JP2005187978A - 連続繊維不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)固有粘度が0.63以上のポリエチレンテレフタレートを主成分とした連続繊維がランダムに開繊交絡してなる見掛の嵩密度が50kg/m3〜300kg/m3の不織布において、連続繊維を構成する単繊維が、引張強力が4cN/dtex以上、伸度が40%以上150%以下、180℃での乾熱収縮率が4%以下、010面の見掛けの結晶サイズACS(010)≧40Å、比重≧1.37であるスパンボンド不織布であり、(B)単繊維の繊度が3dtex〜8dtexで、ニードルパンチ加工されてなる、厚みが0.5mm以上である(A)記載のスパンボンド不織布であり、(C)繊維の010面の見掛けの結晶サイズACS(010)≧50Å、比重≧1.39で、樹脂加工されてなる(A)、(B)記載のスパンボンド不織布である。
【選択図】 なし
Description
(A)固有粘度が0.63以上のポリエチレンテレフタレートを主成分とした連続繊維がランダムに開繊交絡してなる見掛の嵩密度が50kg/m3〜300kg/m3の不織布において、連続繊維を構成する単繊維が、引張強力が4cN/dtex以上、伸度が40%以上150%以下、180℃での乾熱収縮率が5%以下、010面の見掛けの結晶サイズACS(010)≧40Åであることを特徴とするスパンボンド不織布である。
(B)比重≧1.37であることを特徴とするスパンボンド不織布である。
(C)単繊維の繊度が3dtex〜8dtexで、ニードルパンチ加工されてなる、厚みが0.5mm以上である(A)又は(B)いずれかに記載のスパンボンド不織布である。
(D)繊維の010面の見掛けの結晶サイズACS(010)≧50Å、比重≧1.39で、樹脂加工されてなる(A)、(B)、(C)いずれかに記載のスパンボンド不織布である。
本発明の繊維配列は、通常のスパンボンド不織布の構造であるランダムな繊維配列を前提として直交配列とは異なる。本発明の単繊維特性を満たす直交配列構造では更に優れた力学特性を示せるが、汎用のランダム構造で、従来の直交配列品と同等もしくはそれ以上の力学特性を付与して安価に提供することを目的としている。
本発明の不織布は、見掛けの嵩密度が50kg/m3〜300kg/m3であってもよい。50kg/m3以下では、不織布の補強効果が不十分となるので好ましくない。300kg/m3以上では、アスファルトルーフィング用途では、含浸性が劣るので好ましくない。本発明のより好ましい見掛けの嵩密度は70kg/m3〜200kg/m3であり、更に好ましくは90kg/m3〜150kg/m3である。
本発明の不織布は、上記マクロ構造と共に、構成長繊維が以下の要件を満たすことが好ましい。即ち、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする組成からなる単繊維の引張強力が4cN/dtex以上、伸度が40%以上150%以下、180℃の乾熱収縮率が4%以下、010面の見掛けの結晶サイズACS(010)≧40Å、比重≧1.37である。
本発明におけるポリエチレンテレフタレートを主成分とするとは、エチレンテレフタレート単位を90モル%以上含有する組成であり、好ましくは含有率98%以上、より好ましくは含有率99%以上である。
本発明の不織布を構成するポリエチレンテレフタレート長繊維は、力学特性を保持するために固有粘度が0.63以上であることが好ましい。固有粘度が0.63未満では、紡糸時の配向結晶化を生起する引取速度が高くなるので、4000m/分〜5500m/分の引取速度範囲では配向結晶化が充分進まない状態となり、低収縮化及び力学特性付与による嵩高化が不充分となるので好ましくない。他方、固有粘度が1.6を越える場合、4000m/分〜5500m/分で配向結晶化が進み過ぎてボイドを発生し、低比重化するため、力学特性の低下を招き好ましくない。本発明より好ましい固有粘度は0.68〜1.4であり、更に好ましくは0.70〜1.2である。
