JPH11122521A - ディジタル撮像装置および撮像方法 - Google Patents

ディジタル撮像装置および撮像方法

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JPH11122521A
JPH11122521A JP10147491A JP14749198A JPH11122521A JP H11122521 A JPH11122521 A JP H11122521A JP 10147491 A JP10147491 A JP 10147491A JP 14749198 A JP14749198 A JP 14749198A JP H11122521 A JPH11122521 A JP H11122521A
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image
optical axis
images
image pickup
data
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JP10147491A
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Inventor
Noriyuki Yamashita
紀之 山下
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない操作で360度のパノラマ画像を得る
ことができる。 【解決手段】 撮影された画像に対して歪み補正が行わ
れる(S1)。縦方向に最大5枚の画像をシームレスに
つなぐ境界処理が行われる(S2)。その縦長の画像に
対して平面座標から円筒座標への変換処理が行われる
(S3)。右隣の画像に対して縦方向の境界処理が終了
したか否かが判断され(S4)、終了していない場合、
S1に制御が移り、終了している場合、S5へ制御が移
る。2つの縦長の画像同志を横方向にシームレスにつな
ぐ境界処理が行われる(S5)。360度分の横方向の
境界処理が終了したか否かが判断され(S6)、終了し
ていない場合、S1に制御が移り、終了している場合、
S7へ制御が移る。エンドレスにつなぐための境界処理
が行われ、360度のパノラマ画像が生成される(S
7)。そのパノラマ画像をファイルとして保存する(S
8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばディジタ
ルVCR(ビデオカセットレコーダ)に適用されるディ
ジタル撮像装置に関するもので、特にパノラマ画像を容
易に得ることができるディジタル撮像装置および撮像方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、静止画像を撮影し、その静止画像
をコンピュータに取り込み、好みの処理を行うという使
い方が定着しつつある。コンピュータ側の能力として
は、ビットマップファイル(拡張子がBMP)を扱うア
プリケーションソフトウェアが種々市販されていて、V
GA(640×480=30万画素)の25倍のサイズ
(3200×2400=768万画素)のものも表示す
ることが可能である。この画像は、縦横それぞれ5倍に
拡大しても十分な解像度が得られることは自明である。
しかも拡大したまま上下左右にスクロールすることがで
きるので地図や文章も見られるようになっている。
【0003】現在、このような多画素の静止画を撮影で
きる安価なビデオカメラが存在しない。しかし、やがて
安価な多画素CCD撮像素子が作られ、この問題は解消
されるであろう。ところが、CCD撮像素子がどんなに
発達してもできないことがある。それは超広角写真や室
内の床や天井を含む全方位撮影である。再生時に縦横に
スクロールしながら全ての方向を見ようとすると必ず複
数の画面を撮らなければならない。
【0004】レンズをズーム状態にしておき、緯度経度
を自由に変化させることのできる2軸アクティブミラー
で光軸を主に縦方向に素早く変化させながら、かつ、ビ
デオカメラの方向をゆっくりと変えながらマルチ画面を
撮影する。こうして記録された複数枚の画像データをパ
ソコン(パーソナルコンピュータ)に取り込み、付属の
専用ソフトウェアにより光軸を振ったために起こる歪み
の補正と境界をシームレスにつなぐ処理をし、さらに球
面変換をすれば一枚の多画素広角静止画が得られる。但
し、これらのソフトウェアは、撮影時の条件が悪いと正
しく動作しない、遠景や平面画像は殆ど問題ないが、近
距離でかつ奥行きのある被写体の場合、隣接する全ての
画像のレンズの入射瞳が一致していないと視差のためシ
ームレスにつなぐことができない。これは、ソフトウェ
アの問題ではなく、撮影時の問題である。これを解決す
るには入射瞳の位置を変えないようにしながらビデオカ
メラの方向を変える必要があるが、入射瞳の位置はズー
ムでも変わるし、手持ちでは不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のビ
デオカメラでは、360度のパノラマ画像を撮影する場
合、何回もシャッターを押さなければならなかった。そ
して、撮影された複数の画像を張り合わせるのに、つな
ぎ目がなかなかスムーズにつながらなかったので、かな
り手間がかかった。
【0006】従って、この発明の目的は、少ない操作で
360度のパノラマ画像を得ることが出来るディジタル
撮像装置および撮像方法を提供することにある。
【0007】また、この発明の他の目的は、ズームによ
り得た複数のフィールド画像をシームレスにつなげるこ
とによってパノラマ画像を得る場合に、高画質のパノラ
マ画像を形成することができるディジタル撮像装置およ
び撮像方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、記録時には、光軸を縦横に素早く変化させながら複
数の画像を撮像素子で撮影し、撮像信号をディジタル画
像圧縮して各種のサブデータと共に記録媒体に記録し、
再生時には、画像伸長して画像データ処理手段にデータ
を送信する方式のディジタル撮像装置であって、光軸走
査ブロックを有し、所定の枚数第1の方向に撮影し、所
定の枚数第1の方向の撮影が終了すると最後に撮影され
た画像の隣に光軸を変化させ、所定の枚数第1の方向に
撮影するように、光軸走査ブロックによって、光軸を変
化させ、光軸の変化と対応させて、撮像装置本体を第2
の方向に回転させ、互いに重複する部分を有する複数の
