JP2002336938A - 上方引上鋳造用鋳型および上方引上鋳造方法 - Google Patents
上方引上鋳造用鋳型および上方引上鋳造方法Info
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- JP2002336938A JP2002336938A JP2001145044A JP2001145044A JP2002336938A JP 2002336938 A JP2002336938 A JP 2002336938A JP 2001145044 A JP2001145044 A JP 2001145044A JP 2001145044 A JP2001145044 A JP 2001145044A JP 2002336938 A JP2002336938 A JP 2002336938A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面割れ等の欠陥がない健全な鋳片を連続か
つ安定的に得られる上方引上鋳造用鋳型および上方引上
鋳造方法を提供する。 【解決手段】 下部が溶湯液面2a下に侵入される筒体
状の鋳型本体3と、該鋳型本体3内に設けられた冷却水
通路7とを備え、鋳型本体3を通過する溶湯2を冷却水
通路7によって冷却して鋳片9として上方に引き上げる
ための上方引上鋳造用鋳型1であって、上記冷却水通路
7が、鋳型本体3内の鋳片を囲繞するようにして螺旋状
20に形成されたことを特徴とする。
つ安定的に得られる上方引上鋳造用鋳型および上方引上
鋳造方法を提供する。 【解決手段】 下部が溶湯液面2a下に侵入される筒体
状の鋳型本体3と、該鋳型本体3内に設けられた冷却水
通路7とを備え、鋳型本体3を通過する溶湯2を冷却水
通路7によって冷却して鋳片9として上方に引き上げる
ための上方引上鋳造用鋳型1であって、上記冷却水通路
7が、鋳型本体3内の鋳片を囲繞するようにして螺旋状
20に形成されたことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上方引上鋳造用鋳
型および上方引上鋳造方法に関する。
型および上方引上鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1に上方引上鋳造用鋳型および上方引
上鋳造方法の概要を示す。図示するように、上方引上鋳
造用鋳型1は、下部が溶湯2の液面2a下に侵入される
筒体状の鋳型本体3と、鋳型本体3の下端部に取り付け
られた円筒状のカーボンノズル4と、カーボンノズル4
に取り付けられた鋳型保護用の耐火カップ5と、耐火カ
ップ5の内側に充填された断熱材6とを有する。鋳型本
体3の内部には、図2および図3に示すように冷却水通
路7が形成されている。なお、図1中8は溶湯カバー材
である。
上鋳造方法の概要を示す。図示するように、上方引上鋳
造用鋳型1は、下部が溶湯2の液面2a下に侵入される
筒体状の鋳型本体3と、鋳型本体3の下端部に取り付け
られた円筒状のカーボンノズル4と、カーボンノズル4
に取り付けられた鋳型保護用の耐火カップ5と、耐火カ
ップ5の内側に充填された断熱材6とを有する。鋳型本
体3の内部には、図2および図3に示すように冷却水通
路7が形成されている。なお、図1中8は溶湯カバー材
である。
【0003】かかる上方引上鋳造用鋳型1は、図1に示
すように、その下部の耐火カップ5が溶湯2に浸漬さ
れ、鋳型本体1の下端部が溶湯液面2a下に侵入され
る。すると、溶湯2がカーボンノズル4を通して鋳型本
体3内に侵入し、鋳型本体3内に形成された冷却水通路
7を流れる冷却水によって冷却され、凝固してロッド状
の鋳片9となる。そして、この鋳片9を鋳型本体3の上
方に配置したピンチロール10で挟んで通常間欠的に引
く抜く。これにより、ロッド状の鋳片9(鋳造ロッド)
を製造できる。
すように、その下部の耐火カップ5が溶湯2に浸漬さ
れ、鋳型本体1の下端部が溶湯液面2a下に侵入され
る。すると、溶湯2がカーボンノズル4を通して鋳型本
体3内に侵入し、鋳型本体3内に形成された冷却水通路
7を流れる冷却水によって冷却され、凝固してロッド状
の鋳片9となる。そして、この鋳片9を鋳型本体3の上
方に配置したピンチロール10で挟んで通常間欠的に引
く抜く。これにより、ロッド状の鋳片9(鋳造ロッド)
を製造できる。
【0004】ここで、鋳型本体3の冷却水路7による冷
却能を制御し、カーボンノズル4内の凝固界面11が鋳
