JPH05342608A - 焦点調整装置及び当該焦点調整装置を用いた発光装置、光ピックアップ装置、光学的コード読取装置ならびに光学検知装置。 - Google Patents

焦点調整装置及び当該焦点調整装置を用いた発光装置、光ピックアップ装置、光学的コード読取装置ならびに光学検知装置。

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JPH05342608A
JPH05342608A JP17170792A JP17170792A JPH05342608A JP H05342608 A JPH05342608 A JP H05342608A JP 17170792 A JP17170792 A JP 17170792A JP 17170792 A JP17170792 A JP 17170792A JP H05342608 A JPH05342608 A JP H05342608A
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JP
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light
adjusting device
focus adjusting
optical
light beam
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JP17170792A
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Hiroshi Goto
博史 後藤
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱や摩耗による特性の劣化がなく、組み立
て時における調整作業も不要で、小型かつコストの安価
な光学系の焦点調整装置を提供する。 【構成】 圧電アクチュエータ1の中心を貫通させて透
光部2を開口する。圧電アクチュエータ1の上面に接合
した変位拡大プレート3の上面にフレネルレンズ4を一
体成形する。圧電アクチュエータ1の下面に設けた基板
6の凹部7内にLED等の光源8を設ける。圧電アクチ
ュエータ1を伸縮させると、フレネルレンズ4が移動し
て光源8から出射された光ビームαの集光点が変位す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焦点調整装置に関する。
具体的にいうと、レンズのような光学系を変位させて光
学系の焦点位置もしくは光ビームの集光位置を移動調整
するための装置に関する。さらに、本発明は、当該焦点
調整装置を用いた発光装置、光ピックアップ装置、光学
的コード読取装置および光学検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ビームの焦点位置を変化させるには、
ビーム整形レンズを光軸方向に移動させる方法が一般的
である。図11に示すものは、このような焦点調整機構
であって、光ディスク装置の光ピックアップ部に用いら
れているものである。この焦点調整機構Jは、ビーム整
形用レンズ(対物レンズ)51を備えた電磁コイル可動
部52と固定部53とから構成されている。電磁コイル
可動部52は、ムーブメント54の中心に滑り軸受55
を設け、滑り軸受55の両側にビーム整形用レンズ51
とバランス用重り56を設けたものであり、ムーブメン
ト54の下面に円筒状に巻かれた電磁コイル57が設け
られている。一方、固定部53にあっては、ベース58
の上面でガイド筒59の中心に摺動軸60が立設されて
おり、ガイド筒59の両側には磁石からなる磁気回路部
61が設けられている。電磁コイル可動部52は、電磁
コイル57をガイド筒59と磁気回路部61間に挿入さ
れ、滑り軸受55に摺動軸60を摺動自在に挿通されて
おり、スプリング(図示せず)等によって電磁コイル可
動部52と固定部53とは互いに弾発させられている。
しかして、電磁コイル57に電流を流すと電磁コイル5
7と磁気回路部61との間の電磁力によって電磁コイル
可動部52が摺動軸60に沿って摺動し、電磁コイル可
動部52と共にビーム整形用レンズ51が光軸(イ)方
向に移動し、ビーム成形用レンズ51の焦点位置もしく
は光ビームの集光位置が変化する。すなわち、電磁コイ
