JP2001020692A - 地下構造物における継ぎ目の止水方法および止水構造 - Google Patents

地下構造物における継ぎ目の止水方法および止水構造

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JP2001020692A
JP2001020692A JP11189731A JP18973199A JP2001020692A JP 2001020692 A JP2001020692 A JP 2001020692A JP 11189731 A JP11189731 A JP 11189731A JP 18973199 A JP18973199 A JP 18973199A JP 2001020692 A JP2001020692 A JP 2001020692A
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stopping
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cut
swellable clay
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JP11189731A
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English (en)
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Tadao Yamakawa
忠雄 山川
Masaharu Hara
正春 原
Kazunori Hanami
和則 花見
Atsushi Takeda
惇 竹田
Tetsuya Wada
哲也 和田
Yoshiharu Ichino
義治 市野
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Kandenko Co Ltd
Maeda Corp
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Kandenko Co Ltd
Maeda Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コーナー部や接合部の追従性が良く、長期的
に劣化や変性がなく、信頼性の高い地下構造物における
継ぎ目の止水方法及び止水構造を提供する。 【解決手段】 所定部材2を組み合わせて構築される地
下構造物1の継ぎ目5の止水方法であって、継ぎ目5の
少なくとも一個所に、内部に芯材7を有し、表面が粘着
性を有する水膨潤性粘土組成物止水材を配置し、その後
当該一方の部材の継手面と隣接して組み合わせられる他
方の部材の継手面とを引き締めることにより、水膨潤性
止水材が継手面間に圧着され止水するとともに、継ぎ目
に目開きが生じた際には、前記水膨潤性止水材の復元力
と膨潤により止水する。継ぎ目5の止水構造体は継手面
の止水材設置部4に、外側に水膨潤性粘土組成物6と内
部に復元力を有する芯材7とを備えてなる止水材を挟持
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下構造物におけ
る継ぎ目の止水方法および止水構造に関し、特に、信頼
性および耐久性に優れた地下構造物の継ぎ目の止水方法
および止水構造に関し、より詳しくは、電力、電信ケー
ブル管路又は下水道管路等のトンネル、およびそれに付
随して建設される立抗等の部材を組み合わせて構築され
る地下構造物の継ぎ目の漏水防止のために用いられる止
水方法および止水構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、構成部材を組み合わせて構築され
る地下構造物の継ぎ目の止水は、以下に示す方法などに
よって行われてきた。 (1)水膨張ゴム製の止水材を継ぎ目に挟み込む方法。 (2)アスファルトや未加硫ブチルゴム製の止水材を継
ぎ目に挟み込む方法。 (3)地下構造物の内側あるいは外側に止水材の防水膜
を敷設する方法。 近年、これらのうち施工性や止水性能の面から(1)の
方法が多用されている。この方法に用いられる水膨張ゴ
ム製止水材は、高吸水性ポリマー等の水膨張性樹脂と合
