JP2002335683A - 静電アクチュエータおよびそれを用いた光ピックアップ - Google Patents
静電アクチュエータおよびそれを用いた光ピックアップInfo
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- JP2002335683A JP2002335683A JP2001138222A JP2001138222A JP2002335683A JP 2002335683 A JP2002335683 A JP 2002335683A JP 2001138222 A JP2001138222 A JP 2001138222A JP 2001138222 A JP2001138222 A JP 2001138222A JP 2002335683 A JP2002335683 A JP 2002335683A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 開口制限素子を二次元方向に変位させ得る著
しく小型化した静電アクチュエータおよびそれを用いて
著しく小型化した光ピックアップを提供する。 【解決手段】 基板21上に固定され第1固定電極22
aを形成される第1固定部材22と、該第1固定部材に
第1リンク部材23を介してX方向に変位可能に連結さ
れ第1可動電極24aおよび第2固定電極24bを形成
される第2固定部材24と、第2固定部材24に第2リ
ンク部材27を介してY方向に変位可能に連結され第2
可動電極26aを形成される可動部材26とから成り、
前記第1固定および可動電極間ならびに前記第2固定お
よび可動電極間にそれぞれ所定電圧を印加することによ
り、可動部材26に一体形成したピンホール8を光軸に
対して直交するX,Y方向に変位させる二次元駆動型静
電アクチュエータ9は、マイクロマシン技術により小型
に製造され、光ピックアップに用いられる。
しく小型化した静電アクチュエータおよびそれを用いて
著しく小型化した光ピックアップを提供する。 【解決手段】 基板21上に固定され第1固定電極22
aを形成される第1固定部材22と、該第1固定部材に
第1リンク部材23を介してX方向に変位可能に連結さ
れ第1可動電極24aおよび第2固定電極24bを形成
される第2固定部材24と、第2固定部材24に第2リ
ンク部材27を介してY方向に変位可能に連結され第2
可動電極26aを形成される可動部材26とから成り、
前記第1固定および可動電極間ならびに前記第2固定お
よび可動電極間にそれぞれ所定電圧を印加することによ
り、可動部材26に一体形成したピンホール8を光軸に
対して直交するX,Y方向に変位させる二次元駆動型静
電アクチュエータ9は、マイクロマシン技術により小型
に製造され、光ピックアップに用いられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集光されたレーザ
スポットの略中心部を選択的に透過させるピンホールや
スリットのような開口制限素子を少なくとも一次元方向
に変位させる静電アクチュエータおよびその静電アクチ
ュエータを用いた光ピックアップに関するものである。
スポットの略中心部を選択的に透過させるピンホールや
スリットのような開口制限素子を少なくとも一次元方向
に変位させる静電アクチュエータおよびその静電アクチ
ュエータを用いた光ピックアップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップにおいて、光記録媒体に
記録されている情報を再生する際の記録面の空間解像度
を向上させたり媒体厚さ方向の特定の位置の記録層から
の信号の解像度を向上させたりするための手法として
は、例えば図7に示すように、光記録媒体201からの
戻り光202の集光位置(焦点位置)にピンホールやス
リット等の開口制限素子(コンフォーカル検出素子)2
03を配置して、戻り光202を開口制限素子203の
開口203aに収束させるコンフォーカル検出方式が知
られており、このコンフォーカル検出方式では、収束さ
れた戻り光202の略中心部(再生信号光学系のエアリ
ーディスク径程度の領域)が開口203aを選択的に透
過して光検出器204に導かれることになる。
記録されている情報を再生する際の記録面の空間解像度
を向上させたり媒体厚さ方向の特定の位置の記録層から
の信号の解像度を向上させたりするための手法として
は、例えば図7に示すように、光記録媒体201からの
戻り光202の集光位置(焦点位置)にピンホールやス
リット等の開口制限素子(コンフォーカル検出素子)2
03を配置して、戻り光202を開口制限素子203の
開口203aに収束させるコンフォーカル検出方式が知
られており、このコンフォーカル検出方式では、収束さ
れた戻り光202の略中心部(再生信号光学系のエアリ
ーディスク径程度の領域)が開口203aを選択的に透
過して光検出器204に導かれることになる。
【0003】しかし、このコンフォーカル検出方式を用
いる場合には、戻り光202を光検出器204に導く光
軸上において戻り光202の収束位置と開口制限素子2
03の開口203aの位置とを合わせる必要があるが、
開口径が微小であるため両者の位置合わせ作業には厳し
い精度が要求されることになり、位置合わせが極めて困
難であるという問題がある。その上、所望の精度での位
置合わせができなかった場合には、例えば図8に示すよ
うに、戻り光202が開口制限素子203の開口203
aを透過しなくなるため、信号光が光検出器204で検
出できなくなるという重大な問題が生じる。
いる場合には、戻り光202を光検出器204に導く光
軸上において戻り光202の収束位置と開口制限素子2
03の開口203aの位置とを合わせる必要があるが、
開口径が微小であるため両者の位置合わせ作業には厳し
い精度が要求されることになり、位置合わせが極めて困
難であるという問題がある。その上、所望の精度での位
置合わせができなかった場合には、例えば図8に示すよ
うに、戻り光202が開口制限素子203の開口203
aを透過しなくなるため、信号光が光検出器204で検
出できなくなるという重大な問題が生じる。
【0004】また、上記従来の光ピックアップの光学系
では、上述した位置合わせが困難であるという問題の他
に、熱による光学部品の位置変位や光源として使用する
LD(レーザダイオード)の熱による発光点移動に起因
して、初期調整を行った後に光軸の変位が発生すること
により、信号光が検出系から外れて図8に示すように信
号光が開口制限素子の開口を通過しない事態を招くとい
う問題が生じることがある。この問題は、開口制限素子
の開口位置を戻り光の収束位置に合わせる初期調整を行
うだけでは回避することができない。
では、上述した位置合わせが困難であるという問題の他
に、熱による光学部品の位置変位や光源として使用する
LD(レーザダイオード)の熱による発光点移動に起因
して、初期調整を行った後に光軸の変位が発生すること
により、信号光が検出系から外れて図8に示すように信
号光が開口制限素子の開口を通過しない事態を招くとい
う問題が生じることがある。この問題は、開口制限素子
の開口位置を戻り光の収束位置に合わせる初期調整を行
うだけでは回避することができない。
【0005】上述した種々の問題に対処するためには、
ピンホールやスリット等の開口制限素子を光軸と直交す
る平面内で少なくとも一次元方向に変位させる必要があ
り、例えば特開平6−44603号公報や特開平7−1
41689号公報には、ピンホールやスリットを光軸と
直交する平面内で二次元方向に変位させる技術が提案さ
れている。しかし、これらの公報には、ピンホールやス
リット等の開口制限素子を光軸と直交する平面内で二次
元方向に変位させる原理が開示されているだけであり、
ピンホールやスリット等の開口制限素子を光軸と直交す
る平面内で二次元方向に変位させるための具体的な駆動
手段は何ら開示されていない。
ピンホールやスリット等の開口制限素子を光軸と直交す
る平面内で少なくとも一次元方向に変位させる必要があ
り、例えば特開平6−44603号公報や特開平7−1
41689号公報には、ピンホールやスリットを光軸と
直交する平面内で二次元方向に変位させる技術が提案さ
れている。しかし、これらの公報には、ピンホールやス
リット等の開口制限素子を光軸と直交する平面内で二次
元方向に変位させる原理が開示されているだけであり、
ピンホールやスリット等の開口制限素子を光軸と直交す
る平面内で二次元方向に変位させるための具体的な駆動
手段は何ら開示されていない。
【0006】開口制限素子を光軸と直交する平面内で少
なくとも一次元方向に変位させるための駆動手段とし
て、本願出願人の特願2000−16314号は先に、
図9(a),(b)に示すような電磁アクチュエータを
提案している。この電磁アクチュエータは、光ピックア
ップにおいて対物レンズをフォーカス方向、トラッキン
グ方向に駆動するための電磁アクチュエータを流用した
ものであり、中央にピンホール211を搭載したピンホ
ールプレート212を前記平面内のX方向に駆動するた
めの2つのコイル213−1,213−2と、ピンホー
ルプレート212を前記平面内のY方向に駆動するため
の4つのコイル214−1〜214−4等を基板215
内に収容するように構成されている。
なくとも一次元方向に変位させるための駆動手段とし
