JP2002343418A - アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の使用方法 - Google Patents
アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の使用方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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- Secondary Cells (AREA)
- Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 正極と負極との間にセパレータが介在された
電極体とアルカリ電解液とが電池缶内に収容させたアル
カリ蓄電池において、正極における容量を高めた場合
に、アルカリ電解液が正極に取り込まれて正極が膨化す
るのを抑制し、安定して高い放電容量が得られるように
する。 【解決手段】 正極と負極との間にセパレータが介在さ
れた電極体アルカリ電解液とが電池缶内に収容されたア
ルカリ蓄電池において、電池缶内の容積が増加するのを
抑制する手段を設けたアルカリ蓄電池。容積増加抑制手
段としては、例えば、アルカリ蓄電池30をホルダー4
0に保持させ、加圧板42をねじ41で締め付けて、ア
ルカリ蓄電池内に収容されている電極体を密着させる方
向に10kgf/cm2の圧力で加圧した状態を保持す
ることからなる。
電極体とアルカリ電解液とが電池缶内に収容させたアル
カリ蓄電池において、正極における容量を高めた場合
に、アルカリ電解液が正極に取り込まれて正極が膨化す
るのを抑制し、安定して高い放電容量が得られるように
する。 【解決手段】 正極と負極との間にセパレータが介在さ
れた電極体アルカリ電解液とが電池缶内に収容されたア
ルカリ蓄電池において、電池缶内の容積が増加するのを
抑制する手段を設けたアルカリ蓄電池。容積増加抑制手
段としては、例えば、アルカリ蓄電池30をホルダー4
0に保持させ、加圧板42をねじ41で締め付けて、ア
ルカリ蓄電池内に収容されている電極体を密着させる方
向に10kgf/cm2の圧力で加圧した状態を保持す
ることからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ニッケル−水素
蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池等のアルカリ蓄電
池及びこのようなアルカリ蓄電池の使用方法に係り、特
に、充放電によって正極が膨化するのを抑制し、安定し
て高い放電容量が得られるようにした点に特徴を有する
ものである。
蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池等のアルカリ蓄電
池及びこのようなアルカリ蓄電池の使用方法に係り、特
に、充放電によって正極が膨化するのを抑制し、安定し
て高い放電容量が得られるようにした点に特徴を有する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カド
ミウム蓄電池等のアルカリ蓄電池としては、一般に、正
極と負極との間にセパレータが介在された電極体とアル
カリ電解液とを電池缶内に収容させたものが用いられて
おり、またその正極には、一般に水酸化ニッケルを主体
とする正極活物質が使用されている。
ミウム蓄電池等のアルカリ蓄電池としては、一般に、正
極と負極との間にセパレータが介在された電極体とアル
カリ電解液とを電池缶内に収容させたものが用いられて
おり、またその正極には、一般に水酸化ニッケルを主体
とする正極活物質が使用されている。
【0003】ここで、上記のようなアルカリ蓄電池にお
いて、正極に使用する水酸化ニッケルの充放電反応は、
下記の式(1)のような1電子反応であるため、水酸化
ニッケル換算での理論容量は289mAh/gになる。
いて、正極に使用する水酸化ニッケルの充放電反応は、
下記の式(1)のような1電子反応であるため、水酸化
ニッケル換算での理論容量は289mAh/gになる。
【0004】 β−Ni(OH)2 +OH- ⇔β−NiOOH+H2 O+e- …(1)
【0005】一方、近年においては、上記のようなアル
カリ蓄電池が様々な分野で利用されるようになり、高い
電池容量をもつアルカリ蓄電池が求められるようにな
り、このため正極における容量を高めることが必要にな
った。
カリ蓄電池が様々な分野で利用されるようになり、高い
電池容量をもつアルカリ蓄電池が求められるようにな
り、このため正極における容量を高めることが必要にな
った。
【0006】そこで、近年においては、正極におけるそ
の容量を高めるため、水酸化ニッケルにコバルト等を固
溶させて、水酸化ニッケル換算での容量が289mAh
/g以上になった正極活物質を用いることが行われるよ
うになった。
の容量を高めるため、水酸化ニッケルにコバルト等を固
溶させて、水酸化ニッケル換算での容量が289mAh
/g以上になった正極活物質を用いることが行われるよ
うになった。
【0007】しかし、このように水酸化ニッケルにコバ
ルト等を固溶させ、水酸化ニッケル換算での容量が28
9mAh/g以上になった正極活物質を正極に用いて充
放電を行うと、充電時に3価を越えるγ−NiOOHが
生成し、このγ−NiOOH中にアルカリ電解液が取り
込まれて正極活物質が膨化し、これにより生じた正極内
の隙間にアルカリ電解液が取り込まれてドライアウトが
生じ、電池容量が急激に低下するという問題が生じた。
ルト等を固溶させ、水酸化ニッケル換算での容量が28
9mAh/g以上になった正極活物質を正極に用いて充
放電を行うと、充電時に3価を越えるγ−NiOOHが
生成し、このγ−NiOOH中にアルカリ電解液が取り
込まれて正極活物質が膨化し、これにより生じた正極内
の隙間にアルカリ電解液が取り込まれてドライアウトが
生じ、電池容量が急激に低下するという問題が生じた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、正極と負
極との間にセパレータが介在された電極体とアルカリ電
解液とを電池缶内に収容させたアルカリ蓄電池における
上記のような問題を解決することを課題とするものであ
り、特に、水酸化ニッケルにコバルト等を固溶させた正
極活物質を用いて正極における容量を高めた場合におい
て、アルカリ電解液が正極に取り込まれて正極が膨化す
るのを抑制し、安定して高い放電容量が得られるように
することを課題とするものである。
極との間にセパレータが介在された電極体とアルカリ電
解液とを電池缶内に収容させたアルカリ蓄電池における
上記のような問題を解決することを課題とするものであ
り、特に、水酸化ニッケルにコバルト等を固溶させた正
極活物質を用いて正極における容量を高めた場合におい
て、アルカリ電解液が正極に取り込まれて正極が膨化す
るのを抑制し、安定して高い放電容量が得られるように
することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明におけるアルカ
リ蓄電池においては、上記のような課題を解決するた
め、少なくとも正極と負極との間にセパレータが介在さ
れた電極体と、アルカリ電解液とが電池缶内に収容され
たアルカリ蓄電池において、上記の電池缶内の容積が増
加するのを抑制する手段を設けるようにしたのである。
リ蓄電池においては、上記のような課題を解決するた
め、少なくとも正極と負極との間にセパレータが介在さ
れた電極体と、アルカリ電解液とが電池缶内に収容され
たアルカリ蓄電池において、上記の電池缶内の容積が増
加するのを抑制する手段を設けるようにしたのである。
