JPH1042307A - キーシステム及び合成画像作成方法 - Google Patents

キーシステム及び合成画像作成方法

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JPH1042307A
JPH1042307A JP30021996A JP30021996A JPH1042307A JP H1042307 A JPH1042307 A JP H1042307A JP 30021996 A JP30021996 A JP 30021996A JP 30021996 A JP30021996 A JP 30021996A JP H1042307 A JPH1042307 A JP H1042307A
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JP
Japan
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image
background image
camera
background
keying
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Pending
Application number
JP30021996A
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English (en)
Inventor
Kenji Mitsui
健司 三井
Yoshitomo Sakou
善知 酒匂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUOTORON KK
Original Assignee
FUOTORON KK
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Publication date
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Publication of JPH1042307A publication Critical patent/JPH1042307A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の背景画をメモリ装置に予め収録しておく
ことにより、高度なグラフィック処理を行なう高価且つ
高性能なコンピュータの使用を不必要にしてシステム構
成の簡単化とコスト低減とを共に図る。 【解決手段】対象体の画像と背景画とをキーイング合成
した合成画像を得るキーシステム1。撮像3次元空間内
のある視点と対象体との間の位置関係に基づいて設定さ
れた3次元パラメータに対応付けて複数の背景画を予め
読み出し自在に収録しているディスクアレイ装置3と、
対象体の画像に対応して設定された3次元パラメータ情
報に応じてディスクアレイ装置に収録されている複数の
背景画の中からその情報に対応した背景画を選択して読
み出す制御用コンピュータ5と、この制御用コンピュー
タ5により読み出された背景画と対象体の画像とをキー
イング合成して合成画像を作成するディジタルズーマ4
及びクロマキーヤ6とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばヴァーチャ
ルスタディオ等に用いられる前景画等と背景画等とを合
成するキーシステム及び合成画像作成方法に係り、特に
システム構成の簡単化及び前景画が実際に撮影される時
間(撮影実時間)に対して遅延の無い合成画像を作成す
ることを可能にしたキーシステム及び合成画像作成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビ局のスタディオ等では、アナウン
サー等の出演者の背景には大道具等で組み立てられたセ
ットが配設されるが、一度組み立てられたセットは、次
に使用するまでは適当な場所に保管しなければならず、
その保管場所の確保や保管費用の捻出等の問題が生じて
いた。
【0003】そこで、リアルタイムレンダリングやリア
ルタイムテクスチャーマッピング等を実現できる高速グ
ラフィック処理機能を有する高性能コンピュータにより
仮想セットを背景画として作成し、この背景画とアナウ
ンサー等の対象体を撮影した前景画とをキーイング合成
して仮想スタディオを実現するクロマキーシステムが知
られている。
【0004】このシステムによれば、例えばテレビ局等
のスタディオにおいてクロマキー用のブルーのスクリー
ンの前でニュースを読むアナウンサー等を前景画として
テレビ等のカメラで撮影しクロマキーヤ等の画像合成装
置に出力する。
【0005】一方、カメラの位置データ等に基づいて高
性能コンピュータのグラフィック処理により背景画を作
成し、その背景画を同じく画像合成装置に出力する。
【0006】画像合成装置は、出力された前景画と背景
画とを重ね合せて、その重複部分をキーイングにより空
白にする。そして、その空白部分に当該前景画を嵌め込
むように合成している。この結果、あたかも前景画にお
ける被写体の画像部分(すなわち、アナウンサー)を背
景画(仮想セット)の前方または後方にあるように見せ
ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
クロマキーシステムでは、背景画を作成するために、高
性能なコンピュータを使用しており、非常にリアルな背
景画を仮想セットを背景画として作成することができる
という利点がある。
【0008】しかしながら、上述した高性能コンピュー
タは高価であり、クロマキーシステムを導入するコスト
が増大するという問題点があった、また、高価且つ高性
能なコンピュータを駆動させるためには、複雑なプログ
ラム等を設計しなければならず、当該プログラム設計を
するための高度なランニング・スキルが必要となってし
まった。
【0009】一方、従来のクロマキーシステムでは、カ
メラで撮影された前景画とそのカメラの動きに合わせた
背景画とを合成して合成画像を作成する際に、コンピュ
ータはカメラの位置情報に基づいて背景画を作成してい
る。
【0010】しかしながら、カメラから出力される前景
画の画像合成装置への出力タイミングと比較すると、背
景画の当該画像合成装置への出力タイミングは、カメラ
の位置の検出処理、背景画の作成処理及び当該背景画の
出力処理等に要する処理時間により通常遅延していた。
【0011】すなわち、作成された背景画は、実際に前
景画を撮影した際のカメラ位置に対応する背景画ではな
く、カメラ位置検出処理遅延時間及び背景画の作成処理
遅延時間前のカメラ位置の背景画であるため、このよう
な遅延差のある前景画及び背景画を合成して作成された
合成画像には、常に前景画における例えば対象体(アナ
ウンサー等)の動きと背景画との間で違和感が生じてし
まった。
【0012】撮影対象体(アナウンサー等)の音声を合
成画像と共に流している場合では、前景画撮影時の撮影
対象体の動きに対応する音声と背景画との間で、上述し
たカメラ位置検出処理及び背景画作成処理等に基づいて
遅延が生じており、得られた合成画像を見るものに対し
て音声と背景画像との間で違和感を生じさせる結果とな
っていた。
【0013】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
ので、その目的は、多数の背景画を予め作成してディス
ク等に収録しておき、その背景画を用いてキーイング合
成処理を行なうことにより、高度なグラフィック処理機
能を有する高価な高性能コンピュータを用いることなく
キーシステムを実現して、システム構成の簡単化及びコ
スト低減とを共に図るとともに、合成画像を簡単に作成
することにある。
【0014】また、本発明の他の目的は、前景画と当該
前景画撮影実時間に対して遅延の無い背景画とを合成す
ることにより、違和感の無い合成画像を作成することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、請求項1記載の発明によれば、対象体の画像と背
景画とをキーイング合成した合成画像を得るキーシステ
ムにおいて、撮像3次元空間内のある視点と前記対象体
との間の位置関係に基づいて設定された3次元パラメー
タに対応付けて複数の前記背景画を予め読み出し自在に
収録しているメモリ装置と、前記対象体の画像に対応し
て設定された前記3次元パラメータ情報に応じて前記メ
モリ装置に収録されている複数の背景画の中からその情
報に対応した背景画を選択して読み出す制御手段と、こ
の制御手段により読み出された背景画と前記対象体の画
像とをキーイング合成して前記合成画像を作成するキー
イング合成手段とを備えている。
【0016】特に、請求項2に記載したキーシステムに
よれば、前記キーイング合成手段は、クロマキー合成処
理を行なうクロマキーヤを有し、前記メモリ装置は、前
記複数の背景画をディスクに予め読み出し自在に収録し
ているディスク装置である。
【0017】また特に請求項3に記載した発明によれ
ば、前記対象体の画像は、キー用スクリーンの前に位置
する前記対象体をカメラにより撮影して得られるととも
に、前記3次元パラメータは前記カメラの撮影角度及び
カメラの撮影位置の内の少なくとも一方を含む。
【0018】さらに、請求項4に記載したキーシステム
によれば、前記対象体の画像をコンピュータグラフィッ
ク処理で作成する作成手段を備えている。
【0019】さらにまた、請求項5に記載したキーシス
テムによれば、前記対象体の2次元画像をスキャン撮影
するスキャン撮影装置を備えている。
【0020】そして、請求項6に記載したキーシステム
によれば、前記撮影角度及び撮影位置の少なくとも一方
及び前記カメラのズームポジションをそれぞれ検出する
検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出手段により
検出されたカメラの撮影角度及び撮影位置の少なくとも
一方に対応した背景画を複数の背景画の中から選択して
読み出す選択手段と、前記検出手段により検出されたズ
ームポジションに基づいて当該選択された背景画の拡大
または縮小率を設定する設定手段とを備えるとともに、
前記キーイング合成手段は、選択された背景画を前記拡
大または縮小率に応じて拡大または縮小処理する拡大/
縮小手段を備え、拡大または縮小処理された背景画と前
記対象体の画像とをキーイング合成するようにしてい
る。
【0021】一方、上述した目的を達成するために、請
求項7に記載したキーシステムによれば、前記カメラの
フォーカスポジションを検出するフォーカスポジション
検出手段を備え、前記制御手段は、前記フォーカスポジ
ション検出手段により検出されたフォーカスポジション
に基づいて、前記選択手段により選択して読み出された
背景画に対して画像処理を施す画像処理手段を備えると
ともに、前記拡大/縮小手段は、前記画像処理手段によ
り画像処理が施された背景画に対して前記拡大または縮
小処理を施すようにしている。
【0022】また、上述した目的を達成するために、請
求項8に記載したキーシステムによれば、対象体の画像
と背景画とをキーイング合成した合成画像を得るキーシ
ステムにおいて、撮像3次元空間内のある視点と前記対
象体との間の位置関係に基づいて設定された3次元パラ
メータに対応付けて複数の前記背景画を予め読み出し自
在に収録しているメモリ装置と、前記対象体の画像を撮
影するカメラと、前記3次元パラメータに対応する前記
対象体の画像撮影に係わるパラメータを入力する入力手
段と、前記入力手段により入力された撮影パラメータに
基づいて当該カメラにおける前記対象体の画像撮影条件
を可変制御する可変制御手段と、前記入力手段により入
力された撮影パラメータに対応した背景画を複数の背景
画の中から選択して読み出す制御手段と、この制御手段
により読み出された背景画と前記対象体の画像とをキー
イング合成して前記合成画像を作成するキーイング合成
手段とを備えている。
【0023】さらに、上述した目的を達成するために、
請求項9に記載したキーシステムによれば、対象体の画
像と背景画とをキーイング合成した合成画像を得るキー
システムにおいて、前記対象体の画像を撮影するカメラ
と、前記対象体の画像撮影に係わるパラメータを入力す
る入力手段と、前記入力手段により入力された撮影パラ
メータに基づいて当該カメラにおける前記対象体の画像
撮影条件を可変制御する可変制御手段と、前記入力手段
により入力された撮影パラメータに対応した背景画をグ
ラフィック処理により作成するグラフィック処理用コン
ピュータと、作成された背景画を読み出す読み出し手段
と、この読み出し手段により読み出された背景画と前記
対象体の画像とをキーイング合成して前記合成画像を作
成するキーイング合成手段とを備えている。
【0024】特に、請求項10に記載したキーシステム
によれば、前記撮影パラメータは前記カメラの撮影角
度、前記カメラの撮影位置、前記カメラのズームポジシ
ョン、及び前記カメラのフォーカスポジションの内の少
なくとも一つを含むとともに、前記可変制御手段は、前
記カメラが設置され当該カメラの撮影角度及び撮影位置
の内の少なくとも一方を変化可能に設定するカメラヘッ
ド部と、前記カメラのズームポジションを変化可能に設
定するズームポジション設定部と、前記カメラのフォー
カスポジションを変化可能に設定するフォーカスポジシ
ョン設定部と、前記入力手段から入力された撮影パラメ
ータに基づいて前記カメラヘッド部、前記ズームポジシ
ョン設定部及び前記フォーカスポジション設定部の内の
少なくとも一つを制御して当該入力撮影パラメータに対
応した画像撮影条件を設定する制御手段とを備えてい
る。
【0025】また、請求項11に記載したキーシステム
によれば、前記可変制御手段における前記画像撮影条件
