JP4350480B2 - ドーピング方法、半導体集積回路の作製方法 - Google Patents

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本発明はドーピング装置に関するものであり、特にフィラメントを用いた直流アーク放電によりプラズマを生成するドーピング装置に関するものである。
半導体プロセスにおけるドーピング装置ではフィラメント(主にタングステン)を用いた直流アーク放電によりプラズマを生成するのが主流である。
直流アーク放電によるプラズマ発生方法は従来のRF放電に比べ、チャンバー内、特に電極やフィラメント付近が高温になるため、チャンバー材料として高融点金属、例えばモリブデン(Mo)、ステンレスなどを採用することが多かった。
これらのチャンバー材料で構成されたドーピング装置でのドーピング工程ではパーティクルが発生し、異常放電(以下アーキングという)が頻発に発生したり、このパーティクルが基板へ付着することでTFTの動作不良となり歩留まりが低下するという問題が生じていた。
このパーティクルの発生原因として、ドーピング装置の使用時間とともにドーピング元素を含むガス(以下、ドーピングガスという)の構成元素がチャンバー内壁に堆積し、チャンバー内壁に堆積した膜(以下、堆積膜という)が剥がれ落ちることで発生するパーティクルと、プラズマ反応時の気相成長により発生する粉状のパーティクルがある。
特にフィラメント付近のチャンバー内壁の堆積膜の剥離によるパーティクルは顕著である。ドーピング装置の使用時において、プラズマを発生させるためフィラメントは約2000℃まで通電加熱され、チャンバー内は数100℃になる。この際フィラメント付近のチャンバー内壁はより高温となるためチャンバー壁の膨張も大きくなる。膨張したチャンバー壁は温度低下とともに収縮する。すると内部応力がチャンバー内壁の堆積膜に加わり、この内部応力に耐えられなくなると堆積膜は剥がれ落ちパーティクルとなる。
この問題の対策としては、ある一定の使用時間が経過するごとにチャンバーの大気開放を行い、チャンバー内を掃除する方法があるが、これは装置のダウンタイムの増加につながってしまう。

そこで上述した問題の対策としてチャンバー内壁を凹凸に処理することでチャンバー内壁に堆積した膜の剥離を低減することができるイオンドーピング装置が開示されている。(特許文献1)
また、パーティクルの発生を抑制する方法として、パーティクルが増加し始めたところで、大気やH2O、O2ガス等の酸化性ガスを導入する手段を設けたドーピング装置が開示されている。(特許文献2)
また、イオン注入装置のクリーニング方法として三フッ化塩素ガス(ClF3)を用いたノンプラズマでのドライエッチング洗浄工程が開示されている。(特許文献3)
特開2002−42717号公報 特開2001−332208号公報 特許2821751号公報
しかし上記特許文献1においてはチャンバー内壁に堆積した膜の剥離によるパーティクルの抑制は図れるが、プラズマ反応時の気相成長により発生する粉状のパーティクルの発生は有効に防止することができない。また上記特許文献2においてはパーティクルが増加し始めたところで、大気やH2O、O2ガス等の酸化性ガスを導入しパーティクルの発生の抑制を図るものであり、パーティクルの発生を抑制するためにはドーピング工程を中断しなければならずダウンタイムの増加の課題が残されている。さらに特許文献3のクリーニング方法でも同様にダウンタイムの増加の課題は残されている。
そこで本発明では、ドーピング装置使用時に生ずるパーティクルの発生を抑制し、歩留まりの向上を図り、且つダウンタイムの回数を減らすことが可能なドーピング装置及びドーピング方法を提供することを目的とする。
上記の問題点を解決するため、本発明の基本的な思想として、ドーピング装置のチャンバー内壁をドーピングガスに対して親和性にすることで、プラズマ反応時に気相成長により発生する粉状のパーティクルの発生を抑制し、且つドーピングガス構成元素の膜付きを促進させ、チャンバー内壁の堆積膜が剥がれ落ちないようにすることで堆積膜の剥離によるパーティクルも抑制することができる。
