JP2002340143A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP2002340143A
JP2002340143A JP2001238379A JP2001238379A JP2002340143A JP 2002340143 A JP2002340143 A JP 2002340143A JP 2001238379 A JP2001238379 A JP 2001238379A JP 2001238379 A JP2001238379 A JP 2001238379A JP 2002340143 A JP2002340143 A JP 2002340143A
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Japan
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pulley
mass
pendulum
compressor
rigid
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JP2001238379A
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English (en)
Inventor
Takashi Kawada
剛史 川田
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Masaki Ota
太田  雅樹
Akira Nakamoto
昭 中本
Hiroshi Ataya
拓 安谷屋
Akinobu Kanai
明信 金井
Takayasu Suzuki
隆容 鈴木
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Publication date
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Priority to BR0200994-3A priority patent/BR0200994A/pt
Priority to CN02119087A priority patent/CN1375632A/zh
Priority to EP02005736A priority patent/EP1241353A3/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振を抑えるためのチューニングが容易で、
プーリ本体及び該プーリ本体が作動連結される回転機械
の小型軽量化を可能とする圧縮機を提供する。 【解決手段】 駆動軸16に一体回転可能に固定された
プーリ17のプーリ本体42には、遠心振り子として作
用する剛体振り子46が設けられている。剛体振り子4
6は、該振り子46の固有振動数に等しい振動数におけ
るトルク変動を抑え込む作用をなす。比R/rの平方根
値を積n・Nの値に等しく設定することで、n番目に大
きなピークにおける前記トルク変動を抑えることが可能
になる。なお、Rはプーリ本体42の回転中心軸線と剛
体振り子46の支点との距離であり、rは剛体振り子4
6の該支点と該振り子46の重心との距離である。ま
た、Nは気筒数(シリンダボア24の数)であり、nは
自然数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機構を作動さ
せるための回転軸に外部駆動源からの回転力を伝達する
ためのプーリを備えた圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平9−317628公報には、回転
機械である圧縮機の共振を抑えるために、外部駆動源に
作動連結された駆動シャフトにダイナミックダンパを設
けた構成が開示されている。
【0003】このダイナミックダンパは、前記駆動シャ
フトの一端に取着された弾性部材と、該弾性部材を介し
て同駆動シャフトに取着された質量部(マス)とからな
っている。この構成によれば、ピストンの圧縮動作に伴
い前記駆動シャフトに捻り振動が発生したときには、前
記質量部が共振されて、前記捻り振動の運動エネルギが
消費され、該捻り振動に起因するトルク変動のピークが
抑えられる。これにより、前記圧縮機自身や、該圧縮機
に作動連結された外部機器(外部の回転機械)と該圧縮
機との間に発生する共振が抑えられる。
【0004】また、その他、エンジンなどの回転機械の
クランクシャフトに回転体を固定し、該回転体に振り子
を取着し、該振り子の振り子運動によって該クランクシ
ャフトの捻り振動に起因するトルク変動のピークを抑え
るようにした構成も知られている。なお、前記振り子
は、前記回転体の回転中心軸線から所定距離だけ離間
し、かつ該回転中心軸線と平行な軸線を中心として振り
子運動を行うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
構成では、ハウジングに内蔵された前記質量部の重量及
び体格が比較的大きなものとなるため、前記圧縮機が重
く大きなものとなる。また、この構成では、前記質量部
が、温度変化等の影響を受け易い弾性部材を介して前記
駆動シャフトに取着されている。そのため、該駆動シャ
フトの捻り振動のピークの振動数(すなわち前記トルク
変動のピークの振動数)に前記ダイナミックダンパの固
有振動数を一致させるためのチューニングが容易ではな
い。
【0006】また、後者の構成では、前記クランクシャ
フトに、前記回転体を設けた上で、これを介して前記振
り子を取着する必要があるため、前記回転機械が重く大
きなものになる。
【0007】本発明の目的は、共振を抑えるためのチュ
ーニングが容易で、プーリ本体及び該プーリ本体が作動