の可変制御にかかる時間τx と前記入力手段により撮影
パラメータが入力されてから前記背景画が前記キーイン
グ合成手段に送信されるまでの時間τy とを比較する比
較手段と、この比較手段による比較結果に基づいて前記
τx 及びτy の内の少なくとも一方を調整して当該τx
及びτy を略等しくする調整手段とを備えている。
【0026】特に請求項12に記載した発明によれば、
前記比較手段により前記τy が前記τx より大きいと判
断された場合、前記調整手段は、前記τx が前記τy と
略一致するように前記入力手段から入力された撮影パラ
メータに基づく前記画像撮影条件の可変制御タイミング
を所定時間遅延させるようにしている。
【0027】また特に、請求項13に記載した発明によ
れば、前記比較手段により前記τxが前記τy より大き
いと判断された場合、前記調整手段は、前記τy が前記
τxと略一致するように、前記撮影パラメータが入力さ
れてから前記背景画を前記キーイング合成手段に送信す
るまでの処理における少なくとも一部の処理を所定時間
遅延させるようにしている。
【0028】一方、上述した目的を達成するために、請
求項14又は15に記載した発明によれば、対象体の画
像と背景画とをキーイング合成した合成画像を得るキー
システムにおいて、撮像3次元空間内の視点の位置及び
角度の内の少なくとも一方に対応付けて複数の前記背景
画を予め読み出し自在に収録しているメモリ装置と、少
なくとも1画面の背景画を記録可能なバッファメモリ
と、前記対象体の画像に対応して設定された前記視点角
度及び視点位置の内の少なくとも一方の情報に応じて前
記メモリ装置に収録された複数の背景画の中からその情
報に対応した背景画を所定の読み出しタイミングに応じ
て選択して読み出す第1の読み出し手段と、この第1の
読み出し手段から読み出された背景画を前記バッファメ
モリに記憶する記憶手段と、前記第1の読み出し手段に
より前記メモリ装置から背景画が読み出される間におけ
る前記設定角度及び設定位置の内の少なくとも一方の変
化に応じて、前記バッファメモリに記憶された背景画を
前記変化方向に沿って当該バッファメモリの少なくとも
1画素ずつ移動させながら例えばフィールド毎に読み出
す第2の読み出し手段と、前記第1の読み出し手段によ
り読み出された背景画と前記対象体の画像とをキーイン
グ合成して前記合成画像を作成するとともに、前記第2
の読みだし手段により読み出された背景画と前記対象体
の画像とをキーイング合成して前記合成画像を作成する
キーイング合成手段とを備えている。
【0029】さらに、上述した目的を達成するために、
請求項16に記載した発明によれば、対象体の画像と背
景画とをキーイング合成した合成画像を得るキーシステ
ムにおいて、前記対象体の画像に対応して設定された視
点角度及び位置の少なくとも一方の情報に対応した前記
背景画をグラフィック処理により作成するグラフィック
処理用コンピュータと、少なくとも1画面の背景画を記
録可能なバッファメモリと、前記グラフィック処理用コ
ンピュータにより作成された背景画を所定の読み出しタ
イミングに応じて読み出す第1の読み出し手段と、この
第1の読み出し手段から読み出された背景画を前記バッ
ファメモリに記憶する記憶手段と、前記第1の読み出し
手段により前記メモリ装置から背景画が読み出される間
における前記設定角度及び設定位置の内の少なくとも一
方の変化に応じて、前記バッファメモリに記憶された背
景画を前記変化方向に沿って当該バッファメモリの少な
くとも1画素ずつ移動させながら読み出す第2の読み出
し手段と、前記第1の読み出し手段により読み出された
背景画と前記対象体の画像とをキーイング合成して前記
合成画像を作成するとともに、前記第2の読みだし手段
により読み出された背景画と前記対象体の画像とをキー
イング合成して前記合成画像を作成するキーイング合成
手段とを備えている。
【0030】特に、請求項17に記載した発明によれ
ば、前記背景画を収録するメモリ装置は半導体メモリで
あり、請求項18に記載した発明によれば、前記メモリ
装置は、背景画の映像データを非圧縮処理で収録してな
る。また、請求項19に記載した発明によれば、前記メ
モリ装置は、背景画の映像データを圧縮処理で収録して
なる。
【0031】一方、上述した目的を達成するために、請
求項20に記載した発明によれば、対象体の画像と背景
画とをキーイング合成した合成画像を得る合成画像作成
方法において、撮像3次元空間内のある視点と前記対象
体との間の位置関係に基づいて設定される3次元パラメ
ータに対応付けて複数の前記背景画を予め準備するステ
ップと、前記複数の背景画を読み出し自在にメモリに収
録するステップと、前記対象体の画像に対応して設定さ
れた前記3次元パラメータ情報に応じて前記メモリ装置
に収録されている複数の背景画の中からその情報に対応
した背景画を選択して読み出すステップと、読み出され
た背景画と前記対象体の画像とをキーイング合成して前
記合成画像を作成するステップとを備えている。
【0032】本発明によれば、例えばアナウンサー等の
対象体の画像(前景画)とその対象体の背景用の背景画
とをキーイング合成した合成画像を得るようになってい
る。
【0033】特に、請求項1〜8、10〜15、17〜
20に記載した発明によれば、例えばディスク装置等の
メモリ装置には、撮像3次元空間内のある視点と前記対
象体との間の位置関係に基づいて設定された3次元パラ
メータに対応付けて、例えば予め作成された多くのコン
ピュータ・グラフィックスや、予めテレビ等のカメラに
より撮影された多くの実写等の複数の背景画が予め読み
出し自在に収録されている。
【0034】このとき、例えば前記視点位置に置かれた
カメラによる撮影や、当該視点を基準としてコンピュー
タグラフィック処理やスキャン撮影により対象体の画像
が得られると、得られた対象体の画像に対応して設定さ
れた3次元パラメータ(例えば、カメラ撮影の場合、撮
影位置、撮影角度等)の情報に応じてメモリ装置に収録
されている複数の背景画の中からその情報に対応した背
景画が選択されて読み出される。
【0035】読み出された背景画は、キーイング合成手
段の例えばクロマキーヤによりキーイング処理により対
象体の画像と重ね合わされ、その重複部分が空白にされ
る。そして、その空白部に当該対象体の画像が嵌め込む
ように合成(キーイング合成)され、あたかも対象体の
画像が背景画の前方または後方にあるような合成画像が
作成される。
【0036】すなわち、背景画の上に対象体の画像をキ
ーイング合成することにより、リアリティーの高い合成
画像(合成映像)を出力することができるので、スタデ
ィオの背景を大道具等により構成する場合に比して、設
置及び保管に必要なスペースの減少、背景製作のコスト
の低減、及び容易性の向上を共に図ることができる。ま
た、コンピュータ・グラフィックスや実写等の多数の背
景画が前記3次元パラメータに対応付けて予めディスク
等に収録されており、これら複数の背景画の中から、対
象体の画像に対応して設定された撮影パラメータ(撮影
角度等)に応じた背景画が制御手段により選択されてキ
ーイング合成手段(例えばクロマキーヤ)により対象体
の画像とキーイング合成されている。すなわち、本構成
では、高度なグラフィック処理を行なう高価な高性能コ
ンピュータを使用することなくコンピュータ・グラフィ
ックス処理で作成された背景画を用いて合成画像を作成
することができる。したがって、キーシステムに必要な
制御手段としては例えばパーソナルコンピュータ等の小
型コンピュータを使用すれば十分に足りることになり、
システム構成の簡単化とコスト低減とを共に図ることが
できる。
【0037】特に、請求項6又は7に記載した発明によ
れば、検出手段によりカメラの撮影角度及び撮影位置の
少なくとも一方(例えばパン角度やチルト角度等の撮影
角度)及びカメラのズームポジションがそれぞれ検出さ
れ、また、フォーカスポジション検出手段によりカメラ
のフォーカスポジションが検出される。そして制御手段
の選択手段により、検出されたカメラの撮影角度に対応
した背景画が複数の背景画の中から選択される。この選
択して読み出された背景画に対して、検出されたフォー
カスポジションに基づいて画像処理手段により画像処理
が施され、フォーカスポジションに対応した画角及びぼ
かしを有する背景画が得られる。
【0038】そして、設定手段により、検出されたズー
ムポジションに基づいて背景画の拡大または縮小率が設
定される。このとき、キーイング合成手段の拡大/縮小
手段により、画像処理が施された背景画が拡大または縮
小率に応じて拡大または縮小処理され、拡大または縮小
処理された背景画に前記対象体の画像がキーイング合成
される。
【0039】したがって、本発明によれば、キーイング
合成手段により対象体の画像を、例えばそのパン角度や
チルト角度の撮影角度、ズームポジション、及びフォー
カスポジションに対応した背景画に嵌め込むようにキー
イング合成することができるため、作成された合成画像
のリアリティーを一段と高めることができる。しかも、
制御手段(読み出し手段、設定手段、画像処理手段)
は、対象体の画像の撮影角度に対応した背景画をディス
ク装置から読み出してキーイング合成手段に与える制御
と、フォーカスポジションに応じた画像処理と、ズーム
ポジションに応じた拡大または縮小率を設定する処理と
を行なうものであり、背景画のグラィック処理を行なう
必要がないので、この制御手段としてはパーソナルコン
ピュータ等の小型コンピュータで十分に足り、グラフィ
ック処理を行なう高価な高性能コンピュータを使用する
必要がない。その結果、高度なランニング・スキルと大
規模施設とを必要としないので、コスト低減を図ること
ができる。
【0040】特に、請求項8、10乃至13に記載した
発明によれば、入力手段によりカメラの撮影角度、前記
カメラの撮影位置、前記カメラのズームポジション、及
び前記カメラのフォーカスポジションの内の少なくとも
一つを含む撮影パラメータが入力される。入力された撮
影パラメータに基づいてカメラにおける対象体の画像撮
影条件が可変制御手段により可変制御されながら、その
撮影条件に基づいてカメラにより対象体の画像が撮影さ
れる。
【0041】仮に、撮影パラメータとしてカメラの撮影
角度、前記カメラの撮影位置、前記カメラのズームポジ
ション、及び前記カメラのフォーカスポジションの全て
が入力された場合、カメラの撮影角度データ及び撮影位
置データに応じて可変制御手段のカメラヘッド部により
カメラの撮影角度及び撮影位置が設定される。同様に、
ズームポジションデータに応じてズームポジション設定
部によりカメラのズームポジションが設定され、フォー
カスポジションデータに応じてフォーカスポジション設
定部によりカメラのフォーカスポジションが設定され
る。そして、対象体の画像は設定されたカメラの撮影角
度及び撮影位置、ズームポジション、及びフォーカスポ
ジションに基づいて当該カメラにより撮影される。
【0042】一方、読み出し手段により、入力された撮
影パラメータに対応した背景画が複数の背景画の中から
選択して読み出される。
【0043】このとき、キーイング合成手段の例えばク
ロマキーヤにおけるキーイング処理によりカメラにより
撮影された対象体の画像と重ね合わされ、その重複部分
が空白にされる。そして、その空白部に当該対象体の画
像が嵌め込むように合成(キーイング合成)され、あた
かも対象体の画像が背景画の前方または後方にあるよう
な合成画像が作成される。
【0044】また特に請求項9乃至13に記載した発明
によれば、入力手段により撮影パラメータが入力され、
入力された撮影パラメータに基づいてカメラの撮影角度
及び撮影位置が可変制御手段により可変制御される。一
方、入力された撮影パラメータに対応した背景画がグラ
フィック処理用コンピュータのグラフィック処理により
作成され、作成された背景画は、読み出し手段により読
み出される。このとき、キーイング合成手段の例えばク
ロマキーヤにおけるキーイング処理により対象体の画像
と重ね合わされ、その重複部分が空白にされる。そし
て、その空白部に当該対象体の画像が嵌め込むように合
成(キーイング合成)され、あたかも対象体の画像が背
景画の前方または後方にあるような合成画像が作成され
る。
【0045】特に、請求項11乃至13に記載した発明
によれば、比較手段により、可変制御手段における画像
撮影条件の可変制御にかかる時間τx と入力手段により
撮影パラメータが入力されてから背景画がキーイング合
成手段に送信されるまでの時間τy とが比較され、この
比較手段による比較結果に基づいて調整手段によりτx
及びτy の内の少なくとも一方が調整され、当該τx 及
びτy が略等しく設定される。
【0046】例えば、比較手段によりτy がτx より大
きいと判断された場合(τy >τx)、調整手段によ
り、入力手段から入力された撮影パラメータに基づく画
像撮影条件の可変制御タイミングが所定時間遅延してτ
x がτy と略一致するため、撮影パラメータに対応する
背景画は、カメラ出力画像(前景画)に対して遅延なく
同一タイミングで得られることになる。
【0047】また、例えば、比較手段によりτx がτy
より大きいと判断された場合(τx>τy )、調整手段
により、撮影パラメータが入力されてから背景画がキー
イング合成手段に送信されるまでの処理における少なく
とも一部の処理(例えば、背景画がメモリ装置やグラフ
ィックコンピュータから読み出されるタイミング)が所
定時間遅延してτy がτx と略一致するため、撮影パラ
メータに対応する背景画は、カメラ出力画像(前景画)
に対して遅延なく同一タイミングで得られることにな
る。
【0048】一方、請求項14及び15に記載した発明
によれば、例えばディスク装置等のメモリ装置には、撮
像3次元空間における視点の角度及び位置の少なくとも
