JP2002332428A - インクセット、インクジェット記録方法および記録物 - Google Patents

インクセット、インクジェット記録方法および記録物

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JP2002332428A
JP2002332428A JP2001137493A JP2001137493A JP2002332428A JP 2002332428 A JP2002332428 A JP 2002332428A JP 2001137493 A JP2001137493 A JP 2001137493A JP 2001137493 A JP2001137493 A JP 2001137493A JP 2002332428 A JP2002332428 A JP 2002332428A
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Hiroko Hayashi
広子 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐オゾン性等の耐候性に優れた画
像を実現できるインクセットを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 特定の染料を含むシアンインク組成物、
マゼンタインク組成物、イエローインク組成物のセット
によって実現し、下記の式(1)を含んでなるシアンイ
ンク組成物を基本とする。 【化1】 (式中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アルキルアミン、アルカノールアミンのカチオンま
たはアンモニウムを示す。a、b、c、dは0又は1
で、その和は1〜4の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクセット
及び記録方法に関する。更に詳しくは特定の化合物を含
有するインクセットを用いるインクジェット記録方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタによる記録方法
としてインクの各種吐出方式が開発されているが、いず
れもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料
(紙、フィルム、布帛等)に付着又は染着させ記録を行
うものである。インクジェットプリンタによる記録方法
は、記録ヘッドと被記録材料とが接触しない為、音の発
生がなく静かであり、被記録媒体を選ばず印字ができる
という特長がある。インクジェットプリンタにより、カ
ラ−で記録するには、一般にはイエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(C)の三原色にブラック(K)を加
えた4色のインクによる減法混色で表現される。CRT
ディスプレイ等のレッド(R)、グリーン(G)、ブル
ー(B)による加法混色画像をできるだけ忠実に再現す
るには、使用する色素、中でもYMCのインクに使用さ
れる色素にはできるだけYMCそれぞれの標準に近い色
相を有し、且つ鮮明であることが望まれる。又、インク
組成物は長期の保存に対し安定であり、又プリントした
画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐光性等の堅牢度に
優れている事が求められる。今後、使用分野を拡大すべ
く、広告等の展示物に活用した場合、光(電灯、蛍光
灯、日光等)や大気に曝される場合が多くなり、特に耐
候性の優れたインク組成物が求められている。耐候性に
関しては、色素のバランスが非常に重要で退色の小さな
色素を選ぶことはもちろんであるが、それぞれの色素の
退色のバランスが近いことが重要な特性になる。その中
でシアンインクの多くはDirect Blue 86又
はDirect Blue 199のようなフタロシアニ
ン系色素が使われており、これらの染料はマゼンタやイ
エローに比べ耐光性に優れるという特徴がある。しかし
ながら、Direct Blue 86又はDirect
Blue 199のようなフタロシアニン系色素は酸性
条件下ではグリーン味の色相であり、そのためこれらの
色素をシアンインクとして用いる場合は中性からアルカ
リ性の条件下で使用するのが最も適していた。しかしイ
ンクが中性からアルカリ性でも、用いる被記録材料が酸
性紙である場合印刷物の色相が大きく変化する可能性が
あり、さらに昨今環境問題として取りあげられることの
多い酸化窒素ガスやオゾン等の酸化性ガスによってもグ
リーン味に変色する。また、耐光性に関しても3色のバ
ランスという点で十分満足するものはいまだ実現できて
いない。以上のことから市場の要求を充分に満足する製
品を提供するには至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】耐光性についてはシア
