JP2002339648A - 引戸制動装置 - Google Patents

引戸制動装置

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JP2002339648A
JP2002339648A JP2001148072A JP2001148072A JP2002339648A JP 2002339648 A JP2002339648 A JP 2002339648A JP 2001148072 A JP2001148072 A JP 2001148072A JP 2001148072 A JP2001148072 A JP 2001148072A JP 2002339648 A JP2002339648 A JP 2002339648A
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Japan
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pinion
sliding door
rotation center
center shaft
braking device
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JP2001148072A
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Ippei Nomura
一平 野村
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Ryobi Ltd
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Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成部材に過度の力が作用することを防止し
て、引戸制動装置の耐久性を向上させることを課題とす
る。 【解決手段】 ピニオン7に回転負荷を与えることによ
って引戸を減速させる制動ブレーキ部10を備え、制動
ブレーキ部10によるピニオン7への回転負荷の付与に
制限を加える過負荷防止機構として、インナーロータ1
4と回転中心軸9との間にトルクリミッタ30,31,
32を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引戸を制動する引
戸制動装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハンガーレールに吊り下げられて
該レールに沿って直線的に開閉し、手動で開いた引戸が
ゼンマイバネの蓄勢力等によって自動的に閉扉する自閉
式の引戸が公知である。そして、全閉する手前で閉扉速
度を減少させるために、この種の引戸には、引戸を制動
する引戸制動装置が用いられている。
【0003】引戸制動装置は、引戸の開閉方向に沿って
配設されるラックと協働して引戸を減速させる構成であ
り、ラックと噛合するピニオンと、該ピニオンに回転負
荷を与える制動ブレーキ部とを備えている。例えばラッ
クをハンガーレールに固定すると共にこの引戸制動装置
を引戸に固定し、閉扉時にラックにピニオンが噛合して
回転すると、制動ブレーキ部がピニオンに回転負荷を与
え、これにより引戸が制動されて静かに全閉する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、閉扉時にお
いて引戸に大きな力が作用する場合がある。例えば、引
戸を手などで強制的に閉扉させたりすると、引戸には通
常以上の大きな力が作用し、全閉の手前でピニオンがラ
ックに勢いよく噛合する。このような場合には、ピニオ
ンがラックに噛合し始めた時に制動ブレーキ部による回
転負荷が急激に大きくなることがあり、その結果、制動
ブレーキ部やピニオン等の引戸制動装置の構成部材に過
度の力が作用することになる。同様にラックにも過度の
力が作用する。また、制動中において引戸に外部から閉
扉方向に力が作用した場合も同様にその瞬間に大きな力
が各構成部材に作用する。
【0005】そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑み
てなされ、構成部材に過度の力が作用することを防止し
