JP2002343575A - 電荷注入型発光素子 - Google Patents

電荷注入型発光素子

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JP2002343575A
JP2002343575A JP2002059780A JP2002059780A JP2002343575A JP 2002343575 A JP2002343575 A JP 2002343575A JP 2002059780 A JP2002059780 A JP 2002059780A JP 2002059780 A JP2002059780 A JP 2002059780A JP 2002343575 A JP2002343575 A JP 2002343575A
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layer
organic
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conduction band
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Yuichi Hashimoto
雄一 橋本
Tatsuto Kawai
達人 川合
Kazunori Ueno
和則 上野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて耐久性のある電荷注入型発光素子を提
供する。 【解決手段】 陽極及び陰極と、これらの間に挟持され
た一または複数の有機化合物からなる有機物層とを少な
くとも有し、前記有機物層には少なくともそれ自体が発
光する発光材料を含む電荷注入型発光素子において、前
記有機物層は、前記発光材料とは別の障壁材料をも含
み、前記発光材料の伝導帯の最下端エネルギーEcと、
前記発光材料とは別の障壁材料の伝導帯の最下端エネル
ギーHcとが、Ec−Hc>0.5eVを満足する関係
にある電荷注入型発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光材料を含む発
光層を有し、電界を印加することにより電界印加エネル
ギーを直接光エネルギーに変換できる電荷注入型発光素
子に関する。
【0002】詳しくは従来の白熱灯、蛍光灯あるいは発
光ダイオード等と異なり、大面積、高分解能、薄型、軽
量、高速動作、完全な固体デバイスという特徴を有し、
高度な要求を満たす可能性のあるエレクトロルミネッセ
ンス(EL)パネルに使用する電荷注入型発光素子に関
する。
【0003】
【従来の技術】有機材料の電界発光現象は1963年に
ポーブ(Pope)らによってアントラセン単結晶で観
測され(J.Chem.Phys.38(1963)2
042)、それに続き1965年にヘルフリッヒ(He
lfinch)とシュナイダー(Schneider)
は注入効率の良い溶液電極系を用いる事により比較的強
い注入型のエレクトロルミネッセンス(EL)の観測に
成功している(Phys.Rev.Lett.14(1
965)229)。
【0004】それ以来、米国特許3,172,862
号、米国特許3,173,050号、米国特許3,71
0,167号、J.Chem.Phys.44(196
6)2902、J.Chem.Phys.50(196
9)14364、J.Chem.Phys.58(19
73)1542、あるいはJ.Chem.Phys.L
ett.36(1975)345等に報告されている様
に、共役の有機ホスト物質と縮合ベンゼン環を持つ共役
の有機活性化剤とで有機発光性物質を形成する研究が行
われた。例えば、ナフタレン、アンスラセン、フェナン
スレン、テトラセン、ピレン、ベンゾピレン、クリセ
ン、ピセン、カルバゾール、フルオレン、ビフェニル、
ターフェニル、トリフェニレンオキサイド、ジハロビフ
ェユル、トランスースチルペン及び1,4−ジフェニル
ブタジエン等が有機ホスト物質の例として示され、アン
スラセン、テトラセン、及びベンタセン等が活性化剤と
して挙げられた。
【0005】しかしこれらの有機発光性物質からなる有
機物層はいずれも1μm以上をこえる厚さを持つ単一層
として存在し、発光には高電界が必要であった。この
為、真空蒸着法による薄膜素子の研究が進められた(例
えばThin Solid Films 94(198
2)171、Polymer 24(1983)74
8、Jpn.J.Appl.Phys.25(198
6)L773)。
【0006】しかしながら、薄膜化は駆動電圧の低減に
は有効ではあったが、実用レベルの高輝度の素子を得る
には至らなかった。
【0007】しかし近年、タン(Tang)らは(Ap