ンに用いられているフタロシアニン系色素は他のマゼン
タやイエローと比べ優れており耐光性を向上させる研究
はマゼンタやイエローほどにはなされていない。しかし
ながら現在用いられているシアンは酸性条件下及び酸化
性ガス下で変色、退色等の問題があり、ガス退色に関し
ては他の色に比較して特にレベルが悪い。そこで酸性雨
又は酸化窒素ガス等の環境問題が騒がれる中、戸外にお
いても印刷物の品質を維持するためには酸性条件下及び
酸化性ガス下でも変色、退色の少ないインクセットを開
発することが重要な課題となっている。インクジェット
記録用インクに用いられるシアンの色素骨格としてはフ
タロシアニン系やトリフェニルメタン系が代表的であ
る。しかし現在用いられているフタロシアニン系色素に
ついては色相、耐水性、耐光性には優れているが、ガス
による退色等の問題がある。またトリフェニルメタン系
については色相は良好であるが、耐光性、耐水性におい
て非常に劣る。本発明は、インクジェット記録に適する
色相と鮮明性を有し、且つ記録物の耐光、耐水性堅牢度
が強く、更に酸性条件下においても変色、退色の少ない
バランスを良くしたインクセットを供給することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に
至ったものである。即ち本発明は、シアンインク組成
物、マゼンタインク組成物、およびイエローインク組成
物を含んでなるインクセットであって、 シアンインク
組成物が染料として、式(I)で表される染料を含んで
なるものであり、マゼンタインク組成物が染料として、
式(XIII)で表される染料、C.I.リアクティブレ
ッド147、およびC.I.リアクティブレッド180
からなる群から選択される少なくとも一種を含んでなる
ものであり、かつ イエローインク組成物がC.I.ダ
イレクトイエロー86およびC.I.ダイレクトイエロ
ー132からなる群から選択される少なくとも一種を含
んでなるインクセットにより上記課題を解決するもので
ある。
【0005】
【化4】 (式中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アルキルアミン、アルカノールアミンのカチオンま
たはアンモニウムを示す。a、b、c、dは0又は1
で、そしてその和は1〜4の整数である。)
【0006】
【化5】 (式中、 R301、R302、およびR303はそれぞれ独立し
て、置換もしくは非置換のC1-9アルキル、C1-9アルコ
キシ、ハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシル、置換も
しくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のス
ルファモイル、置換もしくは非置換のアミノ、ニトロ、
基−SO2307(ここで、R307はエステル形成基、置
換旗は非置換のC1-9アルキル、または置換または非置
換のC6-1 5アリールを表す)、基−COOM(ここで、
Mは水素原子、またはアルカリ金属、アンモニア、もし
くはアミン類由来のカチオン種を表す)、または基−C
OR308(ここで、R308はエステル形成基を表す)を表
し、 mは0、1、または2を表し、 R304およびR305
はそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の
1-18アルキル、置換もしくは非置換のC2-18アルケニ
ル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置
換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリサイクリッ
ク基、または置換もしくは非置換のヘテロサイクリック
基を表し、R306は基−NR309310(ここで、R309
よびR310は、独立してそれぞれ水素原子、置換または
非置換のC1-18アルキルまたは置換または非置換のアリ
ールを表す)または基−OR311(ここで、R311はR
304と同義である)を表す)また、本発明のインクセッ
トは、シアンインク組成物、マゼンタインク組成物およ
びイエローインク組成物が、多価アルコール低級アルキ
ルエーテル5〜15重量%と下記の式で表されるアセチ
レングリコール0.3〜1.8重量%とをさらに含んで
なるものである。
【0007】
【化6】 (式中、R1、R2、R3、およびR4は、独立してそれぞ
れC1-6アルキルを表し、n+mは0から30を表
す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。本発明
のシアンインク組成物は、色素成分として、シアン系の
前記式(1)で表される化合物を含有することを特徴と
し、他のシアン系化合物(Direct Blue 8
6、Direct Blue 87、Direct Bl
ue 199、Acid Blue 9)との混合物とし
ても使用される。本発明のシアンインク組成物における