て、引戸制動装置の耐久性を向上させることを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべくなされたものであり、本発明に係る引戸制動装
置は、引戸の開閉方向に沿って配設されたラックと噛合
して回転するピニオンと、該ピニオンに回転負荷を与え
ることによって引戸を減速させる制動ブレーキ部とを備
えた引戸制動装置において、制動ブレーキ部によるピニ
オンへの回転負荷の付与に制限を加える過負荷防止機構
を備えていることを特徴とする。
【0007】また、ピニオンには回転体が装着され、制
動ブレーキ部は、ピニオンに回転体及び回転中心軸を介
して回転負荷を付与し、回転体と回転中心軸との間に過
負荷防止機構としてのトルクリミッタが設けられている
ことが好ましい。
【0008】また、制動ブレーキ部は、ピニオンにその
回転中心軸を介して回転負荷を付与し、ピニオンと回転
中心軸との間に過負荷防止機構としてのトルクリミッタ
が設けられていることが好ましい。
【0009】また、制動ブレーキ部は油圧式ブレーキで
あり、過負荷防止機構は、油圧式ブレーキの油圧を一時
的に下げることによって回転負荷を制限することが好ま
しい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
引戸制動装置について図1乃至図6を参酌しつつ説明す
る。図1は、引戸施工箇所を概略的に示しており、引戸
1は右引き用のものである。戸枠の上部には、引戸1を
直線的に開閉可能に吊下支持する断面視略L字状のハン
ガーレール3が取り付けられている。該ハンガーレール
3は、図3のように、上方に凸の戸車レール部6と、上
面に開口した凹状のガイドレール部25とを有してお
り、戸車レール部6とガイドレール部25は互いに略平
行であってハンガーレール3の略全長に亘って直線的に
形成されている。そして、ガイドレール部25にラック
2の下端部が係合することにより、ラック2はガイドレ
ール部25にガイドされながらハンガーレール3の長手
方向にスライド可能に構成されており、また、固定手段
によってラック2は所望の位置に固定されている。この
ようにラック2は引戸の開閉方向に沿って配設されてい
る。
【0011】一方、引戸1の上面には、前後一対の戸車
4が各々取付ベース5を介して取り付けられており、引
戸1は、戸車4がハンガーレール3の戸車レール部6上
を走行することで開閉可能となっている。そして、ハン
ガーレール3を右上がりの傾斜状態に固定配設すること
で、引戸1はその自重により左側に向かって自閉する。
この自閉式の引戸1の閉扉速度をラック2との協働によ
り減少させるために、引戸制動装置Aが用いられてい
る。
【0012】引戸制動装置Aは、ラック2と噛合可能な
ピニオン7と、該ピニオン7が装着されると共に引戸1
に取り付けられる装置本体8とを備える。尚、本実施形
態では、前記戸車4の取付ベース5に装置本体8が固定
され、右引き用の引戸1における閉扉速度を減少させる
ために、図1及び図2において、図面上向かって左側の
戸先側の戸車4の取付ベース5に取り付けられている。
【0013】該装置本体8は、ピニオン7が装着される
ピニオン7の回転中心軸9と、該回転中心軸9を介して
ピニオン7に回転負荷(制動力)を付与する制動ブレー
キ部10とを備えている。具体的には、回転中心軸9
は、ハウジング11に軸受け12を介して回転自在に取
り付けられている。そして、ハウジング11から外部に
突出した回転中心軸9の一端部側にピニオン7が装着さ
れ、ハウジング11内に位置する他端部側に制動ブレー
キ部10から回転負荷が付与される。
【0014】ピニオン7は、一方向クラッチ18を介し
て回転中心軸9に装着されている。従って、ピニオン7
は一方向に回転する場合には、一方向クラッチ18によ
り回転中心軸9と一体的に回転する。このとき、後述す
る回転体としてのインナーロータ14には回転負荷が作
用し、その結果、ピニオン7は制動ブレーキ部10から
インナーロータ14及び回転中心軸9を介して回転負荷
を受ける。他方、ピニオン7が逆に回転する場合には、
ピニオン7は回転中心軸9に対して空転するため、回転
中心軸9は回転せず、制動ブレーキ部10から回転負荷
を受けない。従って、閉扉時にピニオン7がラック2に
噛合した際にピニオン7が制動ブレーキ部10から回転