本発明にかかる不織布を構成する繊維の単繊維での引張強度は4cN/dtex以上であってもよい。4cN/dtex以下では、不織布の強力が劣るので好ましくない。好ましい引張強力は4.5cN/dtex以上、より好ましくは5cN/dtex以上である。上限は特には限定されないが、本発明での必要な伸度から実質的には8〜9cN/dtexが上限となる。
本発明の不織布を構成する繊維の単繊維での伸度は40%以上150%以下であってもよい。40%以下では、不織布の柔軟性が劣るので好ましくない。伸度が150%以上では、不織布の寸法安定性が劣るので好ましくない。本発明のより好ましい伸度は50%〜120%、更に好ましい伸度は60〜100%である。
本発明の不織布を構成する繊維の単繊維での乾熱180℃の収縮率は5%以下であってもよい。5%以下に到達したものは、耐熱性を有し、熱履歴を受けても力学特性の保持性が良好となる。この理由は明確ではないが、配向結晶化を生じる段階で、伸張粘度の高くなる繊維表面の配向結晶化が内層より進むためシースコア構造が形成され、シース部の結晶化がより進んでコア部の非晶の動きを拘束しているためではないかと類推される。乾熱180℃の収縮率が5%以上では、例えばルーフィング製造過程で、熱収縮による変形が大きくなり製品の仕上りが悪くなるので好ましくない。本発明での好ましい乾熱180℃の収縮率は3%以下、より好ましくは2%以下である。
本発明の不織布を構成する繊維の010面の見掛けの結晶サイズ(以下ACS(010)と略す)は40Å以上必要であることが好ましい。40Å以下では、熱履歴を受けると、上記力学特性を満たしても力学特性が低下して、最終製品のルーフィングとしたときの不織布の補強効果が不充分となり、力学特性の劣るルーフィングとなり、好ましくない。この理由は明確ではないが、結晶が大きいほど、非晶の動きを拘束して力学特性の低下を抑制するものと類推される。本発明のより好ましいACS(010)は45Å以上であり、更に好ましくは48Å以上である。
本発明の不織布を構成する繊維の比重は、1.37以上であることが好ましい。1.37未満の場合は巨大な結晶が形成されていても熱履歴を受けると力学特性の低下が大きくなり好ましくない。その理由は明確ではないが、結晶化度が低いため、結晶による非晶の拘束が不充分となり、力学特性が低下するものと類推される。本発明のより好ましい比重は1.38以上であり、更に好ましくは1.39以上である。上限は特に限定されない。最大はポリエチレンテレフタレートの結晶比重である1.515以下となる。
本発明の不織布の厚みは、特には限定されないが、樹脂含浸してルーフィング用途として使用する場合は0.5mm以上が好ましい。見掛けの密度が200kg/m3以上の場合は、0.5mm以下では、十分な樹脂含浸が困難な場合を生じる。より好ましくは、1mm以上である。上限は用途により決まるので、所望の厚みに積層して絡合処理により所定の厚みとするのが望ましい。
本発明不織布の絡合形態は、特には限定されないが、絡合手段として、嵩高性を容易に付与できるニードルパンチ加工が好ましい。他の嵩高性を保持した絡合形態としては、エンボス加工、樹脂加工などが例示できる。
ニードルパンチ加工された不織布は、ついで、熱処理効果と更に寸法安定性及び剛直性を不織布に付与するために、樹脂加工する場合があり、本発明でもより好ましい実施形態である。硬化性樹脂を付与して乾燥ベーキングすることで、本発明の不織布を構成する単繊維の特性も向上されて、アスファルトを含浸させる場合の耐熱性をさらに向上させることができる。
本発明における樹脂加工による単繊維の好ましい特性は、ACS(010)は50Å以上、より好ましくは60Åであり、比重は1.39以上、より好ましくは1.40以上である。
このような本発明の好ましい特性を満たす単繊維で構成される不織布は、耐熱性に優れており、力学特性を保持して、ランダム配列のスパンボンド不織布でありながら、直交配列の不織布に勝るルーフィングの補強機能を充分に満たす不織布である。
固有粘度0.65以上、1.80以下のポリエチレンテレフタレートを真空乾燥して、少なくとも水分率を0.003重量%以下として紡糸に供することが推奨される。水分率が0.03以上の場合は、水分による加水分解を生じて、本発明に必要な固有粘度0.63以上の繊維を得られない場合があり好ましくない。本発明での好ましい水分率は0.002重量%以下である。乾燥工程を省略して、紡糸段階でベントより水分を除去する場合は、押出機で溶融される直前及び直後に高真空で水分を除去する方法が推奨される。
