JP3384752B2 - ゴムガスケットとそれを用いた地中トンネルの立坑坑口部の接合構造 - Google Patents

ゴムガスケットとそれを用いた地中トンネルの立坑坑口部の接合構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シールド工法に
て施工される地中トンネルの、発進、中間および到達位
置などに設けられた立坑と、当該立坑の躯体の内側へ突
出させた地中トンネルの坑口部との間を止水するための
ゴムガスケットと、当該ゴムガスケットを用いた、地中
トンネルの立坑坑口部の接合構造とに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、とくに軟弱地盤での地中トンネル
の施工に、シールド工法が広く行われている。シールド
工法においては、まずその発進位置と到達位置に、ある
いは両位置とその中間の位置にそれぞれ立坑を構築し、
このうち発進立坑から到達立坑へ向けてシールド機で地
山を掘削しながら、シールド機内で次々にセグメントを
組み立てて連結することで地中トンネルが構築される。
【0003】上記のようなシールド工法にて施工される
地中トンネルにおいては近時、その免震化をはかるため
に、たとえば特許第2749718号公報にみるよう
に、地中トンネル外周に柔らかい免震層を形成して、周
辺地盤との間を絶縁するなどの技術が進展している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】立坑と、当該立坑の躯
体の内側へ突出させた地中トンネルの坑口部との間も、
上記の免震層を挟むことによって、振動に対して絶縁さ
れるが、かかる免震層だけでは両者の隙間を確実に止水
できず、この隙間から、立坑内に地下水が漏水すること
が懸念される。
【0005】そこで、上記のように免震層によって、振
動に対して絶縁された、立坑と、地中トンネルの坑口部
との間の隙間を、上記の絶縁状態を維持しつつ確実に止
水してやる必要がある。地中トンネルの坑口部の止水用
部材としては、たとえば特開平8−82188号公報、
特開平9−49391号公報などに開示されたゴム製の
薄板状のリングからなる、いわゆるエントランスパッキ
ンが一般に広く知られているが、かかるエントランスパ
ッキンは、地中トンネルの施工時に、シールド機などの
先導機器が立坑の仮壁を通過する際に、一次的に両者の
間を止水するためのものであって、施工後に要求される
ような永続的でかつほぼ完全な止水は不可能であり、地
山側から高圧の地下水圧が加えられると簡単に変形して
止水が破られるおそれがある。
【0006】地下水圧による変形を抑制して止水性を高
めるために、たとえばエントランスパッキンの厚みを大
きくしたり、その枚数を増したり、あるいはエントラン
スパッキンを構成するゴムの硬さを硬くしたりすること
も考えられる。しかし、エントランスパッキンとしての
本来の機能である、シールド機などの外形に応じて柔軟
に変形して、その通過を許容しつつ、当該シールド機な
どと立坑との間を止水することを考慮すると、上記の方
法による止水性向上の効果には自ずと限界が生じる。
【0007】そこで、地中トンネルの少なくとも坑口部
の施工後に、上記のエントランスパッキンのように水圧
によって簡単に変形するおそれのない断面形状、たとえ
ば断面矩形状を有するゴムガスケットを、上記坑口部
の、立坑の躯体の内側へ突出させた部分の外周面に沿っ
て周設した後、このゴムガスケットを、上記突出部分と
ともに、現場打設した坑口コンクリートで埋めて一体化
することが検討されている。
【0008】しかし発明者らが仔細に検討したところ、
上記のように断面矩形状を有するゴムガスケットを使用
した場合には、確かに水圧による変形こそ生じないもの
の、依然として止水が不十分であり、ゴムガスケットと
坑口コンクリートとの界面、ならびに坑口部の外周面
