JP2004040029A - 厚膜回路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の厚膜回路基板は、厚膜抵抗体と、厚膜抵抗体と他の電子部品とを電気的に接続する厚膜導体2とによりセラミック基板1上に所定の配線パターン状の回路が形成されている。そして、セラミック基板1は、厚膜導体2や厚膜抵抗体の配線パターンに沿って形成された凹部4を有する。厚膜導体や厚膜抵抗体は、スクリーン印刷法により導体ペーストや抵抗体ペーストを凹部4の内部およびセラミック基板表面上に塗布する塗布工程と、塗布した導体ペーストや抵抗体ペーストを乾燥する乾燥工程と、乾燥した導体ペーストや抵抗体ペーストを焼成する焼成工程とから形成される。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッドIC等の厚膜回路基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッドIC等に使用されている厚膜回路基板は、アルミナ系のセラミック基板上に、厚膜抵抗体と、厚膜抵抗体と他の部品とを電気的に接続する厚膜導体とにより回路が形成されている。そして、近年における厚膜回路基板の小型化の要請に伴い、配線の細線化のために、厚膜導体として銀白金を主成分とする2元素合金に換わって、導体抵抗が低くかつ安価である銅を主成分とするものが使用されるようになってきた。
【0003】
ここで、従来の厚膜回路基板を図4および図5に示す。図4は、従来の厚膜回路基板の斜視図であり、図5は厚膜回路基板のB−B断面図である。図4に示すように、従来の厚膜回路基板は、セラミック基板1上に銅を主成分とする厚膜導体2が所定の配線パターン状に形成されている。そして、厚膜抵抗体3および他の電子部品(図示せず)がセラミック基板1上に設けられることで回路を形成している。なお、厚膜導体2および厚膜抵抗体3は、スクリーン印刷法によりセラミック基板1上にパターンニングされている。
【0004】
ところで、このように形成される厚膜回路に大電流を流せるようにするためには、厚膜導体2や厚膜抵抗体3の断面積を大きくする必要がある。そのため、厚膜導体2や厚膜抵抗体3の線幅wを広くせざるを得ず、結果として厚膜回路基板全体が大型化することになる。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、以下の方策が考えられる。第1の方策は、図6に示すように、導体ペーストや抵抗体ペーストの塗布工程を複数回行って厚膜回路基板を形成することである。具体的には、まず、導体ペースト等をスクリーン印刷法によりセラミック基板1上に同一箇所に複数回塗布する。そして、塗布された導体ペースト等を乾燥し、焼成する。このように、複数回の塗布工程を行うことにより、厚膜導体2や厚膜抵抗体3の膜厚tを大きくすることができる。すなわち、膜厚tを大きくすることにより、必要な断面積を確保しつつ、線幅wを狭くする方策である。
【0006】
第2の方策は、特開平5−21635号公報に記載されているように、セラミック基板を多層構成とすることである。そして、各層のセラミック基板に設けられたスルーホール内に導体ペーストを充填しておき、セラミック基板の表面上に厚膜導体や厚膜抵抗体を配置している。すなわち、多層構成とし、スルーホールを設けることで、厚膜導体の必要な断面積を確保しつつ、セラミック基板表面上の厚膜導体の線幅を狭くする方策である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第1および第2の方策は、何れも厚膜導体等の塗布を複数回行っている。すなわち、工程数を増加させることになる。さらに、第2の方策の多層構成からなる厚膜回路基板は、単層構成のものに比べ非常に高価なものであると共に、スルーホール内への導体ペーストの塗布は多工程を要する。このように、何れの方策も高コスト化となる。
【0008】
また、導体ペースト等が塗布される位置やスルーホールの位置を合わせることは困難である。そのため、塗布される位置がずれた分だけ線幅wが広くなることになる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、導体ペーストや抵抗体ペーストの塗布回数を減少させることにより、小型化かつ低コスト化を可能とする厚膜回路基板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、セラミック基板に凹部を設け、導体ペーストや抵抗体ペーストの塗布工程をそれぞれ1回で行うことを思いつき、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の厚膜回路基板は、厚膜抵抗体と、厚膜抵抗体と他の電子部品とを電気的に接続する厚膜導体とによりセラミック基板上に所定の配線パターン状の回路が形成されている。そして、セラミック基板は、厚膜導体および/または厚膜抵抗体の配線パターンに沿って形成された凹部を有している。厚膜導体および/または厚膜抵抗体は、塗布工程と、乾燥工程と、焼成工程とから形成される。ここで、塗布工程は、スクリーン印刷法により厚膜導体および/または厚膜抵抗体となり得るペースト(導体ペーストおよび/または抵抗体ペースト)をセラミック基板の凹部の内部およびセラミック基板表面上に塗布する工程である。乾燥工程は、塗布した厚膜導体および/または厚膜抵抗体となり得るペーストを乾燥する工程である。焼成工程は、乾燥した厚膜導体および/または厚膜抵抗体となり得るペーストを焼成する工程である。なお、厚膜とは、膜厚が1〜100μmのものをいうが、10〜20μmのものが多い。
