JP2002344997A - 立体映像信号の編集方法、及び立体映像撮影用のビデオカメラの光学アダプター装置 - Google Patents

立体映像信号の編集方法、及び立体映像撮影用のビデオカメラの光学アダプター装置

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JP2002344997A JP2001143240A JP2001143240A JP2002344997A JP 2002344997 A JP2002344997 A JP 2002344997A JP 2001143240 A JP2001143240 A JP 2001143240A JP 2001143240 A JP2001143240 A JP 2001143240A JP 2002344997 A JP2002344997 A JP 2002344997A
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哲理 井上
Takashi Shibata
隆史 柴田
Yusuke Sakaguchi
裕介 坂口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1系統の立体映像信号を独立して編集する方
法を提供する。 【解決手段】 時分割による1系統の立体映像信号をパ
ーソナルコンピュータに取り込んで、右側光学像と左側
光学像との2系統の立体映像信号に分割する分割プロセ
スと、それぞれの画像を時系列に表示する表示プロセス
と、表示された画像を所望とする画像に調整する調整プ
ロセスと、2系統の立体映像信号を1系統の立体映像信
号に統合する統合プロセスとを有する。調整プロセスに
おける処理システム中に(a)水平視差補正機能、
(b)垂直視差補正機能、(c)左右フィールドの逆転
補正機能、(d)画像サイズの調節機能、(e)画像ア
ングル調整(歪補正)機能、(f)立体像再生位置計算
機能が含まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右の光学像から
なる立体映像信号を左右独立して編集する方法に関す
る。また、本発明は、ビデオカメラなどに取り付けて立
体映像を撮影するための立体映像撮影用のビデオカメラ
の光学アダプター装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、アミューズメン
ト施設などで使用するための種々の立体映像表示装置が
提案されている。この立体映像表示装置は、例えば、左
右の視差画像をモニター上に表示し、この画像を液晶シ
ャッタメガネや偏光メガネをかけて右目用の画像と左目
用の画像とをそれぞれ見分けることにより奥行きのある
立体映像を観察するもの、あるいは頭部搭載型やメガネ
型のいわゆるヘッドマウンテッドディスプレイを用い
て、右目側のディスプレイには右目用の画像を左目用の
ディスプレイには左目用の画像をそれぞれ表示させるこ
とにより奥行きのある立体的な映像を認識することがで
きるようにしたものである。
【0003】しかしながら、このような立体映像表示装
置の普及はあまり進んでいないのが現状である。この一
因としてはソフトとなる立体映像の撮影に多大な労力と
コストとがかかることが挙げられる。すなわち、従来の
立体映像の撮影方法は、例えば、図8に示すように右側
光学像及び左側光学像を撮影する並列した2台のビデオ
カメラ51R及び51Lと2台のレコーダ52R,52Lとを使
用し、レコーダ52R,52Lで記録したそれぞれの映像デ
ータを同期させてタイムコードジェネレータ53において
時系列に並べて編集することにより立体映像を制作して
いる。しかしながら、この立体映像の撮影方法では、ピ
ント、照準、ズームなどの動作を2台のカメラ51R及び
51Lで同時に行わなければならず、大規模なシステムを
構築する必要がある上に2台のレコーダ52R,52Lを同
期させて画像を記録しなければならず、さらに、左右そ
れぞれの画像を独立して補正することができなかったの
で、2台のカメラ51R及び51Lのいずれか一方でも撮影
内容に欠陥が生じた場合には最初から撮影し直さなけれ
ばならなかった。
【0004】また、図9に示すように右側光学像及び左
側光学像を撮影する並列した2台のビデオカメラ51R及
び51Lとスイッチャとしてのパラレル/シリアル変換ア
ダプタ54と、1台のレコーダ55とを使用し、ビデオカメ
ラ51R及び51Lで記録したそれぞれの画像データをパラ
レル/シリアル変換アダプタ54で1系統の立体映像信号
としてレコーダ55に記録することにより立体映像を制作
している。この立体映像の撮影方法により、レコーダが
1台で済むとともにタイムコードジェネレータ53が不要
となり、撮影システムに要するコストは低減されるが、
やはりピント、照準、ズームなどの動作を2台のカメラ
51R及び51Lで同時に行わなければならず、また、左右
それぞれの画像を独立して補正することができなかった
ので、2台のカメラ51R及び51Lのいずれか一方でも撮
影内容に欠陥が生じた場合には最初から撮影し直さなけ
ればならなかった。
【0005】このため、右側光学像及び左側光学像を1
台のカメラ及びレコーダ等により撮影可能な立体映像撮
影用のビデオカメラの光学アダプター装置が提案されて
いる。この光学アダプター装置は、図10に概略的に示す
ように、枠体61内にプリズム62を収納してなり、プリズ
ム62の前面及び左面には液晶シャッター63,64がそれぞ
れ付設されていて、液晶シャッター64の左側にわずかに
離間して45°を基準としてわずかに回動可能に全反射ミ
ラー65が設けられているとともに、プリズム62内に45°
に傾斜してハーフミラー66が設けられていて、液晶シャ
ッター63,64は、所定のタイミング、例えば60Hzで
交互に開閉を繰り返すように図示しない制御機構により
制御可能となっている。そして、枠体61のプリズム62の
背面側には開口窓部(図示せず)が形成されていて、こ
の開口窓部がビデオカメラのレンズ面、すなわち撮像菅
67に向けて開口するように光学アダプター装置を取り付
ける。
【0006】このような光学アダプター装置によれば、
図示しない被写体の右側光学像S1は、前面側の液晶シ
ャッター63が開いているときにプリズム62、ハーフミラ
ー66を通って撮像菅67へ到達する(図10(a))。一
方、左側光学像S2は、前面側の液晶シャッター63が開
いているときにプリズム62、ハーフミラー66を通って撮
