JP4016026B2 - 先媒染方法、先媒染製品、カチオン化剤、アニオン化剤、染色製品、染色方法 - Google Patents

先媒染方法、先媒染製品、カチオン化剤、アニオン化剤、染色製品、染色方法 Download PDF

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Description

本発明は、繊維や布等の被染色物を先媒染処理する際に好適に用いられるものである。
従来、例えば草木染めなどの天然染料にて布等の被染色物を染色する場合、一般的には、天然染料にて染色した後、媒染処理するという工程を何度か繰り返す。しかし、この染色方法では極濃色に染め上げることができず、また、染料の種類によっては、殆ど染まらない場合もあり、天然染料本来の発色を得ることが困難であった。また、染色時には染め上がりの色に発色していないため濃度や色相の調節を正確に行うことができない。
更に、染色後に媒染するという工程を繰り返すため、染色中に染料液に媒染剤として用いる金属が多量に流出し、当該金属と結合発色した色素が多くなり染着性を失ってしまう。また、金属が混じってしまうため、染料液の廃液処理も難しい。一方、媒染液にも媒染中に染料が流出するため染料液と同様に再利用することができない。
そこで、以上の不具合を解決すべく染色前に先媒染を行うという方法が採用されている。
例えば、加熱した希薄濃度の媒染剤を含有する媒染液に、布を浸漬して媒染した後、植物染料などの天然染料にて染色する方法や、染色前に、高濃度の媒染液に浸漬させて媒染した後、アルカリ処理をする方法が挙げられる。
また、茶染めなどの染色方法として、布を五倍子や没食子などに含まれるタンニン酸にてタンニン酸処理した後、媒染液と接触反応させてタンニン酸を固着して媒染処理を行い、その後、茶の抽出成分を含有する染液にて染色する方法もある。(例えば、特許文献1を参照)。
更に、ハーブ染めなどにおいて染め上がりを均一に斑なくするため、キトサンなどを含有する前処理液に布を浸漬した後、乳酸チタン塩などの媒染剤を含む媒染液にて媒染し、その後に染色する方法もある。
その他、ロート油に浸漬させた後、明礬媒染する方法や、動物の乳、豆汁、卵白等のタンパク系物質に浸漬した布を乾燥してタンパク系物質を布の表面に固着した後に媒染を行い、その後染色する方法など様々な方法がある。
特開2001−295184号
しかし、上述した従来の染色方法では染め上がり等に不具合が生じる。
具体的には、媒染処理前に何ら前処理を行わず、媒染処理後に染色する方法では、媒染剤として用いられる金属の固着が弱く染色中に色が脱落してしまう。また、媒染液が希薄濃度であれば、極濃色に染め上げることができない。
一方、媒染処理前にタンニン酸を利用するものであると、タンニン酸の染着量が多すぎる場合には生地の風合いが硬くなってしまう。更に、金属媒染を行う際に、例えば銅、チタン、鉄等、媒染剤として使用する金属の種類によりタンニン酸が発色してしまい染料本来の発色を得ることができない場合がある。
また、キトサンなどを含有する前処理液に布を浸漬した後に媒染しておいたとしても、極濃色に染め上げることはできない。
その他、ロート油に浸漬した後、明礬媒染する方法や、タンパク系物質に浸漬した布を媒染する方法では、繊維表面に付着させたタンパク系物質等に染着しているため摩擦に弱く風合いも硬い。
そこで、以上の不具合を解決すべく本願発明は、繊維や布等の被染色物を、カチオン化剤を含有する前処理液にてカチオン化処理するカチオン化処理工程と、前記カチオン化処理工程終了後、カチオン化処理された被染色物を、アニオン化剤を含有する前処理液にてアニオン化処理するアニオン化処理工程と、前記アニオン化処理工程にて、アニオン化処理された被染色物を、媒染処理する媒染処理工程とを有する被染色物の先媒染方法を採用した。
これにより、アニオン化剤により例えば高濃度の金属媒染剤を染着させることができるため、極濃色までの草木染めが1回の染色で可能となる。
また、タンニン酸を使用していないため、媒染剤として金属を用いてもタンニン酸との発色がなく、染料本来の発色にて染め上げることができる。
更に、タンニン酸は多量に染着させると生地の風合いが硬化するがアニオン化剤は多量に染着させても風合いが悪くならない。
加えて、先媒染してあるため染料は染着した時点で発色し、染め上がりの色になっている。従って、色が良ければ染色を終了することもできるし、染料を追加すれば色相、濃度を染まった色を見ながら調節できる。
また、予め先媒染まで終了した布、糸等の先媒染製品を準備すれば、植物等の天然色素抽出液のみで染色が完了し、媒染剤やその他の化学薬品を一切使用せずに染色が可能となる。従って幼児、障害者、老人等でも安全に染色ができる。
