JP2002344137A - 厚膜多層基板およびその製造方法 - Google Patents

厚膜多層基板およびその製造方法

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JP2002344137A
JP2002344137A JP2001147496A JP2001147496A JP2002344137A JP 2002344137 A JP2002344137 A JP 2002344137A JP 2001147496 A JP2001147496 A JP 2001147496A JP 2001147496 A JP2001147496 A JP 2001147496A JP 2002344137 A JP2002344137 A JP 2002344137A
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thick film
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insulator
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Takeo Warashina
猛夫 藁科
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Noritake Co Ltd
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Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】上下配線層間の導通不良のない厚膜多層基板お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】第1配線層形成工程において、接続パッド
62が範囲A内で一様な厚さ寸法となるように設けられ
た後、第1絶縁体層形成工程において、スクリーン14
のビアホール50に対応する非開口部18の全体がその
平坦な範囲A内に接した状態で第1絶縁体層40が形成
される。そのため、非開口部18の全体が接続パッド6
2に接した状態で厚膜絶縁ペーストが塗布されることか
ら、その非開口部18の外周縁よりも内側に厚膜絶縁体
ペーストの入り込むことが抑制される。したがって、第
1絶縁体層40内に設けられるビアホール50は、その
非開口部18の大きさに応じた所期の大きさに形成され
ることから、その第1絶縁体層40の上に形成される第
2配線層42と第1配線層38とのその接続パッド62
を介した接続状態が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビアホールを介し
て上下の配線が接続された厚膜多層基板およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、絶縁体層を介して複数の配線層
が積層された厚膜多層基板においては、全ての層を貫通
するスルーホールを備えた基板よりも配線密度延いては
実装密度を高める目的で、所望の一乃至複数層だけを貫
通してその上下或いはそれら複数層の配線を相互に接続
するビアホール(via hole)を設けることが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなビアホー
ル基板では、基板上に設けられた一の配線層を覆うよう
に厚膜絶縁体ペーストを塗布して絶縁体層を設けた後、
その絶縁体層上に厚膜導体ペーストを所定パターンで塗
布して他の配線層が設けられる。下側の一の配線層に
は、上側の他の配線層と接続するための接続パッドが導
体パターンの所定位置に備えられており、絶縁体層は、
その接続パッド上に貫通穴(ビアホール)が位置する形状
となるように厚膜スクリーン印刷法で形成される。その
ため、この絶縁体層上に上記他の配線層を形成するため
の厚膜導体ペーストを塗布すると、その貫通穴内にその
導体ペーストが流れ込み、上下の配線層が接続される。
【0004】しかしながら、一般に、厚膜多層基板の配
線層を構成する接続パッド10は、図1に示されるよう
に頂部12が凸曲面となる断面形状を備えている。一
方、この接続パッド10上にビアホールを備えた絶縁体
層を形成する際に用いられるスクリーン14には、その
ビアホールに対応する位置に乳剤16で非開口部18が
設けられているが、その乳剤16の下面20は略平坦で