【0010】そして、この発明におけるアルカリ蓄電池
のように、電池缶内の容積が増加するのを抑制する手段
を設けると、正極に水酸化ニッケル換算での容量が28
9mAh/g以上になった正極活物質を用いて充放電を
行った場合において、充電時にγ−NiOOHが生成さ
れても、正極内に生じる隙間にアルカリ電解液が取り込
まれて、アルカリ電解液がドライアウトするのが上記の
手段によって防止されるようになる。このため、この発
明におけるアルカリ蓄電池においては、アルカリ電解液
がドライアウトして放電容量が低下するのが防止され、
安定して高い放電容量が得られるようになる。
のように、電池缶内の容積が増加するのを抑制する手段
を設けると、正極に水酸化ニッケル換算での容量が28
9mAh/g以上になった正極活物質を用いて充放電を
行った場合において、充電時にγ−NiOOHが生成さ
れても、正極内に生じる隙間にアルカリ電解液が取り込
まれて、アルカリ電解液がドライアウトするのが上記の
手段によって防止されるようになる。このため、この発
明におけるアルカリ蓄電池においては、アルカリ電解液
がドライアウトして放電容量が低下するのが防止され、
安定して高い放電容量が得られるようになる。
【0011】ここで、上記のように電池缶内の容積が増
加するのを抑制する手段としては、例えば、正極と負極
との間にセパレータが介在された電極体を密着させる方
向に電池缶を外部から加圧する加圧手段を設けるように
したり、電池缶を構成する材料やその形状を適切に設定
して、電池缶が変形しないようにその強度を高める等の
手段を採用することができる。
加するのを抑制する手段としては、例えば、正極と負極
との間にセパレータが介在された電極体を密着させる方
向に電池缶を外部から加圧する加圧手段を設けるように
したり、電池缶を構成する材料やその形状を適切に設定
して、電池缶が変形しないようにその強度を高める等の
手段を採用することができる。
【0012】そして、この発明におけるアルカリ蓄電池
において、水酸化ニッケルを主体とする正極活物質が水
酸化ニッケル換算で289mAh/g以上の容量を持つ
ようにするにあたっては、例えば、水酸化ニッケルにコ
バルトを固溶させると共に、表面にナトリウム含有コバ
ルト化合物からなる導電層を形成することによって可能
となる。
において、水酸化ニッケルを主体とする正極活物質が水
酸化ニッケル換算で289mAh/g以上の容量を持つ
ようにするにあたっては、例えば、水酸化ニッケルにコ
バルトを固溶させると共に、表面にナトリウム含有コバ
ルト化合物からなる導電層を形成することによって可能
となる。
【0013】ここで、上記のように水酸化ニッケルにコ
バルトを固溶させると、正極活物質の充電受け入れ性が
向上すると考えられる。また、このように水酸化ニッケ
ルにコバルトを固溶させるにあたり、固溶させるコバル
トの量が少ないと、正極活物質の充電受け入れ性を十分
に向上させることができなくなる一方、固溶させるコバ
ルトの量が多くなると、正極活物質中における水酸化ニ
ッケルの量が減少し、何れの場合においても十分な放電
容量が得られなくなる。このため、水酸化ニッケルにお
けるニッケルと固溶されたコバルトとの総量に対する固
溶されたコバルトの割合を0.5〜7重量%の範囲にす
ることが好ましく、より好ましくは0.5〜2重量%の
範囲になるようにする。なお、水酸化ニッケルに対する
コバルトの固溶量については、正極活物質を作製する際
における、ニッケル塩とコバルト塩との割合を変更させ
ることによって調整することができる。
バルトを固溶させると、正極活物質の充電受け入れ性が
向上すると考えられる。また、このように水酸化ニッケ
ルにコバルトを固溶させるにあたり、固溶させるコバル
トの量が少ないと、正極活物質の充電受け入れ性を十分
に向上させることができなくなる一方、固溶させるコバ
ルトの量が多くなると、正極活物質中における水酸化ニ
ッケルの量が減少し、何れの場合においても十分な放電
容量が得られなくなる。このため、水酸化ニッケルにお
けるニッケルと固溶されたコバルトとの総量に対する固
溶されたコバルトの割合を0.5〜7重量%の範囲にす
ることが好ましく、より好ましくは0.5〜2重量%の
範囲になるようにする。なお、水酸化ニッケルに対する
コバルトの固溶量については、正極活物質を作製する際
における、ニッケル塩とコバルト塩との割合を変更させ
ることによって調整することができる。
【0014】また、上記のように正極活物質の表面にナ
トリウム含有コバルト化合物からなる導電層を形成する
と、このナトリウム含有コバルト化合物の電気伝導率が
金属コバルトやコバルト化合物を用いた場合に比べて高
いため、電極内における集電性が高くなって正極活物質
の利用率が向上し、高い放電容量が得られるようにな
る。
トリウム含有コバルト化合物からなる導電層を形成する
と、このナトリウム含有コバルト化合物の電気伝導率が
金属コバルトやコバルト化合物を用いた場合に比べて高
いため、電極内における集電性が高くなって正極活物質
の利用率が向上し、高い放電容量が得られるようにな
る。
【0015】そして、上記のように正極活物質の表面に
ナトリウム含有コバルト化合物からなる導電層を設ける
にあたっては、コバルトが固溶された水酸化ニッケル粒
子に、金属コバルト粉末や、水酸化コバルト粉末や、一
酸化コバルト粉末や、オキシ水酸化コバルト粉末を混合
させ、或いはコバルトが固溶された水酸化ニッケル粒子
の表面に金属コバルトや、水酸化コバルトや、一酸化コ
バルトや、オキシ水酸化コバルトの層を形成し、その
後、これに水酸化ナトリウム水溶液を添加し、酸素存在
下において50〜200℃の温度で加熱処理することに
よって形成することができる。
ナトリウム含有コバルト化合物からなる導電層を設ける
にあたっては、コバルトが固溶された水酸化ニッケル粒
子に、金属コバルト粉末や、水酸化コバルト粉末や、一
酸化コバルト粉末や、オキシ水酸化コバルト粉末を混合
させ、或いはコバルトが固溶された水酸化ニッケル粒子
の表面に金属コバルトや、水酸化コバルトや、一酸化コ
バルトや、オキシ水酸化コバルトの層を形成し、その
後、これに水酸化ナトリウム水溶液を添加し、酸素存在
下において50〜200℃の温度で加熱処理することに
よって形成することができる。
【0016】ここで、上記のように加熱処理する温度を
50〜200℃にするのは、加熱処理する温度が50℃
未満の場合には、電気伝導性の低いCoHO2 が析出す
る一方、加熱処理する温度が200℃を超えた場合に
は、電気伝導性の低い四酸化三コバルトCo3 O4 が析
出し、何れの場合にも導電性の高い導電層が得られなく
なるためである。なお、コバルトが固溶された水酸化ニ
ッケル粒子の表面にオキシ水酸化コバルトの粒子を添加
させたり、オキシ水酸化コバルトの層を形成した場合に
は、50℃未満の温度で加熱処理してもCoHO2 が析
出することはないが、ナトリウムが含有されにくくなっ
て導電性の高い導電層が得られなくなる。ここで、上記
のように加熱処理する時間については特に限定されず、
使用する水酸化ナトリウムの濃度や加熱処理する温度等
によって適宜変更させるようにし、一般的には0.5〜
10時間加熱処理させるようにする。
50〜200℃にするのは、加熱処理する温度が50℃
未満の場合には、電気伝導性の低いCoHO2 が析出す
る一方、加熱処理する温度が200℃を超えた場合に
は、電気伝導性の低い四酸化三コバルトCo3 O4 が析
出し、何れの場合にも導電性の高い導電層が得られなく
なるためである。なお、コバルトが固溶された水酸化ニ
ッケル粒子の表面にオキシ水酸化コバルトの粒子を添加
させたり、オキシ水酸化コバルトの層を形成した場合に
は、50℃未満の温度で加熱処理してもCoHO2 が析
