
本発明の実施例に係る音場制御システムにおいて、APFの構成は第1実施例のものに限定されない。例えば、以下第2実施例及び第3実施例の様な構成とすることも可能である。尚、以下に説明する本発明の第2実施例及び第3実施例において、音場制御システムの構成は、基本的に図1と同等であり、信号処理部330内のAPFの構成が異なっている。
<第2実施例>
本発明の第2実施例に係るAPFついて、図7を参照して説明する。ここに、図7は、APF700のブロック図である。
図7において、APF700は、係数「M」及び「G」を有するAPF701,係数「M」及び「G」を有するAPF702,・・・,係数「Mx」及び「Gx」を有するAPF70Xからなり、前段のAPFの出力が後段のAPFの入力端子に接続されている。各APFの構成は、図2に示す第1実施例のAPF320の構成と同等である。
係る構成を有するAPF700の動作時には、図3に例示した如き反射音パターンが、APF700内の各APFによって追加され、反射音パターンの密度が、接続されるAPFの段数に応じて高くなる。従って、詳細な音場制御が可能であり、再生音場において、一層自然な残響音特性を実現することが可能である。
<第3実施例>
本発明の第3実施例に係る音場制御システムにおいて、図8を参照して説明する。ここに、図8は、APF800のブロック図である。尚、図8において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
図8(a)において、APF800は、遅延回路としてAPF810を有する。即ち、図2における遅延回路322がAPF810で置換されている。図8(b)は、APF810の内部構成を説明するブロック図である。APF810は、本発明に係る「第2の遅延回路」の一例たるM個の1次遅延回路820と、APF811,APF812,・・・,APF81Mとの組が従続接続されてなる。尚、「1次遅延回路」とは、遅延量が「1」の遅延回路である。
係る構成において、APF800に入力される入力信号は、APF810によって遅延量が「M」に制御されるが、APF810を構成する各APFによって、信号の位相に変化が与えられる。従って、例えば、全ての周波数帯域で遅延量が「M」となる場合にも、聴覚的な不自然さが軽減され、自然な残響特性を得ることが可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う音場制御システム及び音場制御方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施例に係る音場制御システム100のブロック図である。 音場制御システム100におけるAPF320のブロック図である。 APF320の動作例を示す図である。 音場制御システム100においてCPU210が実行する音場制御処理のフローチャートである。 図4における係数算出処理のフローチャートである。 係数算出処理に使用される係数テーブルの模式図である。 本発明の第2実施例に係るAPF700のブロック図である。 本発明の第3実施例に係るAPF800のブロック図である。
符号の説明
10…スピーカ、100…音場制御システム、200…制御部、210…CPU、220…ROM、230…RAM、240…テスト信号発生部、250…マイクロフォン、300…信号処理部、310…BPF、320…APF、321…入力端子、322…遅延回路、323…第1利得器、324…第2利得器、325…出力端子、330…合成部、700…APF、800…APF、810…APF。

Claims (18)