ある。そのため、厚膜絶縁体ペーストを塗布するために
スクリーン14が基板22に向かって押圧された際に
も、接続パッド頂部12と乳剤下面20との間にはその
下面20の周縁部側ほど大きくなる隙間24が生じるこ
とから、その隙間24に厚膜絶縁体ペーストが入り込ん
で、図2に示すように絶縁体層26で接続パッド10全
体或いはその大部分が覆われ、上側の配線層との導通不
良が生じる問題があった。
【0005】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、上下配線層間の導通不良
のない厚膜多層基板およびその製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するため、第1発明の厚膜多層基板の製造方法の要旨と
するところは、基板上に厚膜導体ペーストを塗布するこ
とにより所定の接続パッドを有する第1配線層を形成す
る第1配線層形成工程と、その第1配線層を覆うように
厚膜絶縁体ペーストを塗布することにより前記接続パッ
ド上にビアホールを備えた絶縁体層を形成する絶縁体層
形成工程と、その絶縁体層上に厚膜導体ペーストを塗布
することにより前記ビアホールを介して前記接続パッド
に接続される第2配線層を形成する第2配線層形成工程
とを含む厚膜スクリーン印刷法を用いた厚膜多層基板の
製造方法であって、(a)前記第1配線層形成工程におい
て、前記接続パッド内の所定範囲をその外周縁の厚さ寸
法が一様且つその内周部の厚さ寸法以上の値となるよう
に設けると共に、(b)前記絶縁体層形成工程において、
前記ビアホールに対応して厚膜印刷用スクリーンに設け
られた非開口部の外周縁全体が前記所定範囲の外周縁に
接した状態で前記絶縁体層を形成することにある。
【0007】
【第1発明の効果】このようにすれば、第1配線層形成
工程において、接続パッドの所定範囲はその外周縁が一
様な厚さ寸法であってその内周部がそれよりも厚くなら
ないように設けられた後、絶縁体層形成工程において、
厚膜印刷用スクリーンの非開口部の外周縁全体が上記所
定範囲の外周縁に接した状態で絶縁体層が形成される。
すなわち、第1配線層の接続パッドのうち非開口部が接
することとなる所定範囲は、その非開口部の外周縁に対
応するその外周縁が一様な厚さ寸法で且つ最も厚くされ
る。そのため、非開口部の外周縁全体が接続パッドに接
した状態で、第1配線層の上に絶縁体層を形成するため
の厚膜絶縁体ペーストが塗布されることから、その非開
口部の外周縁よりも内側に厚膜絶縁体ペーストの入り込
むことが抑制される。したがって、絶縁体層内に設けら
れるビアホールは、その非開口部の大きさに応じた所期
の大きさに形成されることから、その絶縁体層の上に形
成される第2配線層と上記第1配線層とのその接続パッ
ドを介した接続状態が確保されるため、上下配線層間の
導通不良の無い厚膜多層基板が得られる。なお、上記の
説明から明らかなように、接続パッドの所定範囲は、形
成しようとするビアホールの開口の大きさに応じて定め
られるものである。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の厚膜多層基板の要旨とすると
ころは、所定の接続パッドを有する厚膜導体から成る第
1配線層と、その第1配線層を覆い且つその接続パッド
上にビアホールを有する絶縁体層と、その絶縁体層上に
設けられ且つそのビアホールを介して前記接続パッドに
接続された厚膜導体から成る第2配線層とを備えた厚膜
多層基板であって、(a)前記接続パッドは、前記ビアホ
ールの前記第1配線層側開口の外周縁に対応する位置に
おける厚さ寸法が一様且つその内周部における厚さ寸法
以上の値を有することにある。
【0009】
【第2発明の効果】このような接続パッドを備えた厚膜
多層基板は、前記の第1発明のように厚膜印刷用スクリ
ーンの非開口部の外周縁全体が接続パッドに接した状態
で厚膜スクリーン印刷を施すことにより製造されるの
で、その接続パッド上のうち少なくともビアホール内側
となる位置には厚膜絶縁体が存在しない。そのため、そ
のビアホールを介した第1配線層と第2配線層との接続
が確保されているので、上下配線層間の導通不良の無い
厚膜多層基板が得られる。
【0010】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記接続パッド
は、前記所定範囲の外周縁よりも内側および外側にそれ
ぞれ所定の幅寸法で広がる環状領域がその外周縁と同じ