pl.Phys.Lett.51(1987)913あ
るいは米国特許4,356,429号)、陽極と陰極と
の間に2つの極めて薄い層(電荷輸送層と発光層)を真
空蒸着で積層したEL素子を考案し、低い駆動電圧で高
輝度を実現した。
【0008】この種の積層型有機ELデバイスはその後
も活発に研究され、例えば特開昭59−194393号
公報、米国特許4,539,507号、特開昭59−1
94393号公報、米国特許4,720,432号、特
開昭63−264692号公報、Appl.Phys,
Lett.55(1989)1467、特開平3−16
3188等に記載されている。
【0009】また更にJpn.J.Appl.Phy
s.27(1988)L269,L713には、キャリ
ア輸送と発光の機能を分離した3層構造のEL素子が報
告されており、発光色を決める発光層の色素の選定に際
してもキャリア輸送性能の制約が緩和され、遷択の自由
度がかなり増し、更には中央の発光層にホールと電子
(あるいは励起子)を有効に閉じ込めて発光の向上をは
かる可能性も示唆されている。
【0010】積層型有機EL素子の作製には、一般に真
空蒸着法が用いられているが、キャスティング法によっ
てもかなりの明るさの素子が得られる事が報告されてい
る(例えば、第50回応物学会学術講演会講演予稿集1
006(1989)及び第51回応物学会学術講演会講
演予稿集1041(1990))。
【0011】更には、ホール輸送能を有する化合物とし
てポリビニルカルバゾール、電子輸送能を有する化合物
としてオキサジアゾール誘導体及び発光体としてクマリ
ン6を混合した溶液から浸漬塗布法で形成した混合1層
型EL素子でもかなり高い発光効率が得られる事が報告
されている(例えば、第38回応物関係連合講演会講演
予稿集1086(1991))。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に有機ELデ
バイスにおける最近の進歩は著しく広汎な用途の可能性
を示唆している。
【0013】しかしそれらの研究の歴史はまだまだ浅
く、未だその材料研究やデバイス化への研究は十分なさ
れていない。現状では、長時間の使用による特性の経時
変化や、酸素を含む雰囲気気体や湿気などによる劣化等
の耐久性の面等に未だ課題が残されており、例えば次の
ような課題が挙げられる。
【0014】有機発光素子は電荷注入型発光素子であ
り、その特性は両電極からのキャリアの注入量に強く依
存する。そして、電極(陽極や陰極)からのキャリア注
入は、長時間にわたる使用においても、常に一定である
ことが望ましい。
【0015】ところが実際には、長時間使用すると各有
機層の電気的なマッチングの不完全さも相まって、素子
を流れる電流キャリアのうち、特に発光には全く寄与し
ない電子がホール輸送層を流れてしまい、ホール輸送層
並びに電子輸送層との界面及びホール輸送層内部等で劣
化を生じる等の理由から、長時間使用すると素子の発光
効率の低下をもたらすことがあった。
【0016】本発明は、この様な課題を解決するために
成されたものであり、極めて耐久性のある、即ち輝度半
減時間が長い電荷注入型発光素子を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明は、陽極及び陰極と、これらの間に挟持された一
または複数の有機化合物からなる有機物層とを少なくと
も有し、前記有機物層には少なくともそれ自体が発光す
る発光材料を含む電荷注入型発光素子において、前記有
機物層は、前記発光材料とは別の障壁材料をも含み、前
記発光材料の伝導帯の最下端エネルギーEcと、前記発
光材料とは別の障壁材料の伝導帯の最下端エネルギーH
cとが、Ec−Hc>0.5eVを満足する関係にある
電荷注入型発光素子である。さらに本発明は好ましい態
様として、「前記発光材料の伝導帯の最下端エネルギー
Ecと、前記障壁材料の伝導帯の最下端エネルギーHc
とが、Ec−Hc≧0.6eVを満足する関係にあるこ
と」、「前記発光材料は、縮合系炭化水素化合物を少な
くとも一種類以上含有すること」、「前記障壁材料は、
少なくともホール輸送能を有する有機化合物からなる層
であるホール輸送層として配置されていること」、を含
むものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の電荷注入型発光素子は、
陽極及び陰極と、これらの間に挟持された一または複数
の有機化合物からなる有機物層とを少なくとも有し、前
記有機物層には少なくともそれ自体が発光する発光材料
を含む電荷注入型発光素子において、前記有機物層は、
前記発光材料とは別の障壁材料をも含み、前記発光材料
の伝導帯の最下端エネルギーEcと、前記発光材料とは