出することはないが、ナトリウムが含有されにくくなっ
て導電性の高い導電層が得られなくなる。ここで、上記
のように加熱処理する時間については特に限定されず、
使用する水酸化ナトリウムの濃度や加熱処理する温度等
によって適宜変更させるようにし、一般的には0.5〜
10時間加熱処理させるようにする。
【0017】そして、上記のようにして正極活物質の表
面に、ナトリウム含有コバルト化合物からなる導電層を
形成した場合、このナトリウム含有コバルト化合物の化
学的構造は定かではないが、極めて高い電気伝導性を有
することから、コバルト化合物とナトリウムとの単なる
混合物ではなく、コバルト化合物の結晶中にナトリウム
が挿入された構造になった層間化合物であると考えられ
る。
面に、ナトリウム含有コバルト化合物からなる導電層を
形成した場合、このナトリウム含有コバルト化合物の化
学的構造は定かではないが、極めて高い電気伝導性を有
することから、コバルト化合物とナトリウムとの単なる
混合物ではなく、コバルト化合物の結晶中にナトリウム
が挿入された構造になった層間化合物であると考えられ
る。
【0018】また、上記のようにコバルトが固溶された
水酸化ニッケル粒子の表面に、金属コバルトや水酸化コ
バルトや一酸化コバルトの層を形成するにあたっては、
コバルトが固溶された水酸化ニッケル粒子に対して、金
属コバルト粉末や水酸化コバルト粉末や一酸化コバルト
粉末を加え、これを不活性ガス雰囲気中において、圧縮
磨砕粉砕機により乾式混合するメカニカルチャージ法に
よって形成することができる。
水酸化ニッケル粒子の表面に、金属コバルトや水酸化コ
バルトや一酸化コバルトの層を形成するにあたっては、
コバルトが固溶された水酸化ニッケル粒子に対して、金
属コバルト粉末や水酸化コバルト粉末や一酸化コバルト
粉末を加え、これを不活性ガス雰囲気中において、圧縮
磨砕粉砕機により乾式混合するメカニカルチャージ法に
よって形成することができる。
【0019】また、コバルトが固溶された水酸化ニッケ
ル粒子の表面に水酸化コバルトの層を形成するにあたっ
ては、硫酸コバルト等のコバルト塩の水溶液にコバルト
が固溶された水酸化ニッケル粒子を添加し、これを攪拌
しながら水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を
滴下してpHを9〜12の範囲、通常はpHを11程度
に調整し、その後、これを攪拌しながら所定時間反応さ
せて、水酸化コバルトを上記の水酸化ニッケル粒子の表
面に析出させることにより形成することもできる。
ル粒子の表面に水酸化コバルトの層を形成するにあたっ
ては、硫酸コバルト等のコバルト塩の水溶液にコバルト
が固溶された水酸化ニッケル粒子を添加し、これを攪拌
しながら水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を
滴下してpHを9〜12の範囲、通常はpHを11程度
に調整し、その後、これを攪拌しながら所定時間反応さ
せて、水酸化コバルトを上記の水酸化ニッケル粒子の表
面に析出させることにより形成することもできる。
【0020】また、コバルトが固溶された水酸化ニッケ
ル粒子の表面にオキシ水酸化コバルトの層を形成するに
あたっては、例えば、この水酸化ニッケル粒子の表面に
上記のようにして水酸化コバルトの層を形成した後、こ
れを40℃程度に加熱した過酸化水素水と反応させて、
水酸化コバルトを酸化することにより形成することがで
きる。
ル粒子の表面にオキシ水酸化コバルトの層を形成するに
あたっては、例えば、この水酸化ニッケル粒子の表面に
上記のようにして水酸化コバルトの層を形成した後、こ
れを40℃程度に加熱した過酸化水素水と反応させて、
水酸化コバルトを酸化することにより形成することがで
きる。
【0021】そして、上記のように正極活物質の表面に
ナトリウム含有コバルト化合物からなる導電層を形成す
るにあたり、正極活物質中における導電層の量が少ない
と、正極活物質の導電性を十分に向上させることができ
なくなる一方、この導電層の量が多くなり過ぎると、正
極活物質中における水酸化ニッケルの割合が少なくな
り、何れの場合においても放電容量が減少する。このた
め、正極活物質中におけるナトリウム含有コバルト化合
物からなる導電層の割合を3〜10重量%の範囲にする
ことが好ましい。
ナトリウム含有コバルト化合物からなる導電層を形成す
るにあたり、正極活物質中における導電層の量が少ない
と、正極活物質の導電性を十分に向上させることができ
なくなる一方、この導電層の量が多くなり過ぎると、正
極活物質中における水酸化ニッケルの割合が少なくな
り、何れの場合においても放電容量が減少する。このた
め、正極活物質中におけるナトリウム含有コバルト化合
物からなる導電層の割合を3〜10重量%の範囲にする
ことが好ましい。
【0022】また、この発明におけるアルカリ蓄電池に
おいて、さらに高い充電容量が得られるようにするため
には、上記の電極体とアルカリ電解液の他に、上記の電
池缶内に水酸化リチウムを加えることが好ましい。そし
て、このように水酸化リチウムを加えると、充放電によ
り次第にこの水酸化リチウムがアルカリ電解液に溶解
し、このようにアルカリ電解液に溶解したリチウムイオ
ンが充電時に水酸化ニッケルの結晶中に取り込まれ、こ
のリチウムイオンにより水酸化ニッケルに格子欠陥が生
じてイオン導電性が上昇し、充電容量が増加する。
おいて、さらに高い充電容量が得られるようにするため
には、上記の電極体とアルカリ電解液の他に、上記の電
池缶内に水酸化リチウムを加えることが好ましい。そし
て、このように水酸化リチウムを加えると、充放電によ
り次第にこの水酸化リチウムがアルカリ電解液に溶解
し、このようにアルカリ電解液に溶解したリチウムイオ
ンが充電時に水酸化ニッケルの結晶中に取り込まれ、こ
のリチウムイオンにより水酸化ニッケルに格子欠陥が生
じてイオン導電性が上昇し、充電容量が増加する。
【0023】また、この発明におけるアルカリ蓄電池に
おいて、カリウムとリチウムとナトリウムとを含むアル
カリ電解液を用いると、正極活物質における充電受け入
れ性がさらに向上して、高い放電容量が得られるように
なり、特に、水酸化カリウムを4.0〜10.0mol
/l、水酸化ナトリウムを0.2〜2.0mol/l、
水酸化リチウムを0.2〜1.0mol/lの割合で含
むアルカリ電解液を使用することが好ましい。
おいて、カリウムとリチウムとナトリウムとを含むアル
カリ電解液を用いると、正極活物質における充電受け入
れ性がさらに向上して、高い放電容量が得られるように
なり、特に、水酸化カリウムを4.0〜10.0mol
/l、水酸化ナトリウムを0.2〜2.0mol/l、
水酸化リチウムを0.2〜1.0mol/lの割合で含
むアルカリ電解液を使用することが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、この発明に係るアルカリ蓄電池につい
て実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例
におけるアルカリ蓄電池においては、充放電によって正
極が膨化するのが抑制され、安定して高い放電容量が得
られるようになることを比較例を挙げて明らかにする。
なお、この発明におけるアルカリ蓄電池は、下記の実施
例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を
変更しない範囲において適宜変更して実施できるもので
ある。
て実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実施例
におけるアルカリ蓄電池においては、充放電によって正