【0012】
つまり、導体ペーストや抵抗体ペーストの塗布工程をそれぞれ1回のみ行うことで、セラミック基板の凹部の内部とセラミック基板表面上に導体ペーストや抵抗体ペーストが塗布される。これにより、セラミック基板表面上に塗布される導体ペーストおよび抵抗体ペーストの量を減少させつつ、厚膜導体および厚膜抵抗体の必要な断面積を確保することができる。その結果、厚膜導体および厚膜抵抗体の細線化が可能となる。さらに、塗布工程数減少によりコストダウンが可能となる。さらに、多層構成とすることなく、単層構成で確実に配線の細線化が可能となる。
【0013】
また、本発明の厚膜回路基板のセラミック基板は、分割前基板を分割用溝に沿って複数に分割されて形成されている。分割前基板は、セラミック基板より大きく、分割用溝が形成されている。そして、セラミック基板に形成される凹部の深さは、分割前基板の分割用溝の深さの2分の1以下とするとよい。一般に、セラミック基板は、大きな基板(分割前基板)を分割することにより形成される。そして、分割前基板からセラミック基板を分割するために、分割前基板は分割用溝が形成されている。つまり、この分割用溝に沿って分割することにより、所定の大きさのセラミック基板が形成されることになる。そして、上述のように、凹部の深さを分割用溝の深さの2分の1以下とすることで、凹部に沿って分割前基板が分割されることを防止でき、確実に分割用溝に沿って分割することができる。
【0014】
また、セラミック基板に形成される凹部の深さは、100μm以下とするとよい。例えば、分割前基板の厚さが約800μmとすると、分割用溝は約100μmとしている。すなわち、凹部の深さを100μm以下にすることで、凹部に沿って分割前基板若しくは分割後のセラミック基板が分割されるのを防止できる。さらに、分割前基板若しくは分割後のセラミック基板の厚さが、800μm以上の場合であっても、凹部の深さを100μm以下とすることで、上述と同様の効果を奏する。すなわち、分割前基板や分割後のセラミック基板の厚さを厚くしたとしても、100μmより深い溝が形成されていると、その溝に沿って分割される場合が生ずる。分割されないとしても、クラックが発生して、溝の深さが深くなるおそれが生ずる。つまり、凹部に沿って分割若しくは溝の深さの拡大を防止できる。すなわち、セラミック基板の強度を低下することを防止できる。
【0015】
また、セラミック基板に形成される凹部に充填する厚膜導体は、銅を主成分としてもよい。さらに、この場合の厚膜導体の焼成温度は、600〜900度の温度範囲内とするとよい。これにより、焼成による厚膜導体の収縮を防止することができる。
【0016】
また、セラミック基板に形成される凹部は、セラミック基板の成形時若しくは分割前基板の成形時に金型により成形してもよい。通常、セラミック基板若しくは分割前基板の成形には、金型を用いている。例えば、分割前基板の外形の形成と、分割前基板に形成される分割用溝とを金型により形成する場合がある。このような場合に、金型形状を変更することのみで凹部を形成することができる。すなわち、凹部形成に新たな設備等が不要である。
【0017】
また、その凹部は、セラミック基板若しくは分割前基板にレーザーにより成形してもよい。分割前基板に形成される分割用溝は、レーザーにより形成することがある。このような場合には、分割用溝の形成時に、同時に凹部を形成することができる。すなわち、容易に凹部を形成することができる。
【0018】
また、セラミック基板に形成される凹部の幅は、セラミック基板表面上に形成される厚膜導体および/または厚膜抵抗体の線幅より狭くするとよい。これにより、凹部の内部に導体ペーストや抵抗体ペーストを確実に塗布することができると共に、セラミック基板表面上にも一定の膜厚で一定の線幅の導体ペーストおよび抵抗体ペーストを塗布することができる。仮に、凹部の幅を厚膜導体や厚膜抵抗体の線幅と同等若しくはその線幅より広くすると、セラミック基板表面上の厚膜導体や厚膜抵抗体の形状が一定に保つことができない。このことは、他の電子部品等の厚膜導体への接続が正確に行えなくなるおそれがある。すなわち、この状態を確実に回避することができる。
【0019】
また、本発明の厚膜回路基板の製造方法は、凹部形成工程と、塗布工程と、乾燥工程と、焼成工程とからなる。ここで、凹部形成工程は、セラミック基板に厚膜導体および/または厚膜抵抗体の配線パターンに沿って凹部を形成する工程である。なお、塗布工程、乾燥工程および焼成工程は、上述のもの同様である。
