JP2002339269A - 染物およびその染色加工法 - Google Patents

染物およびその染色加工法

Info

Publication number
JP2002339269A
JP2002339269A JP2001153886A JP2001153886A JP2002339269A JP 2002339269 A JP2002339269 A JP 2002339269A JP 2001153886 A JP2001153886 A JP 2001153886A JP 2001153886 A JP2001153886 A JP 2001153886A JP 2002339269 A JP2002339269 A JP 2002339269A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
chitosan
dyed
dyeing
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001153886A
Other languages
English (en)
Inventor
Etsuro Kawamura
悦朗 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yashima Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Yashima Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yashima Sangyo Co Ltd filed Critical Yashima Sangyo Co Ltd
Priority to JP2001153886A priority Critical patent/JP2002339269A/ja
Publication of JP2002339269A publication Critical patent/JP2002339269A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題はクロム等の重金属を含む合成染
料、媒染剤を使用することなく合成繊維および天然繊維
等の繊維を簡単に濃色に染色する方法を提供することに
ある。 【解決手段】被染物である繊維を、キトサン水溶液の処
理浴に浸漬してキトサン処理を施し、該キトサン処理後
に染料水溶液の染浴に浸漬して染色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成染料および天
然染料等の染料で合成繊維および天然繊維等の繊維を簡
単に濃色に染色する方法、およびその方法により染色さ
れる染物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維および天然繊維等の繊維を染色
する染料としてクロム等の重金属を含む合成染料、媒染
剤が汎用されているが、該合成染料等に含まれる上記重
金属の作業環境に与える悪影響および該合成染料等を使
用している工場から排出される廃液等による環境汚染が
懸念され、該合成染料等に代わる染料を使用する染色方
法が検討されており、特に該染料として天然染料を使用
する染色方法が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記染色方法に
より染色された染物の色調は淡く、しかも該染色の工程
は複雑であるので、該染色方法は熟練していない作業者
にでも容易に繊維を濃色染色することができる方法では
無かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、被染物である繊維を、キトサン水溶液の処
理浴に浸漬してキトサン処理を施し、該キトサン処理後
に染料水溶液の染浴に浸漬して染色する染色加工法、お
よび該染色加工法により製造される染物を提供するもの
である。該染色加工法により、抗菌防臭加工された染物
を製造することが出来る。
【0005】また本発明は、キトサンおよび染料を含む
キトサン染料水溶液である染浴に、被染物である繊維を
浸漬してキトサン処理を施すと共に染色する染色加工
法、および該染色加工法により製造される染物を提供す
るものである。該染色加工法により、抗菌防臭加工され
た染物を製造することが出来る。
【0006】
【作用】被染物にキトサンを担持させて、染料の被染物
に対する染着性を向上せしめる。
【0007】
【発明の実施の形態】〔繊維〕本発明において被染物と
して使用される繊維は、キトサンが該繊維に担持され得
る程度の親和性を有するものであるならば何でもよく、
例えば、綿、麻、レーヨン等のセルロース繊維、絹、羊