型1外部の溶湯液面2aに対して常に下方となるように
することで、凝固界面11にはヘッド圧により常に溶湯
静圧が働くため、鋳片9を上方へ引き抜いても新たな溶
湯2が凝固界面11に供給され、連続鋳造が可能とな
る。
却能を制御し、カーボンノズル4内の凝固界面11が鋳
型1外部の溶湯液面2aに対して常に下方となるように
することで、凝固界面11にはヘッド圧により常に溶湯
静圧が働くため、鋳片9を上方へ引き抜いても新たな溶
湯2が凝固界面11に供給され、連続鋳造が可能とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる上方引上鋳造用
鋳型1(以下アップキャスト用鋳型ともいう)を用いた
上方引上鋳造方法(以下アップキャストともいう)によ
って製造される鋳片9(以下鋳造ロッドともいう)の欠
陥の一つに鋳片9の表面割れがある。
鋳型1(以下アップキャスト用鋳型ともいう)を用いた
上方引上鋳造方法(以下アップキャストともいう)によ
って製造される鋳片9(以下鋳造ロッドともいう)の欠
陥の一つに鋳片9の表面割れがある。
【0006】この表面割れの原因の一つとして、アップ
キャスト用鋳型1は、図2に示すように、鋳造機の構造
上、冷却水通路7の入・排出口12、13が同一方向に
配置されている点が挙げられる。すなわち、このような
配置では、冷却水通路7を流れる冷却水は、流路抵抗の
少ない入・排出口12、13の取付面側に優先的に流
れ、その背面側の冷却水が淀んだ状態となり易い。
キャスト用鋳型1は、図2に示すように、鋳造機の構造
上、冷却水通路7の入・排出口12、13が同一方向に
配置されている点が挙げられる。すなわち、このような
配置では、冷却水通路7を流れる冷却水は、流路抵抗の
少ない入・排出口12、13の取付面側に優先的に流
れ、その背面側の冷却水が淀んだ状態となり易い。
【0007】このため、溶湯2を冷却して凝固させる図
3に示す鋳型ヘッド部14において冷却にバラツキが生
じ、冷却の強い箇所が弱い箇所に比べてカーボンノズル
4の温度も低くなり、凝固が速く鋳造組織も優先的に成
長し、鋳片9内の鋳造組織の中立線に偏芯が生じる他に
鋳片9内に温度勾配が生じる。
3に示す鋳型ヘッド部14において冷却にバラツキが生
じ、冷却の強い箇所が弱い箇所に比べてカーボンノズル
4の温度も低くなり、凝固が速く鋳造組織も優先的に成
長し、鋳片9内の鋳造組織の中立線に偏芯が生じる他に
鋳片9内に温度勾配が生じる。
【0008】そして、この鋳片9内に生じた温度勾配に
従い、低温側(強冷却側)に圧縮応力が、高温側(緩冷
却側)に引張応力が発生するため、鋳片9は強冷却側に
湾曲しようとする。一方、鋳片9は、図3に示す鋳型本
体3内の鋳型内筒15によって直線状にガイドされ矯正
力を受けるため、事実上、低温側に引張応力が、高温側
に圧縮応力が働く。
従い、低温側(強冷却側)に圧縮応力が、高温側(緩冷
却側)に引張応力が発生するため、鋳片9は強冷却側に
湾曲しようとする。一方、鋳片9は、図3に示す鋳型本
体3内の鋳型内筒15によって直線状にガイドされ矯正
力を受けるため、事実上、低温側に引張応力が、高温側
に圧縮応力が働く。
【0009】この結果、鋳片9の低温側に表面割れが発
生し、鋳片9の品質が低下するのである。このため、後
工程の伸線工程における鋳片9(鋳造ロッド)の表面皮
剥き厚さが厚くなり、歩留りが低下する。また、鋳片9
の表面割れが発生する限界鋳造速度を速くすることがで
きず、効率を上げることができない。
生し、鋳片9の品質が低下するのである。このため、後
工程の伸線工程における鋳片9(鋳造ロッド)の表面皮
剥き厚さが厚くなり、歩留りが低下する。また、鋳片9
の表面割れが発生する限界鋳造速度を速くすることがで
きず、効率を上げることができない。
【0010】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、表面割れ等の欠陥がない健全な鋳片を連続かつ
安定的に得られる上方引上鋳造用鋳型および上方引上鋳
造方法を提供することにある。
目的は、表面割れ等の欠陥がない健全な鋳片を連続かつ
安定的に得られる上方引上鋳造用鋳型および上方引上鋳
造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく第
1の発明は、下部が溶湯液面下に侵入される筒体状の鋳
型本体と、該鋳型本体内に設けられた冷却水通路とを備
