JP3235760B2 - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JP3235760B2
JP3235760B2 JP28009394A JP28009394A JP3235760B2 JP 3235760 B2 JP3235760 B2 JP 3235760B2 JP 28009394 A JP28009394 A JP 28009394A JP 28009394 A JP28009394 A JP 28009394A JP 3235760 B2 JP3235760 B2 JP 3235760B2
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博史 後藤
稔 坂田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学装置に関する。具体
的にいうと、コンパクトディスクプレーヤやオートフォ
ーカスカメラ等に用いられる集光位置を変化させること
のできる光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図20に示すものはコンパクトディスク
プレーヤーなどに用いられている従来の集光位置可変装
置Rである。121は集光レンズ、122はトラッキン
グコイル、123はフォーカシングコイルであって、集
光レンズ121は支持部124に備えられたアーム12
5先端の円筒状のレンズ装着部126内に上下移動可能
に取り付けられている。2つのマグネット127がトラ
ッキングコイル122に対向して配置されており、トラ
ッキングコイル122に直流電流を流すことによって磁
場を発生させてアーム125を左右方向に移動させるこ
とができる。また、集光レンズ121の下方に配置され
たフォーカシングコイル123に直流電流を流すことに
よって磁場を発生させて、集光レンズ121をレンズ装
着部126内で上下方向に移動させることができる。
【0003】しかして、トラッキングコイル122に直
流電流を流し、アーム125を左右方向に移動させて所
望する位置に移動させる。また、フォーカシングコイル
123に直流電流を流して集光レンズ121を上下方向
に移動して、基板128下方に配置された光源(図示せ
ず)からの光ビームを集光レンズ121の光軸上の任意
の位置に集光させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の集光位置可変装置にあっては、光源や集光レ
ンズ、トラッキングコイルやフォーカシングコイルなど
の集光位置可変装置を構成する各構成部品はそれぞれ独
立しており、各部品ごとに製造され、所定の位置関係と
なるように組み立てられていた。
【0005】このため、各構成部品の部品形状や配置の
関係から装置の小型化にはおのずと限界を生じていた。
また、装置を小型化できないために高速化が図れず、高
速に光ビームの集光位置を変えることができなかった。
さらに、光軸合わせなど装置の組み立てには相当の精度
を必要とし、組立コストが高くついていた。
【0006】特に、上記の集光位置可変装置では電磁石
(コイル)を用いた構成となっているので小型化が容易
ではなく、集光位置可変装置を用いたコンパクトディス
クプレーヤーやオートフォーカスカメラなどの各種光学
機器には不向きであった。
【0007】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、小型でしか
も高速に集光位置を可変させることのできる光学装置を
安価に提供することにある。
【0008】請求項1に記載の光学装置は、凹部を形成
した基板と、弾性変形可能な薄膜状の光反射面および該
光反射面を駆動する駆動手段からなり前記凹部の底面を
形成する可動ミラーと、この可動ミラーに対面して前記
凹部の上面を覆うように前記基板に接合させた透明基板
と、この透明基板の一面に設けた結像光学素子と、前記
透明基板の中央付近に固定され前記可動ミラーに向けて
光を発する発光素子とを有し、前記可動ミラーに入射す
る光の光軸と可動ミラーで反射した反射光の光軸とが一
致しており、前記結像光学素子による集光位置が前記反
射光の光軸上にあって前記可動ミラーの動きに応じ光軸
に沿って可変となっていることを特徴としている。
【0009】請求項2に記載の光学装置は、凹部を形成
した基板と、弾性変形可能な光反射面および該光反射面
を駆動する駆動手段からなり前記凹部の底面を形成する
可動ミラーと、この可動ミラーに対面して前記凹部の上
面を覆うように前記基板に接合させた透明基板と、この
透明基板の一面に設けた結像光学素子と、前記透明基板
の中央付近に固定され前記可動ミラーで反射された光を
受光する受光素子とを有し、前記可動ミラーに入射する
光の光軸と可動ミラーで反射した反射光の光軸とが一致
しており、前記結像光学素子による集光位置が前記反射
光の光軸上にあって前記可動ミラーの動きに応じ光軸に
沿って可変となっていることを特徴としている。
【0010】
【0011】請求項3に記載の光学装置は、請求項1又
は2に記載の光学装置において、前記透明基板の一方の
面に前記発光又は受光素子を固定すると共に前記可動ミ
ラーを備えた前記基板を設け、圧電効果による前記駆動
手段で変形させられる薄膜状の前記光反射面を前記発光
又は受光素子に対向させて可動ミラーに形成し、前記透
明基板の反対面に前記結像光学素子を設けたことを特徴
としている。
【0012】請求項4に記載の光学装置は、請求項1又
は2に記載の光学装置において、前記透明基板の一方の
面に前記発光又は受光素子を固定すると共に前記可動ミ
ラーを備えた前記基板を設け、圧電効果による前記駆動
手段で支持された変位可能な前記光反射面を前記発光又
は受光素子に対向させて可動ミラーに形成し、前記透明