と、それに接するゴムガスケットの内側面との界面の僅
かな隙間(水みち)を通して地下水が漏出するおそれの
あることが判明した。
【0009】また、現在知られている手法の中で最も確
実な止水方法としては、立坑と、施工後の地中トンネル
の坑口部との間を、Ωジョイントなどと呼ばれる蛇腹状
のゴムジョイントを用いて封止する方法があるが、かか
るゴムジョイントは、上記のゴムガスケットに比べてそ
れ自体の形状、構造が複雑であり、しかも漏水を確実に
防止するためには、立坑や地中トンネルの坑口部に対す
る、ゴムジョイントの取り付けの構造も、水密性を高め
るために複雑でかつ大掛かりなものとなる上、長期間に
わたって止水を維持するためには頻繁な点検、補修、交
換を要するなどの取り扱い上の問題もあった。
【0010】この発明の目的は、ゴムジョイントのよう
に構造や取り扱いが複雑でなく、しかも立坑との接続部
である地中トンネルの坑口部の、立坑に対する自由動を
許容しつつ、施工後の立坑と坑口部との間を確実に止水
することのできる新規なゴムガスケットと、それを用い
た地中トンネルの立坑坑口部の接合構造とを提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者らは、ゴムガスケットの断面形状について検
討した。 その結果、ゴムガスケットの断面形状を、坑
口側が細くかつその反対の地山側が太い略楔形に形成す
ると、施工後のゴムガスケットに、地山側から高圧の地
下水圧が加えられた際に、当該ゴムガスケットが坑口側
へ向けて押圧され、それにともなってゴムガスケットの
内側面が地中トンネルの坑口部の外周面に、また上記内
側面と背向する外側面が坑口コンクリートに、それぞれ
圧接されるために、両界面での水みちが遮断されて、こ
れまでに比べてより一層、止水が確実になることが判明
した。
【0012】したがってこの発明のゴムガスケットは、
立坑と、当該立坑の躯体の内側へ突出させた地中トンネ
ルの坑口部との間を止水すべく、上記坑口部の、立坑の
躯体の内側へ突出させた部分の外周面に沿って周設され
るものであって、その断面形状が、坑口側が細くかつそ
の反対の地山側が太い略楔形に形成されていることを特
徴としている。
【0013】またこの発明の、地中トンネルの立坑坑口
部の接合構造は、立坑と、複数のセグメントにて構成さ
れた地中トンネルとの間を、上記地中トンネルの坑口部
の、立坑の躯体の内側へ突出させた部分の外周面に沿っ
て周設した、上記発明のゴムガスケットで止水する接合
構造であって、上記坑口部を構成する各セグメントの、
セグメント継手をシールするシール材と、上記ゴムガス
ケットとを接続して、この両者間をシールしたことを特
徴としている。
【0014】かかるこの発明の接合構造によれば、上記
のように坑口部を構成する各セグメントの、セグメント
継手をシールするシール材と、ゴムガスケットとを接続
してシールすることで、各セグメント間の、シール材の
外側の溝を通って立坑に向かう水を、かかる両者のシー
ルによって遮断できるため、さらに確実な止水が可能と
なる。
【0015】
【発明の実施の形態】まずこの発明のゴムガスケットに
ついて、その実施の形態の一例を示す図1(a)〜(c)ない
し図3(a)(b)を参照しつつ説明する。この例のゴムガス
ケット1は、図3(a)(b)にみるように、地中トンネル3
の坑口部を構成するセグメントリング31の、立坑4の
躯体41の内側へ突出させた部分の外周面31aに沿っ
て周設され、そして上記の突出部分とともに坑口コンク
リート6で埋めて固定されるものである。
【0016】なお図において符号7は、ゴムガスケット
1の、坑口3a側の端面1aを塞ぐ、リング状の部材で
ある。かかる部材7は、たとえばスペーサとして機能さ
せるために、スポンジゴムなどで形成される他、かかる
機能が要求されない場合は、坑口コンクリート6と一体
の薄いコンクリートの層にて形成することもできる。ま