例えば、ボロンに対して親和性の材料として無水ホウ酸(B2O3)、ホウ酸(H3BO3)、SiO2その他酸化物セラミック材料、炭素材料等が挙げられる。その他酸化物セラミック材料として金属酸化物、アルミナ(Al2O3)、バナジウム酸カルシウム(CaVO3)、ジルコニア(ZrO2)、ベリリア(BeO)、チタニア(TiO2)、一酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられ、SiO2として酸化珪素、石英が挙げられ、炭素材料としてグラファイト、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチュ−ブ、フラーレンなどが挙げられる。
これらの材料でチャンバー壁を構成するか、もしくは内壁表面にコーティングすることで、パーティクルの発生を抑制することが可能である。特にセラミックの材料をチャンバー壁に用いることで親和性の他、低熱伝導率の特性により、急激な温度変化に起因する堆積膜の剥離を有効に低減することができる。チャンバー内壁は表面積が大きくなるように上記材料を加工することが望ましい。なお、チャンバー内壁全面をこれらの材料で加工しなくてもよく、プラズマに晒される個所のみをこれらの材料で加工してもよい。そして、チャンバー材質はプラズマ電位を均一に保てるならば金属である必要はなく絶縁体でも何ら問題は起きない。また、チャンバーを二重構造として内側のチャンバー壁のみをこれらの材料で加工しても良い。例えばコーティング方法として真空蒸着法、スパッタリング法、昇華法、PVD法、塗布法などが挙げられ、ドーピング前処理としてコーティングしても構わない。
更に、ドーピングガスとして例えば、ホウ酸とジボランの混合ガスや水蒸気とジボランの混合ガスをドーピング処理時に使用することで、パーティクルの発生を継続して防止することが可能であり、ダウンタイムの回数を減らすのに大変有効である。
なお、これらの材料はドーピングガスの構成元素に対して親和性の物質であれば良く、例示した物質に限定しているものではない。
本発明は、イオンドーピング装置のアーク放電型に限られず、RF型やイオン注入装置等に用いられても良い。イオン注入装置とは、イオンの質量と電荷比を分離してイオンをドーピングする装置である。
本発明を用いることにより、ドーピング装置使用時のアーキング頻発の原因となるパーティクルや基板へ付着しゴミとなるパーティクルの発生を抑制することができるため、歩留まりの向上を図り、更にダウンタイムの回数を減らし、高い生産性を提供することができる。
(実施の形態1)
実施の形態1ではチャンバー壁材としてドーピングガスに対して親和性の材料であるCaVO3を用いたフィラメント型ドーピング装置について図1を用いて説明する。
このドーピング装置の主な構成はイオン源101、引き出し室102、処理室103、ロードロック室104、ガス供給系105、真空廃棄手段106から成る。ここでは引き出し室102とは、イオン源からイオンビームを処理室へ引き出すための引き出し電極系110を設けた場所をいうが、もちろんイオン源101と引き出し室102を分けた構成としなくても良い。処理室103は基板を保持しイオンを注入する場所であり、基板ステージ107が備えられている。本実施の形態ではイオン源101のチャンバー壁がCaVO3で形成されている。
基板100は搬送手段108により基板ステージ107に搬入する。イオン源101、引き出し室102、処理室103は真空排気手段106により排気される。もちろんイオン源101、引き出し室102、処理室103の別々に真空排気手段を設けて排気を行っても良い。真空排気手段106はドライポンプ、メカニカルブースターポンプ、ターボ分子ポンプなどを適宜組み合わせて用いることができる。
イオン源101はドーピングガスを供給するガス供給系105、プラズマを形成するためのフィラメント109が備えられている。ドーピングガスはイオン源101から供給しなければならないわけではなく、引き出し室102、処理室103のいずれから供給する構成としても良い。また、プラズマ発生手段として直流アーク放電によるフィラメント109を用いているが、その他に容量結合型高周波放電の電極を用いても良い。
