JP2008102026A - ビーム照射装置およびレーザレーダ装置 - Google Patents

ビーム照射装置およびレーザレーダ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008102026A
JP2008102026A JP2006285101A JP2006285101A JP2008102026A JP 2008102026 A JP2008102026 A JP 2008102026A JP 2006285101 A JP2006285101 A JP 2006285101A JP 2006285101 A JP2006285101 A JP 2006285101A JP 2008102026 A JP2008102026 A JP 2008102026A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
mirror
curved mirror
laser beam
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006285101A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Iwatsuki
信雄 岩月
Masato Yamada
真人 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Electronic Device Sales Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Optec Design Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd, Sanyo Optec Design Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2006285101A priority Critical patent/JP2008102026A/ja
Publication of JP2008102026A publication Critical patent/JP2008102026A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】小型の簡素な構成によって、レーザ光の走査の容易な制御を実現できるビーム照射装置を提供する。
【解決手段】このビーム照射装置1は、レーザ光20を出射する光源11を備える。また、光源11から出射されたレーザ光20を反射し、目標領域に向けて照射させるミラー15を備える。また、ミラー15を移動させてレーザ光20を走査させる移動機構17を備える。また、ミラー15において分離されたレーザ光20の一部である分離光21を受光するとともに、受光面上における分離光21の受光位置を検出する検出部19を備える。また、光源11と移動機構17とを制御する制御回路30を備える。そして、上記ミラー15は曲面ミラーであり、移動機構17は曲面ミラー15を平行移動させるものであって、曲面ミラー15は、レーザ光20が入射する側の面である第1面において、レーザ光20を反射する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ビーム照射装置およびレーザレーダ装置に関し、特に、車間検出器や距離検出器などに用いられる、ビーム照射装置およびレーザレーダ装置に関する。
近年、レーザ光を用いたレーザレーダ装置が様々な分野で注目されている。たとえば、レーザレーダ装置を車両のバンパに取り付けて、レーザ光を照射させたときの反射光を検出することによって車両前方の障害物の有無および障害物までの距離を測定する検出器が開発されている。
この場合、レーザ光は、予め前方空間に設定された目標領域を上下および左右方向に走査(スキャン)される。そして、各スキャン位置において、レーザ光の照射から反射光の受光までの時間差が測定され、その測定結果から各スキャン位置前方にある障害物までの距離が算出される。このような検出器においては、レーザ光を上下および左右方向にスキャンさせながら目標領域に照射する、ビーム照射装置が用いられる。
レーザ光を走査させるための装置として、従来、回転するポリゴンミラーに向けてレーザ光を照射し、ポリゴンミラーの各反射面における反射によりレーザ光を走査させる装置がある。また、板ばねの一端を固定し、他端を変位可能とし、レーザ光を出射するための光学素子を保持する可動部を板ばねの他端に取り付け、可動部を駆動することによりレーザ光を走査させる装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
国際公開第02/008818号パンフレット
その他のレーザ光を走査させるための装置として、レーザ光を投光するためのレンズを保持するレンズホルダにアクチュエータを取り付け、レンズおよびレンズホルダをレンズの光軸(レンズの屈折表面の曲率中心を結んだ線)と垂直な方向に平行移動することによりレーザ光を走査させる、レンズシフト方式が検討されている。さらに、ミラーに軸を取り付け、軸を回転させながらミラーにレーザ光を照射し反射させることによりレーザ光を走査させる、ジンバル方式が検討されている。
