JP2002343735A - イオン注入機 - Google Patents

イオン注入機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応生成物の堆積を抑制し、メンテナンスを軽
減することができるようにする。 【解決手段】イオン注入機は、ソースチャンバー1と前
段加速管2とアナライザー3と後段加速管4とイオン注
入室5を備えている。ソースチャンバー1で発生したイ
オンは、アナライザー3と加速管2,4とドーズカウン
タ8を通して半導体ウェハ7に照射されイオン注入が行
われる。イオンが通過する通路15の内壁には反応生成
物付着抑制膜9がコーティングされている。反応生成物
付着抑制膜9はセラミックの膜またはシリコンの膜であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はイオン注入機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体製造技術の一つとしてイオ
ン注入がある。イオン注入はイオン注入機で加工を行っ
ており、その一例を図7,8に示す。ソースチャンバー
50と前段加速管51とアナライザー52と後段加速管
53とドーズカウンタ(ファラデー)54を備えてい
る。そして、ソースチャンバー50で発生したイオン
は、前段加速管51→アナライザー52→後段加速管5
3→ドーズカウンタ(ファラデー)54→半導体ウェハ
55へと通過していく。このイオン通過過程において、
イオン種の種類に関係なく反応生成物(イオン種の酸化
物等)60がイオン通路の内壁に付着・堆積し、この堆
積した反応生成物60が剥がれ落ちてパーティクルとな
ってウェハ55に付着してしまう。ウェハ55でのイオ
ン注入予定箇所にパーティクルが付着した場合にはこの
箇所にイオンが打ち込まれなくなる。また、ドーズカウ
ンタ54でのイオン通路の内壁に反応生成物60aが付
着・堆積した場合に、その堆積した反応生成物(堆積
物)60aに電荷が蓄積されて起こる放電によりドーズ
カウンタ54の計測値に誤差が生じてしまい目的のドー
ズ量を得るためのイオン注入を行うことができないとい
う問題が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような背
景の下になされたものであり、その目的は、反応生成物
の堆積を抑制し、メンテナンスを軽減することができる
ようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の問題は反応生成物
がイオン通路の内壁に堆積することが原因であるという
点に着目し、以下のようにした。
【0005】請求項1に記載のイオン注入機において
は、イオンが通過する通路の内壁を反応生成物付着抑制
膜でコーティングしたことを特徴としている。よって、
イオン通過過程において反応生成物(イオン種の酸化物
等)がイオン通路の内壁に堆積しようとするが、反応生
成物付着抑制膜をコーティングした通路の内壁において
は反応生成物の堆積が抑制され、メンテナンスを軽減す
ることができるようになる。
【0006】また、請求項2に記載のように、反応生成
物付着抑制膜としてセラミックの膜またはシリコンの膜
を用いるとよい。請求項3に記載のイオン注入機におい
ては、ソースヘッドとソースチャンバーの内壁との間
に、遮蔽部材を配置したことを特徴としている。よっ
て、イオン通過過程において反応生成物(イオン種の酸
化物等)がイオン通路の内壁に堆積しようとするが、ソ
ースヘッドとソースチャンバーの内壁との間に配置した
遮蔽部材によりイオン通路の内壁での反応生成物の堆積
が抑制され、メンテナンスを軽減することができるよう
になる。
【0007】ここで、請求項4に記載のように、遮蔽部
材の内壁を反応生成物脱落抑制膜でコーティングする
と、遮蔽部材の内壁に堆積した反応生成物が剥がれ落ち
るのを抑制することができる。
【0008】また、請求項5に記載のように、遮蔽部材
を冷却すると、遮蔽部材の内壁に反応生成物が堆積しや
すくなり、イオン通路の内壁への堆積をより抑制するこ
とができる。
【0009】請求項6に記載のイオン注入機において
は、イオンが通過する通路にクリーニングガスを導入す
るようにしたことを特徴としている。よって、イオン通
過過程において反応生成物(イオン種の酸化物等)がイ
オン通路の内壁に堆積しようとするが、クリーニングガ