た坑口コンクリート6の表面を、ゴムガスケット1の端
面1aと面一にして、上記の部材7を省略することもで
きる。
【0017】また、上記図中符号8は、地中トンネル3
と立坑4との間を振動に対して絶縁するために、当該地
中トンネル3の末端のテールボイド部にシリコーンゴム
などを注入して形成された免震層である。なお図示して
いないが、地中トンネル3の、上記免震層8を形成して
いない部分には、たとえば地山5の地質などに応じて、
水ガラスなどを裏込め材として注入しておくのがよい。
【0018】上記ゴムガスケット1は、図1(c)に見る
ようにその全体がリング状に形成されているとともに、
図中破線、ならびに図1(a)に示すように、その断面形
状が、坑口3a側の端面1aが細くかつその反対の地山
5側の端面1bが太い略楔形に形成されている。詳細に
は、地中トンネル3の坑口部を構成するセグメントリン
グ31の、立坑4の躯体41の内側へ突出させた部分の
外周面31aに沿う内側面(内周面)1cに対して、そ
れと背向する外側面(外周面)1dを、坑口3a側の端
面1a側が細く、かつその反対の地山5側の端面1b側
が太くなるように傾斜させることで、断面略楔形に形成
されている。
【0019】外側面1dをどの程度、傾斜させるかはと
くに限定されないが、内側面1cに対する外側面1dの
傾斜角度[図1(a)中のθ(°)]で表しておよそ10
°以上であるのが好ましい。傾斜角度θが上記の範囲未
満では、外側面1dの傾斜が緩くなりすぎて、前述し
た、地山5側から高圧の地下水圧が加えられて、ゴムガ
スケット1が坑口3a側へ向けて、図3(b)に黒矢印で
示すように押圧された際に、その内側面1cをセグメン
トリング31の外周面31aに、また外側面1dを坑口
コンクリート6に、それぞれ圧接させる圧接力[いずれ
も図3(b)に実線の矢印で示す]が不十分となって、両
界面S1、S2の水みちを十分に遮断できずに漏水が発
生するおそれがある。
【0020】また傾斜角度θは、上記の範囲内でもとく
に30°以下であるのが好ましい。傾斜角度がこの範囲
を超えた場合には、かえって楔の効果、つまり圧接力を
大きくする効果が減じて、両界面S1、S2の水みちを
十分に遮断できずに漏水が発生するおそれがある。なお
傾斜角度θは、上述した圧接力を大きくする効果を考慮
すると、上記の範囲内でもとくに15〜30°程度であ
るのがさらに好ましい。
【0021】上記ゴムガスケット1は、その全体が、加
硫性のゴム組成物を加硫して形成される。ゴム組成物と
しては、たとえば天然ゴムや、あるいは各種の合成ゴム
を主体とするものがいずれも使用可能である。上記ゴム
組成物を加硫して形成されるゴムガスケット1は、その
硬さがJISA硬さ、すなわちJIS K6301「加
硫ゴム試験方法」に規定されたA形スプリング式硬さで
表して20〜50°であるのが好ましい。
【0022】この値は、地下水圧による変形の防止を考
慮して、上記JIS A硬さで表して50〜60°程度
と比較的、硬めに設定されていた従来のゴムガスケット
に比べて小さく、ゴムガスケット1は、これまでよりも
柔軟で変形しやすいものとなる。そして、かかる柔軟で
変形しやすいゴムガスケット1は、地下水圧によって地
山側から押圧された際に、その押圧力によって、前述し
たようにその内側面1cがセグメントリング31の外周
面31aに、また外側面1dが坑口コンクリート6に、
それぞれ従来に比べて良好に圧接されるために、止水性
が向上するという利点がある。
【0023】なお、ゴムガスケット1の硬さが上記の範
囲を超えた場合には、上述した変形性、つまり歪みに対
する許容性が不足して、止水性が低下するおそれがあ
り、逆に上記の範囲未満では、引張強さなどが不足して
耐久性が低下するおそれがある。ゴムガスケット1の硬
さを上記の範囲に調整するには、従来同様にゴム組成物
に配合する可塑剤、補強剤、充てん剤などの配合量を調