成ゴムを加硫成形させた定形止水材で、施工に際し、接
着剤を用い、構成部材の継手面に貼付け施工される。当
該継手面に貼り付けられた水膨張ゴム製止水材は、施工
時の構成部材組立の際に、ボルトの締め付け力により圧
縮され、弾性反発力によるパッキング効果によって止水
を行う。また、供用時に継ぎ目に目開きが生じ、弾性反
発力が低下しても、水を吸収すると自己膨張し、それに
伴う膨張圧により止水を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の水膨張ゴ
ム止水材は、弾性反発力と膨張圧力の組合せにより止水
効果が得られるものであるため、比較的硬い物性にする
必要があり、構成部材のコーナー部や止水材の接合部の
追従性が悪く、漏水の原因となった。また、長期的な応
力緩和に伴う弾性反発力および膨張圧力の低下、あるい
は吸水乾燥の繰り返しによる水膨張性の低下等から止水
機能が低下するおそれがあった。さらに、有機系の水膨
張性樹脂は、劣化や変性の可能性が考えられるため、耐
久性に問題があった。また、(2)の方法に用いられる
アスファルトや未加硫ブチルゴム製の止水材は、柔軟性
および自己粘着性を有するため上記コーナー部や接合部
の追従性に優れるが、継ぎ目に目開きが生じた際は、止
水機能が極端に低下する問題があった。さらに、圧縮力
や水圧を繰り返し受けることにより、過度の塑性変形を
起こし、止水機能が低下する問題があった。また、
(3)の方法においては、工事費用が高く、施工の際非
常に手間が掛かるという問題があった。さらに、地下構
造物の内側あるいは外側に止水材の防水膜を敷設する作
業空間が必要なため、施工できる地下構造物は、非常に
限られたものであった。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、コーナー部や接合部の追従性が良く、継ぎ目
に目開きが生じても止水機能が低下せず確実に止水がな
されるとともに、長期的に劣化や変性がなく、信頼性の
高い地下構造物における継ぎ目の止水方法及び止水構造
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
に鑑みてなされたものであって、(1)所定部材を組み
合わせて構築される地下構造物の継ぎ目の止水方法であ
って、前記部材の継ぎ目の少なくとも一個所に、内部に
芯材を有し、表面が粘着性を有する水膨潤性粘土組成物
止水材を配置し、その後当該一方の部材の継手面と隣接
して組み合わせられる他方の部材の継手面とを引き締め
ることにより、前記水膨潤性止水材が継手面間に圧着さ
れ止水するとともに、当該継ぎ目に目開きが生じた際に
は、前記水膨潤性止水材の復元力と膨潤により止水する
ことを特徴とする地下構造物の継ぎ目の止水方法、
(2)上記粘着性を有する水膨潤性粘土組成物は、一方
の粘着性を有する面を保護膜で被覆されており、当該被
覆面と反対側の粘着性を有する面を前記部材の止水材設
置部に押し付けて、自己粘着力により設置され、当該部
材と後続の部材を組み合わせる直前に前記保護膜を取り
除き、その後それぞれの継手面を引き締めることにより
止水することを特徴とする(1)項記載の地下構造物の
継ぎ目の止水方法、(3)一方の構成部材と他方の構成
部材との間の継手面の止水をなす地下構造物における継
ぎ目の止水構造体であって、前記継手面の止水材設置部
に、外側に粘着性を有する水膨潤性粘土組成物と内部に
形状保持力による復元力を有する芯材とを備えてなる止
水材を挟持してなることを特徴とする地下構造物の継ぎ
目の止水構造体、(4)前記止水材は、粘着性を有する
水膨潤性粘土組成物と、形状保持力による復元力を有す
る芯材とから構成され、前記水膨潤性粘土組成物は、水
膨潤性粘土と粘着性物質を含む組成物から成形して成
り、前記芯材は、繊維状物質、またはゴム弾性物質から
成形してなることを特徴とする(3)項記載の地下構造
物の継ぎ目の止水構造体、及び(5)前記水膨潤性粘土
がベントナイトであることを特徴とする(3)または
(4)項記載の地下構造物の継ぎ目の止水構造体を提供
するものである。
【0006】本発明によれば、地下構造物の継ぎ目に侵
入してきた水分は、前記の止水材の持つ優れた追従性と
粘着性により、ここから内側への侵入が遮断され止水が
なされる。また、地下構造物の変動により継ぎ目に目開