連結される回転機械の小型軽量化を可能とする圧縮機を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、請求項1に記載の発明は、圧縮機構を作動させ
るための回転軸に外部駆動源からの回転力を伝達するた
めのプーリを備えた圧縮機であって、前記プーリのプー
リ本体に、該プーリ本体の回転中心軸線から所定間隔だ
け離間した点を通過し、かつ該回転中心軸線にほぼ平行
な軸線を中心とした振り子運動を行なう質量体を設ける
とともに、前記質量体を、前記プーリ本体の外周よりも
内側で移動可能に配設したことを要旨とする。
【0009】この発明によれば、質量体の振り子運動に
より、圧縮機自身や該圧縮機に作動連結された外部の回
転系(回転機械等)と該圧縮機との間に発生する共振が
抑えられる。この共振を抑えるための構造はプーリに設
けられているため、圧縮機構側に特段に共振抑止手段を
設ける必要がなくなる。つまり、圧縮機構側を変更する
ことなく共振抑止要望に対応することができ、圧縮機構
側に共振抑止手段を設けた場合に比較して軽量かつ小型
なものにできるようになる。また、たとえば、前記プー
リを備えた回転軸に、弾性部材を介して、または直接的
にマスを固定して共振を抑えるようにした構成に比較し
て、共振を抑えるための構造が、小型軽量で、チューニ
ングの容易なものになる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記質量体は、前記プーリ本体に回動
可能に軸支された剛体であることを要旨とする。たとえ
ば、質量体が柔軟な索体を介してプーリ本体に連結され
た構成では、該プーリ本体の回転に基づいて該質量体に
作用する遠心力が重力よりも小さくなった状態で、該質
量体が該プーリ本体の回転中心軸線の上方に配置された
場合に、該質量体が前記回転中心軸線側の部材に当接し
て異音を発生させる虞がある。本発明では、質量体を、
プーリ本体に回動可能に軸支された剛体としているた
め、前述の虞がない。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記質量体は、前記プーリ本体に設け
られた案内部の断面円弧状の案内面に沿って移動可能に
配設された断面円形状の剛体であることを要旨とする。
【0012】この発明によれば、質量体を軸支する必要
がないため、質量体を軸支した構造に比較して、支軸と
該支軸が挿通される該質量体の軸孔との隙間の存在に起
因する、該質量体の振り子運動中心(支点)と重心との
距離の変化がなくなる。したがって、共振の抑制が、よ
り良好に行なわれる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記案内部は、断面円形状の内周面を
有しており、前記案内面は、該内周面の一部であること
を要旨とする。
【0014】この場合、案内部が断面円形状を呈してい
るため、該案内部を形成する際の加工が容易になる。請
求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に
記載の発明において、前記プーリ本体には複数の前記質
量体が設けられ、該質量体のうちの一部は、前記プーリ
本体の回転中心軸線と前記質量体の振り子運動の中心と
の距離と、該振り子運動中心と前記質量体の重心との距
離との比率が、他の前記質量体とは異なるように配設さ
れていることを要旨とする。
【0015】この発明によれば、前記比率を複数設定す
ることで、複数の回転次数成分(トルク変動のピーク)
に対応可能になる。したがって、前記比率を一つのみに
設定し、一つの前記回転次数成分のみに対応させた場合
に比較して、全体としての共振抑制効果が大きくなる。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか一項に記載の発明において、前記圧縮機構は、
シリンダボアに挿入配置されたピストンの往復動に基づ
いて流体の圧縮を行なうピストン式圧縮機構であること
を要旨とする。
【0017】この発明によれば、流体の圧縮反力やピス
トンの往復動に基づく反力による回転軸のトルク変動に
起因する共振の抑制が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の一実施形態を図1及び図2に従って説明する。なお、
図1では、図面左方を圧縮機の前方、右方を後方として
いる。
【0019】図1に示すように、圧縮機Cは、シリンダ
ブロック11と、その前端に接合固定されたフロントハ
ウジング12と、シリンダブロック11の後端に弁形成
体13を介して接合固定されたリヤハウジング14とを
備えている。シリンダブロック11、フロントハウジン
グ12、弁形成体13及びリヤハウジング14は、圧縮
機Cのハウジングを構成している。
【0020】シリンダブロック11とフロントハウジン
グ12とで囲まれた領域には、クランク室15が区画さ
れている。前記ハウジングには、クランク室15を貫通
するように配設された回転軸としての駆動軸16が回転
可能に支持されている。
【0021】駆動軸16の前端部はフロントハウジング
12の前壁を貫通して外部に突出するように配置されて
いる。この駆動軸16の前端部は、後述するプーリ17
及び該プーリ17に掛装されたベルト18を介して外部
駆動源としての車両エンジンEに作動連結されている。
【0022】駆動軸16には、クランク室15において
ラグプレート19が一体回転可能に固定されている。ク
ランク室15には、カムプレートとしての斜板20が収
容されている。斜板20は、駆動軸16に対してスライ
ド移動可能かつ傾動可能に支持されている。斜板20
は、ヒンジ機構21を介してラグプレート19に作動連
結されている。斜板20は、ヒンジ機構21を介したラ
グプレート19との前記作動連結、及び駆動軸16の支
持により、ラグプレート19及び駆動軸16と同期回転