極が膨化するのが抑制され、安定して高い放電容量が得
られるようになることを比較例を挙げて明らかにする。
なお、この発明におけるアルカリ蓄電池は、下記の実施
例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を
変更しない範囲において適宜変更して実施できるもので
ある。
【0025】(実施例1)実施例1のアルカリ蓄電池に
おいては、以下に示すようにして作製した正極を用いる
ようにした。
おいては、以下に示すようにして作製した正極を用いる
ようにした。
【0026】先ず、硫酸ニッケルが167g、硫酸コバ
ルトが1.68gの割合で溶解された5リットルの水溶
液を45℃に保持し、これを撹拌しながら、1モルの水
酸化ナトリウムと15重量%のアンモニア水溶液とを
1:1の重量比で混合させた水溶液を加えてpHを1
2.8に調整した後、1時間撹拌を続けて反応させた。
なお、反応中においてpHが低下した場合には、上記の
水酸化ナトリウムとアンモニアとの混合水溶液を適宜添
加してpHを12.8に保持した。
ルトが1.68gの割合で溶解された5リットルの水溶
液を45℃に保持し、これを撹拌しながら、1モルの水
酸化ナトリウムと15重量%のアンモニア水溶液とを
1:1の重量比で混合させた水溶液を加えてpHを1
2.8に調整した後、1時間撹拌を続けて反応させた。
なお、反応中においてpHが低下した場合には、上記の
水酸化ナトリウムとアンモニアとの混合水溶液を適宜添
加してpHを12.8に保持した。
【0027】そして、上記の反応後、沈殿物を濾取して
水洗し、これを60℃で乾燥させてコバルトが固溶され
た水酸化ニッケルの粉末を得た。なお、この水酸化ニッ
ケル中に固溶されているコバルトの量を原子吸光法によ
って求めたところ、水酸化ニッケルにおけるニッケルと
固溶されたコバルトとの総量に対する固溶されたコバル
トの割合は1重量%になっていた。
水洗し、これを60℃で乾燥させてコバルトが固溶され
た水酸化ニッケルの粉末を得た。なお、この水酸化ニッ
ケル中に固溶されているコバルトの量を原子吸光法によ
って求めたところ、水酸化ニッケルにおけるニッケルと
固溶されたコバルトとの総量に対する固溶されたコバル
トの割合は1重量%になっていた。
【0028】次いで、硫酸コバルトが13.8g溶解さ
れた水溶液1リットル中に、上記のようにコバルトが固
溶された水酸化ニッケルの粉末(平均粒径10μm)を
100g加えた。そして、これを撹拌しながら1モルの
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11に調整し、
1時間撹拌を続けて反応させた。なお、反応中において
pHが低下した場合には、上記の水酸化ナトリウムを適
宜添加してpHを11に保持した。
れた水溶液1リットル中に、上記のようにコバルトが固
溶された水酸化ニッケルの粉末(平均粒径10μm)を
100g加えた。そして、これを撹拌しながら1モルの
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11に調整し、
1時間撹拌を続けて反応させた。なお、反応中において
pHが低下した場合には、上記の水酸化ナトリウムを適
宜添加してpHを11に保持した。
【0029】そして、上記の反応後、沈殿物を濾取し、
水洗し、真空乾燥させてコバルトが固溶された水酸化ニ
ッケルの表面に水酸化コバルトからなる被覆層が形成さ
れた粒子を得た。
水洗し、真空乾燥させてコバルトが固溶された水酸化ニ
ッケルの表面に水酸化コバルトからなる被覆層が形成さ
れた粒子を得た。
【0030】次いで、上記の水酸化コバルトからなる被
覆層が形成された粒子と、25重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液とを1:10の重量比で混合し、85℃で8時
間加熱処理した後、沈殿物を濾取して水洗し、これを6
5℃で乾燥させて、コバルトが固溶された水酸化ニッケ
ルの表面に、ナトリウム含有コバルト酸化物からなる導
電層が形成された正極活物質を得た。ここで、この正極
活物質におけるナトリウム含有コバルト酸化物からなる
導電層の割合を原子吸光分析により求めたところ5重量
%になっていた。
覆層が形成された粒子と、25重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液とを1:10の重量比で混合し、85℃で8時
間加熱処理した後、沈殿物を濾取して水洗し、これを6
5℃で乾燥させて、コバルトが固溶された水酸化ニッケ
ルの表面に、ナトリウム含有コバルト酸化物からなる導
電層が形成された正極活物質を得た。ここで、この正極
活物質におけるナトリウム含有コバルト酸化物からなる
導電層の割合を原子吸光分析により求めたところ5重量
%になっていた。
【0031】また、水酸化コバルト粉末と、25重量%
の水酸化ナトリウム水溶液とを1:10の重量比で混合
し、85℃で8時間加熱処理した後、沈殿物を濾取して
水洗し、これを65℃で乾燥させてナトリウム含有コバ
ルト酸化物を作製し、このナトリウム含有コバルト酸化
物中におけるナトリウムの量を原子吸光法により求めた
ところ5重量%になっていた。このため、上記のナトリ
ウム含有コバルト酸化物からなる導電層においても同様
に、ナトリウム含有コバルト酸化物中におけるナトリウ
ムの量が5重量%になっていると考えられる。
の水酸化ナトリウム水溶液とを1:10の重量比で混合
し、85℃で8時間加熱処理した後、沈殿物を濾取して
水洗し、これを65℃で乾燥させてナトリウム含有コバ
ルト酸化物を作製し、このナトリウム含有コバルト酸化
物中におけるナトリウムの量を原子吸光法により求めた
ところ5重量%になっていた。このため、上記のナトリ
ウム含有コバルト酸化物からなる導電層においても同様
に、ナトリウム含有コバルト酸化物中におけるナトリウ
ムの量が5重量%になっていると考えられる。
【0032】そして、上記の正極活物質(平均粒径10
μm)100重量部に対して、結着剤として1重量%の
メチルセルロース水溶液を20重量部加え、これを混練
してペーストを調製し、このペーストをニッケル発泡体
(多孔度95%、平均孔径200μm)からなる多孔性
基板に充填し、これを乾燥させて加圧成形し、縦が25
mm、横が15mm、厚みが0.70mmになった正極
を作製した。
μm)100重量部に対して、結着剤として1重量%の
メチルセルロース水溶液を20重量部加え、これを混練
してペーストを調製し、このペーストをニッケル発泡体
(多孔度95%、平均孔径200μm)からなる多孔性
基板に充填し、これを乾燥させて加圧成形し、縦が25
mm、横が15mm、厚みが0.70mmになった正極
を作製した。
【0033】また、この実施例1のアルカリ蓄電池にお
いては、負極に縦が25mm、横が15mm、厚みが
0.6mmになったペースト式のカドミウム極を用いる
と共に、セパレータにポリアミド不織布を使用するよう
にした
いては、負極に縦が25mm、横が15mm、厚みが
0.6mmになったペースト式のカドミウム極を用いる
と共に、セパレータにポリアミド不織布を使用するよう
にした
【0034】また、アルカリ電解液としては、1リット
ルの水に水酸化カリウムを224.4g、水酸化ナトリ
ウムを40.0g、水酸化リチウムを21.0gの割合
で溶解させたものを用いた。なお、このアルカリ電解液
においては、水酸化カリウムの濃度が4.0mol/
l、水酸化ナトリウムの濃度が1.0mol/l、水酸
化リチウムの濃度が0.5mol/lになっている。
ルの水に水酸化カリウムを224.4g、水酸化ナトリ
ウムを40.0g、水酸化リチウムを21.0gの割合
で溶解させたものを用いた。なお、このアルカリ電解液
