JP6201558B2 - ポリフェニレンスルフィド繊維および不織布 - Google Patents
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Description
この問題に対し、熱寸法安定性を有しながら熱接着性にも優れるPPS長繊維不織布の提案として、加熱した圧空で牽引、延伸し、得られるウェブを熱接着する長繊維不織布を出願人は提案した(特許文献3参照)。係る技術では、確かに熱寸法安定性を有しながら熱接着性を向上させる一定の効果を確認できたものの、高目付になると十分な熱接着性を得ることができなかった。
このため、繊維全体では結晶性が低い繊維であっても、熱接着性に寄与する肝心の繊維表面は結晶性が高く、十分な熱接着性を得ることができなかった。
目付当たりの強伸度積=たて引張強力(N/5cm)×たて引張伸度(%)/目付(g/m2)
(1)メルトフローレート(MFR)(g/10分)
使用した樹脂のMFRは、ASTM D1238−70に準じて測定温度315.5℃で、測定荷重5kgの条件で測定した。
ネット上に捕集した不織ウェブからランダムに小片サンプル10個を採取し、マイクロスコープで500〜1000倍の表面写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維の幅を測定し平均値を算出した。単繊維の幅平均値を、丸形断面形状を有する繊維の平均直径とみなし、使用する樹脂の固形密度から長さ10,000m当たりの重量を平均単繊維繊度として、小数点以下第二位を四捨五入して算出した。
繊維の平均単繊維繊度F(dtex)と各条件で設定した紡糸口金単孔から吐出される樹脂の吐出量D(以下、単孔吐出量と略記する:g/分)から、次の式に基づき、紡糸速度V(m/分)を算出した。
V=(10000×D)/F
ネット上に捕集した不織ウェブから採取した繊維を、樹脂(ビスフェノール系エポキシ樹脂、24時間硬化)に包埋し、ミクロトームにより繊維断面を厚み2.0μmに切片化した試料を作製し、この試料をレーザーラマン分光法にて、以下の条件で得られるラマンスペクトルから、フェニル環−S伸縮バンド(1080cm−1付近)の半値幅を求めた。PPSのフェニル環−S伸縮バンド(1080cm-1付近)は結晶化による秩序性の増大にともない、振動周りの環境が均一化することにより、ラマンバンドの半値幅は小さくなるため、求めた半値幅の値(小さい方が高結晶)で結晶性を評価した。
・装置:近赤外ラマン分光装置 (Photon Design)
・条件:測定モード :顕微ラマン
対物レンズ:×100
ビーム径 :1μm
クロススリット:200μm
光源:YAGレーザー/1064nm
レーザーパワー :1W
回折格子 :Single 300(半値幅:900)gr/mm
スリット :100μm
検出器 :InGaAs/日本ローパーラマン分光
測定位置:(1)繊維表面(繊維直径で繊維表面を基準(0)とした時に0〜
1.0μmの領域)
(2)繊維断面中央(直径/2)
JIS L1913(2010年)6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
JIS L1913(2010年)の6.3.1に準じ、サンプルサイズ5cm×30cm、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/minの条件でたて方向3点の引張試験を行い、サンプルが破断した時の強力をたて引張強力(N/5cm)、また最大荷重時のサンプルの伸びを1mm単位まで測定し、この伸び率(元の長さに対する伸びた長さ)をたて引張伸度(%)とし、たて引張強力(N/5cm)とたて引張伸度(%)のそれぞれの平均値について小数点以下第一位を四捨五入して算出した。続いて、算出したたて引張強力(N/5cm)とたて引張伸度(%)、また(5)で求めた目付(g/m2)から、以下の式より小数点以下第一位を四捨五入して目付当たりの強伸度積を算出した。
目付当たりの強伸度積=たて引張強力(N/5cm)×たて引張伸度(%)/目付(g/m2)
JIS L1913(2010年)6.10.3「乾熱寸法変化率」に準じて測定した。恒温乾燥機内の温度を200℃とし、10分間熱処理した。
(成分A)
100モル%の線状ポリフェニレンスルフィド樹脂(東レ社製、品番:E2280、MFR:160g/10分)を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥して、成分Aとして用いた。
100モル%の線状ポリフェニレンスルフィド樹脂(東レ社製、品番:M2588、MFR:300g/10分)を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥して、成分Bとして用いた。