毛等の天然繊維、あるいはナイロン等のポリアミド系、
ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ尿素系、ポリオ
レフィン系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ
塩化ビニリデン系、ポリフッ化エチレン系、ポリアクリ
ロニトリル、ポリビニルアルコール系、ポリシアン化ビ
ニリデン系等の合成繊維が使用され、また該繊維同士の
混紡繊維を使用してもよい。また上記繊維の形態は、織
布状、編布状、糸状等のいずれの形態であってもよい。
なおキトサンが該繊維に担持され得る程度に親和性を有
するというのは、該繊維がキトサンとの間に、該キトサ
ンを担持せしめ得る程度のキトサンとの相互作用を有す
ることをいい、該相互作用としてはキトサンを繊維に担
持せしめるものであればいかなる相互作用でよく、例え
ば、イオン結合、水素結合、共有結合、ファンデルワー
ルス力等の化学的相互作用、繊維分子とキトサン分子と
の絡み合い等の物理的相互作用等によりもたらされるも
でよく、また染色の際に染料が被染物である繊維に染着
し易くなる効果がもたらされる程度に、キトサンが繊維
に担持され得るものであればよい。
【0008】〔キトサン〕本発明で使用されるキトサン
は、被染物である繊維に担持され、染料を被染物に染着
し易くするために使用される。該キトサンとは、カニ殻
等より得られるキチンを脱アセチル化することで得られ
る糖類であり、公知の製造方法によって製造されるキト
サンが使用される。本発明で使用されるキトサンは、乳
酸、塩酸、酢酸等の酸性水溶液に溶解してキトサン水溶
液として調製される。該キトサン水溶液は、染物中のキ
トサンの濃度が0.01〜100重量%となるように調
製される。
【0009】なお本発明で使用されるキトサンは、溶解
性の観点より脱アセチル化度が70%以上であることが
好ましい。また本発明で使用されるキトサンは、ポリマ
ーに限られずモノマー(グルコサミン)、ダイマー、オ
リゴマー等の低分子量のものであってもよい。
【0010】また本発明のキトサン水溶液には更に必要
に応じて、被染物とキトサンとの親和性を向上せしめる
ために、クエン酸、イソクエン酸等の多価カルボン酸を
添加してもよい。なお該多価カルボン酸による親和性の
向上とは、例えばセルロース繊維をキトサン処理する場
合において、キトサン水溶液にクエン酸を添加すると、
該クエン酸がセルロース繊維とキトサンとを架橋し、該
セルロース繊維とキトサンとの親和性を向上せしめるこ
とを言う。
【0011】また、例えばセルロース繊維を塩基性染料
にて染色する場合には、該繊維にタンニン酸を吸着させ
ておくことが望ましい。
【0012】〔染料〕本発明において使用される染料と
は合成染料および天然染料である。
【0013】本発明において使用される合成染料とは、
直接染料、反応性染料、酸性染料、分散染料、塩基性染
料等の公知の染料が使用される。
【0014】本発明において使用される天然染料として
は、人体に対して安全な物質である食料、飲料、薬用等
に供せられる物質が天然染料として使用される。該天然
色素としては、コーヒー、紅茶、緑茶、梅汁、そよご、
椋の木、山桜、木斛、柑橘類、熊笹エキス、紅花、スオ
ウ、イチイ、紅木、ラック、刈安、黄檗、オウボク、ウ
コン、クチナシ、山梔子、エンジュ、大黄、赤芽がし
わ、ミロバラン、センダングサ、シロバナセンダング
サ、石榴、矢車附子、がまずみ、栃、鬼胡桃、虎杖、雄
蛭木、アカシアカテキュー、桑、茜、六葉茜、コチニー
ル、貝紫、臭木、琉球藍、木藍、藍、ロッグウッド、五
倍子、紫紺、桷、小鮒草、姫昔蓬、キハダ、フスチッ
ク、柏、神樹、山漆、松煙、肉桂、白樺、鎌柄、檳榔
子、クヌギ、熊四手、栗等が例示される。
【0015】該染料は水溶液(染料水溶液)として調製
され、本発明の染色加工法にて使用される。なお該染料
水溶液は、染物中の染料の濃度が0.01〜120重量
%となるように染料が添加される。
【0016】なお該染料水溶液には染料の染着を促進さ
せるために、ぼう硝、塩化カリウム、食塩、リン酸塩、
キレート剤等を添加してもよい。
【0017】〔染色加工法〕本発明の染色加工法とは、
キトサン処理および染色を行う方法である。該染色加工
法には、該キトサン処理後、染色を行う連続法、および
キトサン処理を施すと共におよび染色を行う同浴法があ
る。
【0018】(連続法)本発明の染色加工法の一例であ
る連続法とは、精練、漂白等の前処理工程後の繊維をキ
トサン処理し、該繊維にキトサンを担持させ、その後、
該繊維を染色する染色加工方法である。なお該前処理工
程において、セルロース繊維を塩基性染料にて染色する