【0020】
つまり、導体ペーストや抵抗体ペーストの塗布工程をそれぞれ1回のみ行うことで、セラミック基板の凹部の内部とセラミック基板表面上に導体ペーストや抵抗体ペーストが塗布される。これにより、セラミック基板表面上に塗布される導体ペーストや抵抗体ペーストの量を減少させつつ、厚膜導体および厚膜抵抗体の必要な断面積を確保することができる。その結果、厚膜導体および厚膜抵抗体の細線化が可能となる。さらに、塗布工程数減少によりコストダウンが可能となる。さらに、多層構成とすることなく、単層構成で確実に配線の細線化が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本発明の厚膜回路基板は、例えばハイブリッドIC等に使用される。この厚膜回路基板は、アルミナ系のセラミック基板上に、厚膜抵抗体と、厚膜抵抗体と他の電子部品とを電気的に接続する厚膜導体とにより回路が形成されている。厚膜導体には、銅を主成分とするものを使用している。なお、厚膜とは、一般に膜厚tが約1〜100μmのものをいうが、10〜20μmのものが多い。また、本実施形態では、スクリーン印刷法により行っているので、厚膜導体や厚膜抵抗体は、約100〜300Pa・sの粘度のものを使用している。この厚膜導体を使用する厚膜回路基板の製造方法について、図面を参照してより詳しく説明する。
【0022】
(第1実施形態)
本実施形態の厚膜回路基板の斜視図を図1に示す。図1に示すように、単層の分割前基板6に形成された分割用溝7に沿って分割することにより、複数のセラミック基板1が形成される。なお、本実施形態では、分割前基板6を4つのセラミック基板1に分割している。そして、分割されるそれぞれのセラミック基板1上には、厚膜導体2が設計された配線パターン状に形成されている。そして、厚膜抵抗体3および他の電子部品(図示せず)がセラミック基板1上に設けられることで回路を形成している。なお、厚膜導体2および厚膜抵抗体3は、スクリーン印刷法により印刷されている。また、分割前基板6は100mm×100mm×800μmである。セラミック基板1は、50mm×50mm×800μmである。
【0023】
次に、図1のA−A断面図を図2に示す。図2に示すように、それぞれのセラミック基板1には、凹部4が形成されている。この凹部4は、図1に示す厚膜導体2および厚膜抵抗体3の配線パターンに沿って形成されている。凹部4の形状は、深さが約20〜30μm、幅が約100μmである。セラミック基板1の表面上に形成される厚膜導体2は、膜厚tが約10〜20μm、線幅wが約200μmである。なお、セラミック基板1の表面上に形成される厚膜抵抗体3についても同様の形状である。また、分割前基板6に形成される分割用溝7は、深さが約100μmである。
【0024】
このように形成される厚膜回路基板の製造方法について説明する。まず、セラミックのペーストを分割前基板6の大きさにプレス加工により成形する。このプレス加工に使用される金型には、転写される分割前基板6に形成される分割用溝7及びそれぞれのセラミック基板1に形成される配線パターンに沿って凸部が形成されている。金型の凸部がセラミックのペーストに転写されることにより、分割前基板6を形成するセラミックのペーストに分割用溝7及び凹部が形成される。その後、セラミックのペーストを焼成して、分割前基板6を成形する。
【0025】
続いて、成形された分割前基板6上に厚膜銅導体2となり得る銅を主成分とする銅導体ペーストをスクリーン印刷法により塗布する。すなわち、まず、スクリーンを分割前基板6の表面から僅かに離れた位置に設置する。そして、そのスクリーン上を銅導体ペーストをスキージングすることにより行われる。ここで、このスクリーン印刷に用いられるスクリーンには、厚膜銅導体2の配線パターン状に貫通穴が形成されている。このようなスクリーン印刷法により行うことで、分割前基板6上に形成された凹部4の内部と分割前基板6の表面上に銅導体ペーストが塗布される。その後、銅導体ペーストを乾燥させて、約600〜900度の温度範囲内で焼成する。このようにして厚膜銅導体2が成形される。
【0026】
続いて、厚膜抵抗体3となり得る抵抗体ペーストをスクリーン印刷法により塗布する。これは、上述の厚膜銅導体の塗布と同様の方法である。ただし、ここで用いられるスクリーンには、厚膜抵抗体3の配線パターン状に貫通穴が形成されている。その後、抵抗体ペーストを乾燥させて、約900度の温度で焼成する。このようにして厚膜抵抗体3を成形する。
【0027】
そして、分割前基板6上に他の電子部品等を取付けた後、分割前基板6を分割用溝7に沿って分割することにより、複数のセラミック基板1を成形する。
【0028】
なお、上述の製造方法は、厚膜銅導体2を成形した後、厚膜抵抗体3を成形しているが、厚膜銅導体2の成形より前に厚膜抵抗体3の成形を行ってもよい。また、銅導体ペーストの焼成と抵抗体ペーストの焼成を同時に行ってもよい。