基板の反対面に前記結像光学素子を設けたことを特徴と
している。
【0013】請求項5に記載の光学装置は、請求項1又
は2に記載の光学装置において、前記透明基板の一方の
面に前記発光又は受光素子を固定すると共に前記可動ミ
ラーを備えた前記基板を設け、可動ミラーに前記発光又
は受光素子に対向させて前記光反射面を形成し、当該光
反射面に形成した電極と当該電極と対向する別な電極に
よって静電力による前記駆動手段を構成し、前記透明基
板の反対面に前記結像光学素子を設けたことを特徴とし
ている。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【作用】請求項1に記載の光学装置によれば、可動ミラ
ーを駆動することにより当該光学装置に備えられた発光
素子から結像光学素子までの光路長を変えることができ
る。したがって、発光素子から出射され可動ミラーで反
射された光を結像光学素子の光軸上の任意の位置で集光
させることができる。
【0023】また請求項2に記載の光学装置によれば、
可動ミラーを駆動することによって、結像光学素子から
受光素子までの光路長を変えることができる。したがっ
て、結像光学素子を通過した光を可動ミラーで反射さ
せ、受光素子上で集光させることができる。
【0024】このように、請求項1又は2に記載の光学
装置は可動ミラーによって光を反射させる構造となって
いるので、少ない可動ミラーの変位量で、大きな集光位
置の変化を得ることができる。
【0025】また、請求項1又は2に記載の光学装置に
あっては、例えば、透明基板のいずれか一方の面に結像
光学素子を設け、残る一方の面に発光素子又は受光素子
と可動ミラーを設けることによって、発光素子又は受光
素子と結像光学素子と可動ミラーとを一体として構成す
ることができ、集光位置を可変できる光学装置を小型化
することができる。
【0026】このように請求項1又は2に記載の光学装
置にあっては各構成部品を集積一体化することができる
ので、結合光学素子と発光又は受光素子との光軸調整も
精度良く行なうことができ、しかも機器への組込み時に
面倒な光軸調整を行なう必要がなく、光学装置の性能を
向上できる。特に、発光又は受光素子と結像光学素子と
透明基板に設けることにより、両者の光軸調整は簡単
になり、組み立てコストを安価にすることができる。
【0027】請求項1又は2に記載の光学装置におい
て、請求項3又は4に記載の光学装置のように圧電効果
により光反射面を駆動することにすれば、機械的な駆動
に比較して可動ミラーの駆動機構を非常に小型にするこ
とができ、高速で光反射面を駆動することができる。例
えば、請求項4に記載の光学装置のように、圧電効果に
よる光反射面駆動手段で支持された変位可能な光反射面
を設けると、光反射面を平行に移動させることができ、
収差を小さくでき、光学設計が容易になる。
【0028】また、請求項3に記載の光学装置のよう
に、圧電効果による光反射面駆動手段で変形させられる
薄膜状の光反射面を設けると、光反射面で光を集光させ
たり、発散させたりすることもできる。
【0029】また、請求項5に記載した光学装置のよう
に、静電力により光反射面を駆動することにしても、機
械的な駆動に比較して可動ミラーの駆動機構を非常に小
型にすることができ、高速で光反射面を駆動することが
できる。このためには、光反射面に形成した電極とそれ
と対向した電極を設けて両電極間に静電力を発生させ
て、光反射面を駆動させることにすればよい。
【0030】したがって、請求項1、2、3、4又は5
に記載の光学装置を用いると、無調整化により各種光学
機器への組み込みを非常に容易にでき、光学装置の集積
化により各種光学機器の小型化、低コスト化を図ること
ができる。
【0031】
【実施例】図1(a)は本発明の光学装置の一実施例を
示す断面図である。この光学装置Aにあっては、シリコ
ン基板2の一方の面に、光を透過させるガラス基板1が
接合されている。シリコン基板2には、ウェットエッチ
ングにより角錐台状または円錐台状の凹部4が形成され
ており、凹部4の底面には弾性変位可能な薄膜部6が形
成されている。この薄膜部6の外面には、駆動部7が張
り付けられており、薄膜部6と駆動部7とによって可動
ミラー部5が構成されており、薄膜部6は駆動部7によ
って厚さ方向に変位させられるようになっている。薄膜
部6の内面は鏡面加工が施されてミラー面8となってい
る。ガラス基板1の外面にはフレネルレンズのような回
折型の結像素子3が設けられており、ガラス基板1の内
面には結像素子3と光軸を一致させて発光ダイオードや
半導体レーザ素子のような発光素子9が設けられてい
る。ガラス基板1はこの発光素子9を可動ミラー部5と
対向させるようにしてシリコン基板2に接合されてい
る。この結像素子3は例えば2P法(photo-polymeriza
tion法)によってガラス基板1の表面に設けられてい
る。なお、10は発光素子9への電気配線であって、光
ビームγの透過効率の点から酸化錫をドープした酸化イ
ンジウム(Indium Tin oxide:ITO)膜などの透明導
電膜から作製するのが望ましい。しかして、発光素子9
から出射された光ビームγは、ミラー面8で反射された
後、結像素子3を通過して集光またはコリメートされ
る。
【0032】駆動部7は図1(b)に示すように起歪層
15の両面にそれぞれ金属薄膜14を形成した構造とな
っている。起歪層15は電界や磁界の印加によって電界
や磁界と垂直な方向の横歪を発生する材料であればよ
く、圧電材料や電歪材料、磁歪材料等の強誘電体薄膜を
用いることができる。しかして、駆動部7に電圧を印可
すると、起歪層15に横歪が発生し、図1(a)に破線
で示すように薄膜部6及び駆動部7からなる可動ミラー
部5が座屈して膜厚方向へ変位する。また、駆動部7に
印加する電圧値を変化させると、可動ミラー部5の変位