き等の間隙が生じた場合においても、弾性芯材の復元
力、保持力により止水材はその形を維持し崩壊すること
がなく、侵入してきた水分は、止水材中の水膨潤性粘土
に吸収され、水膨潤性粘土が膨潤し、間隙を閉塞するこ
とにより止水がなされるため止水機能が低下しない。ま
た、長期的に止水材に亀裂等が生じても、吸水膨潤する
ことにより、自己シールし、止水機能は低下しない。更
に、本発明の止水構造に用いられる水膨潤性粘土組成物
は、劣化や腐敗が起こらないので長期的に安定で、吸水
と乾燥の繰り返しによっても膨潤性が低下せず、耐久性
に優れるなどの利点を有している。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
しく説明する。図1は、本発明の地下構造物における継
ぎ目の止水構造の一例を上方から見た断面図である。図
1において、符合1は、地下構造物を示し、符号2は、
構成部材を示している。また、図1においては、地下構
造物の外部を符号8で示し、地下構造物の内部を符号9
で示している。
【0008】構成部材2の間の継ぎ目5には、粘着性を
有する水膨潤性粘土組成物6と芯材7からなる止水部が
形成されている。水膨潤性粘土組成物6は、継手板3の
止水材設置部4と接する位置に設けられ、ボルト10お
よびナット11を締め付けることにより、継手板3の間
に挟持されている。なお、ボルトおよびナットは、ばね
鋼製のクリップ等を用いる場合もある。芯材7は、図1
に示す様に水膨潤性粘土組成物6と面で接し、一体化さ
れるものの他、繊維状物質を用いた場合は、当該繊維間
に水膨潤性粘土組成物が含浸され、一体化されるような
ものも用いることができる。この場合、芯材7の内部に
導水部となり得る連続した空隙が存在しないように、水
膨潤性粘土組成物が十分含浸されるようにすることが必
要である。
【0009】粘着性を有する水膨潤性粘土組成物を形成
する水膨潤性粘土組成物に用いられる水膨潤性粘土は、
天然又は合成の水膨潤性を有する粘土から選ばれる少な
くとも1種の粘土を使用することが出来る。この様な粘
土としては、未変性のものでも変性したものでもよい
が、ベントナイト等のスメクタイト系粘土及び水膨潤性
雲母から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの
内、ベントナイトは、シールドトンネル工法やボウリン
グ、地中連続壁工法等の材料として実績があり、安定性
に優れ、廉価であるため、特に好ましい粘土である。本
発明に用いられる水膨潤性粘土においては、前記粘土か
ら選ばれる1種の粘土を単独で、又は2種以上の粘土を
用いることができる。
【0010】上記組成物の一成分である粘着性物質とし
ては、未加硫ゴム、樹脂、ワックスおよびアスファルト
等が挙げられる。具体的には、未加硫ブチルゴム、石油
ワックス、ポリブテン、ゴム化アスファルト等を挙げる
ことができ、粘着性を有し、水膨潤性粘土と混合するこ
とにより、粘着性を有し、且つ水膨潤性を有する均一な
水膨潤性粘土組成物を得られるものであれば特に限定さ
れない。
【0011】上記組成物は、上記水膨潤性粘土及び上記
未加硫ゴム、樹脂、ワックス、アスファルト又はこれら
の混合物等の粘着性物質を含むものであるが、両者の配
合割合は、好ましくは上記水膨潤性粘土が20〜90重
量%であり、より好ましくは30〜80重量%であり、
上記粘着性物質は10〜80重量%であることが好まし
く、より好ましくは20〜70重量%、特に好ましくは
40〜70重量%である。水膨潤性粘土が多すぎると、
組成物が必要な粘着性を保つことができなくなり、少な
すぎると、十分な止水効果が発揮できにくくなり好まし
くない。
【0012】上記組成物は、上記水膨潤性粘土及び上記
未加硫ゴム、樹脂、ワックス、アスファルト又はこれら
の混合物を、好ましくは上記の混合割合になるように、
配合することにより得られるが、上記未加硫ゴム、樹
脂、ワックス、アスファルト又はこれらの混合物が溶融
する温度以上の温度で、均一に分散するように配合物を
充分に混合するのが好ましい。又、上記組成物は、その
性状を改善するために、更に必要に応じて従来止水材に
用いられている各種添加物質を任意成分として配合する
ことができる。この添加物質としては、例えば軟化剤
(軟化性を増すことにより粘着性を付与することがで