て、本願出願人の特願2000−16314号は先に、
図9(a),(b)に示すような電磁アクチュエータを
提案している。この電磁アクチュエータは、光ピックア
ップにおいて対物レンズをフォーカス方向、トラッキン
グ方向に駆動するための電磁アクチュエータを流用した
ものであり、中央にピンホール211を搭載したピンホ
ールプレート212を前記平面内のX方向に駆動するた
めの2つのコイル213−1,213−2と、ピンホー
ルプレート212を前記平面内のY方向に駆動するため
の4つのコイル214−1〜214−4等を基板215
内に収容するように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような電磁アクチュエータを、集光されたレーザスポッ
トの略中心部を選択的に透過させる開口制限素子の駆動
手段として採用した場合には、電磁アクチュエータの外
形寸法が10×10×5mm程度であり、光ピックアッ
プにおいて部品の小型化が進んでいるピンホール等の光
検出器周辺の部品に比べて格段に大きいため、光ピック
アップ全体が必要以上に大型化してしまい、光ピックア
ップの小型化の要求に反することとなる。
ような電磁アクチュエータを、集光されたレーザスポッ
トの略中心部を選択的に透過させる開口制限素子の駆動
手段として採用した場合には、電磁アクチュエータの外
形寸法が10×10×5mm程度であり、光ピックアッ
プにおいて部品の小型化が進んでいるピンホール等の光
検出器周辺の部品に比べて格段に大きいため、光ピック
アップ全体が必要以上に大型化してしまい、光ピックア
ップの小型化の要求に反することとなる。
【0008】本発明は、電磁アクチュエータに比べて著
しく小型でありながら、集光されたレーザスポットの略
中心部を選択的に透過させる開口制限素子を一次元方向
に変位させ得る静電アクチュエータを提供することを第
1の目的とする。本発明は、電磁アクチュエータに比べ
て著しく小型でありながら、集光されたレーザスポット
の略中心部を選択的に透過させる開口制限素子を二次元
方向に変位させ得る静電アクチュエータを提供すること
を第2の目的とする。本発明は、集光されたレーザスポ
ットの略中心部を選択的に透過させる開口制限素子を少
なくとも一次元方向に変位させる駆動手段として上記静
電アクチュエータを採用することにより著しく小型化し
た光ピックアップを提供することを第3の目的とする。
しく小型でありながら、集光されたレーザスポットの略
中心部を選択的に透過させる開口制限素子を一次元方向
に変位させ得る静電アクチュエータを提供することを第
1の目的とする。本発明は、電磁アクチュエータに比べ
て著しく小型でありながら、集光されたレーザスポット
の略中心部を選択的に透過させる開口制限素子を二次元
方向に変位させ得る静電アクチュエータを提供すること
を第2の目的とする。本発明は、集光されたレーザスポ
ットの略中心部を選択的に透過させる開口制限素子を少
なくとも一次元方向に変位させる駆動手段として上記静
電アクチュエータを採用することにより著しく小型化し
た光ピックアップを提供することを第3の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載の第1発明は、集光されたレー
ザスポットの略中心部を選択的に透過させる開口制限素
子を一次元方向に変位させる静電アクチュエータであっ
て、基板と、該基板上に固定されるとともに端部に固定
電極を形成される固定部材と、前記基板に一次元方向に
変位可能に連結されるとともに前記固定電極と対応する
端部に可動電極を形成される可動部材とから成り、前記
固定電極および可動電極間に所定の電圧を印加すること
により、前記可動部材に一体形成した開口制限素子を光
軸に対して直交方向に変位させるようにしたことを特徴
とする。
るため、請求項1に記載の第1発明は、集光されたレー
ザスポットの略中心部を選択的に透過させる開口制限素
子を一次元方向に変位させる静電アクチュエータであっ
て、基板と、該基板上に固定されるとともに端部に固定
電極を形成される固定部材と、前記基板に一次元方向に
変位可能に連結されるとともに前記固定電極と対応する
端部に可動電極を形成される可動部材とから成り、前記
固定電極および可動電極間に所定の電圧を印加すること
により、前記可動部材に一体形成した開口制限素子を光
軸に対して直交方向に変位させるようにしたことを特徴
とする。
【0010】請求項2に記載の第2発明は、前記開口制
限素子を長手方向が光記録媒体の半径方向に対応するス
リットとし、該開口制限素子を光記録媒体のトラック方
向に変位させるようにしたことを特徴とする。
限素子を長手方向が光記録媒体の半径方向に対応するス
リットとし、該開口制限素子を光記録媒体のトラック方
向に変位させるようにしたことを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の第3発明は、前記基板内
に光検出器を形成し、該光検出器上に前記開口制限素子
が位置するように前記可動部材を前記基板上に配置する
とともに、前記可動部材に形成された可動電極と前記固
定部材に形成された固定電極とが近接するように前記可
動部材および固定部材を同一平面上に配置して成ること
を特徴とする。
に光検出器を形成し、該光検出器上に前記開口制限素子
が位置するように前記可動部材を前記基板上に配置する
とともに、前記可動部材に形成された可動電極と前記固
定部材に形成された固定電極とが近接するように前記可
動部材および固定部材を同一平面上に配置して成ること
を特徴とする。
【0012】上記第2の目的を達成するため、請求項4
に記載の第4発明は、集光されたレーザスポットの略中
心部を選択的に透過させる開口制限素子を二次元方向に
変位させる静電アクチュエータであって、基板と、該基
板上に固定されるとともに端部に第1固定電極を形成さ
れる第1固定部材と、該第1固定部材に第1リンク部材
を介して二次元方向の一方向に変位可能に連結され前記
第1固定電極と対応する端部に第1可動電極を形成され
るとともに内周側端部に前記二次元方向の一方向に延在
する第2固定電極を形成される第2固定部材と、該第2
固定部材に第2リンク部材を介して二次元方向の他方向
に変位可能に連結されるとともに前記第2固定電極と対
応する端部に第2可動電極を形成される可動部材とから
成り、前記第1固定電極および第1可動電極間ならびに
前記第2固定電極および第2可動電極間にそれぞれ所定
の電圧を印加することにより、前記可動部材に一体形成
した開口制限素子を光軸に対して直交する二次元方向に
変位させるようにしたことを特徴とする。
に記載の第4発明は、集光されたレーザスポットの略中
心部を選択的に透過させる開口制限素子を二次元方向に
変位させる静電アクチュエータであって、基板と、該基
板上に固定されるとともに端部に第1固定電極を形成さ
れる第1固定部材と、該第1固定部材に第1リンク部材
を介して二次元方向の一方向に変位可能に連結され前記
第1固定電極と対応する端部に第1可動電極を形成され
るとともに内周側端部に前記二次元方向の一方向に延在
する第2固定電極を形成される第2固定部材と、該第2
固定部材に第2リンク部材を介して二次元方向の他方向
に変位可能に連結されるとともに前記第2固定電極と対
応する端部に第2可動電極を形成される可動部材とから
成り、前記第1固定電極および第1可動電極間ならびに
前記第2固定電極および第2可動電極間にそれぞれ所定
の電圧を印加することにより、前記可動部材に一体形成
した開口制限素子を光軸に対して直交する二次元方向に
変位させるようにしたことを特徴とする。
【0013】請求項5に記載の第5発明は、前記第1リ
ンク部材および第2リンク部材は弾性部材であることを
特徴とする。
ンク部材および第2リンク部材は弾性部材であることを
特徴とする。
【0014】請求項6に記載の第6発明は、前記基板内
に光検出器を形成し、該光検出器上に前記開口制限素子
が位置するように前記可動部材を前記基板上に配置し、
前記可動部材に形成された第2可動電極と前記第2固定
部材に形成された第2固定電極とが近接するように前記
可動部材および第2固定部材を同一平面上に配置すると
ともに、前記第2固定部材に形成された第1可動電極と
前記第1固定部材に形成された第1固定電極とが近接す
るように前記第2固定部材および第1固定部材を同一平
面上に配置して成ることを特徴とする。
に光検出器を形成し、該光検出器上に前記開口制限素子
が位置するように前記可動部材を前記基板上に配置し、
前記可動部材に形成された第2可動電極と前記第2固定
部材に形成された第2固定電極とが近接するように前記
可動部材および第2固定部材を同一平面上に配置すると
ともに、前記第2固定部材に形成された第1可動電極と
前記第1固定部材に形成された第1固定電極とが近接す
るように前記第2固定部材および第1固定部材を同一平
面上に配置して成ることを特徴とする。
【0015】請求項7に記載の第7発明は、前記可動部
材はポリシリコン製であることを特徴とする。
材はポリシリコン製であることを特徴とする。
【0016】請求項8に記載の第8発明は、前記開口制
限素子の開口径は、再生信号光学系のエアリーディスク
径と略同一であることを特徴とする。
限素子の開口径は、再生信号光学系のエアリーディスク
径と略同一であることを特徴とする。
【0017】上記第3の目的を達成するため、請求項9