しかし、レンズシフト方式においては、レンズおよびレンズホルダを移動させるには、それらの重量が大きいことから推力の大きなアクチュエータが必要になり、アクチュエータのサイズも増大するという問題がある。また、ジンバル方式では、軽量のミラーを回転させるのでアクチュエータの推力を低減できるが、軸摺動部の摩擦力の管理が難しいため、ミラーの正確な位置決めが困難、つまりレーザ光の照射位置の制御が困難であるという問題がある。
それゆえに、この発明の目的は、小型の簡素な構成によって、レーザ光の走査の容易な制御を実現できるビーム照射装置を提供することである。
この発明に係るビーム照射装置は、レーザ光を出射する光源を備える。また、光源から出射されたレーザ光を反射し、目標領域に向けて照射させるミラーを備える。また、ミラーを移動させてレーザ光を走査させる移動機構を備える。また、ミラーにおいて分離されたレーザ光の一部である分離光を受光するとともに、受光面上における分離光の受光位置を検出する検出部を備える。また、光源と移動機構とを制御する制御回路を備える。そして、上記ミラーは曲面ミラーであり、移動機構は曲面ミラーを平行移動させるものであって、曲面ミラーは、レーザ光が入射する側の面である第1面において、レーザ光を反射する。
この場合は、可動部となる曲面ミラーの重量は小さく、推力の大きな移動機構を必要としないため、移動機構の推力を低減することができる。また、ジンバル方式に比して小型の簡単な構成によってレーザ光を走査させることができるので、ビーム照射装置のコストの低減を達成することができる。曲面である曲面ミラーの第1面においてレーザ光を反射させるので、回転移動ではなく曲面ミラーの平行移動によってレーザ光を走査させることができ、レーザ光の角度の制御が容易である。また、検出部において分離光を検出することにより、第1面におけるレーザ光の入射位置を容易に検出できるので、レーザ光の第1面への入射位置に従って移動機構を制御することができ、レーザ光の走査に関し容易かつ精度の高い制御を実現することができる。なお、曲面ミラーの平行移動とは、曲面のいずれかの点における接平面と平行な平面上の曲面ミラーの移動である。
好ましくは、曲面ミラーの第1面は、曲面ミラーの平行移動方向に並んだ、曲率半径の異なる複数の曲面を含む。この場合は、複数の曲面の曲率半径を最適に選定することによって、曲面ミラーの平行移動による変位量に対応してレーザ光の出射角度を制御することが可能となるので、レーザ光の走査に関し、より容易かつ精度の高い制御を実現することができる。
また好ましくは、曲面ミラーは、レーザ光が入射する側の面である第1面を透過したレーザ光を、第1面と反対側の面である第2面において反射する。この場合は、レーザ光のひずみを緩和することができる。つまり、レーザ光を反射させながら曲面ミラーを平行移動させることによってレーザ光を走査させる場合、レーザ光の走査角度の感度は、曲面ミラーの曲率半径に支配される。曲面ミラーの曲率半径が小さく(すなわち曲率が大きく)なると、レーザ光のひずみが発生することがある。したがって、曲面ミラーはレーザ光の少なくとも一部が透過することができる材料である透明材料によって作製され、より曲率半径の大きい曲面ミラーの第2面においてレーザ光を反射させることによって、レーザ光のひずみを緩和することができる。
また好ましくは、曲面ミラーの第2面は、曲面ミラーの平行移動方向に並んだ、曲率半径の異なる複数の曲面を含む。この場合は、複数の曲面の曲率半径を最適に選定することによって、曲面ミラーの平行移動による変位量に対応してレーザ光の出射角度を制御することが可能となるので、レーザ光の走査に関し、より容易かつ精度の高い制御を実現することができる。
また好ましくは、移動機構は、曲面ミラーの複数箇所を支持するワイヤーを含む。この場合は、曲面ミラーの平行移動を簡単な構造によって可能とすることができ、また曲面ミラーの平行移動による変位量を精度よく制御することが可能となるので、レーザ光の走査に関し、より精度の高い制御を実現することができる。
上記ビーム照射装置において好ましくは、移動機構はミラーを球面軌道上に移動させるものであって、ミラーの複数箇所を支持する複数のワイヤーを含み、ワイヤーによって導かれることによりミラーを球面軌道上に移動させる。この場合は、球面軌道上を移動するミラーの反射面にレーザ光を照射して反射させることによって、レーザ光を走査させることができる。したがって、可動部となるミラーの重量は小さいため、移動機構の推力を低減することができる。また、ミラーを球面軌道上に移動させることからレーザ光のひずみが発生せず、良好なビームを得ることができる。
また好ましくは、複数のワイヤーは、一方端がワイヤー支点に繋止されている。この場合は、ワイヤー支点を中心とした球面軌道上に、ミラーを移動させることができる。
この発明に係るレーザレーダ装置は、上記のビーム照射装置を備える。この場合は、小型の簡素な構成によって、レーザ光の走査の容易な制御を実現できるビーム照射装置を用いて、レーザ光を走査させるので、レーザレーダ装置全体の小型化と、必要な推力の低減を実現することができる。