き、例えば鉱油、合成油、脂肪性油等が挙げられ
る。)、安定剤(例えば界面活性剤、アミン、フェノー
ル類等)、酸化防止剤、着色剤、充填剤などを挙げるこ
とができる。
【0013】更に、上記組成物は必要に応じて弾性付与
剤としてゴムを任意成分として配合することができる。
ゴムとしては天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴ
ム(SBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EP
DM)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム
(CR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NB
R、NIR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)等が挙げられる。これらのうち好ましいものとして
は、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチ
ルゴム、ニトリルゴムが挙げられる。本発明に用いられ
る水膨潤性粘土組成物の硬度は、施工時に耐えられる強
度及び圧縮時に継ぎ目外部へ押し出されてしまわない程
度の強度を有するものであればよく、ちょう度(JIS
K 2220)で10〜200°が好ましく、50〜
150°がより好ましい。硬度が高すぎると、粘着性の
悪化や追従性の不足等の問題が生じ、また、硬度が高く
圧縮されにくいものは、構成部材の組立精度に悪影響を
与えることになり好ましくない。本発明の水膨潤性粘土
組成物を製造するにあたり、各成分を添加、混合するに
ついての順序、方法については特に制限はない。
【0014】本発明に用いられる芯材としては形状保持
力により復元力を有するものであればよく、例えば、弾
力性ないしは可撓性を有するものが好ましく、弾力性を
有するものがより好ましい。また、芯材は、層状で用い
ても、水膨潤性粘土組成物を含浸し一体化させた状態で
用いてもよい。芯材を形成するものとしては、例えば、
繊維状物質またはゴム弾性物質(スポンジを含む)が挙
げられる。繊維状物質としては、不織布、織布、メッシ
ュ等を用いることができ、水膨潤性粘土組成物との一体
化が可能で、施工時や供用時に耐えられる強度を有して
いるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエ
ステル製不織布を使用することができる。また、ゴム弾
性物質としては、各種の加硫ゴムやポリウレタン等の成
形品を用いることができ、特に限定されない。
【0015】本発明の地下構造物の継ぎ目の止水構造に
おいて、上記水膨潤性粘土組成物および芯材は成形さ
れ、定形止水材として使用されるが、この成形法として
は、従来止水材の成形に通常用いられている方法、例え
ば押出成型法、プレス成形法等を用いることができる。
又、この様に製造される止水材の形状は任意であるが、
前記構成部材の継手面に設けた止水材設置部と水膨潤性
組成物が接することを前提とし、十分な止水性能が確保
される形状を選択するとともに、施工に支障をきたさな
い最適な形状を選択するのが好ましい。また、成形後の
止水材の粘着性を有する水膨潤性粘土組成物の一面は、
保護膜で被覆され、前記構成部材が組み合わされるまで
の間保護されていることが好ましい。
【0016】本発明の地下構造物の継ぎ目の止水構造
は、上記のようにして水膨潤性粘土組成物および芯材を
成形し、ついでその止水材を一方の構成部材の止水材設
置部に貼り付け、その後他方の構成部材を組み合わせ、
それぞれの継手面を引き締めることにより得られるが、
貼り付け作業を行う際には、前記保護膜で被覆されてい
る面と反対側に位置する面、つまり、粘着性を有する水
膨張性粘土組成物が露出している面を前記止水材設置部
に押し付け、自己粘着力により設置を行うことが好まし
い。その後、構成部材を設置する直前に、前記保護膜を
取り除き、止水材が圧縮されることにより、止水材表面
の粘着力を損ねることがなく、また、止水材の粘着性が
作業上悪影響を及ぼすことを防ぐことが可能である。当
該保護膜としては、シリコーン加工を施した剥離紙や樹
脂製のフィルム等粘着物質の剥離材として通常使用され