別の障壁材料の伝導帯の最下端エネルギーHcとが、E
c−Hc>0.5eVを満足する関係にある電荷注入型
発光素子である。
【0019】有機物層に含まれる障壁材料は、図1や図
4のように、発光材料と同じ層に含まれていてもよく、
あるいは、障壁層として発光材料が含まれる発光層と陽
極との間に設けられてもよい。
【0020】なお、それぞれの「伝導帯の最下端エネル
ギー」の差のことを「ポテンシャル障壁」あるいは、
「電子注入の障壁差」と称してもよい。また「障壁層」
とは、発光層と陽極側で実質的に接している材料を指
し、その一例はホール輸送層である。なお、以下の説明
で、「伝導帯の最下端のエネルギー」のことを略して
「伝導帯のエネルギー」と表わす。
【0021】更に、上記条件式を満たす場合、前記発光
材料が縮合系炭化水素化合物を少なくとも一種類以上含
有している方が金属錯体系発光材料に比べてより効果的
に作用する。より具体的には、例えば青色発光素子を提
供する場合、この縮合系炭化水素化合物は、電子移動度
が大きく且つ量子効率が高いので、本発明の素子のよう
な条件式を満たす素子にこの縮合系炭化水素化合物を適
用すれば、障壁材料による電子ブロックで、ホールと電
子の再結合確率が増加すると考えられ、好ましい。
【0022】このような構成を有する電荷注入型発光素
子は、ホール輸送層等の障壁層や障壁材料への電子の注
入が効率よくブロックできるため、長時間使用時におけ
る発光層並びに障壁層との界面等の劣化を抑えることが
可能である。
【0023】以下に本発明の実施形態を、発光素子の層
構成に係る図とともに説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は本発明の電荷注入
型発光素子の一実施形態を示す断面図である。これは基
板1上に陽極2、発光層3及び陰極4を順次設けた構成
のものである。
【0025】この形態は、発光層の材料が、それ自体で
電子輸送能、ホール輸送能、及び発光能を単一で有して
いる化合物に、ホール輸送能を有する化合物を混ぜて使
う場合に有用である。本実施形態において、本発明の有
機物層と発光層は一致しており、障壁材料は発光層3内
に混合されたホール輸送能を有する化合物に対応する。
【0026】(実施の形態2)図2は本発明の電荷注入
型発光素子の他の実施形態を示す断面図である。これは
基板1上に陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び
陰極4を順次設けた構成のものである。この場合、発光
層3は電子輸送層6およびホール輸送層5からなる。
【0027】この形態は、発光層3の材料として、電子
輸送層6には少なくとも電子輸送能を有する材料を用
い、ホール輸送層5には少なくともホール輸送能を有す
る材料を用い、電子輸送層6及びホール輸送層5のうち
のいずれか一方の層、或いは両方の層が発光性を有する
ような組み合わせで用いる場合に有用である。この形態
においても、本発明の有機物層と発光層とは一致してお
り、共に電子輸送層6およびホール輸送層5からなる発
光層3に対応する。即ち、本発明の発光層とは、発光能
を有し、発光体として使用される層の全体を指し、単層
とは限らない。そして、その発光層に対して陽極側から
接するホール輸送層5、又は発光性を有するホール輸送
層の場合、発光層内に混合されたホール輸送能を有する
化合物が本発明の障壁材料に対応する。
【0028】(実施の形態3)図3は本発明の電荷注入
型発光素子の他の実施形態を示す断面図である。これは
基板1上に陽極2、ホール輸送層5、発光層3、電子輸
送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。
【0029】この形態において、本発明の有機物層は電
子輸送層6、ホール輸送層5、及び発光層3からなる積
層構造体に対応し、発光層はそのまま発光層3に対応
し、障壁層はホール輸送層5に対応する。
【0030】(実施の形態4)図4は本発明の電荷注入
型発光素子の他の実施形態を示す断面図である。これは
基板1上に陽極2、発光層3、電子輸送層6及び陰極4
を順次設けた構成のものである。
【0031】この形態において、有機物層は電子輸送層
6及び発光層3からなる積層構造体に対応し、発光層は
そのまま発光層3に対応し、障壁材料は発光層内に混合
されたホール輸送能を有する化合物に対応する。
【0032】上記実施の形態3及び4の電荷注入型発光
素子は、キャリア輸送と発光の機能を分離したものであ
り、ホール輸送能、電子輸送能、発光能の各特性を有し
た化合物と適時組み合わせて用いられ、極めて材料の選
択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の