像菅67へ到達する(図10(b))。ここで、図示Aの間
隔が平均的な瞳孔間隔に相当する。したがって、液晶シ
ャッター63,64を高速で切り替えることにより、左右の
光学像S1,S2の情報を断続的に撮像菅67に送ってこ
の立体映像信号をビデオカメラに付属したビデオレコー
ダで記録することができる。また、全反射ミラー65を回
動することにより遠景、近景を切り替えて撮影を行う。
そして、撮影完了後は前述したようにこのビデオカメラ
の映像を液晶シャッタメガネなどで観察するか、あるい
は左右それぞれの画像を分離してヘッドマウンテッドデ
ィスプレイで左右別々に放映して立体映像を観察する、
というものである。
【0007】この光学アダプター装置を別個にあるいは
あらかじめビデオカメラに搭載することにより、1台の
ビデオカメラで立体映像を撮影することが可能となる
が、右側光学像S1又は左側光学像S2のいずれか一方
でも撮影内容に欠陥が生じた場合には歪みや映像の欠損
などを生じ、取り直さなければならならなかった。
【0008】これは従来は撮影された立体映像の左右そ
れぞれの画像を独立して補正することができなかったこ
とに起因するものである。もし、立体映像信号による左
右それぞれの画像を独立して補正することのできる編集
方法を提供できれば、立体映像の編集、補正が容易とな
り、画像の歪みや違和感の少ない高質な立体映像を効率
的かつ簡単に制作することができて、立体映像撮影装
置、ひいては立体映像表示装置の商用あるいは家庭用の
普及を期待できて望ましい。
【0009】本発明は上記問題点に基いて成されたもの
であり、左右の動画からなる立体映像信号を独立して編
集する方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、この編集方法に連動して使用可能なビデオカメラな
どに取付けて立体映像を撮影するための立体映像撮影用
のビデオカメラの光学アダプター装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
立体映像信号の編集方法は、時分割による1系統の立体
映像信号を情報処理装置に取り込んで、右側光学像と左
側光学像との2系統の立体映像信号に分割する分割プロ
セスと、それぞれの画像を時系列に表示する表示プロセ
スと、表示された画像を所望とする画像に調整する調整
プロセスと、2系統の立体映像信号を1系統の立体映像
信号に統合する統合プロセスとを有する方法である。こ
のような構成を採用することにより、時分割による1系
統の立体映像信号を分割してそれぞれの映像を構成する
左右の画像ごとに表示して調整することができる。これ
により、一部の画像のみを撮影後に補正することが可能
となり、映像の取り直しなどの必要性を少なくすること
ができる。
【0011】また、請求項2記載の立体映像信号の編集
方法は、前記請求項1において、前記調整プロセスにお
ける処理システム中に水平視差補正機能、垂直視差補正
機能、左右フィールドの逆転補正機能、画像サイズの調
節機能、画像アングル調整機能、立体映像生成機能、立
体映像再生位置計算機能から選ばれた一又は二以上の機
能が含まれる方法である。このため、右側光学像と左側
光学像のそれぞれを時系列における任意の撮影箇所で調
整して再度立体映像信号として生成することで、立体映
像の奥行き、見易さ、フィールド変換、画像の大きさ、
歪みなどを適宜補正することができる。
【0012】請求項3記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項2において、前記情報処理装置が立体映
像撮影装置に接続可能となっており、前記調整プロセス
における処理システム中に前記撮影装置と連動した自動
処理機能が含まれる方法である。このため、ビデオカメ
ラで撮影中の画像に対して画像の編集を行うことがで
き、立体像の歪みの少ない立体映像を簡単に撮影するこ
とが可能となる。
【0013】請求項4記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項2又は3において、前記調整プロセスに
おける処理システム中に調整した左右の画像を表示する
プレビュー機能が含まれており、前記情報処理装置には
立体映像のプレビュー装置が接続されていて、調整後の
立体映像を確認しながら調整プロセスを実行することが
できる方法である。このため、所望とする立体映像とな
るように得られる立体映像を確認しながら編集作業を進
めることができる。
【0014】請求項5記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項1乃至4のいずれか1項において、前記
時分割による1系統の立体映像信号が、右側光学像と左
側光学像とを時分割で交互に透過させる光学アダプター
装置と、この光学アダプター装置を取り付けた1台のビ
デオカメラ及びビデオレコーダとからなる撮影装置によ
り与えられる方法である。このような構成を採用するこ
とにより、1台のビデオカメラによる1系統の立体映像
信号による左右の画像をそれぞれ編集することが可能と
なる。
【0015】請求項6記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項1乃至4のいずれか1項において、前記
時分割による1系統の立体映像信号が、右側光学像と左
側光学像とを撮影する2台のビデオカメラと、これら2
台のビデオカメラによって撮影された2系統の立体映像
信号を時分割による1系統の立体映像信号に変換するス
イッチャと、この変換された1系統の立体映像信号を記
録するビデオレコーダとからなる撮影装置により与えら
れる方法である。このような構成を採用することによ
り、2台のビデオカメラによる1系統の立体映像信号に
よる左右の画像をそれぞれ編集することが可能となる。
【0016】請求項7記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項1乃至4のいずれか1項において、前記
時分割による1系統の立体映像信号が、右側光学像と左
側光学像とを撮影する2台のビデオカメラと、これら2
台のビデオカメラによって撮影された2系統の立体映像
信号をそれぞれ記録する同期した2台のビデオレコーダ
とからなる撮影装置の記録に基づくものであり、これら
2台のビデオレコーダに記録された2系統の立体映像信
号を時分割による1系統の立体映像信号に変換する方法
である。このような構成を採用することにより、従来の