染料の添加量は上記本発明の目的が達成される範囲で適
宜決定されてよいが、例えば0.3〜6.0重量%程度
が好ましく、より好ましくは1.0〜4.0重量%程度
である。
【0009】本発明で使用するシアン系色素成分は、通
常無水フタル酸及び4−スルホフタル酸を原料にして製
造される。4−スルホフタル酸と無水フタル酸の反応の
モル比を変えることによりスルホン基の数を調整するこ
とが可能である。しかしモノ又はジスルホンフタロシア
ニンは溶解性が低いため、インクとして使用する場合含
有量が少ないほうが好ましい。その含有量は、例えば質
量分析法(ESI−MS=エレクトロスプレ−イオン化
測定法)又は元素分析法からモノ及びジスルホン銅フタ
ロシアニンが50%以下、好ましくは40%以下、さら
に好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下程
度である。尚、式(1)の化合物はJ.H. Weber,
Inorganic Chemistry, Vol 4,
469(1965)に記載されている。
【0010】本発明で使用する前記式(1)を製造する
には、例えば4−スルホフタル酸または4−スルホフタ
ル酸と無水フタル酸を所望の割合で用い、触媒及び銅化
合物の存在下、加熱反応することにより得られる。反応
温度は通常常圧で150〜290℃、好ましくは170
〜270℃である。また反応時間は反応温度により変わ
るが通常1〜8時間である。反応終了後、濾過、塩析
(又は酸析)、乾燥することにより式(1)の化合物が
得られる。尚、式(1)のa、b、c、dは0又は1で
4−スルホフタル酸類と無水フタル酸類の使用割合によ
り、その和は平均値として4以下の整数となる。銅化合
物としては、例えば塩化銅があげられる。
【0011】上記の方法で合成される化合物は、通常遊
離酸の形あるいはその塩の形で得られる。遊離酸とする
には、例えば酸析すればよい。また、塩にするには、例
えば遊離酸にしたものに所望の有機又は無機の塩基を添
加する通常の塩交換法を適用すればよい。こうして得ら
れる前記式(1)の化合物のMは水素原子、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、アルキルアミン、アルカノール
アミンのカチオンまたはアンモニウムであるが、アルカ
リ金属としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウ
ム等が、アルカリ土類金属としては、例えばカルシウ
ム、マグネシウム等がそれぞれ挙げられる。又アルキル
アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン等
が、アルカノールアミンとしては、例えばモノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノール
アミン、トリイソプロパノールアミン等がそれぞれ挙げ
られる。好ましいMとしては、例えば水素イオン、アン
モニウムイオンやナトリウムイオン、カリウムイオン、
リチウムイオン等のアルカリ金属イオン、モノエタノー
ルアミンイオン、ジエタノールアミンイオン、トリエタ
ノールアミンイオン、モノイソプロパノールアミンイオ
ン、ジイソプロパノールアミンイオン、トリイソプロパ
ノールアミンイオン等のアルカノールアミンイオン等が
挙げられる。前記式(1)において、a、b、c、dは
0又は1でその和は4以下の整数である。通常、4−ス
ルホフタル酸のみを用いてフタロシアニンを合成しない
限り、a、b、c、dの和が0〜4の化合物の混合物と
して得られる。しかしa、b、c、dの和が0及び1の
ものは溶解性が低いため濾過や精製の過程で前記したよ
うな混合量に調整するのが好ましい。なお、a、b、
c、dの和は質量分析法(ESI−MS)、元素分析、
中和滴定等の方法により測定出来る。本発明において好
ましく用いられる前記式(I)の化合物の具体例として
以下に示すものがあげられる。 例1)冷却管の付いた四つ口フラスコに、スルホラン4
0部加え、180℃まで1時間で昇温し、そこに4−ス
ルホフタル酸40部、塩化アンモニウム4.5部、尿素
55部、モリブデン酸アンモニウム0.5部、塩化銅
(II)6部を加え、同温度で6時間撹拌した。反応液を
40℃まで冷却したのち、目的物をヌッチェで濾過し、
400部のメタノールで洗浄した。続いて得られたウェ
ットケーキに300部の水を加え、48%苛性水溶液で
pH10に調整し、80℃で1時間撹拌する。そして撹
拌しながら35%の塩酸水溶液を加えpHを3にし、そ
こに食塩80部を徐々に添加する。析出した結晶を濾取
し20%食塩水150部で洗浄してウェットケーキ90
部を得た。続いてメタノールを210部加え1時間撹拌
し、、析出した結晶を濾別し、70%メタノール水溶液
300部で洗浄後乾燥して、式(1)においてそれぞれ
の各ベンゼン核の4位(4、4'、4''、4''')にスル
ホン基を合計4個有するスルホ銅フタロシアニン22.
