JP2002341689A - プリンターのオイルローラー用織物 - Google Patents

プリンターのオイルローラー用織物

Info

Publication number
JP2002341689A
JP2002341689A JP2001142889A JP2001142889A JP2002341689A JP 2002341689 A JP2002341689 A JP 2002341689A JP 2001142889 A JP2001142889 A JP 2001142889A JP 2001142889 A JP2001142889 A JP 2001142889A JP 2002341689 A JP2002341689 A JP 2002341689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fabric
oil roller
woven fabric
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001142889A
Other languages
English (en)
Inventor
Kakuji Murakami
確司 村上
Sadao Tomioka
貞雄 富岡
Katsushige Wanibe
勝重 鰐部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001142889A priority Critical patent/JP2002341689A/ja
Publication of JP2002341689A publication Critical patent/JP2002341689A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プリンターのオイル含浸・リリース部材として
表面が平滑で坪量が均一であり、かつ吸油性、油保持性
に優れ、しかもオイルリリース性が良好であるプリンタ
ーのオイルローラー用織物を提供する。 【解決手段】ポリエステル極細フィラメントで構成され
てなる下記(1)式で定められるカバーファクター(C
F)が1500〜3400であることを特徴とするプリ
ンターのオイルローラ用織物。 CF=[タテ糸総繊度(dtex)]1/2×タテ糸密度
(本/25.4mm)+[ヨコ糸総繊度(dtex)]
1/2×ヨコ糸密度(本/25.4mm)・・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリンターのオイル
ローラー用の織物に関し、さらに詳しくはプリンターの
定着ローラー表面にオイルをリリースする部材として用
いる織物に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷機と言えば、ドットプリンターのご
とく外力を与えるインパクト型とインクジェットやレー
ザーを用いて熱や化学的な処理をして印刷するノンイン
パクト型があり、昨今の主流は後者である。
【0003】このノンインパクトプリンターで得る、い
わゆるフルカラー電子写真は色はもちろんのこと、色艶
において斑のないものが要求される。また、プリンター
の汎用化、軽量化にはプリンター自体の小型化が必須と
なる。
【0004】これを目指した技術は、米国特許第547
8423号明細書、同5690739号明細書、同57
09748号明細書が提案されている。つまり、プリン
ターのオイルローラー部材としてノーメックス繊維から
形成された不織布をスリッ状にカットして該布を螺旋状
に捲回して筒を形成させたものであるが、不織布には大
きな坪量斑があり、これに起因する厚さ斑がある。ま
た、スリット状にカットした不織布を螺旋捲回すると合
わせ目に隙間が生じる。このような部材を定着ローラー
に係合させると該ローラー表面上にオイルを均一に塗布
することができず、印画紙に艶斑が生じたり、印画紙の
定着ローラーからの剥離性が悪化するという問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、印画紙を艶
出しするために用いられるプリンターのオイルローラー
用織物に関するものであり、定着ローラー、加圧ローラ
ー、オイル塗布手段、クリーニング(ローラータイプま
たはウエブタイプ)手段を有するプリンターにおいて、
紙上に帯電したトナーを200℃近傍の高温の定着ロー
ラーと加圧ローラーを通過する過程で紙上に溶着させて
画像を作るのであるが、この際定着ローラーからの定着