量が変化する。したがって、可動ミラー部5の変位量
は、駆動部7に印加する電圧値によって制御することが
でき、発光素子9からミラー面8までの距離を自由に変
えることができる。この起歪層15は弱い電界でも大き
く変形する材料から作製するのが好ましく、圧電素子の
中でも圧電定数の大きなチタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)から作製するのが最も効果的であり、このPZTは
薄膜形成や微細加工性にも優れているので特に好まし
い。
【0033】この光学装置Aにおいて、駆動部7に電圧
を印加しない状態で発光素子9から光ビームγを出射す
ると、図1(a)に実線で示すように光ビームγはミラ
ー面8で反射され、ガラス基板1を透過し、さらに結像
素子3を透過した光ビームγは点O0に集光される。こ
れに対し、駆動部7に電圧を印加して可動ミラー部5を
変位させると、図1(a)に破線で示すようにミラー面
8で反射された光ビームγは点O1に集光され、光ビー
ムγの集光位置を変化させることができる。
【0034】このとき結像素子3から集光位置まで距離
をL、発光素子9から結像素子3までの光路長をd、結
像素子3の焦点距離をfとすると、よく知られた光の公
式により次の式が成立する。 1/f=(1/L)+(1/d) …… したがって、結像素子3から集光位置までの距離Lは次
の式で表され、 L=f・d/(d−f) …… ミラー面8を変位させることによって集光位置を変化さ
せられることが分かる。
【0035】これにより、例えばミラー面8(可動ミラ
ー部5)の変位量がd1であるとすると、発光素子9か
ら結像素子3までの光路長dの変化量Δdはその2倍の
2d1となり、少ないミラー面8の変位によって集光位
置を大きく変化させることができる。図2に、発光素子
9から結像素子3までの光路長dと結像素子3から集光
位置までの距離Lとの関係を計算によって求めたものを
示す。図2においては、焦点距離f=1mm、開口数
(N.A.)=0.45の結像素子3を用いた場合につい
て示しているが、例えば光路長dに約8μmの変化を与
えることにより、結像素子3から集光位置までの距離L
は約400mmの変化を生じる。すなわち、可動ミラー
部5に約4μmの変位を与えることにより、集光位置を
約400mm移動させることができる。この変化量は使
用する結像素子3の特性(焦点距離)によって決めら
れ、少ない可動ミラー部5の変位でより大きな集光位置
の変化を得るためには、焦点距離fの短い結像素子3を
用いるのが望ましい。
【0036】このように、本発明の光学装置Aにあって
は、発光素子9や結像素子3などを集積一体化すること
によって非常にコンパクトにすることができる。また、
ガラス基板1の両面に結像素子3と発光素子9を貼り合
わせるだけであるので、光軸調整も容易で簡単に光学装
置Aを組み立てることができる。また、発光素子9から
出射された光ビームγをミラー面8で反射させているの
で、可動ミラー部5に形成されたミラー面8をわずかに
変位させることにより集光位置を大きく変化させること
ができる。また、可動ミラー部5が軽量化されるので、
集光位置調整を高速で行なうことができる。
【0037】上記実施例においては、結像素子3として
フレネルレンズのような回折型の結像素子3を用いてい
るが、回折型の結像素子3を用いた場合には容易に薄型
で、しかも短焦点距離の結像素子3を得やすく、本発明
の光学装置Aを小型化する場合に特に有効である。ま
た、結像素子3の効率はその断面形状によって決定され
るのでブレーズ形状(鋸歯状)とするのが好ましい。
【0038】また、発光素子9はガラス基板1の基板面
上に配置されるので、表面発光型の発光素子9を用いる
のが好ましい。このとき、ミラー面8によって反射され
た光ビームγは発光素子9自身によって遮られるため、
光ビームγにロスを生じる。そこでこのロスを少なくす
るため、例えばロスを結像素子3を通過する光ビームγ
の約25%程度に押えようとするならば、発光素子9の
平面積を結像素子3の平面積の約1/4、つまり、発光
素子9の大きさ(一辺の長さあるいは直径)を結像素子
3の大きさの約1/2以下とするのが好ましい。
【0039】さらに、回折型の結像素子3の性能を最大
限に利用するため、波長のそろったコヒーレントな光を
出射することのできる垂直共振型の半導体レーザを発光
素子9として用いるのが望ましい。
【0040】図3は本発明の別な実施例である光学装置
Bを示す断面図である。発光素子9が設けられるガラス
基板1の基板面には素子配置部11が凹設されており、
発光素子9はこの素子配置部11内に配置されている。
このように素子配置部11を設けておくと、発光素子9
の位置決めが容易にでき、結像素子3の光軸上により簡
単に発光素子9を配置することができる。
【0041】図4は本発明のさらに別な実施例である光
学装置Cを示す断面図である。シリコン基板2にはウェ
ットエッチングが施され、角錐形状や円錐形状の錐状開
口部12が開口されている。シリコン基板2の外面側開
口12aの周縁部には絶縁層13が設けられており、絶
縁層13を介して錐状開口部12の開口12aを塞ぐよ
うにして可動ミラー部5が形成されている。可動ミラー
部5は、起歪層15の両面に金属薄膜14を形成した駆
動部7によって構成されており、発光素子9と対向する
金属薄膜14の表面がミラー面8となっており、発光素
子9から出射された光ビームγを反射する。
【0042】しかして、両金属薄膜14間に直流電圧を
印加して起歪層15に電界を与えると起歪層15に横歪
が発生する。起歪層15が横歪により伸張すると可動ミ
ラー部5が座屈して厚み方向へ変位する。また、印加電
圧の値を変化させると、可動ミラー部5の変位量が変化
する。したがって、可動ミラー部5に直流電圧を印加す
ることにより、可動ミラー部5を変位させて集光位置を