9部を青色結晶として得た。λmax : 629nm(水溶
液中)。 例2)
【0012】冷却管の付いた四つ口フラスコに、ニトロ
ベンゼン40部加え、180℃まで1時間で昇温し、そ
こに4−スルホフタル酸32部、無水フタル酸6部、塩
化アンモニウム4.5部、尿素55部、モリブデン酸ア
ンモニウム0.5部、塩化銅(II)6部を加え、同温度
で6時間撹拌した。反応液を40℃まで冷却したのち、
目的物をヌッチェで濾過し、400部のメタノールで洗
浄した。続いて得られたウェットケーキに300部の水
を加え、48%苛性水溶液でpH10に調整し、80℃
で1時間撹拌する。撹拌しながら35%の塩酸水溶液を
加えpHを3にし、そこに食塩80部を徐々に添加す
る。析出した結晶を濾取し20%食塩水150部で洗浄
してウェットケーキ90部を得た。続いてメタノールを
210部加え1時間撹拌し、析出した結晶を濾別し、7
0%メタノール水溶液300部で洗浄後乾燥して、式
(1)において、4位にスルホン基が1分子内に平均で
3個有する銅フタロシアニン(スルホン基導入数比、4
個:3個:2個=3:10:3、ESI−MSから)2
7.9部を青色結晶として得た。(スルホン基2個体の
割合18.8%)λmax : 629nm(水溶液中)。
【0013】本発明のシアンインク組成物中の色素成分
は、前記式(1)の化合物単独または前記式(1)の化
合物と他のシアン系化合物(Direct Blue 8
6、Direct Blue 87、Direct Bl
ue 199、Acid Blue 9)との混合物とし
て使用される。混合使用される場合、その混合割合が後
者が0〜60%、好ましくは0〜50%、さらに好まし
くは0〜40%、特に好ましくは0〜30%で、これを
水又は水溶性有機溶剤に溶解したものである。インクの
pHは6〜11程度が好ましい。
【0014】次に本発明のマゼンタインク組成物に関し
て説明する。本発明によるマゼンタインク組成物は、染
料として、前記式(XIII)で表される染料、およびC.
I.リアクティブレッド147、およびC.I.リアク
ティブレッド180からなる群から選択される少なくと
も一種を含んでなる。これら染料を含んだインク組成物
によれば、鮮明なマゼンタが再現でき、かつ耐光性およ
び耐水性の優れた画像が実現できる。さらに、本発明に
よるマゼンタインク組成物によって印刷された画像は、
保存中安定であり、耐ガス性、耐光性の評価においてバ
ランスのとれたインクセットを供給できる。本発明の好
ましい態様によれば、上記染料は二以上組み合わされて
添加されてもよい。本発明によるマゼンタインク組成物
における染料の添加量は上記本発明の目的が達成される
範囲で適宜決定されてよいが、例えば0.3〜6.0重
量%程度が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0重
量%程度である。
【0015】式(XIII)において、R301、R302、およ
びR303が表すC1-9アルキルは、好ましくはC1-4アル
キルを表す。このアルキル基の一以上の水素原子は置換
されていてもよく、置換基の例としてはハロゲン原子ま
たはアミノ基が挙げられる。
【0016】また、このアミノ基の一以上の水素原子は
1-4アルキルによって置換されていてもよい。このR
301、R302、およびR303が表すC1-9アルキルの具体例
としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、トリフルオロメチル、ジメチルアミノ
メチルなどが挙げられる。
【0017】式(XIII)において、R301、R302、およ
びR303が表すC1-9アルコキシは、好ましくはC1-4
ルコキシを表す。このアルコキシ基の具体例としてはメ
トキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシなどが挙げられ
る。
【0018】式(XIII)において、R301、R302、およ
びR303が表すカルバモイルの一以上の水素原子は置換
されていてもよく、置換基の例としては低級アルキル、
アリール基(好ましくはフェニル基、ナフチル基)が挙
げられる。置換カルバモイル基の具体例としては、N,
N−ジメチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなど
が挙げられる。
【0019】式(XIII)において、R301、R302、およ