厚さ寸法を有するものである。このようにすれば、接続
パッドと厚膜印刷用スクリーンの非開口部との相対位置
が設定された位置からずれた場合にも、上記所定の幅寸
法の範囲内での変化であれば、非開口部の外周縁全体が
接続パッドの頂部に接することになる。そのため、その
相対位置精度に応じて上記幅寸法を設定することによ
り、位置ずれが生じ得る場合にもビアホール内周への厚
膜絶縁体ペーストの滲み延いては導通不良が抑制できる
可能性が一層高められる。
【0011】また、好適には、前記接続パッドは前記所
定範囲が平坦である。このようにすれば、厚膜絶縁体層
を形成するための厚膜スクリーン印刷時において、スク
リーンに設けられている非開口部の全体が接続パッドに
密着するので、その外周縁だけが接している場合に比較
して、厚膜絶縁体ペーストのビアホール内への滲み延い
ては導通不良が一層確実に防止される。また、厚膜スク
リーン印刷時の相対位置精度の考慮が不要になる利点も
ある。
【0012】また、好適には、前記接続パッドは乾燥状
態では25(μm)以下、焼成後状態では15(μm)以下の膜厚
寸法を備え、且つ、差渡し寸法(矩形の場合には短辺の
長さ寸法、円形の場合には短径寸法)が400(μm)以上の
形状を備えたものである。すなわち、その差渡し寸法
は、乾燥状態で厚さ寸法の16倍以上の大きさに設定され
る。このようにすれば、膜厚に対して差渡し寸法が十分
に大きくされるので、その頂部が十分に広い範囲(すな
わち前記所定範囲)に亘って平坦になる。そのため、厚
膜スクリーン印刷時においてスクリーンの非開口部をそ
こに密着させ、延いては上下配線層間の導通不良を防止
することが一層容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。
【0014】図3は、本発明の製造方法を用いて製造し
た厚膜多層基板30の全体を示す図である。多層基板3
0は、例えば、ガラス、セラミックス、或いは琺瑯等の
絶縁体材料製平板から成る基板本体32の一面34に、
複数のパターン領域36を備えたものである。このパタ
ーン領域36は、例えば多層基板30を多数の回路基板
に分割する場合の個々の回路基板に相当する位置毎に設
けられている。
【0015】また、上記の厚膜多層基板30は、例え
ば、図4に断面構造を模式的に示すように、基板本体3
2の上記一面34に複数の配線層および絶縁体層、すな
わち第1配線層38、第1絶縁体層40、第2配線層4
2、第2絶縁体層44、および第3配線層46が順次積
層されて成るものである。これら各層は、例えばAgやAg
-Pt系、Ag-Pd系、Cu等の厚膜導体、或いは硼珪酸ガラス
(例えばPbO-B2O3-SiO2)等を主成分とする厚膜絶縁体か
ら成るものであり、例えば、厚膜導体は5〜30(μm)の範
囲内、例えば15(μm)程度以下の厚さ寸法に、厚膜絶縁
体は20〜60(μm)の範囲内、例えば45(μm)程度の厚さ寸
法にそれぞれ構成されている。
【0016】上記第1絶縁体層40および第2絶縁体層
44は、第1配線層38或いは第2配線層42の厚膜導
体48上の適宜の位置にビアホール50を備えたもので
ある。そのビアホール50上には、絶縁体層40,44
の上側に位置する配線層42,46の厚膜導体48が位
置させられており、ビアホール50を介して上下の厚膜
導体48が相互に接続されている。本実施例において
は、第1配線層38と第2配線層42との関係では、第
1絶縁体層40が請求の範囲に言う絶縁体層に相当する
が、第2配線層42および第3配線層46も請求の範囲
に言う第1配線層および第2配線層にそれぞれ相当し、
これらの関係では、第2絶縁体層44が請求の範囲に言
う絶縁体層に相当する。
【0017】図5は、前記のパターン領域36にそれぞ
れ形成されている回路パターン52の構成例を示した平
面図である。前述したように、多層基板30には第1配
線層38乃至第3配線層46の3層の配線層が備えられ
ているが、図5に示されているのは、例えばそれらのう
ち最上部に位置する第3配線層46である。回路パター
ン52は、図示しない電子部品を実装するための複数の
ランド54、多層基板30を図示しない機械装置の所定
位置に電気的に接続した状態で取り付けるための複数の
端子56、下側に位置する第2配線層42と接続された
接続部58、相互に離隔した位置にあるランド54、端
子56や接続部58を接続するための配線60等を備え
ている。
【0018】一方、図5においては表面に現れていない