加えて、加熱せず水又は温湯でも染められるため、火の使えない場所や火傷の危険を避けたい場合に応用できる。
更に、先媒染製品を使用すれば、色素の染着が非常に速く1〜数分でも十分に染めることが可能なためイベントなどの体験コーナーに適する。
また、先媒染製品で染色すると染液に金属が流出するのは僅かですみ、特に低温で染色した場合はほとんど汚れないため、染浴中の色素を繰り返し使用できる。また染色残液の廃液処理も容易になる。
一方、染色した後に媒染液内に被染色物を浸漬することがないため、媒染残液が汚れず、金属成分を追加し繰り返し使用できる。また媒染残液の廃液処理も容易になる。
具体的な態様としては、前記媒染処理として金属媒染処理を採用することが考えられる。
更に、上述の先媒染方法にて先媒染した先媒染製品であれば、染色した後に再び媒染処理をするという工程を必要とせず染料の塗布だけで染色が完了するため、絞り染めや筆描き染め、版染め、おりがみ絞り染め、捺染、ステンシル染め、刷毛ぼかし染めなど多種多様な模様染めを簡易に実現することが可能となる。
本願発明により、アニオン化剤により例えば高濃度の金属媒染剤を染着させることができるため、極濃色までの草木染めが1回の染色で可能となる。
また、タンニン酸を使用していないため、染料本来の発色と生地の風合い維持を同時に実現することができる。
加えて、先媒染してあるため染料は染着した時点で発色し、染め上がりの色になっているため、色相や濃度を染まった色を見ながら調節できる。
また、予め先媒染まで終了した布、糸等の先媒染製品を販売することも可能となり、最終ユーザが、安全な植物等の天然色素抽出液のみで簡単に望みの染色を行うことができる。
以下、本願発明の先媒染方法の一実施の形態を説明する。
本願発明の先媒染方法は、例えば天然染料等を用いて、セルロース系繊維(綿、麻、レーヨン、キュプラ等)の他、合成繊維からなる被染色物を染色する染色方法に好適に用いられるものである。
概略工程としては、後述する(1)から(6)までの工程を順次行うことで先媒染を行った後、染色を行う。
以下、具体的な工程について詳述する。
<実施例1>
(1)カチオン化処理工程
容器に水1L(リットル)、カチオン化剤(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)16g 、苛性ソーダ10g を加えた前処理液に、木綿の生地又は糸などの被染色物(25g)を浸漬し、80℃で30分間カチオン化処理をする。
(2)水洗・中和工程
前述のカチオン化処理工程終了後、被染色物を水でよくすすいだ後、40〜50℃の湯1Lに酢酸80%を5cc加えた液で5分間中和する。続いて水でよくすすいだ後、脱水する。
(3)アニオン化処理工程(カルボキシル化処理工程)
容器に水1L、アニオン化剤であるカルボキシル化剤、具体的には、ポリアクリル酸4gを加えた前処理液に、カチオン化処理工程にてカチオン化した被染色物を浸漬し80℃で30分間、アニオン化処理をする。
(4)水洗工程
アニオン化処理した被染色物を、水でよくすすいだ後に脱水する。
(5)媒染処理工程
容器に水1L、媒染剤、具体的には酢酸アルミニウムを20gを加えた媒染液に、前記アニオン化工程にてアニオン化した被染色物を浸漬し、室温で30分間、金属媒染処理をする。
(6)水洗工程
水でよくすすいだ後、熱湯でよくすすぎ脱水する。また、この段階で先媒染製品を仕上げることもできる。
(7)染色処理工程
事前に、容器に水1L、乾燥えんじゅの花蕾20gを加え、蒸発分の水を加えながら30分〜60分間煮た後濾過し、この濾過液をPH5に調整した染料液を準備する。そして、前記先媒染処理を終えた後、この染料液に先媒染した布又は糸等の先媒染製品を浸漬し、80℃で30分間処理する。尚、濃度は劣るが室温で1分〜数分でも十分染まる。
(8)水洗工程
水でよくすすいだ後、乾燥する。
尚、(1)カチオン化処理工程は、前記の方法の他、例えば以下の方法を採用しても良いし、その他のカチオン化処理工程にて行うこともできる。
1)その他のカチオン化処理工程
容器に水100cc、カチオン化剤(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)1.6g、苛性ソーダ1gを加えた前処理液に、木綿の生地又は糸などの被染色物(25g)を浸漬し、ラップ等で表面を被覆し室温で30分〜一晩かけてカチオン化処理をする。
2)その他のカチオン化処理工程
容器に水1L、カチオン化剤(ジシアンジアミド・ポリアルキレンポリアミン重縮合物配合物)10gを加えた前処理液に、木綿ハンカチなどの被染色物(25g)を浸漬し80℃で30分間カチオン化処理をする。
尚、当該カチオン化処理工程を採用した場合には、酢酸による中和の必要はない。
また、(3)アニオン化処理(カルボキシル化処理)も、前記の方法の他、例えば以下の方法でも良いし、その他のアニオン化処理工程を採用してもよい。