負荷を受けるように一方向クラッチ18の方向、ひいて
はピニオン7の回転中心軸9への装着方向を決めてい
る。
【0015】また、回転中心軸9の先端部には、回転中
心軸9からのピニオン7の抜けを防止するために、合成
樹脂から形成されたピニオン抜け防止具20が挿入固定
されている。ピニオン抜け防止具20は、回転中心軸9
の軸方向に沿って伸びた左右一対の腕部21を備え、腕
部21の先端部には各々外方に突出した突出部19が形
成されており、該両突出部19でピニオン7の抜けを防
止している。尚、両腕部21間にはスリットが形成され
ているため、両腕部21は互いに接近離反するように撓
むことができる。従って、両腕部21を互いに接近する
ように撓ませることで回転中心軸9からピニオン7を容
易に着脱できる。尚、一方向クラッチ18とピニオン7
は固着されているため一方向クラッチ18も共に着脱さ
れる。
【0016】ハウジング11は、その裏面側開口が裏蓋
13で閉塞されて中空状に形成され、該ハウジング11
内に制動ブレーキ部10が収納されている。該制動ブレ
ーキ部10はトロコイドポンプ型の油圧式ブレーキとし
て構成されている。即ち、制動ブレーキ部10は、回転
中心軸9の他端部に装着されて常時は回転中心軸9と一
体に回転するインナーロータ14と、該インナーロータ
14とハウジング11との間に位置してインナーロータ
14と咬み合いながら同一方向に回転するアウターロー
タ15とを備えている。インナーロータ14は、トロコ
イド歯形の外歯を備え、後述する過負荷防止機構として
のトルクリミッタを介して回転中心軸9に装着されてい
る。アウターロータ15は、インナーロータ14より一
枚多いトロコイド歯形の内歯を備え、その外周部が円形
に形成されていてハウジング11に摺動自在に嵌合し支
持されている。
【0017】また、インナーロータ14とアウターロー
タ15との間の流体室Sにはオイル等の流体が充填さ
れ、流体室Sはハウジング11に形成された略U字状の
流路16と連通している。回転中心軸9と共にインナー
ロータ14が回転することでアウターロータ15も回転
すると、流体室Sが拡縮し、拡大工程では流体室Sが低
圧になって流路16から流体室Sにオイルを吸い込み、
縮小工程では逆に流体室Sが高圧になって流路16にオ
イルを吐き出す。そして、流路16の途中には流路16
の開度を調節する絞り弁17が設けられており、該絞り
弁17によってオイルの流れに抵抗を与えている。この
絞り弁17を調節することでオイルの流れに対する抵抗
が増減し、回転中心軸9への回転負荷が増加する。例え
ば、絞り弁17を絞ると絞り弁17の位置における流路
16が狭くなってオイルが流れにくくなり、その結果、
インナーロータ14に与えられる回転負荷、ひいては、
回転中心軸9を介してピニオン7に与えられる回転負荷
が増加する。
【0018】そして、制動ブレーキ部10によるピニオ
ン7への回転負荷の付与に制限を加える過負荷防止機構
として、インナーロータ14と回転中心軸9との間にト
ルクリミッタが設けられている。具体的には、トルクリ
ミッタとして、インナーロータ14の内周面に形成され
た切欠30と、インナーロータ14と回転中心軸9との
間に位置して切欠30に係合可能な係合部と、該係合部
が切欠30から抜け出ないように係合部を切欠30に押
し付ける付勢手段とを備え、常時は係合部が切欠30に
係合して回転中心軸9とインナーロータ14は一体に回
転し、回転中心軸9に所定値を越えるトルクが作用する
と、付勢手段による付勢力に抗して係合部が径方向内方
に移動して切欠30との係合状態が解除し、回転中心軸
9がインナーロータ14に対して相対回転可能となる。
以下、詳細に説明する。
【0019】図4及び図5に示すように、回転中心軸9
の他端部には、回転中心軸9と直交する方向に横穴が非
貫通状に形成されており、該横穴には付勢手段としての
コイルバネ31が挿着されている。また、横穴の開口部
近傍には係合部としての小球32が備えられ、該小球3
2はコイルバネ31によって径方向外方に向けて常時付
勢されている。そして、図4及び図5のように、通常は
インナーロータ14の内周面に形成された切欠30に小
球32が係合してコイルバネ31の弾発力によってその
係合状態が維持されている。従って、インナーロータ1
4と回転中心軸9は一体に回転する。尚、図5は、裏蓋