【0029】
このように、銅導体ペーストや抵抗体ペーストの塗布工程をそれぞれ1回のみ行うことで、セラミック基板1の凹部の内部とセラミック基板1の表面上に塗布される。その結果、セラミック基板1の表面上に塗布される銅導体ペーストを減少させつつ、厚膜銅導体2や厚膜抵抗体3の必要な断面積を確保することができる。その結果、厚膜銅導体2や厚膜抵抗体3の細線化が可能となる。さらに、塗布工程数減少によりコストダウンが可能となる。さらに、多層構成とすることなく、単層構成で確実に配線の細線化が可能となる。また、凹部4はセラミック基板1の成形時に金型により成形されているため、その金型形状を変更することのみで凹部4を形成することができる。すなわち、金型以外の新たな設備等を設けることなく凹部4を成形することができる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3を用いて説明する。図3は、図1のA−A断面図である。図3に示すように、セラミック基板1には、凹部5が形成されている。この凹部5は、図1に示す厚膜銅導体2および厚膜抵抗体3の配線パターンに沿って形成されている。そして、この凹部5の深さは約20〜30μmである。また、セラミック基板1のサイズ、セラミック基板1の表面上に形成される厚膜銅導体2および厚膜抵抗体3の膜厚tおよび線幅wは第1実施形態のものと同様である。また、分割前基板6に形成される分割用溝7は、深さが約100μmである。
【0031】
続いて、この厚膜回路基板の製造方法について説明する。まず、セラミックのペーストを分割前基板6の大きさにプレス加工により成形する。ここで成形される分割前基板6は、表面に凹凸のない板状の形状であり、第1実施形態と同様にセラミック基板1を複数得ることができる大きさとしている。その後、この分割前基板6を焼成する。次に、レーザー加工により、分割前基板6から所定の大きさのセラミック基板1に分割可能とする分割用溝7と共に、厚膜銅導体2および厚膜抵抗体3の配線パターンに沿って凹部5を形成する。なお、図3は、凹部5の断面形状が二山の三角形状としているが、これに限られるものではなく、レーザー加工により形成される形状を模式的に示すものである。
【0032】
続いて、成形された分割前基板6上に厚膜銅導体2となり得る銅を主成分とする銅導体ペーストを塗布し、乾燥し、600〜900度の温度範囲内で焼成する。続いて、分割前基板6上に厚膜抵抗体3となり得る抵抗体ペーストを塗布し、乾燥し、約900度の温度で焼成する。このようにして厚膜銅導体2および厚膜抵抗体3を成形する。この塗布、乾燥および焼成は、第1実施形態に記載したものと同様であるので説明を省略する。
【0033】
その後、分割前基板6上に他の電子部品等を取付けた後、分割前基板6を分割用溝7に沿って分割することにより、複数のセラミック基板1を成形する。
【0034】
このように凹部5を形成した場合も、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態による製造方法によれば、従来の金型を用いることができ、新たな設備は何ら必要ではない。
【0035】
なお、凹部5は2箇所形成しているが、1箇所でもよいし、3箇所以上であってもよい。すなわち、厚膜導体2と厚膜抵抗体3のそれぞれの必要な断面積を確保できる形状であればよい。
【0036】
(その他)
なお、厚膜銅導体2および厚膜抵抗体3の線幅wと、セラミック基板1に形成された凹部4の幅とは、上記に限られるものではない。厚膜導体2等が形成可能な最小幅以上であればよい。例えば、約0.2μm以上であれば可能である。また、厚膜導体2および厚膜抵抗体3の膜厚tについても、用途に応じて1〜100μmの範囲内に適宜変更可能である。
【0037】
また、セラミック基板1上に形成される図2に示す凹部4および図3に示す凹部5の深さは、導体ペーストや抵抗体ペーストの粘度、凹部4、5の幅に応じて適宜変更可能である。例えば、粘度を小さくした場合や凹部4、5の幅を広くした場合には、凹部4、5の深さは深くすることができる。なお、粘度を100〜300Pa・sの導体ペーストや抵抗体ペーストを使用し、凹部4、5の幅を0.2〜1.0μmの場合には、凹部4、5の深さは30μm以下とすればよい。
【0038】
また、セラミック基板1上に形成される図2に示す凹部4および図3に示す凹部5の深さは、図1に示す分割用溝7の深さの2分の1以下とするとよい。さらに、凹部4、5の深さは、100μm以下とするとよい。このことにより、凹部に沿って分割前基板が分割されることを防止でき、確実に分割用溝に沿って分割することができる。
【0039】