え、鋳型本体を通過する溶湯を冷却水通路によって冷却
して鋳片として上方に引き上げるための上方引上鋳造用
鋳型であって、上記冷却水通路が、鋳型本体内の鋳片を
囲繞するようにして螺旋状に形成されたものである。
1の発明は、下部が溶湯液面下に侵入される筒体状の鋳
型本体と、該鋳型本体内に設けられた冷却水通路とを備
え、鋳型本体を通過する溶湯を冷却水通路によって冷却
して鋳片として上方に引き上げるための上方引上鋳造用
鋳型であって、上記冷却水通路が、鋳型本体内の鋳片を
囲繞するようにして螺旋状に形成されたものである。
【0012】また、上記冷却水通路が、鋳型本体内に上
下方向に沿って断面リング状に形成されたベース通路
と、該ベース通路内に設けられ上下方向に沿って螺旋状
に形成されたスパイラル部材とからなっていてもよい。
下方向に沿って断面リング状に形成されたベース通路
と、該ベース通路内に設けられ上下方向に沿って螺旋状
に形成されたスパイラル部材とからなっていてもよい。
【0013】また、第2の発明は、溶湯液面下に筒体状
の鋳型本体の下部を侵入させ、該鋳型本体を冷却してこ
れを通過する溶湯を鋳片として上方に引き上げる上方引
上鋳造方法であって、上記鋳型本体を通過する鋳片を、
鋳型本体内に設けた螺旋状の冷却水通路によって、全方
位均一冷却するようにしたものである。
の鋳型本体の下部を侵入させ、該鋳型本体を冷却してこ
れを通過する溶湯を鋳片として上方に引き上げる上方引
上鋳造方法であって、上記鋳型本体を通過する鋳片を、
鋳型本体内に設けた螺旋状の冷却水通路によって、全方
位均一冷却するようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を添付図面に
基いて説明する。
基いて説明する。
【0015】本実施形態に係る上方引上鋳造用鋳型およ
び上方引上鋳造方法は、基本的には既述した図1乃至図
3に示すものと同様の構成である。すなわち、図1に示
すように、上方引上鋳造用鋳型1は、下部が溶湯2の液
面2a下に侵入される筒体状の鋳型本体3と、鋳型本体
3の下端部に取り付けられた円筒状のカーボンノズル4
と、カーボンノズル4に取り付けられた鋳型保護用の耐
火カップ5と、耐火カップ5の内側に充填された断熱材
6とを有する。なお、図1中8は溶湯カバー材である。
び上方引上鋳造方法は、基本的には既述した図1乃至図
3に示すものと同様の構成である。すなわち、図1に示
すように、上方引上鋳造用鋳型1は、下部が溶湯2の液
面2a下に侵入される筒体状の鋳型本体3と、鋳型本体
3の下端部に取り付けられた円筒状のカーボンノズル4
と、カーボンノズル4に取り付けられた鋳型保護用の耐
火カップ5と、耐火カップ5の内側に充填された断熱材
6とを有する。なお、図1中8は溶湯カバー材である。
【0016】鋳型本体3は、図2および図4に示すよう
に、鋳型外筒16と、その内方に配置された鋳型内筒1
5と、それらの下部に取り付けられた鋳型ヘッド部14
とを有する。鋳型ヘッド部14の内周部には、図1およ
び図2に示すカーボンノズル4が取り付けられる。鋳型
内筒15と鋳型外筒16との間には、冷却水通路7が形
成されている。
に、鋳型外筒16と、その内方に配置された鋳型内筒1
5と、それらの下部に取り付けられた鋳型ヘッド部14
とを有する。鋳型ヘッド部14の内周部には、図1およ
び図2に示すカーボンノズル4が取り付けられる。鋳型
内筒15と鋳型外筒16との間には、冷却水通路7が形
成されている。
【0017】冷却水通路7は、鋳型本体3内に上下方向
に沿って断面リング状に形成されたベース通路17と、
ベース通路17内を上下方向に沿って内側ベース通路1
7aと外側ベース通路17bとに仕切る冷却水分流筒1
8とを有する。図2に示すように、内側ベース通路17
aの上部には冷却水12の入口が設けられ、外側ベース
通路17bの上部には冷却水の出口13が設けられてい
る。
に沿って断面リング状に形成されたベース通路17と、
ベース通路17内を上下方向に沿って内側ベース通路1
7aと外側ベース通路17bとに仕切る冷却水分流筒1
8とを有する。図2に示すように、内側ベース通路17
aの上部には冷却水12の入口が設けられ、外側ベース
通路17bの上部には冷却水の出口13が設けられてい
る。
【0018】内側ベース通路17a内には、図4に示す
ように、上下方向に沿って螺旋状に形成されたスパイラ
ル部材19が設けられている。スパイラル部材19は、
鋳型内筒15に巻き付けられたスパイラルロッド20か