引き出し電極系110としては引き出し電極110a、加速電極110b、抑制電極110c、接地電極110dが備えられ、これらの電極には多数の開口が設けられその開口をイオンが通過する。イオンの加速は引き出し電圧Vexが印加される引出し電極110aと、加速電圧Vacが印加される加速電極110bにより行い、抑制電圧Vsbが印加される抑制電極110cでは発散するイオンを捕集してイオン流の方向性を高めている。
ドーピングガスはPH3、B2H6などであるが、実施の形態1では特にB2H6 を用いたボロンドーピングの際に発生するパーティクルを低減することが出来るドーピング装置について説明する。
ドーピングガスを水素や不活性ガスで1〜5%程度に希釈したものを用いる。B2H6の場合、BHx、B2Hx、等がイオン種として生成され、質量分離を行わない場合にはこれらのイオンが引き出し電極系110により加速され基板が設置された処理室103に引き出される。イオンは、図1の中で矢印で示すようなイオン流として4本の電極によりほぼ直線的に引き出され基板100に照射される。
レジストによるマスクパターンが形成された基板100は基板ステージ上107に固定されている。基板ステージ107は一般にイオン流と平行な軸にそって回転できるように設計される。引き出し電極系で加速されたイオン流は、回転している基板100に照射され、ドーズ量が均一となる。
実施の形態1ではイオン源101のチャンバー壁のみCaVO3を用いた構成を示すが、イオン源101、引き出し室102、処理室103の全てのチャンバー壁、引き出し室102のチャンバー壁のみ、処理室103のチャンバー壁のみ、イオン源101のチャンバー壁のある部分のみ、引き出し室102のチャンバー壁のある部分のみ、処理室103のチャンバー壁のある部分のみにCaVO3をチャンバー壁材としても良い。また、これらに限定されるものではなく、必要であればロードロック室に用いても構わない。また、チャンバー壁を二重構造とし、内側のチャンバー壁をCaVO3で構成しても良い。さらに、チャンバー壁材自体に用いることに限らず、チャンバー内壁をCaVO3でコーティングしても良い。
実施の形態1ではドーピングガスに対して親和性のある材料であれば、チャンバー壁材やチャンバー内壁のコーティング材として用いることができる。
例えば、ボロンに対して親和性の材料として無水ホウ酸、ホウ酸、SiO2、その他酸化物セラミック材料、炭素材料等が挙げられる。その他酸化物セラミック材料として金属酸化物、アルミナ(Al2O3)、バナジウム酸カルシウム(CaVO3)、ジルコニア(ZrO2)、ベリリア(BeO)、チタニア(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられ、SiO2として酸化珪素、石英が挙げられ、炭素材料としてグラファイト、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチュ−ブ、フラーレンなどが挙げられる。これらのコーティングの方法として例えば真空蒸着法、スパッタリング法、昇華法、CVD法、PVD法、塗布法などが挙げられる。
実施の形態1では、ドーピング装置を長時間使用してもチャンバー壁はボロンに対して親和性のあるCaVO3で構成しているので、本ドーピング装置を用いてTFTを作製した際、TFTの動作不良の原因となるパーティクルの発生の低減が図られ、さらにダウンタイムの回数も減らすことが可能である
なお本発明は図1に示すような構成に限られるものではなく、例えばイオン注入装置に用いても良い。
(実施の形態2)
実施の形態2ではアーク放電型ドーピング装置においてチャンバー内壁に部分的に保護部材201を設けた構成について図2を用いて説明する。
フィラメント付近は非常に高温になることからフィラメント付近のチャンバー内壁からの堆積膜の剥離が顕著な問題となる。そこで、フィラメント109付近のイオン源101のチャンバー内壁にドーピングガスに対して親和性の保護部材201を設けてパーティクルの発生の抑制を試みた構成である。本実施の形態では特に堆積膜の剥離によるパーティクルの発生の抑制に有効である。図示されていない部分は図1と同様な構成でも良く、また別の構成のドーピング装置でも構わない。実施の形態2の構成は部分的に保護部材を設けることから低コストでかつ簡便に問題点を改善できる。