可能であるとともに、駆動軸16の回転中心軸線方向へ
のスライド移動を伴いながら該駆動軸16に対して傾動
可能となっている。
【0023】斜板20は、駆動軸16に固定された係止
リング22、及び、該係止リング22と斜板20との間
に配設されたバネ23によって、該斜板20の最小傾斜
角度が規定されるようになっている。なお、斜板20の
最小傾斜角度とは、該斜板20の、駆動軸16の軸線方
向との角度が90°に最も近づいた状態における傾斜角
度を指している。
【0024】シリンダブロック11には、複数(図1で
は一つのみ図示)のシリンダボア24が駆動軸16の回
転中心軸線方向に沿うようにして貫通形成されている。
シリンダボア24には、片頭型のピストン25が往復動
可能に収容されている。シリンダボア24の前後開口
は、弁形成体13及びピストン25によって閉塞されて
おり、このシリンダボア24内にはピストン25の往復
動に応じて体積変化する圧縮室が区画形成されている。
各ピストン25は、シュー26を介して斜板20の外周
部に係留されている。これにより、駆動軸16の回転に
伴う斜板20の回転運動が、シュー26を介してピスト
ン25の往復直線運動に変換されるようになっている。
【0025】なお、駆動軸16、ラグプレート19、斜
板20、ヒンジ機構21、ピストン25及びシュー26
によって、ピストン式圧縮機構が構成されている。リヤ
ハウジング14には、吸入室27及び吐出室28がそれ
ぞれ区画形成されている。吸入室27及び吐出室28の
前方側は、弁形成体13によって閉塞されている。吸入
室27の冷媒ガス(流体)は、各ピストン25の上死点
側から下死点側への移動により、弁形成体13に形成さ
れた吸入ポート29及び吸入弁30を介してシリンダボ
ア24(圧縮室)に導入される。シリンダボア24に導
入された低圧な冷媒ガスは、ピストン25の下死点側か
ら上死点側への移動により所定の圧力にまで圧縮され、
弁形成体13に形成された吐出ポート31及び吐出弁3
2を介して吐出室28に導入される。
【0026】吸入室27と吐出室28とは、図示しない
外部冷媒回路で接続されている。吐出室28から吐出さ
れた冷媒は、前記外部冷媒回路に導入される。この外部
冷媒回路では、前記冷媒を利用した熱交換が行われる。
前記外部冷媒回路から排出された冷媒は、吸入室27に
導入され、シリンダボア24に吸入されて再度圧縮作用
を受ける。
【0027】前記ハウジングには、クランク室15と吸
入室27とを連通する抽気通路33が設けられている。
また、前記ハウジングには、吐出室28とクランク室1
5とを連通する給気通路34が設けられている。給気通
路34は、該給気通路34上(給気通路34の途中)に
配設された制御弁35によってその開度が調節され得る
ようになっている。
【0028】制御弁35の開度を調節することで給気通
路34を介したクランク室15への高圧冷媒ガスの導入
量と抽気通路33を介したクランク室15からのガス排
出量とのバランスが制御され、クランク圧(クランク室
15の内圧)Pcが決定される。クランク圧Pcの変更
に応じて、ピストン25を介してのクランク圧Pcと前
記圧縮室の内圧との差が変更され、斜板20の傾斜角度
が変更される結果、ピストン25のストロークすなわち
吐出容量が調節される。
【0029】図1及び図2(b)に示すように、前述の
プーリ17は、フロントハウジング12の前側外壁面に
設けられた支持筒部40の外周面上に配設されたベアリ
ング41によって回転可能に支持された状態で、駆動軸
16に一体回転可能に固定されている。
【0030】図1及び図2に示すように、プーリ17の
プーリ本体42には、ベアリング41の外輪に取着され
るボス部43と、ベルト18が掛装されるベルト掛装部
44との間に、環状の凹部45が形成されている。凹部
45には、質量体としての剛体振り子46が収容されて
いる。
【0031】剛体振り子46は、プーリ本体42に固定
された支軸47によって振り子運動可能に支持されてい
る。支軸47は、剛体振り子46自体に形成された孔に
挿通された状態になっている。支軸47は、プーリ本体
42の回転中心軸線から所定距離だけ離間し、かつ該回
転中心軸線と平行な中心軸線を有する。なお、プーリ本
体42の回転中心軸線は、駆動軸16の回転中心軸線と
一致している。剛体振り子46は、支軸47の反固定部
側に形成された頭部によって該支軸47から抜け落ちな
いようになっている。
【0032】剛体振り子46は、プーリ本体42の回転
時には、遠心振り子として作用する。本実施形態では、
駆動軸16の捻り振動等に起因するトルク変動を、剛体
振り子46の振り子運動によって抑え込むべく、該剛体
振り子46の配置位置や形状、質量などを設定してい
る。
【0033】ここで、遠心振り子として作用する剛体振
り子46に対する前述の各設定について説明する。剛体
振り子46は、該振り子46の固有振動数に等しい振動
数における前記トルク変動(該トルク変動の変動幅)を
抑え込む作用をなす。したがって、剛体振り子46の固
有振動数が、前記トルク変動のピークの振動数と等しく
なるように該振り子46の配置位置や形状等を設定する
ことで、このピークの前記トルク変動を抑え、前記トル
ク変動による全体としての影響を有効に抑え込むことが
可能となる。なお、前記トルク変動のピークは、該トル
ク変動の変動幅のピーク、すなわち、回転次数成分を指
している。
【0034】前記トルク変動の振動数及び剛体振り子4
6の固有振動数は、駆動軸16の回転速度に相関する該
駆動軸16の角速度ω1に比例する。また、圧縮機Cの
前記トルク変動のピークのうち最も大きな変動幅となる
ピークが現れる際の該トルク変動の振動数は、駆動軸1
6の単位時間あたりの回転数(=ω1/2π)と気筒数
(シリンダボア24の数)Nとの積(ω1/2π)・N
