JP2002122148A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2002122148A
JP2002122148A JP2000316046A JP2000316046A JP2002122148A JP 2002122148 A JP2002122148 A JP 2002122148A JP 2000316046 A JP2000316046 A JP 2000316046A JP 2000316046 A JP2000316046 A JP 2000316046A JP 2002122148 A JP2002122148 A JP 2002122148A
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Shigeaki Aihara
成明 相原
Magozo Hamamoto
孫三 浜本
Toshimi Takagi
敏己 高城
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真円度が高く且つ温度が上昇しても変形の小
さい保持器を備えていて、回転精度及び振れ精度の優れ
た転がり軸受を提供する。 【解決手段】 内輪3と、外輪2と、内輪3と外輪2と
の間に転動自在に配設された複数の玉4と、玉4を前記
両輪2,3の間に保持する保持器5と、を備える深溝玉
軸受1において、線膨張係数が4.0×10-5より小さ
い合成樹脂組成物で保持器5を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり軸受に係
り、特に、高い回転精度が要求される情報機器,音響・
映像機器等に用いられる磁気ディスク装置(以下、HD
Dと記す)等において、磁気ディスク等を回転支持する
部材として好適に用いられる転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】各種回転部分を支持することを目的とし
て、図1に示すような玉軸受が広く使用されている。こ
のような玉軸受1は、外周面に内輪軌道3aを有する内
輪3と、内周面に外輪軌道2aを有する外輪2とを同心
に配置し、内輪軌道3aと外輪軌道2aとの間に複数の
玉4を転動自在に設けることにより構成されている。
【0003】そして、円輪状のシール板6,6の外周部
を外輪2の両端部内周面に係止して、内輪3の外周面と
外輪2の内周面との間の開口部分をこのシール板6,6
でほぼ覆うことにより、内輪3と外輪2との間に形成さ
れる空間(玉4の設置部分)に存在する図示しないグリ
ースや発生したダストが外部に漏洩したり、あるいは、
外部に浮遊する塵挨が該空間内に侵入したりすることを
防止している。
【0004】また、玉4は、図2に示すような冠形保持
器5に転動自在に保持されている。この冠形保持器5
は、合成樹脂を射出成形することにより、一体に形成さ
れている。そして、冠形保持器5は、円環状の主部8
と、この主部8の片面に設けられた複数のポケット9と
を備えていて、各ポケット9は、互いに間隔をあけ対向
して配置された1対の弾性片10,10から形成されて
いる。各ポケット9を構成する1対の弾性片10,10
の互いに対向する面は、同心の球状又は円筒状の凹面を
なしている。
【0005】このような冠形保持器5は、弾性片10,
10の間隔を弾性的に押し広げつつ、1対の弾性片1
0,10の間に玉4を押し込むことにより、各ポケット
9内に玉4を転動自在に保持することができる。このよ
うな玉軸受1の使用時には、玉4の転動に伴って内輪3
と外輪2とが自在に相対回転する。その際、玉4は自転
しつつ内輪3の周囲を公転する。また、上記保持器5
は、玉4の公転速度と同じ速度で内輪3の周囲を回転す
る。
【0006】また、内輪3の外周面と外輪2の内周面と
の間に形成される空間には、グリースその他の潤滑油等
の潤滑剤が充填もしくは連続的に供給されて、上記相対
回転が円滑に行われるようになっている。そして、玉軸
受1に振動や騒音が生じにくくなっているとともに、焼
付き等の故障が防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したような用途に
使用される転がり軸受は、近年、磁気記憶密度の飛躍的