ル57に通電する電流の強さを制御することによって光
ビームの集光位置もしくはビーム径を調整することがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな焦点調整機構Jにあっては、光ビームを集光させる
光ビーム整形用レンズ51以外にも電磁コイル57で形
成された電磁コイル可動部52や、電磁コイル可動部5
2を変位させるための磁場を発生する磁気回路部61等
が必要となる。特に、高速で光ビームの集光位置調整を
実行させる場合には、大きな磁力が必要となるので、磁
気回路部61及び電磁コイル57の大きさが大きくな
り、焦点調整機構Jを小型化することが困難であった。
【0004】また、磁気回路部61と電磁コイル57と
の間のギャップ量は、光ビーム整形用レンズ51を動か
す駆動力に関係するので、精密に磁気回路部61と電磁
コイル57との間のギャップ量を調整しなければなら
ず、ギャップ調整工程を必要とし、調整に手間が掛かっ
てコストアップの要因になっていた。
【0005】さらに、電磁コイル可動部52を駆動して
焦点位置を調整している時には、電磁コイル57に電流
を流した状態になっているので、電磁コイル57から発
熱を生じ、電磁コイル57の周囲に熱を伝えて部材を熱
変形させる恐れがあった。特に、精密なレンズ部分に熱
が加わると、ビーム整形用レンズ51が変形し、レンズ
収差等によってビーム性能を劣化させることがあった。
【0006】さらに、このような焦点調整機構Jにあっ
ては、電磁コイル可動部52を移動させるためのガイド
として滑り軸受55を用いているので、焦点調整機構J
を繰り返し動作させていると、滑り軸受55と摺動軸6
0の間に摩耗が生じ、そのガタツキのために光ビームの
光軸とビーム整形用レンズ51の光軸との間にずれが生
じて光学系の特性が劣化することが予想される。
【0007】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、発熱や摩耗
による特性の劣化がなく、組み立て時における調整作業
も不要で、小型かつコストの安価な焦点調整装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の焦点調整装置
は、光ビームが通過できる透光部を設けられた圧電アク
チュエータと、前記圧電アクチュエータに歪を発生させ
る駆動手段と、前記圧電アクチュエータに接合され、前
記圧電アクチュエータの歪成分を光ビームの光軸方向の
変位に変換する、光ビームが透過可能な変位拡大プレー
トと、前記変位拡大プレートに設けられたレンズ手段と
から構成されている。
【0009】また、アクチュエータとしては、静電アク
チュエータを用いても良い。
【0010】また、前記レンズ手段は、変位拡大プレー
トによって形成されていても良い。
【0011】本発明の焦点調整装置は、さらに、前記レ
ンズ手段を透過し、対象物体で反射した光ビームを受光
する受光手段と、前記受光手段の受光信号に基づいて前
記駆動手段を制御し、焦点位置の調整を行なう焦点制御
手段とを備えていてもよい。
【0012】また、本発明による焦点調整装置と、焦点
調整装置を構成する前記アクチュエータを固着した基板
と、当該基板に配置された発光素子とにより発光装置を
構成することができる。
【0013】さらに、本発明による焦点調整装置を用い
て光ピックアップ装置や光学的コード読取装置、光学検
知装置を構成することもできる。
【0014】
【作用】本発明の焦点調整装置にあっては、アクチュエ
ータの透光部とレンズ手段に光ビームを透過させること
によって光ビームを集光させることができ、アクチュエ
ータを駆動してレンズ手段を移動させることにより焦点
位置もしくは光ビームの集光点を調整することができ
る。しかも、アクチュエータに設けられた変位拡大プレ
ートにレンズ手段を設けているので、アクチュエータの
歪成分を光軸方向の変位に変換及び増幅することがで
き、レンズ手段の移動範囲を大きくでき、焦点位置の調
整範囲を拡大することができる。
【0015】また、構成部品がレンズ手段を形成された
変位拡大プレートとアクチュエータとの2点のみとな
り、焦点調整装置を小型化することができ、部品点数の
削減によりコストを低減することができる。さらに、組
み立てに際しても、レンズ手段を有する変位拡大プレー
トをアクチュエータに接合させるだけでよいので、組み