調整することができる。
【0043】図5は本発明のさらに別な実施例である光
学装置Dを示す断面図である。この光学装置Dにあって
は、シリコン基板2の錐状開口部12の開口12aの周
囲に絶縁層13を設け、開口12aに配設した駆動部7
の周囲を絶縁層13を介して開口12aの縁に固定し、
駆動部7の中央部にシリコン製の厚板状の平板部16を
設けて可動ミラー部5を構成している。ミラー面8は平
板部16の表面に形成されている。この可動ミラー部5
はガラスとシリコンの半導体製造プロセスを利用して製
作することができ、シリコン基板2に厚板部分を残して
錐状開口部12を形成し、厚板部分の外面に絶縁層13
を設け、その上に起歪層15と金属薄膜14からなる駆
動部7を形成した後、厚膜部分の周囲をエッチンングで
除去して残った部分で平板部16を設けることにより製
作される。なお、図5では駆動部7の中央部分に開口部
17を設けているが、この開口部17はなくてもよい。
しかして、駆動部7に直流電圧を印加すると、駆動部7
が座屈して平板部16(ミラー面8)が平板状態を保っ
たままで平行変位する。この光学装置Dにあっては、光
ビームγを反射するミラー面8は厚板状の平板部16に
形成されているため、湾曲することなく変位する。この
ため、収差を伴わない高品質の光ビームγを出射するこ
とができる。特に、駆動部7の中央に開口部17を設
け、開口部17に平板部16を支持するようにすれば、
ミラー面8の歪みをより小さくできる。
【0044】図6は本発明のさらに別な実施例である光
学装置Eの断面図を示す。光学装置Eにあっては、薄膜
部6が形成されたシリコン基板2の上面にさらに別なシ
リコン基板21が接合されている。薄膜部6の中央には
周囲の薄膜部6よりも厚くなった厚膜部6aが作製され
ており、厚膜部6aの発光素子9と対向する面はミラー
面8となっている。また、薄膜部6の反対面には可動電
極22が形成されている。この可動電極22は厚膜部6
aに不純物を注入して高導電率領域とすることにより形
成してもよく、厚膜部6aの表面に金属薄膜を成膜する
ことにより形成してもよい。シリコン基板21には窪み
23が形成されており、窪み23の内面に可動電極22
と対向して固定電極24が形成されている。しかして、
可動電極22と固定電極24との間に電源29から直流
電圧を印加すると、両電極22,24間に働く静電力に
よって可動電極22が固定電極24に引き付けられてミ
ラー面8が変位する。したがって、発光素子9とミラー
面8との間の距離が変化して、光ビームγの集光位置を
変化させることができる。このように可動電極22と固
定電極24との間の静電力を利用することによっても小
さな可動ミラー部5を構成することができる。また、こ
の光学装置Eにおいても光ビームγを反射するミラー面
8は厚く形成された厚膜部6aに形成されているので、
ミラー面8は歪みを受けにくくなっている。
【0045】本発明のさらに別な実施例である光学装置
Fの断面図を図7に示す。光学装置Fにあっては、シリ
コン基板2の貼り合わせ面に位置合わせ用凸部18が凸
設されており、一方ガラス基板1の貼り合わせ面にはシ
リコン基板2に凸設された位置合わせ用凸部18と嵌合
する位置合わせ用凹部19が形成されている。このよう
に、位置合わせ用凸部18とそれと嵌合する位置合わせ
用凹部19とを予め形成しておけば、結像素子3の光軸
とミラー面8との位置合わせ(光軸調整)が非常に簡単
になり、精度よく光学装置Fを組み立てられる。もちろ
ん、位置合わせ用凸部18をガラス基板1に設け、位置
合わせ用凹部19をシリコン基板2に設けてもよい。
【0046】これら上記の各実施例にあっては、ガラス
基板1とシリコン基板2とを貼り合わせた2層構造とな
っている。このような2層構造の光学装置にあっては、
シリコンの熱膨張率とガラスの熱膨張率とが異なるた
め、温度変化によって貼り合わせられた両基板1,2に
反りが発生して光軸のずれを生じ、光学装置の温度特性
が悪くなる恐れがある。図8に示すものは本発明のさら
に別な実施例である光学装置Gの断面図である。この光
学装置Gは、結像素子3が設けられたガラス基板1の基
板面に別なシリコン基板26が貼り合わせられてシリコ
ン/ガラス/シリコンの3層構造となっている。シリコ
ン基板26はシリコン基板2とほぼ同形、同寸法となっ
ており、特にシリコン基板26にも錐状開口部25を設
け、シリコン基板26とガラス基板1の接合面積がシリ
コン基板2とガラス基板1の接合面積に等しくなるよう
にしている。但し、シリコン基板26には光ビームγを
出射させるための開口部27が設けられている。この光
学装置Gにあっては、シリコンとガラスの熱膨張差によ
る反りが抑えられる結果、温度変化による歪みが少なく
なり、光学装置Gの温度特性が向上する。
【0047】また、上記の各実施例にあっては発光素子
9を利用した光学装置について説明したが、各実施例に
おいては発光素子9をフォトダイオードやフォトトラン
ジスタ、CCD等の受光素子28に置き換えることがで
きる。例えば、図9に示す光学装置A´のように、結像
素子3に入射した光ビームγを結像素子3で集光させた
後、ミラー面8で反射させて受光素子28に受光させ
る。また、発光素子9や受光素子28はガラス基板1の
ミラー面8側に配置しているが、図10に示す光学装置
Hのように結像素子3と発光素子9や受光素子28を同
じ基板面(内面または外面)に設けてもよい。
【0048】図11は本発明のさらに別な実施例による
光学装置Iを示す断面図である。この光学装置Iにあっ
ては、錐状開口部12を有するシリコン基板2の開口1
2aに起歪層15と金属薄膜14からなる駆動部7の周
囲を固定し、駆動部7の内面中央部に凸面鏡状のミラー
面8を取り付けている。この駆動部7はミラー面8の領
域を除いて光を通すようになっている。このためには、