びR303が表すスルファモイルの一以上の水素原子は置
換されていてもよく、置換基の例としては低級アルキ
ル、アリール(好ましくはフェニル、ナフチル)が挙げ
られる。このアリール基の一以上の水素原子は置換され
ていてもよく、その置換基の例としてはカルボキシル基
が挙げられる。置換スルファモイル基の具体例として
は、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモ
イル、N−エチル−N−フェニルスルファモイル、N,
N−ジメチルスルファモイル、およびp−カルボキシル
ェニルスルファモイルなどが挙げられる。
【0020】また、R301、R302、およびR303が表す
アミノの置換基としては、低級アルキル、C1-4アルキ
ルカルボニル、カルバモイル、アリール(好ましくはフ
ェニル、ナフチル)が挙げられる。置換アミノ基の具体
例としては、N−メチルアミノ、カルバモイルアミノ、
N,N−ジメチルアミノ、アセチルアミノなどが挙げら
れる。
【0021】さらに、R301、R302、およびR303が表
す基−SO2307においてR307はエステル形成基、C
1-9アルキル、またはC6-15アリールを表す。ここで、
エステル形成基とはスルホン酸とエステルを形成可能な
基を表すが、好ましい例としては低級アルコキシル、お
よびアリールオキシ(好ましくは、フェニルオキシ、ま
たはナフチルオキシ)が挙げられる。基−SO2307
おいてR307がエステル形成基を表す場合の具体例とし
ては、メトキシスルホニル、プロポキシスルホニル、フ
ェノキシスルホニルなどが挙げられる。
【0022】また、基−SO2307においてR307が表
すC1-9アルキルは、好ましくはC1- 4アルキルであり、
より好ましくはC1-2アルキルである。また、同じくR
307が表すC6-15アリールは、好ましくはフェニル、ト
リル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、
フェナントリルを表す。このC1-9アルキルまたはC6-1
5アリールの一以上の水素原子は置換されていてもよ
く、置換基の例としては水酸基、フェニル基などが挙げ
られる。基−SO2307においてR307がC1-9アルキル
またはC6-15アリールを表す場合の具体例としては、ヒ
ドロキシエチルスルホニル、ペンジルスルホニルなどが
挙げられる。
【0023】基−COOMにおいてMが表すカチオン種
の由来となるアルカリ金属の例としてはリチウム、カリ
ウム、ナトリウムが挙げられる。また、同じくMが表す
カチオン種の由来となるアミンの好ましい例としてはア
ンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、モルホリ
ン、アミノメチルプロバノール、モノイソブロピルアミ
ン、ジプピルアミン、ジブチルアミンが挙げられる。
【0024】また、R301、R302、およびR303が表す
基−COR308においてR308はエステル形成基を表す。
ここで、エステル形成基とはカルボン酸とエステルを形
成可能な基を表すが、好ましい例としては低級アルコキ
シが挙げられる。基−COR 308の具体例としてはメト
キシカルボニル、プロポキシカルボニルが挙げられる。
【0025】また式(XIII)において、mの数、すなわ
ち式(XIII)中のフェニル環上の基−SO3Hの数は、
0、1、または2であるが、mが1であり、基−SO3
Hがアゾ基に対してオルト位にあるものが好ましい。
【0026】また、式(XIII)において、R304
305、R309、R310、およびR311が表すC1-18アルキ
ルは、好ましくはC1-12アルキルであり、より好ましく
はC1-8アルキルである。また、このアルキル基の全部
または一部は環状アルキルであってもよく、例えばC
5-12シクロアルキル、より好ましくはC5-6シクロアル
キルである。このアルキル基の一以上の水素原子は置換
されていてもよく、置換基の例としては低級アルキル、
カルボキシル、メルカプト、カルバモイル、モルホリノ
などが挙げられる。置換または非置換のC1-18アルキル
の具体例としてはエチル、n−ブチル、n−オクチル、
エチルシクロヘキシル、ヒドロキシエチル、カルボキシ
プロピル、カルボキシシクロヘキシルメチル、1−カル
ボキシ−2−メルカプトエチル、1−カルボキシ−2−
カルバモイルエチル、1−イソプロピル−1−カルボキ
シメチル、1,2−ジカルボキシプロピル、モルホリノ