紙の易分離性(もしくは剥離性)が良くないと定着紙が
定着ローラーにへばりついて巻き上がるという問題が起
こる。未定着紙上にある非帯電トナーは定着ローラー側
につれ回るので、これをクリーニングする必要がある。
このとき、トナーの残査が容易にふき取れ(クリーニン
グ)なければならない(トナー残査の良好なふき取り
性)。
【0006】したがって、本発明の目的は、プリンター
のオイル含浸・リリース部材として表面が平滑で坪量が
均一であり、かつ吸油性、油保持性に優れ、しかもオイ
ルリリース性が良好であるプリンターのオイルローラー
用織物を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するため、次の構成を有する。すなわち、 [1]ポリエステル極細フィラメントで構成されてなる
下記(1)式で定められるカバーファクター(CF)が
1500〜3400であることを特徴とするプリンター
のオイルローラ用織物。
【0008】 CF=[タテ糸総繊度(dtex)]1/2×タテ糸密度(本/25.4mm)+ [ヨコ糸総繊度(dtex)]1/2×ヨコ糸密度(本/25.4mm) ・・・(1) [2]タテ糸もしくはヨコ糸、あるいはタテ糸、ヨコ糸
ともに単糸繊度が1.1dtex以下のポリエステル極
細フィラメントで構成されていることを特徴とする前記
[1]に記載のプリンターのオイルローラ用織物。
【0009】[3]5枚以上の正規の朱子織もしくは変
化朱子であることを特徴とする前記[1]または[2]
に記載のプリンターのオイルローラー用織物。
【0010】[4]前記ヨコ糸の総繊度がタテ糸総繊度
の1.0〜10倍であることを特徴とする前記[1]〜
[3」のいずれかに記載のプリンターのオイルローラー
用織物。
【0011】[5]前記ポリエステル極細フィラメント
繊維が捲縮を付与された極細化可能な複合繊維からなる
ことを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載
のプリンターオイルローラー用織物。
【0012】[6]前記複合繊維が海島型繊維であるこ
とを特徴とする前記[5]に記載のプリンターのオイル
ローラー用織物。
【0013】[7]前記捲縮が仮撚加工によるものであ
ることを特徴とする前記[5]または[6]に記載のプ
リンターのオイルローラー用織物。
【0014】[8]前記ポリエステル極細フィラメント
で構成されてなる織物が、ポリエステル極細フィラメン
ト繊維単独糸であるかまたは前記ポリエステル極細フィ
ラメント繊維とナイロン繊維との混繊糸であることを特
徴とする前記[1]〜[7]のいずれかに記載のプリン
ターのオイルローラー用織物。
【0015】[9]前記タテ糸およびヨコ糸の少なくと
も一方に制電性繊維を含んでいることを特徴とする前記
[1]〜[8]のいずれかに記載のプリンターのオイル
ローラー用織物。
【0016】[10]精練加工の後に160℃以上の熱
処理が施こされていることを特徴とする前記[1]〜
[9]のいずれかに記載のプリンターのオイルローラー
用織物。
【0017】[11]親油加工が施されていることを特
徴とする前記[1]〜[10]のいずれかに記載のプリ
ンターのオイルローラー用織物。
【0018】[12]表面がカレンダー加工により平滑
化されていることを特徴とする前記[1]〜[11]の
いずれかに記載のプリンターのオイルローラー用織物。
【0019】[13]前記[1]〜[12]のいずれか
に記載の織物を用いてなることを特徴とするプリンター
のオイルローラー。
【0020】上記のようにポリエステル極細フィラメン
ト繊維を主体として使用し、特定のカバーファクターC
Fを有する織物により、坪量(目付)が極めて均一で、
極細繊維と組織点の甘い織構造が良好な油吸着能と優れ
た油保持性を発揮する。また、該織物の表面には極細繊
維が無数に存在しているために定着ローラーへの油リリ
ース性も優れるという性能を発揮する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をさら
に詳しく説明する。
【0022】本発明の織物を構成するマルチフィラメン
トのポリエステル極細繊維とは、吸油性、油保持性、油
リリース性の観点から、毛細管現象による効果が最も発
揮されやすい単糸繊度が好ましく、その値は1.1dt
ex以下であり、さらに0.56dtex以下のものが
好ましい。極細繊維とする手段はなんら限定されるもの
ではなく、例えば直接紡糸繊維、あるいは割繊型あるい
は海島型などの極細化可能な複合繊維などが適用でき