に記載の第9発明は、光記録媒体からの戻り光を収束さ
せる光学素子と光検出器との間に第1発明〜第8発明の
何れかの静電アクチュエータを配置して成ることを特徴
とする。
に記載の第9発明は、光記録媒体からの戻り光を収束さ
せる光学素子と光検出器との間に第1発明〜第8発明の
何れかの静電アクチュエータを配置して成ることを特徴
とする。
【0018】請求項10に記載の第10発明は、前記光
検出器と、前記静電アクチュエータまたは開口制限素子
とを一体構造にしたことを特徴とする。
検出器と、前記静電アクチュエータまたは開口制限素子
とを一体構造にしたことを特徴とする。
【0019】第1発明では、基板と、該基板上に固定さ
れるとともに端部に固定電極を形成される固定部材と、
前記基板に一次元方向に変位可能に連結されるとともに
前記固定電極と対応する端部に可動電極を形成される可
動部材とから成り、前記固定電極および可動電極間に所
定の電圧を印加することにより前記可動部材に一体形成
した開口制限素子を光軸に対して直交する一次元方向に
変位させる静電アクチュエータは、マイクロマシン技術
によって製造することができるから、この静電アクチュ
エータを数mm角程度の外形寸法にすることが可能にな
り、10mm角程度の外形寸法を有する電磁アクチュエ
ータに比べて著しく小型化することができる。
れるとともに端部に固定電極を形成される固定部材と、
前記基板に一次元方向に変位可能に連結されるとともに
前記固定電極と対応する端部に可動電極を形成される可
動部材とから成り、前記固定電極および可動電極間に所
定の電圧を印加することにより前記可動部材に一体形成
した開口制限素子を光軸に対して直交する一次元方向に
変位させる静電アクチュエータは、マイクロマシン技術
によって製造することができるから、この静電アクチュ
エータを数mm角程度の外形寸法にすることが可能にな
り、10mm角程度の外形寸法を有する電磁アクチュエ
ータに比べて著しく小型化することができる。
【0020】第2発明では、前記開口制限素子を長手方
向が光記録媒体の半径方向に対応するスリットとし、該
開口制限素子を光記録媒体のトラック向に変位させるよ
うにしたから、この静電アクチュエータは、前記開口制
限素子の開口位置を光記録媒体からの戻り光の収束位置
に合わせる際に開口制限素子を二次元方向に変位させる
ように構成した静電アクチュエータと同様の調整機能を
発揮することになる。
向が光記録媒体の半径方向に対応するスリットとし、該
開口制限素子を光記録媒体のトラック向に変位させるよ
うにしたから、この静電アクチュエータは、前記開口制
限素子の開口位置を光記録媒体からの戻り光の収束位置
に合わせる際に開口制限素子を二次元方向に変位させる
ように構成した静電アクチュエータと同様の調整機能を
発揮することになる。
【0021】第3発明では、前記基板内に光検出器を形
成し、該光検出器上に前記開口制限素子が位置するよう
に前記可動部材を前記基板上に配置するとともに、前記
可動部材に形成された可動電極と前記固定部材に形成さ
れた固定電極とが近接するように前記可動部材および固
定部材を同一平面上に配置して成るから、前記開口制限
素子を静電アクチュエータ内に直接作り込むことが可能
になり、この静電アクチュエータを構成する部品点数を
削減するとともに各部品の取付作業および位置合わせ調
整作業を大幅に減らすことができる。
成し、該光検出器上に前記開口制限素子が位置するよう
に前記可動部材を前記基板上に配置するとともに、前記
可動部材に形成された可動電極と前記固定部材に形成さ
れた固定電極とが近接するように前記可動部材および固
定部材を同一平面上に配置して成るから、前記開口制限
素子を静電アクチュエータ内に直接作り込むことが可能
になり、この静電アクチュエータを構成する部品点数を
削減するとともに各部品の取付作業および位置合わせ調
整作業を大幅に減らすことができる。
【0022】第4発明では、基板と、該基板上に固定さ
れるとともに端部に第1固定電極を形成される第1固定
部材と、該第1固定部材に第1リンク部材を介して二次
元方向の一方向に変位可能に連結され前記第1固定電極
と対応する端部に第1可動電極を形成されるとともに内
周側端部に前記二次元方向の一方向に延在する第2固定
電極を形成される第2固定部材と、該第2固定部材に第
2リンク部材を介して二次元方向の他方向に変位可能に
連結されるとともに前記第2固定電極と対応する端部に
第2可動電極を形成される可動部材とから成り、前記第
1固定電極および第1可動電極間ならびに前記第2固定
電極および第2可動電極間にそれぞれ所定の電圧を印加
することにより前記可動部材に一体形成した開口制限素
子を光軸に対して直交する二次元方向に変位させる静電
アクチュエータは、マイクロマシン技術によって製造す
ることができるから、この静電アクチュエータを数mm
角程度の外形寸法にすることが可能になり、10mm角
程度の外形寸法を有する電磁アクチュエータに比べて著
しく小型化することができる。
れるとともに端部に第1固定電極を形成される第1固定
部材と、該第1固定部材に第1リンク部材を介して二次
元方向の一方向に変位可能に連結され前記第1固定電極
と対応する端部に第1可動電極を形成されるとともに内
周側端部に前記二次元方向の一方向に延在する第2固定
電極を形成される第2固定部材と、該第2固定部材に第
2リンク部材を介して二次元方向の他方向に変位可能に
連結されるとともに前記第2固定電極と対応する端部に
第2可動電極を形成される可動部材とから成り、前記第
1固定電極および第1可動電極間ならびに前記第2固定
電極および第2可動電極間にそれぞれ所定の電圧を印加
することにより前記可動部材に一体形成した開口制限素
子を光軸に対して直交する二次元方向に変位させる静電
アクチュエータは、マイクロマシン技術によって製造す
ることができるから、この静電アクチュエータを数mm
角程度の外形寸法にすることが可能になり、10mm角
程度の外形寸法を有する電磁アクチュエータに比べて著
しく小型化することができる。
【0023】第5発明では、前記第1リンク部材および
第2リンク部材は弾性部材であるから、この静電アクチ
ュエータにおいて前記開口制限素子を光軸に対して直交
する二次元方向に応答性良く変位させることができる。
第2リンク部材は弾性部材であるから、この静電アクチ
ュエータにおいて前記開口制限素子を光軸に対して直交
する二次元方向に応答性良く変位させることができる。
【0024】第6発明では、前記基板内に光検出器を形
成し、該光検出器上に前記開口制限素子が位置するよう
に前記可動部材を前記基板上に配置し、前記可動部材に
形成された第2可動電極と前記第2固定部材に形成され
た第2固定電極とが近接するように前記可動部材および
第2固定部材を同一平面上に配置するとともに、前記第
2固定部材に形成された第1可動電極と前記第1固定部
材に形成された第1固定電極とが近接するように前記第
2固定部材および第1固定部材を同一平面上に配置して
成るから、前記開口制限素子を静電アクチュエータ内に
直接作り込むことが可能になり、この静電アクチュエー
タを構成する部品点数を削減するとともに各部品の取付
作業および位置合わせ調整作業を大幅に減らすことがで
きる。
成し、該光検出器上に前記開口制限素子が位置するよう
に前記可動部材を前記基板上に配置し、前記可動部材に
形成された第2可動電極と前記第2固定部材に形成され
た第2固定電極とが近接するように前記可動部材および
第2固定部材を同一平面上に配置するとともに、前記第
2固定部材に形成された第1可動電極と前記第1固定部
材に形成された第1固定電極とが近接するように前記第
2固定部材および第1固定部材を同一平面上に配置して
成るから、前記開口制限素子を静電アクチュエータ内に
直接作り込むことが可能になり、この静電アクチュエー
タを構成する部品点数を削減するとともに各部品の取付
作業および位置合わせ調整作業を大幅に減らすことがで
きる。
【0025】第7発明では、前記可動部材はポリシリコ
ン製であるから、例えばこのポリシリコン製の可動部材
の所望の部位に所定エネルギーのレーザ光を照射するこ
とにより、前記開口制限素子を前記可動部材に一体形成
することができる。
ン製であるから、例えばこのポリシリコン製の可動部材
の所望の部位に所定エネルギーのレーザ光を照射するこ
とにより、前記開口制限素子を前記可動部材に一体形成
することができる。
【0026】第8発明では、前記開口制限素子の開口径
は、再生信号光学系のエアリーディスク径と略同一であ
るから、この開口制限素子の開口を経て集光されたレー
ザスポットの略中心部が選択的に透過することになり、
多層光記録媒体の信号再生時に所望のセクショニング性
能を発揮させることができる。
は、再生信号光学系のエアリーディスク径と略同一であ
るから、この開口制限素子の開口を経て集光されたレー
ザスポットの略中心部が選択的に透過することになり、
多層光記録媒体の信号再生時に所望のセクショニング性
能を発揮させることができる。
【0027】第9発明では、光記録媒体からの戻り光を
収束させる光学素子と光検出器との間に第1発明〜第8
発明の何れかの静電アクチュエータを配置して光ピック
アップを構成したから、前記開口制限素子の駆動手段と
して電磁アクチュエータを採用した場合に比べて光ピッ
クアップを著しく小型化することができる。