実施の形態2ではドーピングガスにジボランを用いてボロンドーピングを行う際に堆積膜の剥離を低減することができるドーピング装置について説明する。イオン源101のフィラメント109付近にはドーピングガスに対して親和性の保護部材201として耐熱性に優れ、低熱伝導率、低熱膨張率のアルミナを用いている。
プラズマを発生させるためフィラメント109は約2000℃まで温められ、イオン源101内は数100℃となる。この際フィラメント109付近のチャンバー内壁はより高温となるが、保護部材201を設けることでドーピングガス構成元素が堆積してできるボロン膜との密着性が向上し、さらにチャンバー内壁の急速な熱変化によるチャンバー内壁の伸縮に伴うボロン膜への内部応力が弱まるため、ボロン膜の剥離を抑制することができる。よって基板へ付着するゴミやアーキングの頻発の原因であるパーティクルの発生の低減が図られる。
ここでドーピングガスのジボランや保護部材201のアルミナは限定しているものではなく、保護部材がドーピングガスに対して親和性であれば良い。
また、保護部材201自体にドーピングガスに対して親和性がなくても、保護部材201をドーピングガスに対して親和性のある材料でコーティングしてあっても良い。
代表例としては、実施の形態1で述べた材料を用いることが出来る。
(実施の形態3)
実施の形態3ではチャンバー壁を二重構造とし、外側のチャンバーをSUSで構成し、アルミからなる内側のチャンバー壁301をアルマイト処理したドーピング装置において、ドーピングガスとしてホウ酸ガスとジボランガスの混合ガスを用いたドーピング方法について図3を用いて説明する。
図3のドーピング装置は、図1のドーピング装置を横に置いた構成(つまりイオンビームを水平ビームとしている)であり、共通の部分は共通の符号を用いている。本構成のようにドーピング装置を横に置いた構成では、堆積膜の剥離によるパーティクルの基板への付着をよりいっそう低減することができる。しかし、本発明はこの図3のような構成に限定されるものではなく、図1のようにドーピング装置を縦に置いた構成でも良く、またイオン注入装置等に用いても良い。
ガス供給系105からドーピングガスであるホウ酸ガスとジボランガスの混合ガスをイオン源101に導入する。ホウ酸ガスとジボランガスの混合ガスは水素ガスで1〜5%程度に希釈して用いる。
実施の形態3ではドーピングガスとしてホウ酸とジボランの混合ガスを用いることで、プラズマ反応時の気相成長により発生する粉状のパーティクルの発生を抑制し、さらにチャンバー内壁に剥離し難い堆積膜を形成する。よってドーピング装置を長時間使用しても、パーティクルの抑制効果は継続して保持することができ、ダウンタイムの回数を減らすのに大変有効である。
実施の形態3はもちろん実施の形態1乃至実施の形態2と組み合わせて用いることが出来る。
実施例1では本発明の構成を備えたドーピング装置を提供するため、プラズマCVD法によりチャンバー内壁をSiO2でコーティングする手順の一例を実施の形態1と同様の装置図1を用いて以下に説明する。
まず真空排気手段106により排気管を介して、チャンバー内を排気し、チャンバー内の圧力を1×10-4Paまで減圧する。その後チャンバー内にガス供給系105によりアルゴンガスを30sccmの流量で導入し、フィラメント109を通電加熱してフィラメント温度を2000℃くらいに保持する。すると加熱したフィラメント109付近を通過するガスが解離してプラズマが発生する。その後原料ガスとしてシランガスを、反応ガスとして酸素を用い、シランガスを20sccm酸素を200sccmの流量でガス供給系105からチャンバー内に導入する。シランガスと酸素ガスは混合ガスとして導入しても良く、もちろんドーピング用のガス供給系とは別の場所から別のガス供給系を設けてとコーティング用のガスを導入しても良い。そして排気をバルブなどで調節しチャンバー内を5×10-1Paに保持する。ここでチャンバー内壁にSiO2が堆積するようにプラズマ領域を形成するため、チャンバー内の圧力は1×10-1〜1×101Paが好ましい。そして2時間連続して成膜し、約2μmのSiO2の被膜を形成する。
SiO2はステンレスとの密着性も良く、耐食性にも優れ、ドーピングガスの構成元素であるボロンとも親和性であることから基板へ付着するゴミやアーキング頻発の原因となるパーティクルの発生を低減することが出来る。