2台のビデオカメラによる2系統の立体映像信号の撮影
装置による左右の画像であってもそれぞれ編集すること
が可能となる。
【0017】また、本発明の請求項8記載の立体映像撮
影用のビデオカメラの光学アダプター装置は、前記請求
項項3記載の立体映像信号の編集方法における自動処理
機能に連動した1台のビデオカメラに取り付ける光学ア
ダプター装置であって、被写体の右側光学像と左側光学
像とを前記ビデオカメラの撮像部に向けて透過させるた
めのプリズムと、このプリズムの右面側又は左面側と前
面とに付設された交互に開閉する一対の液晶シャッター
と、前記プリズムに右側光学像又は左側光学像を集光さ
せる前記プリズムの右側又は左側に傾斜して設けられた
全反射ミラーとを有し、前記プリズム内に前記全反射ミ
ラーと同じ角度で傾斜したハーフミラーを設け、前記全
反射ミラーを前記プリズムに対して水平方向に移動可能
に設けたものである。このような構成を採用することに
より、撮影時には、プリズムの左面又は右面の液晶シャ
ッターと、前面の液晶シャッターとを交互に開閉するこ
とによりプリズムの前面側からの光学像と全反射ミラー
からの反射による右側又は左側からの光学像の透過を制
御することで、右側光学像と左側光学像とを交互にビデ
オカメラに送る。このとき、全反射ミラーとハーフミラ
ーとを同じ角度に傾斜して設けているので、入射光の光
軸を等しくすることができる。また、全反射ミラーを前
記プリズムに対して水平方向に移動可能に設けているの
で遠景を撮影する際には全反射ミラーをプリズムに対し
て遠ざけ、近景を撮影する際には全反射ミラーをプリズ
ムに対して近づけることにより、ズームイン時などの違
和感を少なくすることができ、また、画像の欠損を生じ
ることがない。これらにより立体像の歪みの少ない画像
を得ることができる。また、この光学アダプター装置
は、基本的にプリズムと全反射ミラーとハーフミラーと
からなるものであるので装置のコンパクト化を図ること
ができる。
【0018】さらに請求項9記載の立体映像撮影用のビ
デオカメラの光学アダプター装置は、前記請求項8にお
いて、前記全反射ミラーと前記プリズムとの間に補正レ
ンズを設けたものである。このような構成を採用するこ
とにより、全反射ミラー側の光学像は全反射ミラーを経
由する分だけ光路長が長くなるが、その分を補正レンズ
で補正してやることで実質的に右側光学像と左側光学像
の入射光の光路長をほぼ等しくすることができる。これ
らにより立体像の歪みの少ない画像を得ることができ
る。
【0019】
【発明の実施形態】以下、本発明の立体映像信号の編集
方法について図1乃至図3を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の編集対象は、飛び越し走査の前半分を左
側又は右側の一方の光学像とし後半分を他方の光学像と
した時分割による1系統の立体映像信号であり、基本的
には、図10に示すような光学アダプター装置を取り付け
た1台のビデオカメラにより撮影される1系統の立体映
像信号、図9に示すような2台のビデオカメラによって
撮影された2系統の立体映像信号をスイッチャにより変
換した時分割による1系統の立体映像信号である。さら
には、図8に示すような2台のビデオカメラによって撮
影された2系統の立体映像信号をそれぞれ同期した2台
のビデオレコーダに記録した2系統の立体映像信号であ
ってもこれを適宜変換することにより編集することがで
きる。
【0020】以下、上述したような立体映像信号を編集
する本発明の方法について図1に示す実行プログラムの
フローチャート及びこのプログラムを実行する際の情報
処理装置たるパーソナルコンピュータの操作画面に基づ
いて説明する。なお、図2に示すパーソナルコンピュー
タの操作画面1は、基本的には、ファイルの入出力操作
部Aと、動画像の時系列表示部Bと、動画像の編集操作
部Cの3つの領域からなり、入出力操作部Aは、編集す
るファイルの指定欄と、「ステレオ画像の分離」、「左
動画を開く」(左動画の読み込み)、「右動画を開く」
(右動画の読み込み)、「ステレオ画像の保存」などの
項目を有する。また、動画像の時系列表示部Bは、時刻
指定部2と、指定された時間から連続する9コマの動画
像を左右別々に表示する表示部3L、3Rとを有し、時
刻指定部2を指定すると図3に示すように時刻指定欄2
Aが表示される。さらに、編集操作部Cは、選択された
左動画及び右動画をそれぞれ表示する選択表示部4,5
と、編集対象フレーム選択部6と、ステレオ画像処理部
7とを有する。
【0021】次にこのような操作画面1から操作する編
集方法について説明する。まず、プログラムを起動し、
情報処理装置たるパーソナルコンピュータに接続したビ
デオカメラに付属したビデオレコーダから直接、あるい
はビデオカメラの立体映像信号を記録した記録装置であ
る別体のビデオオレコーダから立体映像信号のプロジェ
クトファイルを読み込む。このとき新規ファイルか既存
ファイルかで操作プロセスが異なるが、基本的には既存
ファイルは新規ファイルの説明と重複するので、まず、
新規ファイルの場合について説明する。
【0022】新規ファイルの場合、はじめに読み込んだ
立体映像信号が、左動画、右動画に分割する必要がある
か否かを判断する。1台のビデオカメラで撮影した1系
統の立体映像信号、あるいは2台のビデオカメラで撮影
した映像信号を1系統に統合した立体映像信号の場合に
は、これらの立体映像信号は、左右の画像を交互に記録
したステレオ動画であり、この左右の画像を前半走査分
と後半走査分とで交互に切り替えて記録した信号である
ことに着目して、フィールドごとに左右の画像に分割す
る(分割プロセス)。従来この種の1系統の時分割によ
る立体映像信号を2系統に分割にするためには、1台の
再生用VTRからの画像データをシリアル3D/パラレ
ル3D変換機で左右の画像に分離してそれぞれの映像を
同期した2台の録画用VTRで録画しており、1台の再
生用VTR、シリアル3D/パラレル3D変換機、同期
した2台の録画用VTRが必要で非常に手間のかかるも
のであったが、このようにフィールドごとに左右の画像
を分割することにより、これらの装置及び操作が一切不
要となる。具体的には、パーソナルコンピュータの操作
画面1のファイルの入出力操作部Aにおける「ステレオ
動画を分離」の項目を操作機であるマウスなどにより指
定することにより、ステレオ動画を読み込んで左画像及
び右画像に分割し、左動画を指定して読み込むとともに
右動画を指定して読み込んで、これら右動画と左動画と