る。該繊維の断面形状は丸、三角、T、I、C型など何
ら限定されるものではない。
【0023】また、本発明のポリエステル極細繊維は第
3成分を共重合したものはもちろんのこと、艶消し剤、
消臭剤、抗菌剤、難燃剤、蛍光増白剤、畜光剤、増摩
剤、減摩剤、抗酸化剤、制電・導電剤、顔料や染料によ
る着色剤、紫外線防止剤としての無機粒子や有機化合物
を必要に応じて添加したものであってもかまわない。
【0024】本発明の織物を形成する糸は、実撚や交互
撚などの撚の有無には限定されるものではないが、無撚
の方が極細繊維による毛細管現象による吸油性や油保持
性、ひいては織物内部全域に渡って油のマイグレーショ
ンが良好となり、偏在が極めて起こりにくい場合が多い
ので好ましい。また、織物表面に存在する油が極めて乾
燥しにくくなる特徴があり、プリンターの間欠作動によ
る品質を損なうことがない。さらに油リリース性も優れ
る点で、高品質な印画アピアランスとなり好ましい。も
ちろん糸を構成する繊維強度、伸度、収縮率などの繊維
特性においても何ら制約を受けるのもではない。
【0025】本発明の織物にあっては、融点においてポ
リエチレンテレフタレート(PET)繊維に近いポリア
ミド繊維やポリブチレンテレフタレート、それよりも数
段高融点であるメタ系・パラ系のアラミド繊維も適用で
きる。さらにポリフェニレンテレフターレート(PP
S)、ポリカーボネート、ポリベンザノール繊維も適用
できることは言うまでもない。もちろん、全芳香族ポリ
エーテルアミド、全芳香族ポリエステルなどのいわゆる
スーパー繊維も適用できる。
【0026】本発明の織物のタテ糸とヨコ糸総繊度は限
定されるものではないが、ヨコ糸にポリエステル極細繊
維、タテ糸に1.1dtexを越える単糸繊度の糸を用
いる場合においては、本発明のタテ糸総繊度に対して、
1.0〜10倍であることが望まれる。1.0倍未満で
は極細繊維の比率が比較的多くなり、吸油性、油保持性
においては好ましい方向ではあるが、織物としての張り
や腰がなくなり、油塗布面に対してのフィット性が悪く
なり好ましくない。一方、10倍を越えると極細繊維の
比率が極端に少なくなり、肝心の吸油性能や油保持性、
ひいては油リリース性が悪化するばかりでなく、織物内
で油が偏在する要因にもなり好ましくない。
【0027】先に述べたように極細繊維を得る手段には
特に限定されるものではないが、海島型の繊維の場合、
海島一体の繊維を得てから、海成分を溶出させる。ま
た、割繊型の場合、異種ポリマーの複合繊維を得てから
ウオータージェットパンチによる外力付与処理、薬液処
理や熱処理などの作用を付加することで目標とする極細
繊維を得れば良い。
【0028】さらに、本発明の極細繊維は海島で繊維化
してマルチフィラメントとなった糸条を仮撚加工し、該
加工糸を製織してから海成分を溶出しても良い。この場
合の単糸の断面形状は仮撚加工上がりの海島の単繊維の
断面は大きな変形を受け、五角形や六角形に変形してい
るが、海成分を溶出後はもともと丸断面形状であった島
成分の断面形状は一部に曲面を有する緩やかで不特定な
丸に近い形状を示す。当然、仮撚加工による捲縮が緩や
かであっても現れ、吸油性、油保持性さらには油リリー
ス性に必要となる微細繊維空間形成に好ましい環境を与
える。
【0029】良好な吸油性や油保持性を維持させた上
で、ポリエステル極細繊維に耐熱性に優れるアラミド繊
維をエア混繊や合撚などの手段で混繊しても良い。この
場合の混繊比率は重量比で2%〜50%の範囲のものが
性能・コストの両面で好ましい。もちろん、本発明のタ
テ糸もしくはヨコ糸の一部に制電制繊維を含ませること
で、オイルローラー部材を作成する際に塵埃が付着しな
いというメリットがあり好ましい。
【0030】本発明の織物組織は平織、綾織、朱子織お
よびこれらの変化組織など何ら限定させるものではない
が、好ましくは組織点の少ない組織を選択する方が良い
場合がある。その意味では、正規の平織よりは2/2や
3/3のナナコなどの変化平織、さらには綾織や朱子織
およびそれらの変化織が好ましい。
【0031】一方、本発明においては、ポリエステル極
細フィラメントで構成されてなる下記(1)式で定めら
れるカバーファクター(CF)が1500〜3400で
あることを特徴とするものである。
【0032】 CF=[タテ糸総繊度(dtex)]1/2×タテ糸密度(本/25.4mm)+ [ヨコ糸総繊度(dtex)]1/2×ヨコ糸密度(本/25.4mm) ・・・(1) ここで、カバーファクターが1500未満であると、1
00〜400(センチポアズのオイルの吸油性に欠かせ