らなる。スパイラルロッド20は、冷却水を螺旋状に旋
回させることを目的とするものなので、鋳型内筒15お
よび冷却水分流筒18に隙間なく接することが好まし
い。但し、実際には多少隙間があっても問題ない。
ように、上下方向に沿って螺旋状に形成されたスパイラ
ル部材19が設けられている。スパイラル部材19は、
鋳型内筒15に巻き付けられたスパイラルロッド20か
らなる。スパイラルロッド20は、冷却水を螺旋状に旋
回させることを目的とするものなので、鋳型内筒15お
よび冷却水分流筒18に隙間なく接することが好まし
い。但し、実際には多少隙間があっても問題ない。
【0019】また、スパイラルロッド20は、循環す
る冷却水によって腐食されないこと、比較的に軟らか
く成形性が良好であることが要求されるため、アルミ
線、銅線、ステンレス線等が用いられる。仮に、スパイ
ラルロッド20に鉄線を用いると、鉄線は錆が発生する
ため、冷却水を汚染する、錆により通路抵抗が増加
し冷却水量が低下する、錆が剥離して通路内に目詰ま
りが生じるため冷却が不均一となる、等の不具合が発生
する。
る冷却水によって腐食されないこと、比較的に軟らか
く成形性が良好であることが要求されるため、アルミ
線、銅線、ステンレス線等が用いられる。仮に、スパイ
ラルロッド20に鉄線を用いると、鉄線は錆が発生する
ため、冷却水を汚染する、錆により通路抵抗が増加
し冷却水量が低下する、錆が剥離して通路内に目詰ま
りが生じるため冷却が不均一となる、等の不具合が発生
する。
【0020】以上の構成からなる上方引上鋳造用鋳型1
(アップキャスト用鋳型)を用いた上方引上鋳造方法
(アップキャスト)を説明する。
(アップキャスト用鋳型)を用いた上方引上鋳造方法
(アップキャスト)を説明する。
【0021】先ず、図1に示すように、上方引上鋳造用
鋳型1の下部の耐火カップ5を溶湯2に浸漬し、鋳型本
体3の下端部を溶湯液面2a下に侵入させる。すると、
溶湯2がカーボンノズル4を通して鋳型本体3内に侵入
し、鋳型本体3内に形成された冷却水通路7を流れる冷
却水によって冷却され、凝固してロッド状の鋳片9(鋳
造ロッド)となる。そして、この鋳片9を鋳型本体3の
上方に配置したピンチロール10で挟んで通常間欠的に
引く抜く。これにより、ロッド状の鋳片9(鋳造ロッ
ド)を製造できる。
鋳型1の下部の耐火カップ5を溶湯2に浸漬し、鋳型本
体3の下端部を溶湯液面2a下に侵入させる。すると、
溶湯2がカーボンノズル4を通して鋳型本体3内に侵入
し、鋳型本体3内に形成された冷却水通路7を流れる冷
却水によって冷却され、凝固してロッド状の鋳片9(鋳
造ロッド)となる。そして、この鋳片9を鋳型本体3の
上方に配置したピンチロール10で挟んで通常間欠的に
引く抜く。これにより、ロッド状の鋳片9(鋳造ロッ
ド)を製造できる。
【0022】ここで、鋳型本体1の冷却水路7による冷
却能およびピンチロール10による引上速さを制御し、
カーボンノズル4内の凝固界面11が鋳型1外部の溶湯
液面2aに対して常に下方となるようにすることで、凝
固界面11にはヘッド圧により常に溶湯静圧が働くた
め、鋳片9を上方へ引き抜いても新たな溶湯2が凝固界
面11に供給され、連続鋳造が可能となる。
却能およびピンチロール10による引上速さを制御し、
カーボンノズル4内の凝固界面11が鋳型1外部の溶湯
液面2aに対して常に下方となるようにすることで、凝
固界面11にはヘッド圧により常に溶湯静圧が働くた
め、鋳片9を上方へ引き抜いても新たな溶湯2が凝固界
面11に供給され、連続鋳造が可能となる。
【0023】さて、本実施形態において、鋳型本体3を
冷却すべく図2に示す入口12から冷却水通路7に導入
された冷却水は、図4に示す内側ベース通路17aを下
降する際にスパイラルロッド20よって螺旋状に旋回さ
れながら移動するため、特定箇所に淀むことなく鋳片9
を全方位に亘って均一に冷却する。
冷却すべく図2に示す入口12から冷却水通路7に導入
された冷却水は、図4に示す内側ベース通路17aを下
降する際にスパイラルロッド20よって螺旋状に旋回さ
れながら移動するため、特定箇所に淀むことなく鋳片9
を全方位に亘って均一に冷却する。
【0024】このため、鋳片9が周方向に均一に冷却さ
れ、鋳片9の鋳造組織が周方向に亘って均一に成長し、
鋳片9内の鋳造組織の中立線が鋳片の中心線と一致す
る。また、鋳片9の周方向に温度勾配が生じることもな
い。よって、従来問題となっていた鋳片9の表面割れを