整すればよい。
【0024】またゴムガスケット1には、振動に対する
絶縁性からの要請として、前記免震層8と同程度の硬さ
のレベルであることが求められ、また止水性からの要請
として、永久変形(へたり)の少ない硬さのレベルであ
ることが求められる。これらの要求をいずれも満足する
ためには、ゴムガスケット1の硬さは、前記の範囲内も
とくに20〜40°程度であるのが好ましい。
【0025】またリング状に形成されたこの例のゴムガ
スケット1は、セグメントリング31の、立坑4の躯体
41の内側へ突出させた部分の外周面31aに沿って周
設した際に、自重によって垂れ下がってその部分から漏
水するのを防止すべく、その内径を、上記セグメントリ
ング31の外径よりもわずかに小さく設定しておくのが
好ましい。
【0026】その具体的な割合についてはとくに限定さ
れないが、たとえば図2に示すように、多数のセグメン
ト311…を組み立てて形成された、断面円形のセグメ
ントリング31の外周面に沿って周設したゴムガスケッ
ト1の場合は、概略下記のようにして、セグメントリン
グ31の外径に対する内径の割合を設定すればよい。す
なわち上記のゴムガスケット1に、その自重によって図
中II−II断面で生じる張力Tは、下記式:
【0027】
【数1】 で求められる。なお式中、ρはゴムガスケット1の単位
体積あたりの重量、Aはゴムガスケットの断面積、πは
円周率、Dはセグメントリング31の外径である。
【0028】一方、ゴムガスケット1の内径を、上記セ
グメントリング31の外径DよりもΔDだけ小さくし
て、図2のようにセグメントリング31の外周面に沿っ
て周設した際に、ゴムガスケット1の周方向に発生する
収縮力Fは、下記式:
【0029】
【数2】 で求められる。式中、Eはゴムガスケット1のヤング率
である。
【0030】この収縮力Fよりも前記張力Tの方が大き
いと、ゴムガスケット1が垂れ下がって漏水が発生する
ので、両者は、T≦Fの関係にある必要がある。つまり
【0031】
【数3】 である必要があり、上記式からDとΔDとの比ΔD/D
を求めると、
【0032】
【数4】 となる。
【0033】ここで、セグメントリング31の外径Dが
200cm、ゴムガスケット1の単位体積あたりの重量
ρが0.0012kgf/cm3、ヤング率Eが20k
gf/cm2である場合を検討すると、上記比ΔD/D
はΔD/D≧0.009となり、ゴムガスケット1の内
径を、セグメントリング31の外径Dよりも0.9%以
上、小さく設定すると垂れ下がりが発生しないことがわ
かる。
【0034】同様にセグメントリング31の外径Dが5
00cmで、他のデータが上記と同じである場合を検討
すると、比ΔD/DはΔD/D≧0.023となり、ゴ
ムガスケット1の内径を、セグメントリング31の外径
Dよりも2.3%以上、小さく設定すると垂れ下がりが
発生しないことがわかる。そして以上の検討から、ゴム
ガスケット1の内径を、セグメントリング31の外径D
よりもおよそ0.9〜3%程度、小さめに設定するのが
好ましいことがわかる。
【0035】また前記図1(a)の例のゴムガスケット1
は、地中トンネル3の坑口部を構成するセグメントリン
グ31の、立坑4の躯体41の内側へ突出させた部分の
外周面31aに沿う内側面1c、およびそれと背向する
外側面1dの2面に、それぞれ当該ゴムガスケット1の
長手方向に沿う2本の溝11、12を備えており、この
両溝11、12内に、ぞれぞれ水膨張性層2、2が設け
られている。
【0036】ゴムガスケット1の2面に上記の水膨張性
層2を設けると、たとえば地山側からの地下水圧が低い
などの原因で、当該ゴムガスケット1の、セグメントリ
ング31の外周面31a、ならびに坑口コンクリート6
への圧接力が不十分で、両者の界面S1、S2に水みち
が生じたとしても、その水みちを通る水と接触して上記
の水膨張性層2がただちに吸水し、膨張して水みちを塞