撮像画像を得るようにしたことを特徴とするディジタル
撮像装置である。
【0009】請求項8に記載の発明は、記録時には、光
軸を縦横に素早く変化させながら複数の画像を撮像素子
で撮影し、撮像信号をディジタル画像圧縮して各種のサ
ブデータと共に記録媒体に記録し、再生時には、画像伸
長して画像データ処理手段にデータを送信する方式のデ
ィジタル撮像装置を使用した撮像方法であって、光軸走
査ブロックを有し、所定の枚数第1の方向に撮影し、所
定の枚数第1の方向の撮影が終了すると最後に撮影され
た画像の隣に光軸を変化させ、所定の枚数第1の方向に
撮影するように、光軸走査ブロックによって、光軸を変
化させ、光軸の変化と対応させて、撮像装置本体を第2
の方向に回転させ、互いに重複する部分を有する複数の
撮像画像を得るようにしたことを特徴とする撮像方法で
ある。
【0010】請求項9に記載の発明は、記録時には、光
軸を縦横に素早く変化させながら複数の画像を撮像素子
で撮影し、撮像信号をディジタル画像圧縮して各種のサ
ブデータと共に記録媒体に記録し、再生時には、画像伸
長して画像データ処理手段にデータを送信する方式のデ
ィジタル撮像装置を使用した撮像方法であって、複数の
画像を撮像素子で撮影する時に、レンズを望遠状態と
し、画像データ処理手段の処理によって、複数の撮像画
像をシームレスにつなぎ、高画質のパノラマ画像を生成
するようにしたことを特徴とする撮像方法である。
【0011】請求項11に記載の発明は、記録時には、
光軸を縦横に素早く変化させながら複数の画像を撮像素
子で撮影し、撮像信号をディジタル画像圧縮して各種の
サブデータと共に記録媒体に記録し、再生時には、画像
伸長して画像データ処理手段にデータを送信する方式の
ディジタル撮像装置であって、撮像素子の光軸を水平方
向および垂直方向に回転させる撮像素子支持部を有し、
所定の枚数第1の方向に撮影し、所定の枚数第1の方向
の撮影が終了すると最後に撮影された画像の隣に光軸を
変化させ、所定の枚数第1の方向に撮影するように、撮
像素子支持部によって、光軸を変化させ、互いに重複す
る部分を有する複数の撮像画像を得るようにしたことを
特徴とするディジタル撮像装置である。
【0012】請求項12に記載の発明は、記録時には、
光軸を縦横に素早く変化させながら複数の画像を撮像素
子で撮影し、撮像信号をディジタル画像圧縮して各種の
サブデータと共に記録媒体に記録し、再生時には、画像
伸長して画像データ処理手段にデータを送信する方式の
ディジタル撮像装置を使用した撮像方法であって、撮像
素子の光軸を水平方向および垂直方向に回転させる撮像
素子支持部を有し、所定の枚数第1の方向に撮影し、所
定の枚数第1の方向の撮影が終了すると最後に撮影され
た画像の隣に光軸を変化させ、所定の枚数第1の方向に
撮影するように、撮像素子支持部によって、光軸を変化
させ、互いに重複する部分を有する複数の撮像画像を得
るようにしたことを特徴とする撮像方法である。
【0013】レンズをズーム状態にしておき、緯度経度
を自由に変化させることのできる2軸アクティブミラー
で光軸を主に縦方向に素早く変化させながら、かつ、ビ
デオカメラの方向をゆっくりと変えながらマルチ画面を
撮影する。こうして記録された複数枚の画像データをパ
ソコン(画像データ処理手段)に取り込み、付属の専用
ソフトウェアにより光軸を振ったために起こる歪みの補
正と、円筒座標への変換と、境界をシームレスにつなぐ
処理とを行うと、一枚の多画素広角静止画が得られる。
この一枚の多画素広角静止画をスクロールの度にまたは
拡大縮小の度にそのときの画角に合った平面画像に逆変
換して表示する。また、レンズをズーム状態にすること
によって、複数の画像を獲得するので、獲得した全ての
画像をシームレスにつなぎ合わせることによって高画質
のパノラマ画像を形成することができる。さらに、2軸
アクティブミラーの代わりに、水平方向および垂直方向
に撮像素子を回転させ光軸を変化させる撮像素子支持部
を設けることによって、マルチ画面を撮影することがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は、この発明を適用
できるディジタル撮像装置の一実施形態を示すブロック
図である。まず、1で示す被写体は、ミラーブロック1
8を介してレンズブロック2へ入射される。ミラーブロ
ック18は、後述するように着脱可能であり、90°回
転させることも可能なものである。レンズブロック2
は、フォーカスサーボ11によって駆動される。そのフ
ォーカスサーボ11は、シスコン(システムコントロー
ラ)15によって制御される。レンズブロック2に入射
された被写体1は、CCD撮像素子3へ供給される。
【0015】CCD撮像素子3は、被写体1からの入射
光が電荷として蓄積される。電子シャッター駆動回路1
2には、シスコン15からの制御信号が供給され、電子
シャッター駆動回路12によって、CCD撮像素子3の
電子シャッターのオン/オフが制御される。これによっ
て、CCD撮像素子3の電子シャッターが駆動され、供
給された被写体1が、上述したように、取り込まれる。
取り込まれた被写体1は、A/D変換器(図示せず)に
よりディジタル化され、ディジタル撮像信号(以下、画
像信号と称する)として、圧縮回路4を介して一旦画像
メモリ7に供給されるとともに、スイッチ8の記録端子
(Rec)にも供給される。
【0016】スイッチ8を介して画像信号は、電子ビュ
ーファインダ(EVF)9へ表示されるとともに、ビデ
オ出力端子10を介して、例えば外部のパソコンへ出力
される。電子ビューファインダ9は、一例として液晶デ
ィスプレイからなる。
【0017】画像メモリ7は、数フィールドの画像を記
憶する容量を有する。この画像メモリ7に記憶された画
像信号は、圧縮回路4によって順次圧縮処理が施され
る。一例として、静止画として取り込まれた画像に対し
てJPEG(Joint Photographic Experts Group)が施
され、動画として取り込む画像に対してMPEG(Movi
ng Picture Experts Group)が施される。生成された圧
縮画像信号に対して、サブデータ付加回路13からのサ
ブデータが付加される。サブデータが付加された圧縮画
像信号は、記録媒体5に供給される。サブデータ付加回
路13から供給されるサブデータは、例えば日付、時
刻、フォーカス状態、シャッター速度、絞りの状態、総
枚数、何枚目、方向、・・・等の画像信号が撮影された
ときの情報である。記録媒体5に供給された圧縮画像信