ついで、常法により、溶融紡糸を行う。紡糸温度は、ポリエチレンテレフタレートの融点より15℃〜40℃高い温度が推奨される。好ましくは25℃〜35℃高い温度が推奨される。固有粘度が低い場合は低い紡糸温度設定、固有粘度が高い場合は高目に設定することが推奨できる。オリフィスから溶融ポリマーを吐出する。吐出量は引取速度に応じて所望の繊度となる最適量とするのが好ましい。本発明では、好ましい繊度が3dtexから8dtexであるから、引取速度が5000m/分であれば、単孔あたりの吐出量は1.5g/分〜4.0g/分とするのが好ましい。吐出するノズルは多数列の小さなノズルを必要個数設置しても良いし、多列の孔を有する一枚のノズルを用いてもよい。吐出された溶融線条は、冷却されつつ細化させて引き取られる。本発明では、配向結晶化開始速度を低くして、より配向結晶化を進めて引取ることで、結晶サイズを大きく成長させて、低収縮で、かつ、必要な力学特性を線条に付与する必要がある。本発明の好ましい構造形成を付与するには、線条の冷却は40℃以下の温度で行うのが好ましい。80℃以上の温度では、溶融線条が冷却され難くなり、配向結晶化速度が高くなるので好ましくない場合がある。
得られた本発明のニードルパンチ不織布は、次いで、樹脂加工して本発明のルーフィング基布として提供する。高温のアスファルトルーフィングに耐える基布用の樹脂加工に用いる樹脂は熱硬化性のものが好ましい。例えば、尿素メラミン系樹脂と反応性アクリル系樹脂、又は自己架橋型アクリル樹脂等をエマルジョン化して用いるのが望ましい。樹脂組成は基布に必要な剛直性により設定するのが望ましい。ニードルパンチ不織布はエマルジョン化した樹脂を含浸させて、乾燥―ベーキングすることで樹脂を熱硬化させて本発明のルーフィング基布用不織布が得られる。
かくして得られた本発明のスパンボンド不織布は、耐熱性に優れ、力学特性及び嵩高性を保持して含浸性が必須要件となるルーフィング基布にも最適な不織布として安価に提供することができる。
なお、本発明における例示は、これらに限定されるものではない。
<単繊維の繊度>
JIS−L1015(1999)に準拠して測定。
<単繊維の引張強度(引張り強さ)及び伸度(伸び率)>
JIS−L1015(1999)に準拠して測定。
<比 重>
n−ヘプタンと四塩化炭素よりなる密度勾配管を作成し、30℃±0.1℃に調温された密度勾配管中に十分に脱泡した試料を入れ、5時間放置後の密度勾配管中の試料位置を、密度勾配管の目盛りで読みとった値を、標準ガラスフロートによる密度勾配管目盛〜比重キヤリブレーショングラフから比重値に換算し、n=4で測定。比重値は原則として小数点以下4桁まで読む。
<単繊維の180℃乾熱収縮率>
JIS−L1015(1999)に準拠して乾熱180℃にて処理し測定する。
<厚さ>
JIS−L1906(2000)に準拠して測定。
<見掛けの嵩密度>
JIS−L1906(2000)に準拠して測定した厚み(t)及び単位面積当りの質量(m2)より、見掛け密度(ρ)を下記式にて単位はkg/m3にて求める。
ρ=m2/t
<不織布中の繊維の配列状態>
不織布を5箇所から10cm角に切断して試料とし、約10倍〜50倍に拡大して、その表裏面の単繊維の配列方向を観察して配列状態を判断する。なお、厚みが1mm以上の場合は、厚み方向に1mm毎にスライスして同様にして配列状態を判断する。配列状態の判断は、MD方向を垂線として180°を8分割して、15°毎に配列繊維の本数を数える。特定方向30°以内と配列軸と45°ずれた方向の30°以内の繊維配列本数が、全繊維本数の各40%以上を占める場合を直交配列とし、特定方向のみに配列した繊維本数が80%以上の場合を直列配列とし、他の場合をランダム配列として判断する。なお、スライスした場合は、スライスした両面の繊維本数も含めた5箇所分全数で判断する。
<不織布の引張り強さと伸び率>
JIS−L1906(2000)に準拠して測定。
<アスファルトルーフィングの引張強さ>