13を外した状態を示す。
【0020】ピニオン7に瞬間的に大きな外力が作用す
ると、図6のようにトルクリミッタが作動する。即ち、
ピニオン7が瞬間的に高速で回転しようとすると、オイ
ルの流れがそれに追従せず、流体室S内の圧力が急激に
高まってインナーロータ14には大きな回転負荷が作用
する。回転中心軸9がピニオン7と共に回転しようとす
るのに対してインナーロータ14にはその回転を阻止し
ようとする大きな回転負荷が作用する。従って、インナ
ーロータ14の内周面がコイルバネ31の弾発力に抗し
て小球32を径方向内方に押し、小球32は切欠30か
ら抜けて横穴内に完全に入り込むと共にインナーロータ
14の内周面を転動する。即ち、回転中心軸9がインナ
ーロータ14に対して相対回転可能となり、従って、制
動ブレーキ部10からの回転負荷の付与も停止する。
【0021】尚、切欠30を間隔をおいて複数設けても
よく、本実施形態では180度あけて二つ設けている。
従って、瞬間的な外力が収まると、小球32は次の切欠
30に係合し、その後は回転中心軸9とインナーロータ
14は一体に回転し、再び制動ブレーキ部10から回転
負荷が付与される。
【0022】このように、インナーロータ14は所定の
回転負荷までは回転中心軸9と一体に回転するが、引戸
1を介してピニオン7に瞬間的に外力が作用する等して
回転負荷が所定値を越えると、トルクリミッタが作動
し、インナーロータ14に対して回転中心軸9が空転状
態となってピニオン7の制動を停止する。
【0023】以上のように、本実施形態においては、回
転負荷が付与されるインナーロータ14と回転中心軸9
との間にトルクリミッタが設けられているので、例え
ば、引戸1を手で強制的に閉めようとしたり、ラック2
にピニオン7が噛合して引戸1が制動されている間にお
いてその引戸1を更に閉めようとしたりした場合でも、
その瞬間にトルクリミッタが作動してインナーロータ1
4に対して回転中心軸9及びピニオン7が空転する。従
来の構成では、引戸1を介してピニオン7に大きな力が
作用すると、それに応じてインナーロータ14から回転
中心軸9を介してピニオン7に大きな回転負荷が付与さ
れる。それに対して本実施形態の構成では、トルクリミ
ッタの作動によって回転負荷の付与が停止するので、各
構成部材に過度の力が作用することを防止できる。
【0024】尚、トルクリミッタの構成は適宜設計変更
可能であり、他の構成の一例を図7及び図8を用いて説
明する。図7に回転中心軸9とインナーロータ14を示
しているが、本実施形態においても同様にインナーロー
タ14がトルクリミッタを介して回転中心軸9に装着さ
れている。
【0025】回転中心軸9の他端部には軸方向に伸びる
三本の固定ピン40が突設されている。各固定ピン40
は三角形の頂点の位置に配置され、それらの外側を周回
するように筒状の弾性部材41が付勢手段として嵌装さ
れている。該弾性部材41はインナーロータ14の内周
面よりも小径であり、従って、インナーロータ14の内
周面は、ピニオン7側の所定領域のみが回転中心軸9と
摺動自在に嵌合する一方、反対側においては弾性部材4
1との間に空間を形成するように離反している。弾性部
材41の各辺部41aとインナーロータ14の内周面と
の間にはそれぞれ係合部としての可動ピン42が介装さ
れており、各可動ピン42はインナーロータ14の内周
面に120度間隔毎に形成された切欠30に係合してい
る。本実施形態において、切欠30と弾性部材41と可
動ピン42からトルクリミッタが構成されている。
【0026】そして、通常は可動ピン42が切欠30に
係合し、各辺部41aはほとんど弾性変形しておらず、
回転中心軸9に所定値より小さいトルクが作用すると可
動ピン42が径方向内方に移動して切欠30から外れよ
うとするが、可動ピン42の径方向内方への移動を弾性
部材41がその弾発力により阻止する。回転中心軸9に
所定値以上の大きなトルクが作用すると、図8のよう
に、弾性部材41の各辺部41aが可動ピン42に押さ
れて内側に弾性変形してトルクリミッタが作動し、可動
ピン42と切欠30との係合状態が解除されて、回転中
心軸9がインナーロータ14に対して空転可能、即ち、
相対回転可能な状態となる。回転中心軸9へのトルクが
元の通常の状態に戻ると、略120度空転した後に可動
ピン42が次の切欠30に係合してトルクリミッタの作