スにて内壁に堆積した反応生成物を除去することにより
イオン通路の内壁での反応生成物の堆積が抑制され、メ
ンテナンスを軽減することができるようになる。
【0010】ここで、請求項7に記載のように、クリー
ニング中は真空形成用ポンプ以外の排気専用のポンプを
駆動すると、実用上好ましいものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
の形態を図面に従って説明する。図1に、本実施の形態
におけるイオン注入機の概略構成図(平面図)を示す。
また、図2にはイオン注入機の斜視図を示す。ただし、
図2においては図1で符号5に示す部材は省略した。
【0012】イオン注入機は、ソースチャンバー1と前
段加速管2とアナライザー3と後段加速管4とイオン注
入室5を備えている。ソースチャンバー1にはソースヘ
ッド6が差し込まれており、ソースヘッド6から材料ガ
スがソースチャンバー1に導入される。ソースチャンバ
ー1で発生したイオンは前段加速管2において加速され
る。この加速されたイオンはアナライザー3において選
別され、目的のイオンが後段加速管4に送られる。後段
加速管4でイオンが加速されてイオン注入室5に送られ
る。
【0013】イオン注入室5において、半導体ウェハ7
が配置されるとともに、半導体ウェハ7へのイオンビー
ム形成路にはドーズカウンタ(ファラデー)8が配置さ
れている。このドーズカウンタ(ファラデー)8により
ドーズ量が計測される。
【0014】このように、ソースチャンバー1で発生し
たイオンが、少なくともアナライザー3と加速管2,4
とドーズカウンタ8を通して半導体ウェハ7に照射され
てイオン注入が行われる。なお、イオン通路は図示しな
い真空ポンプを用いて真空にされている。
【0015】ここで、本実施形態においては、反応生成
物の堆積を抑制するとともにメンテナンスの簡易化を図
る目的で次の(i),(ii),(iii)の工夫をしてい
る。なお、ここでの反応生成物とは、例えばイオン種が
真空中の不純物と反応して生成したものであり、具体的
には例えばイオン種がリンならば酸化リン、また、イオ
ン種がボロンならば酸化ボロンである。
【0016】まず、(i)として、イオンが通過する通
路15(図1参照)の内壁を反応生成物付着抑制膜9で
コーティングしている。この反応生成物付着抑制膜9は
セラミックの膜またはシリコンの膜である。詳しくは、
ソースチャンバー1、アナライザー3、加速管2,4の
内壁にセラミック膜のコーティングまたはシリコン膜の
コーティングを施している。この膜9は反応生成物が付
着して堆積するのを抑制するとともにイオンが浸透する
のを防止する機能を有する。
【0017】このようにして、(i)においては、イオ
ン通過過程において反応生成物(イオン種の酸化物等)
がイオン通路の内壁に堆積しようとするが、反応生成物
付着抑制膜9をコーティングした通路の内壁においては
反応生成物の堆積が抑制される。これにより、堆積した
反応生成物が剥がれ落ちてパーティクルとなってウェハ
に付着することを起こしにくくすることができる。ま
た、反応生成物の堆積を抑制できるので、手作業にてイ
オン通路の内壁に堆積した反応生成物を取り除く作業
(装置メンテナンス)の周期を長くすることができ、メ
ンテナンスを軽減することができる。また、膜9によ
り、イオン経路を構成する部材へのイオンの浸透を抑制
することができ、これにより、イオンが浸透し当該イオ
ンが再びイオン経路に戻ってウェハに達するという不具
合を防止することができる。
【0018】また、(ii)として、ソースヘッド6とソ
ースチャンバー1の内壁との間に、遮蔽部材(シールド
部材)10を配置している。遮蔽部材10は、図2に示
すように、箱型をなし、ステンレス鋼板材よりなる。こ
の遮蔽部材10は、容易に交換できるようになってお
り、遮蔽部材10の内壁に反応生成物が所定量堆積する
と交換される。また、図1に示すごとく、この遮蔽部材
10の内壁は反応生成物脱落抑制膜11でコーティング
されている。反応生成物脱落抑制膜11として、アルミ
薄膜を用いている。さらに、遮蔽部材10の外側のジャ
ケット部12に冷却液を通過させることにより遮蔽部材
10を冷却するようにしている。このように遮蔽部材1
0を冷却すると、イオン種が真空中の不純物と反応して
遮蔽部材10に付着する際に冷えていることより動きに
くくなり付着しやすくなる。このようにして、ソースチ
ャンバー1の内壁への堆積を抑制するために遮蔽部材1