場合には、該セルロース繊維をタンニン酸水溶液に浸漬
させて、タンニン酸処理が施される。キトサン処理にお
いては、上記キトサン水溶液をパッド−ドライ−キュア
法にて、繊維にキトサンを担持させる。該工程における
熱処理の設定温度は、60℃〜150℃、好ましくは9
0℃〜110℃の範囲であり、また熱処理時間は繊維の
生地の乾燥の程度により、1分〜60分の範囲で行われ
る。なおキトサンを担持させた繊維を完全に乾燥させる
ことが好ましい。
【0019】上記キトサン処理後、キトサン処理後の繊
維に染料を染着させる工程である染色が行われる。該染
色は、該繊維を上記染料水溶液の染浴に浸漬することで
行われる。該染浴の温度(染色温度)は10℃〜100
℃の範囲に調節され、また該繊維が浸漬される時間(染
色時間)は10分〜90分の範囲であることが好まし
い。該浸漬後、脱水し、乾燥して染物が得られる。
【0020】(同浴法)本発明の染色加工法の他の例で
ある同浴法とは、被染物である前処理工程後の繊維にキ
トサン処理を施すと共に同時に染色を行う方法であり、
該繊維を上記キトサン水溶液、および染料水溶液からな
るキトサン染料水溶液の染浴に浸漬して、該繊維にキト
サンを担持させ、かつ染料を染着させる方法である。該
キトサン染料水溶液には、所望により沈殿防止剤を添加
してもよい。染色温度は10℃〜100℃の範囲に調節
され、また染色時間は10分〜90分の範囲であること
が好ましい。浸漬後、脱水し、乾燥して染物が得られ
る。
【0021】以下、本発明を実施例により具体的に説明
する。なお実施例中の百分率(%)は、特に示さない限
り、被染物(繊維)の重量に対する重量%を示す。
【0022】〔実施例1〕キトサン処理後の被染物を染
色する染色加工法(連続法)にて染色を行った。キトサ
ン(キトサンSK―10、太陽ケミカル(株)、以下、
同じ)の濃度が0.5%および乳酸の濃度が0.25%
であるキトサン水溶液を調製し、該キトサン水溶液の処
理浴に浴比1:30にて、被染物である綿ボイル布を5
0℃で20分間浸漬し、その後セントル脱水(50%)
し、乾燥(100℃、10分間)を行った。上記キトサ
ン処理後、くまざさエキス(サンクロン、太平生物化
学)の濃度が10%および食塩(NaCl)の濃度が1
0g/Lである染料水溶液を調製し、該染料水溶液の染
浴に浴比1:30で、上記キトサン処理後の綿ボイル布
を50℃で20分間浸漬して染色し、その後セントル脱
水(50%)し、風乾して染物(実施例1)を得た。
【0023】〔比較例1〕なお上記実施例1の比較例と
して、キトサン処理が施されていない綿ボイル布を、上
記実施例1のくまざさエキスを染料とする染料水溶液の
染浴にて、上記実施例1と同様の条件で染色した染物
(比較例1)を得た。
【0024】上記実施例1および比較例1の染物の色調
評価を行った。該色調評価方法は、目視により評価する
ものである(以下、色調評価方法において同じ)。比較
例1の染物の色調を100%とすると、実施例1の染物
の色調は200%であった。
【0025】〔実施例2〕紅茶を染料として上記実施例
1と同様の染色加工法(連続法)にて、被染物である綿
ボイル布の染色を行い、染物(実施例2)を得た。なお
実施例2におけるキトサン処理の条件は実施例1と同様
であり、また染色における染料水溶液の紅茶の濃度は1
0%であり、食塩の濃度は10g/Lである。
【0026】〔比較例2〕また上記実施例2の比較例と
して、キトサン処理が施されていない綿ボイル布を、上
記実施例2の紅茶を染料とする染料水溶液で、上記実施
例2と同様の条件で染色した染物(比較例2)を得た。
【0027】上記実施例2および比較例2の染物の色調
評価を行った。比較例2の染物の色調を100%とする
と、実施例2の染物の色調は200%であった。
【0028】〔実施例3〕コーヒーを染料として上記実
施例1と同様の染色加工法(連続法)にて、綿ボイル布
の染色を行い、染物(実施例3)を得た。なお実施例3
におけるキトサン処理の条件は実施例1と同様であり、
また染色工程における染料水溶液のコーヒーの濃度は1
0%であり、食塩の濃度は10g/Lである。
【0029】〔比較例3〕また上記実施例3の比較例と
して、キトサン処理が施されていない綿ボイル布を、上
記実施例3のコーヒーを染料とする染料水溶液で、上記
実施例3と同様の条件で染色した染物(比較例3)を得
た。
【0030】上記実施例3および比較例3の染物の色調
評価を行った。比較例3の染物の色調を100%とする
と、実施例3の染物の色調は200%であった。
【0031】〔実施例4〕合成染料であるレマゾール・
ターキッシュ・ブルーG(ヘキスト)を染料として上記
実施例1と同様の染色加工法(連続法)にて、綿ボイル
布の染色を行った。上記実施例1と同様の条件で被染物
である綿ボイル布をキトサン処理し、該処理後、レマゾ
ール・ターキッシュ・ブルーGの濃度が5%、無水硫酸
ナトリウムの濃度が50g/L、およびソーダ石灰の濃
度が20g/Lである染料水溶液を調製し、該染料水溶
液の染浴に浴比1:30にて、該綿ボイル布を60℃で
60分間浸漬して染色し、その後ソーピングし、セント
ル脱水(50%)し、更に風乾して染物(実施例4)を
得た。
【0032】〔比較例4〕また上記実施例4の比較例と
して、キトサン処理が施されていない綿ボイル布を、上
記実施例4のレマゾール・ターキッシュ・ブルーGを染
料とする染料水溶液で、上記実施例4と同様の条件で染
色した染物(比較例4)を得た。
【0033】上記実施例4および比較例4の染物の色調
評価を行った。比較例4の染物の色調を100%とする
と、実施例4の染物の色調は200%であった。
【0034】〔実施例5〕漢方薬として知られている梔
子の一種である山梔子を染料として上記実施例1と同様
の染色加工法(連続法)にて、6ナイロン布の染色を行
った。上記実施例1と同様の条件で被染物である6ナイ
ロン布をキトサン処理し、該処理後、山梔子の濃度が1
0%であり、酢酸でpH=4に調節された染料水溶液を
調製し、該染料水溶液の染浴に浴比1:30にて、該6
ナイロン布を100℃で60分間浸漬して染色し、その
後水洗し、風乾して染物(実施例5)を得た。
【0035】〔比較例5〕また上記実施例5の比較例と
して、キトサン処理が施されていない6ナイロン布を、
上記実施例5の山梔子を染料とする染料水溶液で、上記
実施例5と同様の条件で染色した染物(比較例5)を得
た。
【0036】上記実施例5および比較例5の染物の色調
評価を行った。比較例5の染物の色調を100%とする
と、実施例5の染物の色調は140%であった。
【0037】〔実施例6〕キトサンおよび染料を含むキ
トサン染料水溶液の染浴にて被染物である綿ボイル布を
染色する染色加工法(同浴法)にて染色を行った。キト
サンの濃度が0.5%、乳酸の濃度が0.25%、くま
ざさエキス(実施例1と同じ)の濃度が10%、および
食塩の濃度が10g/Lであるキトサン染料水溶液を調
製し、該キトサン染料水溶液の染浴で浴比1:30に
て、被染物である綿ボイル布を30℃で20分間浸漬
し、その後セントル脱水(50%)し、風乾して染物
(実施例6)を得た。
【0038】〔比較例6〕また上記実施例6の比較例と
して、キトサン処理がされていない綿ボイル布を、上記
実施例6のくまざさエキスを染料とし、該くまざさエキ
スの濃度が10%、および食塩の濃度が10g/Lであ
る染料水溶液を調製し、該染料水溶液の染浴で浴比1:
30にて、被染物である綿ボイル布を30℃で20分間
浸漬し、その後セントル脱水(50%)し、風乾して染
物(比較例6)を得た。
【0039】上記実施例6および比較例6の染物の色調
評価を行った。比較例6の染物の色調を100%とする
と、実施例6の染物の色調は130%であった。
【0040】〔実施例7〕紅茶を染料として上記実施例
6と同様の染色加工法(同浴法)にて、綿ボイル布の染
色を行い、染物(実施例7)を得た。なお実施例7にお
けるキトサン染料水溶液のキトサンの濃度は0.5%、
乳酸の濃度は0.25%、紅茶の濃度は10%、および
食塩の濃度は10g/Lである。
【0041】〔比較例7〕また上記実施例7の比較例と
して、キトサン処理が施されていない綿ボイル布を、上
記実施例7の紅茶を染料とし、該紅茶の濃度が10%、
および食塩の濃度が10g/Lである染料水溶液を調製
し、該染料水溶液の染浴で浴比1:30にて、被染物で
ある綿ボイル布を30℃で20分間浸漬し、その後セン
トル脱水(50%)し、風乾して染物(比較例7)を得
た。
【0042】上記実施例7および比較例7の染物の色調
評価を行った。比較例7の染物の色調を100%とする
と、実施例7の染物の色調は130%であった。
【0043】〔実施例8〕コーヒーを染料として上記実
施例6と同様の染色加工法(同浴法)にて、綿ボイル布
の染色を行い、染物(実施例8)を得た。なお実施例8
におけるキトサン染料水溶液のキトサンの濃度は0.5
%、乳酸の濃度は0.25%、くまざさエキスの濃度は
10%、および食塩の濃度は10g/Lである。
【0044】〔比較例8〕また上記実施例8の比較例と
して、キトサン処理が施されていない綿ボイル布を、上
記実施例8のコーヒーを染料とし、該コーヒーの濃度が
10%、および食塩の濃度が10g/Lである染料水溶
液を調製し、該染料水溶液の染浴で浴比1:30にて、
被染物である綿ボイル布を30℃で20分間浸漬し、そ
の後セントル脱水(50%)し、風乾して染物(比較例
8)を得た。
【0045】上記実施例8および比較例8の染物の色調
評価を行った。比較例8の染物の色調を100%とする
と、実施例8の染物の色調は130%であった。
【0046】〔実施例9〕合成染料であるLanaso
l Black CE(チバ・ガイギー)を染料として
上記実施例6と同様の染色加工法(同浴法)にて、羊毛
の染色を行った。キトサンの濃度が0.5%、Lana
sol Black CEの濃度が5%、沈殿防止剤
(オスピンDL、東海製油)の濃度が2%であり、酢酸
でpH=4に調節されたキトサン染料水溶液を調製し、
該キトサン染料水溶液の染浴に浴比1:30にて、被染
物である羊毛を100℃で60分間浸漬し、その後水洗
し、セントル脱水(50%)し、風乾して染物(実施例
9)を得た。
【0047】〔比較例9〕また上記実施例9の比較例と
して、キトサン処理が施されていない羊毛を、上記実施
例9のLanasol Black CEを染料とし、
該LanasolBlack CEの濃度が5%であ
り、酢酸でpH=4に調節された染料水溶液を調製し、
該染料水溶液の染浴で浴比1:30にて、被染物である
綿ボイル布を100℃で60分間浸漬し、その後セント
ル脱水(50%)し、風乾して染物(比較例9)を得
た。
【0048】上記実施例9および比較例9の染物の色調
評価を行った。比較例9の染物の色調を100%とする
と、実施例9の染物の色調は140%であった。
【0049】〔実施例10〕被染物であるキトサン処理
後の綿ボイル布を、塩基性染料で染色する染色加工法
(連続法)にて染色を行った。タンニン酸の濃度が5%
であるタンニン酸水溶液を調製し、該タンニン水溶液の
処理浴で浴比1:30にて、綿ボイル布を50℃で20
分間浸漬してタンニン酸処理を行った。該タンニン酸処
理とは別に、キトサンの濃度が0.5%であり、乳酸の
濃度が0.25%であるキトサン水溶液の処理浴にてタ
ンニン酸処理後の綿ボイル布を、浴比1:30、50
℃、20分の条件で浸漬し、その後水洗し、常温で5分
間乾燥させ、更に脱水および風乾せしめることでキトサ
ン処理を行った。キトサン処理後の綿ボイル布を、塩基
性染料であるカルミンレッドK(コチニール色素、キリ
ヤ化学)の濃度が2%である染料水溶液を調製し、該染
料水溶液の染欲で浴比1:30にて、該綿ボイル布を1
00℃で20分間浸漬し、水洗し、脱水し、乾燥せしめ
ることで染物(実施例10)を得た。
【0050】〔比較例10〕実施例10の比較例とし
て、タンニン酸および吐酒石にてタンニン媒染された綿
ボイル布を、上記実施例10と同様の条件で、カルミン
レッドKを染料とする染料水溶液にて染色して、染物
(比較例10)を得た。
【0051】上記実施例10および比較例10の染物の
色調評価を行った。比較例10の染物の色調を100%
とすると、実施例10の染物の色調は98%であった。
この色調評価の結果より、吐酒石を使用することなく、
タンニン酸とキトサンとを使用することで、セルロース
繊維を塩基性染料で充分染色できることがわかる。
【0052】上記実施例1〜実施例10および各々の実
施例に対応する比較例1〜比較例10の比較から判るよ
うに、本発明の染色加工法(連続法、同浴法)によれ
ば、被染物を濃色に染色出来ることが判る。
【0053】〔抗菌防臭加工評価〕実施例1の染物の抗
菌防臭加工の評価の為の試験を行った。 (試験方法)試験菌株として、黄色ブドウ球菌(Sta
phylococcus aureus ATCC 6
538P)を使用し、JIS L 1902に基づき試
験を行った。
【0054】無加工布菌数[B]は、logB=7.1
であり、実施例1の染物の菌数[C]は、logC=
4.9であった。従って、該実施例1の染物の静菌活性
値は、logB−logC=2.2(≧2.2)であ
り、SEKの抗菌防臭加工の評価基準値を満足するもの
であることが判った。
【0055】上記評価の結果より、本発明の染色加工法
によって被染物に抗菌防臭加工を施した染物を提供出来
ることがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明の染色加工法によれば、被染物を
クロム等の重金属を含む合成染料や媒染剤を使用するこ
となく、容易に濃色に染色することが出来る。また本発
明の染色加工法により、容易に抗菌防臭加工の染物を提
供することが出来る。
【手続補正書】
【提出日】平成13年5月30日(2001.5.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】〔実施例8〕コーヒーを染料として上記実
施例6と同様の染色加工法(同浴法)にて、綿ボイル布
の染色を行い、染物(実施例8)を得た。なお実施例8