号とサブデータは、シスコン15の制御に従って記録さ
れる。この記録媒体5の一例として、半導体メモリカー
ド、ディスク状記録媒体またはテープ状記録媒体等の記
録媒体が使用可能である。
【0018】操作系16からの指定に応じたシスコン1
5の制御によって、記録媒体5から圧縮画像信号が読み
出される。読み出された圧縮画像信号は、伸長回路6を
介して一旦画像メモリ7へ供給される。伸長回路6によ
って、画像メモリ7に記録された圧縮画像信号に対して
順次伸長処理が施され、すなわちJPEGまたはMPE
Gの復号がなされる。さらに、圧縮画像信号から分離さ
れたサブデータがサブデータ読み取り回路14へ供給さ
れる。伸長された画像信号は、伸長回路6からスイッチ
8の再生端子(PB)へ供給される。サブデータ読み取
り回路14では、供給されたサブデータから日付、時
刻、フォーカス状態、シャッター速度、絞りの状態、総
枚数、何枚目、方向、・・・等の情報が読み取られ、そ
の情報は、シスコン15へ供給される。
【0019】具体的な動作を説明する。記録時には、電
子ビューファインダ9を覗き、フォーカスを合わせ、操
作系16に含まれる録画キーを押すと、被写体1は、レ
ンズブロック2を通り、CCD撮像素子3に入射され
る。この撮像信号は、一旦画像メモリ7に記憶され、圧
縮回路4によってJPEGまたはMPEGなどの画像圧
縮の処理が順次行われる。そして、サブデータ付加回路
13からの時刻や日時などに加え、絞りの状態、フォー
カス状態、電子シャッター速度などのサブデータが圧縮
画像信号に付加されてテープ、ディスクまたは半導体メ
モリ等の記録媒体5に記録される。
【0020】そして、再生時は、例えば記録媒体5から
圧縮画像信号を読み出し、画像メモリ7に記録する。記
録された圧縮画像信号は、伸長回路6によって画像信号
に順次復調される。このとき、サブデータをサブデータ
読み取り回路14で取り出し、目的の画像を電子ビュー
ファインダ9およびビデオ出力端子10に出力する。
【0021】このディジタル撮像装置の外観の一例を図
2に示す。図2に示すように撮像装置本体には、電子ビ
ューファインダ9が配置され、さらに着脱可能なミラー
ブロック18を有している。図2Aに示すように、撮像
装置本体は、ミラーブロック18を介して横長の画像を
取り込むことができる。また、図2Bに示すように、撮
像装置本体を90°回転させた状態でも、ミラーブロッ
ク18を撮像装置本体に装着することができる。この場
合は、ミラーブロック18が90°回転されて取り付け
られ、その装着によって、縦長の方向の画像を取り込む
ことができる。このとき、撮像装置本体に接続したまま
ミラーブロック18を回転させても良いが、ミラーブロ
ック18を取り外した後、取り付けるようにしても良
い。
【0022】次に、縦横に光軸を素早く変化させながら
マルチ画面を撮影することのできる、ディジタル撮像装
置(以下、ビデオカメラと称する)を用いて360度全
周パノラマ画像の撮影を行う。ユーザは、レンズブロッ
ク2を縦長モードで装着し、縦枚数Nvと重複率Khを
有効枚数Ne=Nv・(1−Kh)が5を超えないよう
に指定し、パノラマ撮影モードにして、スタートボタン
を押して、ビデオカメラを持ったままゆっくり右回転す
る。1周余り回転したらストップボタンを押す。この撮
影中に2軸アクティブミラーの光軸は、1フィールド単
位で図3Aに示す1〜10の位置に向く動作を繰り返
す。ミラーがこの動作をいている間にビデオカメラ全体
が右方向に回転するので撮影された被写体は図3Bに示
すようになり、全ての画面が重複部分を保ちながら、記
録される。
【0023】回転する速さが適正のときは図3Bに示す
ようになるが、回転する速さが遅いときは図3Cに示す
ようになる。このときは重複部分が多くなってテープ消
費量が増えるだけで問題はない。しかしながら、回転す
る速さが早すぎると図3Dに示すようになり、重複部分
が確保できなくなり、欠落部分を生じてしまう。
【0024】水平画角θH =5°p-p を縦長モードにす
るとアスペクト比が4:3なら水平画角は2・θH2≒5
×3/4=3.75°p-p となる。縦枚数Nv=5で重
複率をKh=20%とすると全周で必要な枚数Nは、 N=Nv・360/(2・θH2・(1−Kh)) =5×360/(3.75×0.8)=600枚 となる。
【0025】1秒当たりの撮像枚数をf=60(枚/
秒)とすれば全周に必要な時間Tは、 T=N/f=600/60=10(秒) となる。
【0026】従って、90°回転する時間を表示し、
(この場合2.5秒)絶対にこの値より速く回転させな
いように注意を促せば良い。推奨値は、5秒程度とす
る。また、奥行きのある場面を撮りたいときは視差の問
題を軽減するため、Nv、Kv、Khを大きくし、時間
をかけて撮れば良い。さらに、角速度センサを利用して
撮影中の回転の速さを検出し、画像が欠落した可能性が
高いときは取り直しを促す警告を画面内に表示する。
【0027】この一例では、縦方向にミラーを動作さ
せ、横方向にビデオカメラを動作させているが、横方向
にミラーを動作させ、縦方向にビデオカメラを動作させ
るようにしても良い。
【0028】こうして得られた平面画像の集合をパソコ
ンに取り込み、そのパソコン上で各種の処理を専用ソフ
トウェアで行う一例を図4のフローチャートを用いて説
明する。ステップS1では、撮影された画像に対して、
後述するように平面座標から円筒座標への変換処理が行
われる。ステップS2では、円筒座標に変換された画像
に対して歪み補正が行われる。ステップS3では、縦方
向に最大5枚の画像をシームレスにつなぐ境界処理が行
われる。ステップS4では、境界処理が施された縦長の
画像に対して右隣の画像と縦方向の境界処理が終了した
か否かが判断され、縦方向の境界処理が終了していない
場合、ステップS1に制御が移り、終了している場合、
ステップS5へ制御が移る。
【0029】ステップS5では、2つの縦長の画像同志
を横方向にシームレスにつなぐ境界処理が行われる。ス
テップS6では、360度分の横方向の境界処理が終了
したか否かが判断され、360度分の横方向の境界処理
が終了していない場合、ステップS1に制御が移り、終
了している場合、ステップS7へ制御が移る。ステップ
S7では、一周したところでエンドレスにつなぐための
境界処理が行われ、その結果、360度全周のパノラマ
画像が生成される。ステップS8では、生成された1枚
のパノラマ画像をファイルとして保存する。
【0030】画面上の表示について説明する。撮影時に
1枚の画像は、水平画角3.75(deg)で480画
素の解像度を有している。これを全周にわたってシーム
レス処理を行うと、(360/3.75)×480=4
6080画素となる。縦方向には、5枚のマルチ画面で
重複による有効率を80%とすると640×5×0.8
=2560画素となって、全体で117964800画
素となる。縦横比は、1:18である。
【0031】全体表示をすると3段階に分かれて表示さ
れる。方位の目盛が同時に表示される。始点が0度で終
点が360度になる。必要に応じて400度まで表示す
ることができる。左上と右下は本来連続しているもので
あるが、ファイル内では、始点と終点になっている。カ
ラープリントをする場合、始点を自由に設定でき、表示
もそれに応じて変わる。すなわち、相対方位の設定がで
きる。例えば、ある特定の位置を0度とし、右へ+18
0度まで表示し、左へ−180度まで表示することがで
きる。
【0032】また、絶対方位を設定することもできる。
東西南北の方向がわかっているときそれを設定すると方
位目盛と東西南北が表示される。これらの方位目盛は、
カラープリント時に併記するこも削除することもでき
る。さらに、パソコンの画面上で、拡大ボタンを左クリ
ックすると1ステップ拡大し、縮小ボタンを左クリック
すると1ステップ縮小される。拡大された状態では画面
上をドラッグすると縦横にスクロールすることができ
る。
【0033】ここで、マルチ画面の基礎として、被写体
とCCD撮像素子の関係を図5を用いて説明する。図5
に示すようにCCD撮像素子からL(mm)の距離にあ
る横サイズ2LH 、縦サイズ2LV (mm)、アスペク
ト比Aの長方形の平面被写体が正しく撮影できる。水平
画角2θH (rad)のビデオカメラがある。すると、 LH =L・tan(θH ) (1) LV =LH /A (2) のように式が成り立つ。
【0034】この平面をh−v平面とし、図6Aに示す
ように中心に原点(0,0)を配置する。h−v平面上
のLH ×LV の領域を640×480に分けた網目の中
心が図6BにようにCCD撮像素子上のi=0〜63
9、j=0〜479に投影される。従って、座標(i,
j)と(h1,v1)の関係は、 h1=(i−319.5)・(LH /320) (3) v1=(i−239.5)・(LV /240) (4) となる。但し、i、jは整数であり、h1、v1は実数
である。
【0035】また、CCD撮像素子上の座標と光の方向
との関係を図7を用いて説明する。図7に従って、CC
D撮像素子のi−j平面内の任意の点(i,j)に対応
している点(h1,v1)と光軸からの偏移との関係を
求める。経度は、h1のみの関数であり、これをP1と
すれば、 P1=tan-1(L/h1) (5) となり、図7中のAB間の距離はLiは、 Li=L/sin(P1) (6) であり、緯度はh1、v1の関数となる。これをQ1と
すれば、 Q1=tan-1(v1/Li) (7) となる。このようにi、jが決まれば、それに対応する
経度P1と緯度Q1が決まる。
【0036】次に、求められた経度P1と緯度Q1の方
向を3次元ベクトルで表す。(P1,Q1)の方向ベク
トルD1(長さ1)を直交座標(x,y,z)で表すと
図8に示すように、 x1=cos(P1)・cos(Q1) (8) y1=sin(P1)・cos(Q1) (9) z1=sin(Q1) (10) となる。
【0037】直交座標内でレンズを−yの方向にL2だ
け平行移動したときレンズの位置O2は、 ox2=0 oy2=−L2 oz2=0 となる。
【0038】そして、方向ベクトルの先端D2も−yの
方向にL2だけ移動すると、 x2=x1 y2=y1−L2 x2=z1 となる。
【0039】ここでビデオカメラをx軸のまわりにQa
だけ回転したときレンズの中心O3と方向ベクトルの先
端D3は、 ox3=ox2 oy3=oy2・cos(Qa)+oz2・sin(Q
a) oz3=−oy2・sin(Qa)+oz2・cos
(Qa) x3=x2 y3=y2・cos(Qa)+z2・sin(Qa) z3=−y2・sin(Qa)+z2・cos(Qa) となる。
【0040】さらに、ビデオカメラをz軸まわりにPa
だけ回転したときレンズの中心O4と方向ベクトルの先
端D4は、 ox4=ox3・cos(Pa)+oy3・sin(P
a) oy4=−ox3・sin(Pa)+oy3・cos
(Pa) oz4=oz3 x4=x3・cos(Pa)+y3・sin(Pa) y4=−x3・sin(Pa)+y3・cos(Pa) z4=z3 となる。
【0041】そして、さらに3方向にそれぞれxx、y
y,zzだけ平行移動すると、 ox5=ox4+xx (11) oy5=ox4+yy (12) oz5=oz4+zz (13) x5=x4+xx (14) y5=x4+yy (15) z5=z4+zz (16) となる。
【0042】このようにして得られたO5、D5はレン
ズの前方L2(mm)の点を中心に方向を変え、さらに
上下前後左右に移動したときのレンズの中心と方向を示
している。
【0043】ここで、図9を用いて、直方体の部屋の中
にビデオカメラがあることを想定して、壁や天井の模様
がどのように見えるかシュミレーションを行う。図9A
に示す6つの面の模様を、図9Bに示すように全て白地
に黒の格子とする。メモリ上の黒線の幅をbl=2と
し、白部分の幅をwh=8とし、x方向の黒線の数をx
lin=9とし、y方向の黒線の数をylin=11と
し、z方向の黒線の数をzlin=7とする。するとメ
モリ上の3方向のサイズは、 xsiz=xlin・(bl+wh)−wh=82 ysiz=ylin・(bl+wh)−wh=102 zsiz=zlin・(bl+wh)−wh=62 となる。
【0044】縦横の区別がわかるようにするため各面の
1つの隅の白レベルを少し下げて目印とする。一方、実
際のサイズを得るため2本の黒線の間隔kyori=1
000.0(mm)を与えると実サイズの半値xmax
とメモリサイズxsizの比は、k2=kyori/
(2・(bl+wh))であり、部屋のサイズは、 xmax=k2・xsiz=4100 ymax=k2・ysiz=5100 zmax=k2・zsiz=3100 となる。
【0045】この直方体の中心を原点にとり、各方向の
サイズをそれぞれ±xmax、±ymax、±zmax
とする。そして、式(11)、式(12)、式(1
3)、式(14)、式(15)、式(16)のO5から
D5に向かう直線がこの直方体に交わる点のメモリの値
