JP2002338806A - 変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法 - Google Patents

変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法

Info

Publication number
JP2002338806A
JP2002338806A JP2001152903A JP2001152903A JP2002338806A JP 2002338806 A JP2002338806 A JP 2002338806A JP 2001152903 A JP2001152903 A JP 2001152903A JP 2001152903 A JP2001152903 A JP 2001152903A JP 2002338806 A JP2002338806 A JP 2002338806A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin composition
cyanate ester
epoxy resin
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001152903A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4934910B2 (ja
Inventor
Yasushi Kamishiro
恭 神代
Takayuki Sueyoshi
隆之 末吉
Takashi Morita
高示 森田
Shigeo Sase
茂雄 佐瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2001152903A priority Critical patent/JP4934910B2/ja
Publication of JP2002338806A publication Critical patent/JP2002338806A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4934910B2 publication Critical patent/JP4934910B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿性、耐熱性、耐溶媒性および耐薬品性が
良好で、ビルドアップ積層方式に適し、高周波回路の低
損失を実現でき、しかも回路充填性などの成形性が良好
な樹脂組成物、ならびにそれをを用いた樹脂フィルムお
よび多層プリント配線板を提供する。 【解決手段】 (A)シアネートエステル化合物、
(B)フェノール類、(C)ポリフェニレンオキシド、
(D)金属化合物触媒および(E)エポキシ樹脂を含
み;または(A)を(B)で変性した(A′)変性シア
ネートエステル樹脂、(C)、(D)および(E)を含
む変性シアネートエステル系樹脂組成物;それを用いる
樹脂フィルムおよび多層プリント配線板、ならびにそれ
らの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷配線板におけ
る絶縁層の形成に用いられる変性シアネートエステル系
樹脂組成物に関し、また、該樹脂組成物から得られる樹
脂フィルムおよび多層プリント配線板に関する。さら
に、本発明は、それらの樹脂フィルムおよび多層プリン
ト配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型・高機能化に伴い、印刷
配線板に用いるための、薄型・軽量で、かつ高密度配線
が可能な基板材料が求められられるようになってきた。
また、近年、小径でかつ必要な層間のみを非貫通穴で接
続するIVH構造のビルドアップ積層方式の印刷配線板
が開発され、急速に普及が進んでいる。ビルドアップ積
層方式の印刷配線板の絶縁層には、ガラス布のような基
材を含まない耐熱性樹脂が用いられ、IVH用の穴は、
感光性樹脂を利用したホトリソグラフィーによるか、ま
たは熱硬化性樹脂をレーザ加工機によって熱分解するな
どの方法によって形成されている。
【0003】さらに近年では、大量のデータを高速で処
理するために、コンピュータや情報機器端末などで、信
号の高周波化が進んでいる。用いる周波数が高くなるに
つれて、電気信号の伝送損失が大きくなる。それに対応
するために、高周波化に対応した誘電特性を有する印刷
配線板の開発が、強く求められている。
【0004】高周波回路における伝送損失は、配線まわ
りの絶縁層(誘電体)の誘電特性で決まる誘電体損の影
響が大きく、印刷配線板用基板(特に絶縁樹脂)の誘電
率および誘電正接(tanδ)を低くすることが必要とな
る。たとえば移動体通信関連の機器では、信号の高周波
化に伴い、準マイクロ波帯(1〜3GHz)における伝送
損失を少なくするために、誘電正接の低い基板が強く望
まれるようになっている。
【0005】さらにコンピュータなどの電子情報機器で
は、動作周波数が1GHzを越える高速マイクロプロセッ
サが搭載されるようになり、印刷配線板における高速パ
ルス信号の遅延が問題になってきた。印刷配線板では、
信号の遅延時間が、配線まわりの絶縁物の比誘電率εr
の平方根に比例して長くなるため、高速コンピュータな
どでは、誘電率の低い配線板用基板が求められている。
【0006】さらにこれらの配線板には、使用される環
境の温度および湿度に影響を受けにくいこと、すなわち
耐熱性および耐湿性が必要である。これらの特性に関し
て、プレッシャークッカ試験(PCT)の恒温恒湿槽を
利用した耐湿試験、ならびに耐湿試験を行った試験片の
耐熱性試験が課せられる場合がある。
【0007】以上のような印刷配線板の技術動向に対応
して、高周波帯域における誘電率と誘電正接が低いばか
りでなく、前述のビルドアップ積層方式印刷配線板の製
造に適し、かつ耐熱性および耐湿性に優れた絶縁フィル
ムが必要となってきた。
【0008】従来から、誘電特性が良好なフィルム材料
として、耐熱性熱可塑性樹脂(エンジニアリング・プラ
スチック)であるポリフェニレンオキシド(PPOまた
はPPE)系樹脂が知られている。しかしながら、印刷
配線板用の絶縁材料に適用するためには、実装時のはん
だ接続工程に耐えられる耐熱性と、印刷配線板製造その
他の工程に耐えられる耐溶媒性・耐薬品性などの改善が
必要である。
【0009】そこで、耐熱性や耐溶媒性を改善する方法
として、ポリフェニレンオキシドを熱硬化性樹脂で変性
する方法が提案されている。たとえば、そのような樹脂
フィルムとして、特公平1-53700号公報に開示さ
れているように、ポリフェニレンオキシドに、熱硬化性
樹脂の中では最も誘電率が低いシアネートエステル樹脂
を配合した硬化性樹脂組成物を用いるポリフェニレンオ
キシド系フィルムがある。
【0010】しかしながら、このような樹脂組成物から
なるフィルムは、樹脂同士の相溶性が悪いという問題点
があり、硬化性樹脂としてシアネートエステル樹脂を単
独で用いているため、樹脂硬化物の誘電特性は、誘電率
が後述の他の組成物よりは比較的良好ではあるものの、
誘電正接が誘電率の値の割に高いという傾向があり、高
周波特性(特に伝送損失の低減)が不十分である。
【0011】同様にシアネートエステル系の変性樹脂を
用いる樹脂組成物としては、特公昭63-33506号
公報に開示されているビスマレイミド/シアネートエス
テル変性樹脂とポリフェニレンオキシドとの樹脂組成
物、および特開平5-311071号公報に開示されて
いる変性フェノール樹脂/シアネートエステル系樹脂と
ポリフェニレンオキシドとの樹脂組成物などがある。
【0012】しかしながら、このような方法による樹脂
組成物は、ポリフェニレンオキシドを変性する熱硬化性
樹脂が、ビスマレイミド/シアネートエステル変性樹脂
や変性フェノール樹脂/シアネートエステル系樹脂であ
るため、ポリフェニレンオキシドに対する相溶性が若干
良好になるものの、シアネートエステル樹脂以外の他の
熱硬化性樹脂を含有しているため、樹脂硬化物の誘電特
性は、シアネートエステル樹脂単独で変性された樹脂よ
りも悪く、その結果、総合的には高周波特性がさらに不
十分である。
【0013】また、熱可塑性樹脂であるポリフェニレン
オキシド系樹脂に、熱硬化性を付与して耐熱性や耐溶媒
性を改善するものとしては、特開平3−166225号
公報に開示されている、ポリフェニレンオキシドと架橋
性ポリマーおよび/またはモノマーとの樹脂組成物を流
延して得られるフィルム、および特開平7-18836
2号公報に開示されている、不飽和基を有する特定の硬
化性ポリフェニレンオキシドを適度に架橋させて得られ
るフィルムなどがある。
【0014】しかしながら、特開平3−166255号
公報に開示されている方法は、ポリトリアリルイソシア
ヌラートやスチレンブタジエン共重合体のような架橋性
ポリマーおよび/またはトリアリルイソシアヌラートの
ような架橋性モノマーを、ポリフェニレンオキシドに配
合することにより、熱硬化性(ラジカル重合性)を付与
しているが、配合する架橋性のポリマーおよびモノマー
が極性の高い化合物であるため、未反応で残存する少量
成分のために、樹脂硬化物の誘電特性が悪い。
【0015】また、特開平7-188362号公報に開
示されている方法は、ポリフェニレンオキシド自身にア
リル基などの不飽和基を導入したポリマーを用いるもの
である。該ポリマーは、本来、熱可塑性樹脂であるポリ
フェニレンオキシドの誘導体が主体となっているために
溶融粘度が高いことに加えて、不飽和基のラジカル重合
性を利用しているので連鎖反応的に一気に硬化が進むた
めに、硬化時の最低溶融粘度が高く、かつ溶融粘度の上
昇率も大きい。そのため、プレス成形の際に樹脂が充分
に流動化できない。その結果、ボイドが発生して、回路
充填性が不充分となり、また、多層化接着工程でのプレ
ス条件の管理幅が狭くなるため、成形性が悪い。