動が停止し、回転中心軸9とインナーロータ14は再び
一体に回転する。
【0027】尚、可動ピン42ではなく小球を用いるこ
ともできる。また、弾性部材41は三角筒状に限られず
その他の角筒状や円筒状としてもよく、また、中空でな
く中実とすることも可能である。
【0028】また、トルクリミッタが作動すると回転負
荷が略0になる構成としたが、トルクリミッタが作動し
たときでも所定値の回転負荷が付与される構成とするこ
とも可能であり、何れにしても回転負荷の付与を制限す
る構成であればよい。
【0029】尚、回転中心軸9とインナーロータ14と
の間にトルクリミッタを設けたが、インナーロータ14
を回転中心軸9に相対回転不能に固定する一方、ピニオ
ン7と回転中心軸9との間にトルクリミッタを設けるこ
ともできる。即ち、トルクリミッタとして、ピニオン7
の内周面に形成された切欠50と、ピニオン7と回転中
心軸9との間に位置して切欠50に係合可能な係合部
と、該係合部が切欠50から抜け出ないように係合部を
切欠50に押し付ける付勢手段とを備えることができ
る。
【0030】例えば、図9に示す構成では、上述と同様
にピニオン7が一方向クラッチ18を介して回転中心軸
9に装着されているが、一方向クラッチ18の外側に中
間部材51が固定装着され、該中間部材51の外側にピ
ニオン7が相対回転可能に設けられている点で異なる。
該中間部材51が前記係合部と付勢手段とを備えてい
る。中間部材51は、一方向クラッチ18の外側に固定
されたベース部52と、切欠50に係合可能な略円柱状
の係合部53と、ベース部52と係合部53とを連結す
る付勢手段としての略くの字状の腕部54とを備え、腕
部54は薄肉状に形成されて弾性変形可能に構成される
と共に、腕部54の保有弾性によって係合部53は切欠
50に係合した状態に保持されている。尚、本実施形態
では、係合部53の左右両側に各々腕部54が設けら
れ、更に、係合部53は略180度対向した位置に一対
設けられている。また、切欠50は60度毎に合計6つ
設けられている。
【0031】そして、閉扉時にピニオン7に所定値以上
の大きなトルクが作用すると、腕部54が弾性変形する
と共に係合部53が切欠50から外れ、次の切欠50に
到達するまでピニオン7は回転中心軸9に対して空転す
る。このように係合部53が切欠50から外れることに
より制動ブレーキ部10による回転負荷の付与が阻止さ
れる。ピニオン7に作用するトルクが所定値以下の場合
には、腕部54によって切欠50に係合部53が係合し
た状態が維持されてピニオン7は回転中心軸9と一体に
回転し、ピニオン7は制動ブレーキ部10から回転負荷
を付与される。このようにピニオン7と回転中心軸9と
の間にトルクリミッタを設けたことにより、ピニオン7
等の各構成部材に過度の力が作用することが防止され
る。
【0032】尚、上記実施形態では、回転中心軸9とイ
ンナーロータ14やピニオン7との間に過負荷防止機構
としてトルクリミッタを設けたが、制動ブレーキ部10
に過負荷防止機構を備えてもよい。
【0033】図10及び図11に示す引戸制動装置A
は、共に制動ブレーキ部10に過負荷防止機構を備えた
ものであって、油圧式ブレーキとして構成された制動ブ
レーキ部10の油圧を一時的に下げることによってピニ
オン7に付与される回転負荷を制限する構成とされてい
る。以下、順に説明する。
【0034】まず、図10に示す装置においては、回転
中心軸9にピニオン7が一方向クラッチ18を介して装
着されると共に、インナーロータ14もピン60によっ
て回転中心軸9に相対回転不能に固定されている。尚、
ピニオン7は、Cリング61によって回転中心軸9に固
定されている。
【0035】そして、裏蓋13の内側には凹部62が形
成され、該凹部62内に内側から順に板状の弁体63と
付勢手段としての板バネ64とが設けられている。弁体
63はその外周部において凹部62と嵌合していて回転
中心軸9の軸方向に沿ってスライド可能に構成されてい
る。板バネ64は、弁体63側に凸に湾曲していてその
保有弾性によって弁体63を両ロータ14,15側に押
圧付勢している。凹部62、弁体63及び板バネ64か
ら過負荷防止機構が構成される。
【0036】かかる構成においては、常時は、図10
(イ)のように、弁体63が両ロータ14,15に当接
して流体室Sの裏板側(流路16と反対側)を封鎖して