抑制できる。
れ、鋳片9の鋳造組織が周方向に亘って均一に成長し、
鋳片9内の鋳造組織の中立線が鋳片の中心線と一致す
る。また、鋳片9の周方向に温度勾配が生じることもな
い。よって、従来問題となっていた鋳片9の表面割れを
抑制できる。
【0025】具体的には、図4に示す本実施形態によれ
ば、図3に示すものと比べて、鋳片9(鋳造ロッド)の
表面割れ深さが、最大0.35mmから0.05mmへ減少し、
鋳片9の表面の品質が向上した。また、この結果、後工
程の伸線工程における鋳片9(鋳造ロッド)の表面皮剥
き厚さが薄くなり、歩留りが向上することになった。ま
た、鋳片9(鋳造ロッド)の表面割れが発生する限界鋳
造速度の増速化(ピンチロール10の増速化)が達成さ
れ、生産性の向上およびエネルギー原単位の削減が図れ
ることになった。
ば、図3に示すものと比べて、鋳片9(鋳造ロッド)の
表面割れ深さが、最大0.35mmから0.05mmへ減少し、
鋳片9の表面の品質が向上した。また、この結果、後工
程の伸線工程における鋳片9(鋳造ロッド)の表面皮剥
き厚さが薄くなり、歩留りが向上することになった。ま
た、鋳片9(鋳造ロッド)の表面割れが発生する限界鋳
造速度の増速化(ピンチロール10の増速化)が達成さ
れ、生産性の向上およびエネルギー原単位の削減が図れ
ることになった。
【0026】かかる効果は、鋳型内筒15にスパイラル
ロッド20を螺旋状に巻回するという簡単な構成で、す
なわち低コストで達成できる。また、このように実質的
な冷却水通路7の形状を螺旋状とすることで、図2に示
すように冷却水の入口12と出口13とが同じ方向に配
置されていても、従来問題となっていた冷却水の淀みや
入口出口12、13の取付面側に優先的に流れてしまう
問題を解消できる。
ロッド20を螺旋状に巻回するという簡単な構成で、す
なわち低コストで達成できる。また、このように実質的
な冷却水通路7の形状を螺旋状とすることで、図2に示
すように冷却水の入口12と出口13とが同じ方向に配
置されていても、従来問題となっていた冷却水の淀みや
入口出口12、13の取付面側に優先的に流れてしまう
問題を解消できる。
【0027】なお、本実施形態のように冷却水を内側ベ
ース通路17aに供給して外側ベース通路17bから排
出する場合には、鋳型内筒15にスパイラルロッド20
を螺旋状に巻回して供給側である内側ベース通路17a
内に螺旋状の冷却水通路を構築したが、本実施形態とは
逆に冷却水を外側ベース通路17bに供給して内側ベー
ス通路17aから排出する場合には、冷却水分流筒18
にスパイラルロッド20を螺旋状に巻回して供給側であ
る外側ベース通路17b内に螺旋状の冷却水通路を構築
する構造とする。また、双方のベース通路17a、17
bにスパイラルロッド20を配置してもよい。
ース通路17aに供給して外側ベース通路17bから排
出する場合には、鋳型内筒15にスパイラルロッド20
を螺旋状に巻回して供給側である内側ベース通路17a
内に螺旋状の冷却水通路を構築したが、本実施形態とは
逆に冷却水を外側ベース通路17bに供給して内側ベー
ス通路17aから排出する場合には、冷却水分流筒18
にスパイラルロッド20を螺旋状に巻回して供給側であ
る外側ベース通路17b内に螺旋状の冷却水通路を構築
する構造とする。また、双方のベース通路17a、17
bにスパイラルロッド20を配置してもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る上方引
上鋳造用鋳型および上方引上鋳造方法によれば、次のよ
うな効果を発揮できる。 (1)鋳片の表面割れ深さを小さくできる。 (2)鋳片の表面皮剥き厚さを薄くでき、歩留りが向上す
る。 (3)鋳片の表面割れが発生する限界鋳造速度を増速化で
きる。 (4)表面割れ等の欠陥がない健全な鋳片を連続かつ安定
的に得られる。
上鋳造用鋳型および上方引上鋳造方法によれば、次のよ
うな効果を発揮できる。 (1)鋳片の表面割れ深さを小さくできる。 (2)鋳片の表面皮剥き厚さを薄くでき、歩留りが向上す
る。 (3)鋳片の表面割れが発生する限界鋳造速度を増速化で
きる。 (4)表面割れ等の欠陥がない健全な鋳片を連続かつ安定
的に得られる。
【図1】上方引上鋳造用鋳型および上方引上鋳造方法の
概要を示す説明図である。
概要を示す説明図である。
【図2】上方引上鋳造用鋳型の概要を示す側断面図であ
る。
る。
【図3】上方引上鋳造用鋳型の先端構造を示す側断面図