においては、水酸化カリウムの濃度が4.0mol/
l、水酸化ナトリウムの濃度が1.0mol/l、水酸
化リチウムの濃度が0.5mol/lになっている。
【0035】また、アルカリ蓄電池を作製するにあたっ
ては、図1に示すように、上記の正極11と負極12と
をそれぞれ複数枚用い、正極11と負極12との間にセ
パレータ13を介在させて重ねた電極体10を、負極1
2が鉄にニッケルメッキを施した電池缶20の内面に接
触するようにして電池缶20内に収容させると共に、各
正極11をそれぞれ集電タブ11aにより封口体21に
設けられた正極端子11bに接続させた。そして、上記
の電池缶20内に、上記の正極活物質における水酸化ニ
ッケルに対してリチウムの割合が1重量%になるように
水酸化リチウムを加えると共に、上記のアルカリ電解液
を電池缶20内に注入し、その後、上記の封口体21に
より電池缶20を封止させて角型になったアルカリ蓄電
池30を作製した。ここで、このアルカリ蓄電池30に
おいては、上記の負極12の容量が正極11の容量の約
1.5倍になっており、また電池容量は約600mAh
になっていた。
ては、図1に示すように、上記の正極11と負極12と
をそれぞれ複数枚用い、正極11と負極12との間にセ
パレータ13を介在させて重ねた電極体10を、負極1
2が鉄にニッケルメッキを施した電池缶20の内面に接
触するようにして電池缶20内に収容させると共に、各
正極11をそれぞれ集電タブ11aにより封口体21に
設けられた正極端子11bに接続させた。そして、上記
の電池缶20内に、上記の正極活物質における水酸化ニ
ッケルに対してリチウムの割合が1重量%になるように
水酸化リチウムを加えると共に、上記のアルカリ電解液
を電池缶20内に注入し、その後、上記の封口体21に
より電池缶20を封止させて角型になったアルカリ蓄電
池30を作製した。ここで、このアルカリ蓄電池30に
おいては、上記の負極12の容量が正極11の容量の約
1.5倍になっており、また電池容量は約600mAh
になっていた。
【0036】そして、この実施例1においては、図2に
示すように、上記のアルカリ蓄電池30をSUS製のホ
ルダー40に保持させ、ネジ41を締め付けて加圧板4
3により、アルカリ蓄電池30内に収容された上記の電
極体10を密着させる方向に10kgf/cm2 の圧力
で電池缶20を加圧させた状態で維持させた。
示すように、上記のアルカリ蓄電池30をSUS製のホ
ルダー40に保持させ、ネジ41を締め付けて加圧板4
3により、アルカリ蓄電池30内に収容された上記の電
極体10を密着させる方向に10kgf/cm2 の圧力
で電池缶20を加圧させた状態で維持させた。
【0037】(比較例1)比較例1においては、上記の
実施例1と同様にして作製したアルカリ蓄電池30をそ
のまま用い、このアルカリ蓄電池30の電池缶20に対
して圧力を加えないようにした。
実施例1と同様にして作製したアルカリ蓄電池30をそ
のまま用い、このアルカリ蓄電池30の電池缶20に対
して圧力を加えないようにした。
【0038】そして、上記の実施例1のように電池缶を
加圧させた状態で維持させたアルカリ蓄電池と、比較例
1のように電池缶に対して圧力を加えないアルカリ蓄電
池とにおいて、それぞれ60mAの電流値で16時間充
電した後、200mAの電流値で電池電圧が1.0Vに
なるまで放電し、これを1サイクルとして、充放電を繰
り返して行い、5サイクル目と100サイクル目とにお
ける放電容量を測定した。
加圧させた状態で維持させたアルカリ蓄電池と、比較例
1のように電池缶に対して圧力を加えないアルカリ蓄電
池とにおいて、それぞれ60mAの電流値で16時間充
電した後、200mAの電流値で電池電圧が1.0Vに
なるまで放電し、これを1サイクルとして、充放電を繰
り返して行い、5サイクル目と100サイクル目とにお
ける放電容量を測定した。
【0039】そして、上記の実施例1におけるアルカリ
蓄電池の5サイクル目の放電容量を100として、5サ
イクル目における放電容量の相対指数C5 及び100サ
イクル目における放電容量の相対指数C100 を求め、そ
の結果を下記の表1に示した。
蓄電池の5サイクル目の放電容量を100として、5サ
イクル目における放電容量の相対指数C5 及び100サ
イクル目における放電容量の相対指数C100 を求め、そ
の結果を下記の表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】この結果から明らかなように、電極体を密
着させる方向に電池缶を加圧させた状態で維持させた実
施例1のアルカリ蓄電池は、電池缶に対して圧力を加え
ていない比較例1のアルカリ蓄電池に比べて、5サイク
ル目及び100サイクル目における放電容量が大きくな
っていた。
着させる方向に電池缶を加圧させた状態で維持させた実
施例1のアルカリ蓄電池は、電池缶に対して圧力を加え
ていない比較例1のアルカリ蓄電池に比べて、5サイク
ル目及び100サイクル目における放電容量が大きくな
っていた。
【0042】(実施例A1〜A7)実施例A1〜A7に
おいては、上記の実施例1における正極の作製におい
て、水酸化ニッケルに固溶させるコバルトの量を変更さ
せて、放電容量との関係を検討した。
おいては、上記の実施例1における正極の作製におい
て、水酸化ニッケルに固溶させるコバルトの量を変更さ
せて、放電容量との関係を検討した。
【0043】ここで、実施例A1〜A7においては、コ
バルトが固溶された水酸化ニッケルの粉末を得るにあた
り、硫酸ニッケルに167gに対して加える硫酸コバル
トの量を変更し、実施例A1では0.33g、実施例A
2では0.84g、実施例A3では3.41g、実施例
A4では5.17g、実施例A5では8.80g、実施
例A6では12.58g、実施例A7では14.53g
にしてコバルトが固溶された水酸化ニッケルの粉末を得
た。
バルトが固溶された水酸化ニッケルの粉末を得るにあた
り、硫酸ニッケルに167gに対して加える硫酸コバル
トの量を変更し、実施例A1では0.33g、実施例A
2では0.84g、実施例A3では3.41g、実施例
A4では5.17g、実施例A5では8.80g、実施
例A6では12.58g、実施例A7では14.53g
にしてコバルトが固溶された水酸化ニッケルの粉末を得
た。
【0044】そして、上記のコバルトが固溶された各水
酸化ニッケル中におけるコバルトの量を原子吸光法によ
って求めたところ、水酸化ニッケルにおけるニッケルと
固溶されたコバルトとの総量に対する固溶されたコバル
トの割合は、下記の表2に示すように、実施例A1では
0.2重量%、実施例A2では0.5重量%、実施例A
3では2重量%、実施例A4では3重量%、実施例A5
では5重量%、実施例A6では7重量%、実施例A7で
は8重量%になっていた。
酸化ニッケル中におけるコバルトの量を原子吸光法によ
って求めたところ、水酸化ニッケルにおけるニッケルと
固溶されたコバルトとの総量に対する固溶されたコバル
トの割合は、下記の表2に示すように、実施例A1では
0.2重量%、実施例A2では0.5重量%、実施例A
3では2重量%、実施例A4では3重量%、実施例A5
では5重量%、実施例A6では7重量%、実施例A7で
は8重量%になっていた。
【0045】そして、コバルトが上記のような割合で固
溶された各水酸化ニッケルを用いる以外は、上記の実施
例1の場合と同様にして、角型になった各アルカリ蓄電
池を作製した。
溶された各水酸化ニッケルを用いる以外は、上記の実施
例1の場合と同様にして、角型になった各アルカリ蓄電
池を作製した。
【0046】また、実施例A1〜A7においても、上記
の実施例1の場合と同様に、上記のように作製した各ア
ルカリ蓄電池をSUS製のホルダーに保持させ、それぞ
