JP2002339527A - 屋根下葺材 - Google Patents
屋根下葺材Info
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Abstract
優れ、しかも防滑性に優れるとともに作業者の靴裏にべ
とつきが生じ難くく、生産性に優れた屋根下葺材を提供
する。 【解決手段】 少なくとも一層の防水性および透湿性を
有する見かけ密度が0.15g/cm3以上の透湿防水層
と、はっ水度が3以上で繊度が0.01〜10dtex
の繊維からなる不織布層の少なくとも一層とが積層され
てなり、耐水圧が300mmH2O以上で、かつ透湿度
が500g/m2/24hrs以上である屋根下葺材。
Description
配を有する屋根の施工に用いられる屋根下葺材に関す
る。
根下葺材を野地材に釘やステープルを用いて固定し、屋
根材をその上に乗せる。屋根下葺材としては、一般に、
アスファルトを含浸させた紙や布等から成るアスファル
トルーフィング材が用いられている他、ポリ塩化ビニル
シートやポリエチレン樹脂シートが用いられている。そ
して、これらの屋根下葺材を用いることによって、屋根
の防水性を高めている。
裏側に進入した雨水を遮断する優れた防水性を有してい
るが、湿気や水蒸気を自由に通過させる透湿性を有して
いない。従って、屋根裏の換気が不十分な場合や、寒冷
地等における建物にて使用した場合、屋根材とアスファ
ルトルーフィング材との間、あるいはアスファルトルー
フィング材と野地材との間に結露が生じるという問題を
有する。
作業者がその上を歩行するとき、滑り易いといった問題
もある。更には、夏場には高温のためアスファルトが軟
化し、作業者の靴裏にべとつきが生じるといった問題も
ある。
の性能が劣化し易く、長期間にわたって防水性を保持す
ることが困難である。加えて、アスファルトルーフィン
グ材を野地材に釘やステープルを用いて固定するが、ア
スファルトルーフィング材は寸法安定性が悪く収縮し易
いので、釘穴やステープル穴が大きくなる傾向にあり、
かかる釘穴やステープル穴から雨水等が屋根裏に侵入
し、野地材や屋根材が腐食するといった問題がある。
シートを屋根下葺材として用いた場合にも、これらの材
料は寸法安定性が悪く収縮し易いので、釘穴が大きくな
る傾向にあり、かかる釘穴から雨水等が屋根裏に侵入す
るといった問題があり、さらに、これらの材料は滑り易
い、湿気や水蒸気を自由に通過させる透湿性を有してい
ないという問題もある。
は、アスファルトを用いない屋根下葺材として、フラッ
シュ紡糸法による不織布を用いて、釘穴シール性、特に
釘軸廻り水密シール性を改善することを目的として、不
織布の表面の釘打ち込み部分に伸縮性、粘着性の樹脂を
塗布することが記載されている。しかしながら、この特
許に開示された屋根下葺材は、樹脂を塗布し、乾燥する
工程が煩雑であるとともに、樹脂の塗布量の低減化とそ
のコントロールに難点があり、得られた下地材も作業者
が特に降雨時に滑り易いといった問題点を有する。
を鑑みてなされたものであって、その目的は、防水性お
よび透湿性を兼備し、釘孔シール性に優れ、しかも防滑
性に優れるとともに作業者の靴裏にべとつきが生じ難い
屋根下葺材を提供することにある。
記課題を解決するために次の構成とするものである。 (1)少なくとも一層の防水性および透湿性を有する見
かけ密度が0.15g/cm3以上の透湿防水層と、はっ
水度が3以上で繊度が0.01〜10dtexの繊維か
らなる不織布層の少なくとも一層とが積層されてなり、
耐水圧が300mmH2O以上で、かつ透湿度が500
g/m2/24hrs以上であることを特徴とする屋根
下葺材である。 (2)はっ水度が両面共に3以上であることを特徴とす
る前記(1)に記載の屋根下葺材である。 (3)片面もしくは両面に防滑層が存在することを特徴
とする前記(1)〜(2)に記載の屋根下葺材である。
水性および透湿性、釘孔シール性に優れ、しかも防滑性
や作業者の靴裏にべとつきが生じ難い屋根下葺材を提供
するために鋭意検討したところ、少なくとも不織布のは
っ水度と見かけ密度をある特定の値以上にすることによ
って、釘孔シール性をより一層改善できることを見出し
た。以下、本発明について詳細に説明する。
度は、0.01〜10dtexである。繊度が0.01d
texより小さくなると、所望の力学特性が得られなか
ったり、不織布製造時に紡糸安定性の低下を招いたりす
るので好ましくない。一方、10dtexより大きくな
ると、所望の釘孔シール性を得るためには目付をかなり
大きくする必要があり、コスト高を招くので好ましくな
い。