な向上により、ますます高い回転精度及び振れ精度を要
求されるようになっているが、この回転精度や振れ精度
に悪影響を及ぼす要因として、保持器音と呼ばれる騒音
や振動がある。
【0008】これは、回転中の保持器に振動が誘発され
て生じる現象である。この様な保持器の振動は、転動体
である玉と保持器との間の滑り摩擦に基づいて発生する
もので、玉の真球度、複数の玉の相互の径差、玉とポケ
ットとの隙間、内輪,外輪(回転軌道輪)の真円度、及
び玉を等間隔に配置する保持器、に大きな影響を受け
る。よって、転がり軸受を精度良く高速回転するために
は、転がり軸受が備える保持器の真円度を向上すること
が不可欠である。
【0009】図2のような冠形保持器の材質としては、
通常、ポリオキシメチレン樹脂や66ナイロン樹脂が用
いられる。また、冠形保持器のタイプとしては、転がり
軸受の回転時に、玉により案内されるタイプ、保持器の
内径面が軸受内輪と摺動して案内されるタイプ、及び保
持器の外径面が軸受外輪と摺動して案内されるタイプ等
がある。
【0010】合成樹脂製の保持器は、通常、合成樹脂を
金型に注入する射出成形法により成形される。金型に
は、溶融している樹脂を型内(鋳型となる空洞部)に導
入するためのゲートが設けられているが、従来の合成樹
脂製保持器は、例えば特開平8−197649号公報に
開示されているように、ゲートを1個有する金型を用い
て成形されていた。このような保持器は、1個のウェル
ドを有しているため、ウェルド部分とゲート部分とを起
点に保持器が屈曲していて、保持器の真円度が低かっ
た。
【0011】このことを、さらに詳細に説明する。射出
成形法により得られた合成樹脂製保持器は、通常はウェ
ルド(樹脂会合部)を有している。このウェルドは、樹
脂の成形時に分流した溶融材料の流れの合流部分であ
り、融着不完全であるため、他の部分と比較して強度が
低い。さらに詳述すれば、保持器に使用する樹脂は、一
般にガラス繊維やカーボン繊維で強化されたものが多い
が、ウェルド部分では、樹脂組成物が含んでいる前記繊
維が、合流した相手の樹脂組成物に貫通していない状態
(合流した樹脂組成物同士が密着しただけの状態)にあ
るので、ウェルド部分以外の部分に比べ強度が低いので
ある。
【0012】樹脂を射出成形すると、溶解した樹脂が固
化する過程で体積収縮を生じるので、成形物の寸法は金
型の寸法よりも全体として小さくなる。この収縮過程に
おいて、強度の低いウェルド部分に変形が集中するた
め、結果としてウェルド部分に屈曲が生じ、真円度の低
下の原因となっていた。したがって、このような真円度
の低い保持器は、高速回転で使用される転がり軸受に用
いることは困難であった。
【0013】一方、HDD等の駆動時には、その使用条
件によっては、HDDのスピンドル装置に使用されてい
る転がり軸受は60〜70℃まで昇温する場合がある。
保持器に使用されている樹脂材料の線膨張係数は、軸受
鋼の線膨張係数よりも大きいため、高温下では保持器が
膨張して保持器案内面を拘束したり、あるいは、案内す
きまが拡大したりする。その結果、振動や騒音を誘発
し、振れ精度が低下するおそれがあった。
【0014】そこで本発明は、このような従来の転がり
軸受が有する問題点を解決し、真円度が高く且つ温度が
上昇しても変形の小さい保持器を備えていて、回転精度
及び振れ精度の優れた転がり軸受を提供することを課題
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外
輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記
転動体を前記両輪の間に保持する保持器と、を備える転
がり軸受において、線膨張係数が4.0×10-5より小
さい合成樹脂組成物で前記保持器を構成したことを特徴
とする。
【0016】なお、前記保持器は、2個以上のゲートを
有する金型を用いて射出成形法により成形された保持器
とすることができる。このような構成の転がり軸受であ
れば、前記保持器の真円度が高く、また、温度が上昇し
ても前記保持器の変形が小さいので、保持器音が小さ
い。よって、該転がり軸受の回転精度及び振れ精度が優
れている。
【0017】射出成形法により得られた合成樹脂製の保
