JP2002344204A - 誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよび通信装置 - Google Patents

誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよび通信装置

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JP2002344204A
JP2002344204A JP2002004917A JP2002004917A JP2002344204A JP 2002344204 A JP2002344204 A JP 2002344204A JP 2002004917 A JP2002004917 A JP 2002004917A JP 2002004917 A JP2002004917 A JP 2002004917A JP 2002344204 A JP2002344204 A JP 2002344204A
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dielectric
dielectric filter
outer conductor
block
inner conductor
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Atsushi Toda
淳 遠田
Motoharu Hiroshima
基晴 広嶋
Hideyuki Kato
英幸 加藤
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰極の周波数を容易に調整でき、スプリア
ス特性を改善した誘電体フィルタを構成する。 【解決手段】 略直方体形状の誘電体ブロック1の一方
の面からこれに対向する面にかけて、内側に内導体3
a,3bをそれぞれ形成した内導体形成孔2a,2bを
形成し、誘電体ブロック1の外面には、内導体形成孔の
一つの端面を除く五面に外導体4を形成し、外導体4を
形成していない面を開放面とする。また、内導体形成孔
の配列方向の端面である側面および実装基板に対向する
実装面となる底面に、外導体非形成部5a,5bを設け
て、外導体4から分離された入出力電極6a,6bを形
成し、更に、外導体非形成部5a,5bを、部分的に所
定の量だけ、細長く帯状に延長して外導体非形成部の延
長矩形部7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘電体ブロック
の内部に内導体形成孔を備え、外面に外導体を備えて成
る誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよびそれを用
いた通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】略直方体形状の誘電体ブロックを用いた
従来の誘電体フィルタについて、図15を参照して説明
する。
【0003】図15は、誘電体フィルタの外観斜視図で
ある。
【0004】図15において、1は誘電体ブロック、2
a,2bは内導体形成孔、3a,3bは内導体、4は外
導体、5a,5bは外導体非形成部、6a,6bは入出
力電極である。
【0005】誘電体ブロック1の内部には、内面に内導
体3a,3bをそれぞれ形成した内導体形成孔2a,2
bを、途中で内径の異なるステップ孔構造に形成し、誘
電体ブロック1の外面に外導体4を形成している。内導
体形成孔2a,2bの一方の端部を開放端、他方の端部
を短絡端とし、開放端に結合するように、誘電体ブロッ
ク1の外面に外導体非形成部5a,5bを設けて、入出
力電極6a,6bを形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の誘電体ブロックを用いた誘電体フィルタにおいて
は、次のような解決すべき課題があった。
【0007】略直方体形状の誘電体ブロックを用いた誘
電体フィルタでは、誘電体ブロック、各内導体、および
外導体により、TEMモードの共振器を構成するととも
に、共振器同士を結合させて誘電体フィルタを構成して
いる。
【0008】このような誘電体フィルタにおいては、共
振器間の結合による減衰極(結合極)が生じる。この減
衰極を利用して、通過帯域から低域側の遮断域にかけ
て、または通過帯域から高域側の遮断域にかけての減衰
特性を急峻にすることができる。
【0009】ところが、このように略直方体形状の誘電
体ブロックの外面に外導体を形成した誘電体フィルタに
おいては、誘電体ブロックと外導体とにより、例えばT
10 1 モードなどの、基本共振モードであるTEMモー
ド以外の共振モードが生じる。
【0010】図16は誘電体フィルタの減衰特性図であ
る。図16に示すように、誘電体ブロックを用いた誘電