るいは長繊維不織布のどちらでもよいが、力学的特性の
観点から長繊維不織布の方が好ましい。また、その製造
法も特に限定されないが、好ましい方法としては、例え
ば短繊維不織布であれば、カーディング法やエアレイ法
等が挙げられ、長繊維不織布であれば、スパンボンド法
やメルトブロー法等が例示される。
らなる合成繊維が好ましいが、必要に応じて天然繊維や
再生繊維、半合成繊維、無機繊維等を混綿あるいは混繊
したものであってもよい。また、合成繊維についても繊
維形成能を有するものであれば特に限定されず、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタ
ル酸を共重合した低融点ポリエステル等のポリエステル
類、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二〜三元共
重合体等のポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン6
6等のポリアミド類、もしくはこれらの混合物や共重合
体などを用いることができる。また、単一成分系の合成
繊維に限定されるものではなく、芯鞘型や偏心芯鞘型、
並列型、海島型等の多成分系であってもよく、繊維断面
の形状にも格別の制限はない。また、必要に応じて、例
えば、艶消し剤や顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、結晶核剤、難燃剤などの各種添加剤を併用する
ことも可能である。更に、釘孔シール性の改善を目的と
して、繊維に吸水性樹脂等を担持させてもよい。
しくは、4以上である。はっ水度が2以下となると、所
望の釘孔シール性を得ることができない。
は、フッ素系やシリコン系、ワックス系などのはっ水剤
を含浸法やスプレー法等の加工法を用いて処理した後、
乾燥およびキュアリングを行えばよい。
布層とがそれぞれ少なくとも一層以上は存在し、例え
ば、透湿防水層/不織布層や透湿防水層/不織布層/透
湿防水層、不織布層/透湿防水層/不織布層等が挙げら
れるが、これらに何ら限定されるものではない。
や微多孔タイプのどちらでもよく、例えば、無孔タイプ
の場合の透湿防水性樹脂としては、ウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂等が挙げられ、公知のコーティング法やラミ
ネート法、あるいは含浸法によって透湿防水層を形成す
ることができ、これらに限定されるものではないが、透
湿防水性樹脂を押し出しラミネート法によって無孔膜を
形成させつつ積層する方法が簡便で生産性に優れている
ため好ましい。
め、コーティング法あるいは含浸法によって透湿防水性
樹脂を付与して透湿防水層を形成させる際には、不織布
中への透湿防水性樹脂の浸透を抑制することができ、透
湿防水性樹脂の付与量の低減化およびコントロールが容
易になる。
んだ樹脂フィルムを延伸して微多孔膜としたものを透湿
防水層としてもよい。また、必要に応じて、例えば、艶
消し剤や顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
難燃剤などの各種添加剤を樹脂と併用することも可能で
ある。更に、吸水性樹脂等を含有させ、その吸水時膨潤
によって釘孔シール性を改善することも可能である。
に3以上であることが好ましい。より好ましくは、4以
上である。はっ水度が2以下となると、釘孔シール性の
低下を招く恐れがあるので好ましくない。
3以上とするためには、フッ素系やシリコン系、ワック
ス系などのはっ水剤を含浸法等の加工法を用いて処理し
た後、乾燥およびキュアリングを行えばよい。
0.15g/cm3以上であり、好ましくは、0.20g
/cm3以上である。更に好ましくは、0.25g/cm
3以上である。見かけ密度が0.15g/cm3より小さ
くなると、所望の釘孔シール性を得ることが難しくなる
ので好ましくない。
15g/cm3以上とするためには、紡糸・延伸・開繊
・捕集によって得られた不織ウェブをエンボスカレンダ
ーやプレーンカレンダーで部分あるいは全面熱圧着した
不織布を用いる方法や、不織ウェブにニードルパンチ加
工および/または樹脂含浸加工を施したものを前記と同
様にして部分あるいは全面熱圧着した不織布を用いる方
法等が挙げられるが、これらに何ら限定されるものでは
ない。
mH2O以上で、かつ透湿度が500g/m2/24hr
s以上である。好ましくは、耐水圧が500mmH2O
以上で、かつ透湿度が700g/m2/24hrs以上
である。耐水圧が300mmH2Oより小さくなると、
屋根下葺材としての防水性に劣る。また、透湿度が50