また、セラミック基板1上に形成される図2に示す凹部4および図3に示す凹部5の形状は、厚膜導体2が形成される位置と厚膜抵抗体3が形成される位置とを同様の形状としているが、異なる形状としてもよい。すなわち、厚膜導体2と厚膜抵抗体3のそれぞれの必要な断面積を確保できる凹部形状とすればよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明の厚膜回路基板によれば、厚膜導体や厚膜抵抗体の塗布回数を減少させることにより、細線化による小型化かつ低コスト化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厚膜回路基板を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態における図1のA−A断面図である。
【図3】第2実施形態における図1のA−A断面図である。
【図4】従来の厚膜回路基板を示す斜視図である。
【図5】従来の図4のB−B断面図である。
【図6】従来の図4のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・ セラミック基板
2 ・・・ 厚膜導体
3 ・・・ 厚膜抵抗体
4、5 ・・・ 凹部
6 ・・・ 分割前基板
7 ・・・ 分割用溝
Claims (9)
- 厚膜抵抗体と、該厚膜抵抗体と他の電子部品とを電気的に接続する厚膜導体とによりセラミック基板上に所定の配線パターン状の回路が形成された厚膜回路基板において、
前記セラミック基板は、前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体の前記配線パターンに沿って形成された凹部を有し、
前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体は、
スクリーン印刷法により前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体となり得るペーストを該凹部の内部および前記セラミック基板表面上に塗布する塗布工程と、
塗布した前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体となり得るペーストを乾燥する乾燥工程と、
乾燥した前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体となり得るペーストを焼成する焼成工程とから形成されることを特徴とする厚膜回路基板。 - 前記セラミック基板は、前記セラミック基板より大きな分割前基板を該分割前基板に形成された分割用溝に沿って複数に分割されて成形されており、
前記凹部の深さは、該分割用溝の深さの2分の1以下であることを特徴とする請求項1記載の厚膜回路基板。 - 前記凹部の深さは、100μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の厚膜回路基板。
- 前記凹部に充填する前記厚膜導体は、銅を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の厚膜回路基板。
- 前記厚膜導体の焼成温度は、600〜900度の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の厚膜回路基板。
- 前記凹部は、前記セラミック基板の成形時若しくは前記分割前基板の成形時に金型により成形されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の厚膜回路基板。
- 前記凹部は、前記セラミック基板若しくは前記分割前基板にレーザーにより成形されることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の厚膜回路基板。
- 前記凹部の幅は、前記セラミック基板表面上に形成される前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体の幅より狭いことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の厚膜回路基板。
- 厚膜抵抗体と、該厚膜抵抗体と他の電子部品とを電気的に接続する厚膜導体とによりセラミック基板上に所定の配線パターン状の回路が形成された厚膜回路基板の製造方法において、
前記セラミック基板に前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体の前記配線パターンに沿って凹部を形成する凹部形成工程と、
前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体となり得るペーストをスクリーン印刷法により該凹部の内部および前記セラミック基板表面上に塗布する塗布工程と、
塗布した前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体となり得るペーストを乾燥する乾燥工程と、
乾燥した前記厚膜導体および/または前記厚膜抵抗体となり得るペーストを焼成する焼成工程とからなることを特徴とする厚膜回路基板の製造方法。
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