体フィルタは、減衰極A,Bを有する。減衰極Aは誘電
体共振器間の結合による減衰極、すなわち基本共振モー
ドであるTEMモードによる減衰極であり、その周波数
は、共振器間のピッチや内導体形成孔の径により設定で
きる。この例では、共振器間が容量性結合して、通過帯
域の低域側に減衰極を生じている。
【0011】一方、減衰極Bは、前述したTEモード等
の基本モード以外の共振モードの存在によるものであ
り、その周波数は共振器間のピッチおよび内導体形成孔
の径には殆ど依存せず、誘電体ブロックの外形寸法に依
存する。従って、誘電体ブロックの寸法、形状を定める
ことによって、減衰極Bの周波数を設定することができ
る。
【0012】しかし、誘電体フィルタ自身の小型化が求
められている現状では誘電体ブロックの寸法の変更に制
限がある。
【0013】一般に誘電体フィルタは、誘電体ブロック
および導体パターンを形成するとその特性は変更できな
い。このため、特性の異なった誘電体フィルタを得るた
めには、再度全体を設計から変更しなければならない。
【0014】これに対し、周波数特性を変更し得る誘電
体フィルタが、特開平10−284903、特開平
11−177307、および特開平7−263912
に開示されている。
【0015】の誘電体フィルタは、二つの誘電体共振
器の結合用電極同士を接続することにより形成してい
る。この結合用電極の近傍にくびれ形状の外導体非形成
部を設けて、結合用電極と外導体のグウランドとの間に
等価的にLCの直列共振回路を挿入することにより、減
衰極の周波数をシフトさせている。
【0016】の誘電体フィルタも、二つの誘電体共振
器の結合用電極同士を接続することにより形成してい
る。この二つの誘電体共振器の対向する面に比較的大面
積の外導体非形成部を設けて、二つの誘電体共振器をM
型結合させることにより、減衰極の周波数をシフトさせ
ている。
【0017】これらの、の誘電体フィルタは、結合
用電極の近傍の外導体非形成部の形状を変更することに
より、誘電体共振器同士の結合度を変えて減衰極をシフ
トさせているものであり、基本モードであるTEMモー
ドによる減衰極である図16に示した減衰極Aのシフト
に対応している。また、予め、各誘電体共振器に外導体
非形成部を設け、これを合わせなければならず、誘電体
フィルタ単体での調整が難しい。
【0018】の誘電体フィルタは、従来の誘電体フィ
ルタを形成した後、所望の特性となるように、入出力電
極の近傍の外導体非形成部に接する外周の外導体をリュ
ウータ等で削ることにより、入出力電極と接地電極間の
結合容量が小さくなる。このことにより、相対的に共振
器間の結合が強くなり、結合容量が増加し、TEMモー
ドによる減衰周波数帯域が広くなり、特性を調整してい
る。
【0019】しかし、この誘電体フィルタにおいては、
図16に示したTEモードによる減衰極Bをシフトさせ
ることができず、スプリアス特性を改善できない。
【0020】この発明の目的は、外形寸法を変えず、減
衰特性を容易に変更してスプリアス特性を改善した誘電
体フィルタ、誘電体デュプレクサおよびそれを備えた通
信装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明は、略直方体形
状の誘電体ブロックの内部に、該誘電体ブロックの一方
の面から、それに対向する他方の面にかけて、それぞれ
の内面に内導体を形成した複数の内導体形成孔を設け、
内導体形成孔の配列方向の端面である側面から、実装基
板に対向する実装面である底面にかけて、外導体非形成
部により外導体から分離した入出力電極を設けて、伝送
信号の通過帯域より高域側の所望の周波数に、減衰極が
形成されるように、外導体非形成部を入出力電極形成位
置から遠ざかる方向に、部分的に延長した延長矩形部を
設けて、誘電体フィルタを構成する。
【0022】また、この発明は、外導体非形成部の延長
矩形部を、内導体形成孔の軸方向に対して平行または垂
直な方向に、細長い帯状に設けることにより誘電体フィ
ルタを構成する。
【0023】また、この発明は、外導体非形成部の延長
矩形部に接する外導体を局所的に削ることにより誘電体
フィルタを構成する。
【0024】また、この発明は、前記誘電体フィルタを
備えて誘電体デュプレクサを構成する。
【0025】また、この発明は、前記誘電体フィルタま
たは前記誘電体デュプレクサを備えて通信装置を構成す
る。
【0026】
【発明の実施の形態】第1の実施形態に係る誘電体フィ
ルタの構成について、図1〜図3を参照して説明する。
【0027】図1、図2、図3は誘電体フィルタの外観
斜視図である。図4は誘電体フィルタの減衰特性図であ
る。1は誘電体ブロック、2a,2bは内導体形成孔、
3a,3bは内導体、4は外導体、5a,5bは外導体
非形成部、6a,6bは入出力電極である。また、7,