収束させる光学素子と光検出器との間に第1発明〜第8
発明の何れかの静電アクチュエータを配置して光ピック
アップを構成したから、前記開口制限素子の駆動手段と
して電磁アクチュエータを採用した場合に比べて光ピッ
クアップを著しく小型化することができる。
【0028】第10発明では、前記光検出器と、前記静
電アクチュエータまたは開口制限素子とを一体構造にし
たから、前記静電アクチュエータが集積ピックアップユ
ニットとして構成されることになり、光ピックアップを
第9発明よりも一層小型化することができる。
電アクチュエータまたは開口制限素子とを一体構造にし
たから、前記静電アクチュエータが集積ピックアップユ
ニットとして構成されることになり、光ピックアップを
第9発明よりも一層小型化することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態
に係る多層光記録用ピックアップを用いた光記録再生装
置の構成を示す図である。本実施形態の多層光記録用ピ
ックアップ(以下、光ピックアップという)の光学系
は、レーザ光源1と、レーザ光源1から出射したレーザ
光を平行光に変換するコリメートレンズ2と、コリメー
トレンズ2から出射した平行光を透過または反射させる
ビームスプリッタ3と、ビームスプリッタ3を透過した
平行光を媒体厚さ方向に複数層の記録層を有する多層光
記録媒体5の何れか1つの記録層に集光する対物レンズ
4と、対物レンズ4を通過した後にビームスプリッタ3
で反射された多層光記録媒体5からの戻り光を透過また
は反射させるビームスプリッタ6と、ビームスプリッタ
6を透過した戻り光を収束させる集光レンズ7と、集光
レンズ7によって収束された戻り光から前記1つの記録
層に対応する成分を抽出するピンホール8と、ピンホー
ル8を一体形成された二次元駆動型静電アクチュエータ
9と、ピンホール8により抽出された成分を信号光とし
て検出する光検出器10と、ビームスプリッタ6で反射
された戻り光を収束させる集光レンズ11と、集光レン
ズ11によって収束された戻り光から前記1つの記録層
に対応するサーボ制御用信号を検出する光検出器12と
を具備して成る。なお、開口制限素子であるピンホール
8の開口径は、再生信号光学系のエアリーディスク径と
略同一になっている。
に基づき詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態
に係る多層光記録用ピックアップを用いた光記録再生装
置の構成を示す図である。本実施形態の多層光記録用ピ
ックアップ(以下、光ピックアップという)の光学系
は、レーザ光源1と、レーザ光源1から出射したレーザ
光を平行光に変換するコリメートレンズ2と、コリメー
トレンズ2から出射した平行光を透過または反射させる
ビームスプリッタ3と、ビームスプリッタ3を透過した
平行光を媒体厚さ方向に複数層の記録層を有する多層光
記録媒体5の何れか1つの記録層に集光する対物レンズ
4と、対物レンズ4を通過した後にビームスプリッタ3
で反射された多層光記録媒体5からの戻り光を透過また
は反射させるビームスプリッタ6と、ビームスプリッタ
6を透過した戻り光を収束させる集光レンズ7と、集光
レンズ7によって収束された戻り光から前記1つの記録
層に対応する成分を抽出するピンホール8と、ピンホー
ル8を一体形成された二次元駆動型静電アクチュエータ
9と、ピンホール8により抽出された成分を信号光とし
て検出する光検出器10と、ビームスプリッタ6で反射
された戻り光を収束させる集光レンズ11と、集光レン
ズ11によって収束された戻り光から前記1つの記録層
に対応するサーボ制御用信号を検出する光検出器12と
を具備して成る。なお、開口制限素子であるピンホール
8の開口径は、再生信号光学系のエアリーディスク径と
略同一になっている。
【0030】また、本実施形態の光ピックアップという
の制御系は、二次元駆動型静電アクチュエータ9を光軸
と直交するXY平面のX軸方向の駆動制御を行うX方向
アクチュエータ制御回路13と、二次元駆動型静電アク
チュエータ9を光軸と直交するXY平面のY軸方向の駆
動制御を行うY方向アクチュエータ制御回路14と、上
記レーザ光源1、X方向アクチュエータ制御回路13、
Y方向アクチュエータ制御回路14の動作を制御すると
ともに光検出器10,12が検出した信号を受ける制御
回路15とを具備して成る。
の制御系は、二次元駆動型静電アクチュエータ9を光軸
と直交するXY平面のX軸方向の駆動制御を行うX方向
アクチュエータ制御回路13と、二次元駆動型静電アク
チュエータ9を光軸と直交するXY平面のY軸方向の駆
動制御を行うY方向アクチュエータ制御回路14と、上
記レーザ光源1、X方向アクチュエータ制御回路13、
Y方向アクチュエータ制御回路14の動作を制御すると
ともに光検出器10,12が検出した信号を受ける制御
回路15とを具備して成る。
【0031】図2は第1実施形態の光ピックアップの二
次元駆動型静電アクチュエータの構成を示す斜視図であ
り、図3は第1実施形態の光ピックアップの二次元駆動
型静電アクチュエータの要部の構成を示す平面図であ
る。本実施形態の二次元駆動型静電アクチュエータ9
は、シリコン基板(以下、基板という)21と、基板2
1上に固定されるとともに内周側端部に櫛歯状の第1固
定電極22aを形成される第1固定部材22と、第1固
定部材22に第1リンク部材23を介してXY平面の一
方向(ここではX方向とする)に変位可能に連結される
第2固定部材であって、第1固定電極22aと対応する
端部に櫛歯状の第1可動電極24aを形成されるととも
に内周側端部にXY平面の一方向(ここではX方向とす
る)に延在する櫛歯状の第2固定電極24bを形成され
る第2固定部材24と、第2固定部材24に第2リンク
部材25を介してXY平面の他方向(ここではY方向と
する)に変位可能に連結されるとともに第2固定電極2
4bと対応する端部に櫛歯状の第2可動電極26aを形
成される可動部材26と、光検出器10の電極となる電
極部材27等から成る。
次元駆動型静電アクチュエータの構成を示す斜視図であ
り、図3は第1実施形態の光ピックアップの二次元駆動
型静電アクチュエータの要部の構成を示す平面図であ
る。本実施形態の二次元駆動型静電アクチュエータ9
は、シリコン基板(以下、基板という)21と、基板2
1上に固定されるとともに内周側端部に櫛歯状の第1固
定電極22aを形成される第1固定部材22と、第1固
定部材22に第1リンク部材23を介してXY平面の一
方向(ここではX方向とする)に変位可能に連結される
第2固定部材であって、第1固定電極22aと対応する
端部に櫛歯状の第1可動電極24aを形成されるととも
に内周側端部にXY平面の一方向(ここではX方向とす
る)に延在する櫛歯状の第2固定電極24bを形成され
る第2固定部材24と、第2固定部材24に第2リンク
部材25を介してXY平面の他方向(ここではY方向と
する)に変位可能に連結されるとともに第2固定電極2
4bと対応する端部に櫛歯状の第2可動電極26aを形
成される可動部材26と、光検出器10の電極となる電
極部材27等から成る。
【0032】上記第1リンク部材23および第2リンク
部材25としては、二次元駆動型静電アクチュエータ9
においてピンホール8を光軸に対して直交するX,Y方
向に応答性良く変位させるために、弾性部材を用いてい
る。ことができる。上記可動部材26は、ポリシリコン
製であるため、例えばこの可動部材26の中央部に所定
エネルギーのレーザ光を照射することにより、ピンホー
ル8を可動部材26内に一体形成することができる。
部材25としては、二次元駆動型静電アクチュエータ9
においてピンホール8を光軸に対して直交するX,Y方
向に応答性良く変位させるために、弾性部材を用いてい
る。ことができる。上記可動部材26は、ポリシリコン
製であるため、例えばこの可動部材26の中央部に所定
エネルギーのレーザ光を照射することにより、ピンホー
ル8を可動部材26内に一体形成することができる。
【0033】本実施形態の二次元駆動型静電アクチュエ
ータ9は、マイクロマシン技術を用いて製造することに
より、小型軽量化を図っている。近年、マイクロマシン
技術は、モータやアクチュエータ等の微細な駆動装置の
開発に採用されており、例えば、「L. Muller et. a
l.,"Mechanical performance of an integreted microg
imbal / microactuator for dsk drives", 10th intern
ational Conference on Solid State Sensors and Actu
ators(Transducers '99)」に開示されている静電アク
チュエータは、小型(数mm×数mm以下)で、かつ、
低電圧駆動が可能であるという利点を有している。ま
た、特許第3050164号公報に開示されている静電
アクチュエータは、小型(2mm×2mm程度)に構成
されており、光学部品、光磁気、磁気ディスク等の小型
部品の駆動に用いられている。
ータ9は、マイクロマシン技術を用いて製造することに
より、小型軽量化を図っている。近年、マイクロマシン
技術は、モータやアクチュエータ等の微細な駆動装置の
開発に採用されており、例えば、「L. Muller et. a