具体的には、容器に水200ccにアニオン化剤であるカルボキシル化剤(ポリアクリル酸)4gを加え、カチオン化した生地又は糸等の被染色物を浸漬しラップ等で表面を被覆し、室温で30分〜一晩処理するアニオン化処理が考えられる。
次に、上記カチオン化剤に用いられる化合物を説明する。
カチオン化剤としてはアルキルアンモニウム塩タイプやピリジニウム塩タイプ等の低分子化合物、ジシアンジアミドタイプ、ポリアミンタイプ、ポリカチオンタイプ等の高分子化合物がある。
以下、低分子化合物のカチオン化剤の具体例を挙げる。
1)アルキルアンモニウム塩型
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクダデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ジメチルラウリルアンモニウムクロライド、ラウリルメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルエチルアンモニウムブロミド、オクタデセニルトリメチルアンモニウムブロミドなどである。
2)ピリジニウム塩型
ラウリルピリジニウムクロライド、ステアリルアミドメチルピリジニウムクロライドなどである。
3)その他、以下に示す化学式等にて特定されるカチオン化剤
1)化学式「化1」で示されるトリアジン基を有する第4級アンモニウム化合物
Figure 0004016026
2)以下に示す化学式「化2」で示されるトリアジン基を有する第4級アンモニウム化合物
Figure 0004016026
3)トリアジン環を有するアルキルアンモニウム塩化合物
以下、高分子化合物のカチオン化剤の具体的な例を挙げる。
1)ジシアンジアミドのホルマリン縮合物、ジシアンジアミド−ポリアルキレンポリアミン重縮合物、ポリアルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミンとグアニジン誘導体との縮合物、ポリエチレンイミン類、ポリアミドポリアミン類、ポリ−4−ビニルピリジン塩酸塩、ポリアクリロニトリルなどの第3級アミンポリマー、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン縮重合物、2−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド系ポリマー、ポリエピクロルヒドリン―トリメチルアミン反応物、ポリアルキレンポリアミン類のエポキシ化合物による4級化物のポリマー、アクリルアミド及びこれと共重合可能なカチオン性単量体の共重合物、1−ビニルイミダゾールの4級化物重合体、4級アンモニウム塩基を有するカチオン性重合体、アミノアルキルアクリルアミド系ポリマーの4級塩などの4級アンモニウム塩タイプポリマー 、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合化物の4級化物、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩の共重合物などである。
2)その他、以下の化学式等により特定されるカチオン化剤
1)化学式「化3」のモノマー単位よりなるポリマー
(式中 R1、Rは互いに独立して水素、アルキル基、アリール基、グリシジル基を示し、Xはハロゲンを示す。)
Figure 0004016026
2)化学式「化4」のモノマー単位よりなるポリマー
(式中R1、Rは互いに独立して水素、アルキル基、アリール基、グリシジル基を示し、Xはハロゲンを示す。)
Figure 0004016026
3)前記化学式「化3」のポリマーの組み合わせから成る共重合体
4)前記化学式「化4」のポリマーの組み合わせから成る共重合体
5)前記化学式「化3」、化学式「化4」のポリマーの組み合わせから成る共重合体
6)その他、これらの4級アンモニウム塩ポリマーと他のビニル系ポリマーから成る共重合物やキトサンなどである。
次に、上記アニオン化処理においてアニオン化剤として用いられる化合物を説明する。
アニオン化剤としては金属キレート能のあるアニオン性の水溶性高分子を用いる。
具体例として、カルボキシル基を持つ水溶性ポリマー又はその塩が挙げられる。
1)以下の化学式「化5」で示されるモノマー単位よりなるポリマーのうちカルボキシル基又はその塩を持つもの。
