JP2002343672A - フィルムコンデンサの端面電極用素材 - Google Patents
フィルムコンデンサの端面電極用素材Info
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Abstract
いても耐久性および電気特性に優れたフィルムコンデン
サの端面電極用素材を提供する。 【解決手段】 Zn:1〜25%(質量%を意味する、
以下同じ)、Cu:1〜3%、Sb:0.5〜2.5
%、Ti:0.01〜0.2%及び残部がSn及び不可
避不純物からなるSn基合金。
Description
式によって製造されるフィルムコンデンサの端面電極用
素材、特に高温高湿環境下においても耐久性に優れた端
面電極用素材に関するものである。
ムコンデンサは、一般的に、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート等のプラスチック誘電体フィルムに
電気良導体金属(Al等)を蒸着したフィルムを巻回ま
たは積層し、あるいはプラスチック誘電体フィルムと金
属箔とを重ねたものを巻回または積層し、その両端部に
溶射によって端面電極を形成し、各端面電極にそれぞれ
リード線を接合することにより構成されている。
ZnやSn−Zn−Pb、Sn−Zn−Pb−Cu、S
n−Zn等の多様な合金系を溶射することにより形成さ
れていた。
象徴されるように、最近は環境問題への関心が高まって
おり、環境有害物質とされるPbを含む合金系の使用は
望ましくない。そのため、現在使用されている端面電極
用素材はほとんど無鉛材料である。
使用されている。Znは従来の端面電極用素材と同じ様に
フィルムコンデンサの端面に溶射されて、メタリコン皮
膜を形成する。しかし、Zn電極の場合、リード線接合
工程における不良率が高いという問題がある。これは、
Zn電極が高硬度であると共に比較的薄い皮膜であるた
め、リード線を接合する際に、皮膜にクラックが生じ易
いからである。
−Zn等のSnを主成分とする比較的柔らかい合金を溶射し
て、Zn電極(内層)およびSn基合金電極(外層)からな
る2層構造の電極を形成し、柔らかい外層にリード線を
接合する方法が行われている。
では、製造工程が増えて製造コストが増大するばかりで
なく、2層の接合面にクラックが生じる等のために耐久
性が低いといった新たな問題が発生している。
界等を中心に、より過酷な条件下、特に高温高湿環境下
における長期間使用を目的として、フィルムコンデンサ
の耐久性向上に対する要求が益々高まってきている。と
ころが、上記の従来の端面電極用素材はいずれも酸化速
度が大きいため、特に高温高湿などの過酷な条件下で
は、素材自体の劣化に起因するコンデンサの性能低下は
避けられない。従って、コンデンサの耐久性改善には、
新規な高性能合金開発が必須である。
−Cu−Sb系合金をフィルムコンデンサの電極用素材
として用いる技術が提案されている(特開2000−5
8370号)。上記合金により形成された電極は、湿潤
環境下での耐食性が高く、高信頼性のフィルムコンデン
サの提供に大きく寄与するものである。しかも、上記合
金は無鉛であり、またSnを多く含有するために、電極
を2層構造とする必要はない。
観点から、一層高性能な端面電極用素材、特に高温高湿
下においても耐久性の高い端面電極用素材が強く要望さ
れている。
れたものであって、その目的は、フィルムコンデンサの
端面に一層構造の電極形成が可能であり、かつ無鉛材料
でありながら、耐久性および電気特性に優れたフィルム
コンデンサの端面電極用素材を提供することにある。
ンデンサの端面電極用素材は、Zn:1〜25%(質量
%を意味する、以下同じ)、Cu:1〜3%、Sb:
0.5〜2.5%、Ti:0.01〜0.2%及び残部
がSn及び不可避不純物からなることを特徴とする。
%以下(0%を含まない)及び/またはAg:1.0%
(0%を含まない)を含有してもよい。
端面電極用素材によって電極が形成されたものであるこ
とを特徴とする。
面電極用素材は、PbフリーのSn基合金に対して、高
融点金属であるTiが0.01〜0.2%添加されてい
ることを特徴としている。
させることは困難とされていた。しかし、本発明者ら
は、Tiの酸化速度抑制効果に着目し、Tiの添加によ
って合金の高性能化を図るという思想の下に試行錯誤を
重ねた結果、独自の方法によってTi添加に成功し、本
発明を見出すに至った。
る。
としている。前述したように、Sn基合金は比較的柔ら
かいため、フィルムコンデンサ端面との密着性が高い。
また、Sn基合金による電極では、リード線との接合時
にクラック等の不良が生じにくいため、Znを用いた場
合のように電極を2層構造にする必要はない。
Ti、Zn、CuおよびSbを含有する。
2%である。Ti含有量が0.01%未満では、Tiの
添加による効果が十分に発揮されない可能性がある。よ
り好ましい下限量は0.013%、更に好ましくは0.