【0016】このような状況を解決するために、本発明
者らは、先に印刷配線板用樹脂組成物として、特定のシ
アネートエステル樹脂を1価フェノール類で変性した組
成物を用いる方法(特開平10−273532号公報、
特開平11−124452号公報および特開平11−1
24453号公報参照)を提案した。この方法によれ
ば、特定のシアネートエステル樹脂を1価フェノール類
で変性することにより、高周波(GHz)帯域における誘
電特性に優れ、特に誘電正接が低い樹脂組成物を得るこ
とができる。しかしながら、これら樹脂組成物を多層配
線板材料として用いた場合に、厳しい環境下における耐
湿性試験で、剥離を生じる傾向があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、以上
の状況に対応して、耐熱性、耐湿性、耐溶媒性および耐
薬品性が良好で、かつ印刷配線板の薄形・軽量化と高密
度化に有効なビルドアップ積層方式に適した絶縁フィル
ムを形成して、高周波帯域での誘電率および誘電正接が
低く、高周波回路の低損失性を実現でき、しかも耐熱
性、耐湿性および回路充填性などの成形性が良好な硬化
性樹脂組成物、ならびにそれを用いた樹脂フィルムおよ
び多層プリント配線板、およびそれらの製造方法を提供
することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (A)1分子中に少なくとも2個のシアナト基を有する
シアネートエステル化合物; (B)フェノール類; (C)熱可塑性樹脂;および (D)エポキシ樹脂 を含むことを特徴とする変性シアネートエステル系樹脂
組成物に関する。特に、(A)が、一般式〔1〕:
【0019】
【化4】
【0020】(式中、R1は、
【0021】
【化5】
【0022】を表し;そしてR2およびR3は、たがいに
同一でも異なっていてもよく、水素またはメチル基を表
す);で示されるシアネートエステル化合物である、変
性シアネートエステル系樹脂組成物に関し;また、
(B)が、一般式〔2〕:
【0023】
【化6】
【0024】(式中、R4およびR5は、たがいに同一で
も異なっていてもよく、水素原子またはメチル基を表
し;そしてnは1または2である)で示される1価フェ
ノール類である、変性シアネートエステル系樹脂組成物
に関し;さらに、(C)が、ポリフェニレンオキシドで
ある、変性シアネートエステル系樹脂組成物に関する。
【0025】また、本発明は、(A)1分子中に少なく
とも2個のシアナト基を有するシアネートエステル化合
物と、(B)フェノール類とを反応させて得られる
(A′)変性シアネートエステル樹脂シアネートエステ
ル化合物を、(C)、(D)および(E)とともに含む
変性シアネートエステル系樹脂組成物に関する。
【0026】さらに、本発明は、これらの変性シアネー
トエステル系樹脂組成物を用いて得られる樹脂フィルム
および多層プリント配線板、ならびにそれらの製造方法
に関する。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の変性シアネートエステル
系樹脂組成物は、(A)1分子中に少なくとも2個のシ
アナト基を有するシアネートエステル化合物、好ましく
は前記の一般式〔1〕で示されるシアネートエステル化
合物;(B)フェノール類、好ましくは前記の一般式
〔2〕で示される1価フェノール類;(C)熱可塑性樹
脂、好ましくはポリフェニレンオキシド;(D)金属化
合物触媒;および(E)エポキシ樹脂を必須成分として
含むことを特徴とする。
【0028】本発明のもう一つのタイプの変性シアネー
トエステル系樹脂組成物は、(A)1分子中に少なくと
も2個のシアナト基を有するシアネートエステル化合
物、好ましくは一般式〔1〕で示されるシアネートエス
テル化合物と;(B)フェノール類、好ましくは一般式
〔2〕で示される1価フェノール類とを反応させて得ら
れる(A′)変性シアネートエステル樹脂シアネートエ
ステル化合物を、(C)、(D)および(E)とともに
含み、場合によっては、さらに(B)フェノール類を含
む樹脂組成物である。
【0029】本発明に用いられる(A)シアネートエス
テル化合物は、1分子中に少なくとも2個のシアナト基
を有し、好ましくは一般式〔1〕で示されるように、1
分子中にシアナト基を2個有する、特定の構造のシアネ
ートエステル化合物である。式〔1〕で示される化合物
としては、たとえば、ビス(4−シアナトフェニル)エ
タン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパ
ン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)
メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、α,
α′−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロ
ピルベンゼン、フェノール付加ジシクロペンタジエン重
合体のシアネートエステル化物などが挙げられる。その
中でも、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフ
ェニル)メタンなどが、硬化物の誘電特性と硬化性のバ
ランスが良好なことから特に好ましい。一般式〔1〕で
示される以外のシアネートエステル化合物としては、こ
れらのシアネートエステル化合物のシアナト基が環化し
てトリアジン環を形成した三量体または五量体、ノボラ
ック構造を有するトリシアナト化合物などを挙げること
ができる。これらの(A)シアネートエステル化合物
は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用
いてもよい。
【0030】本発明に用いられる(B)は、フェノール
類であり、(A)成分に由来する未反応のシアナト基と
反応して、誘電率と誘電正接を下げる機能を有する。該
フェノール類としては、p−t−ブチルフェノール、p
−t−アミルフェノール、p−t−オクチルフェノー
ル、p−t−ノニルフェノールのような1価フェノール
類;カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ビス
フェノールF、ビスフェノールAのような2価フェノー
ル類;およびピロガロールのような3個以上のフェノー
ル性水酸基を有する多価フェノールが例示されるが、誘
電率および誘電正接を下げる効果から、1価フェノール
類が好ましく、シアナト基との反応性が高く、また単官
能で比較的低分子量であり、かつシアネートエステル樹
脂との相溶性が優れていること、および耐熱性が良好な
ことから、一般式〔2〕で示される1価フェノール類が
さらに好ましい。一般式〔2〕で示される化合物として
は、たとえば、p−ベンジルフェノール、p−(α−ク
ミル)フェノールなどが挙げられる。このような(B)
フェノール類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上
を混合して用いてもよい。
【0031】本発明における(B)フェノール類の配合
量は、十分な誘電特性を有する硬化物が得られ、特に高
周波帯域において十分に低い誘電正接が得られることか
ら、(A)シアネートエステル化合物100重量部に対
して2〜40重量部が好ましく、5〜30重量部がより
好ましく、5〜25重量部が特に好ましい。
【0032】本発明においては、(A)シアネートエス
テル化合物と(B)1価フェノール類またはフェノール
樹脂とは、両者を反応させて得られる(A′)変性シア
ネートエステル樹脂として用いることができる。すなわ
ち、(A)シアネートエステル化合物のプレポリマー化
とともに、(B)1価フェノール類を付加させた変性樹
脂として用いられる。この反応は、本発明の樹脂組成物
を調製する前にあらかじめ行ってもよく、樹脂組成物の
溶液中で、または後述のように、樹脂組成物を硬化させ
るいずれかの工程で行ってもよい。
【0033】(A)シアネートエステル化合物と(B)
フェノール類を反応させる際には、反応の初期から、上
記の適正配合量の(B)フェノール類の全量を投入して
反応させて、(A′)変性シアネートエステル樹脂とし
てもよいし、反応の初期には上記の適正配合量の一部を
反応させ、冷却後、残りの(B)1価フェノール類また
はフェノール樹脂を添加して、Bステージ化または硬化
の段階で反応させて、(A′)変性シアネートエステル
樹脂を形成させてもよい。反応条件は、通常、温度40
〜140℃である。
【0034】本発明は、誘電特性の良好な変性シアネー
トエステル樹脂に(C)熱可塑性樹脂、特に誘電特性が
良好なポリフェニレンオキシドを配合することにより、
誘電特性が向上すること、ならびに本来非相溶系であっ
て均一な樹脂を得ることが困難であるシアネートエステ
ル樹脂とポリフェニレンオキシドとを、本発明者らが見
出した方法、すなわち(C)熱可塑性樹脂、特にポリフ
ェニレンオキシドの溶媒溶液中で、(A)シアネートエ
ステル化合物と(B)フェノール類の反応を行う、いわ
ゆる“セミIPN”化の方法によって、硬化性フィルム
用の均一な樹脂ワニスを製造し、さらにそれを銅箔やキ
ャリヤフィルムの片面に流延塗布し、加熱乾燥により溶
媒を除去することにより、相溶化樹脂フィルムが得られ
ることに、大きな特徴がある。
【0035】本発明に用いられる(C)は、熱可塑性樹
脂であり、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリフェニレンナフタラート、ポリエーテル
イミドなどが例示され、誘電特性に優れることから、ポ
リフェニレンオキシドが好ましい。ここでポリフェニレ
ンオキシドとは、アルキル基のような置換基を有してい
てもよいベンゼン環がエーテル結合によって結合してい
るポリマーであり、ポリスチレン、スチレン−ブタジエ
ンコポリマー、ABSなどによって変成したものを包含
する。上記置換基としては、メチル基が好ましい。該ポ