によって与えられる。なお、圧縮機Cにおいては、前記
トルク変動のピークのうちn番目(nは自然数)に大き
なものの振動数が、積n・(ω1/2π)・Nと同等の
値を示す傾向にあることが実験などにより求まってい
る。
【0035】一方、剛体振り子46の固有振動数は、駆
動軸16の単位時間あたりの回転数(=ω1/2π)
と、比R/rの平方根値との積によって与えられる。な
お、Rはプーリ本体42の回転中心軸線と剛体振り子4
6の支点(支軸47の中心軸線)との距離であり、rは
剛体振り子46の該支点と該振り子46の重心との距離
である。
【0036】したがって、比R/rの平方根値を積n・
Nの値に等しく設定することで、前記トルク変動のn番
目に大きなピークの振動数と剛体振り子46の固有振動
数とを合わせることができる。これにより、n番目に大
きなピークの振動数における前記トルク変動を抑えるこ
とが可能になる。
【0037】このことに従い、本実施形態では、前記ト
ルク変動の最も大きなピークを抑え込むべく、比R/r
の平方根値がN(n=1のときのn・Nの値)の値と等
しくなるように、R及びrの大きさを設定している。
【0038】剛体振り子46の振り子運動によって前記
トルク変動を効率的に押さえ込むためには、該振り子4
6によって作用されるプーリ本体42の回転中心軸線回
りのトルクTを、前記トルク変動の変動幅と等しい大き
さにして対抗させる必要がある。前記トルク変動のピー
クの振動数と剛体振り子46の固有振動数が一致した状
態での前記トルクTの大きさは、以下の式によって与え
られることが解かっている。
【0039】(式1) T=m・(ωa2 ・(R+r)・R・φ ここで、mは剛体振り子46の質量であり、ωaは、微
小振り角度φで振り子運動を行なう剛体振り子46の平
均角速度である。
【0040】本実施形態の剛体振り子46においては、
質量mをできるだけ大きく設定することで、値R,r及
びφを小さく抑え、プーリ本体42を大型化することな
く、トルクTを可能な限り大きく確保するようにしてい
る。
【0041】なお、前述の振り子運動においては、剛体
振り子46をその重心に質量が集中した質点として各種
設定がなされている。次に、前述のように構成された圧
縮機Cの作用について説明する。
【0042】車両エンジンEからプーリ17等を介して
駆動軸16に動力が供給されると、駆動軸16とともに
斜板20が回転する。斜板20の回転に伴って各ピスト
ン25が斜板20の傾斜角度に対応したストロークで往
復動され、各シリンダボア24において冷媒の吸入、圧
縮及び吐出が順次繰り返される。
【0043】なお、制御弁35の開度が小さくなると、
吐出室28から給気通路34を経由してクランク室15
へ供給される高圧冷媒ガスの量が少なくなり、クランク
圧Pcが低下し、斜板20の傾斜角度が大きくなって、
圧縮機Cの吐出容量が大きくなる。逆に、制御弁35の
開度が大きくなると、吐出室28から給気通路34を経
由してクランク室15へ供給される高圧冷媒ガスの量が
多くなり、クランク圧Pcが上昇し、斜板20の傾斜角
度が小さくなって、圧縮機Cの吐出容量が小さくなる。
【0044】駆動軸16の回転時には、冷媒の圧縮反力
やピストン25の往復動に基づく反力が斜板20やヒン
ジ機構21などを介して該駆動軸16に伝えられること
で、該駆動軸16には捻り振動が発生する。この捻り振
動はトルク変動を発生させる。前記トルク変動は、圧縮
機C自身や、プーリ17にベルト18を介して作動連結
された外部の回転機械(車両エンジンEや補機など)と
該圧縮機Cとの間に共振を発生させる原因となるもので
ある。
【0045】前記トルク変動が発生すると、プーリ17
に設けられた剛体振り子46が振り子運動を始める。こ
の振り子運動によってプーリ本体42の回転中心軸線回
りに作用されるトルクが、前記トルク変動を抑えるよう
に作用する。剛体振り子46は、その固有振動数が前記
トルク変動の最も大きなピークの振動数に等しく設定さ
れているため、この最大ピークの前記トルク変動が抑え
られ、全体として有効にプーリ17のトルク変動が低減
される。この結果、このトルク変動に起因する前記共振
が効果的に抑えられる。
【0046】本実施形態では、以下のような効果を得る
ことができる。 (1) プーリ本体42に、該プーリ本体42の回転中
心軸線から所定間隔Rだけ離間し、かつ該回転中心軸線
に平行な軸線を中心とした振り子運動を行なう剛体振り
子46を設けた。これによれば、剛体振り子46の振り
子運動によって前記捻り振動が抑えられ、プーリ本体4
2や、これを備えた圧縮機C、該プーリ本体42にベル
ト18を介して作動連結された前記回転機械と該圧縮機
Cとの間に発生する共振が抑えられる。
【0047】この共振を抑えるための構造はプーリ17
に設けられているため、該プーリ17が固定された駆動
軸16側に特段に共振抑止手段を設ける必要がなくな
る。つまり、圧縮機Cの構造が軽量かつ小型なものにな
る。
【0048】また、たとえば、プーリ本体に作動連結さ
れる回転軸に、弾性部材を介してマスを固定して共振を
抑えるようにした構成に比較して、温度変化等の影響を
受け難いため、前記トルク変動のピークの振動数に剛体
振り子46の固有振動数を一致させるためのチューニン
グが容易になる。
【0049】また、たとえば、プーリ本体に作動連結さ
れる回転軸に、直接的に、または、弾性部材を介してマ
スを固定して共振を抑えるようにした構成に比較して、
マス(質量体)自体の大きさや重さを抑えることができ
るため、共振を抑えるための構造が、小型軽量なものに
なる。
【0050】(2) 剛体振り子46を、プーリ本体4
2の外周よりも内側で移動可能に配設した。つまり、剛
体振り子46は、プーリ本体42の外周よりも外側に突
出しない。これによれば、共振を抑えるための構造を設
けるためのスペースを抑えることができる。