いる。従って、オイルは全て流路16側に流れる。しか
し、引戸1を手で強制的に閉じる等してピニオン7に大
きな力が作用してピニオン7が高速で回転すると、縮小
工程において流体室Sが所定値以上に高圧となる。その
場合、流体室Sのオイルの所定値以上の圧力によって弁
体63が板バネ64の弾発力に抗して外側に移動し、弁
体63と両ロータ14,15との間に形成された空間部
Vにオイルが流れ込む。これによって流体室Sの油圧が
低下するため、インナーロータ14への回転負荷も所定
値以上にはならずに制限される。そして、ピニオン7が
所定の回転速度に戻ると板バネ64の弾発力によって弁
体63が元の位置に復帰してオイルも流体室Sに戻され
る。
【0037】このように、流体室Sの油圧を一時的に空
間部Vに逃がすことにより、流体室S内の急激な圧力上
昇が抑制され、従って、制動ブレーキ部10による回転
負荷が過度に大きくならない。しかも、所定値を越えた
場合に、越えた圧力の大小に応じて弁体63が移動して
空間部Vを拡縮させるため、流体室S内の油圧が自動的
にコントロールされる。
【0038】次に図11に示す装置では、絞り弁17に
過負荷防止機構を備えている。図11には裏蓋13を外
した状態を示しており、流路16の途中に設けられたネ
ジ式の絞り弁17の流路16への押し込み量を調節する
ことによって、その先端部と流路壁面との間の隙間を調
節してオイルの流れを調節する構成であり、これについ
ては図5の構成と同様である。但し、本実施形態におい
ては、絞り弁17の先端部が軸方向に出退する構成とな
っている。具体的には、図12(イ)に示すように、絞
り弁17は、先端部に中空部70を有する絞り弁本体7
1と、中空部70に軸方向にスライド可能に支持されて
絞り弁本体71から軸方向に出退する弁体72と、該弁
体72を出方向に付勢する付勢手段としてのコイルバネ
73とを備えている。弁体72の先端部は流路16内に
突出していてその上流側には斜面を形成するように切欠
74が設けられている。通常の場合は、この切欠74を
通してオイルが流れ、所定の回転負荷をインナーロータ
14に付与している。そして、弁体72は切欠14を通
して流れるオイルの油圧を受けて退方向に移動しようと
しているが、コイルバネ73の弾発力によって弁体72
が出方向に押圧されているため、所定値を越えない通常
の場合には出状態が維持されている。本実施形態におい
て、弁体72とコイルバネ73から過負荷防止機構が構
成されている。
【0039】そして、通常は過負荷防止機構のない絞り
弁17の場合と同様に所定の回転負荷をインナーロータ
14に付与しているが、ピニオン7の急激な回転上昇に
よって流体室S及び流路16内の油圧が急上昇して所定
値を越えると、図12(ロ)のように弁体72がコイル
バネ73の弾発力に抗して退方向に移動し、流路壁面と
の間の隙間が広がる。従って、流路16内の油圧が低下
し、ひいては流体室S内の油圧が低下してインナーロー
タ14への回転負荷の付与が制限される。このように、
本実施形態においては、絞り弁17に過負荷防止機構を
設けて流路16内の油圧を一時的に下げる構成としたた
め、各構成部材への過負荷を未然に防止できる。尚、こ
の構成の場合も同様に、流路16内の油圧が所定値を越
えた場合に、越えた圧力の大小に応じて弁体72が移動
して流路壁面との間の隙間を拡縮させるため、流路16
及び流体室S内の油圧が自動的にコントロールされる。
【0040】以上二つの構成を例示して説明したよう
に、制動ブレーキ部10に過負荷防止機構を設ける場合
には、回転中心軸9とピニオン7やインナーロータ14
の間にトルクリミッタを設ける必要がなくなるため、回
転中心軸9を主とした回転系を従来と同様のシンプルな
構成にすることができる。
【0041】尚、過負荷防止機構の配置位置やその構成
も適宜設計変更可能であり、回転中心軸9に過負荷防止
機構を設けてもよい。例えば、回転中心軸9を駆動側と
被駆動側の二つの部材から構成して、両者の間にトルク
リミッタを介在させてもよい。
【0042】また、引戸制動装置Aは、引戸1の閉扉速
度を減少させる目的以外にも、例えば、全開直前で開扉
速度を減少させるために使用することもできる。また、
ラック2を引戸1等の可動部材側に取り付け、引戸制動
装置Aをハンガーレール3等の固定部材側に取り付ける
