JP2002342999A - ピンチローラ - Google Patents

ピンチローラ

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JP2002342999A
JP2002342999A JP2001150322A JP2001150322A JP2002342999A JP 2002342999 A JP2002342999 A JP 2002342999A JP 2001150322 A JP2001150322 A JP 2001150322A JP 2001150322 A JP2001150322 A JP 2001150322A JP 2002342999 A JP2002342999 A JP 2002342999A
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Japan
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resin
peripheral surface
roller
pinch roller
sleeve
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JP2001150322A
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English (en)
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Toshihiko Sekine
敏彦 関根
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Oiles Industry Co Ltd
Original Assignee
Oiles Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂製の滑り軸受の構成を改良すること
により、低摩擦でのテープ走行を可能とし、テープスピ
ードの安定性を図ると共に部品点数を削減することがで
き、結果としてコストダウンを図ることができるピンチ
ローラを提供すること。 【解決手段】 ピンチローラPは、ローラ軸10と、該
ローラ軸10に該ローラ軸回りに回転自在となるように
嵌挿されたローラ本体20とからなり、ローラ軸10
は、一端側に小径軸部10aを、他端側に小径軸部10
aと環状段部10bを介して拡径する大径軸部10cを
それぞれ有していると共に環状段部10bを含む小径軸
部10aの外周面には合成樹脂の被膜11を有してお
り、ローラ本体20は、円筒状の繊維補強合成樹脂製の
スリーブ21と該スリーブ21の内周面21aに形成さ
れた係合部21bを介して該内周面21aに一体的に形
成された自己潤滑性及び耐摩耗性を有する合成樹脂製の
円筒状の滑り軸受部22と該スリーブ21の外周面21
cに固着された円筒状の弾性体23とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープレコーダや
VTR等において回転駆動されるキャプスタン支軸との
間に磁気テープを挟持した状態で磁気テープを移送する
ピンチローラに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テープレコーダやVTR等の磁気
記録再生装置においては、テープスピードの安定性、ピ
ンチローラの高精度化と共に安価なピンチローラ装置を
提供する上で、ピンチローラのコストダウンは避けて通
れない状況下にある。ピンチローラのコストダウンを図
る上で、従来から種々の部品形状、全体構造等が検討さ
れているが、中でも、ピンチローラに用いられる軸受が
着目されている。
【0003】ピンチローラPは、一般的には図9に示す
ように、一端側に小径軸部1aを有し他端側に環状段部
1bを介して拡径する大径軸部1cを有するローラ軸1
と、該ローラ軸1の小径軸部1aに嵌挿され、一方の端
面を該環状段部1bに配された合成樹脂製ワッシャWと
摺動自在に接触させて配された円筒状軸受2及び該円筒
状軸受2に外嵌される金属製のスリーブ3を夫々有する
と共に、該スリーブ3の外周面に固着される円筒状のゴ
ム弾性体4を有するローラ本体5とからなる。そして、
円筒状軸受2は、金属製のスリーブ3の上、下内面に嵌
合された筒状のストッパ6により、またローラ本体5
は、ローラ軸1の小径軸部1aに嵌合された筒状のスト
ッパ7により、それぞれローラ軸軸線方向の移動に関し
て拘束されている。なお、図9中、符号Eはキャプスタ
ン支軸である。
【0004】上記ピンチローラPの回転部位に使用され
る軸受としてのボールベアリングは、小型化が可能であ
って、低摩擦でテープ走行を可能とし、テープスピード