第1配線層38および第2配線層42は、第3配線層4
6のうち離隔して位置し且つ第3配線層46内では接続
されていない接続部58を相互に接続するための複数本
の配線を備えたものである。すなわち、第2配線層42
には、図6に示されるように接続部58等に接続される
接続パッド62を両端に有する厚膜導体48から成る複
数本の配線64(一端側だけを示した)が備えられてお
り、第1配線層38には、同様にして第2配線層42の
接続パッド62或いは配線64を相互に接続するための
接続パッド62を有する厚膜導体48から成る複数本の
配線が備えられている。前記のビアホール50は、絶縁
体層40或いは44を挟んで上下に位置するこれら接続
部58および接続パッド62間等に備えられており、絶
縁体層40,44上に厚膜導体48を形成する際にその
ビアホール50内に満たされた厚膜導体によってそれら
接続部58および接続パッド62等が相互に接続されて
いる。なお、第1配線層38および第2配線層42内に
は、配線64等の他に厚膜抵抗体等の電子部品が適宜に
備えられる。
【0019】上記の接続パッド62は、例えば一辺が40
0(μm)程度の長さ寸法を備えたものであって、前記の図
4に示されるようにその頂部66は略平坦である。ま
た、その図4に示されるように、絶縁体層40,44は
この接続パッド62の周縁部を覆うように設けられてい
るため、その接続パッド62上に備えられたビアホール
50は、一辺の長さ寸法が接続パッド62よりは小さい
100〜300(μm)の範囲内、例えば150(μm)程度の矩形に
形成されている。但し、この大きさは、配線層38,4
2,46相互間の導通確保に十分な大きさである。第1
絶縁体層40および第2絶縁体層44内において複数箇
所に設けられたビアホール50は、何れも上記のような
十分な大きさを備えているため、多層基板30におい
て、上下配線層間(すなわち第1配線層38および第2
配線層42相互間、或いは第2配線層42および第3配
線層46相互間)の導通不良は、何ら生じていない。
【0020】図7は、上記のように構成された厚膜多層
基板30の製造工程の要部を説明する工程図である。図
において、第1配線層形成工程68では、基板本体32
上に厚膜スクリーン印刷法を利用して厚膜導体ペースト
を所定パターンで塗布し、乾燥および焼成処理を施して
厚膜導体を生成することにより、前記の第1配線層38
を形成する。このとき、厚膜導体ペーストは、例えば、
AgやAg-Pt、Ag-Pd、Cu等の金属粉、ガラスフリット、樹
脂、および溶剤等から成るものであって、焼成処理後の
残存率が50〜75(%)の範囲内、例えば60(%)程度以下のも
のが用いられ、その塗布厚みは例えば乾燥膜厚で25(μ
m)程度以下である。この結果、前記のように15(μm)程
度以下の膜厚の厚膜導体48が形成されることになる。
また、接続パッド62は、前記のように一辺が400(μm)
程度の大きな寸法で、且つ膜厚が上記のようにその面積
に比して十分に小さい寸法で、すなわち乾燥後膜厚に対
して一辺がその16倍程度の極めて大きな寸法で設けられ
ることから、その頂部66は前記の図4に示されるよう
に略平坦になる。
【0021】次いで、第1絶縁体層形成工程70では、
厚膜スクリーン印刷法を利用して上記の第1配線層38
上に厚膜絶縁体ペーストを所定パターンで塗布し、乾燥
および焼成処理を施して厚膜絶縁体を生成することによ
り、前記の第1絶縁体層40を形成する。この厚膜絶縁
体ペーストは、例えば、セラミック粉のフィラー、ガラ
スフリット、樹脂、および溶剤等から成るものである。
この工程では、乾燥膜厚が例えば30(μm)程度になるよ
うに、一回の印刷厚みに応じて必要回数だけ印刷および
乾燥処理が繰り返される。
【0022】このとき、図8(a)に印刷中における断面
を示すように、一辺が400(μm)程度の長さ寸法に形成さ
れた接続パッド62の頂部66が略平坦であることか
ら、一辺の長さ寸法がそれよりも十分に短い150(μm)程
度のビアホール50を形成するためにスクリーン14に
備えられている非開口部18すなわち乳剤16が残存さ
せられている部分は、その下面20が頂部66に略密着
する。そのため、厚膜絶縁体ペーストが非開口部18の
下側まで回り込むことはなく、頂部66は十分に大きい
面積で露出した状態に維持される。なお、非開口部18
の図の断面における長さ寸法Bは、例えば150(μm)程度
である。
【0023】この結果、図8(b)に焼成処理後の状態、