ぐので、高い止水性を維持することができる。
【0037】また、前述したようにゴムガスケット1
の、坑口3a側の端面1aを塞ぐ部材7を、坑口コンク
リート6と一体の薄いコンクリートの層にて形成する場
合には、当該部材7と、ゴムガスケット1との界面S3
に水みちが生じるのを防止すべく、図(b)に見るよう
に、上記2面に加えて、地中トンネルの坑口側の端面1
aにも溝13を形成して、そこにも水膨張性層2を設け
ればよい。
【0038】上記水膨張性層2とは、その名のとおり水
と接触して膨張する層であって、たとえば架橋したアク
リル酸系樹脂や架橋したポリビニルアルコール樹脂など
の、いわゆる吸水性樹脂や、あるいは水溶性ポリマーを
架橋性の樹脂やゴムと混合して架橋した吸水性ゴムなど
で形成される。かかる水膨張性層2は、たとえば上記吸
水性樹脂や吸水性ゴムなどを層状に成形したものを、上
記図にみるようにゴムガスケット1の2面または3面に
設けた溝11〜13内に貼りつけるなどして固定して形
成してもよいし、あるいは水膨張性ゴムの場合には、そ
の未加硫のものを、ゴムガスケット1を成形するための
型内の、所定の位置、つまりゴムガスケット1の2面ま
たは3面に対応する位置に層状に仕込んで、ゴムガスケ
ット1の加硫と同時に加硫して形成してもよい。
【0039】前記のように加硫性のゴム組成物を加硫し
て、リング状のゴムガスケット1を製造するには、いわ
ゆる送り加硫法と呼ばれる方法を採用するのが好まし
い。この送り加硫法とは、ゴムガスケット1の一部に相
当する、所定の長さを有し、かつその両端が開かれた金
型を使用して、ゴムガスケット1を上記金型の長さ分ず
つ加硫成形し、かつそれと同時に順次、加硫接着して製
造する方法である。
【0040】すなわちまず上記金型の両端を、加硫を抑
制すべく水冷管などで冷却された蓋体などで閉じた状態
で、金型内に充てんした未加硫のゴム組成物を加熱、加
圧することで最初の部材を加硫成形する。つぎに、この
ようにして得られた、両端が未加硫である最初の部材を
一旦、金型から取り出し、次いで金型の一端を上記部材
の一端で閉じ、かつ他端を、上記と同じ冷却された蓋体
などで閉じた状態で、金型内に充てんした未加硫のゴム
組成物を加熱、加圧する。そうすると最初の部材の一端
に、新たに加硫成形された部材が加硫接着された、金型
2個分の長さを有し、かつその両端が未加硫である部材
が得られる。
【0041】この工程を繰り返して、ゴムガスケット1
の円周分よりも金型1個分だけ短い、1本の長尺部材を
形成したのち、その両端でもって金型の両端を閉じた状
態で、金型内に充てんした未加硫のゴム組成物を加熱、
加圧してやると、リング状のゴムガスケット1が製造さ
れる。 上記の送り加硫法によれば、金型や、当該金型
を加熱、加圧するための装置などを、製造するゴムガス
ケット1の大きさに比べて小型化できる上、1種類の金
型で種々の大きさのゴムガスケット1を製造できるとい
う利点がある。
【0042】つぎに、上記のゴムガスケット1を用い
た、この発明の地中トンネルの立坑坑口部の接合構造に
ついて、その実施の形態の一例を示す図3(a)(b)〜図5
(a)(b)を参照しつつ説明する。先にも説明した図3(a)
(b)にみるように、この例の接合構造は、立坑4と、当
該立坑4の躯体41の内側へ突出させた地中トンネル3
の坑口部との間を、上記坑口部を構成するセグメントリ
ング31の、立坑4の躯体41の内側へ突出させた部分
の外周面31aに沿って周設した、この発明のゴムガス
ケット1で止水するものである。
【0043】上記セグメントリング31、およびそれと
ともに地中トンネル3を構成するセグメントリング32
はそれぞれ従来同様に、図5(a)(b)に示すように、両端
の切り口が直角であるA形セグメント311、321
と、片方が斜めに形成されたB形セグメント312、3
22と、そして最後に組み込まれる、両端の切り口が斜