持器は、通常はウェルドを有しているが、前述のような
メカニズムによりウェルド部分には変形(屈曲)が生じ
やすいので、ウェルドは保持器の真円度を低下させる原
因となる。よって、ゲートを2個以上、好ましくは3個
以上有する金型を用いて射出成形すれば、ウェルドが2
個以上生成するので、ウェルド部分に生じる変形が複数
箇所に分散されて、真円度の良好な保持器を得ることが
できる。
【0018】また、線膨張係数が4×10-5より小さい
樹脂組成物により前記保持器を構成すれば、温度上昇に
よる保持器の寸法変化を小さく抑えることができるので
(寸法安定性が優れる)、案内すきまの変化が小さくな
り、保持器音が発生しにくい。寸法変化をより小さく抑
えるためには、線膨張係数が3×10-5以下の樹脂組成
物を用いることがより好ましい。
【0019】このような樹脂組成物に用いられる樹脂と
しては、66ナイロン樹脂,46ナイロン樹脂,9Tナ
イロン樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、
PPS樹脂と記す)等があげられ、これらは単独又は2
種以上混合して用いることができる。そして、前記樹脂
組成物に用いられる充填材としては、ガラス繊維,カー
ボン繊維,シリカ粒子,チタン酸カリウムウイスカー等
があげられ、これらは単独又は2種以上混合して用いる
ことができる。
【0020】ガラス繊維等の充填材の含有量を増やす
と、樹脂組成物の線膨張係数を小さくすることができる
が、溶融樹脂粘度が上昇し射出成形性が悪化する。この
ことから、保持器の射出成形に1個のゲートを有する金
型を使用する場合は、充填材の含有量の上限が低かった
が、2個以上のゲートを有する金型を使用すれば、充填
材の含有量が高い樹脂組成物の成形も可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る転がり軸受の実施の
形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1の
(a)は、本発明に係る転がり軸受の一実施形態である
深溝玉軸受1の構造を示す正面図であり、図1の(b)
は(a)のA−A線断面図(縦断面図)である。ただ
し、図1の(a)においては、シール板6の図示は省略
してある。
【0022】この深溝玉軸受1の構成は、従来の技術の
項において説明した従来の玉軸受とほぼ同様であるの
で、異なる部分のみ説明し、同様の部分の説明は省略す
る。冠形保持器5は、樹脂とガラス繊維とからなる樹脂
組成物で構成されていて、射出成形法により成形された
ものである。なお、射出成形において使用する金型は、
2個以上のゲートを有するものを使用した。以下に、詳
細に説明する。
【0023】(樹脂組成物について)ベース樹脂とし
て、66ナイロン樹脂(宇部興産株式会社製「宇部ナイ
ロン」、グレード2020U),46ナイロン樹脂(D
SM社製「スタニール」、グレードTW200),PP
S樹脂(呉羽化学工業株式会社製フォートロンKP
S),9Tナイロン樹脂(株式会社クラレ製「ジェネス
ター」)を用いた。また、充填材としては、ガラス繊維
(富士ファイバーガラス株式会社製FESS−015−
0413)を用いた。
【0024】樹脂とガラス繊維とをヘンシェルミキサー
を用いて混合し、さらに、その混合物を2軸押出機に投
入してペレットを得た。押出機の溶融混練温度は、66
ナイロン樹脂の場合は285〜295℃、46ナイロン
樹脂の場合は310〜315℃、PPS樹脂の場合は2
95〜310℃、9Tナイロン樹脂の場合は320〜3
35℃の範囲で調整した。樹脂とガラス繊維との混合比
率は、表1に示す通りである。
【0025】
【表1】
【0026】(保持器の射出成形について)図2に示す
ような冠形保持器(内径6.5mm,外径7.7mm,
ポケット数8個)を成形するための金型を用意し、日精
樹脂工業株式会社製の射出成形機に取り付ける。上述の
操作により得られたペレットを、除湿乾燥機を用いて十
分に乾燥させた後に成形機に投入し、表1に示す成形条
件で保持器を成形した。
【0027】金型は、ゲートの個数の異なる4種(ゲー
トの個数は1,2,4,8個)を用意して成形に用い
た。金型の構造を説明するため、これらの金型から得ら