なお実施例1のようにSiO2でコーティングすることに限らず、ドーピング前処理としてホウ酸ガスを用いたプラズマCVD法により、チャンバー内壁をドーピングガス構成元素に対して親和性にしても良く、実施の形態1で示した材料を適宜用いることができる。また、プラズマCVD法に限らず他のコーティング方法によりチャンバー内をコーティングしても良い。例えば他のコーティング方法として真空蒸着法、スパッタリング法、昇華法、PVD法、塗布法などが挙げられる。
実施例2ではドーピング装置にスパッタ成膜手段を備えた構成について図4を用いて説明する。本構成によれば簡便な方法でチャンバー内壁にドーピングガスに対して親和性の材料をコーティングすることができる。図1と同じ部分については図1と同じ符号を用いている。
このドーピング装置の主な構成はイオン源101、スパッタターゲット室501、引き出し室102、処理室103、ロードロック室104、ガス供給系105、真空廃棄手段106から成る。引き出し室102とは、ここではイオン源からイオンビームを処理室へ引き出すための引き出し電極系110を設けた場所をいうが、もちろんイオン源101と引き出し室102を分けた構成としなくても良い。処理室103は基板を保持しイオンを注入する場所であり、基板ステージ107が備えられている。スパッタターゲット室とは、コーティングする際のスパッタターゲットを設置する場所である。
基板100は搬送手段108により基板ステージ107に搬入する。イオン源101、引き出し室102、処理室103は真空排気手段106により排気される。もちろん排気はイオン源101、引き出し室102、処理室103の別々に真空排気手段を設けても良い。真空排気手段106はドライポンプ、メカニカルブースターポンプ、ターボ分子ポンプなどを適宜組み合わせて用いることができる。
イオン源101はドーピングガスを供給するガス供給系105、プラズマを形成するためのフィラメント109が備えられている。ドーピングガスはイオン源101から供給しなければならないわけではなく、スパッタターゲット室501、引き出し室102、処理室103から供給する構成としても良い。プラズマ発生手段として直流アーク放電によるフィラメント109を用いているが、その他に容量結合型高周波放電の電極を用いても良い。
引き出し電極系110としては引き出し電極110a、加速電極110b、抑制電極110c、接地電極110dが備えられ、これらの電極には多数の開口が設けられその開口をイオンが通過する。イオンの加速は引き出し電圧Vexが印加される引出し電極110aと、加速電圧Vacが印加される加速電極110bにより行い、抑制電圧Vsbが印加される抑制電極110cでは発散するイオンを捕集してイオン流の方向性を高めている。
ドーピングガスを水素や不活性ガスで1〜5%程度に希釈したものを用いる。B2H6の場合、BHx、B2Hx、等がイオン種として生成され、質量分離を行わない場合にはこれらのイオンが引き出し電極系110により加速され基板が設置された処理室103に引き出される。イオンは、図5の中で矢印で示すようなイオン流として4本の電極によりほぼ直線的に引き出され基板100に照射される
レジストによるマスクパターンが形成された基板100は基板ステージ上107に固定されている。基板ステージ107は一般にイオン流と平行な軸にそって回転できるように設計される。引き出し電極系で加速されたイオン流が回転している基板100に照射され、ドーズ量が均一となる。
実施例2ではスパッタターゲット室501を設けており、イオン源101内壁をドーピングガス構成元素に対して親和性の材料でコーティングすることができる。以下コーティングの方法を説明する。ターゲット材搬送手段502によりステージ上にターゲットを運ぶ。ターゲットとして例えば特開2000−64034に開示されているアルミナ・スパッタリング・ターゲットを用いればアルミナのチャンバーへの成膜速度を大きくすることが出来る。
ステージ上でターゲットを固定する。固定方法としては公知の方法を用いて行うことが出来る。例えば本出願人により開示されているドーピング用基板の固定方法(特願2001−133561)をスパッタターゲットの固定方法に用いても良い。