を出力画像とすることによって、見た通りの画像が生成
できる。あとは各パラメータを変えながら表示すればア
ニメーション的な動きを見ることができる。
【0046】図10A、図10B、図10C、図10D
は、正面、真後ろ、左、右のそれぞれの壁から水平サイ
ズが丁度になる位置にビデオカメラを置いたときの画像
である。具体的には、図10Aは、ビデオカメラから供
給される正面の壁の画像であり、図10Bは、真後ろの
壁の画像である。図10Cは、左の壁の画像であり、図
10Dは、右の壁の画像である。図10Eは、正面の壁
に対して右に2m平行移動したビデオカメラから得られ
た画像であり、図10Fは、正面の壁に対して上に2m
平行移動したビデオカメラから得られた画像である。
【0047】そして、各画像が撮影されたときのパラメ
ータは、 (gnum:sel:thh: xx: yy: zz: pa: qa:imax:jmax:l2) 図10A:( 0: 0: 45: 0: 1000: 0: 0: 0: 256: 192: 0) 図10B:( 1: 0: 45: 0:-1000: 0: 180: 0: 256: 192: 0) 図10C:( 2: 0: 45: 1000: 0: 0: 90: 0: 256: 192: 0) 図10D:( 3: 0: 45:-1000: 0: 0: 270: 0: 256: 192: 0) 図10E:( 4: 0: 45: 2000: 1000: 0: 0: 0: 256: 192: 0) 図10F:( 5: 0: 45: 0: 1000: 2000: 0: 0: 256: 192: 0) となる。
【0048】但し、gnum:ファイル番号、sel:
0:平面、1:円筒面、thh:水平画角の半分
(度)、xx:yy:zz:平行移動(mm)、pa:
経度(0度が正面で左が正)、qa:緯度(0度が正面
で上が正)、imax:jmax:画素数とする。ま
た、l2は視点からミラーブロックまでの距離であり、
実際には、視点からl2の点を中心に光軸が回転するの
で、視差の影響がある。しかしながら、この一例では、
擬似的に0として計算する。
【0049】図11Aは、正面の壁に対して上に45度
振ったビデオカメラから得られた画像であり、図11B
は、正面の壁に対して下に45度振ったビデオカメラか
ら得られた画像であり、図11Cは、正面の壁に対して
左に45度振ったビデオカメラから得られた画像であ
り、図11Dは、正面の壁に対して右に45度振ったビ
デオカメラから得られた画像である。図11Eは、正面
の壁に対して左上に45度振ったビデオカメラから得ら
れた画像であり、図11Fは、正面の壁に対して右上に
45度振ったビデオカメラから得られた画像であり、図
11Gは、正面の壁に対して左下に45度振ったビデオ
カメラから得られた画像であり、図11Hは、正面の壁
に対して右下に45度振ったビデオカメラから得られた
画像である。
【0050】このときのパラメータは、 (gnum:sel:thh: xx: yy: zz: pa: qa:imax:jmax:l2) 図11A:( 6: 0: 45: 0: 0: 0: 0: 45: 256: 192: 0) 図11B:( 7: 0: 45: 0: 0: 0: 0:-45: 256: 192: 0) 図11C:( 8: 0: 45: 0: 0: 0: 45: 0: 256: 192: 0) 図11D:( 9: 0: 45: 0: 0: 0: -45: 0: 256: 192: 0) 図11E:( 10: 0: 45: 0: 0: 0: 45: 45: 256: 192: 0) 図11F:( 11: 0: 45: 0: 0: 0: 45:-45: 256: 192: 0) 図11G:( 12: 0: 45: 0: 0: 0: -45: 45: 256: 192: 0) 図11H:( 13: 0: 45: 0: 0: 0: -45:-45: 256: 192: 0) となる。
【0051】ビデオカメラの方向を変えて撮った複数の
画像をシームレスにつなぐ場合、横軸を直線距離とする
より角度とした方が便利である。そこで、平面画像を円
筒面に投影する変換を行う。上述と同様に、水平画角2
θH (rad)、アスペクト比Aのビデオカメラがあ
る。図12Bに示すようにL(mm)の距離のh−v平
面がLH ×LV のサイズで撮れるようになっている。式
(1)、式(2)で示すように、この光線を半径L(m
m)の円筒面に投影し、これを単に平面状に拡げたもの
をx−y平面とする(図12A)。これを整数tmax
×vmaxの網目状の画素(t,v)に投影する(図1
2C)。
【0052】t、vを決めるとそれに対応するx、y
は、 x=(t−(tmax−1)/2)・(2・θH /tmax) (17) y=(v−(vmax−1)/2)・(2・LV /vmax) (18) となる。
【0053】経度P1を図12Bのように決めると、 P1=π/2−x (19) となる。
【0054】緯度Q1は、 Q1=tan-1(y/L) (20) となる。
【0055】式(17)、式(18)、式(19)、式
(20)は、任意の画素(t,v)に対応する方向(P
1,Q1)を求める方法を示している。一方、(P1,
Q1)の方向がh−v平面と交わる座標(h4,v4)
は、 h4=L/tan(P1) v4=L・tan(Q1)/sin(P1) である。
【0056】これとCCD撮像素子の画素(i,j)と
の関係は式(3)、式(4)から得られ、 i=(h4・tmax/LH +tmax−1)/2 (21) j=(v4・vmax/LV +vmax−1)/2 (22) となる。
【0057】これらの式は、方向(P1,Q1)に対応
するCCD撮像素子上の座標を実数に拡張した点(i,
j)を求める式である。整数(t,v)を与えて方向
(P1,Q1)を求め、さらに実数(i,j)が求まっ
たら、次はその点を囲む整数の何点かから補完演算を行
い、この値を円筒座標の点(t,v)のデータとする。
【0058】図13および図14に実際に円筒座標への
変換を行った一例を示す。図13Aは、原点にビデオカ
メラを設置し、正面の壁の画像を撮影したものであり、
図13Bは、右の壁の画像を撮影したものであり、図1
3Cは、真後ろの壁を撮影したものである。このよう
に、図13A、図13B、図13Cは、正面、右、真後
ろと画像を並べたものであるが、各画像のつなぎ目が不
自然である。そこで、それぞれを円筒座標に変換したも
のが図13D、図13E、図13Fである。