  1. 予め複数の周波数帯域毎に測定された、基準とする第1音場の残響特性の測定結果に基づいて、受聴する第2音場における残響特性を制御する音場制御システムであって、
    音響信号を前記複数の周波数帯域に分割する周波数分割手段と、
    前記第2音場の残響特性を前記複数の周波数帯域毎に取得する残響特性取得手段と、
    前記取得された第2音場の残響特性と前記基準とする第1音場の残響特性との差異を、前記複数の周波数帯域毎に検出する検出手段と、
    前記検出された残響特性の差異に基づき、前記複数の周波数帯域毎に、前記複数の周波数帯域に分割された音響信号に付加すべき反射音情報を生成すると共に、該生成された反射音情報を前記音響信号に付加することによって前記音響信号を補正する無限インパルス応答型フィルタと、
    前記補正された音響信号を、前記複数の周波数帯域について合成する合成手段と
    を具備することを特徴とする音場制御システム。
  2. 前記無限インパルス応答型フィルタは、遅延量が可変な遅延手段及び利得が可変な利得手段を具備し、
    前記遅延量及び利得に基づいて前記反射音情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音場制御システム。
  3. 前記遅延量及び該遅延量に対応する前記利得からなる係数組を予め複数組について保持する係数保持手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音場制御システム。
  4. 前記無限インパルス応答型フィルタは、
    前記残響特性の差異に基づき、前記係数保持手段によって保持される前記係数組の中からいずれか一つの係数組を選択すると共に、該選択された係数組に対応する前記遅延量及び前記利得に基づいて前記反射音情報を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の音場制御システム。
  5. 前記無限インパルス応答型フィルタは全域通過型のフィルタである
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の音場制御システム。
  6. 前記周波数分割手段は、分割された周波数帯域の夫々が、隣接する帯域との間に共有帯域を有するように、前記音響信号を分割する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の音場制御システム。
  7. 前記残響特性取得手段は、基準信号を発生させる基準信号発生手段と、前記帯域分割手段及び前記無限インパルス応答型フィルタを通過した後に前記第2音場に音波として出力される前記基準信号を前記第2音場において集音する集音手段とを具備し、前記集音された基準信号に基づいて、前記第2音場における残響特性を取得する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の音場制御システム。
  8. 前記無限インパルス応答型フィルタは、複数の前記無限インパルス応答型フィルタが従続接続されてなる
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の音場制御システム。
  9. 前記遅延手段は、前記無限インパルス応答型フィルタである
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の音場制御システム。
  10. 前記無限インパルス応答型フィルタは、
    固定された遅延量を有する第2の遅延手段と、前記無限インパルス応答型フィルタとを具備する
    ことを特徴とする請求項9に記載の音場制御システム。
  11. 予め複数の周波数帯域毎に測定された、基準とする第1音場の残響特性の測定結果に基づいて、受聴する第2音場における残響特性を制御する音場制御方法であって、
    音響信号を前記複数の周波数帯域に分割する周波数分割工程と、
    前記第2音場の残響特性を前記複数の周波数帯域毎に取得する残響特性取得工程と、
    前記取得された第2音場の残響特性と前記基準とする第1音場の残響特性との差異を、前記複数の周波数帯域毎に検出する検出工程と、
    前記検出された残響特性の差異に基づき、無限インパルス応答型フィルタによって、前記複数の周波数帯域に分割された音響信号に付加すべき反射音情報を生成すると共に該生成された反射音情報を前記音響信号に付加することによって前記音響信号を補正する音響信号補正工程と、
    前記補正された音響信号を前記複数の周波数帯域について合成する合成工程と
    を具備することを特徴とする音場制御方法。
  12. 前記無限インパルス応答型フィルタは、遅延量が可変な遅延手段及び利得が可変な利得手段を具備し、
    前記音響信号補正工程は、前記検出された残響特性の差異に基づいて、前記遅延量及び利得を決定する工程を含んでなる
    ことを特徴とする請求項11に記載の音場制御方法。
  13. 前記音響信号補正工程において、前記遅延量が決定された後に前記利得が決定される
    ことを特徴とする請求項12に記載の音場制御方法。
  14. 前記音響信号補正工程において、前記遅延量は、前記複数の周波数帯域の少なくとも一部において異なるように与えられる
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の音場制御方法。
  15. 前記残響特性取得工程は、
    基準信号を前記第2音場において出力手段により音波として出力する工程と、
    前記出力された基準信号を集音手段により集音する工程と
    を具備し、
    前記残響特性は、前記集音された基準信号に基づいて取得される
    ことを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の音場制御方法。
  16. 前記基準信号はインパルス信号であり、
    前記残響特性は、前記出力手段と前記集音手段との間のインパルス応答に基づいて取得される
    ことを特徴とする請求項15に記載の音場制御方法。
  17. 前記残響特性取得工程は、
    前記インパルス応答に基づくシミュレーションによって前記残響特性を取得する工程を含む
    ことを特徴とする請求項16に記載の音場制御方法。
  18. 前記基準信号は、ランダムノイズであり、
    前記残響特性は、複数回集音された前記ランダムノイズに基づいて取得される
    ことを特徴とする請求項15に記載の音場制御方法。

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