の安定性を図ることができるという利点を有する反面、
上記利点を達成するためには、高精度のボールベアリン
グが要求されるため高価となり、自ずからピンチローラ
自体の製造コストが高価となるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したボールベアリ
ングの欠点を解決するべく、本願出願人は先に、特願平
5−208023号(特許第3037036号)におい
て、ピンチローラの軸受を合成樹脂製の滑り軸受とし、
該滑り軸受の内周面の両端部にそれぞれ軸方向の長さ
N、径方向の長さMで、N>Mなる条件を満足する面取
りを形成することにより、ボールベアリングと同等の調
芯性能を得ることができ、結果としてピンチローラのコ
ストダウンを図ることを成し得るものを提案している
が、斯かるピンチローラでも更なるコストダウンの要求
に対しては十分に応答し得るものでない。
【0006】本発明は、前記諸点に鑑みなされたもので
あって、その目的とするところは、上記合成樹脂製の滑
り軸受の構成を改良することにより、低摩擦でのテープ
走行を可能とし、テープスピードの安定性を図ると共に
部品点数を削減することができ、結果としてコストダウ
ンを図ることができるピンチローラを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様のピ
ンチローラは、ローラ軸と、該ローラ軸に該ローラ軸回
りに回転自在に嵌挿されたローラ本体とからなるピンチ
ローラであって、ローラ軸は、一端側に小径軸部を、他
端側に該小径軸部と環状段部を介して拡径する大径軸部
をそれぞれ有していると共に環状段部を含む小径軸部の
外周面に合成樹脂の被膜を有しており、ローラ本体は、
円筒状の繊維補強合成樹脂製のスリーブと該スリーブの
内周面に形成された係合部を介して該内周面に一体的に
形成された自己潤滑性及び耐摩耗性を有する合成樹脂製
の円筒状の滑り軸受部と該スリーブの外周面に固着され
た円筒状の弾性体とからなり、該ローラ本体は、滑り軸
受部の内周面及び一方の端面を該ローラ軸の小径軸部及
び環状段部の被膜と摺接させて該ローラ軸の小径軸部に
嵌挿されており、該ローラ本体は、該滑り軸受部の他方
の端面に近接して小径軸部に固定されたストッパにより
該ローラ軸の軸方向への移動に関して拘束されているこ
とを特徴とする。
【0008】第一の態様のピンチローラによれば、円筒
状のスリーブを繊維補強合成樹脂製とすると共に該スリ
ーブの内周面に形成された係合部を介して自己潤滑性及
び耐摩耗性を有する合成樹脂製の円筒状の滑り軸受部が
該内周面に一体的に形成されているので、部品点数の削
減をなし得、また、スリーブと滑り軸受部とが一体的に
形成されているので、従来技術における滑り軸受のロー
ラ軸の軸方向への移動に関して拘束するストッパを必要
とせず、結果としてピンチローラ自体の更なるコストダ
ウンを図ることができる。また、キャプスタン支軸との
間に磁気テープを挟持した状態で磁気テープを移送する
際、ローラ本体は滑り軸受部を介してローラ軸の軸周り
に回転するが、該滑り軸受部は小径軸受部に形成された
合成樹脂の被膜との合成樹脂同士の摺接となるため、摩
擦係数を低くでき、而して、低摩擦でのテープ走行を可
能とし、テープスピードの安定性を図ることができる。
【0009】さらに、該滑り軸受部の一方の端面は、ロ
ーラ軸の環状段部と摺接することになるが、該環状段部
にも合成樹脂の被膜が形成されているため、両滑り面間
では合成樹脂同士の摺接となるため、当該滑り部位での
摩擦係数を低くでき、結果として、従来使用されている
合成樹脂製のスラストワッシャを省くことができ、部品
点数の削減、ひいてはピンチローラ自体のコストダウン
を図ることができる。
【0010】上記の係合部は、本発明の第二の態様のピ
ンチローラでは、円筒状のスリーブの内周面にその円周
方向に沿って形成された複数個の凸部であり、本発明の
第三の態様のピンチローラでは、円筒状のスリーブの内
周面にその円周方向に沿って形成された複数個の凹部で
ある。
【0011】第二及び第三の態様のピンチローラによれ
ば、円筒状の滑り軸受部が該係合部に係合して該円筒状
のスリーブの内周面に該スリーブの軸方向に沿いかつ径
方向内方向に突出して一体的に形成されるので、該滑り
軸受部は該スリーブの軸方向及び円周方向への移動に関
して拘束される。
【0012】本発明の第四の態様のピンチローラでは、
第一から第三のいずれかの態様のピンチローラにおい
て、円筒状のスリーブは、ガラス繊維、炭素繊維、アラ
ミド繊維などの補強繊維を20〜35重量%の割合で含
有するポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性
ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂及