リフェニレンオキシドとしては、たとえば、ポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシドと
ポリスチレンのポリマーアロイ、ポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレン)オキシドとスチレン−ブタジ
エンコポリマーのポリマーロイなどが挙げられ、その中
でも、ポリ(2、6−ジメチル−1,4−フェニレン)
オキシドとポリスチレンのポリマーアロイ、およびポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシドと
スチレン−ブタジエンコポリマーのポリマーアロイなど
がより好ましい。ポリマーアロイ中のポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレン)オキシドの量は、硬化物
の誘電特性が良好であることから、50重量%以上であ
ることがさらに好ましく、65重量%以上であることが
特に好ましい。
【0036】本発明における(C)熱可塑性樹脂、特に
ポリフェニレンオキシドの配合量は、熱硬化成分である
(A)シアネートエステル樹脂の十分な反応性および硬
化性が得られ、かつ十分な誘電特性を有する硬化物、特
に耐熱性および耐溶媒性に優れた樹脂フィルムが得られ
ることから、(A)シアネートエステル化合物100重
量部に対して5〜500重量部が好ましく、10〜30
0重量部がより好ましく、10〜200重量部が特に好
ましい。
【0037】本発明に用いられる(D)エポキシ樹脂
は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する低〜高分子
量の化合物であり、たとえば、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノールAノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアル
デヒドノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノ
ボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシ
ジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポ
キシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂およびイソシア
ヌラート型エポキシ樹脂;それらの水素添加物およびハ
ロゲン化物;ならびに前記樹脂から選ばれた2種以上の
混合物などが挙げられる。脂環式エポキシ樹脂として
は、ビス(ジシクロペンタジエン)型をはじめとするジ
シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シクロヘキセンオ
キシド型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのう
ち、分子骨格の対称性に優れ、誘電特性に優れた樹脂硬
化物が得られることから、ビス(ジシクロペンタジエ
ン)型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
S型エポキシ樹脂などが好ましい。
【0038】本発明における(D)エポキシ樹脂の配合
量は、耐湿性に優れた硬化物が得られ、かつ硬化物の誘
電特性、特に誘電正接の上昇が抑制されることから、
(A)シアネートエステル化合物100重量部に対して
10〜600重量部が好ましく、30〜500重量部が
より好ましい。また、本発明において(E)エポキシ樹
脂を配合する段階は、変性シアネート系樹脂組成物を製
造する際に、添加剤として必要な量をまとめて配合して
もよいし、変性シアネート系樹脂組成物を製造する変性
反応が終了した後に添加してもよい。特に、変性反応が
終了した後に添加することにより、優れた誘電特性が得
られる傾向がある。
【0039】本発明において、(A)シアネートエステ
ル化合物と(B)フェノール類、特に1価フェノール類
との反応を促進するために、(E)金属化合物触媒を用
いることができる。該(E)金属化合物触媒は、変性シ
アネート系樹脂を含む樹脂組成物を製造する際に、反応
触媒として用いてもよく、また該樹脂組成物から得られ
る樹脂フィルムが硬化する際に、硬化促進剤として用い
てもよい。金属化合物触媒としては、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、亜鉛などの金属原子を含有する
有機化合物が用いられ、具体的には、オクタン酸塩、2
−エチルヘキサン酸塩およびナフテン酸塩などの有機酸
金属塩;ならびにアセチルアセトン錯体などの有機リガ
ンドを有する金属錯体が例示される。変性シアネート系
樹脂組成物を製造する際の反応促進剤と、積層板を製造
する際の硬化促進剤とは、同一の金属化合物触媒を単独
で用いてもよく、またはそれぞれ別の2種以上を用いて
もよい。
【0040】本発明における(E)金属化合物触媒の配
合量は、十分な反応性および適切な硬化速度が得られ、
また反応の制御が容易であって、成形、硬化の際に、流
動性の不足により成形性が悪くなることがないことか
ら、(A)シアネートエステル化合物に対して1〜30
0重量ppmが好ましく、1〜200重量ppmがさらに好ま
しい。また、本発明において(E)金属化合物触媒を配
合する段階は、変性シアネート系樹脂組成物を製造する
際に、反応促進剤および硬化促進剤として必要な量をま
とめて配合してもよいし、変性シアネート系樹脂組成物
を製造する際には変性反応の促進に必要な量を用い、該
反応の終了後に、硬化促進剤として同一の触媒、または
別の金属化合物触媒を添加してもよい。
【0041】本発明の変性シアネート系樹脂組成物に、
上記の必須成分以外に、必要に応じて、難燃剤、無機お
よび有機の充填剤、硬化促進剤ならびにその他の添加剤
を配合することができる。難燃剤の例としては、トリブ
ロモフェノール、テトラブロモビスフェノールAのよう
な臭素化フェノール化合物;デカブロモジフェニルエー
テルに代表されるポリブロモジフェニルエーテル;1,
2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロ
ヘキサン、テトラブロモシクロヘキサン、ヘキサブロモ
シクロドデカンのような臭素化炭化水素;テトラブロモ
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ノボラック型
エポキシ樹脂のような臭素化エポキシ樹脂;臭素化ポリ
スチレン、臭素化ポリカーボネートのような臭素化熱可
塑性樹脂;2,4,6−トリス(トリブロモフェノキ
シ)−1,3,5−トリアジンのような臭素化トリフェ
ニルシアヌラートなどが挙げられる。その中でも、1,
2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロ
ヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモ
シクロドデカンおよび2,4,6−トリス(トリブロモ
フェノキシ)−1,3,5−トリアジンなどの難燃剤
が、シアネートエステル化合物と反応性を有しないた
め、得られる硬化物の誘電特性が良好なことから好まし
い。
【0042】本発明における難燃剤の配合量は、十分な
耐燃性および耐熱性を有する硬化物が得られることか
ら、(A)シアネートエステル化合物、(B)1価フェ
ノール類またはフェノール樹脂および(C)ポリフェニ
レンオキシドの総量に対して5〜300重量%が好まし
く、5〜200重量%がより好ましい。
【0043】無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、
水酸化アルミニウム、酸化チタン、クレイ、タルク、窒
化ケイ素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、チタン酸バリ
ウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどを使用
することができる。また有機充填剤としては、シリコー
ン樹脂、アクリルゴム、ブタジエンゴム、ポリブタジエ
ン型コアシェルゴム、パルプなどを使用することができ
る。充填剤の配合量は、均一でかつ良好な取扱性を有す
る成形材料、特に硬化性フィルムを得るために、本発明
の樹脂組成物の総量に対して、300重量%以下が好ま
しい。
【0044】エポキシ樹脂の硬化促進剤として、イミダ
ゾール化合物、有機リン化合物、第三級アミン、第四級
アンモニウム塩などを使用することができる。
【0045】該硬化促進剤の配合量は、十分な硬化促進
作用が発現し、かつ反応の制御が容易であって、適切な
硬化速度が得ら例、流動性が十分で良好な成形性が得ら
れることから、エポキシ樹脂に対して、0.01〜25
重量%の範囲が好ましく、0.01〜20重量%の範囲
がより好ましい。
【0046】本発明の樹脂組成物は、上記の各成分を、
通常の方法により混合して調製することができる。各成
分を、有機溶媒に溶解ないし分散させて、ワニスの形態
に調製することが好ましい。また、本発明の樹脂組成物
の各成分を、溶媒に溶解ないし分散させて、有効成分1
0〜70重量%の樹脂ワニスとし、キャリヤフィルムの
片面に、バーコータやロールコータなどを用いて塗布し
た後、加熱乾燥により溶媒を除去して、半硬化状か、ま
たは通常、150〜250℃に加熱することにより、硬
化状の樹脂フィルムを形成させること(製膜)ができ
る。
【0047】上記の樹脂ワニスを製造する場合に用いら
れる溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン
のような芳香族炭化水素類;トリクロロエチレン、クロ
ロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;N、N−ジ
メチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミドの
ようなアミド類;N−メチルピロリドンのような窒素含
有溶媒などが用いられる。特にベンゼン、トルエン、キ
シレンのような芳香族炭化水素類が好ましい。これらの
溶媒類は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用
いてもよい。芳香族炭化水素類を溶媒として用いる場合
の配合量は、樹脂組成物の全体量に対して25〜900
重量%が好ましく、40〜600重量%がより好まし
く、40〜400重量%が特に好ましい。
【0048】また、上記の芳香族炭化水素系溶媒に、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンのようなケトン系溶媒を併用する
と、ワニスが懸濁溶液にはなるが、より高濃度の溶液が
得られるという利点がある。しかし、ケトン系溶媒の配
合量が多すぎると、樹脂組成物が分離沈降するおそれが
あるので、ケトン系溶媒の配合量は、芳香族炭化水素系
溶媒に対して250重量%以下が好ましい。
【0049】樹脂フィルムを形成する際に用いるキャリ
ヤフィルムは、銅、アルミニウムのような金属箔;ポリ
エステル、ポリイミドのような樹脂フィルム;またはこ
れらのキャリヤフィルムの表面に離型剤を塗布したもの
などを用いることができる。キャリアフィルムに離型剤
処理を施すことは、キャリヤフィルムから硬化性フィル
ムを引き剥がす際や、キャリア付きフィルムを基板に積
層した後キャリヤフィルムを剥離する際の、作業性を向
上させるうえで好ましい。
【0050】以下、金属箔として銅箔、金属張積層板と
して銅張積層板を例として記述する。これらの記述は、
銅以外の金属、たとえばアルミニウムを用いる場合にも
適用される。
【0051】このようにキャリヤフィルムの片面に絶縁
性の樹脂層を形成した硬化性フィルムは、たとえば、キ
ャリヤフィルムを除去したシート状の樹脂を、1枚用い
るか、複数枚積層し、その上下に銅箔を積層してプレス
成形することにより、印刷配線板用の銅張積層板を製造
することができる。プレス成形条件は、通常、温度15
0〜250℃、圧力0.1〜5MPa、時間0.5〜5時
間である。
【0052】また、銅箔の片面に、バーコータやロール
コータなどを用いて樹脂ワニスを塗布した後、加熱乾燥
により溶媒を除去し、銅箔付き樹脂フィルムとすること
もできる。樹脂層の厚さは、通常1〜300μmであ
る。該銅箔付き樹脂フィルムは、絶縁層上に回路形成を
する際に、銅箔をそのまま回路導体として使用できると
いう利点がある。
【0053】銅箔付き樹脂フィルムを、たとえば、樹脂
層を合わせるように貼り合わせ、さらに必要ならばその
間にキャリヤフィルムを除去した樹脂フィルムを1枚以
上介在させてプレス成形することにより、印刷配線板用
の銅張積層板を製造することができる。
【0054】また、従来のガラス布基材の銅張積層板ま
たは上記の銅張積層板に回路を形成した後、キャリヤフ
ィルムを除去した樹脂フィルムを1枚以上積層し、さら
にその上に銅箔もしくは銅箔付き樹脂フィルムを配置し
てプレス成形するか、または銅箔付き樹脂フィルムを配
置してプレス成形することにより、多層配線板用の基板
を製造することができる。
【0055】また、従来のガラス布基材の銅張積層板、
または上記の銅張積層板に回路を形成した後、前記の樹
脂ワニスを塗布・加熱乾燥し、その上に銅箔を配置して
プレス成形することにより、多層配線板用の基板を製造
することもできる。さらには、従来のガラス布基材の銅
張積層板、または上記の銅張積層板に回路を形成した
後、前記樹脂フィルムを1枚以上積層して、めっきを施
すことにより、多層配線板用の基板を製造することもで
きる。
【0056】なお、回路の形成には、従来の方法を適用
することができる。たとえば、銅張積層板または多層配
線板用基板に必要に応じて貫通孔もしくは非貫通孔を明
け、ついで無電解めっきまたは電気めっきを施して孔内
壁を導体化した後、導通孔部の保護、エッチングレジス
トの形成、およびエッチングによる非配線部分の銅の除
去などの工程により、回路を形成することができる。
【0057】さらに本発明の硬化性樹脂フィルムでは、
貫通孔または非貫通孔を明ける方法として、ドリル孔明
けまたはレーザ加工を採用することができる。レーザ加
工の場合には、レーザショットにより直に孔を形成する
ダイレクト・イメージング法や、金属製マスクなどを用
いるコンフォーマル・マスク法により、レーザ孔明けが
可能である。本発明で得られる硬化性フィルムの一例で
ある、銅箔をキャリアフィルムとした樹脂付き金属箔
は、貫通孔または非貫通孔を形成すべき場所をあらかじ
めエッチングによって除去した銅箔をマスクとして用い
て、レーザ孔明けを行うことができる。
【0058】
【実施例】以下、実施例により、本発明をより詳細に説
明する。本発明は、これらの実施例によって限定される
ものではない。表1に示す原料および配合量により、フ
ィルム成形用ワニスを調製し、半硬化状の樹脂フィルム
を作製して、それぞれの評価を行った。
【0059】実施例1 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフ
ラスコに、トルエン270gとポリフェニレンオキシド
(ノニルPKN4752、日本ジーイープラスチックス
株式会社商品名)70gを仕込み、攪拌しつつ80℃に
加熱して溶解した。次に2,2−ビス(4−シアナトフ
ェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ株式会
社商品名)140gおよびp−(α−クミル)フェノー
ル(サンテクノケミカル株式会社商品名)8gを添加し
て溶解した後、ナフテン酸マンガン(Mn含有量6重量
%、日本化学産業株式会社商品名)をトルエンでMn分
0.6重量%に希釈した溶液0.4gを添加し、還流温
度で3時間反応させた。この後、室温まで冷却し、ジシ
クロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP−7200H、
大日本インキ化学工業株式会社商品名)を140gおよ
びイミダゾール系硬化促進剤(キュアゾール2MZ−C
NS、四国化成株式会社商品名)を6g添加して1時間
攪拌することにより、フィルム成形用樹脂ワニス(固形
分濃度45重量%)を調製した。
【0060】この樹脂ワニスを、バーコータの一種であ
るコンマコータ(株式会社ヒラノテクシード製)を用い
て、厚さ50μmの離型剤付きのポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム(ピューレックスA−63,
株式会社帝人商品名)に塗工して乾燥(140℃)し、
樹脂層厚さ30〜33μmのキャリヤフィルム付樹脂フ
ィルムを作製した。得られた樹脂フィルムは、カッタナ
イフで切断しても樹脂割れや粉落ちがなく、取扱性に優
れていた。
【0061】実施例2 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフ
ラスコに、トルエン300gとポリフェニレンオキシド
(ノニルPKN4752、日本ジーイープラスチックス
株式会社商品名)70gを仕込み、攪拌しつつ80℃に
加熱して溶解した。次に2,2−ビス(4−シアナトフ
ェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ株式会
社商品名)230gおよびp−(α−クミル)フェノー
ル(サンテクノケミカル株式会社商品名)5gを添加し
て溶解した後、ナフテン酸マンガン(Mn含有量6重量
%、日本化学産業株式会社商品名)をトルエンでMn分
0.6重量%に希釈した溶液0.5gを添加し、還流温
度で6時間反応させた。さらに室温まで冷却した後、p
−(α−クミル)フェノール(サンテクノケミカル株式
会社商品名)21gおよび多官能エポキシ樹脂(エピコ
ート1031、油化シェルエポキシ株式会社商品名)2
30gを添加して溶解することにより、フィルム成形用
樹脂ワニス(固形分濃度36重量%)を調製した。
【0062】このワニスを用い、実施例1と同様にし
て、樹脂層厚さ30〜33μmのキャリヤフィルム付樹
脂フィルムを作製した。得られた樹脂フィルムは、カッ
タナイフで切断しても樹脂割れや粉落ちがなく、取扱性
に優れていた。
【0063】実施例3 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフ
ラスコに、トルエン400gとポリフェニレンオキシド
(ノニルPKN4752、日本ジーイープラスチックス
株式会社商品名)100gを仕込み、攪拌しつつ80℃
に加熱して溶解した。次に2,2−ビス(4−シアナト
フェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ株式
会社商品名)67gおよびp−(α−クミル)フェノー
ル(サンテクノケミカル株式会社商品名)8gを添加し
て溶解した後、ナフテン酸コバルト(Co含有量8重量
%、日本化学産業株式会社商品名)をトルエンでCo分
0.8重量%に希釈した溶液0.3gを添加し、還流温
度で2時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後、
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ESCN−
190−3、住友化学工業株式会社商品名)60gを添
加し、攪拌して溶解することにより、フィルム成形用樹
脂ワニス(固形分濃度37重量%)を調製した。
【0064】このワニスを用い、実施例1と同様にし
て、樹脂層厚さ30〜33μmのキャリヤフィルム付樹
脂フィルムを作製した。得られた樹脂フィルムは、カッ
タナイフで切断しても樹脂割れや粉落ちがなく、取扱性