例えば透光性を有する起歪層15の両面に透明な金属薄
膜14(ITOなどの透明導電膜)を形成した透光性の
駆動部7を用いたり、あるいは、適宜透光用の孔を多数
開口した駆動部7を用いたりすればよい。シリコン基板
2に接合されたガラス基板1の内面には駆動部7と対向
させて結像素子3を設けてあり、ガラス基板1の外面中
央部には、受光面をガラス基板1側に向けて受光素子2
8が固定されている。ここで用いている結像素子3は、
凹面鏡と同様な光学的作用を有する反射型フレネルレン
ズのような回折型の反射結像素子である。また、結像素
子3の中央部は開口されていて光が透過できるようにな
っている。しかして、駆動部7を透過して入射した光γ
は、結像素子3で反射されてミラー面8に集光され、さ
らにミラー面8で反射された光γはガラス基板1を透過
して受光素子28に入射する。このような光学装置Iに
あっても、駆動部7でミラー面8の位置を変位させるこ
とにより、受光素子28の受光面で焦点を結ぶように調
整できる。なお、この光学装置Iにおいても、受光素子
28を投光素子9に置き換えることができ、ミラー面8
の位置を調整することにより、出射光がコリメート光と
なるように、あるいは光軸上の所望の点で集光するよう
に調整することができる。
【0049】本発明の光学装置はさまざまな光学機器に
応用することができ、光学機器の小型化を容易にし、安
価に製造することができる。たとえば、図12に示すも
のは本発明の光ファイバモジュールJの断面図であっ
て、発光素子37を備えた本発明の光学装置31の結像
素子32側には、錐状開口部33が形成されたコネクタ
34を介して光ファイバ35が光学的に接続されてい
る。この光ファイバモジュールJにあっては、可動ミラ
ー部36を変位させることによって光学装置31の集光
位置を可変させることができる。したがって、光ファイ
バ35を光学装置31に接続した後に可動ミラー部36
を変位させて光ファイバ35の端面35aに光ビームγ
を集光させることによって、結合効率よく発光素子37
から出射させた光ビームγを光ファイバ35に導入する
ことができる。このように本発明の光学装置31を用い
ることによって、光ファイバ35とのファイバアライメ
ントが容易な光ファイバモジュールにすることができ
る。
【0050】また、光ファイバモジュールJでは、可動
ミラー部36を変位させると光ファイバ35の端面35
aで集光されていた光ビームγは拡散され、光ファイバ
35に入射する光量が少なくなる。したがって、可動ミ
ラー部36を変位させることにより、高レベルと低レベ
ルの光信号を光ファイバ35に送出し、オン、オフ制御
することのできる光スイッチKとすることができる。例
えば、図13に示すように光ファイバ35の他端に受光
素子38を設けておき、受光素子38によって受光され
た光信号が高レベルであれば、受光素子38の端子39
に電気的に接続させた外部回路(図示せず)をオンにす
ることができる。また、可動ミラー部36を変位させて
低レベルの光信号を光ファイバ35に送出すれば、外部
回路をオフにすることができる。この光スイッチKにあ
っては、可動ミラー部36が小さく軽いので、高速なス
イッチング動作を可能にすることができる。また、光ス
イッチKと受光素子38との間に障害物があり、受光素
子38が光学装置31からの光信号を直接受光すること
ができない場合に特に有効であり、しかも電気的に非接
触な状態でオン、オフ制御することができるので電気的
にも安全である。
【0051】図14は本発明の光センサLを示す概略構
成図である。光センサLは例えば自動ドアの人体検知装
置として用いられており、発光素子42を備えた本発明
の光学装置41と発光素子42から出射された光ビーム
γを検知する受光素子43とから構成されている。光学
装置41はドア44が設置された付近の天井面に設置さ
れており、床面45に向けて光ビームγが出射されてい
る。受光素子43もドア44が設置された付近の天井面
に設置されている。また、人46がちょうどドア44の
手前に立った際、人46によって反射された光ビームγ
が受光素子43によって受光されるよう、光学装置41
から出射された光ビームγが人の高さで集光し、床面4
5では発散するように調整している。したがって、人4
6がドア44付近にいない時には、出射された光ビーム
γは床面45で反射されてしまい、反射された光ビーム
γは受光素子43で受光することができない。しかし
て、人46がドア44付近にやって来て、ちょうど光学
装置41の下方に差し掛かると、光学装置41から出射
された光ビームγは人46によって反射され、反射され
た光ビームγは受光素子43によって受光される。受光
素子43によって受光された光ビームγが検知回路等に
よって検知されると、ドア44が開いて人46が通れる
ようになる。この光センサLにあっては、可動ミラー部
48を変位させることにより光学装置41から出射され
た光ビームγの集光位置を簡単に調整することができる
ので、天井高さが異なる場合でも簡単に設置することが
できる。また、発光素子42や結像素子47が一体とな
って光軸調整も行なわれているので、光軸調整に手間ど
らず、しかも小型であるので設置場所の制約もほとんど
受けることがない。
【0052】図15(a)は別な光センサMを示す概略
構成図であって、光位置検出装置について示すものであ
る。この光センサMは、半導体レーザ素子等の発光素子
54とコリメートレンズのような光学素子55からなる
光源と、図15(b)に示す受光素子52を備えた本発
明の光学装置51が一列に配置された受光アレイ53と
から構成されている。発光素子54から出射された光ビ
ームγは光学素子55によってコリメート化された後、
対象物56上に照射されてビームスポットSPを生成
し、対象物56の表面で拡散反射される。各光学装置5
1は一定の方向から入射した光ビームγだけを受光素子