0を取り付け、さらに、遮蔽部材10にコーティングを
施し反応生成物が剥がれ落ちるのを防ぐとともに、遮蔽
部材10を冷却し反応生成物の吸着効率を上げるように
している。
【0019】この(ii)により、イオン通過過程におい
て反応生成物(イオン種の酸化物等)がイオン通路の内
壁に堆積しようとするが、ソースヘッド6とソースチャ
ンバー1の内壁との間に配置した遮蔽部材10によりイ
オン通路の内壁での反応生成物の堆積が抑制され、手作
業にてイオン通路の内壁に堆積した反応生成物を取り除
く作業(装置メンテナンス)の周期を長くすることがで
き、メンテナンスを軽減することができる。また、遮蔽
部材10を交換するだけでよいので装置メンテナンスの
簡易化を図ることができる。さらに、遮蔽部材10の内
壁を反応生成物脱落抑制膜11でコーティングすること
により、遮蔽部材10の内壁に堆積した反応生成物が剥
がれ落ちるのを抑制することができる。さらに、遮蔽部
材10を冷却することにより、遮蔽部材10の内壁に反
応生成物が堆積しやすくなり、イオン通路の内壁への堆
積をより抑制することができる。
【0020】なお、遮蔽部材10の材質としてアルミを
用いてもよい。また、(iii)として、図1に示すよう
に、ソースヘッド6からクリーニングガス(エッチング
ガス)を導入できるようにするとともに、後段加速管4
とイオン注入室5との間にイオン通路形成部材13を挿
入し、このイオン通路形成部材13に排気ポンプ14を
設置している。このように、イオンが通過する通路にク
リーニングガスを導入するようにしている。クリーニン
グガスとしては、例えば、塩素系ガスやフッ素系ガス
(例えば、WF6)を挙げることができる。なお、イオ
ン通路形成部材13を介して排気ポンプ14をイオン通
路に接続したのは、加速管4は電極を有し絶縁材料にて
側壁を構成しているために金属よりなる排気ポンプを加
速管4に直接設置することができないためである。ま
た、クリーニングを行う時には排気系統をクリーニング
用排気ポンプ14に切り替えて、クリーニング中は真空
形成用ポンプ以外の排気専用のポンプ14を駆動する。
このようにして、エッチングガスを導入し、ソースチャ
ンバー1の内部において遮蔽部材10で保護できない領
域及びアナライザー3、加速管2,4をクリーニングす
る。
【0021】この(iii)により、イオン通過過程にお
いて反応生成物(イオン種の酸化物等)がイオン通路の
内壁に堆積しようとするが、クリーニングガスにて内壁
に堆積した反応生成物を除去することによりイオン通路
の内壁での反応生成物の堆積が抑制され、手作業にてイ
オン通路の内壁に堆積した反応生成物を取り除く作業
(装置メンテナンス)の周期を長くすることができ、メ
ンテナンスを軽減することができる。また、クリーニン
グガスを流すだけでよいので反応生成物の除去は容易で
ある。
【0022】次に、図1,2に示すイオン注入機を用い
てイオンを基板に打ち込む例を、図3,4,5,6を用
いて説明する。図3に示すように、シリコン基板20の
表層部にNウェル層21が形成されるとともにNウェル
層21の上にゲート酸化膜22を介してゲート電極23
が形成されている。さらに、Nウェル層21の表層部に
+ソース領域24とP+ドレイン領域25が形成されて
いる。ここで、ゲート電極23の下方におけるNウェル
層21の表層部には閾値補正用のP+領域26とP-領域
27,28が形成されている。閾値補正用の拡散領域2
6,27,28を形成する際に、図1,2に示すイオン
注入機を用いるとよい。なお、図3において、ゲート電
極23の側面にはサイドウォール29,30を形成して
いる。
【0023】閾値補正工程を詳しく説明する。まず、シ
リコン基板20の表層部にNウェル層21を形成した後
において、図4に示すように、P+領域26を形成すべ
くインジウム(In+)を打ち込む。そして、図5に示
すように、ゲート酸化膜22を介してゲート電極23を
形成した後、P-領域27,28を形成すべく斜めの方
向からインジウム(In+)を打ち込む。
【0024】さらに、図6に示すように、P+ソース領
域24とP+ドレイン領域25を形成すべくイオン注入
を行う。トランジスタの閾値補正用のイオン注入を低い
加速電圧によるボロン(B+)で行うと、ボロンは軽い
元素であり、酸化工程や成膜工程での熱により拡散して
しまい目的の閾値電圧Vtを得にくい。これに対し、ボ
ロン(B+)の約10倍の質量のインジウム(In+)を