【0059】このときのパラメータは、 (gnum:sel:thh: xx: yy: zz: pa: qa:imax:jmax:l2) 図13A:( 40: 0: 45: 0: 0: 0: 0: 0: 256: 192: 0) 図13B:( 46: 0: 45: 0: 0: 0: 270: 0: 256: 192: 0) 図13C:( 44: 0: 45: 0: 0: 0: 180: 0: 256: 192: 0) 図13D:( 20: 1: 45: 0: 0: 0: 0: 0: 256: 192: 0) 図13E:( 26: 1: 45: 0: 0: 0: 270: 0: 256: 192: 0) 図13F:( 24: 1: 45: 0: 0: 0: 180: 0: 256: 192: 0) となる。
【0060】図14Aは、原点にビデオカメラを設置
し、正面の壁に対して右に45度振った画像であり、図
14Bは、真後ろの壁に対して45度左に振った画像で
あり、図14Cは、真後ろの壁に対して右に45度振っ
た画像である。このように、図14A、図14B、図1
4Cは、正面、右、真後ろと画像を並べたものである
が、上述と同様に、各画像のつなぎ目が不自然である。
そこで、それぞれを円筒座標に変換したものが図14
D、図14E、図14Fである。
【0061】このときのパラメータは、 (gnum:sel:thh: xx: yy: zz: pa: qa:imax:jmax:l2) 図13A:( 47: 0: 45: 0: 0: 0: -45: 0: 256: 192: 0) 図13B:( 45: 0: 45: 0: 0: 0:-135: 0: 256: 192: 0) 図13C:( 43: 0: 45: 0: 0: 0: 135: 0: 256: 192: 0) 図13D:( 27: 1: 45: 0: 0: 0: -45: 0: 256: 192: 0) 図13E:( 25: 1: 45: 0: 0: 0:-135: 0: 256: 192: 0) 図13F:( 23: 1: 45: 0: 0: 0: 135: 0: 256: 192: 0) となる。
【0062】このように、全方位撮影した場合、円筒変
換または球面変換のため本来真っ直ぐな線が歪曲して表
示される。しかしながら、円筒座標に変換すると境界が
滑らかにつながり、境界処理が可能になる。
【0063】次に、円筒座標の画像から平面座標の画像
への変換の一例を説明する。上述した円筒状の画像があ
り、その画素(t,v)が t=0〜tmax−1 v=0〜vmax−1 の2次元メモリ空間に入っている。
【0064】サイズは、角度が−θH 〜θH (deg)
であり、高さが−Lv 〜Lv (mm)である。今、 ib=0〜ibmax−1 jb=0〜jbmax−1 の2次元メモリ空間に平面画像を出力することを考え
る。
【0065】アスペクト比は、Ab=ibmax/jb
maxとし、円筒の半径を仮にL(値は何でも良い)と
する。するとLの距離にあるh−v平面のサイズは、 Lhb=L・tan(thb) Lvb=Lhb/Ab となる。
【0066】ib、jbを決めるとそれに応じてh−v
平面との交点(hb1,vb1)が式(3)、式(4)
と同様にして、 hb1=(ib−ibmax/2+0.5)・(2・L
hb/ibmax) vb1=(jb−jbmax/2+0.5)・(2・L
vb/jbmax) のように決まる。
【0067】すると、経度P1と緯度Q1とも上述した
式(5)、式(6)、式(7)のように決まる。そし
て、(P1,Q1)の方向ベクトルを直交座標(x,
y,z)で表すと、上述した式(8)、式(9)、式
(10)で求められる。
【0068】ここで、ビデオカメラがx軸のまわりをQ
bだけ回転したとき方向ベクトルの先端は、 x2=x1 y2=y1・cos(Qb)+z1・sin(Qb) z2=−y1・sin(Qb)+z1・cos(Qb) となる。
【0069】さらに、ビデオカメラがz軸のまわりをP
bだけ回転したたとき方向ベクトルの先端は、 x3=x2・cos(Pb)+y2・sin(Pb) y3=−x2・sin(Pb)+y2・cos(Pb) z3=z2 となる。
【0070】この方向ベクトルの延長線が円筒に交わる
点の垂直位置v2と経度P2は、 v2=L・z3/sqrt(x33 +y32 ) P2=π/2−tan-1(y3/x3) となる。
【0071】さらに、これがメモリ空間(t,v)のど
こに相当するかは式(21)、式(22)と同様にし
て、 i=(P2・tmax/thh+tmax−1)/2 j=(v2・vmax/Lv +vmax−1)/2 となる。
【0072】これらの式は、方向(P1,Q1)に対応
する出力画面の座標を実際に拡張した点(i,j)を求
める式である。整数(ib,jb)を与えて方向(P
1,Q1)を求め、さらに実数(i,j)が求まったら
次はその点を囲む整数の何点かから補完演算を行い、こ
の値を円筒座標の点(ib,jb)のデータとする。
【0073】図15および図16に実際に円筒座標への
変換を行った一例を示す。図15Aは正面の壁を画角9
0°p−pで撮った画像であり、図15Bは、図15A
の画像を円筒座標に変換したものである。図15C〜図
15Gは、何れも図15Bを入力として平面に逆変換し
たものである。図15Cは、図15Aと全く同一の画像
になっている。図15Dは、45°左を見たように変換
されている。図15Eは、20°上を見たように変換さ
れ、図15Fは、20°下を見たように変換された画像
である。図15Gは、20°左および20°上であっ
て、画角を40°p−pに狭くして見た画像である。
【0074】図16Aは、45°右に向いて撮った画像
であり、図16Bは、図16Aの画像を円筒座標に変換
したものである。図16C〜図16Gは、何れも図16
Bを入力として平面に逆変換したものである。図16C
は、図16Aと全く同一の画像になっている。図16D
は、45°左を見たように変換されている。図16E
は、20°上を見たように変換され、図16Fは、20
°下を見たように変換された画像である。図16Gは、
20°左および20°上であって、画角を40°p−p
に狭くして見た画像である。
【0075】このように斜めから撮った壁の画像を正面
から見たように変換することもできる。この方法は、メ
モリを重複して占有しない利点があるが、2回変換を行
うため画質劣化が多い欠点がある。
【0076】このように、全体を表示する場合はやむを
えないが、拡大表示のときは、円筒画像から平面画像に