52に入射させるよう可動ミラー部58を調整されてい
るので、対象物56が当該方向に位置している光学装置
51の受光素子52だけが受光する。従って、三角測量
の原理により、受光した光学装置51の位置から対象物
56までの距離を求めることができる。このような位置
検出素子(PSD)として用いる場合には、1枚のレン
ズを用いれば大口径のレンズが必要となるが、この光セ
ンサMでは個々の光学装置51に結像素子57を設けて
いるので、結合素子57を小さくでき、光センサMを小
型化できる。
【0053】また受光アレイ53は、半導体製造技術に
よって1枚のシリコンウエハに多数のシリコン基板59
を作製し、また1枚のガラスウエハに多数のガラス基板
60を形成することによって、簡単に多数の光学装置5
1をアレイ状に配置して作製される。
【0054】図16に示すものは本発明によるバーコー
ドリーダなどの光学的情報処理装置Nの概略構成図であ
って、光学的情報処理装置Nは発光素子を内蔵した本発
明の光学装置61が3つ配置されたアレイ光源62と、
光ビームγを線状又は2次元状に走査させることのでき
る光スキャナ63と、対象物で反射された光ビームγを
受光するための受光素子64及び受光素子64の受光信
号を処理するための信号処理回路65とから構成されて
いる。3つの光学装置61からはそれぞれ赤、青、緑の
光ビームγが出射されており、出射された3つの光ビー
ムγは光スキャナ63によって走査される。光スキャナ
63で反射した光ビームγはバーコードや多段バーコー
ドなどの符号情報66上を走査され、符号情報66の表
面で反射された光ビームγは受光素子64によって受光
される。この光学的情報処理装置Nにあっては、それぞ
れの光学装置61は非常に小さく、3つの光ビームγは
単一の光源から出射されたのと同様に一本の光ビームγ
として扱うことができる。したがって、赤、青、緑の3
つの光ビームγを出射する3つの光学装置61(あるい
はアレイ光源62)を用いることによって、多色の光ビ
ームγによる検出をほぼ同一の走査線上で行え、光学系
を単純化することができる。また、例えば赤色の光ビー
ムγを用いた従来のバーコードリーダでは赤色の符号情
報66の読み取りが非常に困難であったが、本発明の光
学的情報処理装置Nでは、他色の光ビームγから読み取
り可能となるので、符号情報66の色によらず常に一定
の感度で符号情報66を読み取ることができる。また、
本発明の光学装置61を用いれば、レンズ系(結像素
子)を小さくすることができる。
【0055】また、図17には本発明の表示装置Oの概
略構成図を示す。この表示装置Oは発光素子を備えた本
発明の光学装置71が多数アレイ状もしくはマトリック
ス状に配置されたアレイ光源72と、アレイ光源72か
ら出射された光ビームγを投影する表示用スクリーン7
3とから構成されている。表示装置Oにおいては、各光
学装置71から表示用スクリーン73に向けて光ビーム
γが出射されており、各光学装置71の集光位置を変化
させることによって、スクリーン73に写し出される光
ビームγの像74の大きさを様々に変化させることがで
きる。従って、各光学装置71のオン、オフに加えて表
示ビームのスポット径も調整することができ、多様な表
示が可能になる。
【0056】図18は本発明の撮像装置Pを示す。撮像
装置Pは、フォトダイオードやフォトトランジスタ、C
CD等の受光素子を備えた本発明の光学装置81が多数
マトリックス状に配置されている。各光学装置81によ
り受光された受光信号は、画像処理回路83によって画
像処理が施され、ディスプレイ84上に表示することが
できる。この撮像装置Pは、各光学装置81を非常に小
さく作製することができるので、分解能の高い撮像装置
Pとすることができる。しかも、各光学装置81には結
像素子が設けられているので光学系を単純化することが
でき、各光学装置81間の光軸調整も不要にすることが
できる。尚、このマトリックス状の光学装置81として
は、図15(b)に示したものと同様な構造のもので、
受光素子としてフォトダイオードチップ等をガラス基板
1に実装したものを用いればよいが、例えば透明なサフ
ァイア基板(ガラス基板1の代りに用いる)の上に半導
体層をエピタキシャル成長させてCCDを構成した場合
には、図11と同様な構造のものをマトリックス化して
用いることもできる。
【0057】図19(a)(b)は、本発明の光ピック
アップ装置Qを示す斜視図及び断面図である。光ピック
アップ装置Qは、例えば光磁気ディスクやコンパクトデ
ィスクのような光ディスク100の読み出しや書き込み
に用いられるものである。光ピックアップ装置Qは、ガ
ラス基板91の表面にガラス基板91よりも屈折率の大
きな透明有機材料によって光導波路92を形成し、光導
波路92の表面に透過型のマイクロフレネルレンズ93
と集光グレーティングカップラ94とを設けたものであ
り、光導波路92の一方端部には、複数個のフォトダイ
オードアレイ等の受光素子95を埋め込んである。この
マイクロフレネルレンズ93と集光グレーティングカッ
プラ94は、光導波路92と同じ材料により光導波路9
2の同一面上に重畳させて形成されている。さらに、こ
の実施例では、マイクロフレネルレンズ93と集光グレ
ーティングカップラ94とは、両機能を有する1つの複
合素子(マイクロフレネルレンズ重畳グレーティングカ
ップラ)によって実現されている。ガラス基板91の裏
面側には、図19(b)に示すように、可動ミラー部9
6が形成されたシリコン基板97が貼り合わされてお
り、可動ミラー部96の内面にはミラー面98が形成さ
れている。また、発光素子99はマイクロフレネルレン
ズ93の光軸に一致させてガラス基板91の裏面に配置
されている。
【0058】光ディスク100の読み出しを行なう場合
には、発光素子99のパワーを小さくし、発光素子99