びポリエーテルスルフォン樹脂のうちの少なくとも一つ
から選択される繊維補強合成樹脂からなる。
【0013】第四の態様のような、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維などの補強繊維を20〜35重量%の
割合で含有するポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、
熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイ
ド樹脂及びポリエーテルスルフォン樹脂のうちの少なく
とも一つから選択される繊維補強合成樹脂からなる円筒
状のスリーブでは、その強度が高められており、射出成
形により形成される該スリーブの内、外周面の円筒度等
の寸法精度は精度よく形成され、その内周面に係合部を
介して滑り軸受部を強固に一体的に保持することができ
る。
【0014】本発明の第五の態様のピンチローラでは、
上記の第一から第四のいずれかの態様のピンチローラに
おいて、円筒状の滑り軸受部は、ポリアミド樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂及びポリ
エーテルケトン樹脂のうちの少なくとも一つから選択さ
れる自己潤滑性及び耐摩耗性を有する合成樹脂からな
り、また本発明の第六の態様のピンチローラでは、第一
から第五のいずれかの態様のピンチローラにおいて、被
膜は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アク
リル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂及びポリアセタール樹脂のうちの少なくとも
一つから選択される合成樹脂の被膜であり、さらに、本
発明の第七の態様のピンチローラでは、第一の態様から
第六のいずれかの態様のピンチローラにおいて、被膜
は、静電塗装、電着塗装、焼付け塗装により環状段部を
含むローラ軸の小径軸部の外周面に形成されている。
【0015】第五及び第六の態様のピンチローラによれ
ば、円筒状のスリーブの内周面に係合部を介して該スリ
ーブの軸方向に沿いかつ径方向内方向に突出して一体的
に形成された円筒状の滑り軸受部を形成する合成樹脂
は、自己潤滑性及び耐摩耗性に優れているので、斯かる
合成樹脂からなる滑り軸受部は、特に潤滑油剤を用いな
いでも、そのまま軸受としての本来的な機能を長期に亘
って安定的に果すことができるばかりでなく、該円筒状
の軸受部は、環状段部を含む小径軸部に形成された合成
樹脂の被膜との合成樹脂同士の摺接となるため、摩擦係
数を一層低くでき、而して、低摩擦でのテープ走行を可
能とし、テープスピードの安定性を図ることができる。
【0016】被膜に使用される合成樹脂は滑り軸受部を
形成する合成樹脂との兼ね合いで適宜決定され、そし
て、第七の態様のピンチローラによれば、被膜は静電塗
装、電着塗装あるいは焼付け塗装等の手段により、環状
段部を含むローラ軸の小径軸部の外周面に、概ね10μ
m〜30μm程度の薄膜に形成される。
【0017】本発明の第八の態様のピンチローラでは、
上記の第一から第七のいずれかの態様のピンチローラに
おいて、小径軸部における被膜の外周面と滑り軸受部の
内周面との間には所定の隙間が設けられており、滑り軸
受部の内周面の両端部には、それぞれ軸方向の長さN、
径方向の長さMで、N>Mなる条件を満足する面取りが
形成されている。
【0018】第八の態様のピンチローラによれば、キャ
プスタン軸に対してローラ軸が相対的に傾いた場合で
も、ローラ軸と滑り軸受部の内周面とが局部的に摺接す
ることが回避されると共に、ピンチローラに自動調芯機
能を付加することができる。
【0019】本発明の第九の態様のピンチローラでは、
上記の第一から第八の態様のピンチローラにおいて、円
筒状の弾性体は、合成ゴム又は熱可塑性エラストマーか
らなる。
【0020】合成ゴム又は熱可塑性エラストマーからな
る円筒状の弾性体としては、ショア硬度Dが50〜60
程度のものが、キャプスタン支軸との間にテープを挟持
して該テープの走行を確実に行うことができるので好ま
しい。
【0021】本発明の第十の態様のピンチローラでは、
上記の第九の態様のピンチローラにおいて、熱可塑性エ
ラストマーは、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、P
VC系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド
系、ふっ素ポリマー系、ホモポリマー系、アイオノマー
系及びポリマーアロイ系のエラストマーのうちの少なく
とも一つから選択される。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明及びその実施の形態