【0051】(3) 剛体振り子46は、これ自身に形
成された孔に貫挿された支軸47によってプーリ本体4
2に回動可能に軸支されている。たとえば、質量体が柔
軟な索体を介してプーリ本体に連結された構成では、該
プーリ本体の回転に基づいて該質量体に作用する遠心力
が重力よりも小さくなった状態で、該質量体が該プーリ
本体の回転中心軸線の上方に配置された場合に、該質量
体が前記回転中心軸線側の部材に当接して異音を発生さ
せる虞がある。本実施形態では、剛体振り子46は前記
柔軟な索体を介することなく直接的にプーリ本体42に
対して軸支されているため、前述の虞がない。
【0052】(第2の実施形態)この第2の実施形態
は、前記第1の実施形態においてプーリの構成を変更し
たものであり、その他の点では第1の実施形態と同様の
構成になっている。従って、第1の実施形態と共通する
構成部分については図面上に同一符号を付して重複した
説明を省略する。
【0053】図3に示すように、プーリ60のプーリ本
体61には、ベアリング41の外輪に取着されるボス部
62と、ベルト18が掛装されるベルト掛装部63との
間に、案内部としての凹部64が二つ形成されている。
各凹部64は、プーリ本体61の回転中心軸線を挟んで
互いに対称に配置されている。
【0054】各凹部64には、断面円弧状の案内面65
が形成されている。案内面65は、各凹部64におい
て、プーリ本体61の外周寄りの部分に形成されてい
る。案内面65は、プーリ本体61の回転中心軸線から
所定間隔R1だけ離間し、かつ該回転中心軸線に平行な
軸線を中心とした半径r1の仮想円筒内周面の一部を構
成している。
【0055】各凹部64には、各案内面65から、プー
リ本体61の中心側に所定間隔だけ離間し、かつ断面円
弧状の案内補助面66が形成されている。つまり、各凹
部64は、圧縮機Cの前方側からプーリ本体61の回転
中心軸線方向に見たとき、その中間部が両端部よりもプ
ーリ本体61の外周側に凸の円弧状の、幅の均一な溝状
に形成されている。なお、各凹部64は、圧縮機Cの前
方側からプーリ本体61の回転中心軸線方向に見たと
き、プーリ本体61の回転中心と前記仮想円筒の中心と
を通る仮想直線に対して対称となるように形成されてい
る。
【0056】各凹部64には、質量体としての円柱状の
剛体であるコロ67(このコロ67の一つ当たりの質量
をm1とする)が一つずつ収容されている。コロ67の
直径d1は、前述の案内面65と案内補助面66との間
隔よりもやや小さく設定されている。コロ67の軸方向
の長さは、凹部64の深さ(プーリ本体61の軸線方向
の深さ)よりもやや小さく設定されている。つまり、各
コロ67は、各凹部64内を案内面65に沿って移動可
能な状態で収容されている。各コロ67は、各凹部64
の開口側(前方側)にネジで固定(図3ではネジの図示
を省略)された環状の蓋部68によって、各凹部64の
外部に転げ落ちないようになっている。
【0057】各コロ67は、車両エンジンEによる圧縮
機Cの駆動時には、遠心力が作用して案内面65に当接
した状態になるようになっている(図3の状態)。この
状態で、前記トルク変動が発生すると、各コロ67は、
各凹部64において、それぞれ、案内面65に沿って往
復動を始める。つまり、各コロ67(の重心)は、前記
第1の実施形態における振り子運動に相当する運動を行
う。したがって、各コロ67は、車両エンジンEによる
圧縮機Cの駆動時には、遠心振り子として作用する。
【0058】この運動における、前記第1の実施形態の
各値R及びrに相当する値は、それぞれ、以下のように
なる。本実施形態では、案内面65によってその一部が
構成される前記仮想円筒の中心軸線が、各コロ67の前
記振り子運動の中心軸線(該振り子運動の支点はこの中
心軸線上にある)と一致する。すなわち、プーリ本体6
1の回転中心軸線と前記仮想円筒の中心軸線との距離R
1が、前記第1の実施形態における距離Rに相当する。
【0059】また、各コロ67の前記振り子運動の中心
軸線と、各コロ67の重心との距離は、前記仮想円筒内
周面の半径r1から、各コロ67の直径d1の半分を差し
引いた数値に等しい。すなわち、差{r1−(d1
2)}が、前記第1の実施形態における距離rに相当す
る。
【0060】本実施形態では、最も大きな前記トルク変
動のピークを抑え込むべく、前記第1の実施形態の比R
/rの平方根値に相当する、比R1/{r1−(d1
2)}の平方根値がN(n=1のときのn・Nの値)の
値と等しくなるように、R1、r1及びd1の大きさを設
定している。
【0061】また、式1におけるmに相当する値は、本
実施形態では、全コロ67の質量の合計(全質量)2・
1となる。本実施形態の各コロ67においては、全コ
ロ67の全質量2・m1をできるだけ大きく設定するこ
とで、値R1,{r1−(d1/2)}及びφを小さく抑
え、プーリ本体42を大型化することなく、トルクTを
可能な限り大きく確保するようにしている。
【0062】なお、前述の振り子運動においては、前記
第1の実施形態と同様に、コロ67をその重心に質量が
集中した質点として各種設定がなされている。本実施形
態では、上記の(1)及び(2)と同様な効果の他に、
以下のような効果を得ることができる。
【0063】(4) 断面円形状の剛体であるコロ67
を、プーリ本体61に設けた凹部64の断面円弧状の案
内面65に沿って移動可能に配設した。これによれば、
コロ67は振り子運動の支点に軸支されていないため、
質量体を軸支した構造に比較して、支軸と該支軸が挿通
される該質量体の軸孔との隙間の存在に起因する、該質
量体の振り子運動中心(支点)と重心との距離の変化が
なくなる。したがって、共振の抑制が、より良好に行な
われる。
【0064】(5) プーリ本体61において、複数の
コロ67が振り子運動を行なうようにした。これによれ