からパワーの小さな出射光101aを出射させる。発光
素子99から出射された出射光101aは、ガラス基板
91を透過し、さらにマイクロフレネルレンズ93を透
過して、光ディスク100の記録面100aに焦点を結
ばれる。この時、可動ミラー部96を変位させることに
より、記録面100a上に焦点を結ぶようにフォーカッ
シング調整したり、記録面100aのトラック間移動を
行なわせるようにしている。こうして、記録面100a
で反射された戻り光101bは、集光グレーティングカ
ップラ94に照射される。この戻り光101bは、集光
グレーティングカップラ94の働きで光導波路92内に
伝搬され、光導波路伝搬光101cは受光素子95によ
って検出され、記録面100aのデータが読み出され
る。
【0059】また、光ディスク100の書き込みを行な
う場合には、まず読み取り時と同様にして、発光素子9
9からの戻り光101bを受光素子95で検出すること
によって書き込み位置を確認した後、発光素子99の駆
動パワーを増大させて書き込みを行なわせるのに十分な
パワーの光を記録面100aに照射させ、データの書き
込みを行なわせる。書き込みが済むと、発光素子99の
パワーを元のように落とし、書き込みデータの確認が行
なわれる。なお、このような実施例の構成では、発光素
子99から出射された光の一部が、集光グレーティング
カップラ94によって光導波路92へ結合され、受光素
子95で検出され、受光素子95のノイズ成分となる恐
れがあるが、集光グレーティングカップラ94の効率
は、マイクロフレネルレンズ93等のレンズ素子に比較
し効率が低いので、実用上は問題がない。
【0060】この光ピックアップ装置Qは、発光素子9
9やマイクロフレネルレンズ93、集光グレーティング
カップラ94が一体として構成されているので、非常に
小型化される。また、高速に光ピックアップ装置Qを移
動させることができるので、光磁器ディスク等のディス
ク装置のアクセスタイムの短縮を図ることができる。
【0061】上記のように本発明の光学装置の応用例に
ついて種々説明したが、本発明の光学装置は上記の各光
学機器に限られるものでないのは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、発光素子又は受光素
子、結像光学素子及び可動ミラーを一体として構成する
ことができ、小型化した光学装置を提供することができ
る。このため、各構成部品の光軸合わせも容易にでき、
コストの削減をすることができる。さらに、光学装置は
あらかじめ一体化されているので、光学機器への組み込
みも簡単となり、光学機器の小型化に非常に有効であ
る。
【0063】また本発明の光学装置にあっては、可動ミ
ラーによって発光素子から出射させた光を反射させた
り、可動ミラーによって反射させた光を受光素子で受光
しているので、可動ミラーを駆動することによって光の
集光位置を変化させることができる。このため、小さな
可動ミラーの変位であっても、集光位置を大きく変化さ
せられる。
【0064】例えば、圧電効果によって光反射面を駆動
すれば、機械的な駆動に比較して駆動機構を非常に小さ
くでき、しかも高速で光反射面を駆動することができ
る。このとき、圧電効果により駆動される光反射面駆動
手段で光反射面で支持すれば、光反射面を平行移動させ
ることができ、光反射面で反射された光の質を高めるこ
とができる。
【0065】また、圧電効果により駆動される光反射面
駆動手段で変形させられる薄膜状の光反射面を形成すれ
ば、小さな圧電効果で光反射面を変位させることができ
る。
【0066】また、静電力によって光反射面を駆動すれ
ば、機械的な駆動に比較して駆動機構を非常に小さくで
き、しかも高速で光反射面を駆動することができる。例
えば、光反射面に電極を形成し、当該電極と対向して設
けられた電極との間に静電力を発生させるとよい。
【0067】本発明の光学装置を用いることによって、
小型で高速駆動の可能な光学機器を安価に提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例である光学装置を示
す断面図、(b)はその可動ミラー部の拡大断面図であ
る。
【図2】同上の光学装置における発光素子と結像素子間
の光路長dと結像素子から集光位置までの距離Lとの関
係を示す図である。
【図3】本発明の別な実施例である光学装置を示す断面
図である。
【図4】本発明のさらに別な実施例である光学装置を示
す断面図である。
【図5】本発明のさらに別な実施例である光学装置を示
す断面図である。
【図6】本発明のさらに別な実施例である光学装置を示
す断面図である。
【図7】本発明のさらに別な実施例である光学装置を示
す断面図である。
【図8】本発明のさらに別な実施例である光学装置を示
す断面図である。
【図9】本発明のさらに別な実施例である光学装置を示
す断面図である。
【図10】本発明のさらに別な実施例である光学装置を
示す断面図である。
【図11】本発明のさらに別な実施例である光学装置を
示す断面図である。
【図12】本発明の光ファイバーモジュールを示す断面
図である。
【図13】本発明の光スイッチを示す断面図である。
【図14】本発明の光センサを示す概略構成図である。
【図15】(a)は本発明の光センサの他例を示す概略
構成図、(b)はその受光アレイを示す一部破断した断
面図である。
【図16】本発明の光学的情報処理装置を示す概略構成
図である。
【図17】本発明の表示装置を示す概略構成図である。
【図18】本発明の撮像装置を示す概略構成図である。
【図19】(a)は本発明による光ピックアップ装置を
示す斜視図、(b)はその断面図である。