すなわち第1絶縁体層40の生成後の状態を示すよう
に、接続パッド62上にビアホール50が十分に大きい
面積で頂部66を露出させるように形成される。ビアホ
ール50の底面の図の断面における長さ寸法Vは150(μ
m)程度である。すなわち、形成されたビアホール50の
一辺の長さ寸法Vは、前記の非開口部18の一辺の長さ
寸法Bに略一致する。本実施例においては、上記の第1
絶縁体層形成工程70が絶縁体層形成工程に対応する。
また、図8(a)において非開口部18が接触している範
囲よりも僅かに大きい範囲Aが請求の範囲に言う「接続
パッドの所定範囲」に相当し、図から明らかなように、
その範囲A内では外周縁と内周部の厚さ寸法が一様であ
る。すなわち、接続パッド62は、一辺の長さ寸法Bの
非開口部18が接触することとなる範囲と同じか或いは
それよりも大きい範囲A内で、内周部がその範囲の外周
縁よりも厚くならないように設けられている。
【0024】なお、上記の図8は、厚膜スクリーン印刷
の実施中において、スクリーン14が図示しないスキー
ジで基板本体32に向かって押し下げられることによ
り、非開口部18が接続パッド62に押し付けられた状
態、すなわちその接続パッド62近傍に厚膜絶縁体ペー
ストを塗布中の状態を表している。非開口部18は、こ
の際に一時的に接続パッド62に密着させられるに過ぎ
ない。
【0025】図7に戻って、第2配線層形成工程72で
は、上記の第1絶縁体層40上に第1配線層形成工程7
0と同様にして厚膜スクリーン印刷法を利用して厚膜導
体ペーストを所定パターンで塗布し、乾燥および焼成処
理を施すことにより、前記の第2配線層42を形成す
る。図8(b)に示すように、この第2配線層42の厚膜
導体48は、前記の第1絶縁体層40に備えられている
ビアホール50を覆う位置にも形成されるが、前記のよ
うに接続パッド62上にビアホール50が十分に大きい
開口面積で形成されていることから、第1配線層38と
第2配線層42とのそのビアホール50を介した導通が
確実に得られるのである。なお、上記の厚膜導体ペース
トは、例えば第1配線層38の形成に用いたものと同様
なものを用いることができる。また、この工程において
も、接続パッド62が一辺の長さ寸法が400(μm)程度の
十分に大きな面積で設けられることにより、その頂部6
6が平坦に形成される。
【0026】そして、第2絶縁体層形成工程74におい
て、上記第2配線層42上に厚膜絶縁体ペーストを塗布
することにより、前記のビアホール50をその第2配線
層42内の厚膜導体48上に備えた前記第2絶縁体層4
4を形成し、更に、第3配線層形成工程76において、
その第2絶縁体層44上にそのビアホール50を介して
第2配線層42と接続されるように前記第3配線層46
を形成することにより、前記の厚膜多層基板30が得ら
れる。上記の第2絶縁体層形成工程74の際にも、ビア
ホール50を形成するためにスクリーンに備えられる非
開口部が前記の図8(a)に示されるように接続パッド6
2の頂部66に略密着させられることとなるため、その
ビアホール50が十分に大きい面積でその接続パッド6
2を露出させるように形成される。したがって、本実施
例においては、第2配線層形成工程72、第2絶縁体層
形成工程74、および第3配線層形成工程76も、請求
の範囲に言う第1配線層形成工程、絶縁体層形成工程、
および第2配線層形成工程にそれぞれ対応する。なお、
上記の第2絶縁体層形成工程74は、前記の第1絶縁体
層形成工程70と同様にして実施され、上記の第3配線
層形成工程76は、前記の第1配線層形成工程68およ
び第2配線層形成工程72と同様にして実施される。
【0027】要するに、本実施例においては、第1配線
層形成工程68において、接続パッド62が範囲A内で
一様な厚さ寸法となるように設けられた後、第1絶縁体
層形成工程70において、厚膜スクリーン印刷用スクリ
ーン14のビアホール50に対応する非開口部18の全
体が、その平坦な範囲A内に接した状態で第1絶縁体層
40が形成される。そのため、非開口部18の全体が接
続パッド62に接した状態で厚膜絶縁体ペーストが塗布
されることから、その非開口部18の外周縁よりも内側
に厚膜絶縁体ペーストの入り込むことが抑制される。し
たがって、第1絶縁体層40内に設けられるビアホール
50は、その非開口部18の大きさに応じた所期の大き
さに形成されることから、その第1絶縁体層40の上に
形成される第2配線層42と上記の第1配線層38との
その接続パッド62を介した接続状態が確保されるた