イオン種として用いることにより容易に閾値電圧Vtの
補正を行うことができる。つまり、同じイオン打ち込み
深さにするためにボロン(B+)の約10倍の加速電圧
での注入となるため、安定したビーム電流を得ることが
でき注入が安定化する。
【0025】なお、前述の(i),(ii),(iii)の構
成の全てを採用しなくても少なくとも一つだけでも採用
すれば効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるイオン注入機の概略構成
図。
【図2】実施の形態におけるイオン注入機の斜視図。
【図3】イオンを基板に打ち込む例を説明するための断
面図。
【図4】イオンを基板に打ち込む例を説明するための断
面図。
【図5】イオンを基板に打ち込む例を説明するための断
面図。
【図6】イオンを基板に打ち込む例を説明するための断
面図。
【図7】従来技術を説明するためのイオン注入機の概略
構成図。
【図8】従来技術を説明するためのイオン注入機の斜視
図。
【符号の説明】
1…ソースチャンバー、2…前段加速管、3…アナライ
ザー、4…後段加速管、5…イオン注入室、6…ソース
ヘッド、7…半導体ウェハ、8…ドーズカウンタ(ファ
ラデー)、9…反応生成物付着抑制膜、10…遮蔽部
材、11…反応生成物脱落抑制膜、13…イオン通路形
成部材、14…排気ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/48 C23C 14/48 Z H01J 27/02 H01J 27/02 37/04 37/04 Z 37/08 37/08 37/16 37/16 37/18 37/18 37/317 37/317 Z Fターム(参考) 4G075 AA24 AA52 BA08 BC08 BC10 BD14 CA12 CA39 CA62 DA02 EB01 EB21 EB22 EC06 EC09 EE03 FA11 FB01 FB02 FB04 FC20 4K029 AA06 BA10 CA10 DA09 DE03 5C030 BB09 DE01 DE05 5C033 KK01 KK09 5C034 CC01 CC02 CC03 CC16 CC19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソースチャンバー(1)で発生したイオ
    ンを、少なくともアナライザー(3)と加速管(2,
    4)とドーズカウンタ(8)を通して半導体ウェハ
    (7)に照射してイオン注入を行うイオン注入機におい
    て、 イオンが通過する通路(15)の内壁を反応生成物付着
    抑制膜(9)でコーティングしたことを特徴とするイオ
    ン注入機。
  2. 【請求項2】 前記反応生成物付着抑制膜(9)はセラ
    ミックの膜またはシリコンの膜であることを特徴とする
    請求項1に記載のイオン注入機。
  3. 【請求項3】 ソースチャンバー(1)で発生したイオ
    ンを、少なくともアナライザー(3)と加速管(2,
    4)とドーズカウンタ(8)を通して半導体ウェハ
    (7)に照射してイオン注入を行うイオン注入機におい
    て、 ソースヘッド(6)とソースチャンバー(1)の内壁と
    の間に、遮蔽部材(10)を配置したことを特徴とする
    イオン注入機。
  4. 【請求項4】 前記遮蔽部材(10)の内壁を反応生成
    物脱落抑制膜(11)でコーティングしたことを特徴と
    する請求項3に記載のイオン注入機。
  5. 【請求項5】 前記遮蔽部材(10)を冷却するように
    したことを特徴とする請求項3に記載のイオン注入機。
  6. 【請求項6】 ソースチャンバー(1)で発生したイオ
    ンを、少なくともアナライザー(3)と加速管(2,
    4)とドーズカウンタ(8)を通して半導体ウェハ
    (7)に照射してイオン注入を行うイオン注入機におい
    て、 イオンが通過する通路(15)にクリーニングガスを導
    入するようにしたことを特徴とするイオン注入機。
  7. 【請求項7】 クリーニング中は真空形成用ポンプ以外
    の排気専用のポンプ(14)を駆動するようにしたこと
    を特徴とする請求項6に記載のイオン注入機。
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