るものを用いることができ、特に限定されない。
【0017】本発明の地下構造物における継ぎ目の止水
構造においては、継ぎ目5を侵入してきた水分は、構成
部材継手板3の止水材設置部4に設置された水膨潤性粘
土組成物6および芯材7から構成される止水材の持つ優
れた追従性、粘着性によりここから内側への水の侵入が
遮断され、止水がなされる。また、地下構造物の変動等
により二次的に目開きが生じたとしても、水膨潤性粘土
が膨潤し、間隙を閉塞することにより、止水がなされ
る。また、前記芯材7を備えることにより、圧縮力や水
圧を繰り返し受けても過度の塑性変形をおこし、止水性
能が低下することがない。さらに、前記水膨潤性粘土組
成物は、吸水性材料が無機の水膨潤性粘土であるため劣
化する事がなく、たとえ長期的に止水材に亀裂等が生じ
たとしても、自己シールすることにより、止水機能は低
下しない。さらにまた、水膨潤性粘土組成物および芯材
が安価であり、止水構造の施工が容易であることから、
高い信頼性と優れた耐久性が得られ、トータルコストを
大幅に削減することが可能である。
【0018】図2ないし図7は、本発明の地下構造物に
おける継ぎ目の止水方法に用いられる止水材の断面を示
す斜視図の例であり、図示のような長方形の断面形状の
ものの他、正方形、三角形、台形、半円形等の何れの断
面形状でもよく、状況に合わせて適宜最適な形状の断面
を選択することができる。図2は、二層の粘着性を有す
る水膨潤性粘土組成物6の間に芯材7を設けた場合の具
体的一例を示すものであり、前記水膨潤性粘土組成物6
の一方の面に保護膜12を被覆してある。この保護膜1
2は、例えば当該止水材が梱包され運搬等される時や施
工時に止水材の粘着性が作業性を悪くすることを防ぐと
ともに、止水材を保護し、止水性能が低下するのを防ぐ
ために有効であり、構成部材が組み合わせられる直前に
取り除かれる。
【0019】図3は、粘着性を有する水膨潤性粘土組成
物6の中心に芯材7を設けた場合の具体的一例を示すも
のであり、一面に保護膜12を被覆してある。図4は、
二層の粘着性を有する水膨潤性粘土組成物6の間に芯材
7を設けた場合の具体的一例を示すものであり、各層と
直角に位置する一面に保護膜12を被覆してある。図5
ないし図6は、粘着性を有する水膨潤性粘土組成物6が
凸部を持って成形された芯材7の凹部を埋めるように一
体化された場合の具体的一例を示すものであり、一面に
保護膜12を被覆してある。図7は、粘着性を有する水
膨潤性粘土組成物6が繊維状の芯材7に含浸され一体化
された場合の具体的一例を示すものであり、一面に保護
膜12を被覆してある。
【0020】これらの粘着性を有する水膨潤性粘土組成
物と芯材とからなる止水材は、地下構造物を構築する構
成部材の継手板に設けられた止水材設置部に圧着され、
その後、継手板がボルト等により引き締められることに
より、粘着性と追従性により止水するとともに、継手板
の間の継ぎ目に目開き等が発生した場合は、芯材の復元
力と、水膨潤性粘土組成物が膨潤し、間隙を閉塞するこ
とにより、確実に止水することができる(自己シー
ル)。また、前記止水材は、芯材を有する効果により、
水圧や圧縮力を繰り返し受けても過度な塑性変形を起こ
すことがなく、止水効果が低下しない。またさらに、前
記水膨潤性粘土組成物が主要成分である膨潤性粘土は、
例えばベントナイトのように、無機の鉱物であり、耐久
性に優れることから、信頼性の高い止水効果を長期的に
得られるとともに、安価であることから経済性にも優れ
る。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (実施例1)以下に示す地下構造物について本発明の止
水方法により止水構造を設けた。 構造物:電力管路 工法:泥土加圧式シールド工法 土被り:7〜11m 最大水圧:約1.2kgf/cm トンネル内径:1.7m トンネル外径:1.84m 本実施例における止水は、下記表1に示す構成部材、ボ
ルト及び止水材を用い、以下のようにして実施した。
【0022】
【表1】
【0023】加熱溶融したアスファルト70部、プロセ
スオイル20部及びスチレンブタジエンゴム10部を撹
拌しながら、ベントナイト100部を加え、均一に混合
し、水膨潤性粘土組成物6を得た。芯材7として目付重