におけるキトサン染料水溶液のキトサンの濃度は0.5
%、乳酸の濃度は0.25%、コーヒーの濃度は10
%、および食塩の濃度は10g/Lである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月29日(2001.6.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】〔比較例9〕また上記実施例9の比較例と
して、キトサン処理が施されていない羊毛を、上記実施
例9のLanasol Black CEを染料とし、
該LanasolBlack CEの濃度が5%であ
り、酢酸でpH=4に調節された染料水溶液を調製し、
該染料水溶液の染浴で浴比1:30にて、被染物である
羊毛を100℃で60分間浸漬し、その後セントル脱水
(50%)し、風乾して染物(比較例9)を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/03 D06M 15/03 Fターム(参考) 3B154 AA02 AB19 BA07 BD01 BD18 DA30 4H011 AA02 BA01 BB10 BB19 BC19 DA10 DC10 DH10 4H057 AA02 BA81 CA37 CB03 CC01 DA01 DA33 DA34 DA81 GA07 4L033 AC10 AC15 CA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被染物である繊維を、キトサン水溶液の処
    理浴に浸漬してキトサン処理を施し、該キトサン処理後
    に染料水溶液の染浴に浸漬して染色することを特徴とす
    る染色加工法
  2. 【請求項2】請求項1に記載の染色加工法により製造さ
    れる特徴とする染物
  3. 【請求項3】該染物は抗菌防臭加工されている請求項2
    に記載の染物
  4. 【請求項4】キトサンおよび染料を含むキトサン染料水
    溶液である染浴に、被染物である繊維を浸漬してキトサ
    ン処理を施すと共に染色することを特徴とする染色加工
  5. 【請求項5】請求項4に記載の該染色加工法により製造
    されることを特徴とする染物
  6. 【請求項6】該染物は抗菌防臭加工されている請求項5
    に記載の染物
JP2001153886A 2001-05-23 2001-05-23 染物およびその染色加工法 Withdrawn JP2002339269A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001153886A JP2002339269A (ja) 2001-05-23 2001-05-23 染物およびその染色加工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001153886A JP2002339269A (ja) 2001-05-23 2001-05-23 染物およびその染色加工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002339269A true JP2002339269A (ja) 2002-11-27

Family

ID=18998329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001153886A Withdrawn JP2002339269A (ja) 2001-05-23 2001-05-23 染物およびその染色加工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002339269A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005200777A (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Howa Kk 染色方法
CN101851868A (zh) * 2010-03-09 2010-10-06 常州耀春格瑞纺织品有限公司 桑椹红天然染料染棉织物的生态染色方法
JP2014528992A (ja) * 2011-09-28 2014-10-30 ジィリン ホンタイ ガーメント ウォッシング アンド ダイイング サイエンス アンド テクノロジー インスティテュート 有色の織物用の色強調洗剤及びその調製方法
KR101929260B1 (ko) 2017-12-28 2018-12-14 주식회사 예손에이케이 락 염료 및 가자 염료를 이용한 천연 염색 방법