式中R1、R、R3は互いに独立して水素、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アルケニル、アラルキル、又はアルカリール基である。それらは1又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシル、スルフェート、スルホン酸、リン酸又はカルボン酸基(または対応するスルホン酸、リン酸、カルボン酸エステル)、又はその組み合わせにより任意に置換されていてもよい。式中Xは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、又はアルカリール基であり、それらは1又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシル、スルフェート、スルホン酸、リン酸又はカルボン酸基(または対応するスルホン酸、リン酸、カルボン酸エステル)、又はその組み合わせにより任意に置換されていてもよい。例えば、ポリオキシアルキレン−C (R1)2R4Yの式中R4は、アルキレンまたはポリオキシアルキレン、またはそれらの組み合わせで、Yは−SO3H、−O−SO3H、−CO2H、−PO3H、−O−PO3H又はそれらの塩(ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム)である。
Figure 0004016026
2)前記化学式「化5」の単量体(R1C=CR3COOX)とエチレン性不飽和単量体との共重合体
3)以下の化学式「化6」で示されるモノマー単位よりなるポリマーのうちカルボキシル基又はその塩を持つもの。
式中R1、R、は互いに独立して水素、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アルケニル、アラルキル、又はアルカリール基である。それらは1又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシル、スルフェート、スルホン酸、リン酸又はカルボン酸基(または対応するスルホン酸、リン酸、カルボン酸エステル)、又はその組み合わせにより任意に置換されていてもよい。式中Xは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、又はアルカリール基であり、それらは1又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシル、スルフェート、スルホン酸、リン酸又はカルボン酸基(または対応するスルホン酸、リン酸、カルボン酸エステル)、又はその組み合わせにより任意に置換されていてもよい。例えば、ポリオキシアルキレン−C (R1)2R4Yの式中R4はアルキレンまたはポリオキシアルキレン、またはそれらの組み合わせで、Yは−SO3H、−O−SO3H、−CO2H、−PO3H、−O−PO3H又はそれらの塩(ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム)である。
Figure 0004016026
4)前記化学式「化6」の単量体R1C(COOX)=CR2COOX とエチレン性不飽和単量体との共重合体カルボキシル基を持つ高分子多糖類
5)その他、具体的な例としては、以下で示す物質などがある。
ポリアクリル酸、ポリアコニット酸、ポリイタコン酸、ポリシトラコン酸、ポリフマル酸、ポリマレイン酸、ポリメタコン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、スルホン化ポリマレイン酸、無水マレイン酸−長鎖アルキレン共重合体、無水マレイン酸−スチレン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、無水マレイン酸−エチレンクロスリンク共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸−アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸−ブタジエン共重合体、無水マレイン酸−イソプレン共重合体、無水マレイン酸と一酸化炭素から誘導されるポリ−β−ケトカルボン酸、無水マレイン酸−スチレン共重合体のN−(3−アミノプロピル)−モルホリン半アミド、無水マレイン酸−3a,4,5,6,7,7aヘキサヒドロ−4,7−メタノイデン共重合体、マロン酸−メチレン共重合体、メタコン酸−フマル酸共重合体、エチレングリコール−エチレンテレフタレート共重合体、1−ブテン−2,3,4−トリカルボン酸−イタコン酸−アクリル酸共重合体、NTA,EDTAなどの酸とエチレングリコールから誘導されるカルボキシポリエステル、ポリアルデヒドカルボン酸、エポキシコハク酸のcis−異性体、ポリ[N,N−ビス(カルボキシメチル)アクリルアミド]、ポリ(オキシカルボン酸)、デンプンコハク酸あるいはマレイン酸あるいはテレフタル酸エステル、セルロース―コハク酸エステル、イタコン酸−エチレン共重合体、イタコン酸−アコニット酸共重合体、イタコン酸−マレイン酸共重合体、イタコン酸−アクリル酸共重合体、ポリ−α−ヒドロキシカルボン酸、ポリ(3−ヒドロキシメチル−ヘキサメチレン−1,3,5−トリカルボン酸)、ポリ(4−メトキシ−テトラメチレン−1,2-ジカルボン酸)、ポリ(テトラメチレン−1,2-ジカルボン酸)、アルギン酸ソーダ、カルボシメチルセルロース、カルボキシスターチ、ジカルボキシスターチ、ジカルボキシメチルスターチ、これらのポリカルボン酸の塩などである。