量100g/mのポリエステル製不織布を用い、これ
に前記溶融した組成物を含浸させ、厚さ1.5mmに調
製し、片面に保護膜12として剥離紙を貼り合わせ冷却
した後、幅70mmに裁断を行い図7に示す止水材を作
製した。この止水材を構成部材の継手面に押し付けて、
自己粘着力により設置させ、剥離紙を取り除いた後、当
該構成部材の継手板3と後続の構成部材の継手板3を組
み付け、ボルト10及びナット11を3,000kg/
cmのトルクで締め付けることにより前記止水材を圧縮
し、図1に示す止水構造体を得た。
【0024】前記止水材は、貼付け作業に際し、剥離紙
で保護されているため、手にべた付くことがなく貼り付
けることができ、作業性を低下させることがなかった。
また、前記止水材は、構成部材のコーナー部においても
柔軟に追従し、さらに、止水材同士の接合部は、止水材
の水膨潤性粘土組成物を手でならすことにより、容易に
一体化し、漏水の原因となる間隙を生じることがなかっ
た。この止水構造体は、設置直後から優れた水密性によ
り漏水することがなく、その後、工事中に構成部材を変
動させて、目開きを平均1mm増加させたが、水膨潤性
粘土組成物の膨潤により間隙を閉塞し、漏水が発生する
ことはなかった。
【0025】(比較例1)実施例1で使用した止水材に
かえて、未加硫ブチルゴム製止水材(幅30mm×厚さ
5mm)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして止
水構造体を得た。この構造体は、設置直後、ボルト及び
ナットの締め付けにより前記ブチルゴム製止水材の大部
分が塑性変形を起こし、継ぎ目外部へ押し出されてしま
った。その後、工事中に構成部材を変動させて、目開き
を増加させた際には、継ぎ目に水みちが生じ、漏水が発
生した。また、漏水量は、時間の経過とともに増大し
た。
【0026】(比較例2)実施例1で使用した止水材に
かえて、水膨張ゴム製止水材(幅25mm×厚さ4m
m)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして止水構
造体を得た。前記水膨張ゴム止水材は、貼付け作業に際
し、接着剤を用いて構成部材に貼り付けられたが、構成
部材コーナー部においては、追従することができず、隙
間が生じた。また、ボルト及びナットの締め付けによっ
ても十分に圧縮することができず、構成部材の組立性が
悪く、組立精度に悪影響を与えた。さらに、設置直後に
は、構成部材コーナー部より多量の漏水が生じた。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の地下構造
物における継ぎ目の止水方法および止水構造は、水密性
と粘着性に優れ、施工時の追従性に優れ、施工後に地下
構造物の変動があり、地下構造物の継ぎ目に目開き等の
間隙が生じたとしても、膨潤による追従性・充填性によ
り間隙を閉塞し、また、止水材に亀裂等が生じたとして
も自己シールすることにより止水機能が低下しないなど
優れた止水効果を発揮する。さらに、本発明の止水構造
における水膨潤性粘土組成物は、劣化や腐敗が起こらな
いので長期的に安定で、吸水と乾燥の繰り返しによって
も膨潤性が低下しないため耐久性に優れるなど、優れた
性能を有する。したがって、本発明の止水方法によれ
ば、継ぎ目の止水材設置部に溝等を設ける必要がなく、
地下構造物の継ぎ目に侵入してきた水分は、施工時から
止水材より内側への侵入を遮断されるとともに、止水材
の膨潤性による追従性、充填性等の効果により、地下構
造物の継ぎ目に目開きが生じたとしても止水機能が低下
せず確実に止水がなされるとともに、長期的に安定で劣
化や変性に伴う止水機能の低下もなく、信頼性の高い止
水工法を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地下構造物における継ぎ目の止水構造
の一例を上方から見た断面図である。
【図2】保護膜を被覆した本発明の止水構造における水
膨潤性粘土組成物と芯材とからなる止水材の断面を示す
斜視図である。
【図3】保護膜を被覆した本発明の止水構造における水
膨潤性粘土組成物と芯材とからなる止水材の断面を示す
斜視図である。
【図4】保護膜を被覆した本発明の止水構造における水
膨潤性粘土組成物と芯材とからなる止水材の断面を示す
斜視図である。