れアルカリ蓄電池内に収容された電極体を密着させる方
向に10kgf/cm2 の圧力で電池缶を加圧させた状
態で維持させた。
の実施例1の場合と同様に、上記のように作製した各ア
ルカリ蓄電池をSUS製のホルダーに保持させ、それぞ
れアルカリ蓄電池内に収容された電極体を密着させる方
向に10kgf/cm2 の圧力で電池缶を加圧させた状
態で維持させた。
【0047】そして、上記のように電池缶を加圧させた
状態で維持させた実施例A1〜A7の各アルカリ蓄電池
についても、上記の実施例1の場合と同様にして、5サ
イクル目と100サイクル目とにおける放電容量を測定
し、上記の実施例1のアルカリ蓄電池における5サイク
ル目の放電容量を100とし、それぞれ5サイクル目に
おける放電容量の相対指数C5 及び100サイクル目に
おける放電容量の相対指数C100 を求め、その結果を下
記の表2に示した。
状態で維持させた実施例A1〜A7の各アルカリ蓄電池
についても、上記の実施例1の場合と同様にして、5サ
イクル目と100サイクル目とにおける放電容量を測定
し、上記の実施例1のアルカリ蓄電池における5サイク
ル目の放電容量を100とし、それぞれ5サイクル目に
おける放電容量の相対指数C5 及び100サイクル目に
おける放電容量の相対指数C100 を求め、その結果を下
記の表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】この結果から明らかなように、水酸化ニッ
ケルにおけるニッケルと固溶されたコバルトとの総量に
対する固溶されたコバルトの割合が0.5〜7重量%の
範囲になったものを用いた実施例1,A2〜A7のもの
においては、5サイクル目及び100サイクル目におけ
る放電容量が大きくなっており、特に、水酸化ニッケル
におけるニッケルと固溶されたコバルトとの総量に対す
る固溶されたコバルトの割合が0.5〜2重量%の範囲
になったものを用いた実施例1,A2,A3のものにお
いては、さらに5サイクル目及び100サイクル目にお
ける放電容量が大きくなっていた。
ケルにおけるニッケルと固溶されたコバルトとの総量に
対する固溶されたコバルトの割合が0.5〜7重量%の
範囲になったものを用いた実施例1,A2〜A7のもの
においては、5サイクル目及び100サイクル目におけ
る放電容量が大きくなっており、特に、水酸化ニッケル
におけるニッケルと固溶されたコバルトとの総量に対す
る固溶されたコバルトの割合が0.5〜2重量%の範囲
になったものを用いた実施例1,A2,A3のものにお
いては、さらに5サイクル目及び100サイクル目にお
ける放電容量が大きくなっていた。
【0050】(実施例B1〜B4)実施例B1〜B4に
おいては、上記の実施例1におけるアルカリ蓄電池の作
製において、電極体やアルカリ電解液と一緒に電池缶内
に加える水酸化リチウムの量を変更させて、放電容量と
の関係を検討した。
おいては、上記の実施例1におけるアルカリ蓄電池の作
製において、電極体やアルカリ電解液と一緒に電池缶内
に加える水酸化リチウムの量を変更させて、放電容量と
の関係を検討した。
【0051】ここで、実施例B1〜B4においては、電
池缶内に水酸化リチウムを加えるにあたり、下記の表3
に示すように、正極活物質における水酸化ニッケルに対
してリチウムの割合が、実施例B1では0.2重量%、
実施例B2では0.5重量%、実施例B3では3重量
%、実施例B4では4重量%なるようにし、それ以外
は、上記の実施例1の場合と同様にして、角型になった
各アルカリ蓄電池を作製した。
池缶内に水酸化リチウムを加えるにあたり、下記の表3
に示すように、正極活物質における水酸化ニッケルに対
してリチウムの割合が、実施例B1では0.2重量%、
実施例B2では0.5重量%、実施例B3では3重量
%、実施例B4では4重量%なるようにし、それ以外
は、上記の実施例1の場合と同様にして、角型になった
各アルカリ蓄電池を作製した。
【0052】また、実施例B1〜B4においても、上記
の実施例1の場合と同様に、上記のように作製した各ア
ルカリ蓄電池をSUS製のホルダーに保持させ、それぞ
れアルカリ蓄電池内に収容された電極体を密着させる方
向に10kgf/cm2 の圧力で電池缶を加圧させた状
態で維持させた。
の実施例1の場合と同様に、上記のように作製した各ア
ルカリ蓄電池をSUS製のホルダーに保持させ、それぞ
れアルカリ蓄電池内に収容された電極体を密着させる方
向に10kgf/cm2 の圧力で電池缶を加圧させた状
態で維持させた。
【0053】そして、上記のように電池缶を加圧させた
状態で維持させた実施例B1〜B4の各アルカリ蓄電池
についても、上記の実施例1の場合と同様にして、5サ
イクル目と100サイクル目とにおける放電容量を測定
し、上記の実施例1のアルカリ蓄電池における5サイク
ル目の放電容量を100とし、それぞれ5サイクル目に
おける放電容量の相対指数C5 及び100サイクル目に
おける放電容量の相対指数C100 を求め、その結果を下
記の表3に示した。
状態で維持させた実施例B1〜B4の各アルカリ蓄電池
についても、上記の実施例1の場合と同様にして、5サ
イクル目と100サイクル目とにおける放電容量を測定
し、上記の実施例1のアルカリ蓄電池における5サイク
ル目の放電容量を100とし、それぞれ5サイクル目に
おける放電容量の相対指数C5 及び100サイクル目に
おける放電容量の相対指数C100 を求め、その結果を下
記の表3に示した。
【0054】
【表3】
【0055】この結果から明らかなように、電池缶内に
水酸化リチウムを加えるにあたり、正極活物質における
水酸化ニッケルに対してリチウムの割合が0.5〜3重
量%の範囲になったものを用いた実施例1,B2,B3
のものにおいては、5サイクル目及び100サイクル目
における放電容量が大きくなっていた。
水酸化リチウムを加えるにあたり、正極活物質における
水酸化ニッケルに対してリチウムの割合が0.5〜3重
量%の範囲になったものを用いた実施例1,B2,B3
のものにおいては、5サイクル目及び100サイクル目
における放電容量が大きくなっていた。
【0056】(実施例C1〜C6)実施例C1〜C6に
おいては、上記の実施例1における正極の作製におい
て、コバルトが固溶された水酸化ニッケルの表面に設け
るナトリウム含有コバルト酸化物からなる導電層の量を
変更させて、放電容量との関係を検討した。
おいては、上記の実施例1における正極の作製におい
て、コバルトが固溶された水酸化ニッケルの表面に設け
るナトリウム含有コバルト酸化物からなる導電層の量を
変更させて、放電容量との関係を検討した。
【0057】ここで、実施例C1〜C6においては、コ
バルトが固溶された水酸化ニッケルを硫酸コバルトが溶
解された水溶液中に加えて、その表面に水酸化コバルト
からなる被覆層を形成するにあたり、1リットルの水溶
液中に溶解させる硫酸コバルトの量を、実施例1の場合
と変更し、実施例C1では1.32g、実施例C2では
5.37g、実施例C3では8.13g、実施例C4で
は29.2g、実施例C5では35.9g、実施例C6
では46.4gにして、それぞれコバルトが固溶された
水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトからなる被覆層
を形成した。
バルトが固溶された水酸化ニッケルを硫酸コバルトが溶
解された水溶液中に加えて、その表面に水酸化コバルト
からなる被覆層を形成するにあたり、1リットルの水溶
液中に溶解させる硫酸コバルトの量を、実施例1の場合
と変更し、実施例C1では1.32g、実施例C2では
5.37g、実施例C3では8.13g、実施例C4で
は29.2g、実施例C5では35.9g、実施例C6