一方に対応付けて、例えば予め作成された多くのコンピ
ュータ・グラフィックスや、予めテレビ等のカメラによ
り撮影された多くの実写等の複数の背景画が予め読み出
し自在に収録されている。
【0049】このとき、例えば前記視点位置に置かれた
カメラによる撮影や、当該視点を基準としてコンピュー
タグラフィック処理やスキャン撮影により対象体の画像
が得られると、得られた対象体の画像に対応して設定さ
れた角度及び位置(カメラ撮影の場合、撮影位置、撮影
角度)の少なくとも一方の情報に応じてメモリ装置に収
録されている複数の背景画の中からその情報に対応した
背景画が選択されて読み出される。読み出された背景画
は、バッファメモリに記憶されるとともに、キーイング
合成手段により対象体の画像と重ね合わせされ、その重
複部分が空白にされる。そして、その空白部分に当該対
象体の画像が嵌め込むように合成(キーイング合成)さ
れ、あたかも対象体の画像が背景画の前方又は後方にあ
るような合成画像が作成される。
【0050】このように第1の読み出し手段により前記
メモリ装置から背景画が読み出された場合には、上述し
た処理により合成画像が作成されるが、当該メモリ装置
から背景画が読み出される間に対象体の画像に対応して
設定される設定角度及び設定位置(カメラ撮影の場合、
撮影位置、撮影角度)の内の少なくとも一方が変化した
場合、その変化に応じて第2の読み出し手段により、バ
ッファメモリに記憶された背景画がその変化方向に沿っ
て当該バッファメモリの少なくとも1画素ずつ移動しな
がら、例えばフィールド毎に読み出される。つまり、背
景画は、例えばカメラの撮影角度等の変化に応じて擬似
的に移動する。
【0051】この擬似的に移動した背景画は、メモリ装
置から読み出された背景画と同様に、キーイング合成手
段により対象体の画像と合成され、合成画像が作成され
る。
【0052】すなわち、本発明によれば、例えばカメラ
の撮影角度や撮影位置の変化等により対象体の画像に対
応して設定された角度及び位置の少なくとも一方が移動
した場合でも、その移動に対応する背景画をメモリ装置
から読み出すのではなく、バッファメモリを介して、移
動前の背景画を移動方向に沿ってずらしながら読み出す
ことにより、擬似的に背景画を移動させることができる
ため、対象体の画像に対応して設定可能な角度及び位置
の全て範囲(例えば、カメラ撮影の場合カメラの撮影角
度範囲及びカメラの移動可能範囲)に対応する背景画を
メモリ装置に記憶させておかなくても、設定角度あるい
は(及び)設定位置の変化にリアルに対応した背景画を
用いて合成画像を作成することができる。
【0053】また、特に請求項15に記載した発明によ
れば、第2の読み出し手段により背景画をフレームバッ
ファから読み出す際に、通常のフレーム毎ではなくフィ
ールド毎に読み出すことができるため、背景画を通常の
動画と同様に自然に動かすことができる。
【0054】この請求項14に記載した発明は、背景画
をディスクアレイ装置に予め収録した構成だけではな
く、請求項16に記載したように、対象体の画像に対応
して指定された前記角度及び位置(カメラ撮影の場合、
撮影位置、撮影角度)に基づいてグラフィック処理用コ
ンピュータのグラフィック処理により作成された背景画
をキーイング合成手段に送る際にも適用可能である。す
なわち、第2の読み出し手段により背景画をバッファメ
モリから読み出す際に、通常のフレーム毎ではなくフィ
ールド毎に読み出すことができるため、背景画を通常の
動画と同様に自然に動かすことができる。
【0055】さらに、請求項17に記載した発明によれ
ば、上記請求項1、8又は14記載の発明と同様の作用
効果を奏することができるうえに、メモリ装置に背景画
を非圧縮して収録しているので、当該背景画を劣化させ
ることがない。
【0056】さらにまた、請求項18に記載した発明に
よれば、上記請求項1、8又は14記載の発明と同様の
作用効果を奏することができるうえに、メモリ装置に背
景画を圧縮して収録しているので、背景画の収録画数を
増加させることができ、そのリアリティーを一段と高め
ることができる。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1に
基づいて説明する。
【0058】(第1実施形態)図1は本発明の第1実施
形態に係るクロマキーシステムの全体構成を示すブロッ
ク図である。図1に示すように、クロマキーシステム1
は例えばテレビスタディオ等に設置されるテレビカメラ
2,ディスクアレイ装置3,デジタルズーマ4,制御用
コンピュータ5及びクロマキーヤ6とを有している。
【0059】テレビカメラ2は例えばテレビスタディオ
にいるアナウンサーや出演者等の対象体をブルー一色等
のクロマキー用のスクリーンを背景にして撮影し、得ら
れた対象体の画像(映像信号)を前景用の画像(前景
画;フォアグラウンド映像ともいう)としてクロマキー
ヤ6に与えるものである。
【0060】なお、前記クロマキー用のスクリーンとし
て、他の色を有するスクリーンも用いることが可能であ
る。例えば、対象体が青い目をした人物であれば、緑色
のスクリーンを用いると好適である。また、テレビカメ
ラ2は、複数の対象体の画像を撮影することも可能にな
っている。
【0061】テレビカメラ2は、例えば油圧方式のオコ
ーナー社製カメラヘッド(三脚ヘッド、エンコーデッド
カメラヘッド)7に載置され、当該カメラ2の撮影方向
をパン方向(水平方向)及びチルト方向(垂直方向)に
移動(回転移動)可能になっている。また、このカメラ
ヘッド7には、ロータリーエンコーダ等のヘッドディテ
クタ8が取り付けられている。このヘッドディテクタ8
は、撮影時のパン角度(カメラ2がパンされた角度であ
り、水平方向に沿う角度)やチルト角度(カメラ2がチ
ルトされた角度であり、垂直方向に沿う角度)等の角度
データを検出し、その角度データをカメラ位置データと
して制御用コンピュータ5に送るようになっている。
【0062】また、テレビカメラ2は、ズームレンズ9
及び図示しないズーム機構(レンズズーム駆動モータ
等)を有しており、このズームレンズ9のズーム位置
(ズームポジション;比率)をズーム機構を介して変化
させることにより、ズーム撮影を実施可能になってい
る。そして、このズームレンズ9には、ズームポジショ
ンを検出する例えばズーム用エンコーダ等のズームディ
テクタ10が取り付けられており、このズームディテク
タ10により検出されたズーム位置データは、制御用コ
ンピュータ5に送られるようになっている。
【0063】ディスクアレイ装置3は、例えばコンピュ
ータ用の汎用ハードディスク装置を複数並列接続して構
成されており、当該複数のハードディスクはRAID
(Re-dundant Array of Independent Disks)接続によ
り一団として機能するようになっている。そして、各デ
ィスクに記録された画像をデジタルVTR(ビデオテー
プレコーダー)で入れ替え可能になっている。また、こ
のディスクアレイ装置3は、例えばD−1規格の映像信
号を非圧縮で記録及び読み出し可能になっている。
【0064】そして、本実施形態におけるディスクアレ
イ装置3の各ディスクには、撮像(撮影用)3次元空間
(テレビカメラ2が設置されたテレビジョンスタディオ
の撮像用3次元空間)のある視点と前記対象体との間の
位置関係に基づいて設定された3次元パラメータ(例え
ば、撮像3次元空間におけるある視点の位置及び当該視
点から前記対象体を見た際の視線の角度(視点角度)
等、以下、単に3次元パラメータともいう)に対応付け
られて、背景用の画像(背景画;バックグランド映像と
もいう)がその角度データと共に予め非圧縮で収録され
ている。本実施形態の場合、背景画として、カメラ2の
パン角度とチルト角度とに応じて所定の角度間隔によっ
て撮影された多数の実写映像、または各種の仮想セット
を表す多数のコンピュータ・グラフィックス(CG)映
像が用いられる。また、背景画は、それぞれ各ディスク
の各アドレスに記憶されている。
【0065】さらに、ディスクアレイ装置3は、多数の
実写映像をプログラマブルに記憶でき、多数のCGの映
像を自動的に記録(蓄積)できるようになっている。
【0066】制御用コンピュータ5は、エンコーデッド
カメラヘッド7のヘッドディテクタ8から送られたテレ
ビカメラ2の位置データ(パン角度データ及びチルト角
度データ)及びズームディテクタ10から送られたズー
ム位置データに基づいて図2に示す背景画読み出し処理
を行なう。すなわち、制御用コンピュータ5は、送られ
たカメラ2の位置データ(パン角度データ及びチルト角
度データ)を背景画のアドレスに変換する(ステップS
1)。そして、制御用コンピュータ5は、ディスクアレ
イ装置3を参照して、収録された複数の背景画の中か
ら、求められたアドレスに格納された背景画を選択して
読み出し(ステップS2)、読み出した背景画をデジタ
ルズーマ4に転送する(ステップS3)。そして、送ら
れたズーム位置データに基づく拡大または縮小制御デー
タ(拡大率または縮小率データ)をディジタルズーマ4
に送り(ステップS4)、処理を終了する。つまり、制
御用コンピュータ5は、テレビカメラ2により撮影した
前景画のパン角度とチルト角度に対応した背景画を、デ
ィスクアレイ装置3に記録されている多数の背景画の中
から選択してデジタルズーマ4に転送する機能及びズー
ムレンズ9のズームポジションに応じた拡大率または縮
小率データをデジタルズーマ4に送る機能を有してい
る。
【0067】ディジタルズーマ4は、ディスクアレイ装
置3から転送されてきた背景画(映像信号(標準NTS
Cビデオ入力信号等))を当該制御用コンピュータ5か
らの拡大または縮小制御データ(拡大率または縮小率デ
ータ)に応じて拡大または縮小処理を行ない、処理され
た背景画をクロマキーヤ6に与えるようになっている。
なお、拡大または縮小処理を行なう際、ディジタルズー
マ4は双一次補間を同時にリアルタイムで実行するよう
になっている。すなわち、ディジタルズーマ4は、水平
方向の補間と垂直方向の補間(走査線間の補間)とを同
時に実行するようになっている。この結果、前景画との
焦点(フォーカス)が近い小拡大率では背景画の荒れを
目立たなくすることができる。また、ディジタルズーマ
4は、コンピュータ・グラフィックス信号をディスクア
レイ装置3に記録する際の信号コンバータとしても機能
可能になっている。
【0068】クロマキーヤ6は、テレビカメラ2で撮影
された前景画をテレビカメラ2から入力する一方、ディ
ジタルズーマ4から転送されてきた当該前景画のパン角
度,チルト角度,及びズームポジションに対応する背景
画を入力する。そして、クロマキーヤ6は、図3に示す
ように、入力された背景画の上に前景画を重ね合わせる
ことにより、キーイング合成処理を実行する。
【0069】すなわち、クロマキーヤ6は、背景画BI
に前景画FIをキーイング合成により重ね合わせ、その
重複部分OPを、前景画FIとクロマキー用スクリーン
との色相および輝度の相違に基づいて当該前景画FIを
立体的に切り取るポリヘドロン・スライス方式により図
3に示すように空白にする。そして、その空白部分OP
に前景画における対象体の画像部分FIOを嵌め込むよ
うに合成(キーイング合成)するようになっている(図
3参照)。
【0070】このようにして前景画と背景画とがキーイ
ング合成されたヴァーチャルな合成映像CIは、テレビ
受像機や他の同様の表示デバイス等の図示しない表示装
置(モニタ)に出力される。この結果、合成映像CIは
表示装置により表示される。
【0071】次に本実施形態の作用を説明する。
【0072】まず、カメラオペレータ(撮影者)は、カ
メラヘッド7を操作してカメラ2の撮影方向(撮影角
度)を移動させて、クロマキーヤ用ブルースクリーンの
前に立っているアナウンサー等の撮影対象体の映像を撮
影する。テレビカメラ2により撮影された映像のデータ
は前景画のデータとしてクロマキーヤ6に送られる。ま
た、前景画撮影の際のカメラ2のパン角度およびチルト
角度がエンコーテッドカメラヘッド7のヘッドディテク
タ8により検出されて制御用コンピュータ5に送られ
る。また、前景画撮影の際のズームレンズ9のズーム位
置がズームディテクタ10により検出され、制御用コン
ピュータ5に送られる。
【0073】制御用コンピュータ5では、送られたパン
角度データ,チルト角度データ,及びズーム位置データ
に基づいて図2に示す処理を行なっているため、ディス
クアレイ装置3に収録された複数の背景画の中から、当
該パン角度データ及びチルト角度データに対応した背景
画像が例えば映像再生速度{60フィールド(30フレ
ーム)/秒}で読み出され(ステップS1〜ステップS
2)、ディジタルズーマ4に転送される(ステップS
3)。そして、ディジタルズーマ4に転送された背景画
は、ズーム位置データに基づく制御用コンピュータ5か
らの制御信号(ステップS4)に基づいて、前景画のズ
ームポジションに対応する拡大率または縮小率により拡
大処理または縮小処理されてクロマキーヤ6に送られ
る。
【0074】クロマキーヤ6に送られた前景画及びこの
前景画に対応する背景画は、当該クロマキーヤ6の処理
によりキーイング合成され、リアリティーの高いヴァー
チャルな合成映像が生成される。このヴァーチャルな合
成映像は、モニタ等の表示装置を介して表示される。
【0075】したがって、表示された合成映像を見る者
には、前景のアナウンサー等が背景の仮想セットと一体
に融合しているように見えるため、いわゆるヴァーチャ
ルスタディオを実現することができる。
【0076】そして、本実施形態によれば、このような
ヴァーチャルなスタディオセットを、コンピュータ・グ
ラフィックスや実写映像等の多数の背景画を所定の角度
間隔を異にして予めディスクアレイ装置3の複数のディ
スクに収録しておき、この多数の背景画の中から前景画