化合物が使用出来る為、発光色相の多様化が可能とな
る。また更に中央の発光層にホールと電子(あるいは励
起子)を有効に閉じ込めて発光効率の向上を図る事も可
能になる。
【0033】このように本発明のいずれの実施の形態に
係る構成の電荷注入型発光素子は、背景技術として先に
のべた電荷注入型発光素子に比べ、ホール輸送層等の障
壁層や障壁材料への電子の注入を効率よくブロックでき
るため発光に関与するホール注入性及び電子注入性のバ
ランスに優れており、必要に応じて、例として挙げた図
1乃至図4のいずれの形態でも使用する事が可能であ
る。
【0034】本発明の有機発光素子においては、発光層
構成成分として、電子写真感光体分野等で研究されてい
るホール輸送性化合物やこれ迄知られているホール輸送
性発光体化合物あるいは電子輸送性化合物やこれ迄知ら
れている電子輸送性発光体化合物を必要に応じて2種類
以上使用する事も出来るが、縮合系炭化水素化合物を少
なくとも一種類以上含有していることがより望ましい。
【0035】本発明の有機発光素子において、発光層は
一般には真空蒸着あるいは適当な結着性樹脂と組み合わ
せて薄膜を形成する。
【0036】上記結着剤としては広範囲な結着性樹脂よ
り選択でき、例えばポリビニルカルバゾール樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート
樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニル
アセタール樹脂、ジアリルフタレート樹指、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
シリコン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これらは単
独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上を
混合して用いても良い。
【0037】一方、陰極材料としては仕事関数が小さな
リチウム、カルシウム、マグネシウム、銀、鉛、錫、マ
グネシウム、アルミニウム、マンガン、インジウム、ク
ロムあるいはこれらの合金が用いられる。
【0038】本発明の有機発光素子は、従来の白熱灯、
蛍光灯あるいは発光ダイオードなどと異なり、大面積、
高分解能、薄型、軽量、高速動作、完全な固体デバイス
であり、高度な要求を溝たす可能性のあるELパネルに
使用することができる。
【0039】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。
【0040】(実施例1〜4及び比較例1)電荷注入型
発光素子において、障壁層に対応するホール輸送層への
電子注入性を観測する目的を主とするため、半透明のア
ルミニウムを陽極として用いた。
【0041】試料は、ガラス基板上に陽極としてをAl
を半透明に設けた後、ホール輸送層として下記構造式
(a)〜(e)の化合物を、続いてAlq3等の電子輸
送層の代わりとなる光電子注入層(電子注入層)として
ガリウムフタロシアニンを、陰極としてAlをそれぞれ
真空成膜して作製した。本発明の発光層は、本例におい
ては光電子注入層に対応する。
【0042】
【化1】
【0043】これらの試料の電極間に電圧を印加しなが
ら陽極側より赤色LED光を照射して、光電子注入層
(ガリウムフタロシアニン層)からホール輸送層中への
注入電子量を求めた。結果を図5に示す。これらにおい
ては、(a)〜(d)の化合物を用いて作製した試料が
実施例1〜4であり、(e)の化合物を用いて作製した
試料が比較例1である。
【0044】横軸は、ホール輸送層と光電子注入層の伝
導帯のエネルギー差、即ち光電子注入層からホール輸送
層への電子注入の障壁差をあらわしている。また、光電
子注入層及びホール輸送層の伝導帯のエネルギー値は、
表面分析装置(理研計器社製、AC−1)を用いて求め
た各層のイオン化ポテンシャル値から、各層の光学的吸
収端より算出したバンドギャップ値を引いて求めたもの
である。
【0045】また、縦軸の注入された電子量は、試料へ
の印加電界を一定とし(0.4MV/cm)、上記ガリ
ウムフタロシアニン層内での発生キャリア量を揃えた条
件下において測定したものである。
【0046】図5からわかるように、ホール輸送層と光
電子注入層の伝導帯エネルギー差に対し、注入電子量は
指数関数的に変化しており、両者のエネルギー差が僅か
でも変化すると、ホール輸送層に注入される電子量が大
きく変化する。
【0047】両者のエネルギー差が0.5eVである例
示化合物(e)は、後述するように素子化した際の駆動
寿命が極端に短いが、本発明の条件式(I)を満たした
電荷注入型発光素子は、即ち両者のエネルギー差が0.