めに形成されたK形セグメント313、323とで構成
される。
【0044】この例の接合構造の特徴は、図4(a)(b)に
示すように、上記坑口部を構成するセグメントリング3
1の各セグメント311…間のセグメント継手をシール
するシール材91を、当該セグメントリング31の外周
面31aまで延設させて、上記ゴムガスケット1と接続
することで、この両者間をもシールした点にある。地下
トンネル3を構成する各セグメントリング31、32間
のリング継手、および各セグメントリング31、32を
構成する各セグメント311…、321…間のセグメン
ト継手はそれぞれ、地下トンネル3内に地下水が漏水し
ないようにするために、上記図4(a)(b)および図5(a)
に示すように、ブチルゴムや、あるいは前記水膨張性ゴ
ムなどで形成された、厚み3mm程度の薄板状のシール
材92、93でシールされている。ところがこれらのシ
ール材92、93は、図にみるように、セグメントリン
グ31、32の外周面31a、32aまで達するように
は形成されていないので、図5(b)に一点鎖線の矢印で
示すように、地下水が、各セグメントリング31、32
間、および各セグメント311…、321…間の、シー
ル材92、93の外側の溝を通って立坑4に達し、その
ままではゴムガスケット1の下をくぐって立坑4内に漏
水するおそれがある。
【0045】そこでこれを防止するために、前記図4
(a)(b)に示したように、最終の、坑口部を構成するセグ
メントリング31の、各セグメント311…間のセグメ
ント継手をシールするシール材91を、セグメントリン
グ31の外周面31aまで延設し、ゴムガスケット1と
接続して、両者間をシールしたのである。これにより、
上記溝を通って立坑4内に漏水しようとする水を確実に
止水できるため、止水性がさらに向上する。
【0046】なお図4(a)は、シール材91の全体を、
セグメントリング31の外周面31aまで延設した場
合、図4(b)は、シール材91の一部、ゴムガスケット
1の直下の部分のみを、セグメントリング31の外周面
31aまで延設した場合である。このいずれにおいて
も、より確実な止水が可能となる。上記のように、シー
ル材91をセグメントリング31の外周面31aまで延
設するには、シール材91それ自体を、上記図4(a)(b)
のような形状に一体形成してもよく、あるいはシール材
92と同様の幅の狭い帯状のシール材に、セグメントリ
ング31の外周面31aまで達する部分(延設部分)を
追加して、上記図4(a)(b)のような形状を有するシール
材91を形成してもよい。この場合、両部分は同じ材質
であってもよいし、違う材質であってもよい。
【0047】また、上記シール材91とゴムガスケット
1との接続方法としては、両者を単に密着させるだけで
もよいが、止水性を向上するには、両者を接着剤で接着
してもよい。あるいはまた、ゴムガスケット1の内周面
の所定の位置に、上記シール材91の全体、またはその
うちの延設部分を加硫接着、またはゴムガスケット1と
一体成形したものを作製して、それを図のようにセグメ
ントリング31に組み込んでもよい。
【0048】なおこの発明のゴムガスケット、およびそ
れを用いた地中トンネルの立坑坑口部の接合構造はとも
に、以上で説明した図の例には限定されない。たとえば
ゴムガスケットは、製造時にリング状に形成されていな
くてもよい。すなわち長尺状のものを地中トンネルの坑
口部の外周面に捲きつけて、その両端を直接にあるいは
何らかの部材を介して接合して使用してもよい。またゴ
ムガスケットの2面または3面に、水膨張性層が設けら
れていなくてもよい。
【0049】その他、この発明の要旨を変更しない範囲
で適宜、設計変更を施すことができる。
【0050】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、ゴムジョイントのように構造や取り扱いが複雑でな