のパン角度およびチルト角度に対応した背景画を制御用
コンピュータ5により読み出して、リアルタイムで撮影
された前景画とキーイング合成して実現している。すな
わち、本実施形態の制御用コンピュータ5は、図2に示
したディスクアレイ装置3からの映像読み出し処理を主
に行なえばよく、従来のクロマキーシステムのように高
速且つ高機能のグラフィック処理を行なう必要がないた
め、通常速度のCPUを有するパーソナルコンピュータ
程度の小型のコンピュータで十分に足りる。
【0077】したがって、システム構成の簡単化とコス
ト低減とを共に図ることができ、大規模施設を必要とせ
ずに簡便に使用することができる。また、背景画と同様
の背景(セット)を仮に大道具によりスタディオで実現
する場合には、その背景製作の困難性ないし長期化と、
背景セットの保管等に起因するコストアップと、スタデ
ィオの大規模化等を招くが、本実施形態によればこれら
の課題を殆ど解消ないし低減させることができる。ま
た、背景画をコンピュータ・グラフィックスで作成する
場合は、例えば空中に浮かぶ物体等、実物セットでは物
理的に製作することができない情景を背景画とすること
ができるため、非常に斬新な背景画及びその背景画を用
いたヴァーチャルスタディオを実現することが可能にな
る。
【0078】なお、前景画を、その撮影角度とズーム率
にそれぞれ対応した背景画に嵌め込むようにキーイング
合成するので、その合成映像のリアリティーを高めるこ
とができる。
【0079】さらに、本実施形態におけるクロマキーヤ
6は、クロマキー合成処理においてポリヘドロン・スラ
イス方式を採用しているので、従来のクロマキー方式に
比べてソフトで微妙な階調部分でもキー信号にすること
ができ、極めてシャープなキーイングが可能である。
【0080】さらにまた、本実施形態のディスクアレイ
装置3は、実写映像やCG映像等の背景画を非圧縮で記
録(収録)可能であるため、この背景画の画質を高める
ことができる。
【0081】なお、ディスクアレイ装置3は、圧縮記録
可能なタイプ、圧縮/非圧縮記録の両方が可能であり、
必要に応じて使い分けが可能なタイプ等種々のタイプが
適用できる。背景画を圧縮して収録するメリットは、収
録される背景画の数を非圧縮に比べて増加させることが
できることである。
【0082】また、本実施形態のディスクアレイ装置3
では、パリティー・チェックのRAID方式を採用する
こともできる。このパリティー・チェックのRAID方
式を採用すれば、並列走行中の1台のディスクが破損し
ても、通常通りの記録、再生が可能であり、信頼性を向
上させることができる。
【0083】さらに、本実施形態では、前景画と背景画
とを対応づける3次元パラメータとして、カメラの角度
データ(パン角度、チルト角度)を用いたが、本発明は
これに限定されるものではなく、撮像3次元空間内のあ
る視点と前記対象体との間の位置関係に基づいて設定さ
れた3次元パラメータであれば、どんなパラメータを用
いることも可能である。例えば、当該前景画と背景画と
を対応づける3次元パラメータとしてカメラの例えば水
平方向の位置データ(移動データ)(あるいは、角度デ
ータ及び位置データの両方)を用いてもよい。
【0084】すなわち、角度データ及び位置データの両
方から対応付ける場合には、予め背景画をカメラ2のパ
ン角度とチルト角度とに応じた所定の角度間隔及びカメ
ラの水平方向の移動位置に応じた位置間隔により撮影
し、ディスクアレイ装置に収録しておく。そして、前景
画撮影の際に、パン角度及びチルト角度等の角度データ
及びカメラの水平方向位置データをヘッドディテクタ8
により検出し、その角度データ及び位置データに対応す
る背景画をディスクアレイ装置3から読み出すようにな
っている(前掲図2のステップS1〜S2の処理に対
応)。
【0085】このように構成すれば、カメラの角度変化
だけではなく、位置変化に応じた背景画を用いてキーイ
ング合成した合成画像を作成することができるため、よ
りリアルなヴァーチャルスタディオを実現できる。
【0086】さらに、前景画と背景画とを対応づける3
次元パラメータとして、カメラ2のフォーカスポジショ
ンデータ(あるいは、カメラの角度データ及び位置デー
タの少なくとも一方とフォーカスポジションデータとの
両方)を用いることもできる。
【0087】すなわち、図4に示すように、テレビカメ
ラ2は、フォーカスレンズ12及び図示しないフォーカ
ス機構(フォーカスレンズ駆動モータ等)を有してお
り、このフォーカスレンズ12のフォーカス位置(フォ
ーカスポジション;比率)をフォーカス機構を介して変
化させることにより、フォーカス位置を変化させた撮影
が可能になっている。そして、このフォーカスレンズ1
2には、フォーカスポジションを検出する例えばフォー
カス用エンコーダ等のフォーカスディテクタ13が取り
付けられており、このフォーカスディテクタ13により
検出されたフォーカス位置データは、制御用コンピュー
タ5に送られるようになっている。
【0088】そして、フォーカス位置データ、角度デー
タ及び位置データの全てから対応付ける場合には、予め
背景画をカメラ2のパン角度及びチルト角度に応じた所
定の角度間隔及びカメラの水平方向の移動位置に応じた
位置間隔により撮影し、ディスクアレイ装置に収録して
おく。そして、前景画撮影の際に、パン角度及びチルト
角度等の角度データ及びカメラの水平方向位置データを
ヘッドディテクタ8により検出し、その角度データ及び
位置データに対応する背景画をディスクアレイ装置3か
ら読み出すようになっている(前掲図2のステップS1
〜S2の処理に対応)。
【0089】そして、制御用コンピュータ5は、ステッ
プS3の処理の前に、送られたフォーカス位置データに
基づいて、読み出した背景画に対して画像処理を施し、
当該フォーカス位置データに対応する背景画(フォーカ
ス位置に応じた画角及びぼかし等を有する背景画)を生
成する(図5、ステップS2a)。そしてこの背景画を
デジタルズーマ4に転送して(前掲図2のステップS
3)、以下、図2で示した処理を行なう。
【0090】このように構成すれば、カメラの角度変化
及び位置変化だけではなく、カメラのフォーカス位置に
応じた背景画を用いてキーイング合成した合成画像を作
成することができるため、よりリアルなヴァーチャルス
タディオを実現できる。
【0091】一方、本実施形態では、クロマキーヤ6
は、カメラ2から送られた前景画とディジタルズーマ4
から送られた背景画とをキーイング合成しているが、前
景画出力処理に比べて、背景画出力処理にはディスクア
レイ装置3からの読み出し、ディジタルズーマ4におけ
る拡大/縮小処理等の種々の処理が必要なため、前景画
と背景画とが当該クロマキーヤ6に送られるタイミング
は異なっている(背景画が遅延する)。上述した実施形
態においては、その調整はクロマキーヤ6において行な
われているが、本発明は、これに限定されるものではな
く、例えば、図6に示すように、カメラ2の出力を一旦
ディジタルビデオディレイ14に保持し、背景画がディ
ジタルズーマ4から読み出されるまで、遅延させること
もできる。この結果、クロマキーヤ6に対して同一の出
力タイミングで前景画及び背景画を出力することができ
る。
【0092】ところで、本実施形態では、撮影者による
カメラヘッド7自体の移動操作に応じた角度データや水
平方向位置データをカメラヘッド7に取り付けられたヘ
ッドディテクタ8により検出する構成であるが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0093】例えば、図7に本実施形態の変形例を示
す。図7によれば、クロマキーシステム1aはテレビカ
メラ2aを載置したカメラヘッド15を有している。
【0094】カメラヘッド15は、サーボモータ等の駆
動部を有し、この駆動部の回転駆動によりカメラ2aの
撮影角度(方向)をパン方向(カメラ2aがパンされる
方向,水平方向)及びチルト方向(カメラ2aがチルト
される方向,垂直方向)に移動(回転移動)可能になっ
ている。また、カメラヘッド15の駆動部の駆動により
カメラ2aの水平方向位置(撮影位置)を移動可能にな
っている。また、カメラヘッド15にはヘッドディテク
タは取り付けられておらず、代わりに上述した駆動部の
駆動制御を行なう、メモリ16aを有するコンピュータ
回路等を搭載したカメラヘッドコントローラ16が接続
されている。
【0095】カメラヘッドコントローラ16には、その
カメラヘッドコントローラ16に対して、撮像3次元空
間内のある視点と前記対象体との間の位置関係に基づい
て設定される3次元パラメータとして、カメラ2aの前
景画撮影に係わるデータ(パラメータ、例えばカメラ2
aの撮影方向(角度)データ(例えば、パン角度をθ1
°、チルト角度をθ2 °等)及び撮影位置データ(例え
ば水平方向の移動量データ等))を入力可能な入力装置
17が接続されている。すなわち、カメラヘッドコント
ローラ16は、入力装置17から送られた撮影角度デー
タ及び水平位置データに応じてカメラヘッド15の駆動
部を制御してカメラヘッド15を回転移動及び水平移動
させて、カメラ2aの撮影角度及び撮影位置を入力され
た撮影角度及び撮影位置に対応するように設定する。
【0096】つまり、撮影者は、カメラヘッド15自体
をマニュアルで操作する代わりに、入力装置17を操作
して当該カメラヘッド15を遠隔移動操作することがで
きる。そして、入力装置17にカメラ2aの画像を表示
する図示しないモニタ等を設置しておけば、このモニタ
に表示されたカメラ2aによる実際の撮影画像を視認し
ながらカメラヘッド15(すなわち、カメラ2aの撮影
角度、撮影位置)を遠隔操作することができるため、大
変便利である。
【0097】このような入力装置として例えばリモコン
装置等がある。また、カメラが載置されていないカメラ
ヘッド(ヘッドディテクタは取り付けられている)を入
力装置として用いることもできる。すなわち、撮影者が
入力装置であるカメラヘッドを移動操作することによ
り、ヘッドディテクタがその移動データ(角度データ、
水平方向位置データ)を検出してカメラヘッドコントロ
ーラ16に入力する。カメラヘッドコントローラ16
は、入力された移動データ(角度データ、水平方向位置
データ)に応じてカメラヘッド15の駆動部を制御し、
この結果、カメラ2aの撮影角度及び撮影位置は、入力
装置であるカメラヘッドの移動データに基づく撮影角度
及び撮影位置と同様に設定される。
【0098】また、入力装置17は制御用コンピュータ
5aに接続されており、制御用コンピュータ5aは、入
力装置17から直接入力された角度データ、水平方向位
置データに基づいて背景画の読み出し処理を行なうよう
になっている。
【0099】すなわち、上述した入力装置17を用いて
カメラヘッド15を移動させる構成では、入力装置17
により撮影角度データ及び撮影位置データを入力してか
ら、その入力された撮影角度データ及び撮影位置データ
に応じてカメラヘッドコントローラ16がカメラヘッド
15の駆動部を駆動制御してカメラ2aの撮影角度及び
撮影位置を設定するまで(すなわち、当該撮影角度及び
撮影位置で前景画が撮影されるまで)の間に、当該撮影
角度の設定に係わる遅延時間τf と当該撮影位置の設定
に係わる遅延時間τg に基づく駆動遅延時間τ1 (τf
及びτg の最大遅延時間)が生じている。
【0100】しかしながら、制御用コンピュータ5a
は、入力装置17から送られる角度データ、水平方向位
置データに基づいてカメラ2aの撮影角度及び撮影位置
を予測し、その予測に基づいて背景画読み出し処理を行
なっているわけである。すなわち、入力装置17から角
度データ、水平方向位置データが入力された時点で、τ
1 時間経過後のカメラ2aの撮影角度及び撮影位置に基
づく背景画を読み出すことが可能になっている。
【0101】一方、上述したように背景画を読み出して
からクロマキーヤ6aに出力するまでにも遅延が生じて
おり(遅延時間をτ2 とする)、前景画をτ2 遅延した
背景画と合成して得られた合成画像は、前景画が撮影さ
れた時間(実時間)に対して遅延時間τ2 分遅れて出力
されることになる。
【0102】このとき、上述した入力装置17を用いて
カメラヘッド16を移動させる構成では、撮影角度及び
撮影位置が設定され前景画が出力されるまでのτ1 時間
前に撮影角度及び撮影位置を予測することができるた
め、その性質を利用して、カメラ2aにより前景画が出
力されるタイミングに対して遅延無く同一のタイミング
で撮影位置及び撮影角度に対応する背景画を得ることが
できる。
【0103】すなわち、制御用コンピュータ5a及びカ
メラヘッドコントローラ16は、それぞれτ1 とτ2 と
を比較する。そして、制御用コンピュータ5a及びカメ
ラヘッドコントローラ16はそれぞれ、当該比較結果に
基づいて以下に示すτ1 及びτ2 の調整処理を行なうよ
うになっている。
【0104】(1)τ1 =τ2 の場合では、カメラヘッ
ド15が移動して前景画が撮影され、当該前景画がクロ
マキーヤ6aに出力されるタイミング(τ1 時間経過
後)と同一のタイミングで背景画がクロマキーヤ6aに
出力される(τ2 =τ1 経過後)。 (2)τ1 <τ2 (τ2 −τ1 =Δτ)の場合では、カ
メラヘッドコントローラ16は、入力装置17から送ら
れた撮影角度データ及び撮影位置データをメモリ16a
に保持する(図8、ステップS7)。そして、保持した
状態でΔτ分だけ遅延させてから、撮影角度データ及び
撮影位置データに基づいてカメラヘッド15の駆動部を
制御する(ステップS8)。この結果、カメラヘッド1
5が移動して撮影された前景画がクロマキーヤ6aに出
力されるタイミング(τ1 +Δτ=τ2 時間経過後)と
同一のタイミングで背景画がクロマキーヤ6aに出力さ
れる(τ2 時間経過後)。 (3)τ1 >τ2 (τ1 −τ2 =ΔτA )の場合では、