ば、一つのコロ67のみが振り子運動を行なう場合に比
較して、質量体の全体としての質量を大きく確保するこ
とが容易になる。つまり、前述の式1におけるmに相当
する値を大きく確保することが容易になるため、プーリ
本体61を大型化することなく、前記トルクTを大きく
確保することが容易になる。
【0065】(第3の実施形態)この第3の実施形態
は、前記第2の実施形態において案内部(凹部)及び質
量体(コロ)の数などを変更したものであり、その他の
点では第2の実施形態と同様の構成になっている。従っ
て、第2の実施形態と共通する構成部分については図面
上に同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0066】図4に示すように、プーリ本体61には、
案内部としての凹部80が、六つ形成されている。各凹
部80は、プーリ本体61の周方向に等間隔に配置され
ている。各凹部80は、前記第2の実施形態の凹部64
に比較して、プーリ本体61の径方向の幅が大きくなる
ように該プーリ本体61の中心側に拡張された状態にな
っている。また、各凹部80は、圧縮機Cの前方側から
プーリ本体61の回転中心軸線方向に見たときの形状
が、幅の均一な溝状ではなくなっている。
【0067】各凹部80において、プーリ本体61の外
周寄りに形成された断面円弧状の案内面82は、プーリ
本体61の回転中心軸線から所定間隔R2だけ離間し、
かつ該回転中心軸線に平行な軸線を中心とした半径r2
の仮想円筒内周面の一部を構成している。
【0068】各凹部80には、質量体としての円柱状の
剛体であるコロ83(このコロ83の直径をd2とし、
質量をm2とする)が一つずつ収容されている。各コロ
83は、前記第2の実施形態のコロ67と同様に、車両
エンジンEによる圧縮機Cの駆動時には、遠心力が作用
して案内面82に当接した状態になるようになっている
(図4の状態)。この状態で、前記トルク変動が発生す
ると、各コロ83は、各凹部80において、それぞれ、
案内面82に沿って往復動(前記第1の実施形態におけ
る振り子運動に相当する)を行う。
【0069】本実施形態の各値R2,r2及びd2は、そ
れぞれ、前記第2の実施形態の各値R1,r1及びd1
相当する。本実施形態では、最も大きな前記トルク変動
のピークを抑え込むべく、比R2/{r2−(d2
2)}の平方根値がN(n=1のときのn・Nの値)の
値と等しくなるように、R2、r2及びd2の大きさを設
定している。
【0070】また、式1におけるmに相当する値は、本
実施形態では、全コロ83の質量の合計(全質量)6・
2となる。本実施形態の各コロ83においては、全コ
ロ83の質量の合計(全質量6・m 2)をできるだけ大
きく設定することで、値R2,{r2−(d2/2)}及
びφを小さく抑え、プーリ本体61を大型化することな
く、トルクTを可能な限り大きく確保するようにしてい
る。
【0071】なお、前述の振り子運動においては、前記
第1及び第2の実施形態と同様に、コロ83をその重心
に質量が集中した質点として各種設定がなされている。
本実施形態では、上記の(1),(2),(4)及び
(5)と同様な効果の他に、以下のような効果を得るこ
とができる。
【0072】(6) 第2の実施形態に比較して、凹部
80及びコロ83の数量が(六つに)増加している。し
たがって、プーリ本体61を大型化することなく、トル
クTをより大きく確保することができる。
【0073】(7) 第2の実施形態に比較して、凹部
80の前記幅がプーリ本体61の中心側に拡大されてい
る。これによれば、各コロ83の径を大きく設定するこ
とが容易になるとともに、これに伴なって各コロ83の
一つあたりの質量を大きく設定することが容易になる。
したがって、トルクTをより大きく確保することが容易
になる。
【0074】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、以下の様態としてもよい。 ○ 第1の実施形態において、剛体振り子46自体に支
軸を設け、該支軸をプーリ本体42に形成した孔に挿通
させて、剛体振り子46をプーリ本体42上で振り子運
動可能に支持するようにしてもよい。
【0075】○ 第1の実施形態で、プーリ本体42に
おいて、該プーリ本体42の回転中心軸線を挟んだ剛体
振り子46と対向する位置に、該剛体振り子46と同様
の剛体振り子を設けてもよい。また、プーリ本体42の
周方向に等間隔に、三つ以上の剛体振り子46を設けて
もよい。
【0076】○ 第1の実施形態で、プーリ本体42に
おいて、錘などのバランサを設けたり、肉盗み部を形成
することで、剛体振り子46を設けたことによるプーリ
本体42の重心の偏りをなくすようにしてもよい。
【0077】○ 第2及び第3の実施形態において、凹
部64,80の断面形状を、溝状などの非円形状とした
が、円形状に設定してもよい。つまり、前記案内面を、
断面円形状の凹部(案内部)の内周面の一部としてもよ
い。この場合、前記凹部を形成する際の加工が容易にな
る。
【0078】○ 第2及び第3の実施形態において、前
記質量体を、球状に形成してもよい。 ○ 第2及び第3の実施形態では、蓋部68をプーリ本
体61に対してネジを用いて取着したが、ネジ以外の部
材を用いて取着してもよい。この部材としては、例え
ば、カシメピンや圧入ピンなどが挙げられる。前記両ピ
ンは、蓋部68に形成された孔と該孔に対応するように
プーリ本体61に形成された孔との両方を貫通するよう
に挿入される。前記カシメピンはその端部がカシメによ
って変形されることで抜け止めされ、前記圧入ピンは前
記孔に圧入されることで抜け止めされる。また、例え
ば、図5に示すように、弾性変形可能な係止片90Aを
有する係止ピン90を用いて取着してもよい。図5は、
プーリ60の概要を示す模式断面図である。係止ピン9