立て性が良好となり、また、調整作業も必要なく、組み
立てコストも低減される。
【0016】また、圧電アクチュエータや静電アクチュ
エータは、発熱や摩耗を生じないので、周囲の部品(特
に、レンズ手段等)に熱変形を及ぼしたり、摩耗による
ガタツキ等を発生させることがなく、焦点調整装置の特
性劣化を防止し、高精度化を維持することができる。
【0017】さらに、圧電アクチュエータや静電アクチ
ュエータを用いることによって焦点調整装置を小型・軽
量化することができ、高速駆動が可能となって光ビーム
の集光点を高速で移動させることができる。
【0018】
【実施例】図1及び図2は本発明の第1の実施例による
焦点調整機構Aを示す断面図及び斜視図である。1は圧
電アクチュエータであって、図では積層型圧電素子を示
しているが、圧電素子単板であってもよい。この圧電ア
クチュエータ1の中心には光ビームαを通過させるため
の貫通孔状の透光部2が開口されている。
【0019】圧電アクチュエータ1の上面に接合されて
いる変位拡大プレート3は透明樹脂による成形品であっ
て、変位拡大プレート3の上面にはフレネルレンズ4が
一体成形されている。
【0020】この変位拡大プレート3の外観は円板状を
しているが、下面には半球型ドーム状の凹み5を有して
いて中央部で薄く、周辺部で厚くなっている。変位拡大
プレート3は、周辺部の下面を接着剤や締結剤等によっ
て圧電アクチュエータ1の上面に接合されており、フレ
ネルレンズ4の光軸が透光部2の中心とほぼ一致するよ
うにして配置されている。
【0021】また、圧電アクチュエータ1は基板6の上
に固定されており、基板6の上面には透光部2と対向さ
せて凹部7が凹設されている。この凹部7内にはフレネ
ルレンズ4と光軸を合わせて面発光型の微小発光面積を
有する発光ダイオードや半導体発光素子等の光源8が設
置されている。
【0022】つぎに、この焦点調整装置Aの動作を説明
する。光源8を発光させると、光源8から出た光ビーム
αは圧電アクチュエータ1の透光部2を通ってフレネル
レンズ4の中心を透過し、所定位置で集光される。い
ま、図3(a)に示すように、フレネルレンズ4の焦点
距離をf、光源8とフレネルレンズ4の当初の間隔を
s、光源8から光ビームαの集光点Pまでの距離をm0
とすると、これらの間には、次のような関係がある。 (1/s)+〔1/(m0−s)〕=1/f … したがって、この関係式から集光点Pまでの距離m0
求めると、 m0=s2/(s−f) … が得られる。
【0023】いま、圧電アクチュエータ1に駆動電圧を
印加して圧電アクチュエータ1を歪ませると、圧電アク
チュエータ1は図中x方向(縦方向)に伸張歪εxを生
じるとともに、y方向(横方向)に収縮歪εyを生じ
る。圧電アクチュエータ1の長さをL、幅をWとする
と、この圧電アクチュエータ1は縦歪εxのためにL・
εxだけ伸びる。一方、圧電アクチュエータ1は横歪の
ためにW・εyだけ縮むが、圧電アクチュエータ1の上
面にはドーム状の凹み5を形成された変位拡大プレート
3が接合されているので、圧電アクチュエータ1の横歪
のために変位拡大プレート3は図3(b)に示すように
屈曲変形する。この屈曲変形によって得られる変位拡大
プレート3の中央部の変位は圧電アクチュエータ1の横
収縮量W・εyの10〜20倍(この増幅率をKとす
る)の値が得られ、圧電アクチュエータ1に例えば2μ
mの横収縮が発生したとすると、変位拡大プレート3の
中央部には20〜40μmの変位が生じる。したがっ
て、圧電アクチュエータ1を駆動することにより、フレ
ネルレンズ4はd=(L・εx+K・W・εy)だけ変位
し、小型のアクチュエータによって大きな変位を得るこ
とができる。
【0024】このようにして圧電アクチュエータ1の駆
動によりフレネルレンズ4がdだけ変位すると、光源8
とフレネルレンズ4との距離は(s+d)となるから、
式と同様にして、集光点Pまでの距離mは m=(s+d)2/(s+d−f) となる。
【0025】この結果、圧電アクチュエータ1を駆動し
てフレネルレンズ4を変位させることにより、光ビーム
αの集光位置を(m−m0)だけ調整することができ、
圧電アクチュエータ1の駆動電圧を制御することによっ
て調整量を自由に変化させることができる。例えば、フ
レネルレンズ4の焦点距離をf=5mm、光源8とフレ