に優れていた。
【0065】実施例4 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフ
ラスコに、トルエン230gとポリフェニレンオキシド
(ノニルPKN4752、日本ジーイープラスチックス
株式会社商品名)75gを仕込み、攪拌しつつ80℃に
加熱して溶解した。次に2,2−ビス(4−シアナトフ
ェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ株式会
社商品名)75gおよびp−(α−クミル)フェノール
(サンテクノケミカル株式会社製)5gを添加して溶解
した後、ナフテン酸マンガン(Mn含有量6重量%、日
本化学産業株式会社商品名)をトルエンでMn分0.6
重量%に希釈した溶液0.2gを添加し、還流温度で6
時間反応させた。さらに室温まで冷却した後、トルエン
200g、p−(α−クミル)フェノール(サンテクノ
ケミカル株式会社商品名)3g、ジシクロペンタジエン
型エポキシ樹脂(HP−7200、大日本インキ化学工
業株式会社商品名)80gおよびイミダゾール系硬化触
媒4gを投入して溶解することにより、フィルム成形用
樹脂ワニス(固形分濃度40重量%)を調製した。
【0066】このワニスを用い、実施例1と同様にし
て、樹脂層厚さ30〜33μmのキャリヤフィルム付樹
脂フィルムを作製した。得られた樹脂フィルムは、カッ
タナイフで切断しても樹脂割れや粉落ちがなく、取扱性
に優れていた。
【0067】実施例5 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフ
ラスコに、トルエン200gとポリフェニレンオキシド
(ノニルPKN4752、日本ジーイープラスチックス
株式会社商品名)30gを仕込み、攪拌しつつ80℃に
加熱して溶解した。次にビス(3,5−ジメチル−4−
シアナトフェニル)メタン(ArocyM−10、旭チ
バ株式会社商品名)100gおよびp−(α−クミル)
フェノール(サンテクノケミカル株式会社商品名)2g
を添加して溶解した後、ナフテン酸マンガン(Mn含有
量6重量%、日本化学産業株式会社商品名)をトルエン
でMn分0.6重量%に希釈した溶液0.2gを添加
し、還流温度で5時間反応させた。ついで反応液を冷却
し、内温が90℃になったときに、攪拌しながらメチル
エチルケトン(MEK)100gを投入して懸濁化させ
た。反応液を室温まで冷却した後、p−(α−クミル)
フェノール(サンテクノケミカル株式会社商品名)2
g、ナフテン酸コバルト(Co含有量8重量%、日本化
学産業株式会社商品名)トルエンでCo分0.8重量%
に希釈した溶液0.2gを添加し、ついでサリチルアル
デヒドノボラック型エポキシ樹脂(EPPN502、日
本化薬株式会社商品名)110gおよびイミダゾール1g
を添加し、攪拌して溶解することにより、フィルム成形
用樹脂ワニス(固形分濃度45重量%)を調製した。
【0068】このワニスを用い、実施例1と同様にし
て、樹脂層厚さ30〜33μmキャリヤフィルム付樹脂
フィルムを作製した。得られた樹脂フィルムは、カッタ
ナイフで切断しても樹脂割れや粉落ちがなく、取扱性に
優れていた。
【0069】比較例1 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフ
ラスコに、トルエン360gとポリフェニレンオキシド
(ノニルPKN4752、日本ジーイープラスチックス
株式会社商品名)120gを仕込み、攪拌しつつ80℃
に加熱して溶解し、フィルム成形用樹脂ワニス(固形分
濃度25重量%)を調製した。このワニスを用いて、実
施例1と同様にして、樹脂層厚さ30〜33μmのキャ
リヤフィルム付樹脂フィルムを作製した。得られた樹脂
フィルムは、カッタナイフで切断しても樹脂割れや粉落
ちがなく、取扱性に優れていた。
【0070】比較例2 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフ
ラスコに、メチルエチルケトン240g、2,2−ビス
(4−シアナトフェニル)プロパン(ArocyB−1
0、旭チバ株式会社商品名)120gおよびp−(α−
クミル)フェノール(サンテクノケミカル株式会社商品
名)2gを仕込み、攪拌して溶解した後、ナフテン酸コ
バルト(Co含有量8重量%、日本化学産業株式会社
製)をトルエンでCo分0.8重量%に希釈した溶液
1.2gを添加し、還流温度で2時間反応させた。室温
まで冷却した後、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂
(HP−7200、大日本インキ化学工業株式会社商品
名)10gおよびイミダゾール系硬化触媒1gを添加し、
攪拌して溶解することにより、フィルム成形用樹脂ワニ
ス(固形分濃度36重量%)を調製した。このワニスを
用いて、実施例1と同様にして、樹脂層厚さ30〜33
μmのキャリヤフィルム付樹脂フィルムを作製した。得
られた樹脂フィルムは、カッタナイフで切断した際に樹
脂割れや粉落ちが発生し、キャリヤフィルムを剥離する
と、樹脂フィルムを単独で取扱うことができなかった。
【0071】比較例3 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフ
ラスコに、トルエン300gとポリフェニレンオキシド
(ノニルPKN4752、日本ジーイープラスチックス
株式会社商品名)70gを仕込み、攪拌しつつ80℃に
加熱して溶解した。次に2,2−ビス(4−シアナトフ
ェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ株式会
社商品名)230gおよびp−(α−クミル)フェノー
ル(サンテクノケミカル株式会社商品名)5gを投入し
て溶解した後、ナフテン酸マンガン(Mn含有量6重量
%、日本化学産業株式会社商品名)をトルエンでMn分
0.6重量部に希釈した溶液0.5gを添加し還流温度
で6時間反応させた。さらに室温まで冷却した後、p−
(α−クミル)フェノール(サンテクノケミカル株式会
社商品名)21g、およびナフテン酸コバルト(Co含
有量8重量%、日本化学産業株式会社商品名)をトルエ
ンでCo分0.8重量%に希釈した溶液1.2gおよび
トルエン300gを投入して溶解することにより、フィ
ルム成形用樹脂ワニス(固形分濃度=35重量%)を調
製した。このワニスを用いて、実施例1と同様にして、
樹脂層厚さ30〜33μmのキャリヤフィルム付樹脂フ
ィルムを作製した。得られた樹脂フィルムは、カッタナ
イフで切断しても樹脂割れや粉落ちがなく、取扱性に優
れていた。
【0072】比較例4 温度計、冷却管、攪拌装置を備えた4つ口セパラブルフ
ラスコに、トルエン100g、ジシクロペンタジエン型
エポキシ樹脂(HP−7200、大日本インキ化学工業
株式会社商品名)400gおよびイミダゾール系硬化触
媒5gを仕込み、攪拌しつつ80℃に加熱して溶解する
ことにより、フィルム成形用樹脂ワニス(固形分濃度8
0重量%)を調製した。このワニスを用いて、実施例1
と同様にして、樹脂層厚さ30〜33μmのキャリヤフ
ィルム付樹脂フィルムを作製した。得られた樹脂フィル
ムは、カッタナイフで切断した際に樹脂割れや粉落ちが
発生し、キャリヤフィルムを剥離すると、樹脂フィルム
を単独で取扱うことができなかった。
【0073】実施例1〜5および比較例1〜4に用いた
原料を、まとめて表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】表1において略号で示した原料の内容は、
次のとおりである。 (A)B−10:2,2−ビス(4−シアナトフェニ
ル)プロパン(旭チバ株式会社商品名); M−10:ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェ
ニル)メタン(旭チバ株式会社商品名); B−30:2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロ
パンのオリゴマー(旭チバ株式会社商品名); (B)PCP:p−(α−クミル)フェノール(サンテ
クノケミカル株式会社製)(旭チバ株式会社商品名); (C)PPO:ポリフェニレンオキシド(ノニルPKN
4752、日本ジーイープラスチックス株式会社商品
名); (D)HP:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(H
P−7200、大日本インキ化学工業株式会社商品
名); HP−H:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP
−7200H、大日本インキ化学工業株式会社商品
名); 1031:多官能エポキシ樹脂(エピコート1031、
油化シェルエポキシ株式会社商品名); ESCN:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(ESCN−190−3、住友化学工業株式会社商品
名); 502:サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂
(EPPN502、日本化薬株式会社商品名); (E)Co:ナフテン酸コバルト(Co分8重量%、日
本化学産業株式会社商品名)を、Co分0.8重量%の
トルエン希釈溶液として使用; Mn:ナフテン酸マンガン(Mn分6重量%、日本化学
産業株式会社商品名)を、Mn分0.6重量%のトルエ
ン希釈溶液として使用。
【0076】次に、実施例1〜5のキャリヤフィルム付
き樹脂フィルムについて、樹脂フィルム単独での取扱性
と、硬化後のフィルムの耐溶媒性の評価を行った。
【0077】取扱性の評価 実施例1〜5で得られたキャリヤフィルム付き樹脂フィ
ルムから、それぞれキャリヤフィルムを剥離し、得られ
た樹脂フィルム12枚を重ね、さらにその上下に、電解
銅箔の鏡面を剥離面として用いて重ね、200℃、1.