0は、蓋部68に形成された孔68Aと、該孔68Aと
ほぼ同径であるとともに孔68Aに対応するようにプー
リ本体61に形成された孔61Aとの両方を貫通するよ
うに挿入されている。係止ピン90の本体部90Bは両
孔61A,68Aの内径とほぼ等しい外径の円柱状を呈
し、その一端には孔68Aの内径よりも大きい外径を有
する頭部90Cが一体形成されている。本体部90Bの
他端には、複数(図では2つ)の前述の係止片90Aが
一体形成されている。係止片90Aは、自然状態におい
て、基端に対して先端が本体部90Bの径方向における
外側に位置するように形成されている。この自然状態で
は、係止片90Aの先端が孔61Aの開口よりも該孔6
1Aの径方向の外側に位置するようになっている。これ
により、係止ピン90は係止片90A及び頭部90Cに
よって抜け止めされるとともに、蓋部68がプーリ本体
61に取着された状態が保持されるようになっている。
係止片90Aは、外力によって弾性変形され得るように
なっており、この弾性変形によってその先端が両孔61
A,68Aの開口よりも該孔の径方向の内側に移動され
得るようになっている。つまり、係止ピン90は、係止
片90Aを弾性変形させることで両孔61A,68Aに
対して抜き差し自在となっている。この係止ピン90を
用いた場合、蓋部68をプーリ本体61に取着する作業
時に、前記ピン90に対して回動動作やカシメ作業を行
う必要がなくなる。つまり、作業性が向上する。
【0079】○ 前述の全実施形態において、比R/r
の平方根値に相当する値を、n=1としたn・Nの値つ
まり、Nに等しく設定したが、nを2以上の自然数(た
とえば、2,3など)としたn・Nの値に等しく設定し
てもよい。
【0080】○ 前述の全実施形態において、質量体
(剛体振り子、コロ)が、一つ以上であれば何個設けら
れていてもよい。圧縮機Cの気筒数等に相関した個数に
する必要はない。
【0081】○ 前述の全実施形態において、質量体
(剛体振り子、コロ)を複数設け、各質量体について、
比R/r(の平方根値)に相当する値を、それぞれ異な
る値に設定するようにしてもよい。これによれば、前記
比率R/rに相当する値が複数設定されることで、前記
トルク変動の複数のピーク(回転次数)に対してその変
動幅を抑え込むことができるようになる。この場合、こ
の比R/rに相当する値の平方根値を合わせる対象の値
を、たとえば、nの値を1から順に数種類(たとえば、
3種類の値を対象とする場合は、1,2および3)選ん
で、これらとNとを掛け合わせた値(積n・N)とする
ことが好ましい。これによれば、前記トルク変動のピー
クのうち最も大きなものから数種類(この場合3種類)
のものを抑えることができるようになり、共振抑制効果
が大きなものになる。
【0082】○ 一つのプーリに、剛体振り子46及び
コロ67,83のうちの2種類以上の質量体を混在させ
た構成としてもよい。 ○ 前記実施形態では、前記振り子運動において、前記
質量体をその重心に質量が集中した質点として各種設定
を行ったが、望ましくは、前記質量体の慣性質量を考慮
して前述の各種設定を行ったほうがよい。この場合、例
えば、前記第2及び第3の実施形態の円柱状のコロ(6
7,83)の前記振り子運動においては、前記第1の実
施形態の比R/rに相当する値を比2R/3rに相当す
る値に置き換えることで前記慣性質量を考慮した設定が
可能になる。また、この場合、前記トルク変動のピーク
の振動数と前記コロの固有振動数が一致した状態での前
記トルクTの大きさを示す前記第1の実施形態の式1に
相当する式は、以下の式に置き換えられる。
【0083】(式2) T=(3/2)・m・(ωa2 ・(R+r)・R・φ また、前記案内面に沿って転動することで前記振り子運
動を行う前記質量体を球状とした場合には、前述の比R
/rに相当する値を比5R/7rに相当する値に置き換
えることで前記慣性質量を考慮した設定が可能になる。
また、この場合、前記トルク変動のピークの振動数と前
記質量体の固有振動数が一致した状態での前記トルクT
の大きさを示す前記第1の実施形態の式1に相当する式
は、以下の式に置き換えられる。
【0084】(式3) T=(7/5)・m・(ωa2 ・(R+r)・R・φ なお、前記質量体を上記の円柱状や球状以外の形状とし
た場合にも、それぞれの形状等に対応した慣性質量を考
慮した前記各種設定を行うことで、前記共振抑制をより
効果的に行うことが可能になる。
【0085】○ プーリ17,60は、圧縮機Cのよう
な、片頭型のピストンに圧縮動作を行なわせる片側式の
圧縮機にではなく、クランク室を挟んで前後両側に設け
られたシリンダボアにおいて両頭型のピストンに圧縮動
作を行なわせる両側式の圧縮機に設けられていてもよ
い。
【0086】○ 圧縮機Cを、カムプレート(斜板2
0)が駆動軸16と一体回転する構成に代えて、カムプ
レートが駆動軸に対して相対回転可能に支持されて揺動
するタイプ、例えば、揺動(ワッブル)式圧縮機として
もよい。
【0087】○ 圧縮機Cは、ピストン25のストロー
クを変更不可能な固定容量タイプであってもよい。 ○ 前述の全実施形態において、ピストンが往復動を行
うピストン式圧縮機の適用例を示したが、スクロール型
圧縮機等の回転型圧縮機に適用してもよい。
【0088】○ 前述の全実施形態において、圧縮機の
適用例を示したが、プーリが一体回転可能に連結された
回転軸を備え、該回転軸に捻り振動が発生し得る構成の
回転機械であれば、どのようなものに適用してもよい。
【0089】○ 前述の全実施形態において、前記質量
体の前記振り子運動の中心軸線は、前記質量体が設けら
れた前記プーリ本体の回転中心軸線に対して必ずしも平
行となっていなくてもよい。この場合、前記伝達トルク
変動の抑制において所望の効果を得ることができる範囲
内において、前記振り子運動の中心軸線を前記プーリ本