エチルなどが挙げられる。
【0027】また、式(XIII)において、R304
305、およびR311が表すC2-18アルケニルは、好まし
くはC2-12アルケニルであり、より好ましくはC2-8
ルケニルである。このアルケニル基の一以上の水素原子
は置換されていてもよく、置換基の例としてはC1-8
ルコキシおよびヒドロキシが挙げられる。置換または非
置換のC2-18アルケニルの具体例としては2−メチル−
1−プロペニル、ビニル、アリルなどが挙げられる。
【0028】さらに、R304、R305、およびR311が表
すアリールは、好ましくはC6-15アリールであり、その
例としてはフェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、
ナフチル、アントリル、フェナントリルが挙げられる。
このアリール基の一以上の水素原子は置換されていても
よく、その置換基の例としては、置換もしくは非置換の
1-9アルキル、C1-9アルコキシ、ハロゲン原子、ヒド
ロキシル、置換もしくは非置換のカルバモイル、置換も
しくは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換の
アミノ、ニトロ、基−SO2312(ここで、R312はエ
ステル形成基を表す)、カルボキシル、または基−CO
313(ここで、R313はエステル形成基を表す)が挙げ
られる。ここで、置換C1-9アルキル、置換カルバモイ
ル、置換スルファモイル、および置換アミノの置換基と
しては、上記R301、R302、およびR303が表す置換C
1-9アルキル、置換カルバモイル、置換スルファモイ
ル、および置換アミノの置換基と同様のものが挙げられ
るが、但し、スルファモイルの置換基としてはR301
302、およびR303が表すスルファモイルの場合の低級
アルキル基に代えてC4-9アルキル基が好ましい。ま
た、基−SO2312および基−COR313における、R
312およびR313のエステル形成基の例としては、上記R
301、R302、およびR303が表す基−SO2307および
基−COR308においてR307およびR308が表すエステ
ル形成基と同様のものが挙げられるが、但し、R313
表すエステル形成基としては、R307が表す低級アルコ
キシに代えてC5- 9アルコキシが好ましい。
【0029】置換または非置換のC6-15アリールの具体
例としては、3,4−ジカルボキシフェニル、4−ブチ
ルフェニル、4−カルボキシフェニルが挙げられる。
【0030】また、R304、R305、およびR306が表す
アラルキルは、好ましくはC7-15アリールであり、その
例としてはベンジル、フェニルエチル、メチルベンジ
ル、ナフチルメチルなどが挙げられる。このアリール基
の一以上の水素原子は置換されていてもはく、その置換
基の例としてはカルボキシル、水酸基が挙げられる。置
換または非置換のC7-15アリールの具体例としては、1
−カルボニル−2−フェニルエチル、1−カルボキシ−
2−ヒドロキシフェニルエチル、4−カルボキシベンジ
ルなどが挙げられる。
【0031】さらに、R304、R305、およびR306が表
すアリサイクリックは、好ましくはC6-15ジクロアルキ
ルである。このアリサイクリック基の一以上の水素原子
は置換されていてもよく、その置換基の例としてはカル
ボキシルが挙げられる。置換または非置換のアリサイク
リック基の具体例としてはシクロヘキシル、4−カルボ
キシジクロヘキシルなどが挙げられる。また、R304
305、およびR306が表すヘテロサイクリック基は、好
ましくは窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択
される少なくとも一つのヘテロ原子を含んでなる5〜1
2員の複素芳香環または複素飽和環を表す。また、この
複素芳香環および複素飽和環は他の環(例えば、ベンゼ
ン環)と縮合して縮合環を形成していてもよい。複素芳
香環の好ましい例としては、一または二つの窒素原子を
含んでなる5または6員の複素芳香環(例えば、ピロリ
ル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニ
ル、ピリミジニル、ピリダニジル)、一または二つの窒
素原子を含んでなり、さらに一つの硫黄原子を含んでな
る5または6員の複素芳香環(例えば、チアゾリル、チ
アジアゾリル)、一または二つの窒素原子を含んでなる