ネルレンズ4の間の当初の距離s=5.1mm、圧電ア
クチュエータ1の歪によって生じるフレネルレンズ4の
変位d=20μmとすると、初期の集光位置m0≒25
0mmで、変位後はm≒210mmとなり、40mmの
集光位置調整が実現できる。
【0026】なお、この実施例のように光源と一体とな
った焦点調整装置は、焦点位置調整可能な発光装置とし
ても用いることができる。
【0027】図4に示すものは本発明の別な実施例によ
る焦点調整装置Bであって光源8を別にしたものであ
る。この焦点調整装置Bにあっては、基板6にも圧電ア
クチュエータ1の透光部2と対向させて開口部9を設け
てあり、外部の光源8から出射された光ビームαをコリ
メートレンズ10によって平行光に変換した後、光ビー
ムαを反射面11で反射させて基板6の開口部9から透
光部2へ導き、フレネルレンズ4で集束させて集光点P
に集光させるようにしたものである。
【0028】図5に示すものは本発明のさらに別な実施
例による焦点調整装置Cである。この焦点調整装置Cに
あっては、基板6に圧電アクチュエータ1の透光部2と
対向させて開口部9を設け、外部の光源8から出射さ
れ、コリメートレンズ10でコリメート化された光ビー
ムαを真っ直ぐに基板6の開口部9から透光部2へ導
き、フレネルレンズ4で集光させるようにしたものであ
る。
【0029】図6に示すものは本発明のさらに別な実施
例による焦点調整装置Dであって、端面出射型の発光ダ
イオードもしくは半導体レーザ素子からなる光源8を基
板6の凹部7内に設置し、光源8から出射された光ビー
ムαを凹部7内の反射面12で反射させた後、圧電アク
チュエータ1の透光部2へ導くようにしたものである。
【0030】図7(a)(b)は本発明のさらに別な実
施例による焦点調整装置Eを示す平面図及び断面図であ
って、静電アクチュエータ13を用いた焦点調整装置E
である。透明樹脂によって円板状をした変位拡大プレー
ト3の下面にはドーム状の凹み5が形成されており、上
面にはフレネルレンズ4が一体成形されており、変位拡
大プレート3は固定部14に開口された透光部15内に
納められている。静電アクチュエータ13は、固定部1
4から透光部15内に向けて突設された複数個の固定電
極16と、固定電極16と対向する可動電極17とから
なる。複数個の可動電極17は変位拡大プレート3の外
周部に均等な間隔で埋め込まれており、可動電極17と
固定電極16とが対向するように配置され、可動電極1
7につながれたスプリング18によって変位拡大プレー
ト3が揺動自在に支持されている。
【0031】しかして、静電アクチュエータ13の固定
電極16と可動電極17とに同極性の電位を与えると、
固定電極16と可動電極17の間に発生する静電的反発
力によって静電アクチュエータ13に横歪(光軸と直交
する方向の歪)が生じる。変位拡大プレート3は、静電
アクチュエータ13の横歪によって中心に向けて(f矢
印方向)圧縮力を受ける。この結果、変位拡大プレート
3の屈曲変形によって静電アクチュエータ13の横歪は
縦方向の変位に変換及び増幅され、大きな縦方向変位と
して出力され、フレネルレンズ4を光軸方向に変位させ
る。
【0032】このように静電気を駆動力とする静電アク
チュエータ13を用いても、発熱や摩耗がなく、小型の
焦点調整装置Eを得ることができるが、静電アクチュエ
ータ13は圧電アクチュエータ1に比べて駆動力が小さ
いので、変位拡大プレート3の剛性を弱くしておく必要
がある。
【0033】なお、本発明は、当該発明の趣旨を逸脱し
ない範囲において、上記実施例以外にも種々設計変更可
能である。例えば、レンズとしては、フレネルレンズを
用いればレンズ厚を薄くできるため好ましいが、球面レ
ンズや非球面レンズ等の屈折型レンズでも変形を与えら
れる材料もしくは構成であれば使用することができるの
で、フレネルレンズに限るものではない。また、変位拡
大プレートの下面に設けられた凹みの形状や寸法は当該
プレートに加わる横歪を縦方向の変位に変換できるもの
となっていればよく、特に限定されるものではない。例
えば、両端で開口したカマボコ型の凹みを形成してもよ
い(したがって、変位拡大プレートはアーチ状とな
る)。さらに、上述の実施例のように光源を焦点調整装
置内に組込んでもよく、あるいは、焦点調整装置に遠方
から平行な光ビームαを導いてもよいので、光ビームα