CN114088637A (zh) * 2021-10-18 2022-02-25 鲁泰纺织股份有限公司 染色法判断面料前处理工序处理程度的检测方法
KR20220051512A (ko) * 2020-10-19 2022-04-26 송홍종 모발 염색용 조성물

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005200777A (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Howa Kk 染色方法
CN101851868A (zh) * 2010-03-09 2010-10-06 常州耀春格瑞纺织品有限公司 桑椹红天然染料染棉织物的生态染色方法
JP2014528992A (ja) * 2011-09-28 2014-10-30 ジィリン ホンタイ ガーメント ウォッシング アンド ダイイング サイエンス アンド テクノロジー インスティテュート 有色の織物用の色強調洗剤及びその調製方法
KR101929260B1 (ko) 2017-12-28 2018-12-14 주식회사 예손에이케이 락 염료 및 가자 염료를 이용한 천연 염색 방법
KR20220051512A (ko) * 2020-10-19 2022-04-26 송홍종 모발 염색용 조성물
KR102492912B1 (ko) * 2020-10-19 2023-01-27 송홍종 모발 염색용 조성물
CN114088637A (zh) * 2021-10-18 2022-02-25 鲁泰纺织股份有限公司 染色法判断面料前处理工序处理程度的检测方法
CN114088637B (zh) * 2021-10-18 2023-08-22 鲁泰纺织股份有限公司 染色法判断面料前处理工序处理程度的检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6368361B1 (en) Manufacturing process of antibacterial fiber
Montazer et al. Simultaneous x‐linking and antimicrobial finishing of cotton fabric
Hosseini et al. Enhancing dye-ability and antibacterial features of silk through pre-treatment with chitosan
JP2007247116A (ja) 天然系繊維製品及びその染色方法
JP2016519724A (ja) 基質の染色および処理のための新規方法
CN112575583A (zh) 一种聚合胍接枝改性的耐久安全抗菌棉织物及其整理方法
JPH0610272A (ja) 織物仕上加工剤
JP2002339269A (ja) 染物およびその染色加工法
JP2008050733A (ja) ポリエステル系繊維製品の染色方法
JP2009041169A (ja) 繊維製品の耐洗濯性のある抗菌加工方法
JP2017166116A (ja) 繊維着色剤
JP2001131866A (ja) ウコン抽出物溶液による繊維の抗菌加工製造法
JP6320842B2 (ja) 抗菌性繊維の製造方法及び抗菌性繊維
JPH083873A (ja) 抗菌性繊維製品及びその製造法
JP4405787B2 (ja) ポリアミド結合を有する有体物の着色方法および該方法で着色された有体物
JP4160552B2 (ja) カーボン分散高分子を用いた繊維、不織布、布、衣服または髪に用いる着色用溶液、着色方法、固着用溶液、固着方法、および着色物
JP4016026B2 (ja) 先媒染方法、先媒染製品、カチオン化剤、アニオン化剤、染色製品、染色方法
TWI237671B (en) Dyeing and finishing of lyocell fabrics
JP2000234278A (ja) ハーブ染め染色方法及びその染色方法に用いる処理液と媒染剤との組み合わせ
JPH06116879A (ja) 木綿の抗菌染色加工方法
CN101871172B (zh) 多酚加工纤维的制备方法
JPH03113080A (ja) 葉緑素による繊維の染色法
KR20230104062A (ko) 키토산과 cnf를 활용한 귤피의 염색방법
JPS63175186A (ja) セルロ−ス系繊維を含む繊維材料染色物の後処理法
Ghazal et al. An overview of the dyeing process of lyocell fabric and its blends

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080805