である。
である。
【図4】本発明の一実施形態を示す上方引上鋳造用鋳型
の先端構造を示す側断面図である。
の先端構造を示す側断面図である。
1 上方引上鋳造用鋳型 2 溶湯 2a 溶湯液面 3 鋳型本体 7 冷却水通路 9 鋳片 17 ベース通路 17a 内側ベース通路 17b 外側ベース通路 19 スパイラル部材 20 スパイラルロッド
Claims (3)
- 【請求項1】 下部が溶湯液面下に侵入される筒体状の
鋳型本体と、該鋳型本体内に設けられた冷却水通路とを
備え、鋳型本体を通過する溶湯を冷却水通路によって冷
却して鋳片として上方に引き上げるための上方引上鋳造
用鋳型であって、上記冷却水通路が、鋳型本体内の鋳片
を囲繞するようにして螺旋状に形成されたことを特徴と
する上方引上鋳造用鋳型。 - 【請求項2】 上記冷却水通路が、鋳型本体内に上下方
向に沿って断面リング状に形成されたベース通路と、該
ベース通路内に設けられ上下方向に沿って螺旋状に形成
されたスパイラル部材とからなる請求項1記載の上方引
上鋳造用鋳型。 - 【請求項3】 溶湯液面下に筒体状の鋳型本体の下部を
侵入させ、該鋳型本体を冷却してこれを通過する溶湯を
鋳片として上方に引き上げる上方引上鋳造方法であっ
て、上記鋳型本体を通過する鋳片を、鋳型本体内に設け
た螺旋状の冷却水通路によって、全方位均一冷却するよ
うにしたことを特徴とする上方引上鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001145044A JP2002336938A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 上方引上鋳造用鋳型および上方引上鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001145044A JP2002336938A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 上方引上鋳造用鋳型および上方引上鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002336938A true JP2002336938A (ja) | 2002-11-26 |
Family
ID=18990914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001145044A Pending JP2002336938A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 上方引上鋳造用鋳型および上方引上鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002336938A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009018332A (ja) * | 2007-07-13 | 2009-01-29 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 連続鋳造装置、鋳塊製造方法及び鋳塊 |
JP2010201505A (ja) * | 2009-02-03 | 2010-09-16 | Hitachi Cable Ltd | 鋳造材、その製造方法及びこれを用いたマグネットワイヤ用銅線並びにマグネットワイヤ及びその製造方法 |
JP2014077669A (ja) * | 2012-10-09 | 2014-05-01 | Daiki Aluminium Industry Co Ltd | 発光分光分析用アルミニウム合金標準試料の製造方法及び該方法で製造された発光分光分析用アルミニウム合金標準試料 |
CN112355260A (zh) * | 2020-10-28 | 2021-02-12 | 芜湖楚江合金铜材有限公司 | 一种乐器用提高铜合金结晶温度的装置 |
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2001
- 2001-05-15 JP JP2001145044A patent/JP2002336938A/ja active Pending
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