5〜6員複素飽和環(例えば、ピロリジニル、ペリジ
ノ、ピペリジル、ピペリジニル)などが挙げられる。こ
れらの環の一以上の水素原子は置換されていてもよく、
その置換基の例としては低級アルキルが挙げられる。こ
の置換または非置換のヘテロサイクリック基の具体例と
しては、ピリジル、チアヂアゾリル、ベンゾチアゾリ
ル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルなどが
挙げられる。
【0032】本発明において好ましく用いられる式(XI
II)の染料の他の群としては、mが0であり、R301
302、およびR303の少なくとも一つが水素原子であ
り、またR301、R302、およびR303の少なくとも一つ
がハロゲン置換アルキル基(特に好ましくはトリフルオ
ロメチル基)、置換または非置換のカルバモイル、置換
または非置換のスルファモイル、基−SO2307(ここ
で、R307は低級アルコキシを表す)、基−COOH、
基−COR308(ここで、R308は低級アルコキシを表
す)を表す染料群が挙げられる。更に、これら置換基が
アゾ基に対してオルト位置にある染料が好ましい。
【0033】また、本発明において好ましく用いられる
式(XIII)の染料の他の群としては、式(XIII)中のベ
ンゼン環が2−カルボキシフェニル基である染料群が挙
げられる。
【0034】さらに、本発明において好ましく用いられ
る式(XIII)の染料の別の群としては、R304、R305
およびR306の少なくとも一つが、C1-18アルキル、C
2-18アルケニル、アリール、アラルキル、アリサイクリ
ック基、およびヘテロサイクリック基から選択される基
であって、1〜4個のカルボキシル基を置換基として有
する基である染料群が挙げられる。更に好ましくはR
304およびR306のいずれか一方が水素原子であり、他方
がC1-18アルキル、C2-18アルケニル、アリール、アラ
ルキル、アリサイクリック基、およびヘテロサイクリッ
ク基から選択される基であって、1〜4個のカルボキシ
ル基を置換基として有する基である染料群が挙げられ
る。
【0035】本発明において好ましく用いられる式(XI
II)の染料の他の群としては、R30 4およびR305が独立
して、それぞれモノ−、ジ−、またはトリ−置換フェニ
ル基を表し、その置換基が、置換もしくは非置換のC
1-9アルキル、C1-9アルコキシ、ハロゲン原子、ヒドロ
キシル,置換もしくは非置換のカルバモイル、置換もし
くは非置換のスルファモイル、置換もしくは非置換のア
ミノ、ニトロ、−基−SO2312、カルボキシル、また
は−基−COR313である染料群が挙げられる。
【0036】また本発明において好ましく用いられる式
(XIII)の染料の別の群としては、R304およびR305
独立して、それぞれモノ−、ジ−、またはトリ−置換フ
ェニル基を表し、その置換基が、カルボキシル、カルバ
モイル、C1-4アルキルで置換されていてもよいスルフ
ァモイル、基−COR313(但しここで、R313はC1- 4
アルコキシを表す)である染料群が挙げられる。この染
料群にあって、R304およびR305の少なくとも一つが、
モノ−、ジ−、またはトリ−カルボキシ置換フェニルで
あるのが更に好ましい。
【0037】さらに本発明において好ましく用いられる
式(XIII)の染料の別の群としては、R304およびR305
が独立して、それぞれモノ−、ジ−、またはトリ−置換
フェニル基を表し、その置換基が、直鎖状C4-12アルキ
ル、アミノ、カルバモイル、C4-9アルキルでモノまた
はジ置換されたスルファモイル、基−COR313(但し
ここで、R313はC5-9アルコキシを表す)である染料群
が挙げられる。この染料群にあって、R304およびR305
の少なくとも一つがカルボキシルである染料群が好まし
い。この染料群にあって、R304およびR305の少なくと
も一つが、モノ−、ジ−、またはトリ−C4-9アルキル
置換フェニルであるものが更に好ましい。
【0038】また、本発明において好ましく用いられる
式(XIII)の染料の別の群としては、R306が水素原子
である染料群である。また、本発明にあっては、式(XI
II)中のナフチル環にある二つの基−SO3Hは、好ま
しくは3,5−位または3,6−位にあるのが好まし
い。
【0039】更に本発明の好ましい態様によれば、式
(XIII)の染料における−SO3Hおよび−COOH