以上のように、この発明のビーム照射装置によれば、小型の簡素な構成によって、レーザ光の走査の容易な制御を実現することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1のビーム照射装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、このビーム照射装置1は、前方空間に設定された目標領域にレーザ光を走査させながら出射する、ビーム走査部10を備える。ビーム走査部10は、レーザ光20を出射する光源として、半導体を媒体としているレーザダイオード(LD)11を含む。LD11から出射されたレーザ光20は、折り返しミラー12において反射され、曲面ミラー15へ至る方向へ折り返されている。LD11が曲面ミラー15と対向するように配置され、レーザ光20がLD11から曲面ミラー15へ向かう方向にLD11から出射されてもよいが、折り返しミラー12を含む構成とすることによって、ビーム走査部10は小型化できるので有利である。
折り返しミラー12において折り返されたレーザ光20は、コリメートレンズ13および収差板14を通過するときに光学的に調整されて、曲面ミラー15へ入射される。曲面ミラー15のレーザ光20が入射する側の面である第1面において、レーザ光20は反射されて、目標領域へ向けて照射される。
曲面ミラー15は、アクチュエータ17によって支持されている。アクチュエータ17は、基板22に対して平行移動するように、サスペンションワイヤー16によって基板22に弾性支持されている。すなわち、アクチュエータ17とサスペンションワイヤー16とは、曲面ミラー15を移動させてレーザ光20を走査させる、移動機構を構成する。
曲面ミラー15に入射するレーザ光20は、曲面ミラー15において一部分離される。図1に示すように、レーザ光20は第1面において反射されるとともに、一部のレーザ光は曲面ミラー15を透過している。つまり、曲面ミラー15はレーザ光の少なくとも一部が透過することができる材料である、透明材料によって作製されている。分離された分離光21は、集光レンズ18によって集光されて、PSD(Position Sensitive Detector)19の受光面に集光される。PSD19は、受光面上における分離光21の受光位置を検出する。すなわち、PSD19は、検出部を構成する。PSD19は、分離光21の受光位置に応じた電流を出力する。ここで、受光面上における分離光21の受光位置と、目標領域上におけるレーザ光20の照射位置とは、一対一に対応している。よって、PSD19から出力される電流は、目標領域上におけるレーザ光20の照射位置に対応するものとなっている。
PSD19は、たとえば、N型高抵抗シリコン基板の表面に、受光面と抵抗層を兼ねたP型抵抗層を形成した構造とすることができる。また、PSD19は、図1に示される曲面ミラー15を透過した分離光21を受光するような構成に限らず、たとえば曲面ミラーによって反射された、目標領域へ照射されるレーザ光20が、ビームスプリッタを通過するときに一部分離される分離光を受光するような構成としてもよい。
また、ビーム照射装置1は、DSP(Digital Signal Processor)制御回路30と、DAC(Digital Analog Converter)31と、レーザ駆動回路32と、アクチュエータ駆動回路33と、PSD信号処理回路41と、ADC(Analog Digital Converter)42とを備える。
DSP制御回路30は、レーザ駆動回路32およびアクチュエータ駆動回路33を駆動制御するためのデジタル信号34をDAC31に出力する。DAC31は、DSP制御回路30から入力されたデジタル信号34をアナログ信号である制御信号35、37に変換してレーザ駆動回路32およびアクチュエータ駆動回路33に出力する。レーザ駆動回路32は、DAC31から入力された制御信号35に応じて発光電流36を出力し、レーザ光の光源としてのビーム走査部10のLD11を駆動する。アクチュエータ駆動回路33は、DAC31から入力された制御信号37に応じて駆動電流38を出力し、移動機構としてのビーム走査部10のアクチュエータ17を駆動する。
PSD19からの出力電流43は、PSD信号処理回路41に入力される。PSD信号処理回路41は、入力された出力電流43から分離光21の受光位置を表す電圧信号44をADC42に出力する。ADC42は、入力された電圧信号44をデジタル信号45に変換してDSP制御回路30に出力する。DSP制御回路30は、入力されたデジタル信号45をもとに、受光面上における分離光21の受光位置を検出する。