l.,"Mechanical performance of an integreted microg
imbal / microactuator for dsk drives", 10th intern
ational Conference on Solid State Sensors and Actu
ators(Transducers '99)」に開示されている静電アク
チュエータは、小型(数mm×数mm以下)で、かつ、
低電圧駆動が可能であるという利点を有している。ま
た、特許第3050164号公報に開示されている静電
アクチュエータは、小型(2mm×2mm程度)に構成
されており、光学部品、光磁気、磁気ディスク等の小型
部品の駆動に用いられている。
【0034】本実施形態の二次元駆動型静電アクチュエ
ータ9は、マイクロマシン技術を採用した点では上記従
来のマイクロマシン技術による静電アクチュエータと共
通しているが、後述する製造プロセスを用いる点で上記
従来のマイクロマシン技術による静電アクチュエータと
相違している。以下に、図4(a)〜(g)を用いて本
実施形態の二次元駆動型静電アクチュエータ9の製造プ
ロセスを説明する。
ータ9は、マイクロマシン技術を採用した点では上記従
来のマイクロマシン技術による静電アクチュエータと共
通しているが、後述する製造プロセスを用いる点で上記
従来のマイクロマシン技術による静電アクチュエータと
相違している。以下に、図4(a)〜(g)を用いて本
実施形態の二次元駆動型静電アクチュエータ9の製造プ
ロセスを説明する。
【0035】まず、図4(a)に示すように、半導体基
板101(本実施形態では低濃度のP型シリコン基板を
用いる)の所定領域にアンチモンを拡散させて、N型の
高濃度埋め込み拡散層102を形成し、さらにその上に
低濃度N型エピタキシャル層103を形成する。その
後、エピタキシャル層103の表面側から不純物拡散を
行うことにより高濃度のN型ウェル104と、それより
も浅い高濃度P型拡散層105とを形成する。ここで、
高濃度P型拡散層105およびその直下の低濃度N型エ
ピタキシャル層103は、フォトダイオード(PD)を
形成する。
板101(本実施形態では低濃度のP型シリコン基板を
用いる)の所定領域にアンチモンを拡散させて、N型の
高濃度埋め込み拡散層102を形成し、さらにその上に
低濃度N型エピタキシャル層103を形成する。その
後、エピタキシャル層103の表面側から不純物拡散を
行うことにより高濃度のN型ウェル104と、それより
も浅い高濃度P型拡散層105とを形成する。ここで、
高濃度P型拡散層105およびその直下の低濃度N型エ
ピタキシャル層103は、フォトダイオード(PD)を
形成する。
【0036】次に、同図(b)に示すように、LPCV
D(減圧化学気層成長法)を用いて層間絶縁膜となる厚
さ300nmの第1のシリコン窒化膜106を形成した
後、シリコン窒化膜106のN型ウェル104および高
濃度P型拡散層105の上端部に位置する部分にそれぞ
れ、通常のフォトリソグラフィー手法でコンタクトホー
ル107を形成する。これらコンタクトホール107
は、フォトダイオードの電極開口部として機能すること
になる。さらに、APCVD(常圧化学気層成長法)を
用いて第1のシリコン窒化膜106の上部に厚さ400
nmのPSG(Phosphorous Silicate Grass)膜108
を形成した後、このPSG膜108を図示の領域のみが
残存するように通常のフォトリソグラフィ手法を用いて
除去する。上記PSG膜が残存した領域(図3に点線で
示す領域)には、後に可動電極を有する可動部材が形成
されることになる。
D(減圧化学気層成長法)を用いて層間絶縁膜となる厚
さ300nmの第1のシリコン窒化膜106を形成した
後、シリコン窒化膜106のN型ウェル104および高
濃度P型拡散層105の上端部に位置する部分にそれぞ
れ、通常のフォトリソグラフィー手法でコンタクトホー
ル107を形成する。これらコンタクトホール107
は、フォトダイオードの電極開口部として機能すること
になる。さらに、APCVD(常圧化学気層成長法)を
用いて第1のシリコン窒化膜106の上部に厚さ400
nmのPSG(Phosphorous Silicate Grass)膜108
を形成した後、このPSG膜108を図示の領域のみが
残存するように通常のフォトリソグラフィ手法を用いて
除去する。上記PSG膜が残存した領域(図3に点線で
示す領域)には、後に可動電極を有する可動部材が形成
されることになる。
【0037】次に、同図(c)に示すように、シリコン
窒化膜106およびPSG膜108の上部を覆うよう
に、LPCVDを用いて厚さ8000nmのN型にドー
プされた多結晶シリコン109を形成する。次に、同図
(d)に示すように、通常のレジストパターンをマスク
にしてRIE(反応性イオンエッチング)によって多結
晶シリコン109に幅300nmのスリット110を形
成する。次に、同図(e)に示すように、LPCVDを
用いて厚さ300nmの第2のシリコン窒化膜111を
形成する。その際、上記スリット110は第2のシリコ
ン窒化膜111で充填されることになる。
窒化膜106およびPSG膜108の上部を覆うよう
に、LPCVDを用いて厚さ8000nmのN型にドー
プされた多結晶シリコン109を形成する。次に、同図
(d)に示すように、通常のレジストパターンをマスク
にしてRIE(反応性イオンエッチング)によって多結
晶シリコン109に幅300nmのスリット110を形
成する。次に、同図(e)に示すように、LPCVDを
用いて厚さ300nmの第2のシリコン窒化膜111を
形成する。その際、上記スリット110は第2のシリコ
ン窒化膜111で充填されることになる。
【0038】次に、同図(f)に示すように、表面側か
ら第2のシリコン窒化膜111をRIEによって多結晶
シリコン109の表面が露出するまでエッチバックし、
さらに多結晶シリコン109を通常のフォトリソグラフ
ィ工程でパターニングして開口部112を形成する。次
に、同図(g)に示すシリコン基板101全体をフッ酸
系のエッチング液に浸してエッチングを行う。このエッ
チング液は、PSGに対するエッチングレートが非常に
大きいため、多結晶シリコンやシリコン窒化膜をほとん
どエッチングしないので、開口部112を介してPSG
膜108を完全に除去することができる。
ら第2のシリコン窒化膜111をRIEによって多結晶
シリコン109の表面が露出するまでエッチバックし、
さらに多結晶シリコン109を通常のフォトリソグラフ
ィ工程でパターニングして開口部112を形成する。次
に、同図(g)に示すシリコン基板101全体をフッ酸
系のエッチング液に浸してエッチングを行う。このエッ
チング液は、PSGに対するエッチングレートが非常に
大きいため、多結晶シリコンやシリコン窒化膜をほとん
どエッチングしないので、開口部112を介してPSG
膜108を完全に除去することができる。
【0039】上記製造プロセスによって、1つの多結晶
シリコン109から、第1のシリコン窒化膜106を介
してシリコン基板101に固定された固定電極を有する
固定部材となる領域109−1と、シリコン基板101
から分離された可動電極を有する可動部材となる領域1
09−2a,109−2bと、第1のシリコン窒化膜1
06に開口したコンタクトホール107の上部のフォト
ダイオードの電極となる領域109−3とか形成され
る。ここで、図4(g)に示す断面は、図2のI−I断
面に対応しているので、シリコン基板101が基板21
に対応し、領域109−1が第1固定部材22に対応
し、領域109−2aが第2固定部材24に対応し、領
域109−2bが可動部材26に対応し、領域109−
3が電極部材27に対応し、高濃度P型拡散層105お
よび低濃度N型エピタキシャル層103より成るフォト
ダイオードが光検出器10(図1参照)に対応すること
になる。なお、図4(g)と図2の対応については、領
域109−1および109−2a間並びに領域109−
1および109−2b間の空間は開口部112に対応
し、その多結晶シリコンのエッチング工程においては連
結部材23および25に該当する領域を残存させること
によって一体の部材として形成される。ただし、図3に
示すように、第1固定部材22(領域109−1)は、
3個所のスリット110に埋め込まれたシリコン窒化膜
111によって電気的には3つの部分に分割されてお
り、各々の部位の電位を制御することによって櫛歯状静
電アクチュエータを動作させ、XY方向に変位させるこ
とになる。
シリコン109から、第1のシリコン窒化膜106を介
してシリコン基板101に固定された固定電極を有する
固定部材となる領域109−1と、シリコン基板101
から分離された可動電極を有する可動部材となる領域1
09−2a,109−2bと、第1のシリコン窒化膜1
06に開口したコンタクトホール107の上部のフォト
ダイオードの電極となる領域109−3とか形成され
る。ここで、図4(g)に示す断面は、図2のI−I断
面に対応しているので、シリコン基板101が基板21
に対応し、領域109−1が第1固定部材22に対応
し、領域109−2aが第2固定部材24に対応し、領
域109−2bが可動部材26に対応し、領域109−
3が電極部材27に対応し、高濃度P型拡散層105お
よび低濃度N型エピタキシャル層103より成るフォト