ない毛細管作用が極端に低下する。加えて油保持性とい
う点でも満足する状況にはならなくなる。一方、カバー
ファクターが3400を越えると単繊維間、糸条間に有
効な毛細管が形成されず給油性能が発揮されなくなる。
加えて油保持性という点でも満足する状況にならなくな
る。
【0033】次に、本発明の織物の目付について言及す
るならば、50〜800g/m2 の範囲で適宜選定すれ
ばよい。50g/m2 未満になると生産性が悪化し、コ
ストが極端に高くなるし、一方、800g/m2 を越え
ると組織点で織物表面が凸凹状になりフィット性が悪く
なるので油部材として好ましくない。
【0034】本発明の織物は、該織物に付着している種
々の界面活性剤や不純物を除去する意味において精練加
工を施すのが良い。また、布帛の寸法安定性(形態保持
性)を維持させ、かつ反発性を向上させるために少なく
とも160℃以上の乾熱セットを施すのが良い。好まし
い該セット温度は、定着ローラーの作動温度より高温で
かつ融点未満の範囲で適宜選定すると良い。
【0035】本発明の織物の表面平滑性を向上させるに
は熱ローラーを介するカレンダーローラーでプレス作用
を与える。もちろんエンボスローラーの如き表面に微細
な凹凸などの彫刻を施したローラーを用いても良い。
【0036】本発明のオイルローラーにおける油として
は、有機珪素高分子、いわゆるシリコーンであり、粘度
は特定されるものではないが、例えば100〜2000
センチポアズの中粘度のものが好ましい。
【0037】本発明の織物には吸油性能をさらに向上さ
せるために、アルカリ基やベンゼン環を有する官能基の
ない物質を繊維表面に付着させる加工を行うことが好ま
しい。
【0038】以下、本発明を実施態様例に基づいてさら
に詳しく説明する。
【0039】本発明のオイルローラーの形状を図1から
図3に示した。図1は本発明の織物6を一重巻きした円
筒形状の例であり、縫い糸7で織物6の両端を縫合して
いる。図2は本発明の織物6を多重巻きにした円筒構造
の例である。図3は本発明の織物6を多重巻きした円筒
構造を押しつぶして扁平積層状にした構造の例のものを
それぞれ示す。これら形状は特定されるものではなく、
プリンターの全体構造とオイルローラーの配置に応じて
形状を選定すればよい。図4に本発明を実施する場合の
一実施態様を示した。印画用紙1の上に帯電したトナー
2と非帯電のトナー3が載っており、加熱された定着ロ
ーラー4と圧接ローラー5の間に供給する。
【0040】定着ローラー4の一部に本発明の織物から
なるオイルローラー6が係合している。該オイルローラ
ー6にはシリコーンオイルが含浸して内在しており、定
着ローラー4が回転するとオイルローラー6の表面から
オイルが定着ローラー4表面に塗布されトナー3が印画
紙1に定着する時にオイルも印画紙1上に移る。この際
艶出しが行われると同時に定着ローラー4から印画紙7
がスムースに分離する。一方、非帯電のトナー3は定着
ローラー4の表面に付着して上方に連れ回るが、オイル
ローラー6に至るまでにトナークリーナー7でトナー3
を除去する。
【0041】該クリーナー7も本発明の織物を用いても
良いし、他の基材であっても良い。
【0042】本発明の織物からなるオイルローラーは、
織物だけから構成される場合は十分なオイル保持がしに
くくなるので、オイルのタンク的な機能を持たせる、ウ
レタンフォーム、ファイバーフィル等の芯材を存在さ
せ、この芯材に上記本発明の織物を装着するようにする
ことが好ましい。この芯材にしみ込んだオイルが一旦織
物に乗り移り(毛細管現象を利用した吸油性による)、
さらに織物に乗り移ったオイルは該織物全面にしみ渡っ
た状態(これも毛細管現象の利用による)になり、定着
ローラーと係合すると織物内のオイルが定着ローラーに
オイルが塗布されていくことになる。
【0043】次に本発明の評価方法について記述する。
本発明の吸油性能は衣料に向けられる編物や織物等の吸
水性を評価する場合に用いられるバイレック法を用い
た。
【0044】評価試料として、織物を2cm幅×250
mm長さにカット(タテ糸方向およびヨコ糸方向共)し
たものを被評価検体とし、標準状態(25℃×65%R
H)の雰囲気下に24時間放置する。
【0045】次いで、図4に示したようにシリコーンを
浸したバット内に該検体を吊す。なお、該オイル中に浸
積する長さは10mmとする。浸積後24時間経時させ
該オイルが織物内部に浸透した高さを読みとる。
【0046】油拡散性能はマイクロピペッター(GIL
SON製PIPETMAN)を用いてシリコーンオイル