く、しかも立坑との接続部である地中トンネルの坑口部
の、立坑に対する自由動を許容しつつ、施工後の立坑と
坑口部との間を確実に止水することのできる新規なゴム
ガスケットと、それを用いた、止水性にすぐれた地中ト
ンネルの立坑坑口部の接合構造とを提供できるという特
有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は、この発明のゴムガスケットの、実
施の形態の一例における要部を示す拡大断面図、同図
(b)は、変形例の要部を示す拡大断面図、同図(c)は、ゴ
ムガスケットの全体を示す斜視図である。
【図2】ゴムガスケットの内径と、地中トンネルの坑口
部を構成するセグメントリングの外径との比率を割り出
すための検討図である。
【図3】この発明のゴムガスケットを用いた、地中トン
ネルの立坑坑口部の接合構造の一例を示す図であって、
同図(a)はその全体を示す断面図、同図(b)は要部を拡大
した断面図である。
【図4】同図(a)(b)はともに、この発明の、地中トンネ
ルの立坑坑口部の接合構造の一例における要部を拡大し
た分解斜視図である。
【図5】同図(a)は地中トンネルを構成するセグメント
リングの正面図、同図(b)は地中トンネルの平面図であ
る。
【符号の説明】
1 ゴムガスケット 1c 内側面 1d 外側面 1a、1b 端面 2 水膨張性層 3 地中トンネル 3a 坑口 31 セグメントリング 31a 外周面 311、312、313 セグメント 4 立坑 41 躯体 91 シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 猛康 茨城県つくば市大字鬼ヶ窪下山1043 株 式会社熊谷組技術研究所内 (56)参考文献 特開 平10−140974(JP,A) 特開 平11−247582(JP,A) 登録実用新案3033228(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/38 E21D 9/06 301

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立坑と、当該立坑の躯体の内側へ突出させ
    た地中トンネルの坑口部との間を止水すべく、上記坑口
    部の、立坑の躯体の内側へ突出させた部分の外周面に沿
    って周設されるゴムガスケットであって、その断面形状
    が、坑口側が細くかつその反対の地山側が太い略楔形に
    形成されていることを特徴とするゴムガスケット。
  2. 【請求項2】加硫性のゴム組成物を加硫して形成されて
    いるとともに、その硬さが、JISA硬さで表して20
    〜50°である請求項1記載のゴムガスケット。
  3. 【請求項3】地中トンネルの坑口部の外径よりもわずか
    に内径の小さいリング状に形成されている請求項1記載
    のゴムガスケット。
  4. 【請求項4】地中トンネルの坑口部の外周面に接する内
    側面、およびそれと背向する外側面の2面、または上記
    2面と、地中トンネルの坑口側の端面の3面に、それぞ
    れ水膨張性層が設けられている請求項1記載のゴムガス
    ケット。
  5. 【請求項5】立坑と、複数のセグメントにて構成された
    地中トンネルとの間を、上記地中トンネルの坑口部の、
    立坑の躯体の内側へ突出させた部分の外周面に沿って周
    設した、請求項1記載のゴムガスケットで止水する接合
    構造であって、上記坑口部を構成する各セグメントの、
    セグメント継手をシールするシール材と、上記ゴムガス
    ケットとを接続して、この両者間をシールしたことを特
    徴とする地中トンネルの立坑坑口部の接合構造。
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