0g/m2/24hrsより小さくなると、結露を充分
に抑えることが難しくなる。
に防滑層が存在していることが好ましい。これによって
勾配屋根の下葺材または上葺材の施工時に滑ることがな
く、雨などで下葺材表面が濡れていても作業者が滑って
事故となるようなことを防ぐことができる。具体的な防
滑加工としては、例えば、骨材や発泡材、各種粉体など
をバインダーを用いて接着させる方法、ホットメルト材
等を熱溶融して接着性を発揮するものをドット状、ある
いは筋状に接着させる方法等が挙げられるが、これらに
何ら限定されるものではない。
更に具体的に説明するが、本発明はもとより下記の実施
例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨
に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも
可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包
含される。なお、下記実施例および比較例で用いた評価
法は下記の通りである。 (1)ポリエチレンテレフタレートの極限粘度[dl/
g] フェノールとテトラクロロエタンの6:4重量混合溶液
を溶媒として、溶媒25mlに試料0.1gを溶解し、
温度30℃の条件で常法によって測定した。 (2)繊度[dtex] 走査型電子顕微鏡で撮影した表面写真を用いて繊維径を
n=20で測定し、密度補正を行って算出した。
付[g/m2] JIS L 1906に準拠して測定した。 (4)不織布の厚さ[mm] JIS L 1906に準拠し、荷重2kPaで測定し
た。
を用いて、下記の式から算出した。 見かけ密度=不織布の目付/(不織布の厚さ/103)
/106 (6)はっ水度 JIS L 1092 はっ水度試験(スプレー試験)に
準拠して測定した。
水圧法)に準拠して測定した。 (8)透湿度 JIS L 1099 塩化カルシウム法に準拠して測定
した。
100mmの円形のろ紙を置き、このろ紙上に測定試料
を置く。そして、特殊釘(直径3mm,長さ25mm)
を測定試料とろ紙の上から釘の頭が10mm程度残るよ
うに合板に打ち込んだ後、内径40mm、高さ100m
mの塩化ビニル樹脂製パイプを測定試料の上に置く。そ
して、塩化ビニル樹脂製パイプの底部と測定試料との間
から水が漏れないように接着剤でシーリングを行う。そ
の後、塩化ビニル樹脂製パイプ内に高さ30mmまで着
色水を注入し、24時間放置する。そして、塩化ビニル
樹脂製パイプ内の水位低下およびろ紙の着色状態を観察
する。
パンボンド法によって紡糸、冷却、延伸、開繊、捕集
し、繊度2.2dtexの長繊維からなる目付100g
/m2の不織ウェブを製造し、これをエンボスロールと
フラットロールからなる熱圧着装置を用いて部分的に熱
圧着し、長繊維不織布を製造した。次に、該長繊維不織
布に明成化学工業社製の撥水剤(商品名:アサヒガード
AG−710)を用いてパッド、ドライ、キュア処理
を行い、撥水加工を行った。この時の撥水剤の付着量は
3g/m2であった。さらに、該長繊維不織布に透湿防
水層として東洋紡績社製のポリエステルエラストマー
(商品名:ペルプレンP30B)を厚さが20μmとな
るように押し出しラミネート加工を行い、本発明の屋根
下葺材を作製した。得られた屋根下葺材の特性を表1に
示す。
からなる目付100g/m2の不織ウェブを製造し、こ
れをエンボスロールとフラットロールからなる熱圧着装
置を用いて部分的に熱圧着し、長繊維不織布を製造し
た。次に、該長繊維不織布に透湿防水層として東洋紡績
社製のポリエステルエラストマー(商品名:ペルプレン
P30B)を厚さが20μmとなるように押し出しラミ
ネート加工を行った後、明成化学工業社製の撥水剤(商
品名:アサヒガード AG−710)を用いてパッド、
ドライ、キュア処理を行い、本発明の屋根下葺材を作製
した。この時の撥水剤の付着量は4g/m2であり、得
られた屋根下葺材の特性を表1に示す。
からなる目付50g/m2の不織ウェブを製造し、これ
をエンボスロールとフラットロールからなる熱圧着装置
を用いて部分的に熱圧着し、長繊維不織布を製造した。
次に、該長繊維不織布を2反用意し、その間に透湿防水
層として東洋紡績社製のポリエステルエラストマー(商
品名:ペルプレンP30B)を厚さが20μmとなるよ
うにサンドラミネート加工を行った後、明成化学工業社
製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)を
用いてパッド、ドライ、キュア処理を行い、本発明の屋