(信越化学工業株式会社製KF−2001)を0.05
CCを秤量して、高さ1cmの位置から該オイル液滴を
布帛上に滴下させ、24時間経過後の該シリコーンオイ
ルが拡散した外周形状の観察と拡散面積を算出した。
【0047】次に油保持性は、25℃×65%の雰囲気
下に一昼夜放置し、5cm角の検体の重量w1(cN)
を測る。次にシリコーンオイル中に該検体を2分間浸積
する。その後空中に取り出し、該検体の保油能力を越え
る余分のオイルを取り除くため2時間吊す。その後織物
の質量w2(cN)測定し、布に含まれた絶対含油量W
を測る。また、これらのデーターからピックアップ率P
(%)を算出した。算出式はそれぞれ次式による。
【0048】絶対含油量W(cN)=W1−W2 ピックアップ率(%)=(W2−W1/W1)×100 吸油、油拡散、油保性能が持総合的に優れるのは、バイ
レック法の吸油高さが高く、油拡散面積が小さく(換言
すれば、油保持性が良好なことを示す)油ピックアップ
量が大で、しかも絶対含油量が大である部材である。
【0049】
【実施例】[実施例1]タテ糸にポリエステルマルチフ
ィラメント糸(延伸糸、丸形断面)56dtex(50
デニール)−18フィラメントを用い、またヨコ糸に海
島型繊維(海成分:テレフタル酸と5ナトリウムスルフ
ォイソフタル酸の共重合ポリエステル、島成分:ポリエ
ステル100%、70本、海/島成分の重量比=20/
80)110dtex(100デニール)、18(f)
フィラメントを仮撚加工(1段ヒーター)を施して仮撚
加工糸とし、次いで該糸を2本引き揃えて、後述する4
水準の織物を5枚バックサテン(朱子織)で作製した。
次いで該織物を精練した後、水酸化ナトリウム30重量
%含む80℃の溶液下に30分間投入してアルカリ処理
して海島型繊維の海成分を除去した。
【0050】海成分除去後の1本の海島繊維は70本に
割繊されたポリエステル極細フィラメント繊維になり、
単糸繊度0.08dtex(0.07デニール)で、か
つ単繊維の断面形状は円形状ではないにしても曲率半径
を異にする複数の円弧で組み合わされた形状になってい
た。
【0051】次いで、該織物をピンテンターに供し19
0℃のヒートセットを施し、幅152cmの織物に仕上
げた。なお、水準L−1の織物密度はタテ糸密度は12
9本/25.4mm、ヨコ密度は135本/25.4m
mでCFは2865、水準L−2の織物密度はタテ糸密
度は110本/25.4mm、ヨコ密度は120本/2
5.4mmでCFは2502、水準L−3の織物密度は
タテ糸密度は90本/25.4mm、ヨコ密度は100
本/25.4mmでCFは2080、水準L−4の織物
密度はタテ糸密度は83本/25.4mm、ヨコ密度は
80本/25.4mmでCFは1693、水準L−5の
織物密度はタテ糸密度は78本/25.4mm、ヨコ密
度65本/25.4mmでCFは1450であった。
【0052】これらの織物について吸油性、拡散性およ
び油保持性を調べた。その結果、吸油高さは、単糸繊度
が太いタテ糸(3.11dtex)方向と単糸繊度が細
いヨコ糸方向ではタテ糸方向(単糸繊度が太い)よりも
ヨコ糸方向(単糸繊度が極細)の方が高い。一方、カバ
ーファクター(CF)の関係を見るとCFが高いほど吸
油高さは高いことが判る。なお、該CF値が2865か
ら1693の範囲内においては、CF値が小さくなるに
したがって吸油高さは減少するものの大きな変化はない
が、1450になると激減していることが判る。このこ
とから、本発明のCF値は1500以上である。
【0053】次に、保油性能を評価する手段として用い
た拡散面積と油ピックアップ量について述べると、拡散
面積が小さいほど油ピックアップ量が大となって、両者
には逆相関の関係になっていることが判る。したがっ
て、油ピックアップ量で良否(多いほど優れている)を
判断すれば良いことになる。
【0054】水準間の順位は優れている方からL−1>
L−2>L−3>L−4≫L−5の順である。
【0055】実機に実装したテスト結果を総合評価で示
したが、L−1〜3の織物は◎、L−4でも○であっ
た。ところがL−5は×であった。結果を表1、表2に
示す。
【0056】表2において、実施例1は表1の水準1に
同じ。
【0057】[実施例2]タテ、ヨコ糸とも84dte
x−144f(単糸繊度0.583dtex)のDTY
使いでタテ密度×ヨコ密度=168本/25.4mm×
112本/25.4mmとした。精練上がりのカバーフ
ァクター(CF)は2585であった。
【0058】実施例1の織物に比べれば吸油高さ、拡散