の広がり角やビーム径も特定されない。
【0034】次に、上記焦点調整装置の応用例について
説明する。図8に示すものは本発明による焦点調整装置
21を用いた光センサ装置Fを示す概略ブロック図であ
る。この光センサFは、光ビームαを出射する光源8、
光源8から出射された光ビームαを集束させると共にそ
の集光点を調整する焦点調整装置21、焦点調整装置2
1(アクチュエータ)の駆動電流を制御して焦点を変化
させる駆動回路22、対象物体23の表面で反射した光
ビームαを受光素子で受光して検出する光検出部24、
光検出部23における検出信号のS/N比が最大となる
ように駆動回路22へ指令信号を出力して焦点調整装置
21を制御する信号制御部25とから構成されている。
【0035】この光学系の動作を説明すると、光源8か
ら光ビームαが出射されると、この光ビームαは焦点調
整装置21のフレネルレンズ4を通過した後、対象物体
23に照射される。対象物体23に当たった光ビームα
は、その乱反射光が光検出部24に導かれ、反射面11
に入射した光の有無や受光強度、結像位置などによって
対象物体23の有無や対象物体23までの距離などを検
出する。この検出過程において、対象物体23に当たっ
ている光ビームαのスポット形状は、検出精度や分解能
を決めるものであるから、スポット形状の小さな光ビー
ムαの方が高精度、高分解能の検出が行なえる。したが
って、信号制御部25は、光検出部24の検出信号をモ
ニターし、対象物体23上でスポット形状を最小にする
ように駆動回路22を介して焦点調整装置21を制御
し、集光位置を調整する。この際、対象物体23から反
射される乱反射光は、対象物体23上で光ビーム径が最
小のときに最大となるので、信号制御部25は、焦点調
整装置21を動作させて検出信号が最大となるように、
つまりS/N比が最大となる位置を求めるように制御す
る。
【0036】したがって、この光センサ装置Fによれ
ば、高精度、高分解能のセンサを製作することができる
と共に焦点調整装置21によって集光点が調整されるこ
とにより検出範囲を広くすることもできる。
【0037】このように本発明の焦点調整装置に、検出
信号のS/N比が最大になるように制御する光検出部及
び信号制御部を組合せた光学系は光電センサや距離セン
サ等の光センサ装置以外の用途にも用いることができ、
例えば光学機器の自動焦点調整機構などとして用いるこ
ともできる。
【0038】図9は本発明による焦点調整装置31を用
いた光ピックアップ装置Gを示す。これは光源8と、光
ピックアップ本体32と、焦点調整装置31とから構成
されている。光ピックアップ本体32は、ガラス基板3
3の表面にガラス基板33よりも屈折率の大きな透明有
機材料によって光導波路34を形成し、光導波路34の
表面に光導波路34と同一材料によって透過型フレネル
レンズ35aと集光グレーティングカプラ35bを重畳
させて設けたものであり、光導波路34の一方端部には
複数個の受光素子36を埋め込んである。光源8は光ピ
ックアップ本体32の下方に配設されており、焦点調整
装置31は光ピックアップ本体32と光ディスク37の
中間に配置されている。
【0039】しかして、光ディスク37の読み出しを行
なう場合には、光源8のパワーを小さくし、光源8から
パワーの小さな光ビームαを出射させる。光源8から出
射された光ビームαは、ガラス基板33を透過し、さら
にフレネルレンズ35aを透過してコリメートされ、コ
リメート化された光ビームαは焦点調整装置31で集光
されると共に光ディスク37の記録面に焦点を結ばれ
る。この時、光ピックアップ本体32を静止させたま
ま、焦点調整装置31を駆動することにより、記録面に
焦点を結ぶようにフォーカッシング調整したり、記録面
のトラック間移動を行なわせるようにしている。こうし
て、記録面で反射された戻り光は、再び焦点調整装置3
1を逆進してコリメート光となり、光ピックアップ本体
32の集光グレーティングカップラ35bに照射され
る。この戻り光は、集光グレーティングカップラ35b
の働きで光導波路34内に伝搬され、光導波路34中の
伝搬光は受光素子36によって検出され、記録面のデー
タが読み出される。
【0040】また、光ディスク37への書き込みを行な
う場合には、まず読み出し時と同様にして、光源8から
パワーの小さな光を出射させ、記録面からの戻り光を受