015%以上である。一方、Tiを0.2%より多く添
加すると、その添加効果が飽和してしまうばかりでな
く、合金製造が困難となる。より好ましい上限量は0.
15%、更に好ましくは0.10%以下である。
り、Zn含有量が1%未満では、所望のTi量を添加す
ることが困難となる。より好ましい下限量は2%、更に
好ましくは3%以上である。一方、Znが25%より多
い場合、Znの選択的酸化損耗が顕著となり、耐久性が
低下する。より好ましい上限量は23%、更に好ましく
は20%以下である。
り、Cu含有量が1%未満では、添加効果(耐久性向上
効果)が十分に発揮されない。より好ましい下限量は
1.3%、更に好ましくは1.5%以上である。一方、
Cuが3%より多い場合、却って素材の耐久性を低下さ
せる。より好ましい上限量は2.8%、更に好ましくは
2.5%以下である。
%であり、Sb含有量が0.5%未満では、添加効果
(耐久性向上効果)が十分に発揮されない。より好まし
い下限量は0.8%、更に好ましくは1%以上である。
一方、Sbが2.5%より多い場合、却って素材の耐久
性を低下させる。より好ましい上限量は2%、更に好ま
しくは1.5%以下である。
素に加えて、必要に応じて1.0%以下のNi及び/ま
たは1.0%以下のAgを含有してもよい。
性を阻害しない程度のN,O等の不可避不純物を含有し
てもよい。
成方法を説明する。
用線材に形成される。更にこの線材を用いて、フィルム
コンデンサの両端に溶射により端面電極(メタリコン皮
膜)を形成する。電極形成後、各電極に溶接によりリー
ド線を接合する。
本体部分については、その構成や素材が特に限定される
ものではないが、代表的なものとしては電気良導体金属
(Al等)を蒸着したポリプロピレン、ポリエチレンテ
レフタレート等のプラスチック誘電体フィルムを巻回ま
たは積層した構成のもの、プラスチック誘電体フィルム
と金属箔とを重ねたものを巻回または積層した構成のも
の等が非限定的に挙げられる。
した。次いで、これらの合金を電極素材とするサンプル
コンデンサを作製し、耐候性試験を行った。以下にその
方法を説明する。
を用いて、それぞれ1.5mmφの細線を形成した。
3の合金をそれぞれ端面電極素材とするサンプルコンデ
ンサ(各実施例につきn=3個)を、以下のように作製
した。
ポリプロピレンフィルム(誘電体厚み:5μm)を用
い、巻回法により誘電体フィルム積層体(静電容量:
0.3μF)を作製した。その両端面に、上記により作
製された線材を用いて、端面電極(皮膜)を溶射形成し
た。このとき、端面電極の厚さは0.5mmとした。各
端面電極には外部電極引き出し用のリード線を溶接し
た。なお、端面電極の耐候性を加速評価するために、サ
ンプルコンデンサは無外装とした。
サを恒温恒湿槽に入れ、85℃、湿度85%の高温高湿
雰囲気下に放置して、サンプルコンデンサの誘電損失率
(tanδ)の時間的変化を調べた。なお、誘電損失率
は、周波数100kHz時の値を測定した。
面電極用素材の劣化の程度を評価することができると考
えられる理由は以下の通りである。
の固有損失、蒸着電極(Al)と端面電極間の接触損
失および端面電極とリード線間の接触損失の和であ
る。上記のような高温高湿条件下で、端面電極の素材自
体が酸化腐食等の劣化を生じると、端面電極−蒸着電極
間および端面電極−リード線間の各接触状態が変化し
て、上記およびの損失が増大し、その結果、誘電損
失率が増大すると考えられる。
ピレンの場合、上記の固有損失はほとんど周波数に依
存しない。一方、上記およびの端面電極素材の劣化
に起因する接触損失は、周波数が高くなると増加する。
そこで、およびの接触損失の微小な変化を容易に感
知するために、100kHz程度の高周波において誘電
損失率測定を行ったものである。
る誘電損失率の値は、サンプルコンデンサ(n=3個)
の平均値である。また、表2の記号は、“◎(極めて優
れているもの)”、“○”、“□”、“△”および“×
(極めて劣る)”の順に、各実施例の合金(端面電極用
素材)の耐候性を5段階評価したものである。
8%以上となれば、そのコンデンサは通常「内部回路異
常」と判定され、実用レベルを満たさないとされる。
組成からなる比較例1〜3(Zn、Sn−50%Zn、
Sn−2.93%Zn−1.96%Cu−1.00%S
b)の金属または合金についても、実施例と同様の方法
で溶射用線材の形成、サンプルコンデンサの作成および
耐候性試験を行った。耐候性試験結果を表2に示す。
Znを電極とするサンプルコンデンサは、耐候試験開始
48時間後には誘電損失率が0.8を大幅に上回ること
がわかった(比較例1)。同様に、従来材料であるSn
−50%Znを電極とした場合にも、耐候試験開始96
時間後には誘電損失率が0.8を大幅に上回った(比較
例2)。よって、これらの従来材料は、高温高湿環境に
対する耐久性に劣ると考えられる。
て開示された従来材料である。Cu,Sb添加によっ
て、耐候性は多少改善されているものの、耐候試験開始
96時間後には誘電損失率が0.8を超え、「内部回路
異常」と判定された。
1〜3の合金を端面電極として用いたサンプルコンデン
サは、250時間の耐候試験によっても、実用上支障と
なるような劣化がほとんど見られなかった。よって、こ
れらの合金は、高温高湿環境下での長時間使用において
も、優れた耐候性を維持し得ることが確認できた。
染等の要因となるPbを含まない合金でありながら、高
温高湿環境下においても耐久性および電気特性に優れた
フィルムコンデンサの端面電極用素材を提供することが
できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 Zn:1〜25%(質量%を意味する、
以下同じ)、Cu:1〜3%、Sb:0.5〜2.5
%、Ti:0.01〜0.2%及び残部がSn及び不可
避不純物からなるフィルムコンデンサの端面電極用素
材。 - 【請求項2】 更にNi:1.0%以下(0%を含まな
い)及び/またはAg:1.0%(0%を含まない)を
含む請求項1に記載の端面電極用素材。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の端面電極用素
材によって電極が形成されたものであるフィルムコンデ
ンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001145101A JP4480297B2 (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | フィルムコンデンサの端面電極用素材 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011044618A (ja) * | 2009-08-22 | 2011-03-03 | Nichicon Corp | 電極箔型フィルムコンデンサ |
-
2001
- 2001-05-15 JP JP2001145101A patent/JP4480297B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2011044618A (ja) * | 2009-08-22 | 2011-03-03 | Nichicon Corp | 電極箔型フィルムコンデンサ |
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