ダイオードが光検出器10(図1参照)に対応すること
になる。なお、図4(g)と図2の対応については、領
域109−1および109−2a間並びに領域109−
1および109−2b間の空間は開口部112に対応
し、その多結晶シリコンのエッチング工程においては連
結部材23および25に該当する領域を残存させること
によって一体の部材として形成される。ただし、図3に
示すように、第1固定部材22(領域109−1)は、
3個所のスリット110に埋め込まれたシリコン窒化膜
111によって電気的には3つの部分に分割されてお
り、各々の部位の電位を制御することによって櫛歯状静
電アクチュエータを動作させ、XY方向に変位させるこ
とになる。
【0040】以上のような製造プロセスにより、基板2
1内に光検出器10を形成し、光検出器10上に開口制
限素子であるピンホール8が位置するように可動部材2
6を基板21上に配置し、可動部材26に形成された第
2可動電極26aと第2固定部材24に形成された第2
固定電極24bとが近接するように可動部材26および
第2固定部材24を同一平面上に配置するとともに、第
2固定部材24に形成された第1可動電極24aと第1
固定部材22に形成された第1固定電極22aとが近接
するように第2固定部材24および第1固定部材22を
同一平面上に配置して成る二次元駆動型静電アクチュエ
ータ9を製造することができる。なお、この二次元駆動
型静電アクチュエータ9は、上述した構成要素の他にレ
ーザ光源1も一体化した集積ピックアップユニットとし
て構成するものとする。
1内に光検出器10を形成し、光検出器10上に開口制
限素子であるピンホール8が位置するように可動部材2
6を基板21上に配置し、可動部材26に形成された第
2可動電極26aと第2固定部材24に形成された第2
固定電極24bとが近接するように可動部材26および
第2固定部材24を同一平面上に配置するとともに、第
2固定部材24に形成された第1可動電極24aと第1
固定部材22に形成された第1固定電極22aとが近接
するように第2固定部材24および第1固定部材22を
同一平面上に配置して成る二次元駆動型静電アクチュエ
ータ9を製造することができる。なお、この二次元駆動
型静電アクチュエータ9は、上述した構成要素の他にレ
ーザ光源1も一体化した集積ピックアップユニットとし
て構成するものとする。
【0041】なお、本実施形態では、可動電極および固
定電極を形成するための可動部材および固定部材に多結
晶シリコンを使用し、可動電極を基板から分離するため
の犠牲層にPSGを使用し、電極を形成された可動部材
および固定部材を複数の領域に電気的に分離するための
スリットの充填材にシリコン窒化膜を使用したが、適切
なエッチング手法および製膜法によって同様の構造を実
現可能な他の組み合わせを用いてもよいことは言うまで
もない。
定電極を形成するための可動部材および固定部材に多結
晶シリコンを使用し、可動電極を基板から分離するため
の犠牲層にPSGを使用し、電極を形成された可動部材
および固定部材を複数の領域に電気的に分離するための
スリットの充填材にシリコン窒化膜を使用したが、適切
なエッチング手法および製膜法によって同様の構造を実
現可能な他の組み合わせを用いてもよいことは言うまで
もない。
【0042】本実施形態の二次元駆動型静電アクチュエ
ータ9の駆動制御は、制御回路15によって制御される
X方向アクチュエータ制御回路13およびY方向アクチ
ュエータ制御回路14により実施される。すなわち、制
御回路15は、電源のON時またはピンホールリセット
信号の受信時に、光検出器10へ入射するレーザ光の光
量が最大になるように、X方向アクチュエータ制御回路
13から第2可動電極26aおよび第2固定電極24b
間に所定の電圧を印加するとともにY方向アクチュエー
タ制御回路14から第1可動電極24aおよび第1固定
電極22a間に所定の電圧を印加するような指令を行う
ことにより、二次元駆動型静電アクチュエータ9を光軸
に対して直交する平面内でX,Y方向に駆動する。
ータ9の駆動制御は、制御回路15によって制御される
X方向アクチュエータ制御回路13およびY方向アクチ
ュエータ制御回路14により実施される。すなわち、制
御回路15は、電源のON時またはピンホールリセット
信号の受信時に、光検出器10へ入射するレーザ光の光
量が最大になるように、X方向アクチュエータ制御回路
13から第2可動電極26aおよび第2固定電極24b
間に所定の電圧を印加するとともにY方向アクチュエー
タ制御回路14から第1可動電極24aおよび第1固定
電極22a間に所定の電圧を印加するような指令を行う
ことにより、二次元駆動型静電アクチュエータ9を光軸
に対して直交する平面内でX,Y方向に駆動する。
【0043】本実施形態によれば、二次元駆動型静電ア
クチュエータ9をマイクロマシン技術によって製造する
ことにより数mm角程度の外形寸法にすることが可能に
なったから、10mm角程度の外形寸法を有する電磁ア
クチュエータに比べて著しく小型化することができ、こ
の二次元駆動型静電アクチュエータ9を集光レンズ7と
光検出器10との間に設けた光ピックアップは、電磁ア
クチュエータを採用した場合に比べて著しい小型化が可
能になるとともに、コンフォーカル検出系の光透過部で
あるピンホール位置を収束光の焦点位置に精度よく合わ
せることが可能になる。また、光ピックアップにおける
光学部品の熱変動や光源の波長変動による光路の変動が
生じても再生借号がコンフォーカル検出素子を透過する
ように調整することができるので、光ピックアップを小
型化しながら、時間的にも空間的にも安定した信号検出
を行うことができる。
クチュエータ9をマイクロマシン技術によって製造する
ことにより数mm角程度の外形寸法にすることが可能に
なったから、10mm角程度の外形寸法を有する電磁ア
クチュエータに比べて著しく小型化することができ、こ
の二次元駆動型静電アクチュエータ9を集光レンズ7と
光検出器10との間に設けた光ピックアップは、電磁ア
クチュエータを採用した場合に比べて著しい小型化が可
能になるとともに、コンフォーカル検出系の光透過部で
あるピンホール位置を収束光の焦点位置に精度よく合わ
せることが可能になる。また、光ピックアップにおける
光学部品の熱変動や光源の波長変動による光路の変動が
生じても再生借号がコンフォーカル検出素子を透過する
ように調整することができるので、光ピックアップを小
型化しながら、時間的にも空間的にも安定した信号検出
を行うことができる。
【0044】また、本実施形態の二次元駆動型静電アク
チュエータ9は、ピンホール8および光検出器10を二
次元駆動型静電アクチュエータ9内に直接作り込むとと
もにレーザ光源1等を一体化した集積ピックアップユニ
ットとして構成したため、さらなる小型化が実現され、
部品点数の削減および各部品の取付作業および位置合わ
せ調整作業の大幅な削減が実現されることになる。ま
た、開口制限素子であるピンホール8の開口径を再生信
号光学系のエアリーディスク径と略同一にしたため、こ
のピンホール8の開口を経て集光されたレーザスポット
の略中心部が選択的に透過することになるから、多層光
記録媒体の信号再生時に所望のセクショニング性能を発
揮させることができる。
チュエータ9は、ピンホール8および光検出器10を二
次元駆動型静電アクチュエータ9内に直接作り込むとと
もにレーザ光源1等を一体化した集積ピックアップユニ
ットとして構成したため、さらなる小型化が実現され、
部品点数の削減および各部品の取付作業および位置合わ
せ調整作業の大幅な削減が実現されることになる。ま
た、開口制限素子であるピンホール8の開口径を再生信
号光学系のエアリーディスク径と略同一にしたため、こ
のピンホール8の開口を経て集光されたレーザスポット
の略中心部が選択的に透過することになるから、多層光
記録媒体の信号再生時に所望のセクショニング性能を発
揮させることができる。
【0045】図5は本発明の第2実施形態の光ピックア
ップの一次元駆動型静電アクチュエータの構成を示す平
面図であり、図6(a)〜(f)はそれぞれ、図5のA
−A断面図〜F−F断面図である。本実施形態の一次元
駆動型静電アクチュエータ31は、図5および図6
(a)等に示すように、基板(例えば低濃度のP型シリ
コン基板を用いる)32と、基板32に結合される固定
部材33および可動部材34等から成る。
ップの一次元駆動型静電アクチュエータの構成を示す平
面図であり、図6(a)〜(f)はそれぞれ、図5のA
−A断面図〜F−F断面図である。本実施形態の一次元
駆動型静電アクチュエータ31は、図5および図6
(a)等に示すように、基板(例えば低濃度のP型シリ
コン基板を用いる)32と、基板32に結合される固定
部材33および可動部材34等から成る。
【0046】上記固定部材33は、基板32の図示上下
両端部にそれぞれ設けられており、図5のC−C断面図
である図6(c)および図5のF−F断面図である図6
(f)に示すように、基板32の四隅に固着されてい
る。固定部材33の固着部間の部分は基板32から浮か
してあるが、この部分の端部には固定電極33aがそれ
ぞれ形成されている。
両端部にそれぞれ設けられており、図5のC−C断面図
である図6(c)および図5のF−F断面図である図6
(f)に示すように、基板32の四隅に固着されてい
る。固定部材33の固着部間の部分は基板32から浮か