5MPaで1時間プレス成形を行い、厚さ約0.4mmの樹
脂硬化フィルムを作製した。
【0078】比較例1で得られたキャリヤフィルム付き
樹脂フィルムから、実施例1〜5のキャリヤフィルム付
き樹脂フィルムと同様にして、樹脂成形フィルムを作製
した。同様にして比較例2〜4の樹脂フィルムをプレス
成形して、それぞれの樹脂硬化フィルムを作製した。し
かしながら、比較例2のキャリヤフィルム付き樹脂フィ
ルムは、樹脂フィルム層がシアネートエステル樹脂単独
のフィルムであるため、キャリヤフィルムを剥離しよう
とすると、樹脂フィルム自体が脆いため割れてしまい、
フィルム単独で扱うことができなかった。その結果、樹
脂硬化フィルムを作製することができなかった。また、
比較例4のキャリアフィルム付き樹脂フィルムは、樹脂
フィルム層がエポキシ樹脂単独のフィルムのため、同様
に樹脂フィルム自体が脆いため割れてしまい、フィルム
単独で扱うことができず、樹脂硬化フィルムを作製する
ことができなかった。
【0079】耐溶媒性の評価 上記のようにして得られた樹脂硬化フィルムを、50mm
角に切断して、トルエン中に浸漬し、室温で60分間放
置した。実施例1〜5の樹脂硬化フィルムは、膨潤およ
び外観変化が見られなかった。また、別に用意した実施
例1〜5の樹脂硬化フィルムの表面を、トルエンまたは
メチルエチルケトンを含ませた布で数回擦ってフィルム
表面の異常の有無を観察したが、いずれの樹脂硬化フィ
ルムも、フィルム表面の異常は見られなかった。以上の
ことから、実施例1〜5の樹脂硬化フィルムは、耐溶媒
性が良好であることが確認できた。
【0080】しかしながら、比較例1の樹脂成形フィル
ムを50mm角に切断して、トルエン中に浸漬し、室温で
60分間放置したところ、ポリフェニレンオキシド単独
の樹脂成形フィルムであるため膨潤し、一部は溶解して
しまった。また別の樹脂成形フィルムの表面をトルエン
を含ませた布で数回擦ったところ、フィルムの表面が溶
けてべたつきが発生した。また別の樹脂成形フィルムの
表面をメチルエチルケトンを含ませた布で数回擦ったと
ころ、フィルムにひびわれ(亀裂)が生じ、遂には穴が
明いて切断してしまった。
【0081】以上の結果から、本発明のポリフェニレン
オキシド変性シアネートエステル系樹脂フィルムは、フ
ィルムとして単独での取扱が可能であり、かつ耐溶媒性
も良好であることが確認できた。
【0082】誘電特性、ガラス転移温度および引張弾性
率の評価 次に、実施例1〜5および比較例3で得られた硬化性フ
ィルム用樹脂ワニスを用いた樹脂フィルムの硬化物につ
いて、ギガヘルツ帯での誘電特性、ガラス転移温度およ
び引張弾性率を評価した。
【0083】銅箔を化学エッチングで完全に除去した樹
脂硬化物を、RFインピーダンス/マテリアルアナライ
ザ(アジレントテクノロジー社製、HP 4291B)
を用いて、1GHzにおける誘電率および誘電正接を測定
した。また、銅箔を化学エッチングで完全に除去した樹
脂の硬化物から、試験片を切出し、広域粘弾性測定装置
(株式会社レオロジー製DVE)を用いて、引張モード
(周波数;10Hz、昇温;5℃/min)でガラス転移温
度(Tg)および40℃における引張弾性率を測定し
た。それらの結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】表2より、本発明の変性シアネートエステ
ル系樹脂を用いた樹脂フィルムは、シアネートエステル
類を特定の1価フェノール類と反応させているために、
ギガヘルツ帯の誘電特性、特に誘電正接が低いことが確
認できた。
【0086】多層配線板の作成と評価 次に、実施例1〜5および比較例3で得られた樹脂ワニ
スをそれぞれ用いて、銅箔付き樹脂フィルムを作製し、
印刷配線板用多層材料としての特性を評価した。
【0087】実施例1〜5および比較例3で得られた樹
脂ワニスを、バーコータの一種であるコンマコータ(株
式会社ヒラノテクシード製)を用いて、厚さ18μmの
電解銅箔の粗化面に塗工し、140℃で2分間乾燥し
て、樹脂層厚さ;60〜70μmの銅箔付樹脂フィルム
を作製した。得られた樹脂フィルムは、いずれもカッタ
ナイフで切断しても樹脂割れや粉落ちがなく、取扱性に
優れていた。
【0088】ついで、表面処理を施した導体回路(回路
用銅箔厚さ;18μm)を形成したガラス布基材の内層
回路板(基材厚さ;0.1mm)の両面に、前記銅箔付き
樹脂フィルムを、樹脂層が内層回路に接するように重
ね、200℃、2.5MPaの条件で60分プレス成形し
て、4層配線板を作製した。
【0089】このようにして得られた4層印刷配線板に
ついて、以下に示す方法により、耐湿性、はんだ耐熱性
および銅箔ピール強さを評価した。その結果を表3に示
す。 <特性評価方法> ・成形性;4層配線板の外層銅を化学エッチングによっ
て完全に除去し、目視により、内層回路への樹脂の充填
性(ボイドやカスレの有無)を判定した。 ・耐湿性:4層配線板の外層の銅箔を、化学エッチング
によって完全に除去し、121℃、2.1気圧のプレッ
シャークッカ試験器に装入して、192時間経過後の、
樹脂硬化物と内層銅箔面との接着性を観察した。 ・はんだ耐熱性:外層銅箔付きの25mm角4層板を、2
60℃の溶融はんだに浮かべ、ふくれが発生するまでの
時間を測定した。 ・銅箔ピール強さ:JIS C6481に準拠して測定
した。
【0090】
【表3】
【0091】表3に示したように、実施例1〜5の樹脂
ワニスから得られた銅箔付き樹脂フィルムを用いた4層
配線板は、プレッシャークッカ試験によって剥がれを生
ずることなく、耐湿性が高かった。それに対して、比較
例3の樹脂ワニスから得られた樹脂フィルムを用いた配
線板は、プレッシャークッカ試験において剥がれが認め
られ、耐湿性が劣っていた。この結果、本発明の銅箔付
き樹脂フィルムは、配線板とした際の耐湿性が高いこと
が確認できた。また、これらの樹脂フィルムは、多層配
線板材料として成形性が良好であった。さらに、本発明
の樹脂組成物がシアネートエステル樹脂を特定の1価フ
ェノール化合物と反応させたことにより、それを硬化し
て得られた本発明の銅箔付き樹脂フィルムを用いた4層
配線板は、はんだ耐熱性が良好であり、従来のガラス布
を基材に用いた接着用プリプレグと同様の特性を有する
ことが確認できた。
【0092】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を用いることによ
り、フィルム単独での取扱が可能な樹脂フィルムを作製
することが可能である。この樹脂フィルムは、耐溶媒性
が優れ、かつその硬化物は、高周波帯域での誘電率や誘
電正接が低く、さらに多層配線板材料として用いた場合
には、耐湿性、成形性、はんだ耐熱性および銅箔ピール
強さなどが良好であるので、高速デジタル信号や無線通
信関連の高周波信号を扱う機器に用いられる印刷配線板
の、特にビルドアップ積層方式による製造に好適であ
る。本発明の樹脂フィルムを用いることにより、コンピ
ュータの高速化や高周波関連機器の低損失化に適した多
層プリント配線板を容易に製造することが可能となる。
【0093】高分子材料などの誘電特性は、双極子の配
向分極による影響が大きい。したがって分子内の極性基
を少なくすることにより低誘電率化が図れ、また極性基
の運動性を抑えることにより誘電正接を低くすることが
可能になる。シアネートエステル樹脂は、極性の強いシ
アナト基を有していながら、硬化の際に、対称性かつ剛
直なトリアジン構造を生成するので、熱硬化性樹脂とし
ては最も低い誘電率および誘電正接を有する硬化物が得
られる。
【0094】しかしながら、実際の硬化反応において
は、シアネートエステル樹脂中のすべてのシアナト基が
反応してトリアジン構造を生成するということは不可能
であり、硬化反応の進行に伴い、反応系が流動性を失っ
て、未反応のシアナト基として系内に残存することにな
る。その結果、これまでのシアネートエステル樹脂で
は、本来の硬化物が示すはずの特性よりは、誘電率や誘
電正接が高い硬化物しか得られなかった。
【0095】これに対して、本発明の樹脂組成物では、
(B)フェノール類、特に一般式〔2〕で示される1価
フェノール類を、(A)シアネートエステル樹脂に対し
て適正量配合することで、未反応で残るシアナト基をイ
ミドカーボネート化してその極性を減じることにより、
硬化物の誘電率と誘電正接を本来の値まで低下させるこ
とができた。
【0096】従来、シアネートエステルの三量化反応
(トリアジン環の生成)の助触媒として、ノニルフェノ
ール等のフェノール化合物が、シアネートエステル10
0重量部に対して1〜2重量部程度用いられる場合があ
った。しかし、配合量が触媒量であったため、上記のよ
うな未反応のシアナト基と反応し極性を下げるという効
果は認められなかった。それに対して、本発明者らがフ
ェノール化合物の配合量について検討した結果、フェノ
ール化合物を従来の触媒量よりも多量に配合した場合
に、硬化物の誘電率と誘電正接が低下することを認め、
かつ特定の1価フェノール類を用いれば、配合量が増え
ることによる耐熱性の低下も抑制できることを見出し
た。そのため、本発明の方法によれば、これまでのシア
ネートエステル樹脂単独の硬化物、ならびに従来のエポ
キシ樹脂および多価フェノール類(これらは、一部の水
酸基が未反応基として残り易いため、誘電特性をかえっ
て悪化させる傾向がある)、あるいはビスマレイミドな
どを配合した樹脂の硬化物よりも、誘電率と誘電正接の
低い硬化物が得られる。
【0097】ところで、配線板用絶縁材料には、樹脂材
料の吸水率が低いことが望まれ、さらに加湿後にも接着
力が維持される必要がある。これは、電子機器の製造工
程および使用環境を考慮した特性であり、耐湿性試験と
してプレッシャクッカ等の恒湿恒温層を使用した加速試
験等に代表されるように、高い耐湿性が必要となる。本
発明では、エポキシ樹脂を変性シアネートエステル系樹
脂に添加することにより、耐湿性が高く、誘電率や誘電
正接が低い新規樹脂組成物を提供することが可能であ
る。これを銅箔やキャリアフィルムの片面に流延塗布
し、加熱乾燥により溶媒を除去して相溶性樹脂フィルム
を得ることができる。
【0098】本発明の変性シアネートエステル系硬化性
樹脂組成物から得られるフィルムは、特に高周波特性に
優れているので、無線通信関連の端末機器やアンテナお
よび高クロック周波数のマイクロプロセッサを搭載する
高速コンピュータなどの印刷配線板用の製造に適してい
る。
【0099】さらに、本発明のフィルムより、配線板に
ガラス布などの基材を含まないことによって、印刷配線
板の薄形化や軽量化が可能で、かつビルドアップ積層方
式によってIVH(インタスティシャル・バイアホー
ル)構造の接続孔が容易に形成でき、配線の高密度化に
も有効な、耐熱性絶縁ワニスおよびフィルムが提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 73/00 C08G 73/00 5E346 C08J 5/18 CEZ C08J 5/18 CEZ C08K 5/13 C08K 5/13 C08L 63/00 C08L 63/00 A 71/12 71/12 101/00 101/00 H05K 3/46 H05K 3/46 T // B29K 63:00 B29K 63:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 森田 高示 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐瀬 茂雄 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA42 AA58 AC11 AF36 AH13 BA02 BB02 BC01 4F100 AB01A AB33A AH02B AH03B AH08B AH08H AK01B AK53B AK54B AL05B AL06B BA02 GB43 JB16B JD04 JG04 JJ03 4F205 AA39 AA49 AG01 AH36 GA07 GB02 GC07 GE24 4J002 CD01Y CD02Y CD05Y CD06Y CD13Y CF08X CG01 CH06X CH07X CM00W CN02X EJ016 EJ026 FD010 FD130 FD140 FD150 4J043 PA04 PB23 QC14 RA01 RA31 SA13 SB01 TA02 TB01 XA13 XA36 XA38 ZA42 ZB11 ZB50 5E346 CC08 CC09 CC32 CC34 DD12 DD32 EE31 FF04 GG15