8,9a,9bは外導体非形成部の一部を延長した矩形
部(以下、「延長矩形部」という。)である。図1、図
2、図3はそれぞれ、外導体非形成部の延長矩形部の形
状が異なるものである。
【0028】図1において、略直方体形状の誘電体ブロ
ック1の図における左手前の面からこれに対向する右奥
の面にかけて、内側に内導体3a,3bをそれぞれ形成
した内導体形成孔2a,2bを形成している。また、誘
電体ブロック1の外面には、図における左手前の面を除
く五面に外導体4を形成しており、外導体4を形成して
いない左手前の面を開放面とし、右奥の面を短絡面とし
て誘電体共振器を構成している。なお、内導体形成孔2
a,2bは、それらの内径が短絡面側より開放面側が大
きいステップ孔としている。
【0029】また、内導体形成孔2a,2bの配列方向
の端面である側面、および実装基板に対向する実装面と
なる底面(図では上面)には、外導体非形成部5a,5
bを設けている。この外導体非形成部5a,5bによ
り、外導体4から分離した入出力電極6a,6bを形成
している。ここで、前記側面に設けられている外導体非
形成部5bの一部を内導体形成孔2a,2bの軸に平行
な方向に所定の量だけ、細長い帯状に延長して、外導体
非形成部の延長矩形部7を設けている。また、この例で
は、外導体非形成部5a,5bを前記開放面に連続させ
ている。このような構造により、二つの共振器を容量結
合させた誘電体フィルタを構成している。
【0030】図2に示す誘電体フィルタは、外導体非形
成部の延長矩形部8を、底面に対し垂直方向に延びるよ
うに設けているものであり、他の構成は図1に示す誘電
体フィルタと同様である。
【0031】また、図3に示す誘電体フィルタは、外導
体非形成部の延長矩形部9a,9bをそれぞれ、内導体
形成孔2a,2bの軸に平行な方向および、垂直な方向
に延びるように設けているものであり、他の構成は図1
に示す誘電体フィルタと同様である。
【0032】このような構造とすることにより、誘電体
ブロックと外導体とによるTE共振モードに摂動が起こ
り、TEモードの共振周波数が低くなり、TEモードと
TEMモードの位相が逆相関係になる減衰極Bの周波数
は、図4に示すように低周波数側にシフトする。よっ
て、外導体非形成部の延長矩形部の長さを予め所定の量
にすることにより、所望の減衰特性が得られる。
【0033】なお、外導体非形成部の形状を大きくする
と、外導体の面積が小さくなるため、誘電体フィルタを
構成する各共振器のQoが悪化したり、入出力電極に近
接する共振器の共振周波数foが大幅に上昇し、誘電体
フィルタの特性が悪化する。
【0034】しかし、前述のように、外導体非形成部の
延長矩形部を、細長い帯状にすることにより、外導体非
形成部の面積変化による特性への影響を抑えながら、減
衰極の調整を行うことができる。
【0035】また、外導体非形成部の延長矩形部7,
8,9a,9bは、それぞれの図における誘電体フィル
タの左奥の側面に設けてもよく、両側面に設けてもよ
い。
【0036】次に、第2の実施形態に係る誘電体フィル
タの構成について、図5を参照して説明する。
【0037】図5は第2の実施形態に係る誘電体フィル
タの外観斜視図である。図5に示す誘電体フィルタは、
入出力電極6a,6bが、誘電体フィルタの実装面とな
る底面にのみ形成されているものであり、他の構成は、
図1に示す誘電体フィルタと同じである。
【0038】このような構造においても、TEモードの
共振周波数が低くなり、第1の実施形態と同様の効果が
得られる。
【0039】次に、第3の実施形態に係る誘電体フィル
タの構成について、図6を参照して説明する。
【0040】図6は誘電体フィルタの外観斜視図であ
る。図6に示す誘電体フィルタは、外導体非形成部の延
長矩形部10を誘電体ブロックの開放面に接するように
設けたものであり、他の構成は、図1に示す誘電体フィ
ルタと同様である。
【0041】このような構造とすることにより、誘電体
ブロックと外導体とによるTE共振モードに摂動が起こ
り、TEモードの共振周波数が低くなり、TEモードと
TEMモードとの位相が逆相関係になる減衰極Bの周波
数は、図4に示すように低周波数側にシフトする。よっ
て、外導体非形成部の延長矩形部の長さを予め所定の量
にすることにより、所望の減衰特性が得られる。
【0042】なお、外導体非形成部の延長矩形部10
は、それぞれの図における誘電体フィルタの左奥の側面
に設けてもよく、両側面に設けてもよい。
【0043】次に、第4の実施形態に係る誘電体フィル
タの構成について、図7を参照して説明する。
【0044】図7は誘電体フィルタの外観斜視図であ
る。図7に示す誘電体フィルタは、外導体非形成部の一
方の延長矩形部11aを開放面に接するように設け、他
方の延長矩形部11bを第1の実施形態に示したよう
に、開放面から離れた位置で設けているもので、他の構