れた保持器5をスプルー10及びランナー11を有する
状態で図3〜図6に示す(ただし、ゲートの個数が1個
である図6の金型については、ランナー11は無くスプ
ルー10と共通となっている)。溶融した樹脂組成物は
スプルー10から金型内に導入され、ランナー11を通
って各ゲート12から金型の鋳型部分に注入されて、保
持器5を形成する。ゲート12はトンネルゲートとし、
ランナー11(又はスプルー10)を介して保持器5の
柱部に連結した構造となっている(図6の(b)参
照)。
【0028】なお、66ナイロン樹脂にガラス繊維を5
5%充填した場合(比較例3)については、溶融樹脂の
流動性が悪いため、完全な形状の保持器を成形すること
ができなかった(ウェルド部分(樹脂会合部)において
成形不良が生じた)。 (線膨張係数の測定について)射出成形して得られた保
持器を、温度及び湿度を一定に保った室内において、ホ
ットプレート上に静置した。保持器を載せたホットプレ
ートごと工具顕微鏡にセットし、保持器の各寸法を測定
可能な状態にした。ホットプレートは、供給電力量をコ
ントロールして一定温度を保つことができ、その表面温
度を温度計等で測定できるものを使用した。
【0029】まず、室温にて保持器の内径寸法を測定し
た。その後、ホットプレートの温度を室温より若干高く
(約40℃)設定し、ホットプレート上の保持器の温度
が十分に安定した後、その温度と保持器の内径寸法を測
定した。続いて、ホットプレートの温度をさらに高く
(50〜70℃)設定し、前述の操作・測定を繰り返し
た。
【0030】測定結果を、温度をX軸に、そしてその温
度に対応する保持器の内径寸法をY軸にプロットし、こ
れらの各点を通る近似直線を最小二乗法によって算出し
た。この直線の傾きを室温での保持器の内径寸法で除す
ることにより、線膨張係数を算出した。各保持器の線膨
張係数を表1に示す。 (音響耐久性能試験)次に、射出成形により得られた各
保持器を、それぞれ前述の深溝玉軸受1中に組み込んで
運転した。1種類の保持器あたり10個の軸受を作成
し、約700時間回転させ耐久試験を行なった。試験の
途中で、適宜、軸受の音響検査を実施し、保持器音等の
異音が発生したものや、振動・騒音レベルの上昇したも
のを不良品として、その個数をカウントした。試験条件
は以下の通りである。
【0031】 1)軸受 深溝玉軸受、呼び番号B4−56 外径10mm,内径4mm,幅2.6mm 2)運転条件 回転速度:内輪回転で4200rpm 軸受予圧:7.84N 雰囲気温度:60℃ 潤滑条件:リチウム−エステル合成油系グリースを使用した 。正規の封入量は3mgであるが、加速すること を考慮して0.8〜1.0mgを封入した。
【0032】上記の条件で実施した音響耐久試験の結果
を表1に示し(表1中、良とは不良品が1個もなかった
ことを示す)、この音響耐久試験により確認された本発
明の効果について、以下に述べる。まず、実施例1,
2,3と比較例1,2,3とを比較しながら、樹脂組成
物の線膨張係数の影響を検討する。この6例は、66ナ
イロン樹脂とガラス繊維との混合比率以外、ほぼ同様の
条件で試験したものである。表1から明らかなように、
ガラス繊維の含有率が大きくなるにしたがって樹脂組成
物の線膨張係数が小さくなっており、それとともに音響
耐久試験による不良品の数が減少している。
【0033】特に、樹脂組成物の線膨張係数が4.0×
10-5より小さい場合は、不良品が1個もなく、軸受の
振動や騒音が顕著に低減されたことが分かる。なお、真
円度は、ガラス繊維の混合比率にかかわらず、全ての例
でほぼ同レベルであった。これは、ゲートを4個有する
金型(4点ゲートの金型)を用いることで射出成形性が
良好となり、保持器の真円度が向上・安定したためであ
る。しかしながら、ガラス繊維の含有率が55wt%に
まで達すると、樹脂組成物の溶融流動性が低下して、ウ
ェルド部分(樹脂会合部)において完全な形状の保持器
を成形することができなかった。
【0034】次に、実施例2,7,8と比較例4とを比
較しながら、射出成形に使用する金型のゲート数の影響
を検討する。この4例は、金型のゲート数を4,2,
8,1個と変更したものである。表1から明らかなよう
に、ゲート数が複数であると真円度が優れていた。そし