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に少なくとも2個のシア
    ナト基を有するシアネートエステル化合物; (B)フェノール類; (C)熱可塑性樹脂;および (D)エポキシ樹脂 を含むことを特徴とする変性シアネートエステル系樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 (A)が、一般式〔1〕: 【化1】 (式中、R1は、 【化2】 を表し;そしてR2およびR3は、たがいに同一でも異な
    っていてもよく、水素またはメチル基を表す);で示さ
    れるシアネートエステル化合物である、請求項1記載の
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)が、一般式〔2〕: 【化3】 (式中、R4およびR5は、たがいに同一でも異なってい
    てもよく、水素原子またはメチル基を表し;そしてnは
    1または2である)で示される1価フェノール類であ
    る、請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (C)が、ポリフェニレンオキシドであ
    る、請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)シアネートエステル化合物100
    重量部に対して、(B)フェノール類の量が4〜30重
    量部である、請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 (A)シアネートエステル化合物が、
    2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンもしく
    は2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェ
    ニル)メタンのいずれか1種またはこれらの混合物であ
    る、請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (A′)1分子中に少なくとも2個のシ
    アナト基を有するシアネートエステル化合物と、フェノ
    ール類とを反応させて得られる変性シアネートエステル
    樹脂; (C)熱可塑性樹脂;および (D)エポキシ樹脂 を含み、場合によっては、さらに(B)フェノール類を
    含むことを特徴とする変性シアネートエステル系樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 (B)フェノール類が、p−(α−クミ
    ル)フェノールである、請求項1〜7のいずれか1項記
    載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (C)ポリフェニレンオキシドが、ポリ
    (2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル
    と、ポリスチレンまたはスチレン−ブタジエンコポリマ
    ーとを含むポリマーアロイであり、うちポリ(2,6−
    ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが50重量%
    以上である、請求項1〜8のいずれか1項記載の樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】 (D)エポキシ樹脂が、ビスフェノー
    ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
    脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボ
    ラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
    シ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、
    サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、ビスフ
    ェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
    樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジル
    アミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキ
    シ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂およびイソシアヌ
    ラート型エポキシ樹脂;ならびにそれらの水素添加物お
    よびハロゲン化物からなる群より選ばれる1種または2
    種以上である、請求項1〜10のいずれか1項記載の樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】 さらに、(E)金属化合物触媒を含
    む、請求項1〜11のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 (E)金属化合物触媒が、マンガン、
    鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛のオクタン酸
    塩、2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩およびアセ
    チルアセトン錯体から選ばれる1種または2種以上であ
    る、請求項11記載の樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 (A)シアネートエステル化合物10
    0重量部に対して、(D)エポキシ樹脂の量が10〜6
    00重量部である、請求項1〜11のいずれか1項記載
    の樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項記載の
    樹脂組成物を含む絶縁ワニスを、半硬化もしくは硬化し
    て得られる変性シアネートエステル系樹脂フィルム。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13のいずれか1項記載の
    樹脂組成物を含むワニスを、金属箔の片面に流延塗布す
    る工程を含む方法によって作成された金属箔付き樹脂フ
    ィルム。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の樹脂フィルムまたは
    請求項15記載の金属箔付き樹脂フィルムを、あらかじ
    め内層回路を形成した配線板と積層した後、外層面に回
    路を形成し、該回路と内層回路とを電気的に導通させて
    作製した多層プリント配線板。
  17. 【請求項17】 請求項1〜13のいずれか1項記載の
    樹脂組成物を含むワニスを、キャリヤフィルムの片面に
    流延塗布する工程を含む方法によって製膜することを含
    む、樹脂フィルムの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜13のいずれか1項記載の
    樹脂組成物を含むワニスを、金属箔の片面に流延塗布す
    る工程を含む方法によって製膜することを含む、樹脂フ
    ィルムの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜13のいずれか1項記載の
    樹脂組成物を含むワニスを、あらかじめ内層回路を形成
    した配線板に塗布する工程を含む方法によって製膜・硬
    化し、外層面の回路を形成して、該回路を内層回路と電
    気的に導通させることを含む、多層プリント配線板の製
    造方法。
JP2001152903A 2001-05-22 2001-05-22 変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法 Expired - Fee Related JP4934910B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001152903A JP4934910B2 (ja) 2001-05-22 2001-05-22 変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001152903A JP4934910B2 (ja) 2001-05-22 2001-05-22 変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011119229A Division JP2011208150A (ja) 2011-05-27 2011-05-27 変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002338806A true JP2002338806A (ja) 2002-11-27
JP4934910B2 JP4934910B2 (ja) 2012-05-23

Family

ID=18997511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001152903A Expired - Fee Related JP4934910B2 (ja) 2001-05-22 2001-05-22 変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4934910B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004250470A (ja) * 2003-02-18 2004-09-09 Hitachi Chem Co Ltd 絶縁樹脂組成物及びその使用
WO2005023933A1 (en) * 2003-09-05 2005-03-17 Lg Chem, Ltd. Thermosetting resin composition for high speed transmission circuit board
JP2010285594A (ja) * 2009-02-20 2010-12-24 Ajinomoto Co Inc 樹脂組成物
JP2011238855A (ja) * 2010-05-12 2011-11-24 Sumitomo Bakelite Co Ltd プリント配線板用積層材料およびその用途
JP2011246612A (ja) * 2010-05-27 2011-12-08 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc 熱硬化性樹脂組成物