からなるプロジェクトファイルを新規に作成する。一
方、2台のカメラで左右の画像をそれぞれ撮影し、それ
ぞれの画像を同期させたビデオレコーダに記録した2系
統の立体映像信号の場合には、すでに左動画と右動画と
に分割されているので、必要に応じて適宜処理を施した
後、左動画を指定して読み込むとともに右動画を指定し
て読み込んで、これら右動画と左動画とからなるプロジ
ェクトファイルを新規に作成する。
【0023】このようにして新規プロジェクトファイル
を作成したら、操作画面1のファイルの入出力操作部A
における「左画像を開く」の項目及び「右画像を開く」
の項目を順次指定することにより、動画像の時系列表示
部Bにそれぞれ左画像(L)及び右画像(R)が9コマ
ずつ時系列に表示される(表示プロセス)。実際に編集
する際には時刻指定部2を開いて時刻指定欄2Aに編集
したい時間を指定することにより、当該指定時間を始点
として9コマづつの画像が時系列に表示される。
【0024】そうしたら、画像調整を行う(調整プロセ
ス)。この画像調整は、撮影された立体映像は、必ずし
も人間の視覚と同じ条件で撮影したものでなく、また、
平面を立体として視認することなどから観察者が違和感
を覚えたり疲れやすくなるのでこれを補正し、さらに必
要応じて立体感を強調したり抑えたりするなどの調整を
個々の画像に対して行うものであり、編集操作部Cの編
集対象フレーム選択部6の開始及び終了の欄に時系列表
示部Bの表示部3L,3R上のコマ数字1〜9を選択す
ることにより、編集対象となる画像(フレーム)を指定
する。これにより指定された左動画及び右動画がそれぞ
れ選択表示部4,5に表示され、この表示された画像に
対し、ステレオ画像処理部7を操作して補正処理を指定
することにより行う。具体的には、処理システム中に
(a)水平視差補正、(b)垂直視差補正、(c)左右
フィールドの逆転補正、(d)画像サイズの調節、
(e)画像アングル調整(歪補正)、(f)立体映像再
生位置計算などの機能の全部あるいは所望とする任意の
ものをあらかじめプログラムしておけばよい。なお、こ
こで、(f)立体映像再生位置計算機能とは、左右の像
の対応点を指定して再生時の視距離及び画像呈示面サイ
ズを入力することで、理論的な立体像の再生位置及び視
差量を自動計算する機能のことであり、この立体像の再
生位置及び視差量の確認によって、より正確な立体映像
の設計・制作が可能となる。加えて視差量を把握できる
ことで、観察者に与える視覚的負荷の度合いを定量的に
調整可能である。つまり正確な空間の再生及び観察者に
やさしい映像制作が可能となる。従来の立体映像の編集
においては、(a)水平視差補正、(b)垂直視差補
正、(c)左右フィールドの逆転補正、(d)画像サイ
ズの調節、(e)画像アングル調整の各調整等を行うに
は、4台の同期された再生・録画用VTR、各種デジタ
ルビデオエフェクタ等非常に多数の機器構成が必要であ
り、しかもこれらの機器類は高価なものも多く、この結
果、全体として汎用性に欠けるものとなっていた。これ
に対し、本実施例においてはこれら機器類を一切必要と
せずに調整を行うことができる。
【0025】このとき、調整プロセスにおける処理シス
テム中に調整した左右の画像を表示する(g)プレビュ
ー機能をインプットしておくとともにパーソナルコンピ
ュータに立体映像のプレビュー装置を接続しておき、前
述した調整プロセスにおける処理システム中に調整した
左右の画像を表示してこれを立体映像として視認できる
ようにすることもできる。このプレビュー装置として
は、液晶シャッタなどの時分割のシャッタ方式による立
体映像表示装置、偏光方式による立体映像表示装置、ア
ナグリフ立体映像信号出力装置などを用いることがで
き、その画像表示画面の大きさは、実際の表示装置より
も小さいものでよい。このようなプレビュー機能を付与
することにより、調整後の立体映像を確認しながら調整
プロセスを実行することができるので、所望とする立体
映像を簡単に編集することができる。
【0026】さらに、調整プロセスにおける処理システ
ム中に撮影装置の制御を行う(h)自動処理機能をプロ
グラムしておくことにより、情報処理装置であるパーソ
ナルコンピュータと撮影装置である光学アダプター装置
及びビデオカメラを接続することで、この画像の調整を
撮影中の画像に対して行うことができ、立体像の歪みの
少ない立体映像を簡単に撮影することができるようにし
てもよい。この自動処理機能とは、撮影時と再生時の諸
条件を入力することとで、左右の画像のシフト量や拡大
縮小率を自動的に計算し実施する機能のことである。具
体的には、後述するアダプダを用いる場合のように、平
行法で撮影した立体映像を歪みなく再生するためには、
撮影装置における撮影時のカメラの間隔(画像の入射間
隔)に応じた拡大縮小と、再生時の画像呈示面サイズに
応じたシフトが必要であるので、本実施例においては、
立体映像撮影装置をマイクロコンピュータと接続して自
動処理機能と連動させることで、これを自動的に行い、
正確な空間の再生を簡易に行うことが可能となる。
【0027】画像の調整が終了したら、統合プロセスと
して入出力操作部Aの「ステレオ動画を保存」の項目を
指定して2系統の立体映像信号を1系統の時分割の立体
映像信号に統合して画像を書き出すことにより、立体映
像信号の編集を行うことができる。従来2系統の立体映
像信号を1系統の時分割の立体映像信号に統合するため
には、2台の同期した再生用VTRでそれぞれの立体映
像の信号を再生して、パラレル3D/シリアル3D変換
機で1系統の立体映像信号として録画用VTRに記録す
る必要があったが、本実施例においてはこれらの装置が
一切不要となる。なお、2系統の立体映像信号を編集す
る場合には、分割プロセス、調整プロセスあるいは統合
プロセスにおいて、画像信号を適宜処理することによ
り、1系統の立体映像信号とすればよい。
【0028】次に、図1に示すフローチャートにおける
「既存読み込み」以降のフローについて説明する。上述
したような「新規作成」における作業フローは、ステレ
オ動画の各画像を対象とするものであるので、撮影時間
の最初から最後までの画像を全てチェックし補正する場
合などには調整に長時間を要することもある。そこで、
調整工程の途中で入出力操作部Aの「ステレオ動画を保
存」の項目を指定することにより、画像ファイルを書き
出して既存のプロジェクトファイルとして保存し、途中
から作業を再開する必要がある。すなわち、この既存の
プロジェクトファイルから作業を再開する場合には、操
作画面1のファイル欄から既存のプロジェクトファイル
を選択する。これが「既存読み込み」であり、その後は
「新規作成」におけるステレオ動画分割以降のフローと
同じ作業を繰り返せばよい。
【0029】このようにして立体映像を編集した後は、
頭部搭載型やメガネ型のいわゆるヘッドマウンテッドデ
ィスプレイを用いて、右目側のディスプレイには右目用
の映像を左目用のディスプレイには左目用の映像をそれ
ぞれ表示させたり、左右の画像を組み合わせて表示して
液晶シャッタメガネや偏光メガネをかけて右目用の画像
と左目用の画像とをそれぞれ見分けることにより観察し
たりするなど所望の立体映像として出力することができ
る。
【0030】以上詳述したとおり、本実施例の立体映像
信号の編集方法は、時分割による1系統の立体映像信号
を情報処理装置たるパーソナルコンピュータに取り込ん
で、右側光学像と左側光学像との2系統の立体映像信号
に分割する分割プロセスと、それぞれの画像を時系列に
表示する表示プロセスと、表示された画像を所望とする
画像に調整する調整プロセスと、2系統の立体映像信号
を1系統の立体映像信号に統合する統合プロセスとを有
するので、時分割による1系統の立体映像信号を左右の
画像に分割してそれぞれの画像ごとに表示して調整する
ことができる。これにより、一部の画像のみを撮影後に
補正することが可能となり、画像の取り直しなどの必要
性を少なくすることができる。特に調整プロセスにおけ
る処理システム中に(a)水平視差補正機能、(b)垂
直視差補正機能、(c)左右フィールドの逆転補正機
能、(d)画像サイズの調節機能、(e)画像アングル
調整(歪補正)機能、(f)立体像再生位置計算機能な
どが含まれているので、右側光学像と左側光学像のそれ
ぞれを時系列における任意の撮影箇所で調整して再度立
体映像信号として生成することで、立体映像の奥行き、
見易さ、フィールド変換、画像の大きさ、歪みなどを適
宜補正することができる。さらに、調整プロセスにおけ
る処理システム中に調整した左右の画像を表示する
(g)プレビュー機能が含まれており、前記情報処理装
置には立体映像のプレビュー装置が接続されていて、調
整後の立体映像を確認しながら調整プロセスを実行する
ことができるので、所望とする立体映像となるように得
られる立体映像を確認しながら編集作業を進めることが
できるようになっている。特に本実施例においては、パ
ーソナルコンピュータが1台もしくは2台のビデオカメ
ラを含む撮影装置と接続可能となっており、調整プロセ
スにおける処理システム中にこの撮影装置と連動した
(h)自動処理機能が含まれているので、ビデオカメラ
で撮影中の画像に対して左右の画像の編集を行うことが
でき、立体像の歪みの少ない立体映像を簡単に撮影する
ことが可能となる。
【0031】上述したような本実施例の編集方法は、例
えば、図10に示すような光学アダプター装置を取り付け
た1台のビデオカメラにより撮影される立体映像信号、
図9に示すような2台のビデオカメラによって撮影され
た2系統の立体映像信号をスイッチャにより時分割によ
る1系統の立体映像信号に変換した立体映像信号の編集
に好適である。さらには、図8に示すような2台のビデ
オカメラによって撮影された2系統の立体映像信号をそ
れぞれ同期した2台のビデオレコーダに記録した2系統
の立体映像信号であってもこれを1系統の立体映像信号
に変換することにより編集することができる。
【0032】次に前述したような編集方法に好適に適用
可能な立体映像撮影用のビデオカメラの光学アダプター
装置について図4乃至図7に基づいて詳細に説明する。
図4は、本実施例における立体映像撮影装置の構成を示
しており、ビデオカメラ11の撮影レンズ部21の先端に
は、光学アダプター装置12が取り付けられ、このビデオ
カメラ11は、レコーダ13を内蔵していて、さらにこのレ
コーダ13に情報処理装置であるパーソナルコンピュータ
14が接続される。なお、パーソナルコンピュータ14と光
学アダプター装置12とは、レコーダ13を介してあるいは
直接的に接続されていて、パーソナルコンピュータ14に
より制御可能となっており、撮像中の画像をパーソナル
コンピュータ14の操作画面1で表示しながら撮影して所
望の画像が得られるように補正しながらビデオカメラ11
と光学アダプター装置12とを操作することができるよう
になっている。
【0033】上述したような構成において、光学アダプ
ター装置12は、図5に示すようにビデオカメラ11の撮像
部11Aから連続する撮影レンズ部21に図示しない開口窓
部において着脱自在に取り付けられる枠体22と、この枠
体22の開口窓部の前側に設置されたプリズム23とを有
し、プリズム23内に撮影レンズ部21に対して45°に傾斜
してハーフミラー24が設けられている。一方、プリズム
23の前面及び左面には切り替え機構である右側液晶シャ
ッター25及び左側液晶シャッター26がそれぞれ付設され
ていて、左側液晶シャッター26の左側にはわずかに離間
して撮影レンズ部21に対して45°に傾斜して全反射ミラ
ー27が設けられている。この全反射ミラー27には図示し
ないガイド部材及びスライド機構が付設されていて、プ
リズム23に対して水平方向に移動可能となっている。な
お、このスライド機構は、図示しない制御機構によりビ
デオカメラ11のズーム機構と連動して制御されており、
具体的には、ズームイン(近景撮影)時にはその度合い
に応じてプリズム23に近づく方向に移動する一方、ズー
ムアウト(遠景撮影)時にはその度合いに応じてプリズ
ム23から離れる方向に移動するように制御される。ま
た、全反射ミラー27とプリズム23との間には、補正レン
ズ28が設けられている。このような光学アダプター装置
12において、液晶シャッター25,26は高速で、例えば6
0Hzの速さで交互に開閉を繰り返すように図示しない
制御機構により制御されている。
【0034】前記構成につきその作用について説明す
る。ビデオカメラ11のレンズ部21に光学アダプター装置
12を取り付けたら、ビデオカメラ11を通常の撮影と同じ
ように操作する。そうすると、図示しない被写体からの
光学像は右側液晶シャッター25に到達し、また、全反射
ミラー27で反射して左側液晶シャッター26にも到達し
て、それぞれ右側光学像S1及び左側光学像S2とな
る。そして、図6に示すように右側光学像S1は右側液
晶シャッター25が開いているときにのみプリズム23及び
ハーフミラー24を透過して撮像部11Aへ到達する。一
方、図7に示すように右側液晶シャッター25が閉じると
左側液晶シャッター26が開いて左側光学像S2がプリズ
ム23、ハーフミラー24を通って撮像部11Aへ到達する。
したがって、液晶シャッター25,26を高速で切り替える
ことにより、左右の光学像S1,S2の情報を交互かつ
断続的に撮像部11Aに送ってこの映像をビデオカメラ11
に付属したレコーダ13で記録することができる。このと
き、全反射ミラー27を経由してプリズム23に到達する分
だけ左側光学像S2の光路の方が長くなるため、右側光
学像S1及び左側光学像S2の画像の大きさ、特にズー
ムイン時の画像の大きさが異なることことになるが、本
実施例においては、左側光学像S2の光路にあたる全反
射ミラー27とプリズム23との間に補正レンズ28を設ける
ことにより、左側光学像S2の光路が長い分だけ補正し
ているので、両光学像S1、S2の画像の大きさが同じ
くなるようになっている。
【0035】そして、ズームイン(近景撮影)時には人
間の視覚システムでは、視線が中心に寄る一方、ズーム
アウト(遠景撮影)時には視線が広がる。したがって、
右側光学像S1及び左側光学像S2を受ける間隔あるい
は角度を調整する必要がある。そこで、本実施例におい
ては、全反射ミラー27をプリズム23に対して水平方向
(左右方向)に移動可能に設け、この全反射ミラー27を
ビデオカメラ11と連動させている。すなわち、ビデオカ
メラ11のズームイン撮影時には、全反射ミラー27をプリ
ズム23に対して近接させて瞳孔間隔Aを短くし、ビデオ
カメラ11のズームアウト撮影時には、全反射ミラー27を
プリズム23に対して遠ざけて瞳孔間隔Aを長くする。こ
のようにしてビデオカメラ11に光学像を送ってレコーダ
13でこれを記録することにより、左右の光学像S1,S
2が交互かつ断続的に記録された1系統の立体映像信号
を得ることができる。そして、この全反射ミラー27の位
置は、パーソナルコンピュータにプログラムされた
(h)自動処理機能によって制御可能となっているの
で、操作画面1で画像を確認しながら、所望の画像が得
られるように全反射ミラー27の位置を逐次変化させなが
ら撮影することができるようになっている。
【0036】以上詳述したとおり、本実施例の立体映像
撮影用のビデオカメラの光学アダプター装置は、被写体
の右側光学像S1と左側光学像S2とをビデオカメラ11
の撮像部11Aに向けて透過させるためのプリズム23と、
このプリズム23の左面側と前面とに付設された交互に開
閉する一対の液晶シャッター25,26と、プリズム23に左
側光学像S2を集光させるプリズムの左側に傾斜して設
けられた全反射ミラー27とを有し、プリズム23内に全反
射ミラー27と同じ角度で傾斜したハーフミラー24を設
け、全反射ミラー27をプリズム23に対して水平方向に移
動可能に設けたものであるので、ビデオカメラ11の撮影
時にプリズム23の反射と右側液晶シャッター25及び左側
液晶シャッター26とを作動させることにより、右側光学
像S1と左側光学像S2とを交互にビデオカメラ11の撮
像部11Aに転送する。このとき本実施例においては、全
反射ミラー27をプリズム23に対して水平方向に移動可能
に設けているので、ズームアウト撮影する際には全反射
ミラー27をプリズム23に対して遠ざけ、ズームイン撮影
する際には全反射ミラー27をプリズム23に対して近づけ
ることにより、ズームイン時などの違和感を少なくする
ことができ、しかも、画像の欠損を生じることがないよ
うになっている。そして、このような操作をマイクロコ
ンピュータの(h)自動処理機能により制御することで
画像を調整しながら録画することができ、レベルの高い
立体画像を簡単に撮影することができる。また、この光
学アダプター装置12を1台のビデオカメラ11に取り付け
るだけで立体映像撮影機器とすることができるので、立
体映像撮影機器の小型化、簡略化を図ることができる。
さらに、得られる立体映像信号による画質は、ビデオカ
メラ11の性能に依存することになるので、将来的な高画
質化にも対応可能となっている。また、全反射ミラー27
側の光学像S2は全反射ミラー27を経由する分だけ光路
長が長くなるが、本実施例においては、その分を補正レ
ンズ28で補正してやることにより、実質的に右側光学像
と左側光学像の入射光の光路長をほぼ等しくすることが
できる。
【0037】以上、本発明の立体映像信号の編集方法、
及び立体映像撮影用のビデオカメラの光学アダプター装
置について添付図面を参照して説明してきたが、本発明
は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の思想
の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本実
施例の立体映像信号の編集方法は、それ自身独立して実
行可能なプログラムソフトとしてコンピュータにインス
トールして所望とする編集を行うことができる。そし
て、この編集後の動画像を既存の映像編集ソフトウェア
に読み込んで作品として編集することができる。また、
これらの既存の映像編集ソフトウェアの付加機能(例え
ばPlug−in形式など)として、本発明の編集方法
のプログラムを提供すれば、画像の編集と作品の制作と
を同時に行うことができ、立体映像作品の制作をより能
率良く行うことができて望ましい。なお、前記実施例の
立体映像信号の編集方法の操作画面1はパーソナルコン
ピュータで操作するための一例であり、同様の操作が可
能であれば画面のレイアウト、構成などは適宜変更可能
であることは言うまでもない。また、前記実施例の光学
アダプター装置12は、本発明の編集方法を適用するため
の単なる例示であり、図10に示すような従来の光学アダ
プター装置、あるいはその他の光学アダプター装置であ
っても適用可能である。なお、前記実施例の光学アダプ
ター装置は、ビデオカメラ11と別体である必要はなく、
あらかじめ撮影レンズ部21に固定的に取り付けたもので
あってもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の立体映像信号の
編集方法は、時分割による1系統の立体映像信号を情報
処理装置に取り込んで、右側光学像と左側光学像との2
系統の立体映像信号に分割する分割プロセスと、それぞ
れの画像を時系列に表示する表示プロセスと、表示され
た画像を所望とする画像に調整する調整プロセスと、2
系統の立体映像信号を1系統の立体映像信号に統合する
統合プロセスとを有する方法であるので、時分割による
1系統の立体映像信号を分割してそれぞれの映像を構成
する左右の画像ごとに表示して調整することができる。
これにより、一部の画像のみを撮影後に補正することが
可能となり、映像の取り直しなどの必要性を少なくする
ことができる。
【0039】また、請求項2記載の立体映像信号の編集
方法は、前記請求項1において、前記調整プロセスにお
ける処理システム中に水平視差補正機能、垂直視差補正
機能、左右フィールドの逆転補正機能、画像サイズの調
節機能、画像アングル調整機能、立体映像生成機能、立
体映像再生位置計算機能から選ばれた一又は二以上の機
能が含まれる方法であるので、右側光学像と左側光学像
のそれぞれを時系列における任意の撮影箇所で調整して
再度立体映像信号として生成することで、立体映像の奥
行き、見易さ、フィールド変換、画像の大きさ、歪みな
どを適宜補正することができる。
【0040】請求項3記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項2において、前記情報処理装置が立体映
像の撮影装置に接続可能となっており、前記調整プロセ
スにおける処理システム中に前記撮影装置と連動した自
動処理機能が含まれる方法であるので、ビデオカメラで
撮影中の画像に対して画像の編集を行うことができ、立
体像の歪みの少ない立体映像を簡単に撮影することが可
能となる。
【0041】請求項4記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項2又は3において、前記調整プロセスに
おける処理システム中に調整した左右の画像を表示する
プレビュー機能が含まれており、前記情報処理装置には
立体映像のプレビュー装置が接続されていて、調整後の
立体映像を確認しながら調整プロセスを実行することが
できる方法であるので、所望とする立体映像となるよう
に得られる立体映像を確認しながら編集作業を進めるこ
とができる。
【0042】請求項5記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項1乃至4のいずれか1項において、前記
時分割による1系統の立体映像信号が、右側光学像と左
側光学像とを時分割で交互に透過させる光学アダプター
装置と、この光学アダプター装置を取り付けた1台のビ
デオカメラ及びビデオレコーダとからなる撮影装置によ
り与えられる方法であるので、1台のビデオカメラによ
る1系統の立体映像信号による左右の画像をそれぞれ編
集することが可能となる。
【0043】請求項6記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項1乃至4のいずれか1項において、前記
時分割による1系統の立体映像信号が、右側光学像と左
側光学像とを撮影する2台のビデオカメラと、これら2
台のビデオカメラによって撮影された2系統の立体映像
信号を時分割による1系統の立体映像信号に変換するス
イッチャと、この変換された1系統の立体映像信号を記
録するビデオレコーダとからなる撮影装置により与えら
れる方法であるので、2台のビデオカメラによる1系統
の立体映像信号による左右の画像をそれぞれ編集するこ
とが可能となる。
【0044】請求項7記載の立体映像信号の編集方法
は、前記請求項1乃至4のいずれか1項において、前記
時分割による1系統の立体映像信号が、右側光学像と左
側光学像とを撮影する2台のビデオカメラと、これら2
台のビデオカメラによって撮影された2系統の立体映像
信号をそれぞれ記録する同期した2台のビデオレコーダ
とからなる撮影装置の記録に基づくものであり、これら
2台のビデオレコーダに記録された2系統の立体映像信
号を時分割による1系統の立体映像信号に変換する方法
であるので、2台のビデオカメラによる2系統の立体映
像信号の撮影装置による左右の画像であってもそれぞれ
編集することが可能となる。
【0045】また、本発明の請求項8記載の立体映像撮
影用のビデオカメラの光学アダプター装置は、前記請求
項項3記載の立体映像信号の編集方法における自動処理
機能に連動した1台のビデオカメラに取り付けるもので
あって、被写体の右側光学像と左側光学像とを前記ビデ
オカメラの撮像部に向けて透過させるためのプリズム
と、このプリズムの右面側又は左面側と前面とに付設さ
れた交互に開閉する一対の液晶シャッターと、前記プリ
ズムに右側光学像又は左側光学像を集光させる前記プリ
ズムの右側又は左側に傾斜して設けられた全反射ミラー
とを有し、前記プリズム内に前記全反射ミラーと同じ角
度で傾斜したハーフミラーを設け、前記全反射ミラーを
前記プリズムに対して水平方向に移動可能に設けたもの
であるので、遠景を撮影する際には全反射ミラーをプリ
ズムに対して遠ざけ、近景を撮影する際には全反射ミラ
ーをプリズムに対して近づけることにより、ズームイン
時などの違和感を少なくすることができ、また、画像の
欠損を生じることがない。これらにより立体像の歪みの
少ない画像を得ることができる。また、この光学アダプ
ター装置は、基本的にプリズムと全反射ミラーとハーフ
ミラーとからなるものであるので装置のコンパクト化を
図ることができる。
【0046】さらに請求項9記載の立体映像撮影用のビ
デオカメラの光学アダプター装置は、前記請求項8にお
いて、前記全反射ミラーと前記プリズムとの間に補正レ
ンズを設けたものであるので、全反射ミラー側の光学像
は全反射ミラーを経由する分だけ光路長が長くなるが、
その分を補正レンズで補正してやることで実質的に右側
光学像と左側光学像の入射光の光路長をほぼ等しくする
ことができる。これらにより立体像の歪みの少ない画像
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による立体映像信号の編集方
法を示すフローチャートである。
【図2】前記編集方法を実行するプログラムの操作画面
を示す平面図である。
【図3】前記操作画面の時刻指定部を示す拡大図であ
る。
【図4】本発明の一実施例による光学アダプター装置を
備えた立体映像撮影装置の構成を示す概略図である。
【図5】前記光学アダプター装置を概略的に示す断面図
である。
【図6】前記光学アダプター装置の光学像の入射状態を
概略的に示す断面図である。
【図7】前記光学アダプター装置の光学像の別の入射状
態を概略的に示す断面図である。
【図8】従来の立体映像撮影装置の構成を示す概略図で
ある。
【図9】従来の他の立体映像撮影装置の構成を示す概略
図である。
【図10】従来の光学アダプター装置を概略的に示す断