体の回転中心軸線に対して傾斜させてもよい。なお、前
記振り子運動の中心軸線が前記プーリ本体の回転中心軸
線に対して傾斜した状態では、例えば、以下に述べる距
離Rsを、前記振り子運動の中心と前記プーリ本体の回
転中心軸線との距離とすることとする。すなわち、前記
振り子運動の中心軸線に対して直交するとともに前記質
量体の重心を通過する平面と前記振り子運動の中心軸線
との交点と、前記プーリ本体の回転中心軸線との距離
を、前記距離Rsとする。
【0090】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 (1) 前記質量体は、前記プーリ本体の回転中心軸線
と前記質量体の振り子運動の中心との距離と、該振り子
運動中心と前記質量体の重心との距離との比率が、前記
プーリ本体に伝達されるトルク変動のピークのうち最大
ピークの振動数に対応するように設定されている請求項
1〜4のいずれか一項に記載の圧縮機。
【0091】(2) 前記複数の質量体の少なくとも一
つは、前記プーリ本体の回転中心軸線と前記質量体の振
り子運動の中心との距離と、該振り子運動中心と前記質
量体の重心との距離との比率が、前記プーリ本体に伝達
されるトルク変動のピークのうち最大ピークの振動数に
対応するように設定されている請求項5に記載の圧縮
機。
【0092】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜6に記
載の発明によれば、圧縮機において、共振を抑えるため
のチューニングが容易になるとともに、該圧縮機の小型
軽量化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の圧縮機の概要を示す模式断面
図。
【図2】(a)同じく、プーリの概要を示す正面図、
(b)図2(a)のb−b線における部分模式断面図。
【図3】(a)第2の実施形態のプーリの概要を示す正
面図、(b)図3(a)のb−b線における部分模式断
面図。
【図4】(a)第3の実施形態のプーリの概要を示す正
面図、(b)図4(a)のb−b線における部分模式断
面図。
【図5】別例のプーリの概要を示す模式断面図。
【符号の説明】
16…回転軸としての駆動軸、17,60…プーリ、1
9…ラグプレート、20…斜板、21…ヒンジ機構、2
4…シリンダボア、25…ピストン、26…シュー(1
6,19,20,21,25及び26はピストン式圧縮
機構を構成する)、42,61…プーリ本体、46…質
量体としての剛体振り子、64,80…案内部としての
凹部、65,82…案内面、67,83…質量体として
のコロ、C…圧縮機、E…外部駆動源としての車両エン
ジン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 雅樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 中本 昭 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 安谷屋 拓 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 金井 明信 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 (72)発明者 鈴木 隆容 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB01 CC12 CC40 3J031 AA03 AC06 BA08 BC07 CA03 CA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機構を作動させるための回転軸に外
    部駆動源からの回転力を伝達するためのプーリを備えた
    圧縮機であって、 前記プーリのプーリ本体に、該プーリ本体の回転中心軸
    線から所定間隔だけ離間した点を通過し、かつ該回転中
    心軸線にほぼ平行な軸線を中心とした振り子運動を行な
    う質量体を設けるとともに、前記質量体を、前記プーリ
    本体の外周よりも内側で移動可能に配設した圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記質量体は、前記プーリ本体に回動可
    能に軸支された剛体である請求項1に記載の圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記質量体は、前記プーリ本体に設けら
    れた案内部の断面円弧状の案内面に沿って移動可能に配
    設された断面円形状の剛体である請求項1に記載の圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 前記案内部は、断面円形状の内周面を有
    しており、前記案内面は、該内周面の一部である請求項
    3に記載の圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記プーリ本体には複数の前記質量体が
    設けられ、該質量体のうちの一部は、前記プーリ本体の
    回転中心軸線と前記質量体の振り子運動の中心との距離
    と、該振り子運動中心と前記質量体の重心との距離との
    比率が、他の前記質量体とは異なるように配設されてい
    る請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記圧縮機構は、シリンダボアに挿入配
    置されたピストンの往復動に基づいて流体の圧縮を行な
    うピストン式圧縮機構である請求項1〜5のいずれか一
    項に記載の圧縮機。
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