ことも可能である。
【0043】
【発明の効果】以上のように、ピニオンへの回転負荷が
所定値を越えないようにその付与に制限を加える過負荷
防止機構を備えたことにより、ピニオン等の構成部材に
過度の力が作用することを防止でき、装置の耐久性を高
めることができる。
【0044】また、過負荷防止機構が油圧式ブレーキの
油圧を一時的に下げることによって回転負荷を制限する
構成の場合には、ピニオンの回転中心軸を主とした回転
系をシンプルな構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における引戸制動装置を右
引き用の引戸に使用した状態を示す概略図。
【図2】同拡大図。
【図3】図1のP−P断面図。
【図4】同装置を示す断面図。
【図5】同装置において裏蓋を外した状態を示す一部破
断線を含む下面図。
【図6】同装置においてトルクリミッタが作動した状態
を示す断面図。
【図7】他実施形態の引戸制動装置の要部を示し、
(イ)は断面図、(ロ)は下面図である。
【図8】同装置においてトルクリミッタが作動した状態
を示す下面図。
【図9】他実施形態の引戸制動装置の要部の平面図であ
って、(イ)はトルクリミッタ作動前の状態を、(ロ)
はトルクリミッタ作動中の状態をそれぞれ示す。
【図10】他実施形態の引戸制動装置の断面図であっ
て、(イ)は過負荷防止機構の作動前の状態を、(ロ)
は過負荷防止機構の作動中の状態をそれぞれ示す。
【図11】他実施形態の引戸制動装置において裏蓋を外
した状態を示し、(イ)は下面図、(ロ)は(イ)のQ
−Q断面図。
【図12】同装置の要部を示す一部破断線を含む正面図
であって、(イ)は過負荷防止機構の作動前の状態を、
(ロ)は過負荷防止機構の作動中の状態をそれぞれ示
す。
【符号の説明】
A…引戸制動装置、S…流体室、V…空間部、1…引
戸、2…ラック、3…ハンガーレール、4…戸車、5…
取付ベース、6…戸車レール部、7…ピニオン、8…装
置本体、9…回転中心軸、10…制動ブレーキ部、11
…ハウジング、12…軸受け、13…裏蓋、14…イン
ナーロータ(回転体)、15…アウターロータ、16…
流路、17…絞り弁、18…一方向クラッチ、19…突
出部、20…ピニオン抜け防止具、21…腕部、25…
ガイドレール部、30…切欠、31…コイルバネ、32
…小球、40…固定ピン、41…弾性部材、42…可動
ピン、50…切欠、51…中間部材、52…ベース部、
53…係合部、54…腕部、60…ピン、61…Cリン
グ、62…凹部、63…弁体、64…板バネ、70…中
空部、71…絞り弁本体、72…弁体、73…コイルバ
ネ、71…切欠

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引戸(1)の開閉方向に沿って配設され
    たラック(2)と噛合して回転するピニオン(7)と、
    該ピニオン(7)に回転負荷を与えることによって引戸
    (1)を減速させる制動ブレーキ部(10)とを備えた
    引戸制動装置において、制動ブレーキ部(10)による
    ピニオン(7)への回転負荷の付与に制限を加える過負
    荷防止機構を備えていることを特徴とする引戸制動装
    置。
  2. 【請求項2】 ピニオン(7)には回転体(14)が装
    着され、制動ブレーキ部(10)は、ピニオン(7)に
    回転体(14)及び回転中心軸(9)を介して回転負荷
    を付与し、回転体(14)と回転中心軸(9)との間に
    過負荷防止機構としてのトルクリミッタ(30,31,
    32)が設けられている請求項1記載の引戸制動装置。
  3. 【請求項3】 制動ブレーキ部(10)は、ピニオン
    (7)にその回転中心軸(9)を介して回転負荷を付与
    し、ピニオン(7)と回転中心軸(9)との間に過負荷
    防止機構としてのトルクリミッタ(50,53,54)
    が設けられている請求項1記載の引戸制動装置。
  4. 【請求項4】 制動ブレーキ部(10)は油圧式ブレー
    キであり、過負荷防止機構は、油圧式ブレーキの油圧を
    一時的に下げることによって回転負荷を制限する請求項
    1記載の引戸制動装置。
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