制御用コンピュータ5aは、ディスクアレイ装置3aか
ら背景画を読み出し、ズーミング処理を施してからクロ
マキーヤ6aに出力するまでの処理過程において所要時
にその処理タイミングをΔτA 時間遅らせている。
【0105】例えば、制御用コンピュータ5aは、上述
した図2のステップS1〜ステップS2と同様の処理に
おいて、入力装置17から送られてきた撮影角度データ
及び撮影位置データに応じてディスクアレイ装置3aか
ら背景画を読み出すタイミングをΔτA 時間遅らせる。
この結果、カメラヘッド15が移動して撮影された前景
画がクロマキーヤ6aに出力されるタイミング(τ1 時
間経過後)と同一のタイミングで背景画がクロマキーヤ
6aに出力される(τ2 +ΔτA =τ1 時間経過後)。
なお、制御用コンピュータ5aは、ディスクアレイ装置
3aから背景画を読み出すタイミングをΔτA 時間遅ら
せる代わりに、ディジタルズーマ4aにおけるズーミン
グ処理をΔτA 遅らせてもよい。
【0106】以上述べたように、入力装置を用いてカメ
ラヘッドを移動させる構成を有するクロマキーシステム
では、カメラから出力される前景画と同一のタイミング
で背景画を得ることができるため、実際に前景画が撮影
される実時間に対して遅延の無い合成画像を得ることが
できる。
【0107】この結果、従来合成画像に生じていた前景
画と背景画との遅延差に係わる画像上及び音声上の違和
感を解消し、当該合成画像の視認性を向上させることが
できる。
【0108】なお、図7ではヘッドコントローラ16を
用いたが、カメラヘッド15の駆動部に直接入力装置1
7から撮影角度データ及び撮影位置データが送られる構
成にしてもよい。この構成では、駆動部がヘッドコント
ローラの機能を行なうようになっている。すなわち、上
記(2)の場合(τ1 <τ2 )では、入力装置17'か
ら送られた撮影角度データ及び撮影位置データは、駆動
部が有するバッファメモリ等にΔτ時間保持され、その
後駆動部が駆動してカメラヘッド15' を移動させるよ
うになっており、上述した効果と同等の効果が得られ
る。
【0109】また、上述した前景画と出力タイミングが
同一の背景画を得る方式は、上述したディスクアレイ装
置から背景画を読み出すシステムのみで適用可能なわけ
ではなく、例えば、図9に示すように、ディスクアレイ
装置3aの代わりに、リアルタイムレンダリング等のC
G処理によりリアルタイムで背景画を作成するグラフィ
ック処理用コンピュータ18を有するキーシステムにお
いても、適用可能である。
【0110】すなわち、グラフィック処理用コンピュー
タ18で作成された背景画を読み出してからクロマキー
ヤ6aに出力されるまでに遅延時間τ2'が生じていて
も、入力装置を用いてカメラヘッドを移動させる構成を
有するクロマキーシステムによれば、上述した(1)〜
(3)に示した処理によりカメラにより撮影されてクロ
マキーヤ6aに出力される前景画と同一のタイミングで
背景画を得ることができるため、前景画撮影実時間に対
して遅延の無い合成画像を得ることができる。したがっ
て、従来の合成画像に生じていた前景画と背景画との遅
延差に係わる画像上及び音声上の違和感を解消し、当該
合成画像の視認性を向上させることができる。
【0111】また、上述した変形例において、カメラヘ
ッドコントローラの制御等に基づいてカメラヘッドの駆
動部が撮影角度及び撮影位置を移動可能としたが、撮影
角度及び撮影位置のどちらか一方を移動可能な構成であ
ってもよい。
【0112】一方、上述した変形例では、カメラの遠隔
移動制御を行なうための入力装置は、撮像3次元空間内
のある視点と前記対象体との間の位置関係に基づいて設
定される3次元パラメータであるカメラ2aの前景画撮
影に係わるデータとして、カメラ2aの撮影角度データ
及び撮影位置データを入力可能に構成したが、本発明は
これに限定されるものではない。
【0113】上述したカメラの遠隔移動制御を行なうた
めの入力装置を有するクロマキーシステムの他の例を図
10に示す。図10に示すように、クロマキーシステム
31は、テレビカメラ2aと、このテレビカメラ2aを
載置したカメラヘッド15aとを有している。テレビカ
メラ2aは、上述したズームレンズ(図示せず)及びそ
の駆動機構であるレンズズーム駆動モータ32を有して
おり、ズームレンズのズーム位置(ズームポジション;
比率)をレンズズーム駆動モータを介して変化させるこ
とにより、ズーム撮影を実施可能になっている。
【0114】また、テレビカメラ2aは、上述したフォ
ーカスレンズ及びその駆動機構であるフォーカスレンズ
駆動モータ33を有しており、このフォーカスレンズの
フォーカス位置(フォーカスポジション;比率)をフォ
ーカスレンズ駆動モータ33を介して変化させることに
より、フォーカス位置を変化させた撮影が可能になって
いる。
【0115】カメラヘッド15aは、上述したサーボモ
ータ等の駆動部として、カメラ2aの撮影角度をパン方
向に回転移動させるパン方向駆動モータ34と、当該カ
メラ2aの撮影角度をチルト方向に回転移動させるチル
ト方向駆動モータ35と、カメラ2aの例えば水平方向
位置(撮影位置)を移動させるカメラ位置駆動モータ3
6とを備えている。なお、本変形例のカメラヘッド15
aにおいてもヘッドディテクタは取り付けられていな
い。
【0116】そして、クロマキーシステム31は、上述
したレンズズーム駆動モータ32、レンズフォーカス駆
動モータ33、パン方向駆動モータ34、チルト方向駆
動モータ35、及びカメラ位置駆動モータ36の駆動制
御を行なう制御コンピュータ37を備えている。この制
御コンピュータ37は、メモリ36aを有しており、上
述した変形例のカメラヘッドコントローラと略同等の機
能を行なうようになっている。
【0117】さらに、クロマキーシステム31は、制御
コンピュータ37に対して、撮像3次元空間内のある視
点と前記対象体との間の位置関係に基づいて設定される
3次元パラメータとして、カメラ2aの前景画撮影に係
わるデータ(撮影パラメータ)を入力可能な入力装置1
7aを備えている。この入力装置17aは、例えば、カ
メラ2aのズームポジションを入力するためのズームポ
ジション入力装置40と、カメラ2aのフォーカスポジ
ションを入力するためのフォーカスポジション入力装置
41と、カメラ2aのパン角度を入力するためのパン角
度入力装置43と、カメラ2aのチルト角度を入力する
ためのチルト角度入力装置44と、カメラ2aの撮影位
置(カメラ位置)を入力するためのカメラ位置入力装置
45とを備えている。なお、この各入力装置40〜44
は、上述したリモコン装置等として一体に構成されてい
てもよいし、それぞれ個別の入力装置(例えばジョイス
ティックやボタン、ボリューム等の操作部を有する小型
な専用入力装置)として構成されていてもよい。
【0118】一方、クロマキーシステム31は、背景画
発生システム50を有している。この背景画発生システ
ム50は、上述したディスクアレイ装置及びディジタル
ズーマを有し、制御コンピュータ37の制御の基で該デ
ィスクアレイ装置に記憶された背景画を読み出すことに
より当該背景画を発生させるシステムとして構成されて
いる。
【0119】そして、クロマキーシステム31は、上述
したクロマキーヤ6aを有している。このクロマキーヤ
6aは、カメラ2aにより撮影された前景画と背景画発
生システム50により発生された背景画とをクロマキー
合成するようになっている。さらに、クロマキーシステ
ム31は表示装置51を有している。この表示装置51
は、クロマキーヤ6aで作成された合成画像を表示する
ようになっている。
【0120】本変形例によれば、制御コンピュータ37
は、ズームポジション入力装置40から入力されたズー
ムポジションデータに応じてレンズズーム駆動モータ3
2を制御することにより、当該ズームポジションデータ
に対応するカメラ2aのズームポジションを設定し、且
つフォーカスポジション入力装置41から入力されたフ
ォーカスポジションデータに応じてフォーカスポジショ
ン駆動モータ33を制御することにより、当該フォーカ
スポジションデータに対応するカメラ2aのフォーカス
ポジションを設定するようになっている。
【0121】また、制御コンピュータ37は、パン角度
入力装置42から入力されたパン角度データに応じてカ
メラヘッド15aのパン方向駆動モータ34を制御して
当該カメラヘッド15a(及びカメラ2a)をパン方向
に回転させることにより、当該入力パン角度データに対
応したカメラ2aのパン角度を設定し、且つチルト角度
入力装置43から入力されたチルト角度データに応じて
カメラヘッド15aのチルト角度駆動モータ35を制御
して当該カメラヘッド15a(及びカメラ2a)をチル
ト方向に回転させることにより、当該入力チルト角度デ
ータに対応したカメラ2aのチルト角度を設定するよう
になっている。
【0122】さらに、制御コンピュータ37は、カメラ
位置入力装置44から入力されたカメラ位置データに応
じてカメラヘッド15aのカメラ位置駆動モータ36を
制御して当該カメラヘッド15a(カメラ2a)を移動
(例えば水平移動)させることにより、当該入力カメラ
位置データに対応したカメラ2aのカメラ位置(撮影位
置)を設定するようになっている。
【0123】つまり、撮影者は、カメラ2aやカメラヘ
ッド15a自体をマニュアルで操作する代わりに、入力
装置17a(ズームポジション入力装置40、フォーカ
スポジション入力装置41、パン角度入力装置42、チ
ルト角度入力装置43、カメラ位置入力装置44)を操
作してカメラ2a及びカメラヘッド15aを遠隔操作す
ることができる。
【0124】本変形例においても、上述した入力装置1
7a(各入力装置40〜44)を用いることにより、カ
メラ2aの撮影角度及び撮影位置を操作制御し、且つカ
メラ2aのズームポジションやフォーカスポジションを
操作制御する構成であるため、当該入力装置17a(各
入力装置40〜44)により前景画撮影に係わるデータ
(ズームポジションデータ、フォーカスポジションデー
タ、撮影角度(パン角度、チルト角度)データ、カメラ
位置データ等)を入力してから、その入力されたデータ
に応じて制御コンピュータ37がカメラ2aのレンズズ
ーム駆動モータ32及びレンズフォーカス駆動モータ3
3を制御し、且つカメラヘッド15aのパン方向駆動モ
ータ34、チルト方向駆動モータ35、及びカメラ位置
駆動モータ36を駆動制御してカメラ2aの撮影角度及
び撮影位置を含む撮影条件を設定するまで(すなわち、
設定された撮影角度及び撮影位置において、設定された
ズームポジション及びフォーカスポジションで前景画が
撮影されるまで)の間に、レンズズーム駆動に係わる遅
延時間τl 、フォーカスレンズ駆動に係わる遅延時間τ
m 、パン方向駆動に係わる遅延時間τn 、チルト方向駆
動に係わる遅延時間τo 、及びカメラ位置駆動に係わる
遅延時間τp に基づく駆動遅延時間τ4 (τl 、τm 、
τn 、τo 、及びτp の間の最大遅延時間)が生じてい
る。
【0125】しかしながら、本変形例においても、制御
コンピュータ37は、入力装置17a(各入力装置40
〜44)から送られた前景画撮影に係わるデータに基づ
いてカメラ2aのズームポジション、フォーカスポジシ
ョン、撮影角度及び撮影カメラ位置を予測し、その予測
に基づいて背景画読み出し処理を行なっているわけであ
る。すなわち、入力装置17aの各入力装置40〜44
から前景画撮影に係わるデータ(ズームポジションデー
タ、フォーカスポジションデータ、撮影角度データ、及
びカメラ位置データ)が入力された時点で、τ4 時間経
過後のカメラ2aの撮影角度及び撮影位置に基づく背景
画を背景画発生システム50のディスクアレイ装置から
読み出すことが可能になっている。
【0126】そして、制御コンピュータ37は、読み出
した背景画に対してフォーカスポジションデータに基づ
く画像処理を施し、画像処理を施した背景画を背景画発
生システム50のディジタルズーマによりズーミング処
理してクロマキーヤ6aに出力するようになっている
が、その背景画をディスクアレイ装置から読み出してク
ロマキーヤ6aに出力するまでにも、読み出しに係わる
時間、画像処理時間、及びスーミング処理時間等により
遅延が生じており(遅延時間をτ5 とする)、前景画を
τ5 遅延した背景画と合成して得られた合成画像は、前
景画が撮影された時間(実時間)に対して遅延時間τ5
分遅れて出力されることになる。
【0127】このとき、上述した入力装置17a(各入
力装置40〜44)を用いてカメラ2a及びカメラヘッ
ド15aを遠隔操作制御する構成では、前景画撮影に係
わるデータ(ズームポジションデータ、フォーカスポジ
ションデータ、撮影角度データ、及びカメラ位置デー
タ)に基づく撮影条件(撮影パラメータ)が設定され前
景画が出力されるまでのτ4 時間前に撮影角度及び撮影
位置を含む撮影条件を予測することができるため、その
性質を利用して、カメラ2aにより前景画が出力される
タイミングに対して遅延無く同一のタイミングで撮影位
置及び撮影角度を含む撮影条件に対応する背景画を得る
ことができる。
【0128】すなわち、制御コンピュータ37はτ4 と
τ5 とを比較し、その比較結果に基づいて以下に示すτ
4 及びτ5 の調整処理を行なうようになっている。
【0129】(1)τ4 =τ5 の場合では、カメラ2a
の各駆動モータ32〜33及びカメラヘッド15aの各
駆動モータ34〜36の駆動により設定された撮影条件
に基づいて前景画が撮影されてクロマキーヤ6aに出力
されるタイミング(τ4 時間経過後)と同一のタイミン
グで背景画がクロマキーヤ6aに出力される(τ5 =τ
4 経過後)。 (2)τ4 <τ5 (τ5 −τ4 =Δτs )の場合では、
制御コンピュータ37は、入力装置17aの各入力装置