そして、真空排気手段106により排気管を介して、チャンバー内を排気し、チャンバー内を約1.0×10‐4Paになるまで減圧し、その後ガス供給系105によりArを30sccm 、O2を0.8sccmの流量で導入し、真空排気手段を調節することによりチャンバー内を5×10-1となるように保持する。Arガスはドーピングガス供給系105とは別のガス供給系を設けても良く、スパッタターゲット室501からArガスを供給するようにしても良い。
スパッタ成膜をする際にはフィラメント側を正に、ターゲットを固定しているステージ側を負になるようにバイアスを印加する。すると、フィラメントによりガスが熱せられ放電しイオン化する。スパッタターゲットのステージは負バイアスとなっていることからイオンがターゲットに衝突しスパッタターゲットがスパッタされ、スパッタ粒子(スパッタされた原子やクラスタ、イオン等)がチャンバー内壁に堆積し、チャンバー内壁をスパッタターゲット材でコーティングすることが出来る。本実施例ではチャンバー内壁にアルミナを被膜する。
実施例2ではドーピング装置にスパッタ成膜装置を備えた構成を示したが、これに限定されるものではなく、カーボンナノチューブを形成するアーク放電型の装置や蒸着装置を備えていても良い。
以上の工程により、チャンバー内壁をボロンに対して親和性であるアルミナでコーティングすることができるので、ドーピング装置を長時間使用しても、基板へのゴミの付着やアーキングの頻発原因となるパーティクルの発生が抑えられる。
このようなドーピング装置による半導体への不純物元素の注入は、単結晶シリコンウエハーやSOI基板など半導体基板を用いた集積回路の製造プロセス、ガラス基板上に形成する薄膜トランジスタ(TFT)の製造プロセスに適用することができる。
図5は本発明のドーピング装置を用いたTFTの製造プロセスを示す一例を示す。まず、図5(A)において、アルミノホウケイ酸ガラスまたはバリウムホウケイ酸ガラスなどによる透光性の基板700上に実施例2で作製された半導体膜から、島状に分離された半導体膜702、703を形成する。また、基板700と半導体膜との間には、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素から選ばれた一つまたは複数種を組み合わせた第1絶縁膜701を50〜200nmの厚さで形成する。
その後、図5(B)に示すように、そして、第2絶縁膜704を80nmの厚さで形成する。第2絶縁膜704はゲート絶縁膜として利用するものであり、プラズマCVD法またはスパッタ法を用いて形成する。第2絶縁膜704として、SiH4とN2OにO2を添加させて作製する酸化窒化珪素膜は膜中の固定電荷密度を低減させることが可能となり、ゲート絶縁膜として好ましい材料である。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化珪素膜に限定されるものでなく、酸化珪素膜や酸化タンタル膜などの絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
第2絶縁膜704上にゲート電極を形成するための第1導電膜を形成する。第1導電膜の種類に限定はないがAl、Ta、Ti、W、Moなどの導電性材料またはこれらの合金を適用することができる。このような材料を用いたゲート電極の構造は、窒化タンタル又は窒化チタンとW又はMo−W合金の積層構造、WとAl又はCuの積層構造などを採用することができる。Alを用いる場合には、耐熱性を高めるためにTi、Sc、Nd、Si、Cuなどを0.1〜7重量%添加したものを用いる。第1の導電膜は300nmの厚さで形成する。
その後、レジストによる、マスク715を3μmの厚さに形成し、ドライエッチングにより第1の導電膜をエッチングしてゲート電極705、706を形成する。また、図示しないが、ゲート電極に接続する配線も同時に形成する。
図5(C)に示すように、マスク715をそのまま残し、このゲート電極をマスクとして、イオンドーピング法により燐イオンをドーピングする。この工程で行うイオンドーピングはマスク715、ゲート電極705、706を半導体膜702、703に対するマスクとして利用し、ゲート電極の外側の領域に1×1014〜1×1015/cm2のドーズ量で燐イオンをドーピングしてn型半導体領域707、708を形成する。この際パーティクルが発生すると、ゴミとなり基板上に付着して配線不良の原因となったり、アーキングを頻発に引き起こすためイオン化率が変化してしまい、トランジスタの特性劣化へとつながる。そこで本発明のドーピング装置を使用することでパーティクルの発生を低減することができ、歩留まりの向上が図れる。