光素子36で検出することによって書き込み位置を確認
した後、光源8の駆動パワーを増大させて書き込みを行
なわせるのに十分なパワーの光を記録面に照射させ、デ
ータの書き込みを行なわせる。この光は、フレネルレン
ズ35aを透過した光であり、フレネルレンズ35aは
集光グレーティングカップラ35bよりも効率が高いの
で、書き込みに十分な強度の光を記録面に照射させるこ
とができる。書き込みに続き、光源8のパワーを元のよ
うに落とし、書き込みデータの確認が行なわれる。
【0041】図10は本発明による焦点調整装置41を
用いた光学的コード読取装置(バーコードリーダ)Hを
示す概略構成図である。この光学的コード読取装置Hの
検出光スキャン側は、半導体レーザ素子のような光源8
と、本発明による焦点調整装置41と、光源8から出射
されて焦点調整装置41で集束された光ビームαの方向
を偏向させて走査するポリゴンミラー(偏向器)42
と、光源8の駆動電流を制御する光源駆動回路部43と
から構成されている。また、受光側は、バーコードラベ
ルや2次元コードラベル等の検出体44で反射した光ビ
ームαを受光するフォトダイオードやフォトトランジス
タ等の受光素子45と、受光素子45からの受光信号を
信号処理する受光信号処理部46とから構成されてい
る。
【0042】しかして、光源8から出射された光ビーム
αは焦点調整装置41のフレネルレンズ4によって集束
され、焦点調整装置41によって検出体44の上に集光
するように調整され、サーボモータ等によって回転駆動
されているポリゴンミラー42によって検出体44の上
をバーコードや2次元コード等の配列方向に走査され
る。検出体44で反射された光ビームαは受光素子45
によって受光され、受光信号処理部46は受光素子45
からの受光信号によってバーコードと白スペースを判別
し、バーコードを解読する。そして、焦点調整装置41
によって焦点位置を容易に移動させることができるの
で、幅広い焦点深度をもった光学的コード読取装置Hと
なる。
【0043】また、上記応用例以外にも、光磁気ディス
ク装置などにも使用できる。また、光通信機器などの光
コネクタへ応用することにより、環境変化に対しても高
効率光結合を維持できるコネクタを実現することができ
る。
【0044】
【発明の効果】本発明にあっては、圧電アクチュエータ
や静電アクチュエータを駆動することによってアクチュ
エータの透光部とレンズ手段を透過する光ビームの集光
位置を変化させることができるので、アクチュエータへ
の印加電圧等を制御することによって焦点位置を精密に
調整することができる。しかも、変位拡大プレートを介
してレンズ手段を変位させているので、焦点位置の調整
範囲を広くすることができる。また、部品点数を少なく
することができて焦点調整装置を小型・軽量化すること
ができる。さらに、圧電アクチュエータや静電アクチュ
エータを用いることによって高速駆動が可能となって焦
点調整を高速に実行させることができる。したがって、
本発明によれば、焦点位置を広い範囲にわたって精密に
調整することができる小型・軽量で高速駆動の可能な焦
点調整装置を製作することができる。
【0045】また、部品点数の削減によりコストを低減
することができる。さらに、レンズ手段を有する変位拡
大プレートをアクチュエータに接合させるだけで組み立
てを容易に行なうことができ、調整作業も必要ないの
で、組み立てコストも低減することができる。
【0046】また、圧電アクチュエータや静電アクチュ
エータは、発熱や摩耗を生じないので、周囲の部品(特
に、レンズ手段等)に熱変形を及ぼしたり、摩耗による
ガタツキ等を発生させることがなく、焦点調整装置の特
定劣化を防止し、高精度化を維持することができる。
【0047】さらに、本発明による焦点調整装置を用い
て発光装置や光ピックアップ装置、光学的コード読取装
置、光学的検知装置等の光学的機器を製作すれば、これ
らの装置を小型・軽量化し、焦点位置調整を高速化でき
る他、容易に焦点位置を調整できるので、焦点深度を広
くしたり、読取り範囲や検知範囲を広くできるといった
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による焦点調整装置を示す断
面図である。
【図2】同上の外観斜視図である。
【図3】(a)(b)は同上の作用説明のための断面図
である。