【図5】保護膜を被覆した本発明の止水構造における水
膨潤性粘土組成物と芯材とからなる止水材の断面を示す
斜視図である。
【図6】保護膜を被覆した本発明の止水構造における水
膨潤性粘土組成物と芯材とからなる止水材の断面を示す
斜視図である。
【図7】保護膜を被覆した本発明の止水構造における水
膨潤性粘土組成物と芯材とからなる止水材の断面を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 地下構造物 2 構成部材 3 継手板 4 止水材設置部 5 継ぎ目 6 水膨潤性粘土組成物 7 芯材 8 地下構造物の外部 9 地下構造物の内部 10 ボルト 11 ナット 12 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 忠雄 東京都千代田区富士見2丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 原 正春 東京都千代田区富士見2丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 花見 和則 東京都港区芝公園2丁目2番4号 東京電 力株式会社銀座支店内 (72)発明者 竹田 惇 東京都港区芝公園2丁目2番4号 東京電 力株式会社銀座支店内 (72)発明者 和田 哲也 東京都港区芝公園2丁目2番4号 東京電 力株式会社銀座支店内 (72)発明者 市野 義治 東京都港区芝浦4丁目8番33号 株式会社 関電工技術研究所内 Fターム(参考) 2D055 AA04 AA05 GC09 KB14 2E001 DA01 DA05 FA29 FA51 GA10 GA12 GA24 GA27 GA28 GA32 GA42 GA47 GA52 HB02 HD11 HE01 HF01 JD02 JD08 JD09 LA01 LA06 LA17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定部材を組み合わせて構築される地下
    構造物の継ぎ目の止水方法であって、前記部材の継ぎ目
    の少なくとも一個所に、内部に芯材を有し、表面が粘着
    性を有する水膨潤性粘土組成物止水材を配置し、その後
    当該一方の部材の継手面と隣接して組み合わせられる他
    方の部材の継手面とを引き締めることにより、前記水膨
    潤性止水材が継手面間に圧着され止水するとともに、当
    該継ぎ目に目開きが生じた際には、前記水膨潤性止水材
    の復元力と膨潤により止水することを特徴とする地下構
    造物の継ぎ目の止水方法。
  2. 【請求項2】 上記粘着性を有する水膨潤性粘土組成物
    は、一方の粘着性を有する面を保護膜で被覆されてお
    り、当該被覆面と反対側の粘着性を有する面を前記部材
    の止水材設置部に押し付けて、自己粘着力により設置さ
    れ、当該部材と後続の部材を組み合わせる直前に前記保
    護膜を取り除き、その後それぞれの継手面を引き締める
    ことにより止水することを特徴とする請求項1記載の地
    下構造物の継ぎ目の止水方法。
  3. 【請求項3】 一方の構成部材と他方の構成部材との間
    の継手面の止水をなす地下構造物における継ぎ目の止水
    構造体であって、前記継手面の止水材設置部に、外側に
    粘着性を有する水膨潤性粘土組成物と内部に形状保持力
    による復元力を有する芯材とを備えてなる止水材を挟持
    してなることを特徴とする地下構造物の継ぎ目の止水構
    造体。
  4. 【請求項4】 前記止水材は、粘着性を有する水膨潤性
    粘土組成物と、形状保持力による復元力を有する芯材と
    から構成され、前記水膨潤性粘土組成物は、水膨潤性粘
    土と粘着性物質を含む組成物から成形して成り、前記芯
    材は、繊維状物質、またはゴム弾性物質から成形してな
    ることを特徴とする請求項3記載の地下構造物の継ぎ目
    の止水構造体。
  5. 【請求項5】 前記水膨潤性粘土がベントナイトである
    ことを特徴とする請求項3または4記載の地下構造物の
    継ぎ目の止水構造体。
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