40〜44から送られてきた前景画撮影に係わるデータ
をメモリ37aに保持する(図11、ステップS7
A)。そして、保持した状態でΔτs 分だけ遅延させて
から、前景画撮影に係わるデータに基づいてカメラ2a
の各駆動モータ32〜33及びカメラヘッド15aの各
駆動モータ34〜36を制御する(ステップS8A)。
この結果、カメラ2aの各駆動モータ32〜33及びカ
メラヘッド15aの各駆動モータ34〜36の駆動によ
り設定された撮影条件に基づいて前景画が撮影されてク
ロマキーヤ6aに出力されるタイミング(τ4 +Δτs
=τ5 時間経過後)と同一のタイミングで背景画がクロ
マキーヤ6aに出力される(τ5 時間経過後)。 (3)τ4 >τ5 (τ4 −τ5 =Δτt )の場合では、
制御コンピュータ37は、背景画像発生システム50の
ディスクアレイ装置から背景画を読み出し、画像処理及
びズーミング処理を施してからクロマキーヤ6aに出力
するまでの処理過程において所要時にその処理タイミン
グをΔτt 時間遅らせている。
【0130】例えば、制御コンピュータ37は、上述し
た図2のステップS1〜ステップS2と同様の処理にお
いて、入力装置17aの各入力装置40〜44から送ら
れてきた前景画撮影に係わるデータの内の撮影角度デー
タ及び撮影位置データに応じて背景画像発生システム5
0のディスクアレイ装置から背景画を読み出すタイミン
グをΔτt 時間遅らせる。この結果、カメラ2aの各駆
動モータ32〜33及びカメラヘッド15aの各駆動モ
ータ34〜36の駆動により設定された撮影条件に基づ
いて前景画が撮影されてクロマキーヤ6aに出力される
タイミング(τ4 時間経過後)と同一のタイミングで背
景画がクロマキーヤ6aに出力される(τ5 +Δτt =
τ4 時間経過後)。
【0131】なお、制御コンピュータ37は、ディスク
アレイ装置から背景画を読み出すタイミングをΔτt 時
間遅らせる代わりに、ステップS2aと同様の処理にお
いて画像処理タイミングをΔτt 遅らせてもよく、ま
た、背景画像発生システム50のディジタルズーマにお
けるズーミング処理をΔτt 遅らせてもよい。
【0132】以上述べたように、入力装置17a(ズー
ムポジション入力装置40、フォーカスポジション入力
装置41、パン角度入力装置42、チルト角度入力装置
43、カメラ位置入力装置44)を用いてカメラ2a及
びカメラヘッド15aを遠隔制御する構成を有するクロ
マキーシステムでは、カメラ2aから出力される前景画
と同一のタイミングで背景画を得ることができるため、
実際に前景画が撮影される実時間に対して遅延の無い合
成画像を得ることができる。
【0133】この結果、従来合成画像に生じていた前景
画と背景画との遅延差に係わる画像上及び音声上の違和
感を解消し、当該合成画像の視認性を向上させることが
できる。
【0134】なお、上述した背景画像発生システム50
は、上述したグラフィック処理用コンピュータ及びディ
ジタルズーマを有し、制御コンピュータ37の制御の基
でグラフィック処理用コンピュータのCG処理により背
景画を発生させるシステムであってもよい。
【0135】すなわち、背景画像発生システム50のグ
ラフィック処理用コンピュータは、制御コンピュータ3
7を介して送られた前景画撮影に係わるデータの内の撮
影角度データ、カメラ位置データ及びフォーカスポジシ
ョンデータに基づいてCG処理により背景画を作成し、
作成した背景画を背景画発生システム50のディジタル
ズーマによりズーミング処理してクロマキーヤ6aに出
力するようになっているが、その背景画をグラフィック
処理用コンピュータにより作成し、ズーミング処理の後
でクロマキーヤ6aに出力するまでにも、CG処理時間
及びスーミング処理時間等により遅延τ5'が生じてい
る。
【0136】しかしながら、入力装置17a8各入力装
置40〜44)を用いてカメラ2a及びカメラヘッド1
5aを遠隔制御する構成のクロマキーシステムによれ
ば、上述した(1)〜(3)に示した処理により遅延時
間τ5'と、前景画撮影に係わる駆動遅延時間τ4 とを略
一致させることにより、カメラ2aにより撮影されてク
ロマキーヤ6aに出力される前景画と同一のタイミング
で背景画を得ることができる。したがって、実際に前景
画が撮影される実時間に対して遅延の無い合成画像を得
ることができ、従来合成画像に生じていた前景画と背景
画との遅延差に係わる画像上及び音声上の違和感を解消
し、当該合成画像の視認性を向上させることができる。
【0137】さらに、本実施形態では対象体をカメラで
撮影したものを前景画とし、CGにより作成された多数
のCG映像を背景画としたが、多数のCG映像を前景画
とし、対象体をカメラで撮影したものを背景画としても
よい。
【0138】(第2実施形態)第1実施形態で述べたよ
うに、ディスクアレイ装置には、カメラの移動(角度変
化、位置変化)に対応する背景画が多数記録されてい
る。しかしながら、ディスクアレイ装置の記録容量(デ
ィスク容量)は、大きければ大きいほど高価且つ大型化
するため、ディスクアレイ装置のディスク容量をできる
限り少なくし、且つカメラの動きに対応したリアルな背
景画を記録しておくことが望まれる。
【0139】ここで、D−1ディジタルテレビ規格で
は、テレビ画面の領域は、
【数1】 で表され、カメラのパン(水平方向または横方向)への
移動範囲をその画面領域の2倍、チルト(垂直方向)範
囲を画面領域の1/2倍(リアルなカメラの動きを表す
には、この程度の移動範囲は必要)とすると(図12参
照)、全ての移動範囲を賄う背景画の数は、
【数2】 となり、これは、映像読み出し速度(60フィールド
(30フレーム)/秒)で換算すると、約3時間以上記
録できる大容量のディスクアレイ装置が必要なことを意
味する。
【0140】つまり、カメラのリアルな動きに対応した
背景画を全てディスクアレイ装置から読み出すために
は、大容量のディスクアレイ装置を使わざるを得ないた
め、さらにコストを低減するためには、新たなる着想が
必要であった。
【0141】また、ディスクアレイ装置から読み出され
る背景画は、当該背景画が全てのフレーム画像として収
録されているため、フレーム映像毎(フレーム単位)で
ある。
【0142】しかしながら、通常動画は、インターレー
ス走査(飛び越し走査)、すなわち奇数フィールド映
像、偶数フィールド映像毎(フィールド画像毎、フィー
ルド単位)に表示されるため、上述したフレーム単位で
は、背景画の動きが不自然になる恐れがあるため、より
自然な合成映像を作成するためにも、新たな着想が必要
であった。
【0143】そこで、本実施形態では、上述した考えに
基づいて、第1実施形態に新たな着想を加えることによ
り、低容量のディスクアレイ装置を用いながらカメラの
動きにリアルに対応可能であり、且つ背景画の動きがよ
り自然になるキーシステムを実現した。
【0144】図13は、このような第2実施形態に係る
クロマキーシステムの全体構成を示すブロック図であ
る。
【0145】図13に示すクロマキーシステム1Aで
は、ディスクアレイ装置3Aとディジタルズーマ4Aと
の間にフレームメモリ20が設けられている。そして、
ディスクアレイ装置3Aの映像出力ラインは2本からな
り、一方の出力ラインは、ディジタルズーマ4Aに直接
接続され、他方の出力ラインは、バッファメモリとして
のフレームメモリ20を介してデジタルズーマ4Aに接
続されている。このフレームメモリ20は例えば半導体
メモリ等のメモリから構成され、少なくとも1枚のフレ
ーム映像を保持可能になっている。なお、フレームメモ
リ20に対するフレーム映像の書き込み・読み出しは、
制御コンピュータ5Aからの制御に応じて行なわれる。
【0146】また、本実施形態では、第1実施形態の変
形例で述べたように、カメラ2Aの角度変化及び水平方
向の位置変化の両方を検出して、対応する背景画を読み
出す構成であり、ディスクアレイ装置3Aには、カメラ
2Aのパン角度とチルト角度とに応じた所定の角度間隔
及びカメラの水平方向の移動位置に応じた位置間隔によ
り撮影された背景画が収録されている。なお、その他の
構成は、第1実施形態と略同等のため、略同等の符号を
付してその説明は省略する。
【0147】次に本実施形態の作用について説明する。
【0148】本実施形態では、第1実施形態と同様に、
撮影者はカメラヘッド7Aを操作してカメラ2Aの撮影
方向(撮影角度)及び水平方向撮影位置を移動させて撮
影対象体(アナウンサー等)の映像を撮影する。テレビ
カメラ2Aにより撮影された映像のデータは前景画のデ
ータとしてクロマキーヤ6Aに送られる。
【0149】一方、前景画の撮影時において、ヘッドデ
ィテクタ8Aにより検出されたカメラ2Aのパン角度及
びチルト角度等の角度データ及びカメラ2Aの水平方向
位置データは、制御用コンピュータ5Aに送られる。
【0150】制御用コンピュータ5Aは、送られた角度
データ及び水平方向位置データ並びにズームディテクタ
10Aから送られたズーム位置データに基づいて図14
に示す処理を行なう。すなわち、制御用コンピュータ5
Aは、送られたカメラ2Aの角度データ及び水平方向位
置データを背景画のアドレスに変換する(ステップS1
0)。そして、制御用コンピュータ5Aは、ディスクア
レイ装置3Aを参照して、収録された複数の背景画の中
から、求められたアドレスに格納された背景画を選択し
て、例えば30フレーム/秒の映像再生速度で読み出し
(ステップS11)、読み出した背景画をデジタルズー
マ4A及びフレームメモリ20に転送する。
【0151】ディジタルズーマ4Aに送られた背景画
は、当該ディジタルズーマ4Aによりズーミング処理が
施され、ズーミング処理された背景画はクロマキーヤ6
aに送られる。この結果、前景画とズーミング処理され
た背景画はキーイング合成され、第1実施形態と同様
に、図示しない表示装置によりそのキーイング合成画像
が表示される。
【0152】一方、フレームメモリ20に送られた背景
画は、当該フレームメモリ20に保持される(ステップ
S12)。
【0153】このとき、制御用コンピュータ5Aは、カ
メラ2Aが移動したか否か(すなわち、カメラ2Aの角
度又は水平方向位置が変化したか否か)を、送られる角
度データ及び水平方向位置データから判断し(ステップ
S13)、その判断の結果、カメラ2Aが移動していな
いと判断した場合(判断NO)は待機状態となり、前景
画と背景画とから生成された合成画像は、連続して表示
装置に表示される。
【0154】そして、カメラ2Aの角度又は水平方向位
置が変化して、ステップS13によりカメラ2Aが所定
範囲を越えて移動したと判断された場合(判断YE
S)、制御用コンピュータ5Aは、その移動後の角度及
び水平位置に対応する背景画をディスクアレイ装置3A
から読み出すのではなく、フレームメモリ20から、当
該フレームメモリ20に記憶された移動前の角度データ
及び水平方向位置データに対応する背景画を、フレーム
毎ではなく当該背景画の奇数フィールド映像データ,偶
数フィールド映像データとフィールド単位で交互に読み
出す(ステップS14)。そして、当該背景画のフィー
ルド映像データFIDを、カメラ2Aの移動方向Dに沿
って移動量に応じたドット数(画素(の幅)の数、例え
ば1ドット)分だけずらしながら(FID→FID' )
ディジタルズーマ4Aに転送する(ステップS15;図
15参照)。
【0155】つまり、カメラ2Aのパン角度やチルト角
度等が変化すると、対応する背景画は3次元的に変化す
るため、背景画がディスクアレイ装置3Aから読み出さ
れると、当然背景画の変化は3次元的になる。しかしな
がら、通常、カメラ2Aの動き(角度変化等)は小さい
ため、本実施形態では、その移動に対応する背景画の動
きを、フレームメモリ20に記憶された背景画の2次元
的な動きにより表している。そして、制御用コンピュー
タ5Aの処理は、ステップS15の終了後、ステップS
16の処理に移行する。
【0156】ステップS16の処理において、制御用コ
ンピュータ5Aは、送られたズーム位置データに基づく
拡大または縮小制御データ(拡大率または縮小率デー
タ)をディジタルズーマ4Aに送る(ステップS1
6)。
【0157】以下、制御用コンピュータ5Aは、カメラ
2Aの移動に応じて順次送られてくる角度データ及び水
平方向位置データに応じて、上述したフレームメモリ2
0からの読み出し処理を所定回数(例えば1回から10
回)行なった後(ステップS17)、前記カメラ2の撮
影角度又は水平方向撮影位置が変化してカメラ2Aが所
定範囲を越えて移動した場合には、制御用コンピュータ
5Aは、ディスクアレイ装置3Aから角度データ及び水
平方向位置データに対応するアドレスの背景画のフレー
ム映像データを読み出してディジタルズーマ4A及びフ
レームメモリ20に送る(ステップS18)。以下、フ
レームメモリ20からの所定回数の読み出しとディスク
アレイ装置3Aからの読み出しとを交互に繰り返し(ス
テップS19)、以下、第1実施形態と同様の拡大/縮
小処理、キーイング合成処理が行なわれる。
【0158】すなわち、本実施形態によれば、ディスク
アレイ装置3Aから読み出される背景画は、フレームメ
モリ20からの読み出し回数毎に一度ずつ読み出される
ことになるため、ディスクアレイ装置3Aの記憶容量を
低減させることが可能になる。
【0159】例えば、図12に示したカメラ2Aの移動
範囲において、本発明の方法を用いた場合(ただし、カ
メラ2Aの角度及び水平位置の変化に応じた背景画が4
画素を越えて移動した場合、ディスクアレイユニット3
Aに格納された背景画がフレーム単位で読み出され、カ
メラ2Aの角度及び水平位置の変化に応じた背景画が4
画素を越えない範囲で移動した場合、フレームメモリ2
0に保持された背景画がフィールド単位で読み出される
と仮定した場合)、ディスクアレイ装置3Aの必要記録