て音響耐久試験において不良品が1個もなく、ゲート数
が複数であることによる保持器の真円度の向上により、
軸受の振動や騒音が低減されたことが分かる。
【0035】次に、実施例2,4,5,6により、樹脂
の種類による影響を検討する。表1から明らかなよう
に、46ナイロン樹脂,PPS樹脂,9Tナイロン樹脂
を使用した場合も、66ナイロン樹脂と同様に、樹脂組
成物の線膨張係数が小さくて、射出成形に複数のゲート
を有する金型を使用すれば、真円度が優れた保持器が得
られ、音響耐久試験の結果も良好であった。
【0036】以上説明したように、本実施形態の深溝玉
軸受1は、真円度が高く且つ温度が上昇しても変形の小
さい保持器を備えているので、保持器音が小さく、回転
精度及び振れ精度が優れている。よって、このような深
溝玉軸受1をスピンドル装置の回転支持部分に適用すれ
ば、振動,騒音が抑制された高精度のスピンドル装置と
することができる。なお、本実施形態の深溝玉軸受1
は、スピンドル装置に限らず種々の装置の回転支持部分
に適用することができることは勿論である。
【0037】なお、本実施形態は本発明の一例を示した
ものであって、本発明は本実施形態に限定されるもので
はない。例えば、本実施形態においては、転がり軸受と
して深溝玉軸受を例示して説明したが、本発明の転がり
軸受は、他の種類の様々な転がり軸受に対して適用する
ことができる。例えば、円筒ころ軸受,円すいころ軸
受,アンギュラ玉軸受等のラジアル形の転がり軸受や、
スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転
がり軸受である。
【0038】また、保持器の形状,種類、樹脂の種類、
充填材の種類及び添加量、成形条件等も、本発明の目的
を達成できるものであれば、本実施形態に限定されるも
のではない。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明の転がり軸受は、
真円度が高く且つ温度が上昇しても変形の小さい保持器
を備えているので、回転精度及び振れ精度が優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一実施形態である深溝玉
軸受の構造を示す図である。
【図2】図1の深溝玉軸受が備える合成樹脂製冠形保持
器の斜視図である。
【図3】スプルー及びランナーを有している状態の保持
器(2点ゲートの場合)の平面図である。
【図4】スプルー及びランナーを有している状態の保持
器(4点ゲートの場合)の平面図である。
【図5】スプルー及びランナーを有している状態の保持
器(8点ゲートの場合)の平面図である。
【図6】(a)は、スプルー及びランナーを有している
状態の保持器(従来の1点ゲートの場合)の平面図であ
り、(b)はゲートの構造を説明する(a)のB−B線
断面図である。
【符号の説明】
1 深溝玉軸受 2 外輪 3 内輪 4 玉 5 保持器 12 ゲート
フロントページの続き (72)発明者 高城 敏己 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA02 AA32 AA42 AA54 BA25 BA50 EA31 EA36 EA76 FA01 GA53

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪と
    の間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記転動
    体を前記両輪の間に保持する保持器と、を備える転がり
    軸受において、線膨張係数が4.0×10-5より小さい
    合成樹脂組成物で前記保持器を構成したことを特徴とす
    る転がり軸受。
JP2000316046A 2000-10-17 2000-10-17 転がり軸受 Pending JP2002122148A (ja)

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Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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