面積、ピックアップ率いずれも劣るが実機に実装したと
ころ、このレベルであれば油リリース性も含め、狙いと
する性能が出せることが判った。
【0059】[比較例1]PET100%織物でタテ7
7dtex−24f(単糸繊度3.2dtex)のDT
Y、ヨコ110dtex−48f(2.3dtex)の
2600T/m強撚糸S、Z交互に打ち込んで平織の織
物を得た。該織物を精練(100℃)し、中間セット
(170℃)を施した後アルカリ減量加工を行った。減
量率は25.4%であった。なお、アルカリ減量加工上
がりの織物密度は、タテ密度×ヨコ密度=102本/2
5.4mm×103本/25.4mmで、カバーファク
ター(CF)は1706であった。
【0060】<CF値の計算>24.5%のアルカリ減
量加工で77dtexのタテ糸は57.4dtexにな
る。一方、110dtexのヨコ糸は82.1dtex
となる。
【0061】よって、CF=(57.41/2 ×102)
+(82.11/2 ×103)=773+933=170
6 該織物は吸水高さとピックアップ率が低く、しかも拡散
面積が大きく(油保持性の悪いことを意味する)いずれ
の性能も満足する織物にはならなかった。
【0062】[比較例2]吸水性や水保持性の良好な綿
布をシリコーンオイルで吸油性、拡散面積、ピックアッ
プ量を調査した。評価に供した綿布はタテ糸、ヨコ糸と
も26S/1、タテ密度×ヨコ密度=63本/25.4
mm×61本/25.4mm、CF=1860(晒し上
がり)であった。吸油高さ、油拡散面積および油ピック
アップ率共に優れた性能を示すことが判ったが、実機で
の評価では毛羽が脱落し、印画紙表面の品位が損なわ
れ、採用できないことが判明した。結果を表2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】少なくともポリエステル極細フィラメン
トを用いてなる織物であり、しかも特定のカバーファク
ター(CF)を有する織物であって、坪量(目付)が極
めて均一にして良好な油吸着能と優れた油保持性を発揮
する。また、該織物の表面には極細繊維が無数に存在し
ているために定着ローラーへの油リリース性も優れ、プ
リンター用のオイルローラー部材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の織物を一重巻きした円筒形状の例を示
す概略図である。
【図2】本発明の織物を多重巻きにした円筒構造の例を
示す概略図である。
【図3】本発明の織物6を多重巻きした円筒構造を押し
つぶして扁平積層状にした構造の例を示す概略図であ
る。
【図4】本発明をプリンターのオイルローラー用として
実施する場合の一実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1:印画用紙 2:帯電したトナー 3:非帯電のトナー 4:定着ローラー 5:圧接ローラー 6:オイルローラー 7:印画紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/00 101 D03D 15/00 101 15/04 102 15/04 102B Fターム(参考) 2H033 AA09 BA43 4L048 AA20 AA24 AA29 AA35 AB09 BA01 BA02 CA15 DA35 EB00 EB04 EB05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル極細フィラメントで構成され
    てなる下記(1)式で定められるカバーファクター(C
    F)が1500〜3400であることを特徴とするプリ
    ンターのオイルローラ用織物。 CF=[タテ糸総繊度(dtex)]1/2×タテ糸密度(本/25.4mm)+ [ヨコ糸総繊度(dtex)]1/2×ヨコ糸密度(本/25.4mm) ・・・(1)
  2. 【請求項2】タテ糸もしくはヨコ糸、あるいはタテ糸、
    ヨコ糸ともに単糸繊度が1.1dtex以下のポリエス
    テル極細フィラメントで構成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載のプリンターのオイルローラ用織物。
  3. 【請求項3】5枚以上の正規の朱子織もしくは変化朱子
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリ
    ンターのオイルローラー用織物。
  4. 【請求項4】前記ヨコ糸の総繊度がタテ糸総繊度の1.