本実施例において、濃色を堅牢に染めるためには、カチオン化剤としては、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のアルカリ反応型のカチオン化剤が特に有効であった。
また、アニオン化剤としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸等のポリカルボン酸類が特に有効であった。
以上の先媒染方法を採用することにより、アニオン化剤により例えば高濃度の金属媒染剤を染着させることができるため、極濃色までの草木染めが1回の染色で可能となる。
また、タンニン酸を使用していないため、媒染剤として金属を用いてもタンニン酸との発色がなく、染料本来の発色にて染め上げることができる。
更に、タンニン酸は多量に染着させると生地の風合いが硬化するがアニオン化剤は多量に染着させても風合いが悪くならない。
加えて、先媒染してあるため染料は染着した時点で発色し、染め上がりの色になっている。従って、色が良ければ染色終了することもできるし、染料を追加すれば色相、濃度を染まった色を見ながら調節できる。
また、予め先媒染まで終了した布、糸等の先媒染製品を準備すれば、植物等の天然色素抽出液のみで染色が完了し、媒染剤やその他の化学薬品を一切使用せずに染色が可能となる。従って幼児、障害者、老人等でも安全に染色ができる。
加えて、加熱せず水又は温湯でも染められるため、火の使えない場所や火傷の危険を避けたい場合に応用できる。
更に、先媒染製品を使用すれば、色素の染着が非常に速く1〜数分でも十分に染めることが可能なためイベントなどの体験コーナーに適する。
また、先媒染布で染色すると染液に金属が流出するのは僅かで、特に低温で染色した場合はほとんど汚れないため染浴中の色素を繰り返し使用できる。また染色残液の廃液処理も容易になる。
一方、染色した後に媒染液内に被染色物を浸漬することがないため、媒染残液が汚れず、金属成分を追加し繰り返し使用できる。また媒染残液の廃液処理も容易になる。
尚、カチオン化剤、アニオン化剤、媒染剤等は、前述のものに限られないのは勿論であり、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
また、カチオン化処理工程及びアニオン化処理工程、媒染処理工程等も上記のものに限定されない。更に、カチオン化処理工程の方法と、アニオン化処理は、全ての方法の組み合わせが可能である。
更に、本実施の形態では、無地染めの染色方法を採用していたが、模様染めにて染色することも考えられる。
模様染めの例としては、絞り染めや筆描き染め、版染め、おりがみ絞り染め、捺染、ステンシル染め、刷毛ぼかし染めなどが考えられる。また、ローケツ染めの様な防染、具体的には、加熱し溶かしたロウを、筆や刷毛を用いて先媒染製品に模様を描き、布面に伏糊のようにロウを固着させて模様の部分が染まらない様にした後に染色して模様染めを行う方法等がある。
本発明の先媒染製品は、染色した後に再び媒染処理をするという工程を必要とせず染料の塗布だけで染色が完了するため、前述の通り多種多様な模様染めを簡易に実現することが可能となる。

Claims (7)

  1. 繊維や布等の被染色物を、カチオン化剤を含有する前処理液にてカチオン化処理するカチオン化処理工程と、
    前記カチオン化処理工程終了後、カチオン化処理された被染色物を、アニオン化剤を含有する前処理液にてアニオン化処理するアニオン化処理工程と、
    前記アニオン化処理工程にて、アニオン化処理された被染色物を、媒染処理する媒染処理工程とを有することを特徴とする被染色物の先媒染方法。
  2. 前記媒染処理が、金属媒染処理であることを特徴とする請求項1記載の被染色物の先媒染方法。
  3. 前記請求項1又は2記載の先媒染方法にて先媒染した先媒染製品。
  4. 前記請求項1又は2記載の先媒染方法に用いるカチオン化剤。
  5. 前記請求項1又は2記載の先媒染方法に用いるアニオン化剤。
  6. 前記請求項1又は2記載の先媒染方法にて先媒染した染色製品。
  7. 前記請求項1又は2記載の先媒染方法にて先媒染した先媒染製品に模様染めを行う染色方法。
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