を、図に示す好ましい例を参照して説明する。なお、本
発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0023】図1ないし図3において、ピンチローラP
は、ローラ軸10と、該ローラ軸に該ローラ軸回りに回
転自在となるように嵌挿されるローラ本体20とからな
る。なお、図1中の符号Eはキャプスタン支軸を示す。
【0024】ローラ軸10は、一端側に小径軸部10a
を、他端側に小径軸部10aと環状段部10bを介して
拡径する大径軸部10cをそれぞれ有している。
【0025】ローラ軸1の環状段部10bを含む小径軸
部10aの外周面には、合成樹脂を静電塗装、電着塗
装、焼付け塗装等の手段により形成した合成樹脂の被膜
11を具備している。被膜11の被膜厚さは、10〜3
0μm程度の薄膜とされる。
【0026】被膜11を形成する合成樹脂としては、滑
り軸受部を形成する後述の合成樹脂との兼ね合いで決定
され、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、
エポキシ樹脂(EP)、ポリアミド樹脂(PA)、メラ
ミン樹脂(MF)、ユリア樹脂(UF)、アクリル樹脂
(PMMA)、ABS樹脂(ABS)、ポリエチレン樹
脂(PE)、ポリカーボネート樹脂(PC)及びポリア
セタール樹脂(POM)のうちの少なくとも一つから選
択される。
【0027】ローラ本体20は、円筒状の繊維補強合成
樹脂製のスリーブ21と、該スリーブ21の内周面21
aに、該スリーブ21の円周方向に沿って形成された複
数個の係合部21bと、該係合部21bに係合して該ス
リーブ21の軸方向に沿いかつ径方向内方向に突出して
一体的に形成された円筒状の滑り軸受部22と、該スリ
ーブ21の外周面21cに固着された円筒状の弾性体2
3とからなる。
【0028】円筒状のスリーブ21を形成する繊維補強
合成樹脂は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維など
の補強繊維を20〜35重量%の割合で含有するポリア
セタール樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル
樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂及びポリエーテ
ルスルフォン樹脂のうちの少なくとも一つから選択され
る。
【0029】該スリーブ21の内周面21aに形成され
た係合部21bは、図2及び図3に示すように、該スリ
ーブ21の内周面21aにその円周方向に沿って一体的
に形成された複数個(図2及び図3では3個)の凸部か
らなる。この係合部21bは、図4及び図5に示すよう
に、該スリーブ21の内周面21aにその円周方向に沿
って形成された複数個(図4及び図5では3個)の凹部
であってもよい。
【0030】繊維補強合成樹脂からなる円筒状のスリー
ブ21の内周面21aに、該内周面21aに形成された
凸部又は凹部からなる係合部21bに係合して該スリー
ブ21の軸方向に沿いかつ径方向内方向に突出して一体
的に形成された円筒状の滑り軸受部22を形成する合成
樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエ
ーテルスルフォン樹脂及びポリエーテルケトン樹脂のう
ちの少なくとも一つから選択される。これらの合成樹脂
は、自己潤滑性及び耐摩耗性に優れているので、滑り軸
受部22は自己潤滑性及び耐摩耗性に優れた滑り軸受と
しての機能を果たす。
【0031】円筒状のスリーブ21と滑り軸受部22と
は、該スリーブ21の内周面21aにその円周方向に沿
って形成された複数個の凸部又は凹部からなる係合部2
1bを具備した繊維補強合成樹脂製の円筒状のスリーブ
21を予め形成し、該スリーブ21を成形機の金型にセ
ットして該スリーブ21の内周面21aに自己潤滑性及
び耐摩耗性を有する合成樹脂を成形し、該係合部21b
に係合させて滑り軸受部22を成形する、所謂インサー
ト成形により形成される。このように、滑り軸受部22
が該スリーブ21の内周面の係合部21bに係合して該
スリーブ21の内周面21aに一体的に形成されること
により、該滑り軸受部22は該スリーブ21の軸方向及
び円周方向への移動に関して拘束される。なお、滑り軸
受部22の内周面24の両端部には、それぞれC面取り
25が形成されている。
【0032】合成樹脂製のスリーブ21の外周面21c
に固着される円筒状の弾性体23は、好ましくは合成ゴ
ム又は熱可塑性エラストマーから、より好ましくはポリ
スチレン系、ポリオレフィン系、PVC系、ポリエステ
ル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ふっ素ポリマー