成は図1の誘電体フィルタと同様である。
【0045】このような構造とすることにより、誘電体
ブロックと外導体とによるTE共振モードに摂動が起こ
り、先に示した各実施形態の場合と同様に、減衰極の周
波数が低周波数側にシフトする。よって、外導体非形成
部の延長矩形部の長さを予め所定の量にすることによ
り、所望の減衰特性が得られる。
【0046】なお、外導体非形成部の延長矩形部11
a,11bは図における誘電体フィルタの左奥の側面に
設けてもよく、両側面に複数設けてもよい。
【0047】次に、第5の実施形態に係る誘電体フィル
タの構成について、図8を参照して説明する。
【0048】図8は誘電体フィルタの外観斜視図であ
る。1は誘電体ブロック、2a,2bは内導体形成孔、
3a,3bは内導体、4は外導体、5a,5bは外導体
非形成部、6a,6bは入出力電極、12a,12bは
内導体非形成部である。また、13は外導体非形成部の
延長矩形部である。
【0049】略直方体形状の誘電体ブロック1の図にお
ける左手前の面からこれに対向する右奥の面にかけて、
内側に内導体3a,3bをそれぞれ形成した内導体形成
孔2a,2bを形成している。また、誘電体ブロック1
の外面全面に外導体4を形成しており、内導体2a,2
bにそれぞれ内導体非形成部12a,12bを設けて開
放端としている。なお、内導体形成孔2a,2bは、そ
れらの内径が短絡端側より開放端側が大きいステップ孔
としている。
【0050】また、内導体形成孔の配列方向に対する端
面である側面および実装基板に対向する実装面となる底
面(図では上面)には、外導体非形成部5a,5bを設
けている。この外導体非形成部5a,5bにより、外導
体4から分離した入出力電極6a,6bを形成してい
る。ここで、前記側面に設けられている外導体非形成部
5bの一部を、内導体形成孔2a,2bの軸に平行な方
向に所定の量だけ、細長く帯状に延長して、外導体非形
成部の延長矩形部13を設けている。このような構造に
より、二つの共振器を容量性結合させた誘電体フィルタ
を構成している。
【0051】この構造とすることにより、先に示した各
実施形態の場合と同様に減衰極の周波数が低周波数側に
シフトする。
【0052】なお、外導体非形成部の延長矩形部13
は、図における誘電体フィルタの左奥の側面に設けても
よく、両側面に設けてもよい。
【0053】また、内導体形成孔2a,2bをストレー
ト孔にして、誘導性結合とすることにより、TEMモー
ドとTEモードとのピークを通過帯域の高周波数側にす
ることもできる。
【0054】次に、第6の実施形態に係る誘電体フィル
タの構成について、図9,図10を参照して説明する。
【0055】図9、図10は、それぞれ誘電体フィルタ
の外観斜視図である。図9に示す誘電体フィルタは、外
導体非形成部の延長矩形部14が実装面に対して垂直方
向に設けられており、他の構造は図7に示す誘電体フィ
ルタと同様である。
【0056】また、図10に示す誘電体フィルタは、外
導体非形成部の延長矩形部15a,15bがそれぞれ実
装面に垂直方向に設けられており、他の構造は図7に示
す誘電体フィルタと同様である。
【0057】この構造とすることにより、減衰極の周波
数を低周波数側にシフトすることができる。
【0058】なお、外導体非形成部の延長矩形部14,
15a,15bは、それぞれの図における誘電体フィル
タの左奥の側面に設けてもよく、両側面に設けてもよ
い。
【0059】また、内導体形成孔2a,2bをストレー
ト孔にして、誘導性結合とすることにより、TEMモー
ドとTEモードとのピークを通過帯域の高周波数側にす
ることもできる。
【0060】次に第7の実施形態に係る誘電体フィルタ
の構成について、図11を参照して説明する。
【0061】図11は誘電体フィルタの外観斜視図であ
る。図11において、1は誘電体ブロック、2a,2b
は内導体形成孔、3a,3bは内導体、4は外導体、5
a,5bは外導体非形成部、6a,6bは入出力電極、
12a,12bは内導体非形成部である。また、16
a,16bは外導体非形成部の延長矩形部である。
【0062】略直方体形状の誘電体ブロック1の図にお
ける左手前の面からこれに対向する右奥の面にかけて、
内側に内導体3a,3bをそれぞれ形成した内導体形成
孔2a,2bを形成している。また、誘電体ブロック1
の外面全面に外導体4を形成しており、内導体2a,2
bにそれぞれ内導体非形成部12a,12bを設けて開
放端としている。
【0063】また、内導体形成孔の開放端側の端面およ
び実装基板に対向する実装面となる底面(図では上面)
には、外導体非形成部5a,5bを設けている。この外
導体非形成部5a,5bにより、外導体4から分離した
入出力電極6a,6bを形成している。ここで、内導体
形成孔2a,2bの端面における外導体非形成部5bの
一部を内導体形成孔2a,2bの配列方向にそれぞれ所