してあるが、この部分の端部には固定電極33aがそれ
ぞれ形成されている。
【0047】上記可動部材34は、基板32上の固定部
材33に挟まれる空間に設けられており、図5のB−B
断面図である図6(b)に示すように、図示左右両端部
34aはそれぞれ基板32上に固着されている。可動部
材34の左右両端部34a間の部分34bは基板32か
ら浮かしてあるが、この部分34bは、図5ならびに図
5のA−A断面図およびE−E断面図である図6
(a)、図6(e)に示すように、合計8本の支持梁3
4cによって左右両端部34aに弾性的に結合されてお
り、それにより基板32に図示上下方向に変位可能に連
結されている。可動部材34の図示上下端部には、図5
および図5のC−C断面図である図6(c)に示すよう
に、可動電極34dがそれぞれ固定電極33aと対応す
るように形成されている。なお、上下固定部材33およ
び可動部材34間にはそれぞれ、埋め込みSiNによる
絶縁スリット35が形成されている。
材33に挟まれる空間に設けられており、図5のB−B
断面図である図6(b)に示すように、図示左右両端部
34aはそれぞれ基板32上に固着されている。可動部
材34の左右両端部34a間の部分34bは基板32か
ら浮かしてあるが、この部分34bは、図5ならびに図
5のA−A断面図およびE−E断面図である図6
(a)、図6(e)に示すように、合計8本の支持梁3
4cによって左右両端部34aに弾性的に結合されてお
り、それにより基板32に図示上下方向に変位可能に連
結されている。可動部材34の図示上下端部には、図5
および図5のC−C断面図である図6(c)に示すよう
に、可動電極34dがそれぞれ固定電極33aと対応す
るように形成されている。なお、上下固定部材33およ
び可動部材34間にはそれぞれ、埋め込みSiNによる
絶縁スリット35が形成されている。
【0048】上記可動部材34の中央部には、図5およ
び図5のD−D断面図である図6(d)に示すように、
ピンホール34eが直接作り込まれている。なお、上記
基板32は、多層光記録媒体5からの戻り光を導くため
に、透明な材料で作製するか、あるいは、ピンホール3
4eと対応する部分に開口を形成するものとする。な
お、この一次元駆動型静電アクチュエータ31は、上記
第1実施形態と同様の製造プロセスを用いて製造するも
のとする。
び図5のD−D断面図である図6(d)に示すように、
ピンホール34eが直接作り込まれている。なお、上記
基板32は、多層光記録媒体5からの戻り光を導くため
に、透明な材料で作製するか、あるいは、ピンホール3
4eと対応する部分に開口を形成するものとする。な
お、この一次元駆動型静電アクチュエータ31は、上記
第1実施形態と同様の製造プロセスを用いて製造するも
のとする。
【0049】上記製造プロセスにより、基板31内に光
検出器10を形成し、光検出器10上にピンホール34
eが位置するように可動部材34を基板31上に配置す
るとともに、可動部材34に形成された可動電極34d
と固定部材33に形成された固定電極33aとが近接す
るように可動部材34および固定部材33を同一平面上
に配置して成る一次元駆動型静電アクチュエータ31を
製造することができる。この一次元駆動型静電アクチュ
エータ31は、上述した構成要素の他にレーザ光源1も
一体化した集積ピックアップユニットとして構成するも
のとする。
検出器10を形成し、光検出器10上にピンホール34
eが位置するように可動部材34を基板31上に配置す
るとともに、可動部材34に形成された可動電極34d
と固定部材33に形成された固定電極33aとが近接す
るように可動部材34および固定部材33を同一平面上
に配置して成る一次元駆動型静電アクチュエータ31を
製造することができる。この一次元駆動型静電アクチュ
エータ31は、上述した構成要素の他にレーザ光源1も
一体化した集積ピックアップユニットとして構成するも
のとする。
【0050】上記のように構成した一次元駆動型静電ア
クチュエータ31は、例えば図5の上下方向を駆動方向
であるX方向とするとともに光軸が貫通するピンホール
34eの中心を駆動中心としたとき、この駆動方向が光
軸に対して直交方向(この場合、多層光記録媒体5のト
ラック像に対して直交方向)になるように、光ピックア
ップ本体に取り付けるものとする。そのように取り付け
た場合、第1実施形態と同様の制御回路によってX方向
アクチュエータ制御回路を介して上下固定電極33およ
び可動電極34d間の少なくとも一方に印加する電圧値
およびその極性を適宜調整することにより、可動部材3
4に一体形成したピンホール34eをトラック像に対し
て直交方向(図5の上下方向)に所望の変位量だけ駆動
することができる。
クチュエータ31は、例えば図5の上下方向を駆動方向
であるX方向とするとともに光軸が貫通するピンホール
34eの中心を駆動中心としたとき、この駆動方向が光
軸に対して直交方向(この場合、多層光記録媒体5のト
ラック像に対して直交方向)になるように、光ピックア
ップ本体に取り付けるものとする。そのように取り付け
た場合、第1実施形態と同様の制御回路によってX方向
アクチュエータ制御回路を介して上下固定電極33およ
び可動電極34d間の少なくとも一方に印加する電圧値
およびその極性を適宜調整することにより、可動部材3
4に一体形成したピンホール34eをトラック像に対し
て直交方向(図5の上下方向)に所望の変位量だけ駆動
することができる。
【0051】本実施形態によれば、一次元駆動型静電ア
クチュエータ31をマイクロマシン技術によって製造す
ることにより数mm角程度の外形寸法にすることが可能
になったから、10mm角程度の外形寸法を有する電磁
アクチュエータに比べて著しく小型化することができ、
この一次元駆動型静電アクチュエータ31を集光レンズ
7と光検出器10との間に設けた光ピックアップは、電
磁アクチュエータを採用した場合に比べて著しい小型化
が可能になるとともに、コンフォーカル検出系の光透過
部であるピンホール位置を収束光の焦点位置に精度よく
合わせることが可能になる。
クチュエータ31をマイクロマシン技術によって製造す
ることにより数mm角程度の外形寸法にすることが可能
になったから、10mm角程度の外形寸法を有する電磁
アクチュエータに比べて著しく小型化することができ、
この一次元駆動型静電アクチュエータ31を集光レンズ
7と光検出器10との間に設けた光ピックアップは、電
磁アクチュエータを採用した場合に比べて著しい小型化
が可能になるとともに、コンフォーカル検出系の光透過
部であるピンホール位置を収束光の焦点位置に精度よく
合わせることが可能になる。
【0052】また、本実施形態の一次元駆動型静電アク
チュエータ31は、ピンホール34eおよび光検出器1
0を一次元駆動型静電アクチュエータ31内に直接作り
込むとともにレーザ光源1等を一体化した集積ピックア
ップユニットとして構成したため、さらなる小型化が実
現され、部品点数の削減および各部品の取付作業および
位置合わせ調整作業の大幅な削減が実現されることにな
る。また、開口制限素子であるピンホール34eの開口
径を再生信号光学系のエアリーディスク径と略同一にし
たため、このピンホール34eの開口を経て集光された
レーザスポットの略中心部が選択的に透過することにな
るから、多層光記録媒体の信号再生時に所望のセクショ
ニング性能を発揮させることができる。
チュエータ31は、ピンホール34eおよび光検出器1
0を一次元駆動型静電アクチュエータ31内に直接作り
込むとともにレーザ光源1等を一体化した集積ピックア
ップユニットとして構成したため、さらなる小型化が実
現され、部品点数の削減および各部品の取付作業および
位置合わせ調整作業の大幅な削減が実現されることにな
る。また、開口制限素子であるピンホール34eの開口
径を再生信号光学系のエアリーディスク径と略同一にし
たため、このピンホール34eの開口を経て集光された
レーザスポットの略中心部が選択的に透過することにな
るから、多層光記録媒体の信号再生時に所望のセクショ
ニング性能を発揮させることができる。
【0053】なお、本実施形態では、開口制限素子とし
てピンホール34eを用いたが、代わりに、開口制限素
子として長手方向が多層光記録媒体5の半径方向に対応
するスリットを用いて、該スリットを多層光記録媒体5
のトラック方向に変位させるようにしてもよい。その場
合、一次元駆動型静電アクチュエータは、上記第1実施
形態の二次元駆動型静電アクチュエータと同様の調整機
能を発揮することができるようになる。
てピンホール34eを用いたが、代わりに、開口制限素
子として長手方向が多層光記録媒体5の半径方向に対応
するスリットを用いて、該スリットを多層光記録媒体5
のトラック方向に変位させるようにしてもよい。その場
合、一次元駆動型静電アクチュエータは、上記第1実施
形態の二次元駆動型静電アクチュエータと同様の調整機
能を発揮することができるようになる。
【図1】 本発明の第1実施形態に係る多層光記録用ピ
ックアップを用いた光記録再生装置の構成を示す図であ
る。
ックアップを用いた光記録再生装置の構成を示す図であ
る。
【図2】 第1実施形態の光ピックアップの二次元駆動
型静電アクチュエータの構成を示す斜視図である。
型静電アクチュエータの構成を示す斜視図である。
【図3】 第1実施形態の光ピックアップの二次元駆動