【図20】従来例の焦点位置可変装置を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 シリコン基板 3 結像素子 5 可動ミラー部 7 駆動部 8 ミラー面 9 発光素子 14 金属薄膜 15 起歪層 A〜I 光学装置 J 光ファイバーモジュール K 光スイッチ L,M 光センサ N 光学的情報処理装置 O 表示装置 P 撮像装置 Q 光ピックアップ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 正哲 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オムロン株式会社内 (72)発明者 若林 秀一 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オムロン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−236145(JP,A) 特開 平2−232615(JP,A) 特開 昭63−217336(JP,A) 特開 昭57−69535(JP,A) 特開 昭59−148014(JP,A) 特開 平5−249307(JP,A) 実開 平3−77910(JP,U) 特公 昭55−48366(JP,B2)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹部を形成し、該凹部の底面に弾性変位
    可能な光反射面を形成した基板と、前記凹部の底部下面に配置された、前記光反射面を駆動
    するための駆動手段と、 前記光反射面 に対面して前記凹部の上面を覆うように前
    記基板に接合させた透明基板と、前記 透明基板の一面に設けた結像光学素子と、 前記透明基板の中央付近に固定され前記光反射面に向け
    て光を発する発光素子とを有し、前記光反射面および前記駆動手段によって可動ミラーを
    構成し、 前記発光素子の光軸と前記結像光学素子の光軸と前記光
    反射面の光軸とが一致しており、前記結像光学素子によ
    る集光位置が前記光軸上にあって前記可動ミラーの動き
    に応じ前記光軸に沿って可変となっていることを特徴と
    する光学装置。
  2. 【請求項2】 凹部を形成し、該凹部の底面に弾性変位
    可能な光反射面を形成した基板と、前記凹部の底部下面に配置された、前記光反射面を駆動
    するための駆動手段と、 前記光反射面 に対面して前記凹部の上面を覆うように前
    記基板に接合させた透明基板と、前記 透明基板の一面に設けた結像光学素子と、 前記透明基板の中央付近に固定され前記光反射面で反射
    された光を受光する受光素子とを有し、前記光反射面および前記駆動手段によって可動ミラーを
    構成し、 前記光反射面の光軸と前記結像光学素子の光軸と前記受
    光素子の光軸とが一致しており、前記結像光学素子によ
    る集光位置が前記光軸上にあって前記可動ミラーの動き
    に応じ前記光軸に沿って可変となっていることを特徴と
    する光学装置。
  3. 【請求項3】 開口部を形成した基板と、 弾性変位可能な光反射面および該光反射面を駆動する駆
    動手段からなり前記開 口部の下面側に配置された可動ミ
    ラーと、 前記可動ミラーに対面して前記開口部の上面を覆うよう
    に前記基板に接合させた透明基板と、 前記透明基板の一面に設けた結像光学素子と、 前記透明基板の中央付近に固定され前記可動ミラーに向
    けて光を発する発光素子とを有し、 前記発光素子の光軸と前記結像光学素子の光軸と前記光
    反射面の光軸とが一致しており、前記結像光学素子によ
    る集光位置が前記光軸上にあって前記可動ミラーの動き
    に応じ前記光軸に沿って可変となっていることを特徴と
    する光学装置。
  4. 【請求項4】 開口部を形成した基板と、 弾性変位可能な光反射面および該光反射面を駆動する駆
    動手段からなり前記開口部の下面側に配置された可動ミ
    ラーと、 前記可動ミラーに対面して前記開口部の上面を覆うよう
    に前記基板に接合させた透明基板と、 前記透明基板の一面に設けた結像光学素子と、 前記透明基板の中央付近に固定され前記可動ミラーで反
    射された光を受光する受光素子とを有し、 前記光反射面の光軸と前記結像光学素子の光軸と前記受
    光素子の光軸とが一致しており、前記結像光学素子によ
    る集光位置が前記光軸上にあって前記可動ミラーの動き
    に応じ前記光軸に沿って可変となっていることを特徴と
    する光学装置。
  5. 【請求項5】 前記透明基板の一方の面に前記発光又は
    受光素子を固定し、圧電効果による前記駆動手段で変形
    させられる薄膜状の前記光反射面を前記発光又は受光素
    子に対向させて可動ミラーに形成し、前記透明基板の反
    対面に前記結像光学素子を設けたことを特徴とする請求
    1、2、3又は4に記載の光学装置。
  6. 【請求項6】 前記透明基板の一方の面に前記発光又は
    受光素子を固定し、圧電効果による前記駆動手段で支持
    された変位可能な前記光反射面を前記発光又は受光素子
    に対向させて可動ミラーに形成し、前記透明基板の反対
    面に前記結像光学素子を設けたことを特徴とする請求項
    3又は4に記載の光学装置。
  7. 【請求項7】 前記透明基板の一方の面に前記発光又は
    受光素子を固定し、可動ミラーに前記発光又は受光素子
    に対向させて前記光反射面を形成し、当該光反射面に形
    成した電極と当該電極と対向する別な電極によって静電
    力による前記駆動手段を構成し、前記透明基板の反対面
    に前記結像光学素子を設けたことを特徴とする請求項
    1、2、3又は4に記載の光学装置。
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