JIS−A6005(1991)に準拠して測定。
水分率0.002重量%に乾燥した固有粘度0.72のポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)を紡糸温度285℃にて、オリフィス径φ0.3mmのノズルより、単孔吐出量3g/分で紡糸し、ノズル下50mmより25℃の空気を風速0.5m/秒にて冷却しつつ、ノズル下1.2mの点に設置したエジェクターで糸速5000m/分の速度で吸引させつつ引取り、下方1.5mの50m/分の速度で移動している引取ネット面へ繊維束を開繊させつつ振り落とし積層した。ネット面に積層されたウエッブは連続して、繊維の弾性回復を抑制するため、直ちに仮押さえローラーでプレ圧縮して引取ローラーに巻き取った。
得られた仮押さえスパンボンド不織布の厚みは1.5mm、見掛けの嵩密度は95kg/m3、繊維配列はランダムな形態であり、構成する長繊維の単繊維特性は、繊度6dtex、引張強さ5.2cN/dtex、伸び率76%、180℃の乾熱収縮率2.8%、ACS(010)49Å、比重1.38、固有粘度0.68であった。
次いで、巻き取った不織布をペネ60でニードルパンチして、ニードルパンチスパンボンド不織布を得た。
得られたニードルパンチスパンボンド不織布の厚みは、1.4mm、見掛け嵩密度110kg/m3、縦方向(MD)の引張強さ580N/5cm、伸び率62%、横方向(CD)の引張強さ340N/5cm、伸び率68%であった。
次いで、メラミン尿素系樹脂とアクリル系樹脂のエマルジョンにディップして絞り、水分を乾燥後、ベーキング処理して、見掛け密度150kg/m3、180℃乾熱収縮率がMD方向0.6%、CD方向0%の樹脂加工スパンボンド不織布を得た。
得られた樹脂加工スパンボンド不織布中の単繊維は、ACS(010)60Å、比重1.43であった。
この樹脂加工スパンボンド不織布を基布として、200℃のアスファルトを含浸させてアスファルトルーフィングを作成した。工程中での変形も認められず、仕上りも良好なアスファルトルーフィングが得られた。得られたルーフィングの引張強さは、縦方向101N/cm、横方向64N/cmと優れた強力を有するアスファルトルーフィングであった。なお、断面を切断してアスファルトの含浸状態を観察すると、均一に含浸されている。
固有粘度0.85のPETを用い、紡糸温度290℃、単孔吐出量2.0g/分とした以外、実施例1と同様にして得られた仮押さえスパンボンド不織布の厚みは1.0mm、見掛けの嵩密度は120kg/m3、繊維配列はランダムな形態であり、構成する長繊維の単繊維特性は、繊度4dtex、引張強さ5.8cN/dtex、伸び率63%で、180℃の乾熱収縮率2.1%、ACS(010)50Å、比重1.39、固有粘度0.76であった。
次いで、巻き取った不織布をペネ60でニードルパンチして、ニードルパンチスパンボンド不織布を得た。
得られたニードルパンチスパンボンド不織布の厚みは、0.9mm、見掛け嵩密度130kg/m3、縦方向(MD)の引張強さ600N/5cm、伸び率64%、横方向(CD)の引張強さ370N/5cm、伸び率69%であった。
次いで、メラミン尿素系樹脂とアクリル系樹脂のエマルジョンにディップして絞り、水分を乾燥後、ベーキング処理して、見掛け密度160kg/m3、180℃乾熱収縮率がMD方向0.2%、CD方向0%の樹脂加工スパンボンド不織布を得た。
得られた樹脂加工スパンボンド不織布中の単繊維は、ACS(010)62Å、比重1.44であった。
この樹脂加工スパンボンド不織布を基布として、200℃のアスファルトを含浸させてアスファルトルーフィングを作成した。工程中での変形も認められず、仕上りも良好なアスファルトルーフィングが得られた。得られたルーフィングの引張強さは、縦方向108N/cm、横方向70N/cmと優れた強力を有するアスファルトルーフィングであった。なお、断面を切断してアスファルトの含浸状態を観察すると、均一に含浸されている。