図2は、曲面ミラーの平行移動によってレーザ光を走査させる模式図である。図2において、(A)はレーザ光が曲面ミラーの原点位置(たとえば、曲面ミラーの中心点)に入射するとき、(B)はレーザ光を水平方向に走査させるとき、(C)はレーザ光を垂直方向に走査させるときの状態を、それぞれ示す。図2に示すように、曲面ミラー15はアクチュエータ17によって支持されており、アクチュエータ17はコイル23を含む。コイル23は、アクチュエータ17の横方向(水平方向にレーザ光20を走査させるときの曲面ミラー15の平行移動方向であって、図2の左右方向)と、縦方向(水平方向と直交する垂直方向にレーザ光20を走査させるときの曲面ミラー15の平行移動方向であって、図2の上下方向)に、それぞれ対をなすように装着されている。
アクチュエータ17には、四隅にサスペンションワイヤー16を嵌入するための孔が形成されている。この孔にそれぞれサスペンションワイヤー16を嵌入した後、サスペンションワイヤー16の一方端を基板22に固着する。これにより、アクチュエータ17は、基板22に対して平行移動するように、サスペンションワイヤー16によって基板22に弾性支持されている。
アクチュエータ17の駆動時には、アクチュエータ17に装着されている各コイル23に、アクチュエータ駆動回路33から駆動電流38が供給される。アクチュエータ17に供給する駆動電流38を変化させることによって、コイル23に流れる電流量が変化する。これにより、コイル23に作用する電磁力が変化し、アクチュエータ17が駆動される。アクチュエータ17の横方向に対をなすように装着されたコイル23に作用する電磁力を変化させ、また、アクチュエータ17の縦方向に対をなすように装着されたコイル23に作用する電磁力を変化させる結果、アクチュエータ17が二次元的に駆動される。アクチュエータ17の移動前後において、基板22のアクチュエータ17と対向する面である表面と、曲面ミラー15の曲面のある一点における接平面とがなす角度は不変である。すなわち、曲面ミラー15は、アクチュエータ17とともに駆動され、基板22に対して平行移動する。移動機構が、アクチュエータ17と、アクチュエータ17の4箇所を支持しているサスペンションワイヤー16とによって構成されているので、簡単な構造の移動機構によって曲面ミラー15を平行移動させることができる。
図2に示すように、曲面ミラー15に入射するレーザ光である入射光20aは、曲面ミラー15のレーザ光20が入射する側の面である第1面において、反射される。曲面ミラーの第1面は、レーザ光20が入射する側から見たとき中心部が窪んで見える、凹形状に形成されている。たとえば、第1面は、球面の一部の形状であってもよい。そのとき、図2(A)に示すように、第1面の入射光20aが入射する原点位置において、第1面が最も深く窪んでいる。そのため、図2(B)に示すように、曲面ミラー15が水平方向に平行移動すると、入射光20aが第1面へ入射する点における第1面の法線に対して入射光20aがなす角度である、入射角の角度が大きくなる。よって、曲面ミラー15において反射され出射するレーザ光である出射光20bが、第1面の法線に対してなす反射角の角度も大きくなる。
図2(A)と図2(B)とを比較して、図2(A)における出射光20bに対し、図2(B)における出射光20bは、異なった反射角をなすように、第1面において反射している。つまり、曲面ミラー15の平行移動中も固定されている基板22から見るとき、図2(A)の出射光20bと図2(B)の出射光20bとは、同一の水平な平面上にあって、かつ、図2(A)の出射光20bと基板22の表面とがなす角度に比して、図2(B)の出射光20bと基板22の表面とがなす角度は相対的に小さくなっている。曲面ミラー15が水平方向に平行移動する変位量によって、出射光20bと基板22とがなす角度とを変化させることができる。したがって、曲面ミラー15の水平方向の平行移動によって、目標領域に向けて照射するレーザ光20を水平方向に走査させることができる。
また、図2(C)に示すように、曲面ミラー15が、図2(A)に対して垂直方向下向きに平行移動すると、入射光20aが第1面へ入射する点において、第1面は下向きに傾斜しているので、出射光20bは垂直方向下向きに反射される。曲面ミラー15の平行移動中も固定されている基板22から見るとき、図2(A)の出射光20bと図2(C)の出射光20bとは、同一の垂直な平面上にあって、かつ、図2(A)の出射光20bに比して、図2(C)の出射光20bは下向きに傾斜するように反射されている。曲面ミラー15が垂直方向に平行移動する変位量によって、第1面の傾斜度合いは変化する。したがって、曲面ミラー15の垂直方向の平行移動によって、目標領域に向けて照射するレーザ光20を垂直方向に走査させることができる。
このとき、曲面ミラー15の第1面が、曲面ミラー15の平行移動方向に並んだ、曲率半径の異なる複数の曲面を含むように、曲面ミラー15を形成することができる。図3は、曲面ミラーの第1面の例を示す模式図である。図3(B)は図2(A)と同様に、入射光20aが曲面ミラー15の原点位置に入射する状態を示す。また、図3(A)および図3(C)は、曲面ミラー15が水平方向に平行移動した状態を示すものとする。曲面ミラー15の第1面は、曲面ミラー15の光軸を含む垂直な面を境界として、曲率半径の異なる複数の曲面によって構成されている。つまり、図3(B)に一点鎖線で示される曲面ミラー15の光軸を境界として、図3(B)に示す第1面の右側(すなわち入射光20aの光源から離れる側であり、入射光20aが第1面に入射するまでの光路がより長くなる側)の曲面は曲率半径R=20.7mmであり、第1面の左側(すなわち入射光20aの光源に近接する側であり、入射光20aが第1面に入射するまでの光路がより短くなる側)の曲面は曲率半径R=24.3mmである。なお、ミラーの光軸とは、曲率半径の異なる複数の曲面を含むミラーにおいて、当該複数の曲面が接する点における法線をいう。すなわち、半径の異なる複数の球面または円筒の側面の一部を含むミラーにおいては、光軸とは、当該複数の曲面が接する点と当該複数の曲面の曲率中心とを結んだ線である。