燐イオンドーピングが終了したら、マスク715をアッシングにより剥離する。アッシングは酸素プラズマにより行い、30〜45分の処理でレジストを剥離することができる。
続いて、図5(D)に示すように一方の半導体膜703にレジストによるマスク709を形成し、半導体膜702に硼素イオンをドーピングし、ドーズ量は1×1014〜1×1015/cm2とするが、n型を反転するために燐よりも1.5〜3倍の濃度で添加されるようにする。この際、高ドーズ量のためパーティクルの発生はより顕著となるが本発明のドーピング装置を用いることによりパーティクルの発生を低減することができる。
硼素イオンをドーピングした後、アッシングによりマスク709を除去する。アッシングは同様に酸素プラズマにより行い、30〜45分の処理でレジストを剥離することができる。
その後、図5(E)に示すように酸化窒化珪素膜または窒化珪素膜から成る第3絶縁膜711をプラズマCVD法で50nmの厚さに形成する。
そして、n型及びp型の半導体領域の結晶性の回復と、活性化のために熱処理を行う。熱処理はファーネスアニール炉の他、瞬間熱アニール、レーザーアニールなどの方法により行うことができる。
図5(F)に示す第4絶縁膜712は、酸化珪素膜、酸化窒化珪素で形成する。または、ポリイミドまたはアクリルなどの有機絶縁物材料で形成し表面を平坦化しても良い。
次いで、第4絶縁膜712の表面から各半導体膜の不純物領域に達するコンタクトホールを形成し、Al、Ti、Taなどを用いて配線を形成する。図5(F)において713、714はソース線またはドレイン電極となる。こうしてnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを形成することができる。ここではそれぞれのTFTを単体として示しているが、これらのTFTを使ってCMOS回路やNMOS回路、PMOS回路を形成することができる。
以上図5を用いて説明したようにTFTの製造プロセス中には複数の工程があり、歩留まりを高くするためには各工程において不良の発生を低減させなければならない。上述の如く、ドーピング工程において本発明のドーピング装置を用いることにより、チャンバー内のパーティクルの発生を低減することができ、配線不良やトランジスタの特性劣化を抑制することができるため歩留まりの向上が図られる。さらに、チャンバー開放によるダウンタイムを減らし、生産性を向上させることができる。ここでは、TFTの製造プロセスを一例として示したが、本発明はプレーナプロセスによる半導体集積回路の製造プロセスにも適用することができる。
本発明のドーピング装置は、LSIの製造を目的とした半導体基板への不純物ドーピングや液晶表示装置の駆動回路を目的とした半導体基板への不純物ドーピングはもちろんのこと、あらゆる不純物ドーピングの際に用いることができる。
本発明の構成を備えたドーピング装置の一例を示す図 本発明の構成を備えたドーピング装置の一例のイオン源を拡大した図 本発明の構成を備えたドーピング装置の一例を示す図 本発明の構成を備えたドーピング装置の一例を示す図 TFTの製造工程を説明する図

Claims (3)

  1. フィラメントと、チャンバーと、を有するドーピング装置内におけるドーピング方法であって、
    前記フィラメントを用いた直流アーク放電によりプラズマを生成し、ボロン元素を含むガスとしてホウ酸ガスとジボランガスとの混合ガスを用いることによって、前記チャンバーの内壁に堆積膜を形成しながら、前記ボロン元素をイオン化して半導体膜に注入することを特徴とするドーピング方法。
  2. 請求項において、
    前記堆積膜は、前記ボロン元素に対して親和性であることを特徴とするドーピング方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のドーピング方法を用いて作製したことを特徴とする半導体集積回路の作製方法。
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