系、ホモポリマー系、アイオノマー系及びポリマーアロ
イ系のエラストマーのうちの少なくとも一つから選択さ
れる熱可塑性エラストマーからなる。
【0033】円筒状の弾性体23は、合成ゴム又は熱可
塑性エラストマーから予め弾性体23を形成し、この弾
性体23を合成樹脂製のスリーブ21の外周面21cに
接着剤により接着して、スリーブ21の外周面21cに
固着されるか、あるいは合成樹脂製のスリーブ21を成
形機の金型にセットし、この金型に合成ゴム又は熱可塑
性エラストマーを射出して弾性体23を成形して、スリ
ーブ21の外周面21cに固着される。
【0034】円筒状の弾性体23を接着剤により合成樹
脂製のスリーブ21の外周面21cに固着して一体化す
る方法においては、該スリーブ21の外周面21cに機
械的又は化学的処理を施し、該外周面21cを均等に粗
くした無方向性のなし地面とすることにより、該円筒状
の弾性体23と合成樹脂製のスリーブ21との強固な一
体化を図ることができる。
【0035】また、円筒状の弾性体23を合成樹脂製の
スリーブ21の外周面21cに射出成形して固着、一体
化する方法においては、図6及び図7に示すように、合
成樹脂製のスリーブ21の外周面21cの両端部にそれ
ぞれ円筒面部21dを残して突出する複数個(図6及び
図7では3個)の突条部21eを具備した合成樹脂製の
スリーブ21を予め形成し、該スリーブ21を成形機の
金型にセットして該スリーブ21の円筒面部21cを含
む外周面21b及び突条部21dの外面に合成ゴム又は
熱可塑性エラストマーからなる円筒状の弾性体23を射
出成形することによりにより円筒状の弾性体23と合成
樹脂製のスリーブ21とのより強固な一体化を図ること
ができる。
【0036】この合成樹脂製のスリーブ21の外周面2
1cに形成された複数個の突条部21eは、円筒状の弾
性体23と合成樹脂製のスリーブ21との接合界面にお
いて、該円筒状の弾性体23の該スリーブ21の外周面
21cに対する円周方向及び軸方向の移動を阻止する拘
束手段としての役割を果たすものである。なお、円筒状
の弾性体23を該スリーブ21の外周面21cに射出成
形により固着、一体化するにあたり、合成樹脂製のスリ
ーブ21の外周面21cに複数個の突条部21eを形成
すると共に該突条部21eを含む合成樹脂製のスリーブ
21の外周面21cを前述したなし地面とすることによ
り、円筒状の弾性体23と合成樹脂製のスリーブ21と
の一層強固な一体化を図ることができる。
【0037】上述したローラ本体20は、繊維補強合成
樹脂製のスリーブ21の内周面21aに形成された凸部
又は凹部からなる係合部21bを介して該スリーブ21
の軸方向に沿いかつ径方向内方向に突出して一体的に形
成された円筒状の滑り軸受部22の内周面24及び一方
の端面を、該ローラ軸10の小径軸部10a及び環状段
部10bに形成された被膜11と摺接させて該ローラ軸
10の小径軸部10aに回転自在に嵌挿されており、該
ローラ本体20とローラ軸10とでピンチローラPが形
成される。そして、該ローラ本体20は、該滑り軸受部
10の他方の端面に近接して該ローラ軸10の小径軸部
10aに固定されたストッパSにより該ローラ軸10の
軸方向への移動に関して拘束されている。
【0038】このように構成されたピンチローラPにお
いて、キャプスタン支軸Eとの間に磁気テープを挟持し
た状態で該磁気テープを移送する際、ローラ本体20は
繊維補強合成樹脂製のスリーブ21の内周面21aに該
内周面21aに形成された凸部又は凹部からなる係合部
21bを介して一体的に形成された円筒状の滑り軸受部
22の内周面24においてローラ軸10の軸周りに回転
するが、該滑り軸受部22はその内周面24においてロ
ーラ軸10の小径軸部10aの外周面に形成された合成
樹脂の被膜11との合成樹脂同士の摺接となるため、摩
擦係数を低くでき、而して、低摩擦でのテープ走行を可
能とし、テープスピードの安定性を図ることができる。
また、滑り軸受部22の一方の端面は、ローラ軸10の
環状段部10bと摺接することになるが、環状段部10
bにも合成樹脂の被膜11が形成されているため、両滑
り面間では合成樹脂同士の摺接となり、滑り部位での摩
擦係数を低くでき、結果として、従来使用されている合
成樹脂製のスラストワッシャを省くことができ、部品点
数の削減、ひいてはピンチローラ自体のコストダウンを
図ることができる。
【0039】上述した滑り軸受部22を形成する合成樹
脂とスチール製のローラ軸10の環状段部10bを含む
小径軸部10aの外周面に形成される被膜11を形成す
る合成樹脂との組合わせについて例示すると表1のとお
りである。
【0040】
【表1】
【0041】表1中、滑り軸受部のPOMはポリアセタ
ールコポリマーを、PAはナイロン6を、PEは高分子
量ポリエチレンをそれぞれ使用して滑り軸受部を形成し
た。また、被膜のEPはエポキシ樹脂を電着塗装(カチ