戻して表示する。すなわち、スクロールの度にまたは拡
大縮小の度にそのときの画角に合った平面変換を行って
表示する。こうすると、どの場面を見てもあたかもその
場所からその画角で見ているかのように見える。
【0077】上述した一実施形態では、光軸変換手段と
してミラーブロック18を用いたが、これに限らず、光
軸の向きを変えることができるものであればどのような
ものでも良い。例えば、光軸の向きを変えるために、C
CD撮像素子を水平方向および垂直方向に駆動するよう
にしても良い。
【0078】その光軸変換手段の他の例を図17に示
す。カメラブロック61は、CCDとレンズが一体とな
っている。枠形の可動フレーム63の一面には、緯度用
モータ62が固定される。緯度用モータ62の軸64
は、可動フレーム63の対向面の軸受け65を介して通
され、軸64の略中心にカメラブロック61が固定され
る。緯度用モータ62によって、カメラブロック61を
回転させ、上下方向に光軸を変化させることができる。
【0079】可動フレーム63の外周を取り囲むよう
に、枠形の固定フレーム66が設けられる。固定フレー
ム66の例えば下面には、経度用モータ67が固定され
る。経度用モータ67の軸は、可動フレーム63に固定
される。固定フレーム66の対向面には、可動フレーム
63を回動可能に取り付けるために、軸および軸受け6
8が設けられる。経度用モータ67によって、可動フレ
ーム63を回転させ、左右方向に光軸を変化させること
ができる。このように、固定フレーム66の中心に配置
したカメラブロック61を互いに直交する軸を中心とし
て回転させることによって、光軸を上下左右に変えるこ
とができる。
【0080】この一実施形態では、レンズを望遠状態と
することによって、画像の画角を極力狭くし、その分、
枚数を増やして撮影する。こうすると視差の影響をなか
り減少させることができる。
【0081】この一実施形態では、全画面を瞬時に撮れ
ないため静止している被写体に限定される。しかしなが
ら、通常のビデオカメラを使って高解像度の静止画を得
ることができる。とはいえ、できるだけ短時間で撮り終
えるため、2軸アクティブミラーの動作速度は十分に速
い必要がある。この一実施形態では、上述したように1
秒間に60枚の画像を撮ることができる。
【0082】この一実施形態では、手持ち撮影でも隣り
合う画像が多少の重複領域を確保する必要がある。この
ために角速度センサを2個使って各画像を撮る瞬間のビ
デオカメラの向きを検出し、光軸が正しい方向を向くよ
うに2軸アクティブミラーで制御しながら撮影する。
【0083】この一実施形態では、現行のビデオカメラ
の動画記録の性能を全く損なわずに静止画マルチ画面記
録を行うには着脱可能なアダプター形式としている。こ
の場合、CCD撮像素子も現行のフィールド読み出しタ
イプを使うためフィールド画を記録し、上述したように
画像処理のソフトウェアで縦補完を行う必要がある。
【0084】この一実施形態では、フィールド読み出し
タイプのCCD撮像素子を使用しているが、動画記録の
性能が多少劣っても静止画マルチ画面記録を主たる機能
とする場合は全画素CCDを使用する。こうすることに
よって、縦補完が不要となり、垂直解像度が向上する。
その代わり動画のCCD撮像素子の感度が約半分に劣化
する。このとき、動画のインタレースは可能である。
【0085】この一実施形態では、静止画記録装置であ
りながら動画記録機をベースとすることによって、1秒
間に60枚のフィールド画を記録できるスピードを有し
ているため2軸アクティブミラーのスピードさえ速けれ
ば300倍の画素数の静止画を撮るのに10秒ですむ。
また、視差の影響を軽減するために重複率を増やすとそ
の分、時間がかかるため記録のスピードはさらに重要と
なる。
【0086】この一実施形態では、画像データ処理手段
の一例としてパーソナルコンピュータを用いたが、これ
に限らず画像データ処理手段を内部に有するビデオカメ
ラとしても良い。
【0087】
【発明の効果】この発明に依れば、複数枚の画像をシー
ムレスにつなぎ合わせることによってパノラマ画像を形
成する時に、画角の狭い望遠のモードで撮影するため解
像度が抜群に良い。
【0088】さらに、この発明に依れば、一回のスター
トストップ操作で全周パノラマ撮影ができる。もちろ
ん、全周でなくても任意の角度でやめても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されるディジタル撮像装置の一
実施形態を示すブロック図である。
【図2】この発明が適用されるディジタル撮像装置の一
例の外観図である。
【図3】この発明の一例の全周の撮影方法を説明するた
めの略全図である。
【図4】この発明が適用されるパノラマ画像を生成する
処理の一例のフローチャートである。
【図5】マルチ画面の説明をするための略線図である。
【図6】マルチ画面の説明をするための略線図である。
【図7】CCD撮像素子の座標と光の方向との関係を説
明するための略全図である。
【図8】3次元ベクトルを説明するための略線図であ
る。
【図9】この発明が適用される部屋の内壁を撮影するた
めの一実施形態を示す略線図である。
【図10】この発明が適用される撮影された内壁の一実
施形態を示す略線図である。
【図11】この発明が適用される撮影された内壁の一実
施形態を示す略線図である。
【図12】平面座標から円筒座標へ変換を説明するため
の略線図である。
【図13】この発明が適用される平面座標から円筒座標
へ変換された一実施形態を示す略線図である。
【図14】この発明が適用される平面座標から円筒座標
へ変換された一実施形態を示す略線図である。
【図15】この発明が適用される円筒座標から平面座標
へ変換された一実施形態を示す略線図である。
【図16】この発明が適用される円筒座標から平面座標
へ変換された一実施形態を示す略線図である。
【図17】この発明に適用される光軸変換手段の他の例
を示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・被写体、2・・・レンズブロック、3・・・C
CD撮像素子、4・・・圧縮回路、5・・・記録媒体、
6・・・伸長回路、7・・・メモリ、8・・・スイッ
チ、9・・・電子ビューファインダ、11・・・フォー
カスサーボ、12・・・電子シャッター駆動回路、13
・・・サブデータ付加回路、14・・・サブデータ読み
取り回路、15・・・シスコン、16・・・操作系