入射光20aと出射光20bとのなす角度は、図3(B)において90°である。図3(A)および図3(C)における、図3(B)に対する曲面ミラー15の変位量は、それぞれ3.5mmであって、そのときの入射光20aと出射光20bとのなす角度は、図3(A)においては72°、図3(C)においては108°である。つまり、曲面ミラー15を水平方向に3.5mm平行移動させたときの、出射光20bの水平方向における走査角度は、左右ともに18°となっている。これにより、第1面の複数の曲面の曲率半径を最適に選定することによって、曲面ミラー15の平行移動による変位量に対応してレーザ光の出射角度を制御することが可能となることが示されている。
また、車間検出器に用いられるビーム照射装置においては、水平方向には±20°程度の走査角度が必要とされる。よって、図3に示されるような曲面ミラー15の構造は、車間検出器用レーザレーダ装置に用いられるビーム照射装置に好適に用いられる。
図4は、レーザレーダ装置の構成を示す模式図である。図4に示すように、レーザレーダ装置2は、上記説明したビーム照射装置1の他に、受光部3と、距離計測回路4とを備える。受光部3は、たとえば受光レンズとフォトダイオードとを含み、ビーム照射装置1から照射されたレーザ光が測定対象物6で反射されて戻ってくるレーザ光を集光して受光する。距離計測回路4は、たとえばパルス状に発振されるレーザ光をビーム照射装置1から照射した時刻と、当該パルスに対応するレーザ光を受光部3で受光した時刻との時間差を算出する。そして、当該時間差とレーザ光の速度に基づいて、測定対象物6までの距離を算出する。
このようなレーザレーダ装置2が、自車5の前部、たとえばバンパに搭載され、車間検出器として用いられる。そして、測定対象物6としての前方車、または中央分離帯や隣の車線にある前方車までの距離を検出することによって、前方の障害物までの距離を保つように自車5の速度を制御しながら、走行することができる。
なお、ビーム照射装置1がレーザレーダ装置として用いられる場合、±10°程度の垂直方向の走査角度も必要とする。このような、直交する2方向へのレーザ光の走査を必要とする(つまり、直交する2方向へ曲面ミラーを平行移動させる)場合には、曲面ミラーの曲面の曲率半径を、平行移動させる2方向において、変化させることができる。たとえば、第1面の曲面ミラーの光軸を通る点(たとえば、図2に示すように、第1面の中心部)において直交する2本の線を境界とした、曲率半径の異なる複数の曲面によって、曲面ミラーの第1面を構成することができる。
以上説明したように、このビーム照射装置1においては、可動部となる曲面ミラー15の重量は小さいため、移動機構のアクチュエータ17の推力を低減することができる。また、移動機構は小型の簡単な構成であるので、ビーム照射装置1のコストの低減を達成することができる。曲面である曲面ミラー15の第1面においてレーザ光20を反射させるので、回転移動ではなく曲面ミラー15の平行移動によってレーザ光20を走査させることができ、レーザ光20の角度の制御が容易である。また、検出部としてのPSD19において分離光21を検出することにより、第1面におけるレーザ光20の入射位置を容易に検出できるので、レーザ光20の第1面への入射位置に従って移動機構を制御することができ、レーザ光20の走査に関し容易かつ精度の高い制御を実現することができる。
そして、曲面ミラー15の第1面は、曲面ミラー15の平行移動方向に並んだ、曲率半径の異なる複数の曲面を含むことにより、複数の曲面の曲率半径を最適に選定することによって、曲面ミラー15の平行移動による変位量に対応してレーザ光20の出射角度を制御することが可能となる。そのため、レーザ光20の走査に関し、より容易かつ精度の高い制御を実現することができる。なお、曲面ミラーの第1面は、凹形状に限られず、レーザ光20が入射する側から見たとき中心部が盛り上がって見える凸形状に形成されてもよい。また、曲面は球面に限られず、非球面形状や三次元曲面であってもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、レーザ光20は曲面ミラー15の第1面において反射され、目標領域に向けて照射されたが、第1面を透過したレーザ光を第1面と反対側の面である第2面において反射させることもできる。レーザ光を反射させながら曲面ミラー15を平行移動させることによってレーザ光を走査させる場合、レーザ光の走査角度の感度は、曲面ミラー15の曲率半径に支配される。このとき、曲率半径が小さく(すなわち曲率が大きく)なると、レーザ光のひずみが発生することがある。したがって、より曲率半径の大きい第2面においてレーザ光を反射させることによって、レーザ光のひずみを緩和することができる。