面図である。
【符号の説明】
11 ビデオカメラ 11A 撮像部 12 光学アダプター装置 14 パーソナルコンピュータ(情報処理装置) 21 撮影レンズ部 23 プリズム 24 ハーフミラー 25 右側液晶シャッター 26 左側液晶シャッター 27 全反射ミラー 28 補正レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 13/04 H04N 17/00 Z 17/00 5/91 N (72)発明者 井上 哲理 東京都新宿区西早稲田1丁目3番地10号 早稲田大学国際情報通信研究センター内 (72)発明者 柴田 隆史 東京都新宿区西早稲田1丁目3番地10号 早稲田大学大学院国際情報通信研究科内 (72)発明者 坂口 裕介 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目18番20号 株式会社レッツ・コーポレーション内 (72)発明者 岡部 和重 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目18番20号 株式会社レッツ・コーポレーション内 (72)発明者 久野 泰浩 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目18番20号 株式会社レッツ・コーポレーション内 Fターム(参考) 2H101 EE01 2H105 EE32 EE33 5C053 FA14 FA15 JA01 LA01 LA05 LA06 LA11 5C061 AA01 AA11 AA13 AB01 AB02 AB08 AB12 AB16 BB01 BB11 BB15 CC01 CC05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時分割による1系統の立体映像信号を情
    報処理装置に取り込んで右側光学像と左側光学像との2
    系統の立体映像信号に分割する分割プロセスと、それぞ
    れの画像を時系列に表示する表示プロセスと、表示され
    た画像を所望とする画像に調整する調整プロセスと、2
    系統の立体映像信号を1系統の立体映像信号に統合する
    統合プロセスとを有することを特徴とする立体映像信号
    の編集方法。
  2. 【請求項2】 前記調整プロセスにおける処理システム
    中に水平視差補正機能、垂直視差補正機能、左右フィー
    ルドの逆転補正機能、画像サイズの調節機能、画像アン
    グル調整機能、立体映像再生位置計算機能から選ばれた
    一又は二以上の機能が含まれることを特徴とする請求項
    1記載の立体映像信号の編集方法。
  3. 【請求項3】 前記情報処理装置が立体映像の撮影装置
    に接続可能となっており、前記調整プロセスにおける処
    理システム中に前記撮影装置と連動した自動処理機能が
    含まれることを特徴とする請求項2記載の立体映像信号
    の編集方法。
  4. 【請求項4】 前記調整プロセスにおける処理システム
    中に調整した左右の画像を表示するプレビュー機能が含
    まれており、前記情報処理装置には立体映像のプレビュ
    ー装置が接続されていて、調整後の立体映像を確認しな
    がら調整プロセスを実行することができることを特徴と
    する請求項2又は3記載の立体映像信号の編集方法。
  5. 【請求項5】 前記時分割による1系統の立体映像信号
    が、右側光学像と左側光学像とを時分割で交互に透過さ
    せる光学アダプター装置と、この光学アダプター装置を
    取り付けた1台のビデオカメラ及びビデオレコーダとか
    らなる撮影装置により与えられることを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれか1項記載の立体映像信号の編集方
    法。
  6. 【請求項6】 前記時分割による1系統の立体映像信号
    が、右側光学像と左側光学像とを撮影する2台のビデオ
    カメラと、これら2台のビデオカメラによって撮影され
    た2系統の立体映像信号を時分割による1系統の立体映
    像信号に変換するスイッチャと、この変換された1系統
    の立体映像信号を記録するビデオレコーダとからなる撮
    影装置により与えられることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1項記載の立体映像信号の編集方法。
  7. 【請求項7】 前記時分割による1系統の立体映像信号
    が、右側光学像と左側光学像とを撮影する2台のビデオ
    カメラと、これら2台のビデオカメラによって撮影され
    た2系統の立体映像信号をそれぞれ記録する同期した2
    台のビデオレコーダとからなる撮影装置の記録に基づく
    ものであり、これら2台のビデオレコーダに記録された
    2系統の立体映像信号を時分割による1系統の立体映像
    信号に変換することを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1項記載の立体映像信号の編集方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項項3記載の立体映像信号の編
    集方法における自動処理機能に連動した1台のビデオカ
    メラに取り付ける光学アダプター装置であって、被写体
    の右側光学像と左側光学像とを前記ビデオカメラの撮像
    部に向けて透過させるためのプリズムと、このプリズム
    の右面側又は左面側と前面とに付設された交互に開閉す
    る一対の液晶シャッターと、前記プリズムに右側光学像
    又は左側光学像を集光させる前記プリズムの右側又は左
    側に傾斜して設けられた全反射ミラーとを有し、前記プ
    リズム内に前記全反射ミラーと同じ角度で傾斜したハー
    フミラーを設け、前記全反射ミラーを前記プリズムに対
    して水平方向に移動可能に設けたことを特徴とする立体
    映像撮影用のビデオカメラの光学アダプター装置。
  9. 【請求項9】 前記全反射ミラーと前記プリズムとの間
    に補正レンズを設けたことを特徴とする請求項8記載の
    立体映像撮影用のビデオカメラの光学アダプター装置。
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