根下葺材を作製した。この時の撥水剤の付着量は4g/
m2であり、得られた屋根下葺材の特性を表1に示す。
からなる目付105g/m2の不織ウェブを製造し、こ
れにニードルパンチ加工を行って三次元的に交絡させ、
さらに、二組のフラットロールからなる熱圧着装置を用
いて全面的に熱圧着し、目付100g/m2の長繊維不
織布を製造した。次に、該長繊維不織布に透湿防水層と
して東洋紡績社製のポリエステルエラストマー(商品
名:ペルプレンP30B)を厚さが20μmとなるよう
に押し出しラミネート加工を行った後、明成化学工業社
製の撥水剤(商品名:アサヒガード AG−710)を
用いてパッド、ドライ、キュア処理を行い、本発明の屋
根下葺材を作製した。この時の撥水剤の付着量は4g/
m2であり、得られた屋根下葺材の特性を表1に示す。
屋根下葺材を作製した。得られた屋根下葺材の特性を表
1に示す。
屋根下葺材を作製した。得られた屋根下葺材の特性を表
1に示す。
からなる目付105g/m2の不織ウェブを製造し、こ
れにニードルパンチ加工を行って三次元的に交絡させ、
目付100g/m2の長繊維不織布を製造した。次に、
該長繊維不織布に透湿防水層として東洋紡績社製のポリ
エステルエラストマー(商品名:ペルプレンP30B)
を厚さが20μmとなるように押し出しラミネート加工
を行った後、明成化学工業社ペルプレン製の撥水剤(商
品名:アサヒガード AG−710)を用いてパッド、
ドライ、キュア処理を行い、屋根下葺材を作製した。こ
の時の撥水剤の付着量は4g/m2であり、得られた屋
根下葺材の特性を表1に示す。
いずれも本発明の請求範囲内にあり、防水性および透湿
性に優れ、しかも優れた釘孔シール性を有していた。そ
れに対し、比較例1および2ははっ水度が、比較例3は
見かけ密度が本発明の請求範囲外にあり、釘孔シール性
において劣るものであった。
有する透湿防水層と、はっ水度が3以上で、かつ繊度が
0.01〜10dtexの繊維からなる不織布層とを少
なくとも一層以上存在するため、優れた防水性と透湿性
とを兼備し、かつ優れた釘孔シール性を有する屋根下葺
材を提供することができる。
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも一層の防水性および透湿性を有
する見かけ密度が0.15g/cm3以上の透湿防水層
と、はっ水度が3以上で繊度が0.01〜10dtex
の繊維からなる不織布層の少なくとも一層とが積層され
てなり、耐水圧が300mmH2O以上で、かつ透湿度
が500g/m2/24hrs以上であることを特徴と
する屋根下葺材。 - 【請求項2】はっ水度が両面共に3以上であることを特
徴とする請求項1に記載の屋根下葺材。 - 【請求項3】片面もしくは両面に防滑層が存在すること
を特徴とする請求項1〜2に記載の屋根下葺材。
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JP2001151244A JP3994311B2 (ja) | 2001-05-21 | 2001-05-21 | 屋根下葺材 |
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JP2004276332A (ja) * | 2003-03-13 | 2004-10-07 | Ootsuka:Kk | 透湿防水性土木用シート及びその製造方法 |
JP2005187978A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Toyobo Co Ltd | 連続繊維不織布 |
US20200399904A1 (en) * | 2019-06-24 | 2020-12-24 | Owens Corning Intellectual Capital, Llc | Roofing underlayment with hydrophobic nonwoven core |
CN114293322A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-08 | 湖北拓盈新材料有限公司 | 高透湿低渗水复合无纺布的制备方法 |
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2001
- 2001-05-21 JP JP2001151244A patent/JP3994311B2/ja not_active Expired - Fee Related
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