オン塗装)により、PTFEはポリテトラフルオロエチ
レン樹脂を焼付け塗装により、それぞれローラ軸10の
環状段部10bを含む小径軸部10aの外周面に20μ
mの被膜厚さに形成したものである。
【0042】表1中の摩擦係数(1)は、キャプスタン
支軸E側に対しローラ軸10に荷重250gfを負荷
し、再生モードを想定した回転数180rpmにてロー
ラ本体20を回転させたときの摩擦係数を示し、また摩
擦係数(2)は、キャプスタン支軸E側に対しローラ軸
10に荷重250gfを負荷し、倍速モードを想定した
回転数1500rpmにてローラ本体20を回転させた
ときの摩擦係数を示すもので、摩擦係数の値はそれぞれ
試験回数10回の平均値を示す。なお、摩擦係数(1)
及び(2)の試験においては、ローラ軸10と滑り軸受
部22との摺動面に潤滑油剤の供給を行わない、所謂乾
燥摩擦条件で行った。
【0043】上記の試験結果から、合成樹脂製の滑り軸
受部22とローラ軸10の環状段部10bを含む小径軸
部10aの外周面の合成樹脂の被膜11との合成樹脂同
士の摺動においては、再生モード及び倍速モードを想定
した回転数においても摩擦係数が0.024〜0.02
9と低い値を示した。このように両者間の摺動において
低い摩擦係数を示したことにより、キャプスタン支軸E
との間に磁気テープを挟持した状態で該磁気テープを移
送する際、低摩擦でのテープ走行を可能とし、テープス
ピードの安定性を図ることができる。
【0044】また、合成樹脂製の滑り軸受部22は繊維
補強合成樹脂製の円筒状のスリーブ21の内周面21a
に該内周面21aに形成された凸部又は凹部からなる係
合部21bを介して該スリーブ21の軸方向に沿いかつ
径方向内方向に突出して一体的に形成されているので、
従来技術における滑り軸受のローラ軸の軸線方向への移
動を阻止する筒状のストッパの使用を省くことができ、
部品点数の削減と共に該スリーブ21と滑り軸受部22
とが一体化されているので、ピンチローラPの組立に際
しては、その取り扱いが極めて容易となる。
【0045】図8は、上記態様のピンチローラPにおけ
る滑り軸受部22の他の態様を示すものである。すなわ
ち、滑り軸受部22の内周面24の両端部に、それぞれ
軸方向の長さN、径方向の長さMで、N>Mなる条件を
満足する面取り26が形成されている。このように滑り
軸受部22の内周面24の両端部に、それぞれ面取り2
6を形成することにより、ローラ軸10との摺動におい
て、該ローラ軸10が傾いた場合でも、ローラ軸10と
滑り軸受部22の内周面24とが局部的に摺接すること
が回避され、ピンチローラPに自動調芯機能を付加する
ことができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、滑り軸受部が繊維補強
合成樹脂製のスリーブの内周面に該内周面に形成された
係合部を介して該スリーブ21の軸方向に沿いかつ径方
向内方向に突出して一体的に形成されており、該滑り軸
受部はその内周面においてローラ軸の小径軸部の外周面
に形成された合成樹脂の被膜との合成樹脂同士の摺接と
なるため、摩擦係数を低くでき、而して、低摩擦でのテ
ープ走行を可能とし、テープスピードの安定性を図るこ
とができる。また、滑り軸受部の一方の端面は、ローラ
軸の環状段部と摺接することになるが、環状段部にも合
成樹脂の被膜が形成されているため、両滑り面間では合
成樹脂同士の摺接となり、滑り部位での摩擦係数を低く
でき、結果として、従来使用されている合成樹脂製のス
ラストワッシャを省くことができ、部品点数の削減、ひ
いてはピンチローラ自体のコストダウンを図ることがで
きる。さらに、滑り軸受部は繊維補強合成樹脂製のスリ
ーブの内周面に該内周面に形成された係合部を介して該
スリーブと一体に形成されているので、従来技術におけ
る滑り軸受のローラ軸軸線方向への移動を阻止する筒状
のストッパの使用を省くことができ、部品点数の削減と
共に該スリーブと軸受部が一体化されているので、ピン
チローラの組立に際しては、その取り扱いが極めて容易
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施の形態の例の断面図で
ある。
【図2】図1の滑り軸受部を示す拡大断面図である。
【図3】図2のV−V線断面図である。
【図4】滑り軸受部の他の形態を示す拡大断面図であ
る。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】ローラ本体の好ましい一実施の形態の例の断面
図である。
【図7】図6のY−Y線断面図である。
【図8】滑り軸受部の他の形態を示す拡大断面図であ
る。
【図9】従来技術を示す断面図である。
【符号の説明】