め、上下配線層間の導通不良の無い厚膜多層基板30が
得られる。
【0028】また、本実施例においては、接続パッド6
2の一辺の長さ寸法が、乾燥状態における膜厚寸法25
(μm)程度の16倍程度すなわち400(μm)程度に設けられ
ることから、膜厚寸法に対して平面視における差渡し寸
法、本実施例では一辺の長さ寸法が十分に長くされるの
で、その頂部66が十分に広い範囲に亘って平坦になる
利点がある。
【0029】因みに、接続パッド62の乾燥膜厚を種々
変更して、その一辺の長さ寸法と頂部66の平坦性との
関係を調べたところ、下記の表1に示すような結果が得
られた。なお、何れも厚膜導体ペーストは前記の配線層
38,42,46の形成に用いたものと同様なものを用
い、その粘度を調整することによって膜厚を調節した。
また、平坦性の評価は、接続パッド62を介して接続さ
れている上下配線層間の導通を測定することで行った。
表において、「×」は導通不良が一部或いは全部に発生
したことを、「○」は全て良好な導通が得られたことを
それぞれ表している。
【0030】
【0031】上記の結果から、膜厚が20(μm)程度の場
合には一辺の長さ寸法を300(μm)程度以上、膜厚が25
(μm)程度の場合には一辺の長さ寸法を400(μm)以上、
膜厚が30(μm)程度の場合には一辺の長さ寸法を500(μ
m)以上とすることにより、十分な平坦性を確保できるこ
とが判る。前述した実施例において、25(μm)程度の膜
厚で設けられた接続パッド62の一辺の長さ寸法が400
(μm)程度に設定されていたのは、このような実験結果
に基づくものである。なお、上記評価範囲では、膜厚が
35(μm)の場合に十分な大きさの平坦面を形成すること
ができなかったが、一辺の長さ寸法を更に長くすれば、
導通不良が生じないようにできるものと考えられる。す
なわち、膜厚が厚くなるほどその頂部に形成される平坦
面の大きさがその底面積に対して小さくなることから、
接続パッド62の一辺の長さ寸法を膜厚に応じて適宜設
定することにより、十分な大きさの平坦面を形成して導
通を確保することが可能である。
【0032】なお、焼成処理後の接続パッド62の断面
形状を表面粗さ計で測定して、その結果から頂部66の
平坦部の長さ寸法を求め、非開口部18の長さ寸法およ
び導通不良の発生状態と対比したところ、平坦部の長さ
寸法が非開口部18の長さ寸法と同等以上の場合には導
通不良が発生しないことが確かめられた。
【0033】以上、本発明を図面を参照して詳細に説明
したが、本発明は更に別の態様でも実施できる。
【0034】例えば、実施例においては、基板本体32
上に設けられる配線層38,42,46および絶縁体層
40,44の全体が厚膜スクリーン印刷法を利用して形
成される場合について説明したが、本発明は、少なくと
も接続しようとする上下配線層間に設けられる絶縁体層
が厚膜スクリーン印刷法を用いて形成されるものであれ
ば、他の層の形成方法に拘わらず適用される。
【0035】また、実施例においては、接続パッド62
の頂部66が略平坦な場合について説明したが、非開口
部18の外周縁全体が接続パッド66に密着させられて
いれば、厚膜絶縁ペーストの滲みを防止できて本発明の
効果を享受できる。したがって、少なくとも頂部66の
うち非開口部18の外周縁が接触させられる部分が、一
様な厚さ寸法であって且つそれよりも内周側に対して同
等以上の厚さ寸法に形成されていればよい。すなわち、
その外周縁に対応する位置よりも内周側が厚さ寸法の小
さい中央部の凹んだ形状であっても差し支えなく、その
外周縁に対応する位置よりも外側は一様な高さ寸法でな
くとも差し支えない。但し、印刷時の位置ずれを考慮す
ると、厚さ寸法の一様な部分が非開口部18の外周縁に
対応する位置を中心とした一定の幅寸法、例えば図8
(a)における範囲Aの外周縁に沿った一定の幅寸法の帯
状に形成されていることが好ましい。
【0036】また、実施例においては、厚膜多層基板3
0が2つの絶縁体層40,44で相互に絶縁させられた
3つの配線層38,42,46を備えたものであった
が、本発明は、1つ以上の絶縁体層で絶縁させられた2
つ以上の配線層が備えられるものであれば、種々の層数
の厚膜多層基板に同様に適用される。
【0037】また、実施例においては、配線層38,4
2,46がAg、Ag-Pt、Ag-Pd、Cu等で、絶縁体層40,
44が硼珪酸ガラス等で構成される場合について説明し
たが、その材質は厚膜多層基板30の要求特性に応じて