そのとき、第1面におけるレーザ光の表面反射がある場合がある。表面反射は曲面ミラー15の材料の屈折率によって異なる。レーザ光の第1面の透過率を100%に近づけるのが好ましく、曲面ミラー15の材質および製法を調整することによって、第1面でのレーザの反射を実用上問題ないレベルまで低減させることができる。たとえば、曲面ミラー15の材質として、透明材料としてのメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を使用する場合、PMMAの屈折率は1.49であり、表面反射率は3.8%である。この第1面に反射防止膜をほどこすことによって、第1面の反射率を0.5%程度まで低減できるので、実使用上問題ない反射率に抑えることができる。
図5は、実施の形態2の曲面ミラーの第2面の構造の例を示す模式図である。図5(A)は、第1面15aの曲率半径R=15mm、第2面15bは平面であって、第1面15aと第2面15bとの距離は3mmである例を示す。曲面ミラー15の光軸から3mm離れた点において、入射光20aがミラーの光軸に沿って入射した場合、第2面において反射された出射光20bと、第1面において反射された反射光20cとは大きくずれて広がっている。
図5(B)は、第1面15aの曲率半径R=15mm、第2面15bの曲率半径R=18mmであって、第1面15aと第2面15bとの距離は3mmである例を示す。曲面ミラー15の光軸から3mm離れた点において、入射光20aがミラーの光軸に沿って入射した場合、第2面15bを球面としても、第2面において反射された出射光20bと、第1面において反射された反射光20cとには依然としてずれがある。
図5(C)は、第1面15aの曲率半径R=15mm、第2面15bの曲率半径R=48.1982mmであって、第1面15aと第2面15bとの距離は3mmである例を示す。このように第2面15bの曲率半径を調整した結果、曲面ミラー15の光軸から3mm離れた点において、入射光20aがミラーの光軸と平行に入射した場合、入射光20aと出射光20bとの軌跡を一致させることが可能となっている。
図5(D)は、図5(C)に示した曲面ミラー15と同じ形状であって、曲面ミラー15の光軸から6.5mm離れた点において入射光20aがミラーの光軸と平行に入射した場合の例を示す。この場合、出射光20bの入射光20aに対する傾斜は1.002°に抑えられており、実使用上問題のない範囲となっている。
以上のように、第1面および第2面の形状を最適に調整することによって、第1面を透過したレーザ光を第1面と反対側の面である第2面において反射させるときに、最適な出射光20bを得ることができる。なお、実施の形態1で説明した曲面ミラーの第1面と同様に、第2面は、たとえば第2面の中心部など第2面の光軸を通る点において直交する2本の線の少なくともいずれかを境界とした、曲率半径の異なる複数の曲面によって形成されていてもよい。また第2面は、凹形状に限られず、凸形状に形成されてもよい。また、曲面は球面に限られず、非球面形状や三次元曲面であってもよい。
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3のビーム照射装置の構成を示す模式図である。実施の形態3のビーム照射装置と、上述した実施の形態1のビーム照射装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態3では、ミラー115は球面軌道上を移動するような構成となっている点で、実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図6において、ミラー115は実施の形態1の曲面ミラーと異なり、表面(第1面)が平面である、平面ミラーである。ミラー115は、その複数箇所をサスペンションワイヤー116によって支持されているが、実施の形態1では4本のサスペンションワイヤー16は曲面ミラー15の光軸と略平行に設けられていたのに対し、サスペンションワイヤー116はミラー115の光軸方向に対して平行ではない。なお、ミラー115は平面ミラーであるため、ミラー115の光軸方向とは、ミラー115の第1面における法線の方向を示す。
そして、複数のサスペンションワイヤー116は、一方端がワイヤー支点124に繋止されている。つまり、複数のサスペンションワイヤー116は、一点の交点としてのワイヤー支点124において交差している。ミラー115は、ワイヤー支点124を中心点とした球面軌道上を移動するように設けられている。つまり、サスペンションワイヤー116によって導かれることによりミラー115を球面軌道上に移動させることができる。
図7は、アクチュエータの構造を示す斜視図である。図8は、アクチュエータの構造を示す断面模式図である。ミラー115は、マグネット122およびコイル123によって構成されるアクチュエータによって、球面軌道上を移動するように駆動される。つまり、各コイル123に駆動電流が供給され、これによりコイル123とマグネット122との相対的な位置関係が変化する。このとき、ミラー115は、サスペンションワイヤー116によって支持されながら、球面軌道上を移動する。