画面数(フレーム数)は、ディスクアレイ装置3Aのみ
から読み出していた場合と比べて「1/16」となる。
すなわち、この場合のディスクアレイ装置3Aに必要な
記録画面数は、
【数3】 となる。これは、約12分の記録時間であり、現在の技
術水準で十分実用的な容量値である。
【0160】したがって、本実施形態によれば、ディス
クアレイ装置を低容量化することができ、クロマキーシ
ステムの低コスト化を実現できる。
【0161】また、低コスト化と共に、本実施形態で
は、背景画の読み出しをフィールド単位で行なうことが
できるため、より自然に背景画を動かすことができ、リ
アルな合成画像を作成することができる。
【0162】さらに、本実施形態によれば、ディスクア
レイ装置3Aから読み出される背景画は、フレームメモ
リ20からの読み出し回数毎に一度ずつ読み出される
が、このことは、言い換えれば、ディスクアレイ装置3
Aから背景画が読み出される間にフレームメモリ20か
ら複数回背景画が読み出されていることになる。このよ
うな、互いの読み出しタイミングは、背景画の映像内容
に応じて自由に制御することが可能である。
【0163】すなわち、カメラ2Aの移動により前景画
が変化しても背景画の変化が比較的気にならない範囲に
はフレームメモリ20から背景画をずらしながら(シフ
トさせながら)読み出し、それ以外の範囲にはディスク
アレイ装置3Aから背景画を読み出すようにすれば、少
ない容量でリアルな仮想スタディオを実現することがで
きる。
【0164】なお、上述した制御用コンピュータ5Aの
ステップS14及びS15においては、フレームメモリ
20から背景画を読み出してから当該背景画の映像デー
タの移動処理(シフト処理)を行なったが、先に背景画
の映像データのシフト処理を行ない、シフト後の背景画
を読み出してもよい。
【0165】また、上述した背景画をフィールド単位で
読み出す方式は、上述したディスクアレイ装置から背景
画を読み出すシステムのみで適用可能なわけではなく、
例えば、図16に示すように、ディスクアレイ装置3A
の代わりに、リアルタイムレンダリング等のCG処理に
よりリアルタイムで背景画を作成するグラフィック処理
用コンピュータ21を有するキーシステムにおいても、
適用可能である。
【0166】すなわち、グラフィック処理用コンピュー
タ21は、カメラ2Aの角度データ及び水平方向位置デ
ータに基づいてグラフィック処理により背景画を作成
し、制御用コンピュータ5Aは、ステップS10〜ステ
ップS11として、グラフィック処理用コンピュータ2
1により作成された背景画を読み出すようになってい
る。 この際、グラフィック処理用コンピュータ21に
より作成された背景画もフレーム単位で読み出されてい
るため、背景画の動きが気にならない範囲等では、フレ
ームメモリ20を介して背景画をシフトさせながら読み
出す本実施形態の方式を適用可能であり、自然な背景画
の動きを実現できる。
【0167】なお、本実施形態では、前景画と背景画と
を対応づける3次元パラメータとして、カメラの角度デ
ータ(パン角度、チルト角度)及びカメラ撮影位置デー
タを用いたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、撮像3次元空間内のある視点と前記対象体との間の
位置関係に基づいて設定された3次元パラメータであれ
ば、どんなパラメータを用いることも可能であり、第1
実施形態の変形例に示したように、上記カメラの角度デ
ータ(パン角度、チルト角度)及びカメラ撮影位置デー
タに加えて、カメラのフォーカスポジションデータを用
いることも可能である。
【0168】また、本実施形態では、カメラのパン角度
及びチルト角度並びに水平方向位置の少なくとも一方を
検出するヘッドディテクタを備えたカメラヘッドを用い
てクロマキーシステムを構成したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、図7、図9及び図10に示した
入力装置によりカメラのパン角度、チルト角度、撮影カ
メラ位置、ズームポジション、及びフォーカスポジショ
ン等を遠隔操作制御可能なクロマキーシステムとして構
成してもよい。
【0169】さらに、第1及び第2実施形態及びその変
形例では、本発明のキーシステムをクロマキーヤを用い
たクロマキーシステムとして説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、ルミナンスキーを用いたキ
ーシステムや、ルミナンスキーとクロマキーを組み合わ
せた様なキーシステム等においても実現できる。
【0170】さらにまた、第1及び第2実施形態では、
背景画を収録する記憶媒体として、ディスクアレイ装置
を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
通常のディスク装置(ハードディスク装置等)を用いる
こともできるし、ハードディスクに限らず、例えば半導
体メモリ等のメモリを用いてもよい。
【0171】ところで、上述した各実施形態では、前景
画を得るためにテレビカメラ等のカメラを用いたが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0172】例えば、静止画スキャナー,順次スキャン
カメラ等の各種の撮影装置に取得された2次元画像や、
コンピュータグラフィックス処理で作成された画像等も
適用可能である。
【0173】ここで、カメラ2Aに加えて、グラフィッ
ク処理用コンピュータ60及び静止画スキャナー,順次
スキャンカメラ等の撮影装置61を有するクロマキーシ
ステムを図17に示す。なお、図17では、カメラ2
A、グラフィック処理用コンピュータ60及び撮影装置
61をそれぞれ有するクロマキーシステムを示したが、
カメラ2A、グラフィック処理用コンピュータ60及び
撮影装置61の内の少なくとも1つの撮影デバイスを有
していればよいのは当然である。
【0174】図17において、グラフィック処理用コン
ピュータ60を用いる際には、ある視点を基準としてア
ナウンサー等の対象体の画像(前景画)がグラフィック
処理用コンピュータ60により作成される。そして、当
該前景画が有する3次元パラメータである視点角度及び
視点位置の少なくとも一方(例えば、視点角度)が制御
用コンピュータ5Aに送られ、当該制御用コンピュータ
5Aの処理により、その視線角度の情報に応じた角度の
背景画がディスクアレイ装置3Aから読み出される。
【0175】そして、図17に示すように、カメラで撮
影された前景画の代わりに、グラフィック処理用コンピ
ュータ60で作成された前景画と背景画とをキーイング
合成するようになっている。
【0176】また、図17において、静止画スキャナ等
の撮影装置61を用いる際には、対象体が表示された写
真等が撮影装置61により2次元画像(前景画)として
読み取られる。制御用コンピュータ5Aの処理により、
撮影装置61により読み取られた2次元画像に対応し
て、3次元空間におけるある視点の位置及び角度の少な
くとも一方(例えば角度)が設定され、この設定された
角度の背景画がディスクアレイ装置3Aから読み出され
る。
【0177】そして、図17に示すように、カメラで撮
影された前景画の代わりに、撮影装置61で作成された
前景画と背景画とをキーイング合成するようになってい
る。
【0178】このように、本発明は、カメラにより実際
に前景画を撮影するのみならず、コンピュータグラフィ
ック処理やスキャン撮影装置等により得られた前景画に
対しても適用可能である。
【0179】なお、図17に示したカメラ2A、グラフ
ィック処理用コンピュータ60及び撮影装置61を全て
有する構成では、撮影対象体に応じて当該前景画撮影デ
バイス(カメラ2A、グラフィック処理用コンピュータ
60及び撮影装置61)の内の最適なデバイスを選択す
ればよく、作成される合成画像がよりリアルになる。
【0180】一方、第1及び第2実施形態では、カメラ
のパン角度及びチルト角度並びに水平方向位置の少なく
とも一方を検出するヘッドディテクタを備えたカメラヘ
ッドを用いたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、上述した角度検出あるいは(及び)位置検出可能な
ディテクタを有するものであれば、ドーリーやペデスタ
ル等の他の移動装置を用いてもよい。
【0181】以上、前景画撮影用カメラを1台として説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少
なくとも1枚の前景画を撮影するための複数台のカメラ
を用いることも可能である。例えば複数の前景画撮影用
カメラ、背景のさらに後ろに位置する複数のカメラ等を
用いてもよく、各実施形態と同様の効果を得ることがで
きる。なお、このように複数の前景画撮影用カメラを有
している場合では、複数台のカメラにより撮影された複
数の前景画と背景画とがキーイング合成されるため、作
成された合成画像はより興味深いものが得られる。
【0182】また、前景画(1枚でも複数枚でもOK)
と複数枚の背景画とをキーイング合成することも可能で
あり、合成画像の独創性を高めることができる。
【0183】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
撮像3次元空間内のある視点と撮影対象体との位置関係
に基づいて設定された3次元パラメータ(例えばテレビ
カメラの撮影位置及び撮影角度の内の少なくとも一方)
に対応付けて予め作成された多くのコンピュータ・グラ
フィックスや予めテレビカメラ等により撮影された多く
の実写等の背景画をディスク装置等のメモリ装置に収録
しておき、例えばテレビカメラで対象体を撮影して得ら
れた対象体の画像に対応して設定された角度及び位置の
少なくとも一方の情報に対応する背景画を複数の背景画
の中から読み出し、読み出された背景画と対象体の画像
とをキーイング合成処理して合成画像を作成することが
できるため、リアリティーの高い合成映像を出力するこ
とができる。したがって、スタディオの背景を大道具等
により構成する場合に比して、背景設置スペースの削
減、背景製作のコストの低減、及び容易性の向上を共に
図ることができる。
【0184】また、本発明によれば、撮像3次元空間内
のある視点と撮影対象体との位置関係に基づいて設定さ
れた3次元パラメータに対応付けて予め作成されディス
ク装置等のメモリ装置に収録されたコンピュータ・グラ
フィックス等の多数の背景画の中から、対象体の画像に
対応して設定された角度及び位置の少なくとも一方に応
じた背景画を選択し、選択された背景画に対象体の画像
をキーイング合成している。すなわち、本発明では、リ
アルタイムで背景画を作成していないため、高度なグラ
フィック処理を行なう高価且つ高性能のコンピュータを
使用する必要がなく、制御手段(読み出し手段、設定手
段)として、例えばパーソナルコンピュータ等の小型コ
ンピュータを使用すれば十分に足りる。その結果、シス
テム構成の簡単化とコスト低減とを共に図ることができ
る。
【0185】また、本発明によれば、メモリ装置又はグ
ラフィック処理用コンピュータを用いたキーシステムに
おいて、例えばカメラの移動等により対象体の画像が変
化しても、その対象体の画像の変化に応じて背景画の動
きをより自然にすることができる。なお、メモリ装置を
用いた場合においては、このメモリ装置の容量を低減さ
せることもできる。
【0186】さらに、本発明によれば、メモリ装置又は
グラフィック処理用コンピュータを用いたキーシステム
において、対象体の画像と同一のタイミングで背景画を
得ることを可能にしたため、対象体の画像が撮影された
実時間に対して遅延の無い背景画像及び合成画像を得る
ことができる。この結果、従来合成画像に生じていた対
象体の画像と背景画との遅延差に係わる画像上及び音声
上の違和感を解消し、当該合成画像の視認性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクロマキーシステ
ムの全体構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態の制御用コンピュータの処理の一
例を示す概略フローチャート。
【図3】第1実施形態におけるクロマキーヤのキーイン
グ合成処理を説明する図。
【図4】本発明の第1実施形態の変形例に係るクロマキ
ーシステムの全体構成を示すブロック図。
【図5】第1実施形態の変形例における制御用コンピュ
ータの処理の一部を示す概略フローチャート。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例に係るクロマキ
ーシステムの全体構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例に係るクロマキ
ーシステムの全体構成を示すブロック図。
【図8】図7のカメラヘッドコントローラの処理の一例
を示す概略フローチャート。
【図9】第1実施形態の変形例である入力装置を用いた
クロマキーシステムの全体構成を示すブロック図。
【図10】第1実施形態の変形例である入力装置を用い
たクロマキーシステムの全体構成を示すブロック図。
【図11】図10の制御コンピュータの処理の一例を示
す概略フローチャート。
【図12】背景画の画面領域及びカメラの移動に対応す
る移動範囲を概念的に示す図。
【図13】本発明の第2実施形態に係るクロマキーシス
テムの全体構成を示すブロック図。
【図14】第2実施形態の制御用コンピュータの処理の
一例を示す概略フローチャート。
【図15】第2実施形態において背景画(フィールド画
像)をシフトさせながら読み出す処理を概念的に示す
図。
【図16】本発明の第2実施形態の変形例に係るクロマ
キーシステムの全体構成を示すブロック図。
【図17】本発明の変形例に係るクロマキーシステムの