P ピンチローラ 10 ローラ軸 11 被膜 20 ローラ本体 21 スリーブ 21b 係合部 22 滑り軸受部 23 弾性体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ軸と、該ローラ軸に該ローラ軸回
    りに回転自在に嵌挿されたローラ本体とからなるピンチ
    ローラであって、ローラ軸は、一端側に小径軸部を、他
    端側に該小径軸部と環状段部を介して拡径する大径軸部
    をそれぞれ有していると共に環状段部を含む小径軸部の
    外周面に合成樹脂の被膜を有しており、ローラ本体は、
    円筒状の繊維補強合成樹脂製のスリーブと該スリーブの
    内周面に形成された係合部を介して該内周面に一体的に
    形成された自己潤滑性及び耐摩耗性を有する合成樹脂製
    の円筒状の滑り軸受部と該スリーブの外周面に一体的に
    固着された円筒状の弾性体とからなり、該ローラ本体
    は、滑り軸受部の内周面及び一方の端面を該ローラ軸の
    小径軸部及び環状段部の被膜と摺接させて該ローラ軸の
    小径軸部に嵌挿されており、該ローラ本体は、該滑り軸
    受部の他方の端面に近接して小径軸部に固定されたスト
    ッパにより該ローラ軸の軸方向への移動に関して拘束さ
    れていることを特徴とするピンチローラ。
  2. 【請求項2】 係合部は、円筒状のスリーブの内周面に
    その円周方向に沿って形成された複数個の凸部である請
    求項1に記載のピンチローラ。
  3. 【請求項3】 係合部は、円筒状のスリーブの内周面に
    その円周方向に沿って形成された複数個の凹部である請
    求項1に記載のピンチローラ。
  4. 【請求項4】 円筒状のスリーブは、ガラス繊維、炭素
    繊維、アラミド繊維などの補強繊維を20〜35重量%
    の割合で含有するポリアセタール樹脂、ポリアミド樹
    脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルフ
    ァイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂から選択され
    る繊維補強合成樹脂からなる請求項1から3のいずれか
    一項に記載のピンチローラ。
  5. 【請求項5】 円筒状の滑り軸受部は、ポリアミド樹
    脂、ポリエチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェ
    ニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂
    及びポリエーテルケトン樹脂のうちの少なくとも一つか
    ら選択される合成樹脂からなる請求項1から4のいずれ
    か一項に記載のピンチローラ。
  6. 【請求項6】 被膜は、ポリテトラフルオロエチレン樹
    脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ユ
    リア樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹
    脂、ポリカーボネート樹脂及びポリアセタール樹脂のう
    ちの少なくとも一つから選択される合成樹脂の被膜であ
    る請求項1から5のいずれか一項に記載のピンチロー
    ラ。
  7. 【請求項7】 被膜は、静電塗装、電着塗装、焼付け塗
    装により環状段部を含むローラ軸の小径軸部の外周面に
    形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の
    ピンチローラ。
  8. 【請求項8】 滑り軸受部にはその内周面の両端部に、
    それぞれ軸方向の長さN、径方向の長さMで、N>Mな
    る条件を満足する面取りが形成されている請求項1から
    7のいずれか一項に記載のピンチローラ。
  9. 【請求項9】 円筒状弾性体は、合成ゴム又は熱可塑性
    エラストマーからなる請求項1から8のいずれか一項に
    記載のピンチローラ。
  10. 【請求項10】 熱可塑性エラストマーは、ポリスチレ
    ン系、ポリオレフィン系、PVC系、ポリエステル系、
    ポリウレタン系、ポリアミド系、ふっ素ポリマー系、ホ
    モポリマー系、アイオノマー系及びポリマーアロイ系の
    エラストマーのうちの少なくとも一つから選択される請
    求項9に記載のピンチローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106746562A (zh) * 2017-03-11 2017-05-31 嵊州市和丰玻璃制品有限公司 一种玻璃切割装置上的导辊

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