では46.4gにして、それぞれコバルトが固溶された
水酸化ニッケルの表面に水酸化コバルトからなる被覆層
を形成した。
【0058】その後は、水酸化コバルトの被覆層が形成
された上記の水酸化ニッケルを、上記の実施例1の場合
と同様にして、それぞれ水酸化ナトリウム水溶液によっ
てって処理し、それぞれナトリウム含有コバルト酸化物
からなる導電層が形成された正極活物質を得た。
された上記の水酸化ニッケルを、上記の実施例1の場合
と同様にして、それぞれ水酸化ナトリウム水溶液によっ
てって処理し、それぞれナトリウム含有コバルト酸化物
からなる導電層が形成された正極活物質を得た。
【0059】また、上記のようにして得た各正極活物質
中におけるナトリウム含有コバルト酸化物からなる導電
層の割合を原子吸光分析により求めたところ、下記の表
4に示すように、実施例C1では0.5重量%、実施例
C2では2重量%、実施例C3では3重量%、実施例C
4では10重量%、実施例C5では12重量%、実施例
C6では15重量%になっていた。
中におけるナトリウム含有コバルト酸化物からなる導電
層の割合を原子吸光分析により求めたところ、下記の表
4に示すように、実施例C1では0.5重量%、実施例
C2では2重量%、実施例C3では3重量%、実施例C
4では10重量%、実施例C5では12重量%、実施例
C6では15重量%になっていた。
【0060】そして、上記のようにして得た各正極活物
質を用いる以外は、上記の実施例1の場合と同様にし
て、角型になった各アルカリ蓄電池を作製した。
質を用いる以外は、上記の実施例1の場合と同様にし
て、角型になった各アルカリ蓄電池を作製した。
【0061】また、実施例C1〜C6においても、上記
の実施例1の場合と同様に、上記のように作製した各ア
ルカリ蓄電池をSUS製のホルダーに保持させ、それぞ
れアルカリ蓄電池内に収容された電極体を密着させる方
向に10kgf/cm2 の圧力で電池缶を加圧させた状
態で維持させた。
の実施例1の場合と同様に、上記のように作製した各ア
ルカリ蓄電池をSUS製のホルダーに保持させ、それぞ
れアルカリ蓄電池内に収容された電極体を密着させる方
向に10kgf/cm2 の圧力で電池缶を加圧させた状
態で維持させた。
【0062】そして、上記のように電池缶を加圧させた
状態で維持させた実施例C1〜C6の各アルカリ蓄電池
についても、上記の実施例1の場合と同様にして、5サ
イクル目と100サイクル目とにおける放電容量を測定
し、上記の実施例1のアルカリ蓄電池における5サイク
ル目の放電容量を100とし、それぞれ5サイクル目に
おける放電容量の相対指数C5 及び100サイクル目に
おける放電容量の相対指数C100 を求め、その結果を下
記の表4に示した。
状態で維持させた実施例C1〜C6の各アルカリ蓄電池
についても、上記の実施例1の場合と同様にして、5サ
イクル目と100サイクル目とにおける放電容量を測定
し、上記の実施例1のアルカリ蓄電池における5サイク
ル目の放電容量を100とし、それぞれ5サイクル目に
おける放電容量の相対指数C5 及び100サイクル目に
おける放電容量の相対指数C100 を求め、その結果を下
記の表4に示した。
【0063】
【表4】
【0064】この結果から明らかなように、正極活物質
におけるナトリウム含有コバルト酸化物からなる導電層
の割合が3〜10重量%の範囲になったものを用いた実
施例1,C3,C4のものにおいては、5サイクル目及
び100サイクル目における放電容量が大きくなってい
た。
におけるナトリウム含有コバルト酸化物からなる導電層
の割合が3〜10重量%の範囲になったものを用いた実
施例1,C3,C4のものにおいては、5サイクル目及
び100サイクル目における放電容量が大きくなってい
た。
【0065】(実施例D1〜D12)実施例D1〜D1
2おいては、上記の実施例1において使用したアルカリ
電解液中における水酸化カリウムと水酸化リチウムと水
酸化ナトリウムの濃度を変更させて、放電容量との関係
を検討した。
2おいては、上記の実施例1において使用したアルカリ
電解液中における水酸化カリウムと水酸化リチウムと水
酸化ナトリウムの濃度を変更させて、放電容量との関係
を検討した。
【0066】ここで、実施例D1〜D12においては、
1リットルの水に水酸化カリウムと水酸化ナトリウムと
水酸化リチウムを溶解させるにあたり、これらの量を上
記の実施例1の場合と変更し、実施例D1では水酸化カ
リウムを224.4g,水酸化ナトリウムを40.0
g,水酸化リチウムを2.1gに、実施例D2では水酸
化カリウムを224.4g,水酸化ナトリウムを40.
0g,水酸化リチウムを8.38gに、実施例D3では
水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナトリウムを4
0.0g,水酸化リチウムを41.9gに、実施例D4
では水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナトリウム
を40.0g,水酸化リチウムを50.3gに、実施例
D5では水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナトリ
ウムを2.0g,水酸化リチウムを21.0gに、実施
例D6では水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナト
リウムを8.0g,水酸化リチウムを21.0gに、実
施例D7では水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナ
トリウムを40.0g,水酸化リチウムを21.0g
に、実施例D8では水酸化カリウムを224.4g,水
酸化ナトリウムを88.8g,水酸化リチウムを21.
0gに、実施例D9では水酸化カリウムを168.3
g,水酸化ナトリウムを40.0g,水酸化リチウムを
21.0gに、実施例D10では水酸化カリウムを28
0.5g,水酸化ナトリウムを40.0g,水酸化リチ
ウムを21.0gに、実施例D11では水酸化カリウム
を561.0g,水酸化ナトリウムを40.0g,水酸
化リチウムを21.0gに、実施例D12では水酸化カ
リウムを673.2g,水酸化ナトリウムを40.0
g,水酸化リチウムを21.0gにした。
1リットルの水に水酸化カリウムと水酸化ナトリウムと
水酸化リチウムを溶解させるにあたり、これらの量を上
記の実施例1の場合と変更し、実施例D1では水酸化カ
リウムを224.4g,水酸化ナトリウムを40.0
g,水酸化リチウムを2.1gに、実施例D2では水酸
化カリウムを224.4g,水酸化ナトリウムを40.
0g,水酸化リチウムを8.38gに、実施例D3では
水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナトリウムを4
0.0g,水酸化リチウムを41.9gに、実施例D4
では水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナトリウム
を40.0g,水酸化リチウムを50.3gに、実施例
D5では水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナトリ
ウムを2.0g,水酸化リチウムを21.0gに、実施
例D6では水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナト
リウムを8.0g,水酸化リチウムを21.0gに、実
施例D7では水酸化カリウムを224.4g,水酸化ナ
トリウムを40.0g,水酸化リチウムを21.0g
に、実施例D8では水酸化カリウムを224.4g,水
酸化ナトリウムを88.8g,水酸化リチウムを21.