適宜変更される。
【0038】また、配線層38,42,46を形成する
ための厚膜導体ペーストの調合組成や、絶縁体層40,
44を形成するための厚膜絶縁体ペーストの調合組成等
は、導体や絶縁体の主要構成要素の材質、必要な膜厚や
印刷精度等に応じて適宜変更される。
【0039】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の厚膜多層基板の製造方法の問題点を説明
する図である。
【図2】図1の製造方法により形成された絶縁体層の問
題点を説明する図である。
【図3】本発明の一実施例の厚膜多層基板の全体を示す
図である。
【図4】図3の厚膜多層基板の断面構造の要部を拡大し
て示す図である。
【図5】図3の厚膜多層基板の表面に備えられた回路パ
ターンを説明する図である。
【図6】接続パッドとビアホールとの位置関係を説明す
る図である。
【図7】図3の厚膜多層基板の製造方法の要部を説明す
る工程図である。
【図8】(a)、(b)は、図7の第1絶縁体層形成工程の実
施状態を説明する図である。
【符号の説明】
14:厚膜印刷用スクリーン 18:非開口部 30:厚膜多層基板 32:基板本体 38:第1配線層 40:第1絶縁体層 42:第2配線層 48:厚膜導体 50:ビアホール 62:接続パッド 66:頂部
フロントページの続き Fターム(参考) 5E346 AA02 AA12 AA15 AA32 AA43 AA51 DD03 DD13 DD34 EE23 EE28 EE30 EE32 EE38 EE39 FF18 FF22 GG06 GG07 GG19 HH07 HH11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に厚膜導体ペーストを塗布するこ
    とにより所定の接続パッドを有する第1配線層を形成す
    る第1配線層形成工程と、その第1配線層を覆うように
    厚膜絶縁体ペーストを塗布することにより前記接続パッ
    ド上にビアホールを備えた絶縁体層を形成する絶縁体層
    形成工程と、その絶縁体層上に厚膜導体ペーストを塗布
    することにより前記ビアホールを介して前記接続パッド
    に接続される第2配線層を形成する第2配線層形成工程
    とを含む厚膜スクリーン印刷法を用いた厚膜多層基板の
    製造方法であって、 前記第1配線層形成工程において、前記接続パッド内の
    所定範囲をその外周縁の厚さ寸法が一様且つその内周部
    の厚さ寸法以上の値となるように設けると共に、 前記絶縁体層形成工程において、前記ビアホールに対応
    して厚膜印刷用スクリーンに設けられた非開口部の外周
    縁全体が前記所定範囲の外周縁に接した状態で前記絶縁
    体層を形成することを、特徴とする厚膜多層基板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 所定の接続パッドを有する厚膜導体から
    成る第1配線層と、その第1配線層を覆い且つその接続
    パッド上にビアホールを有する絶縁体層と、その絶縁体
    層上に設けられ且つそのビアホールを介して前記接続パ
    ッドに接続された厚膜導体から成る第2配線層とを備え
    た厚膜多層基板であって、 前記接続パッドは、前記ビアホールの前記第1配線層側
    開口の外周縁に対応する位置における厚さ寸法が一様且
    つその内周部における厚さ寸法以上の値を有することを
    特徴とする厚膜多層基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007263862A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Kyocera Corp プローブカード用基板、半導体検査装置、およびその製造方法
US7376318B2 (en) 2002-12-06 2008-05-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Circuit board and its manufacturing method
JP2008147614A (ja) * 2006-11-17 2008-06-26 Ricoh Co Ltd 多層配線構造の製造方法及び多層配線構造

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