固有粘度0.63のPETを用い、単孔吐出量2.7g/分、引取速度4500m/分とし、目付合わせのため引取りネット速度を変更した以外、実施例1と同様にして得た仮押さえスパンボンド不織布の厚みは1.4mm、見掛けの嵩密度は100kg/m3、繊維配列はランダムな形態であり、構成する長繊維の単繊維特性は、繊度6dtex、引張強さ3.2cN/dtex、伸び率164%で、180℃の乾熱収縮率18.4%、ACS(010)28Å、比重1.35、固有粘度0.60であった。
次いで、巻き取った不織布をペネ60でニードルパンチして、ニードルパンチスパンボンド不織布を得た。
得られたニードルパンチスパンボンド不織布の厚みは、1.3mm、見掛け嵩密度120kg/m3、縦方向(MD)の引張強さ320N/5cm、伸び率98%、横方向(CD)の引張強さ185N/5cm、伸び率105%であった。
次いで、メラミン尿素系樹脂とアクリル系樹脂のエマルジョンにディップして絞り、水分を乾燥後、ベーキング処理して、見掛け密度165kg/m3、180℃乾熱収縮率がMD方向1.9%、CD方向1.0%の樹脂加工スパンボンド不織布を得た。なお、ベーキング時に伸張変形が若干認められた。
得られた樹脂加工スパンボンド不織布中の単繊維は、ACS(010)42Å、比重1.37であった。
この樹脂加工スパンボンド不織布を基布として、200℃のアスファルトを含浸させてアスファルトルーフィングを作成した。工程中での熱変形が若干認めら、仕上りはやや不良なアスファルトルーフィングが得られた。得られたルーフィングの引張強さは、縦方向46N/cm、横方向23N/cmとJIS規格を外れる強力を有するアスファルトルーフィングであった。なお、断面を切断してアスファルトの含浸状態を観察すると、均一に含浸されている。
単孔吐出量を3.3g/分、引取速度を5000m/分にし、ネット速度を目付調整で変更した以外、比較例1と同様にして得た仮押さえスパンボンド不織布の厚みは1.5mm、見掛けの嵩密度は95kg/m3、繊維配列はランダムな形態であり、構成する長繊維の単繊維特性は、繊度6dtex、引張強さ3.7cN/dtex、伸び率150%で、180℃の乾熱収縮率4.0%、ACS(010)32Å、比重1.36、固有粘度0.60であった。
次いで、巻き取った不織布をペネ60でニードルパンチして、ニードルパンチスパンボンド不織布を得た。
得られたニードルパンチスパンボンド不織布の厚みは、1.4mm、見掛け嵩密度115kg/m3、縦方向(MD)の引張強さ395N/5cm、伸び率88%、横方向(CD)の引張強さ235N/5cm、伸び率101%であった。
次いで、メラミン尿素系樹脂とアクリル系樹脂のエマルジョンにディップして絞り、水分を乾燥後、ベーキング処理して、見掛け密度150kg/m3、180℃乾熱収縮率がMD方向1.1%、CD方向0.5%の樹脂加工スパンボンド不織布を得た。なお、ベーキング時の伸張変形はほとんど認めらなかった。
得られた樹脂加工スパンボンド不織布中の単繊維は、ACS(010)46Å、比重1.38であった。
この樹脂加工スパンボンド不織布を基布として、200℃のアスファルトを含浸させてアスファルトルーフィングを作成した。工程中での熱変形が若干認めら、仕上りは良好なアスファルトルーフィングが得られた。得られたルーフィングの引張強さは、縦方向58N/cm、横方向31N/cmとJIS規格をぎりぎりで満足する強力を有するアスファルトルーフィングであった。なお、断面を切断してアスファルトの含浸状態を観察すると、均一に含浸されている。
固有粘度0.63のPETを用い、単孔吐出量2.1g/分にて通常の紡糸を行い、引取速度2500m/分にて、繊維をトウ状で一旦トウ缶に振り落とした。次いで、トウを引き揃え、1段目60℃温浴にて1.4倍延伸し、連続して160℃にて定長熱処理を行った延伸トウを、エジェクターで牽引開繊しつつネットに振り落とし積層して、押さローラーで仮圧縮して仮圧縮不織布を得た。得られた仮押さえスパンボンド不織布の厚みは1.5mm、見掛けの嵩密度は100kg/m3、繊維配列はランダムな形態であり、構成する長繊維の単繊維特性は、繊度6dtex、引張強さ3.8cN/dtex、伸び率52%で、180℃の乾熱収縮率12.0%、ACS(010)38Å、比重1.36、固有粘度0.59であった。
次いで、巻き取った不織布をペネ60でニードルパンチして、ニードルパンチスパンボンド不織布を得た。