0gに、実施例D9では水酸化カリウムを168.3
g,水酸化ナトリウムを40.0g,水酸化リチウムを
21.0gに、実施例D10では水酸化カリウムを28
0.5g,水酸化ナトリウムを40.0g,水酸化リチ
ウムを21.0gに、実施例D11では水酸化カリウム
を561.0g,水酸化ナトリウムを40.0g,水酸
化リチウムを21.0gに、実施例D12では水酸化カ
リウムを673.2g,水酸化ナトリウムを40.0
g,水酸化リチウムを21.0gにした。
【0067】そして、この実施例D1〜D12において
用いたアルカリ電解液中における水酸化カリウムKO
H、水酸化ナトリウムNaOH、水酸化リチウムLiO
Hの各濃度(mol/l)を下記の表5に示した。
用いたアルカリ電解液中における水酸化カリウムKO
H、水酸化ナトリウムNaOH、水酸化リチウムLiO
Hの各濃度(mol/l)を下記の表5に示した。
【0068】そして、上記のように調製した各アルカリ
電解液を用いる以外は、上記の実施例1の場合と同様に
して、角型になった各アルカリ蓄電池を作製した。
電解液を用いる以外は、上記の実施例1の場合と同様に
して、角型になった各アルカリ蓄電池を作製した。
【0069】また、実施例D1〜D12においても、上
記の実施例1の場合と同様に、上記のように作製した各
アルカリ蓄電池をSUS製のホルダーに保持させ、それ
ぞれアルカリ蓄電池内に収容された電極体を密着させる
方向に10kgf/cm2 の圧力で電池缶を加圧させた
状態で維持させた。
記の実施例1の場合と同様に、上記のように作製した各
アルカリ蓄電池をSUS製のホルダーに保持させ、それ
ぞれアルカリ蓄電池内に収容された電極体を密着させる
方向に10kgf/cm2 の圧力で電池缶を加圧させた
状態で維持させた。
【0070】そして、上記のように電池缶を加圧させた
状態で維持させた実施例D1〜D12の各アルカリ蓄電
池についても、上記の実施例1の場合と同様にして、5
サイクル目と100サイクル目とにおける放電容量を測
定し、上記の実施例1のアルカリ蓄電池における5サイ
クル目の放電容量を100とし、それぞれ5サイクル目
における放電容量の相対指数C5 及び100サイクル目
における放電容量の相対指数C100 を求め、その結果を
下記の表5に示した。
状態で維持させた実施例D1〜D12の各アルカリ蓄電
池についても、上記の実施例1の場合と同様にして、5
サイクル目と100サイクル目とにおける放電容量を測
定し、上記の実施例1のアルカリ蓄電池における5サイ
クル目の放電容量を100とし、それぞれ5サイクル目
における放電容量の相対指数C5 及び100サイクル目
における放電容量の相対指数C100 を求め、その結果を
下記の表5に示した。
【0071】
【表5】
【0072】この結果から明らかなように、水酸化カリ
ウムを4.0〜10.0mol/l、水酸化ナトリウム
を0.2〜2.0mol/l、水酸化リチウムを0.2
〜1.0mol/lの割合で含むアルカリ電解液を使用
した実施例1,D2,D3,D6,D7,D10,D1
1のものにおいては、5サイクル目及び100サイクル
目における放電容量が大きくなっていた。
ウムを4.0〜10.0mol/l、水酸化ナトリウム
を0.2〜2.0mol/l、水酸化リチウムを0.2
〜1.0mol/lの割合で含むアルカリ電解液を使用
した実施例1,D2,D3,D6,D7,D10,D1
1のものにおいては、5サイクル目及び100サイクル
目における放電容量が大きくなっていた。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明において
は、少なくとも正極と負極との間にセパレータが介在さ
れた電極体と、アルカリ電解液とが電池缶内に収容され
たアルカリ蓄電池において、電池缶内の容積が増加する
のを抑制する手段を設け、このアルカリ蓄電池における
電池缶内の容積が増加するのを抑制しながら充放電を行
うようにしたため、水酸化ニッケル換算での容量が28
9mAh/g以上になった正極活物質が用いた場合にお
いて、充電時にγ−NiOOHが生成されても、正極内
に生じる隙間にアルカリ電解液が取り込まれてアルカリ
電解液がドライアウトするのが防止されるようになっ
た。
は、少なくとも正極と負極との間にセパレータが介在さ
れた電極体と、アルカリ電解液とが電池缶内に収容され
たアルカリ蓄電池において、電池缶内の容積が増加する
のを抑制する手段を設け、このアルカリ蓄電池における
電池缶内の容積が増加するのを抑制しながら充放電を行
うようにしたため、水酸化ニッケル換算での容量が28
9mAh/g以上になった正極活物質が用いた場合にお
いて、充電時にγ−NiOOHが生成されても、正極内
に生じる隙間にアルカリ電解液が取り込まれてアルカリ
電解液がドライアウトするのが防止されるようになっ
た。
【0074】この結果、この発明におけるアルカリ蓄電
池において、アルカリ電解液がドライアウトして放電容
量が低下するのが防止されて、安定して高い放電容量が
得られるようになった。
池において、アルカリ電解液がドライアウトして放電容
量が低下するのが防止されて、安定して高い放電容量が
得られるようになった。
【図1】この発明の実施例及び比較例において作製した
アルカリ蓄電池の内部構造を示した概略断面図である。
アルカリ蓄電池の内部構造を示した概略断面図である。
【図2】この発明の実施例において、アルカリ蓄電池を
ホルダーに保持させ、電池缶内に収容された電極体を密
着させる方向に加圧して、電池缶内の容積が増加するの
を抑制する状態を示した概略説明図である。
ホルダーに保持させ、電池缶内に収容された電極体を密
着させる方向に加圧して、電池缶内の容積が増加するの
を抑制する状態を示した概略説明図である。
10 電極体 11 正極 12 負極 13 セパレータ 20 電池缶 30 アルカリ蓄電池 40 ホルダー 41 ネジ 42 加圧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 睦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 藤谷 伸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA01 AA03 CC06 DD15 KK04 5H028 AA06 AA07 EE05 HH01 HH10 5H030 AA01 BB01 BB21 5H050 AA08 BA11 CA04 CB14 DA10 DA11 DA19 EA02 EA23 HA01 HA10 HA19
Claims (11)
- 【請求項1】 少なくとも正極と負極との間にセパレー
タが介在された電極体と、アルカリ電解液とが電池缶内
に収容されたアルカリ蓄電池において、上記の電池缶内
の容積が増加するのを抑制する手段を設けたことを特徴
とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項2】 請求項1に記載したアルカリ蓄電池にお
いて、電池缶内の容積が増加するのを抑制する手段が、
正極と負極との間にセパレータが介在された電極体を密
着させる方向に電池缶を外部から加圧する加圧手段であ
ることを特徴とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載したアルカリ蓄電
池において、上記の正極に水酸化ニッケルを主体とする
正極活物質を用い、この正極活物質の容量が水酸化ニッ
ケル換算で289mAh/g以上であることを特徴とす
るアルカリ蓄電池。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載したア
ルカリ蓄電池において、上記の正極における正極活物質
として、水酸化ニッケルにコバルトが固溶されると共
に、表面にナトリウム含有コバルト化合物からなる導電
層が形成され、上記の水酸化ニッケルにおけるニッケル
と固溶されたコバルトとの総量に対する固溶されたコバ
ルトの割合が0.5〜7重量%の範囲になったものを用
いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項5】 請求項1〜3の何れか1項に記載したア
ルカリ蓄電池において、上記の正極における正極活物質
として、水酸化ニッケルにコバルトが固溶されると共
に、表面にナトリウム含有コバルト化合物からなる導電
層が形成され、上記の水酸化ニッケルにおけるニッケル
と固溶されたコバルトとの総量に対する固溶されたコバ
ルトの割合が0.5〜2重量%の範囲になったものを用
いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項6】 請求項4又は5に記載したアルカリ蓄電
池において、上記の正極活物質中におけるナトリウム含
有コバルト化合物からなる導電層の割合が3〜10重量
%の範囲であることを特徴とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載したア
ルカリ蓄電池において、上記の電極体とアルカリ電解液
との他に、上記の電池缶内に水酸化リチウムを加えたこ
とを特徴とするアルカリ蓄電池。 - 【請求項8】 請求項7に記載したアルカリ蓄電池にお
いて、正極活物質における水酸化ニッケルに対してリチ
ウムの割合が0.5〜3重量%の範囲になるようにして
水酸化リチウムを加えたことを特徴とするアルカリ蓄電
池。 - 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項に記載したア
ルカリ蓄電池において、カリウムとリチウムとナトリウ
ムとを含むアルカリ電解液を用いたことを特徴とするア
ルカリ蓄電池。 - 【請求項10】 請求項9に記載したアルカリ蓄電池に
おいて、上記のアルカリ電解液が、水酸化カリウムを
4.0〜10.0mol/l、水酸化ナトリウムを0.
2〜2.0mol/l、水酸化リチウムを0.2〜1.
0mol/lの割合で含むことを特徴とするアルカリ蓄
電池。 - 【請求項11】 少なくとも正極と負極との間にセパレ
ータが介在された電極体と、アルカリ電解液とが電池缶
内に収容されたアルカリ蓄電池を使用するにあたり、こ
のアルカリ蓄電池における電池缶内の容積が増加するの
を抑制しながら充放電を行うことを特徴とするアルカリ
蓄電池の使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001144089A JP2002343418A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001144089A JP2002343418A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の使用方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002343418A true JP2002343418A (ja) | 2002-11-29 |
Family
ID=18990098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001144089A Pending JP2002343418A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002343418A (ja) |
-
2001
- 2001-05-15 JP JP2001144089A patent/JP2002343418A/ja active Pending
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