上記成分Aを芯成分用の押出機で、上記成分Bを鞘成分用の押出機でそれぞれ溶融し、成分Aと成分Bとの質量比が80:20となるように計量し、紡糸温度315℃で、孔径φ0.55mmの矩形芯鞘型紡糸口金から単孔吐出量1.37g/分で芯鞘型複合繊維を紡出した。紡出した繊維を室温20℃の雰囲気下で冷却固化し、前記口金からの距離550mmの位置に設置した矩形エジェクターに通し、空気加熱器で200℃の温度に加熱した空気をエジェクター圧力0.17MPaでエジェクターから噴射させ、糸条を牽引、延伸し、移動するネット上に捕集して不織ウェブ化した。得られた芯鞘型複合長繊維の平均単繊維繊度は2.9dtex、紡糸速度は4,797m/分、結晶性は繊維断面中央よりも繊維表面が低く、紡糸性は1時間の紡糸において糸切れ0回と良好であった。
引き続き、インライン上に設置された金属製の上下一対のカレンダーロールを用い線圧200N/cmおよび仮接着温度90℃で上記不織ウェブを仮接着した。次いで、金属製で水玉柄の彫刻がなされた上ロールおよび金属製でフラットな下ロールから構成される上下一対の接着面積12%のエンボスロールで、線圧1000N/cm、熱接着温度200℃で熱接着し、芯鞘型複合長繊維不織布を得た。得られた芯鞘型複合長繊維不織布の目付は260g/m2、目付当たりの強伸度積は54、熱収縮率はたて方向で0.1%、よこ方向で0.0%であった。
(成分A)
実施例1で用いたものと同様のPPS樹脂を成分Aとして用いた。
(成分B)
実施例1で用いたものと同様のPPS樹脂を成分Bとして用いた。
エジェクター圧力を0.15MPaとしたこと以外は実施例1と同様にして、芯鞘型複合紡糸、不織ウェブ化を行った。得られた芯鞘型複合長繊維の平均単繊維繊度は3.2dtex、紡糸速度は4,317m/分、結晶性は繊維断面中央よりも繊維表面が低く、紡糸性は1時間の紡糸において糸切れ0回と良好であった。
引き続き、実施例1と同様にして上記不織ウェブに仮接着および熱接着を施して芯鞘型複合長繊維不織布を得た。得られた芯鞘型複合長繊維不織布の目付は260g/m2、目付当たりの強伸度積は51、熱収縮率はたて方向で0.1%、よこ方向で0.1%であった。
(成分A)
実施例1で用いたものと同様のPPS樹脂を成分Aとして用いた。
(成分B)
実施例1で用いたものと同様のPPS樹脂を成分Bとして用いた。
実施例1と同様にして、芯鞘型複合紡糸、不織ウェブ化を行った。得られた芯鞘型複合長繊維の平均単繊維繊度は2.9dtex、紡糸速度は4,797m/分、結晶性は繊維断面中央よりも繊維表面が低く、紡糸性は1時間の紡糸において糸切れ0回と良好であった。
引き続き、熱接着温度を140℃としたこと以外は実施例1と同様にして上記不織ウェブに仮接着および熱接着を施して芯鞘型複合長繊維不織布を得た。得られた芯鞘型複合長繊維不織布の目付は260g/m2、目付当たりの強伸度積は62、熱収縮率はたて方向で0.1%、よこ方向で0.0%であった。
(成分A)
実施例1で用いたものと同様のPPS樹脂を成分Aとして用いた。
(成分B)
実施例1で用いたものと同様のPPS樹脂を成分Bとして用いた。
実施例1と同様にして、芯鞘型複合紡糸、不織ウェブ化を行った。得られた芯鞘型複合長繊維の平均単繊維繊度は2.9dtex、紡糸速度は4,797m/分、結晶性は繊維断面中央よりも繊維表面が低く、紡糸性は1時間の紡糸において糸切れ0回と良好であった。
引き続き、熱接着温度を240℃としたこと以外は実施例1と同様にして上記不織ウェブに仮接着および熱接着を施して芯鞘型複合長繊維不織布を得た。得られた芯鞘型複合長繊維不織布の目付は260g/m2、目付当たりの強伸度積は50、熱収縮率はたて方向で0.1%、よこ方向で0.1%であった。
(成分A)
実施例1で用いたものと同様のPPS樹脂を成分Aとして用いた。
(成分B)
成分Bは用いなかった。
上記成分Aを押出機で溶融、計量し、紡糸温度315℃で、孔径φ0.50mmの矩形単一成分紡糸口金から単孔吐出量1.37g/分で紡出した。以降は実施例2と同様にして、紡糸、不織ウェブ化を行った。得られた単一成分型長繊維の平均単繊維繊度は2.4dtex、紡糸速度は4,920m/分、結晶性は繊維断面中央よりも繊維表面が高く、紡糸性は1時間の紡糸において糸切れ0回と良好であった。
引き続き、エンボスロールの熱接着温度を260℃としたこと以外は実施例1と同様にして上記不織ウェブに仮接着および熱接着を施して、単一成分型長繊維不織布を得た。得られた単一成分型長繊維不織布の目付は260g/m2、目付当たりの強伸度積は4、熱収縮率はたて方向で0.0%、よこ方向で0.1%であった。
Claims (4)
- ポリフェニレンスルフィドを主成分とする繊維であって、繊維表面から繊維直径方向に向かって1μm以下の領域の繊維表面部の少なくとも一部におけるレーザーラマン分光法によるラマンスペクトルのラマンシフト(1080cm −1 )における半値幅が12.8以上であり、繊維断面中央部におけるレーザーラマン分光法によるラマンスペクトルのラマンシフト(1080cm −1 )における半値幅が10.4以下であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維。
- 請求項1記載のポリフェニレンスルフィド繊維から構成されてなることを特徴とする不織布。
- 前記不織布がスパンボンド不織布である、請求項2記載の不織布。
- 前記ポリフェニレンスルフィド繊維が熱接着により一体化されてなる、請求項2または3記載の不織布。
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