    0〜10倍であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のプリンターのオイルローラー用織物。
  5. 【請求項5】前記ポリエステル極細フィラメント繊維が
    捲縮を付与された極細化可能な複合繊維からなることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリンター
    オイルローラー用織物。
  6. 【請求項6】前記複合繊維が海島型繊維であることを特
    徴とする請求項5に記載のプリンターのオイルローラー
    用織物。
  7. 【請求項7】前記捲縮が仮撚加工によるものであること
    を特徴とする請求項5または6に記載のプリンターのオ
    イルローラー用織物。
  8. 【請求項8】前記ポリエステル極細フィラメントで構成
    されてなる織物が、ポリエステル極細フィラメント繊維
    単独糸であるかまたは前記ポリエステル極細フィラメン
    ト繊維とナイロン繊維との混繊糸であることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載のプリンターのオイル
    ローラー用織物。
  9. 【請求項9】前記タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方
    に制電性繊維を含んでいることを特徴とする請求項1〜
    8のいずれかに記載のプリンターのオイルローラー用織
    物。
  10. 【請求項10】精練加工の後に160℃以上の熱処理が
    施こされていることを特徴とする請求項1〜9のいずれ
    かに記載のプリンターのオイルローラー用織物。
  11. 【請求項11】親油加工が施されていることを特徴とす
    る請求項1〜10のいずれかに記載のプリンターのオイ
    ルローラー用織物。
  12. 【請求項12】表面がカレンダー加工により平滑化され
    ていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記
    載のプリンターのオイルローラー用織物。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれかに記載の織物
    を用いてなることを特徴とするプリンターのオイルロー
    ラー。
JP2001142889A 2001-05-14 2001-05-14 プリンターのオイルローラー用織物 Pending JP2002341689A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001142889A JP2002341689A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 プリンターのオイルローラー用織物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001142889A JP2002341689A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 プリンターのオイルローラー用織物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002341689A true JP2002341689A (ja) 2002-11-29

Family

ID=18989113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001142889A Pending JP2002341689A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 プリンターのオイルローラー用織物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002341689A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017072765A (ja) * 2015-10-08 2017-04-13 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置、及び摺動部材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017072765A (ja) * 2015-10-08 2017-04-13 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置、及び摺動部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100265219B1 (ko) 누벅조 직물 및 그 제조방법
EP1316634B1 (en) Stretchable high-density woven fabric
CN1596326B (zh) 一种具有凹凸形图案的多色纤维毛绒织物
KR102690601B1 (ko) 입모풍 인공 피혁
CN101849052B (zh) 布帛、复合片材、研磨布和擦拭制品
JP2005179849A (ja) 保温性に優れた織物及びユニフォーム
KR102333253B1 (ko) 인쇄 형성 기모 시트 및 인쇄용 기모 시트
JP2002341689A (ja) プリンターのオイルローラー用織物
JP5096049B2 (ja) 研磨布用織物およびその製造方法および研磨布
JP3824240B2 (ja) 高密度編物からなるワイピングクロスおよびその製造方法
JP2020059952A (ja) 遮熱性繊維布帛及びそれを用いた衣服
JP3613955B2 (ja) ワイピングクロス
JP2010188482A (ja) 研磨布用複合布帛および研磨布
JP6881690B2 (ja) シート状物
JPH11302944A (ja) 高密度織物の製造方法
US20230323594A1 (en) Artificial leather, production method therefor, and artificial leather backing material
JP7156559B1 (ja) 人工皮革
JP7352142B2 (ja) 人工皮革およびその製造方法
JPS5834592B2 (ja) チヨウビキユ−ナチヨウオリモノノ セイホウ
WO2024070727A1 (ja) 織編物
JP2002292092A (ja) 金属球用研磨布帛
JP2010174399A (ja) 寝装側地および寝装品
JPH0128151B2 (ja)
JP2001224823A (ja) 金属球の研磨布帛
JP4311814B2 (ja) ストレッチ性高密度織物