定の量だけ、細長く帯状に延長して、外導体非形成部の
延長矩形部16a,16bを設けている。
【0064】この構造とすることにより、減衰極の周波
数を低周波数側にシフトすることができる。
【0065】また、内導体形成孔2a,2bをストレー
ト孔にして、誘導性結合とすることにより、TEMモー
ドとTEモードとのピークを通過帯域の高周波数側にす
ることもできる。
【0066】次に、第8の実施形態に係る誘電体フィル
タの構成について、図12を参照して説明する。
【0067】図12は誘電体フィルタの外観斜視図であ
る。図12に示す誘電体フィルタは、図1に示した誘電
体フィルタの延長矩形部の一部に削除部17を設けたも
のであり、他の構造は同じである。
【0068】この削除部17の削除量により、外導体非
形成部の延長矩形部7の存在による減衰極のシフト量の
微調整が可能となる。ここで、削除部17は、延長矩形
部7ではなく、外導体非形成部5bのどの位置に設けて
もよい。このことにより、従来技術の場合のように、
入出力電極の近傍に必ずしも作製する必要がなくなり、
作業が容易となる。
【0069】次に、第9の実施形態に係る誘電体デュプ
レクサの構成について、図13を参照して説明する。
【0070】図13において、1は誘電体ブロック、2
a〜2gは内導体形成孔、3a〜3gは内導体、4は外
導体、5a,5b,5cは外導体非形成部、6a,6
b,6cは入出力電極、18はアンテナ励振孔である。
また、7は外導体非形成部の延長矩形部である。
【0071】図13に示した誘電体デュプレクサは、内
導体形成孔2a〜2dからなる四段の共振器を有する誘
電体フィルタと内導体形成孔2e〜2gからなる三段の
共振器を有する誘電体フィルタとをそれぞれ送信側、受
信側フィルタとして、その間にアンテナ励振孔18を含
む入出力電極を設けて、一つの誘電体ブロック1に形成
している。入出力電極6bを形成する外導体非形成部5
bには、内導体形成孔2a〜2gの軸に平行な方向に所
定の量だけ、細長く帯状に延長して、外導体非形成部の
延長矩形部7を設けている。
【0072】この構造とすることにより、送信側フィル
タ、受信側フィルタともに、TEモードによる減衰極を
シフトすることができ、所望の特性を得ることができ
る。
【0073】なお、第3〜第8の実施形態に示した誘電
体フィルタおよび前記の誘電体デュプレクサにおいて
も、第2の実施形態に示したように、入出力電極を設け
てもよい。
【0074】次に、第10の実施形態に係る通信装置の
構成について、図14を参照に説明する。
【0075】図14おいて、ANTは送受信アンテナ、
DPXはデュプレクサ、BPFa,BPFbはそれぞれ
帯域通過フィルタ、AMPa,AMPbはそれぞれ増幅
回路、MIXa,MIXbはそれぞれミキサ、OSCは
発振器、SYNはシンセサイザである。MIXaはSY
Nから出力される周波数信号をIF信号で変調し、BP
Faは送信周波数の帯域のみを通過させ、AMPaはこ
れを電力増幅してDPXを介しANTより送信する。A
MPbはDPXから出力される信号を増幅し、BPFb
はAMPbから出力される信号のうち受信周波数帯域の
みを通過させる。MIXbはSYNより出力される周波
数信号と受信信号とをミキシングして中間周波信号IF
を出力する。
【0076】図14に示した帯域通過フィルタBPF
a、BPFbには、図1〜12に示した構造の誘電体フ
ィルタを用いることができる。また、誘電体デュプレク
サDPXには、図13に示した誘電体デュプレクサを用
いることができる。このようにして、必要な減衰特性を
有する小型化した誘電体フィルタおよび誘電体デュプレ
クサを用いることにより、所定の通信性能を有する小型
の通信装置を構成することができる。
【0077】
【発明の効果】この発明によれば、略直方体形状の誘電
体ブロックの内部に、該誘電体ブロックの一方の面か
ら、それに対向する他方の面にかけて、それぞれの内面
に内導体を形成した複数の内導体形成孔を設け、誘電体
ブロックの外面に前記外導体を形成し、内導体形成孔の
配列方向の端面である側面から、実装基板に対向する実
装面である底面にかけて、外導体の一部を非形成して入
出力電極を設けて、伝送信号の通過帯域より高域側の所
望の周波数に、減衰極が形成されるように、外導体非形
成部を部分的に延長した延長矩形部を設けることによ
り、任意の減衰極周波数を有する誘電体フィルタが構成
できる。
【0078】また、この発明によれば、外導体非形成部
の延長矩形部を、内導体形成孔の軸方向に対して、平行
または垂直な方向に部分的に細長く帯状に設けることに
より、フィルタ特性を殆ど変化させることなく、任意の
減衰極周波数を有する誘電体フィルタが構成できる。
【0079】また、この発明によれば、外導体非形成部
の延長矩形部に接する外導体を局所的に削ることによ
り、更に減衰極の周波数を微調整できる。