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録時には、光軸を縦横に素早く変化さ
    せながら複数の画像を撮像素子で撮影し、撮像信号をデ
    ィジタル画像圧縮して各種のサブデータと共に記録媒体
    に記録し、再生時には、画像伸長して画像データ処理手
    段にデータを送信する方式のディジタル撮像装置であっ
    て、 光軸走査ブロックを有し、 所定の枚数第1の方向に撮影し、 上記所定の枚数第1の方向の撮影が終了すると最後に撮
    影された画像の隣に光軸を変化させ、上記所定の枚数第
    1の方向に撮影するように、上記光軸走査ブロックによ
    って、光軸を変化させ、 上記光軸の変化と対応させて、撮像装置本体を第2の方
    向に回転させ、互いに重複する部分を有する複数の撮像
    画像を得るようにしたことを特徴とするディジタル撮像
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記光軸走査ブロックは、撮像装置本体に着脱可能とな
    ることを特徴とするディジタル撮像装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記光軸走査ブロックは、 上記撮像装置本体を90度回転させた状態でも使用する
    ようにしたことを特徴とするディジタル撮像装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記光軸走査ブロックを装着すると自動的に望遠の状態
    に切り替わるようにすることを特徴とするディジタル撮
    像装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 緯度方向の角速度センサで緯度方向の手振れを検出し、
    上記手振れを打ち消すように上記光軸走査ブロックの動
    きを制御するようにしたことを特徴とするディジタル撮
    像装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 経度方向の角速度センサで水平方向の回転の速さを検出
    し、記録する画像データと共に上記撮像装置本体の方向
    を示すデータを記録しておき、上記方向を再生後の画像
    処理時のパラメータとして使用するようにしたことを特
    徴とするディジタル撮像装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 処理後に最終的に得られる画像の縦方向の画素数を単一
    画像の何倍にするかを予め指定するようにしたことを特
    徴とするディジタル撮像装置。
  8. 【請求項8】 記録時には、光軸を縦横に素早く変化さ
    せながら複数の画像を撮像素子で撮影し、撮像信号をデ
    ィジタル画像圧縮して各種のサブデータと共に記録媒体
    に記録し、再生時には、画像伸長して画像データ処理手
    段にデータを送信する方式のディジタル撮像装置を使用
    した撮像方法であって、 光軸走査ブロックを有し、 所定の枚数第1の方向に撮影し、 上記所定の枚数第1の方向の撮影が終了すると最後に撮
    影された画像の隣に光軸を変化させ、上記所定の枚数第
    1の方向に撮影するように、上記光軸走査ブロックによ
    って、光軸を変化させ、 上記光軸の変化と対応させて、撮像装置本体を第2の方
    向に回転させ、互いに重複する部分を有する複数の撮像
    画像を得るようにしたことを特徴とする撮像方法。
  9. 【請求項9】 記録時には、光軸を縦横に素早く変化さ
    せながら複数の画像を撮像素子で撮影し、撮像信号をデ
    ィジタル画像圧縮して各種のサブデータと共に記録媒体
    に記録し、再生時には、画像伸長して画像データ処理手
    段にデータを送信する方式のディジタル撮像装置を使用
    した撮像方法であって、 上記複数の画像を撮像素子で撮影する時に、レンズを望
    遠状態とし、 上記画像データ処理手段の処理によって、複数の撮像画
    像をシームレスにつなぎ、高画質のパノラマ画像を生成
    するようにしたことを特徴とする撮像方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 上記パノラマ画像を再生する場合、シームレスにつなが
    れた円筒画像から平面画像に変換し、表示するようにし
    たことを特徴とする撮像方法。
  11. 【請求項11】 記録時には、光軸を縦横に素早く変化
    させながら複数の画像を撮像素子で撮影し、撮像信号を
    ディジタル画像圧縮して各種のサブデータと共に記録媒
    体に記録し、再生時には、画像伸長して画像データ処理
    手段にデータを送信する方式のディジタル撮像装置であ
    って、 撮像素子の光軸を水平方向および垂直方向に回転させる
    撮像素子支持部を有し、 所定の枚数第1の方向に撮影し、 上記所定の枚数第1の方向の撮影が終了すると最後に撮
    影された画像の隣に光軸を変化させ、上記所定の枚数第
    1の方向に撮影するように、上記撮像素子支持部によっ
    て、光軸を変化させ、互いに重複する部分を有する複数
    の撮像画像を得るようにしたことを特徴とするディジタ
    ル撮像装置。
  12. 【請求項12】 記録時には、光軸を縦横に素早く変化
    させながら複数の画像を撮像素子で撮影し、撮像信号を
    ディジタル画像圧縮して各種のサブデータと共に記録媒
    体に記録し、再生時には、画像伸長して画像データ処理
    手段にデータを送信する方式のディジタル撮像装置を使
    用した撮像方法であって、 撮像素子の光軸を水平方向および垂直方向に回転させる
    撮像素子支持部を有し、 所定の枚数第1の方向に撮影し、 上記所定の枚数第1の方向の撮影が終了すると最後に撮
    影された画像の隣に光軸を変化させ、上記所定の枚数第
    1の方向に撮影するように、上記撮像素子支持部によっ
    て、光軸を変化させ、互いに重複する部分を有する複数
    の撮像画像を得るようにしたことを特徴とする撮像方
    法。
JP10147491A 1997-08-11 1998-05-28 ディジタル撮像装置および撮像方法 Abandoned JPH11122521A (ja)

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