得られたニードルパンチスパンボンド不織布の厚みは、1.3mm、見掛け嵩密度110kg/m3、縦方向(MD)の引張強さ430N/5cm、伸び率68%、横方向(CD)の引張強さ260N/5cm、伸び率75%であった。
次いで、メラミン尿素系樹脂とアクリル系樹脂のエマルジョンにディップして絞り、水分を乾燥後、ベーキング処理して、見掛け密度150kg/m3、180℃乾熱収縮率がMD方向1.8%、CD方向0.5%の樹脂加工スパンボンド不織布を得た。
得られた樹脂加工スパンボンド不織布中の単繊維は、ACS(010)48Å、比重1.38であった。
この樹脂加工スパンボンド不織布を基布として、200℃のアスファルトを含浸させてアスファルトルーフィングを作成した。工程中での変形が若干認めらたが、仕上りは良好なアスファルトルーフィングが得られた。得られたルーフィングの引張強さは、縦方向62N/cm、横方向38N/cmとJIS規格をギリギリで合格する強力を有するアスファルトルーフィングであった。なお、断面を切断してアスファルトの含浸状態を観察すると、均一に含浸されている。
単孔吐出量を7.5g/分とし、ネットの引取速度を変更した以外、実施例1と同様にして得られた仮押えスパンボンド不織布の厚みは2.2mm、見掛けの嵩密度は40kg/m3、繊維配列はランダムな形態であり、構成する長繊維の単繊維特性は、繊度15.1dtex、引張強さ3.7cN/dtex、伸び率81%、180℃の乾熱収縮率4.5%、ACS(010)39Å、比重1.37、固有粘度0.69であった。
次いで、巻き取った不織布をペネ60でニードルパンチして、ニードルパンチスパンボンド不織布を得た。
得られたニードルパンチスパンボンド不織布の厚みは、2.0mm、見掛け嵩密度43kg/m3、縦方向(MD)の引張強さ350N/5cm、伸び率66%、横方向(CD)の引張強さ370N/5cm、伸び率69%であった。
次いで、メラミン尿素系樹脂とアクリル系樹脂のエマルジョンにディップして絞り、水分を乾燥後、ベーキング処理して、見掛け密度400kg/m3、180℃乾熱収縮率がMD方向0.4%、CD方向0.1%の樹脂加工スパンボンド不織布を得た。
得られた樹脂加工スパンボンド不織布中の単繊維は、ACS(010)49Å、比重1.39であった。
この樹脂加工スパンボンド不織布を基布として、200℃のアスファルトを含浸させてアスファルトルーフィングを作成した。工程中で若干の変形が認められた。得られたアスファルトルーフィングの引張強さは、縦方向65N/cm、横方向36N/cmと不織布の補強効果が不充分なため、JIS規格をギリギリで合格する強力を有するアスファルトルーフィングであった。なお、断面を切断してアスファルトの含浸状態を観察すると、均一に含浸されている。
Claims (4)
- 固有粘度が0.63以上のポリエチレンテレフタレートを主成分とした連続繊維がランダムに開繊交絡してなる見掛の嵩密度が50kg/m3〜300kg/m3の不織布において、連続繊維を構成する単繊維が、引張強力が4cN/dtex以上、伸度が40%以上150%以下、180℃での乾熱収縮率が5%以下、010面の見掛けの結晶サイズACS(010)≧40Åであることを特徴とするスパンボンド不織布。
- 連続繊維を構成する単繊維の比重が1.37以上であることを特徴とする請求項1記載のスパンボンド不織布。
- 単繊維の繊度が3dtex〜8dtexで、ニードルパンチ加工されてなる、厚みが0.5mm以上である請求項1又は2いずれか記載のスパンボンド不織布。
- 繊維の010面の見掛けの結晶サイズACS(010)≧50Å、比重≧1.39で、樹脂加工されてなる請求項1〜3いずれかに記載のスパンボンド不織布。
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JP2003430347A JP2005187978A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 連続繊維不織布 |
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