【0080】また、この発明によれば、前記誘電体フィ
ルタを備えることにより、所望の特性を得られる誘電体
デュプレクサを構成できる。
【0081】また、この発明によれば、前記誘電体フィ
ルタまたは前記誘電体デュプレクサを備えることによ
り、所定の通信性能を有する通信装置が構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜
視図
【図2】第1の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜
視図
【図3】第1の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜
視図
【図4】第1の実施形態に係る誘電体フィルタの減衰特
性図
【図5】第2の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜
視図
【図6】第3の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜
視図
【図7】第4の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜
視図
【図8】第5の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜
視図
【図9】第6の実施形態に係る誘電体フィルタの外観斜
視図
【図10】第6の実施形態に係る誘電体フィルタの外観
斜視図
【図11】第7の実施形態に係る誘電体フィルタの外観
斜視図
【図12】第8の実施形態に係る誘電体フィルタの外観
斜視図
【図13】第9の実施形態に係る誘電体デュプレクサの
外観斜視図
【図14】第10の実施形態に係る通信装置のブロック
【図15】従来の誘電体フィルタの外観斜視図
【図16】従来の誘電体フィルタの減衰特性図
【符号の説明】
1−誘電体ブロック 2a〜2g−内導体形成孔 3a〜3g−内導体 4−外導体 5a,5b,5c−外導体非形成部 6a,6b,6c−入出力電極 7,8,9a,9b,10,11a,11b,13,1
4,15a,15b,16a,16b−外導体非形成部
の延長矩形部 12a,12b−内導体非形成部 17−外導体削除部 18−アンテナ励振孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 英幸 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J006 HA04 HA12 HA15 HA26 JA01 JA11 KA06 KA11 LA11 NA04 NC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体形状の誘電体ブロックの内部
    に、該誘電体ブロックの一方の面から、それに対向する
    他方の面にかけて、それぞれの内面に内導体を形成した
    複数の内導体形成孔を設け、前記誘電体ブロックの外面
    に外導体を形成した誘電体フィルタにおいて、 前記内導体形成孔の配列方向の端面である側面から、ま
    たは前記内導体形成孔の開口面から、実装基板に対向す
    る実装面である底面にかけて外導体非形成部を設け、該
    外導体非形成部により外導体から分離した入出力電極を
    すくなくとも底面に形成し、伝送信号の通過帯域より高
    域側の所望の周波数に、減衰極が形成されるように、前
    記外導体非形成部を入出力電極形成位置から遠ざかる方
    向に部分的に延長した延長矩形部を設けた誘電体フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 前記延長矩形部は、前記内導体形成孔の
    軸方向に対して平行な方向に、部分的に細長く、帯状を
    成す請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記延長矩形部は、前記内導体形成孔の
    軸方向に対して垂直な方向に、部分的に細長く、帯状を
    成す請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記延長矩形部に接する前記外導体を局
    所的に削って成る請求項1〜3のいずれかに記載の誘電
    体フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体
    フィルタを備えた誘電体デュプレクサ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体
    フィルタ、または請求項5に記載の誘電体デュプレクサ
    を備えた通信装置。
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