そして、球面軌道上を移動するミラー115の反射面に入射光120aを照射して反射させることによって、出射光120bを走査させることができる。可動部となるミラー115の重量は小さいため、移動機構の推力を低減することができる。また、平面ミラーであるミラー115を球面軌道上に移動させることから、レーザ光のひずみが発生せず、良好なビームを得ることができる。また、サスペンションワイヤー116を電気伝導性のある材料で作製すれば、サスペンションワイヤー116を導電線として使用することもできる。
これまでの説明においては、車間検出器用レーザレーダ装置に用いられるビーム照射装置を例として説明したが、この発明のビーム照射装置を備えるレーザレーダ装置は、たとえば、大気中のエアロゾル計測用など、他の用途に用いることも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態1のビーム照射装置の構成を示す模式図である。 曲面ミラーの平行移動によってレーザ光を走査させる模式図である。 曲面ミラーの第1面の例を示す模式図である。 レーザレーダ装置の構成を示す模式図である。 実施の形態2の曲面ミラーの第2面の構造の例を示す模式図である。 実施の形態3のビーム照射装置の構成を示す模式図である。 アクチュエータの構造を示す斜視図である。 アクチュエータの構造を示す断面模式図である。
符号の説明
1 ビーム照射装置、2 レーザレーダ装置、3 受光部、4 距離計測回路、5 自車、6 測定対象物、10 ビーム走査部、11 LD、12 折り返しミラー、13 コリメートレンズ、14 収差板、15 曲面ミラー、15a 第1面、15b 第2面、16 サスペンションワイヤー、17 アクチュエータ、18 集光レンズ、19 PSD、20 レーザ光、20a 入射光、20b 出射光、20c 反射光、21 分離光、22 基板、23 コイル、30 DSP制御回路、31 DAC、32 レーザ駆動回路、33 アクチュエータ駆動回路、34 デジタル信号、35 制御信号、36 発光電流、37 制御信号、38 駆動電流、41 PSD信号処理回路、42 ADC、43 出力電流、44 電圧信号、45 デジタル信号、110 ビーム走査部、111 LD、112 折り返しミラー、113 コリメートレンズ、114 収差板、115 ミラー、116 サスペンションワイヤー、118 集光レンズ、119 PSD、120a 入射光、120b 出射光、121 分離光、122 マグネット、123 コイル、124 ワイヤー支点。

Claims (8)

  1. レーザ光を出射する光源と、
    前記光源から出射された前記レーザ光を反射し、目標領域に向けて照射させる曲面ミラーと、
    前記曲面ミラーを平行移動させて前記レーザ光を走査させる移動機構と、
    前記曲面ミラーにおいて分離された前記レーザ光の一部である分離光を受光するとともに、受光面上における前記分離光の受光位置を検出する検出部と、
    前記光源と前記移動機構とを制御する制御回路とを備え、
    前記曲面ミラーは、前記レーザ光が入射する側の面である第1面において、前記レーザ光を反射することを特徴とする、ビーム照射装置。
  2. 前記曲面ミラーの前記第1面は、前記曲面ミラーの平行移動方向に並んだ、曲率半径の異なる複数の曲面を含む、請求項1に記載のビーム照射装置。
  3. レーザ光を出射する光源と、
    前記光源から出射された前記レーザ光を反射し、目標領域に向けて照射させる曲面ミラーと、
    前記曲面ミラーを平行移動させて前記レーザ光を走査させる移動機構と、
    前記曲面ミラーにおいて分離された前記レーザ光の一部である分離光を受光するとともに、受光面上における前記分離光の受光位置を検出する検出部と、
    前記光源と前記移動機構とを制御する制御回路とを備え、
    前記曲面ミラーは、前記レーザ光が入射する側の面である第1面を透過した前記レーザ光を、前記第1面と反対側の面である第2面において反射することを特徴とする、ビーム照射装置。
  4. 前記曲面ミラーの前記第2面は、前記曲面ミラーの平行移動方向に並んだ、曲率半径の異なる複数の曲面を含む、請求項3に記載のビーム照射装置。
  5. 前記移動機構は、前記曲面ミラーの複数箇所を支持するワイヤーを含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載のビーム照射装置。
  6. レーザ光を出射する光源と、
    前記光源から出射された前記レーザ光を反射し、目標領域に向けて照射させるミラーと、
    前記ミラーを移動させて前記レーザ光を走査させる移動機構と、
    前記ミラーにおいて分離された前記レーザ光の一部である分離光を受光するとともに、受光面上における前記分離光の受光位置を検出する検出部と、
    前記光源と前記移動機構とを制御する制御回路とを備え、