JP2014101431A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Nitto Denko Corp 樹脂シート
CN104448821A (zh) * 2013-09-17 2015-03-25 深圳光启创新技术有限公司 预浸料用树脂料、预浸料、它们的制备方法、及包括预浸料的超材料基板和超材料
JP2015108154A (ja) * 2015-02-13 2015-06-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 プリント配線板用エポキシ樹脂組成物、そのプリント配線板用エポキシ樹脂組成物を用いたプリント配線板用プリプレグ及びプリント配線板用金属張積層板

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011208150A (ja) * 2011-05-27 2011-10-20 Hitachi Chem Co Ltd 変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法
CN109825078A (zh) * 2019-01-16 2019-05-31 浙江工业大学之江学院 一种聚苯醚改性氰酸酯树脂覆铜板及其制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06207096A (ja) * 1993-01-11 1994-07-26 Sumitomo Bakelite Co Ltd 低誘電率熱硬化性樹脂組成物
JPH10265669A (ja) * 1997-03-25 1998-10-06 Matsushita Electric Works Ltd エポキシ樹脂組成物
JPH10273532A (ja) * 1997-03-31 1998-10-13 Hitachi Chem Co Ltd 積層板用樹脂組成物、該組成物を用いたプリプレグ及び積層板
JPH1160692A (ja) * 1997-08-19 1999-03-02 Hitachi Chem Co Ltd 印刷配線板用樹脂組成物及びそれを用いた印刷配線板
JPH11124453A (ja) * 1997-10-23 1999-05-11 Hitachi Chem Co Ltd 難燃性変性シアネートエステル系樹脂フィルム及びその製造方法
JPH11124452A (ja) * 1997-10-23 1999-05-11 Hitachi Chem Co Ltd 変性シアネートエステル系樹脂フィルム及びその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06207096A (ja) * 1993-01-11 1994-07-26 Sumitomo Bakelite Co Ltd 低誘電率熱硬化性樹脂組成物
JPH10265669A (ja) * 1997-03-25 1998-10-06 Matsushita Electric Works Ltd エポキシ樹脂組成物
JPH10273532A (ja) * 1997-03-31 1998-10-13 Hitachi Chem Co Ltd 積層板用樹脂組成物、該組成物を用いたプリプレグ及び積層板
JPH1160692A (ja) * 1997-08-19 1999-03-02 Hitachi Chem Co Ltd 印刷配線板用樹脂組成物及びそれを用いた印刷配線板
JPH11124453A (ja) * 1997-10-23 1999-05-11 Hitachi Chem Co Ltd 難燃性変性シアネートエステル系樹脂フィルム及びその製造方法
JPH11124452A (ja) * 1997-10-23 1999-05-11 Hitachi Chem Co Ltd 変性シアネートエステル系樹脂フィルム及びその製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004250470A (ja) * 2003-02-18 2004-09-09 Hitachi Chem Co Ltd 絶縁樹脂組成物及びその使用
US7572503B2 (en) 2003-02-18 2009-08-11 Hitachi Chemical Co., Ltd. Method for preparing an insulating resin composition, insulating resin composition, multilayer wiring board and process for producing the same
JP4576794B2 (ja) * 2003-02-18 2010-11-10 日立化成工業株式会社 絶縁樹脂組成物及びその使用
WO2005023933A1 (en) * 2003-09-05 2005-03-17 Lg Chem, Ltd. Thermosetting resin composition for high speed transmission circuit board
CN100340604C (zh) * 2003-09-05 2007-10-03 Lg化学株式会社 高速传输电路板用热固性树脂组合物
JP2010285594A (ja) * 2009-02-20 2010-12-24 Ajinomoto Co Inc 樹脂組成物
JP2011238855A (ja) * 2010-05-12 2011-11-24 Sumitomo Bakelite Co Ltd プリント配線板用積層材料およびその用途
JP2011246612A (ja) * 2010-05-27 2011-12-08 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc 熱硬化性樹脂組成物
JP2014101431A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Nitto Denko Corp 樹脂シート
CN104448821A (zh) * 2013-09-17 2015-03-25 深圳光启创新技术有限公司 预浸料用树脂料、预浸料、它们的制备方法、及包括预浸料的超材料基板和超材料
JP2015108154A (ja) * 2015-02-13 2015-06-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 プリント配線板用エポキシ樹脂組成物、そのプリント配線板用エポキシ樹脂組成物を用いたプリント配線板用プリプレグ及びプリント配線板用金属張積層板

Also Published As

Publication number Publication date
JP4934910B2 (ja) 2012-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0889096B1 (en) Modified cyanate ester group curable resin composition, and varnish, prepreg, metal clad laminated board, film, printed circuit board, and multilayered circuit board using the same
JP4039033B2 (ja) 変性シアネートエステル系樹脂組成物、樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法
JP4934910B2 (ja) 変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法
JP2002309084A (ja) シロキサン変性シアネート樹脂組成物、ならびにそれを用いる接着フィルム、樹脂付き金属箔および多層プリント配線板
TW202018006A (zh) 印刷配線板用樹脂組成物、預浸體、疊層板、覆金屬箔疊層板、印刷配線板及多層印刷配線板
JP3719833B2 (ja) 変性シアネートエステル系樹脂フィルム及びその製造方法
JP3261076B2 (ja) 積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物並びにこれを用いたプリプレグ及び積層板
JP4039034B2 (ja) 変性シアネートエステル系樹脂組成物、難燃性樹脂フィルム、難燃性多層プリント配線板およびそれらの製造方法
JP2011208150A (ja) 変性シアネートエステル系樹脂組成物、それを用いる樹脂フィルム、多層プリント配線板およびそれらの製造方法
JP3382507B2 (ja) 印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス並びにこれを用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板の製造方法
JP3382508B2 (ja) 印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス及びその製造方法
JP2002338887A (ja) 変性シアネートエステル系樹脂組成物を用いた絶縁ワニス及びその樹脂フィルム製造法
JP3315631B2 (ja) 難燃性変性シアネートエステル系樹脂フィルム及びその製造方法
JP2011252152A (ja) 変性シアネートエステル系樹脂組成物を用いた絶縁ワニス及びその樹脂フィルム製造法
JP3722601B2 (ja) 変性シアネートエステル系樹脂フィルム及びその製造方法
JP2002194212A (ja) 積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物並びにこれを用いたプリプレグ及び積層板
JP3382510B2 (ja) 印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス及びこれを用いた積層板用プリプレグ,金属張り積層板の製造方法
JP3315630B2 (ja) 難燃性変性シアネートエステル系樹脂フィルム及びその製造方法
JP3382509B2 (ja) 印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス及びその製造方法
JP3261078B2 (ja) 積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物及びこれを用いたプリプレグ,積層板
JP2003332701A (ja) 印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス並びにこれを用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板の製造方法
JP4154625B2 (ja) 印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス及びその製造方法
JP4189706B2 (ja) 印刷配線板用変性シアネートエステル樹脂ワニス並びにこれを用いた積層板用プリプレグ及び金属張り積層板の製造方法
JP3981847B2 (ja) 積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物並びにこれを用いたプリプレグ及び金属張り積層板
JP4075449B2 (ja) 積層板用変性シアネートエステル系硬化性樹脂組成物並びにこれを用いたプリプレグ及び積層板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4934910

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees