JP2002332799A - セグメントの止水構造 - Google Patents

セグメントの止水構造

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JP2002332799A
JP2002332799A JP2001138224A JP2001138224A JP2002332799A JP 2002332799 A JP2002332799 A JP 2002332799A JP 2001138224 A JP2001138224 A JP 2001138224A JP 2001138224 A JP2001138224 A JP 2001138224A JP 2002332799 A JP2002332799 A JP 2002332799A
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rubber
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Satoshi Yasushige
聡 安重
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ThreeBond Co Ltd
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ThreeBond Unicom Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各セグメントの端部領域間に介装されるシー
ル材を拘束し、セグメントの接合部分の止水効果を高め
ること 【解決手段】 第1及び第2の端部領域12A,12B
と、これら各端部領域12A,12Bの間に生じる隙間
Sに介装されるゴム製のシール材16とを備えて接合部
14が構成されている。シール材16は、略一定の肉厚
に設けられた片状のベース部34と、このベース部34
の幅方向両端側に連なってベース部34よりも肉厚に設
けられた隆起状の外端部35,35とにより構成されて
おり、これによって、シール材16が各端部領域12
A,12B間に介装されたときに、当該シール材の位置
ずれが防止されることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セグメントの止水
構造に係り、更に詳しくは、隣り合うセグメントの各端
部領域が相互に突き合わされてなるセグメントの接合部
分の止水効果を向上させるセグメントの止水構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】トンネル工事等に使用されるシールド工
法では、岩盤等の掘削後に、複数のセグメントの各端部
領域を相互に突き合わせて接合することでトンネルの壁
部分が構築される。この際、セグメントの接合部分に
は、各種の止水構造が採用されており、例えば、図11
及び図12に示されるように、隣接する第1及び第2の
セグメント51,52の各端部領域51A,52A間に
ゴム製等のシール材54を介装した止水構造が知られて
いる。図11及び図12中左側の第1のセグメント51
には、その端部領域51Aの略中央に横断面略円弧状の
凹溝56が形成される一方、反対側の第2のセグメント
52には、その端部領域52Aの略中央に断面略半円状
をなす突起57が形成されており、凹溝56及び突起5
7が係合することにより、各端部領域51A,52Aが
シール材54を介して略突き合わされた状態で接合され
ることになる。なお、各端部領域51A,52Aは、シ
ール材54が介装されていない状態で凹溝56及び突起
57が係合したときに、凹溝56及び突起57の外側に
隙間が生じる形状に設けられている。ところで、図11
の止水構造は、凹溝56の湾曲面56Aに断面略長方形
状のシール材54を湾曲面56Aに沿わせて設置した後
で、凹溝56及び突起57を係合するものである。一
方、図12の止水構造は、凹溝56の外側に位置する端
面59上に横断面略正方形状のシール材54を同図中上
下一箇所に設置した後で、凹溝56及び突起57を係合
するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
の止水構造にあっては、未加硫ゴム等の塑性変形し易い
シール材54を使用した場合、各セグメント51,52
の各端部領域51A,52Aが接合された後に、当該接
合部分に動きが生じて各端部領域51A,52Aが相対
移動すると、この相対移動にシール材54が追従でき
ず、各端部領域51A,52A間に漏水が発生し易くな
るという不都合がある。一方、加硫ゴムなどの塑性変形
し難いシール材54を使用した場合、凹溝56及び突起
57を係合し易くするためにシール材54の厚さを薄く
しなければならず、各端部領域51A,52A間に目開
きが生じたときにシール材54の厚さが不足して漏水が
発生し易くなるという不都合がある。
【0004】この点、図12の止水構造にあっては、シ
ール材54が凹溝56の湾曲面56Aに設置されるもの
ではないため、前述した原因による漏水が発生し難くな
るが、図12の止水構造では、各セグメント51,52
の接合部分に動きが生じた場合に、シール材54が各セ
グメント51,52の外側に脱落してしまい、図11の
止水構造とは別異の原因による漏水が前記接合部分で発
生する不都合を招来する。また、水膨張性ゴムからなる
シール材54を使用したときであっても、シール材54
の膨張により、当該シール材54が各セグメント51,
52の外部に向かって移動し易くなり、期待する止水効
果が得られない場合がある。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような不都合に着目して
案出されたものであり、その目的は、各セグメントの端
部領域間に介装されるシール材を拘束し、セグメントの
接合部分の止水効果を高めることができるセグメントの
止水構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、端部領域に凹部が形成された第1のセグ
メントと、前記凹部に係合する凸部が端部領域に形成さ
れた第2のセグメントと、前記凹部及び凸部を係合した
状態で、前記各端部領域間に生ずる隙間に介装されるシ
ール材とからなるセグメントの止水構造において、前記
シール材は、その位置ずれを防止可能な形状に設けられ
る、という構成を採っている。このような構成によれ
ば、シール材が所定の位置に拘束された状態で介装され
ることになり、各セグメントの接合部分に動きが生じて
各端部領域が相対移動しても、当該相対移動に伴うシー
ル材の移動や脱落を防止することができ、前記接合部分
における止水効果を高めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるシール材は、前記
各端部領域の相対移動に追従可能な弾性材料によって形
成される、という構成を採ることが好ましい。このよう
に構成することで、各端部領域の相対移動に対する止水
効果を一層高めることができる。ここにおいて、前記弾
性材料としては、天然ゴム、合成ゴム等が使用できる
が、各端部領域の相対移動に追従可能となるような適度
な伸縮性を有するものであれば何でも良い。具体的に
は、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロ
プレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴ
ム、シリコンゴム、ウレタンゴム等を例示できる。これ
ら各種のゴムは、単独で用いても数種類ブレンドして用
いてもよく、或いは、複数種のゴムを積層成型してもよ
い。また、この他に、軟質塩化ビニル樹脂などの熱可塑
性樹脂やウレタン製若しくはポリエチレン製の発泡体等
も使用可能である。
【0008】また、前記シール材は、その一部又は全部
を水膨張性ゴムで構成することも可能である。特に、弾
性材料として天然ゴムや合成ゴムなどのゴム素材と組み
合わせて使用する場合には、水と接触するシール材の一
部分をこの水膨張性ゴムで構成することにより高い止水
性が得られる。一般に前述のゴム素材は加熱(加圧)下
で加硫(架橋)してゴム弾性を形成するが、本願のシー
ル材については一部分を未加硫のまま形成してもよい。
このように未加硫部分を含んでシール材を構成した場合
には、各端部領域へのシール材の装着(粘接着)性を向
上させることができる。この未加硫ゴムとしては、未加
硫のブチルゴム、イソブチレンゴムを例示できる。
【0009】更に、前記シール材は、前記凹部及び凸部
の間に挟み込まれるベース部と、このベース部に連なっ
て前記凹部及び凸部の外側に位置する外端部とにより構
成され、前記ベース部は、前記凹部及び凸部を係合した
ときに作用する圧縮力に対する補強構造を備える、とい
う構成を併用するとよい。これにより、凹部及び凸部の
挟み込みによるベース部の破断を防止することができ、
ベース部の薄肉化を促進して凹部及び凸部を係合させ易
くすることができる。前記補強構造としては、ベース部
の一部を高強度ウレタンゴムで形成したり、カーボンブ
ラック、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂等の充填剤
を加えて強靱なゴムで補強した構造、ベース部にポリエ
ステル、ケブラー、アラミド、ガラス、カーボン、セル
ロース、ナイロンなどの繊維を混合した構造、或いは、
ベース部に不織布等をラミネートした構造等を例示でき
る。
【0010】また、前記ベース部は、略一定の肉厚の片
状に設けられる一方、前記外端部は、前記ベース部の幅
方向両端側に連なって当該ベース部よりも肉厚となる隆
起状に設けられる、という構成を例示することができ
る。このような構成により、シール材がセグメントの外
部に脱落する方向に引っ張られても、外端部が凸部に引
っ掛かり、シール材を一層強固に拘束することができ、
前記端部領域間における漏水を発生させ難くすることが
できる。
【0011】なお、本明細書において、シール材を構成
する部材或いは要素に用いられる「幅」、「幅方向」と
は、特に明示しない限り、図4における左右幅、同図中
左右方向をそれぞれ意味する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0013】図1には、本実施例に係るセグメントの止
水構造が適用されたトンネル壁部分の概略断面図が示さ
れている。この図において、トンネル壁部分10は、シ
ールド工法によって、略円管状に形成されている。すな
わち、トンネル壁部分10は、図示しない岩盤等を掘削
してトンネル穴を形成した後で、当該トンネル穴の周方
向及び軸方向に複数のセグメント11を接合することに
よって形成される。各セグメント11は、所定長さの円
筒を軸方向に切断して略三等分した湾曲板状をなし、各
端部領域12,12が相互に略突き合わされた状態で接
合されるようになっている。
【0014】各端部領域12,12の接合部14は、ト
ンネル壁部分10の周方向及び軸方向の何れにおいても
略同一となる継手構造を採用しており、以下において
は、重複した説明を回避するため、図1のA部の接合部
14について説明する。ここにおいて、説明の便宜上、
前記A部の拡大図である図2中左側を第1のセグメント
11Aと称する一方、反対側を第2のセグメント11B
と称することとする。
【0015】接合部14は、図2に示されるように、第
1及び第2のセグメント11A,11Bの第1及び第2
の端部領域12A,12Bと、これら各端部領域12
A,12Bの間に生じる隙間Sに介装されるゴム製のシ
ール材16とにより構成されている。
【0016】第1及び第2の端部領域12A,12B
は、図3に示されるように、同図中左右方向に延びる仮
想中心線C1に対して上下略対称となる形状に設けられ
ている。ここで、第1の端部領域12Aは、上下両端側
の第1の外周面18及び第1の内周面19と、同図中上
下方向略中央に形成される横断面略円弧状の凹溝21
(凹部)と、この凹溝21の開放端21Aから第1の外
周面18及び第1の内周面19に向かってそれぞれ同図
中略上下方向に沿って延びる第1の端面23,23とを
備えて構成されている。
【0017】一方、第2の端部領域12Bは、第1の端
部領域12Aとの接合状態で、第1の外周面18及び第
1の内周面19に対して略同一面内に位置する第2の外
周面26及び第2の内周面27と、同図中上下方向略中
央に形成されて、前記凹溝21に係合する横断面略半円
状の突起29(凸部)と、この突起29の基端29Aか
ら第2の外周面26及び第2の内周面27に向かってそ
れぞれ延びる第2の端面31,31とを備えて構成され
ている。これら第2の端面31,31は、凹溝21及び
突起29の係合状態で、第1の端面23,23に対向す
るようになっており、当該第1の端面23との離間距離
が基端29Aからから離れるに従って次第に拡大する傾
斜面状に設けられている。従って、シール材16を介装
しない状態で凹溝21及び突起29を係合させると、凹
溝21及び突起29の外側に隙間S(図2参照)が生ず
ることとなる。
【0018】シール材16は、図4及び図5に示される
ように、図4中上下方向に延びる仮想中心線C2に対し
て左右略対称となる初期形状に設けられている。すなわ
ち、シール材16は、略一定の肉厚に設けられて図4中
紙面直交方向に延びる片状のベース部34と、このベー
ス部34の幅方向両端側に連なってベース部34よりも
肉厚に設けられた隆起状の外端部35,35とにより構
成されており、これによって、シール材16が各端部領
域12A,12B間に介装されたときに位置ずれを防止
可能な形状が具体化されることになる。
【0019】ベース部34は、図4及び図5中下端面が
設置面34Aとなっており、各セグメント11A,11
Bの接合前においては、図6に示されるように、ベース
部34を凹溝21の湾曲面21Bの形状に沿うように撓
ませながら当該湾曲面21Bに設置面34Aを接着する
ことで、ベース部34が凹溝21の内部に受容されるよ
うになっている。この状態から、凹溝21及び突起29
を係合すると、図2に示されるように、凹溝21及び突
起29の間に挟み込まれて圧縮変形する。このため、ベ
ース部34は、凹溝21及び突起29の係合に支障を及
ぼさないように、例えば発泡ゴムなどの圧縮し易い材
料、或いは、係合時の圧縮を円滑に行うためその表面に
潤滑剤などを塗布してもよい。また、ベース部34は、
凹溝21及び突起29の組付性に支障を及ぼさないよ
う、2mm以下まで圧縮される形状であることが望まし
い。
【0020】外端部35,35は、図4及び図5に示さ
れるように、断面略山型となる隆起形状に設けられてお
り、図4中下端面となる設置面35A,35Aがベース
部34の設置面34Aと略面一となるようにベース部3
4に連なっている。設置面35A,35Aは、第1の端
面23,23に部分的に設置可能な幅W2を備えてお
り、当該第1の端面23,23にそれぞれ接着される。
また、外端部35,35は、その変形前における初期状
態(図4参照)の厚さが、図2に示される隙間Sの同図
中左右方向の幅よりも厚くなっているとともに、図2の
接合状態で、各端部領域12A,12Bの外部に膨出せ
ずに弾性変形可能に設けられている。ここで、外端部3
5の厚さは、止水性を確保するうえで重要な箇所である
ので、セグメント11を所定の状態に組み付けた状態で
生じる隙間S、及び、セグメント11に動きが生じるこ
とによって隙間Sが開くことを想定し、適宜決定するこ
とが望ましい。実際には、外端部35は、隙間S部分に
開きが2〜3mm生じた場合でも、5〜20%圧縮され
た状態となる厚さとなることが望ましい。セグメント1
1に動きが生じることによって生じる隙間Sが3mmを
超える場合には、外端部35の厚さを極端に厚くすると
施工性に支障をきたす恐れがあるため、外端部35を水
膨張性シール材とするなどし、膨張後に所定の圧縮率が
得られるようにしても良い。例を挙げて説明すると、セ
グメント11を所定の状態に組み付けた場合の第1及び
第2の端面23,31間の隙間Sのうち最小部分(基端
29A側部分)の大きさが6mm、セグメント11が動
くことにより想定される隙間S部分の開き量を3mmと
した場合、外端部35の厚さは10mm程度にすること
が望ましい。この場合、隙間Sの最小部分の大きさは9
mmとなり、外端部を10mmとすると、1mm圧縮さ
れ10%圧縮された状態となる。
【0021】なお、本発明におけるシール材の形状は、
図示構成例に限定されるものではなく、その介装時にお
ける位置ずれを防止可能な形状を備えている限り、種々
の変更が可能である。例えば、左右一対の外端部35,
35の厚さや形状を相互に相違させたり、シール材16
を、接着面となる第1の端部領域12Aや第2の端部領
域12Bの形状に合わせて略一致するように予め形成し
てもよい。具体的には図7に示される形状などが挙げら
れる。また、シール材16に部分的な突起若しくは穴部
を設け、当該突起若しくは穴部を第1又は第2の端部領
域12A,12Bに設けられた穴部若しくは突起に係合
させることでシール材16を拘束可能な構造としてもよ
い。
【0022】次に、接合部14の止水効果を確認するた
めに、以下の試験を行った。
【0023】すなわち、図8に示されるように、実際よ
りも縮小された第1及び第2の端部領域12A,12B
が左右二箇所にそれぞれ形成されたスチール製の耐水圧
試験治具37に各種シール材を介装して耐水圧試験を行
った。この耐水圧試験は、下記実施例1〜3に係るシー
ル材16が適用された止水構造に関する試験(図9参
照)と、図11及び図12に示される従来例1,2に係
る前述のシール材54が適用された止水構造に関する試
験(図10参照(従来例2の場合のみ示す))とについ
て行った。
【0024】[実施例1]実施例1に係るシール材16
は、ベース部34を発泡倍率1.5倍の発泡ゴムで構成
する一方、外端部35を引張強さ5〜10MPa、伸び
700%の加硫ゴムで構成し、サイズを次の通りに設定
した。すなわち、図4を用いながら説明すると、ベース
部34の幅W1及び厚さT1をそれぞれ40mm、5m
mとする一方、各外端部35,35の幅W2及び最大厚
さT2を共に10mmとした。
【0025】[実施例2]実施例2に係るシール材16
は、ベース部34を外端部35と同一の加硫ゴム(厚さ
1mm)に発泡ゴムを積層することにより構成し、その
他については、実施例1のシール材16と同じ構成とし
た。
【0026】[実施例3]実施例3に係るシール材16
は、ベース部34と外端部35の接着面35A側一部
を、同一の加硫ゴムにて製造した。この際、繊維長5m
mのポリエステル繊維を混合し、引張強さを15〜20
MPa得られるものとした。外端部35については、前
記加硫ゴム層Aの上に、水膨張ゴム層36を設けた構造
とした。さらに、凹溝21への取り付け性を良くするた
めベース部34と外端部35の接合部に角度を付けた。
水膨張ゴムは、引張強さ5〜10MPa、伸び700
%、膨張倍率2倍の加硫水膨張性ゴムとした。図7を用
いて説明すると、ベース部34の幅W3を40mm、外
端部35の接着面35Aの幅W4を10mm、外端部3
5における加硫ゴム層Aの厚さT3を2mm、外端部3
5全体の厚さT4を10mmとし、加硫ゴム層Aの屈曲
角度R1を140°とした。
【0027】[比較例1]図11に示される従来のシー
ル材54は、同図中上下方向の幅W3が30mmで厚さ
T2が5mmとなる発泡ゴムにより構成した。
【0028】[比較例2]図12に示される従来のシー
ル材54は、同図中上下方向の幅W4及び厚さT2が共
に10mmとなる加硫した水膨張性ゴムにより構成し
た。
【0029】前記耐水圧試験治具37は、図8〜図10
に示されるように、第1の端部領域12A,12Aが形
成された第1の治具37Aと、第2の端部領域12B,
12Bが形成されるとともに、それら各突起29,29
を第1の治具37Aの凹溝21,21に係脱可能に移動
可能な第2の治具37Bとを備えている。これら第1及
び第2の治具37A,37Bは、凹溝21,21及び突
起29,29の係合状態で、二箇所の第1及び第2の端
部領域12A,12B、12A,12Bの間に貯水部3
9を形成可能に設けられている。
【0030】第1の治具37Aにおける第1の端部領域
12Aについては、凹溝21の曲率半径を22mmにす
るとともに、図3に示されるように、第1の端面23と
凹溝21の湾曲面21Bの最深部との同図中左右方向の
距離D1を9mmとした。一方、第2の治具37Bにお
ける第2の端部領域12Bについては、突起29の半径
を18mmにするとともに、図3に示されるように、突
起29の基端29Aと内周面27との同図中左右方向の
距離D2及び同図中上下方向の距離D3をそれぞれ2m
m,17mmとした。
【0031】本耐水性試験は、第1及び第2の端部領域
12A,12B間に前記実施例1〜3のシール材16及
び比較例1,2のシール材54を介装した状態で、貯水
部39の水圧を、0.1MPa、0.2MPa、0.3
MPa、0.4MPa、及び0.5MPaの五種類に設
定して止水の有無をそれぞれ調査したものである。ここ
で、以上の試験について、第1及び第2の端面23,3
1の外側間の距離すなわち試験治具開きL(図8参照)
を8mm、11mm、13mmとした場合について行っ
た。なお、試験治具開きLが11mm、13mmの場合
は、第1及び第2の端部領域12A,12Bに目開きが
生じた場合を想定したものである。また、試験治具開き
Lが13mmの場合については、前記実施例3に係るシ
ール材16及び比較例2に係るシール材54の二種類の
み行ったが、この場合、シール材16,54を膨張させ
た後で試験を行った。
【0032】以上の試験の結果は次の通りである。
【0033】
【表1】
【0034】この試験において、実施例1〜3の結果と
比較例1、2の結果を比較すると、試験治具の開きLが
8mmの場合では止水性に差が出なかったが、試験治具
開きLが11mmの場合、比較例1は水圧0.1MPa
で漏水し、比較例2でも水圧0.2MPaまでしか止水
できなかったのに対し、実施例1〜3では、全てのケー
スで水圧0.5MPaまで止水できた。このことから、
実施例1〜3の方が、動きが生じた場合の止水性が良好
であることが確認された。また、目開きが13mmの場
合では、シール材膨張後における止水性を試験したが、
比較例2では、水圧0.1MPaまでしか止水できなか
ったのに対し、実施例3では水圧0.5MPaまで止水
できた。
【0035】従って、以上の試験結果によれば、本実施
例の止水構造は、図11及び図12に示される従来の止
水構造よりも、各端部領域12A,12B間の目開きに
対して高い止水効果を備えていることが明らかに理解で
きるであろう。
【0036】なお、本発明は、シールド(トンネル)全
体の直径がせいぜい3m程度までの通称ミニシールドと
呼ばれるものに対して有効に適用することができる。従
って、本発明は、自動車や電車が通れるような大きなシ
ールドには不向きとなる。なお、本発明が実際に適用さ
れるシールドは、例えば、 外径:1140mm 内径:1000mm 桁(厚さ):70mmである。従って、70mmの中に
凹部及び凸部があり、凹溝21(凹部)の曲率半径Rは
22mm、突起29(凸部)の曲率半径はR18mmに
設定される。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シール材を、セグメントの各端部領域間に介装した状態
で位置ずれを防止可能な形状としたから、各セグメント
の接合部分に動きが生じた場合であっても、シール材を
所定の位置に拘束させることができ、前記接合部分にお
ける止水効果を高めることができる。
【0038】また、前記シール材を各端部領域の相対移
動に追従可能な弾性材料によって形成したから、前記接
合部分における止水効果を一層高めることができる。
【0039】また、その一部又は全部を水膨張性ゴムで
構成したから、弾性材料として天然ゴムや合成ゴムなど
のゴム素材と組み合わせて使用する場合に一層高い止水
性を得ることができる。
【0040】また、前記凹部及び凸部を係合したときに
作用する圧縮力に対する補強構造をベース部に備えたか
ら、凹部及び凸部の挟み込みによるベース部の破断を防
止することができ、ベース部の薄肉化を促進して凹部及
び凸部を係合させ易くすることができる。
【0041】更に、前記ベース部を、略一定の肉厚の片
状に設ける一方、前記外端部を、前記ベース部の幅方向
両端側に連なって当該ベース部よりも肉厚となる隆起状
に設けたから、シール材を一層強固に拘束することがで
き、各端部領域間における漏水を発生させ難くすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例におけるセグメントの止水構造が適用
されたトンネル壁部分の概略断面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】セグメントの各端部領域のみを示した図2と同
様の拡大図。
【図4】シール材の拡大断面図。
【図5】シール材の部分拡大斜視図。
【図6】図2の一部要素を分解した拡大図。
【図7】変形例に係るシール材の拡大断面図。
【図8】本実施例の効果を確認するための試験装置を概
略的に示した断面図。
【図9】実施例に係るシール材を前記試験装置に介装し
た状態を示す図8と同様の断面図。
【図10】従来例に係るシール材を前記試験装置に介装
した状態を示す図8と同様の断面図。
【図11】従来の止水構造に係るセグメントの接合部分
を示す断面図。
【図12】従来の他の止水構造に係るセグメントの接合
部分を示す断面図。
【符号の説明】
11 セグメント 11A 第1のセグメント 11B 第2のセグメント 12 端部領域 12A 第1の端部領域 12B 第2の端部領域 16 シール材 21 凹溝(凹部) 29 突起(凸部) 34 ベース部 35 外端部 S 隙間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部領域に凹部が形成された第1のセグ
    メントと、前記凹部に係合する凸部が端部領域に形成さ
    れた第2のセグメントと、前記凹部及び凸部を係合した
    状態で、前記各端部領域間に生ずる隙間に介装されるシ
    ール材とからなるセグメントの止水構造において、 前記シール材は、その位置ずれを防止可能な形状に設け
    られていることを特徴とするセグメントの止水構造。
  2. 【請求項2】 前記シール材は、前記各端部領域の相対
    移動に追従可能な弾性材料によって形成されていること
    を特徴とする請求項1記載のセグメントの止水構造。
  3. 【請求項3】 前記シール材は、天然ゴム或いは合成ゴ
    ムから選択された一種以上のゴム又はブレンドゴムを含
    んで構成されていることを特徴とする請求項1記載のセ
    グメントの止水構造。
  4. 【請求項4】 前記シール材は、その一部又は全部が水
    膨張性ゴムで構成されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載のセグメントの止水構造。
  5. 【請求項5】 前記シール材は、前記凹部及び凸部の間
    に挟み込まれるベース部と、このベース部に連なって前
    記凹部及び凸部の外側に位置する外端部とにより構成さ
    れ、 前記ベース部は、前記凹部及び凸部を係合したときに作
    用する圧縮力に対する補強構造を備えたことを特徴とす
    る請求項1〜4の何れかに記載のセグメントの止水構
    造。
  6. 【請求項6】 前記ベース部は、略一定の肉厚の片状に
    設けられる一方、前記外端部は、前記ベース部の幅方向
    両端側に連なって当該ベース部よりも肉厚となる隆起状
    に設けられることを特徴とする請求項5記載のセグメン
    トの止水構造。
JP2001138224A 2001-05-09 2001-05-09 セグメントの止水構造 Withdrawn JP2002332799A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101027143B1 (ko) * 2008-06-20 2011-04-05 박정규 방수부재 및 이를 이용한 방수구조물, 방수공법
CN104763448A (zh) * 2013-07-04 2015-07-08 浙江海洋学院 一种改良结构的衬砌支护装置

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