    前記移動機構は、前記ミラーの複数箇所を支持する複数のワイヤーを含み、前記ワイヤーを操作することにより前記ミラーを球面軌道上に移動させることを特徴とする、ビーム照射装置。
  7. 前記複数のワイヤーは、一方端がワイヤー支点に繋止されている、請求項6に記載のビーム照射装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載のビーム照射装置を備える、レーザレーダ装置。
JP2006285101A 2006-10-19 2006-10-19 ビーム照射装置およびレーザレーダ装置 Withdrawn JP2008102026A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006285101A JP2008102026A (ja) 2006-10-19 2006-10-19 ビーム照射装置およびレーザレーダ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006285101A JP2008102026A (ja) 2006-10-19 2006-10-19 ビーム照射装置およびレーザレーダ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008102026A true JP2008102026A (ja) 2008-05-01

Family

ID=39436457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006285101A Withdrawn JP2008102026A (ja) 2006-10-19 2006-10-19 ビーム照射装置およびレーザレーダ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008102026A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7435936B1 (ja) 2023-07-18 2024-02-21 三菱電機株式会社 ガルバノスキャナ及びレーザ加工機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7435936B1 (ja) 2023-07-18 2024-02-21 三菱電機株式会社 ガルバノスキャナ及びレーザ加工機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6935007B2 (ja) Lidar送光器および受光器の共有導波路
US8081299B2 (en) Distance measuring apparatus
EP2940489B1 (en) Object detection device and sensing apparatus
US20180267148A1 (en) Lidar sensor
CN111164449B (zh) 使用波导和孔径的激光雷达接收器
JP7355171B2 (ja) 光学装置、これを用いた距離計測装置、及び移動体
JP2003202215A (ja) 光電子検出装置
CN111263897A (zh) 距离探测装置
JP7230443B2 (ja) 距離測定装置及び移動体
US20240036196A1 (en) Waveguide Diffusers for LIDARs
US20210199770A1 (en) Optical Redirector Device
CN111051813A (zh) 测距模块
WO2009038883A1 (en) Dual resolution, dual range sensor system and method
CN112859048A (zh) 光束扫描装置、包括其的激光雷达和控制方法
JP2013104771A (ja) 光走査装置及びレーザレーダ装置
JP2008102026A (ja) ビーム照射装置およびレーザレーダ装置
JPH07244153A (ja) 距離測定装置
US20220018942A1 (en) Multilayer Optical Devices and Systems
US20220120877A1 (en) Optical Redirector Device
JP2011095103A (ja) 距離測定装置
US20230006531A1 (en) Lidar with a biaxial mirror assembly
KR102592158B1 (ko) 라이다 스캐닝 시스템
US20240118391A1 (en) Optical Redirector Device
KR102511118B1 (ko) 라이다 광학 장치
CN108802763B (zh) 一种大视场近程激光雷达及车辆

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091001

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20110513