型静電アクチュエータの要部の構成を示す平面図であ
る。
型静電アクチュエータの要部の構成を示す平面図であ
る。
【図4】 (a)〜(g)は第1実施形態の二次元駆動
型静電アクチュエータの製造プロセスを説明するための
図である。
型静電アクチュエータの製造プロセスを説明するための
図である。
【図5】 本発明の第2実施形態の光ピックアップの一
次元駆動型静電アクチュエータの構成を示す平面図であ
る。
次元駆動型静電アクチュエータの構成を示す平面図であ
る。
【図6】 (a)〜(f)はそれぞれ、図5のA−A断
面図〜F−F断面図である。
面図〜F−F断面図である。
【図7】 従来のコンフォーカル検出光学系を説明する
ための図である。
ための図である。
【図8】 従来のコンフォーカル検出光学系の問題点を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図9】 (a),(b)は本願出願人が先に提案した
開口制限素子を駆動するための電磁アクチュエータを説
明するための図である。
開口制限素子を駆動するための電磁アクチュエータを説
明するための図である。
1 レーザ光源 2 コリメートレンズ 3,6 ビームスプリッタ 4 対物レンズ 5 多層光記録媒体 7,11 集光レンズ 8 ピンホール(開口制限素子) 9 二次元駆動型静電アクチュエータ 10,12 光検出器 13 X方向アクチュエータ制御回路 14 Y方向アクチュエータ制御回路 15 制御回路 21 シリコン基板(基板) 22 第1固定部材 22a 第1固定電極 23 第1リンク部材 24 第2固定部材 24a 第1可動電極 25 第2リンク部材 26 可動部材 26a 第2可動電極 27 電極部材
Claims (10)
- 【請求項1】 集光されたレーザスポットの略中心部を
選択的に透過させる開口制限素子を一次元方向に変位さ
せる静電アクチュエータであって、 基板と、該基板上に固定されるとともに端部に固定電極
を形成される固定部材と、前記基板に一次元方向に変位
可能に連結されるとともに前記固定電極と対応する端部
に可動電極を形成される可動部材とから成り、前記固定
電極および可動電極間に所定の電圧を印加することによ
り、前記可動部材に一体形成した開口制限素子を光軸に
対して直交方向に変位させるようにしたことを特徴とす
る静電アクチュエータ。 - 【請求項2】 前記開口制限素子を長手方向が光記録媒
体の半径方向に対応するスリットとし、該開口制限素子
を光記録媒体のトラック方向に変位させるようにしたこ
とを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。 - 【請求項3】 前記基板内に光検出器を形成し、該光検
出器上に前記開口制限素子が位置するように前記可動部
材を前記基板上に配置するとともに、前記可動部材に形
成された可動電極と前記固定部材に形成された固定電極
とが近接するように前記可動部材および固定部材を同一
平面上に配置して成ることを特徴とする請求項1または
2記載の静電アクチュエータ。 - 【請求項4】 集光されたレーザスポットの略中心部を
選択的に透過させる開口制限素子を二次元方向に変位さ
せる静電アクチュエータであって、 基板と、該基板上に固定されるとともに端部に第1固定
電極を形成される第1固定部材と、該第1固定部材に第
1リンク部材を介して二次元方向の一方向に変位可能に
連結され前記第1固定電極と対応する端部に第1可動電
極を形成されるとともに内周側端部に前記二次元方向の
一方向に延在する第2固定電極を形成される第2固定部
材と、該第2固定部材に第2リンク部材を介して二次元
方向の他方向に変位可能に連結されるとともに前記第2
固定電極と対応する端部に第2可動電極を形成される可
動部材とから成り、前記第1固定電極および第1可動電
極間ならびに前記第2固定電極および第2可動電極間に
それぞれ所定の電圧を印加することにより、前記可動部
材に一体形成した開口制限素子を光軸に対して直交する
二次元方向に変位させるようにしたことを特徴とする静
電アクチュエータ。 - 【請求項5】 前記第1リンク部材および第2リンク部
材は弾性部材であることを特徴とする請求項4記載の静
電アクチュエータ。 - 【請求項6】 前記基板内に光検出器を形成し、該光検
出器上に前記開口制限素子が位置するように前記可動部
材を前記基板上に配置し、前記可動部材に形成された第
2可動電極と前記第2固定部材に形成された第2固定電
極とが近接するように前記可動部材および第2固定部材
を同一平面上に配置するとともに、前記第2固定部材に
形成された第1可動電極と前記第1固定部材に形成され
た第1固定電極とが近接するように前記第2固定部材お
よび第1固定部材を同一平面上に配置して成ることを特
徴とする請求項4または5記載の静電アクチュエータ。 - 【請求項7】 前記可動部材はポリシリコン製であるこ
とを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の静電ア
クチュエータ。 - 【請求項8】 前記開口制限素子の開口径は、再生信号
光学系のエアリーディスク径と略同一であることを特徴
とする請求項1〜7の何れか1項記載の静電アクチュエ
ータ。 - 【請求項9】 光記録媒体からの戻り光を収束させる光
学素子と光検出器との間に請求項1〜8の何れか1項記
載の静電アクチュエータを配置して成ることを特徴とす
る光ピックアップ。 - 【請求項10】 前記光検出器と、前記静電アクチュエ
ータまたは開口制限素子とを一体構造にしたことを特徴
とする請求項9記載の光ピックアップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001138222A JP2002335683A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 静電アクチュエータおよびそれを用いた光ピックアップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001138222A JP2002335683A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 静電アクチュエータおよびそれを用いた光ピックアップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002335683A true JP2002335683A (ja) | 2002-11-22 |
Family
ID=18985193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001138222A Withdrawn JP2002335683A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 静電アクチュエータおよびそれを用いた光ピックアップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002335683A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100695153B1 (ko) | 2005-06-15 | 2007-03-14 | 삼성전자주식회사 | 수직 콤전극을 구비한 액츄에이터 |
JP2008003221A (ja) * | 2006-06-21 | 2008-01-10 | Pentax Corp | 保持機構 |
JP2008306848A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Japan Aerospace Exploration Agency | 多軸慣性駆動型アクチュエータ |
KR101074993B1 (ko) | 2009-02-25 | 2011-10-18 | 연세대학교 산학협력단 | Mems구동기를 이용한 수직형 마이크로 구동기의 조립장치, 이를 구비한 수직형 마이크로 구동기 및 그 제조방법 |
-
2001
- 2001-05-09 JP JP2001138222A patent/JP2002335683A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100695153B1 (ko) | 2005-06-15 | 2007-03-14 | 삼성전자주식회사 | 수직 콤전극을 구비한 액츄에이터 |
JP2008003221A (ja) * | 2006-06-21 | 2008-01-10 | Pentax Corp | 保持機構 |
JP2008306848A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Japan Aerospace Exploration Agency | 多軸慣性駆動型アクチュエータ |
KR101074993B1 (ko) | 2009-02-25 | 2011-10-18 | 연세대학교 산학협력단 | Mems구동기를 이용한 수직형 마이크로 구동기의 조립장치, 이를 구비한 수직형 마이크로 구동기 및 그 제조방법 |
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