5eVより大きな電荷注入型発光素子は、光電子注入層
からそれに接しているホール輸送層への電子の注入が効
率よくブロックできるため、長時間使用時におけるホー
ル輸送層並びに光電子注入層との界面劣化を最小限に抑
えることが可能である。
【0048】また、より好ましくは条件式(I)の境界
値が0.6eV以上であれば、例示化合物(e)に比べ
て注入電子量が数百分の一と、更に完全に電子がブロッ
クできるため長時間使用時における素子の発光低下を最
小限に抑えることができる。
【0049】発光層と障壁層との間の電子に対するポテ
ンシャル障壁が0.5eV以上、好ましくは0.6eV
以上であれば、障壁層への電子注入が阻止できるため、
大きな発光強度が得られる注入型発光素子の長時間使用
時においても素子の輝度低下が最小限に抑えることがで
きる。
【0050】(実施例5〜8および比較例2)ガラス板
上にイオンプレーティング法を用いて酸化錫−インジウ
ム(ITO)を100nmの膜厚で成膜した透明陽極上
に、前記例示化合物(a)〜(e)からなるホール輸送
層(膜厚60nm)、そして縮合系炭化水素化合物であ
る下記化合物(f)からなる電子輸送層(発光層兼ね
る)(膜厚60nm)、さらにAlからなる陰極(膜厚
120nm)を各々順次真空蒸着により形成し、それぞ
れ実施例5〜8に対応する(a)〜(d)を用いた素子
及び比較例2に対応する(e)を用いた素子を作製し
た。これらの例において、本発明の発光層は電子輸送層
に対応し、障壁層はホール輸送層に対応する。
【0051】伝導帯のエネルギー値は、実施例1等と同
様の方法で求め、化合物(f)よりなる電子輸送層の伝
導帯のエネルギー値は2.58eVであった。
【0052】
【化2】
【0053】この様にして作製した素子に電流密度20
mA/cm2の電流を流し、初期輝度が半減する時間を
観測した。その結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1の結果には、本発明を実施した電荷注
入型発光素子の輝度半減時間が本発明を実施していない
素子と比べて著しく長いことが明白に示されている。
【0056】(実施例9〜12および比較例3)電子輸
送層(発光層兼ねる)(膜厚60nm)としてAlq3
を用いた以外は、実施例5〜8及び比較例2と同様の方
法で作製した素子を、それぞれ実施例9〜12及び比較
例3の素子とした。
【0057】また、伝導帯のエネルギー値は、実施例1
等と同様の方法で求め、Alq3よりなる電子輸送層の
伝導帯のエネルギー値は2.61eVであった。
【0058】この様にして作製した素子に電流密度20
mA/cm2の電流を流し、初期輝度が半減する時間を
観測した。その結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】表2の結果には、本発明を実施した電荷注
入型発光素子の輝度半減時間が本発明を実施していない
素子と比べて著しく長いことが明白に示されている。
【0061】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の電荷注入型
発光素子は、輝度半減時間が長いという点で極めて耐久
性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】電荷注入型発光素子の一例を示す断面図であ
る。
【図2】電荷注入型発光素子の他の例を示す断面図であ
る。
【図3】電荷注入型発光素子の他の例を示す断面図であ
る。
【図4】電荷注入型発光素子の他の例を示す断面図であ
る。
【図5】電荷注入型発光素子に用いられるホール輸送層
と光電子注入層の伝導帯のエネルギー差に対する注入電
子量の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 発光層 4 陰極 5 ホール輸送層 6 電子輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 和則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB11 AB12 AB13 CC00 DB03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極及び陰極と、これらの間に挟持され
    た一または複数の有機化合物からなる有機物層とを少な
    くとも有し、前記有機物層には少なくともそれ自体が発
    光する発光材料を含む電荷注入型発光素子において、 前記有機物層は、前記発光材料とは別の障壁材料をも含
    み、 前記発光材料の伝導帯の最下端エネルギーEcと、前記
    障壁材料の伝導帯の最下端エネルギーHcとが、Ec−
    Hc>0.5eVを満足する関係にある電荷注入型発光
    素子。
  2. 【請求項2】 前記発光材料の伝導帯の最下端エネルギ
    ーEcと、前記障壁材料の伝導帯の最下端エネルギーH
    cとが、Ec−Hc≧0.6eVを満足する関係にある
    ことを特徴とする請求項1に記載の電荷注入型発光素
    子。
  3. 【請求項3】 前記発光材料は、縮合系炭化水素化合物
    を少なくとも一種類以上含有することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の電荷注入型発光素子。
  4. 【請求項4】 前記障壁材料は、少なくともホール輸送
    能を有する有機化合物からなる層であるホール輸送層と
    して配置されていることを特徴とする請求項1から3の
    うちのいずれか1項に記載の電荷注入型発光素子。
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