全体構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1,1a,1A,1B クロマキーシステム 2,2a,2A テレビカメラ 3,3a,3A ディスクアレイ装置 4,4a,4A デジタルズーマ 5,5a,5A 制御用コンピュータ 6,6a,6A クロマキーヤ 7,7A エンコーデッドカメラヘッド 8,8A ヘッドディテクタ 9,9a,9A ズームレンズ 10,10a,10A ズームディテクタ 12 フォーカスレンズ 13 フォーカスディテクタ 14 ディジタルビデオディレイ 15、15a カメラヘッド 16 カメラヘッドコントローラ 16a メモリ 17、17a 入力装置 18、21、60 グラフィック処理用コンピュータ 20 フレームメモリ 31 クロマキーシステム 32 レンズズーム駆動モータ 33 レンズフォーカス駆動モータ 34 パン方向駆動モータ 35 チルト方向駆動モータ 36 カメラ位置駆動モータ 37 制御コンピュータ 40 ズームポジション入力装置 41 フォーカスポジション入力装置 42 パン角度入力装置 43 チルト角度入力装置 44 カメラ位置入力装置 50 背景画像発生システム 51 表示装置 61 撮影装置

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象体の画像と背景画とをキーイング合
    成した合成画像を得るキーシステムにおいて、 撮像3次元空間内のある視点と前記対象体との間の位置
    関係に基づいて設定された3次元パラメータに対応付け
    て複数の前記背景画を予め読み出し自在に収録している
    メモリ装置と、前記対象体の画像に対応して設定された
    前記3次元パラメータ情報に応じて前記メモリ装置に収
    録されている複数の背景画の中からその情報に対応した
    背景画を選択して読み出す制御手段と、この制御手段に
    より読み出された背景画と前記対象体の画像とをキーイ
    ング合成して前記合成画像を作成するキーイング合成手
    段とを備えたことを特徴とするキーシステム。
  2. 【請求項2】 前記キーイング合成手段は、クロマキー
    合成処理を行なうクロマキーヤを有し、前記メモリ装置
    は、前記複数の背景画をディスクに予め読み出し自在に
    収録しているディスク装置である請求項1記載のキーシ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記対象体の画像は、キー用スクリーン
    の前に位置する前記対象体をカメラにより撮影して得ら
    れるとともに、前記3次元パラメータは前記カメラの撮
    影角度及びカメラの撮影位置の内の少なくとも一方を含
    む請求項2記載のキーシステム。
  4. 【請求項4】 前記対象体の画像をコンピュータグラフ
    ィック処理で作成する作成手段を備えた請求項2記載の
    キーシステム。
  5. 【請求項5】 前記対象体の2次元画像をスキャン撮影
    するスキャン撮影装置を備えた請求項2記載のキーシス
    テム。
  6. 【請求項6】 前記撮影角度及び撮影位置の少なくとも
    一方及び前記カメラのズームポジションをそれぞれ検出
    する検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出手段に
    より検出されたカメラの撮影角度及び撮影位置の少なく
    とも一方に対応した背景画を複数の背景画の中から選択
    して読み出す選択手段と、前記検出手段により検出され
    たズームポジションに基づいて当該選択された背景画の
    拡大または縮小率を設定する設定手段とを備えるととも
    に、 前記キーイング合成手段は、選択された背景画を前記拡
    大または縮小率に応じて拡大または縮小処理する拡大/
    縮小手段を備え、拡大または縮小処理された背景画と前
    記対象体の画像とをキーイング合成するようにした請求
    項3記載のキーシステム。
  7. 【請求項7】 前記カメラのフォーカスポジションを検
    出するフォーカスポジション検出手段を備え、前記制御
    手段は、前記フォーカスポジション検出手段により検出
    されたフォーカスポジションに基づいて、前記選択手段
    により選択して読み出された背景画に対して画像処理を
    施す画像処理手段を備えるとともに、前記拡大/縮小手
    段は、前記画像処理手段により画像処理が施された背景
    画に対して前記拡大または縮小処理を施すようにした請
    求項6記載のキーシステム。
  8. 【請求項8】 対象体の画像と背景画とをキーイング合
    成した合成画像を得るキーシステムにおいて、 撮像3次元空間内のある視点と前記対象体との間の位置
    関係に基づいて設定された3次元パラメータに対応付け
    て複数の前記背景画を予め読み出し自在に収録している
    メモリ装置と、前記対象体の画像を撮影するカメラと、
    前記3次元パラメータに対応する前記対象体の画像撮影
    に係わるパラメータを入力する入力手段と、前記入力手
    段により入力された撮影パラメータに基づいて当該カメ
    ラにおける前記対象体の画像撮影条件を可変制御する可
    変制御手段と、前記入力手段により入力された撮影パラ
    メータに対応した背景画を複数の背景画の中から選択し
    て読み出す制御手段と、この制御手段により読み出され
    た背景画と前記対象体の画像とをキーイング合成して前
    記合成画像を作成するキーイング合成手段とを備えたこ
    とを特徴とするキーシステム。
  9. 【請求項9】 対象体の画像と背景画とをキーイング合
    成した合成画像を得るキーシステムにおいて、 前記対象体の画像を撮影するカメラと、前記対象体の画
    像撮影に係わるパラメータを入力する入力手段と、前記
    入力手段により入力された撮影パラメータに基づいて当
    該カメラにおける前記対象体の画像撮影条件を可変制御
    する可変制御手段と、前記入力手段により入力された撮
    影パラメータに対応した背景画をグラフィック処理によ
    り作成するグラフィック処理用コンピュータと、作成さ
    れた背景画を読み出す読み出し手段と、この読み出し手
    段により読み出された背景画と前記対象体の画像とをキ
    ーイング合成して前記合成画像を作成するキーイング合
    成手段とを備えたことを特徴とするキーシステム。
  10. 【請求項10】 前記撮影パラメータは前記カメラの撮
    影角度、前記カメラの撮影位置、前記カメラのズームポ
    ジション、及び前記カメラのフォーカスポジションの内
    の少なくとも一つを含むとともに、 前記可変制御手段は、前記カメラが設置され当該カメラ
    の撮影角度及び撮影位置の内の少なくとも一方を変化可
    能に設定するカメラヘッド部と、前記カメラのズームポ
    ジションを変化可能に設定するズームポジション設定部
    と、前記カメラのフォーカスポジションを変化可能に設
    定するフォーカスポジション設定部と、前記入力手段か
    ら入力された撮影パラメータに基づいて前記カメラヘッ
    ド部、前記ズームポジション設定部及び前記フォーカス
    ポジション設定部の内の少なくとも一つを制御して当該
    入力撮影パラメータに対応した画像撮影条件を設定する
    制御手段とを備えた請求項8又は9記載のキーシステ
    ム。
  11. 【請求項11】 前記可変制御手段における前記画像撮
    影条件の可変制御にかかる時間τx と前記入力手段によ
    り撮影パラメータが入力されてから前記背景画が前記キ
    ーイング合成手段に送信されるまでの時間τy とを比較
    する比較手段と、この比較手段による比較結果に基づい
    て前記τx 及びτy の内の少なくとも一方を調整して当
    該τx 及びτy を略等しくする調整手段とを備えた請求
    項10記載のキーシステム。
  12. 【請求項12】 前記比較手段により前記τy が前記τ
    x より大きいと判断された場合、前記調整手段は、前記
    τx が前記τy と略一致するように前記入力手段から入
    力された撮影パラメータに基づく前記画像撮影条件の可
    変制御タイミングを所定時間遅延させるようにした請求
    項11記載のキーシステム。
  13. 【請求項13】 前記比較手段により前記τx が前記τ
    y より大きいと判断された場合、前記調整手段は、前記
    τy が前記τx と略一致するように、前記撮影パラメー
    タが入力されてから前記背景画を前記キーイング合成手
    段に送信するまでの処理における少なくとも一部の処理
    を所定時間遅延させるようにした請求項11記載のキー
    システム。
  14. 【請求項14】 対象体の画像と背景画とをキーイング
    合成した合成画像を得るキーシステムにおいて、 撮像3次元空間内の視点の位置及び角度の内の少なくと
    も一方に対応付けて複数の前記背景画を予め読み出し自
    在に収録しているメモリ装置と、少なくとも1画面の背
    景画を記録可能なバッファメモリと、前記対象体の画像
    に対応して設定された前記視点角度及び視点位置の内の
    少なくとも一方の情報に応じて前記メモリ装置に収録さ
    れた複数の背景画の中からその情報に対応した背景画を
    所定の読み出しタイミングに応じて選択して読み出す第
    1の読み出し手段と、この第1の読み出し手段から読み
    出された背景画を前記バッファメモリに記憶する記憶手
    段と、前記第1の読み出し手段により前記メモリ装置か
    ら背景画が読み出される間における前記設定角度及び設
    定位置の内の少なくとも一方の変化に応じて、前記バッ
    ファメモリに記憶された背景画を前記変化方向に沿って
    当該バッファメモリの少なくとも1画素ずつ移動させな
    がら読み出す第2の読み出し手段と、前記第1の読み出
    し手段により読み出された背景画と前記対象体の画像と
    をキーイング合成して前記合成画像を作成するととも
    に、前記第2の読みだし手段により読み出された背景画
    と前記対象体の画像とをキーイング合成して前記合成画
    像を作成するキーイング合成手段とを備えたことを特徴
    とするキーシステム。
  15. 【請求項15】 前記第2の読み出し手段は、前記バッ
    ファメモリに記憶された背景画をフィールド毎に読み出
    すようにした請求項14記載のキーシステム。
  16. 【請求項16】 対象体の画像と背景画とをキーイング
    合成した合成画像を得るキーシステムにおいて、 前記対象体の画像に対応して設定された視点角度及び位
    置の少なくとも一方の情報に対応した前記背景画をグラ
    フィック処理により作成するグラフィック処理用コンピ
    ュータと、少なくとも1画面の背景画を記録可能なバッ
    ファメモリと、前記グラフィック処理用コンピュータに
    より作成された背景画を所定の読み出しタイミングに応
    じて読み出す第1の読み出し手段と、この第1の読み出
    し手段から読み出された背景画を前記バッファメモリに
    記憶する記憶手段と、前記第1の読み出し手段により前
    記メモリ装置から背景画が読み出される間における前記
    設定角度及び設定位置の内の少なくとも一方の変化に応
    じて、前記バッファメモリに記憶された背景画を前記変
    化方向に沿って当該バッファメモリの少なくとも1画素
    ずつ移動させながら読み出す第2の読み出し手段と、前
    記第1の読み出し手段により読み出された背景画と前記
    対象体の画像とをキーイング合成して前記合成画像を作
    成するとともに、前記第2の読みだし手段により読み出
    された背景画と前記対象体の画像とをキーイング合成し
    て前記合成画像を作成するキーイング合成手段とを備え
    たことを特徴とするキーシステム。
  17. 【請求項17】 請求項1、8又は14記載のキーシス
    テムにおいて、 前記背景画を収録するメモリ装置は半導体メモリである
    ことを特徴とするキーシステム。
  18. 【請求項18】 請求項1、8又は14記載のキーシス
    テムにおいて、 前記メモリ装置は、背景画の映像データを非圧縮処理で
    収録してなることを特徴とするキーシステム。
  19. 【請求項19】 請求項1、8又は14記載のキーシス
    テムにおいて、 前記メモリ装置は、背景画の映像データを圧縮処理によ
    り収録してなることを特徴とするキーシステム。
  20. 【請求項20】 対象体の画像と背景画とをキーイング
    合成した合成画像を得る合成画像作成方法において、 撮像3次元空間内のある視点と前記対象体との間の位置
    関係に基づいて設定される3次元パラメータに対応付け
    て複数の前記背景画を予め準備するステップと、前記複
    数の背景画を読み出し自在にメモリに収録するステップ
    と、前記対象体の画像に対応して設定された前記3次元
    パラメータ情報に応じて前記メモリ装置に収録されてい
    る複数の背景画の中からその情報に対応した背景画を選
    択して読み出すステップと、読み出された背景画と前記
    対象体の画像とをキーイング合成して前記合成画像を作
    成するステップとを備えたことを特徴とする合成画像作
    成方法。
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