【図4】本発明の別な実施例を示す断面図である。
【図5】本発明のさらに別な実施例を示す断面図であ
る。
【図6】本発明のさらに別な実施例を示す断面図であ
る。
【図7】(a)(b)は本発明のさらに別な実施例を示
す平面図及び断面図である。
【図8】本発明による焦点調整装置を用いた光センサ装
置を示す概略ブロック図である。
【図9】本発明による焦点調整装置を用いた光ピックア
ップ装置を示す断面図である。
【図10】本発明による焦点調整装置を用いた光学的コ
ード読取装置を示す断面図である。
【図11】従来例を示す一部分解した斜視図である。
【符号の説明】
α 光ビーム 1 圧電アクチュエータ 2 透光部 3 変位拡大プレート 4 フレネルレンズ 6 基板 8 光源 11 反射面 13 静電アクチュエータ 15 透光部 22 駆動回路 24 光検出部 25 信号制御部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームが通過できる透光部を設けられ
    た圧電アクチュエータと、 前記圧電アクチュエータに歪を発生させる駆動手段と、 前記圧電アクチュエータに接合され、前記圧電アクチュ
    エータの歪成分を光ビームの光軸方向の変位に変換す
    る、光ビームが透過可能な変位拡大プレートと、 前記変位拡大プレートに設けられたレンズ手段とから構
    成された焦点調整装置。
  2. 【請求項2】 光ビームが通過できる透光部を設けられ
    た静電アクチュエータと、 前記静電アクチュエータに歪を発生させる駆動手段と、 前記静電アクチュエータに接合され、前記静電アクチュ
    エータの歪成分を光ビームの光軸方向の変位に変換す
    る、光ビームが透過可能な変位拡大プレートと、 前記変位拡大プレートに設けられたレンズ手段とから構
    成された焦点調整装置。
  3. 【請求項3】 前記レンズ手段が前記変位拡大プレート
    によって形成されていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の焦点調整装置。
  4. 【請求項4】 前記レンズ手段を透過し、対象物体で反
    射した光ビームを受光する受光手段と、 前記受光手段の受光信号に基づいて前記駆動手段を制御
    し、焦点位置の調整を行なう焦点制御手段とを、さらに
    備えた請求項1,2又は3に記載の焦点調整装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載の焦点調
    整装置と、 焦点調整装置を構成する前記アクチュエータを固着した
    基板と、 当該基板に配置された発光素子とからなることを特徴と
    する発光装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3又は4に記載の焦点調
    整装置を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3又は4に記載の焦点調
    整装置を備えたことを特徴とする光学的コード読取装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3又は4に記載の焦点調
    整装置を備えたことを特徴とする光学検知装置。
JP17170792A 1992-06-05 1992-06-05 焦点調整装置及び当該焦点調整装置を用いた発光装置、光ピックアップ装置、光学的コード読取装置ならびに光学検知装置。 Pending JPH05342608A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007505517A (ja) * 2003-09-08 2007-03-08 コニンクリユケ フィリップス エレクトロニクス エヌ.ブイ. 本体および電子装置
JP2008011506A (ja) * 2006-05-30 2008-01-17 Konica Minolta Opto Inc 光学ユニットおよび撮像装置
JP2009525493A (ja) * 2005-12-30 2009-07-09 データロジック・エス・ペー・アー レーザ光ビームの焦点調節装置およびその方法

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