(その塩およびエステルの形態にあるものも含む)の基
の合計が6以下であるのが好ましく、より好ましくは5
以下であり、最も好ましくは4以下である。
【0040】本発明において、式(XIII)の染料は遊離
の形態で利用されても、また塩の形態で利用されてよ
い。式(XIII)の染料の塩の例としては、アルカリ金属
(例えば、ナトリウム、リチュウム、カリウム)の塩、
アルキルまたはヒドロキシアルキル(一般的には低級ア
ルキルまたはヒドロキシ低級アルキル)置換(一級、二
級、三級、および四級)アンモニウムの塩、アルキルま
たはヒドロキシアルキル(一般的には低級アルキルまた
はヒドロキシ低級アルキル)アミン、カルボキシ置換ア
ルキル(−般的にカルボキシ置換低級アルキル)アミ
ン、炭素数2〜4のアルキレンイミノ単位を2〜10含
んでなるポリアミンなどの有機アミンの塩などが挙げら
れる。式(XIII)の染料は単一の塩として用いられても
よく、また複数の塩の混合物として用いられてもよい。
さらに、染料中の一部の酸基が塩とされ、他の酸基が遊
離の酸とされた式(XIII)の染料を利用することも可能
である。
【0041】本発明において好ましく用いられる式(XI
II)の染料の特に好ましい具体例として下記のものがあ
げられる。
【0042】
【化7】
【0043】
【化8】
【0044】
【化9】 また、本発明によるマゼンタインク組成物の着色剤とし
て、C.I.リアクティブレッド147またはC.I.
リアクティブレッド180を利用することもできる。
【0045】次に本発明のイエローインク組成物に関し
て説明する。
【0046】本発明によるイエローインク組成物は、染
料として、C.I.ダイレクトイエロー86、および/
または C.I.ダイレクトイエロー132からなる群
から選択される少なくとも一種を含んでなる。これら染
料を含んだインク組成物によれば、鮮明なイエローが再
現でき、かつ耐光性および耐水性の優れたを画像が実現
できる。さらに、本発明によるイエローインク組成物に
よって印刷された画像は、保存中安定であり、耐ガス
性、耐光性の評価においてバランスのとれたインクセッ
トを供給できる。本発明の好ましい態様によれば、上記
染料は単独でも、混合で添加されてもよい。本発明によ
るイエローインク組成物における染料の添加量は上記本
発明の目的が達成される範囲で適宜決定されてよいが、
例えば0.3〜6.0重量%程度が好ましく、より好ま
しくは1.0〜3.0重量%稈度である。
【0047】本発明によるインク組成物は、上記の夫々
の染料と、水と、水溶性有機溶媒とから基本的になる。
【0048】水溶性有機溶媒としては、好ましくは水溶
性高沸点低揮発性有機溶剤を用いる。好ましい水溶性高
沸点低揮発性有機溶剤の具体例として、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のアルキレン基が2〜6の
炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のポリアルキレングリコール類;エチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の
多価アルコール低級モノアルキルエーテル類;トリエチ
レングリコールジメチル(またはエチル)エーテル等の
多価アルコール低級ジアルキルエーテル類が挙げられ
る。これらの水溶性高沸点低揮発性溶剤の添加量は適宜
決定されてよいが、例えば5〜35重量%の範囲で添加
されるのが好ましい。その理由は、印刷物に残ったこれ
ら溶剤が場合によって、空気中の湿気を吸収して、保存
中の画像のにじみの原因となることがあるからである。
【0049】また本発明のインク組成物に添加すること
ができる他の有機溶媒としては、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジ
アセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール,n−ブチルアルコール等の炭素数1〜5のア
ルキルアルコール類;スルフォラン、ピロリドン、N−
メチル−2−イミダゾリジノン、1,5−ペンタンジオ
ール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジ
オール等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独でも混
合しても使用でき、また前記の水溶性高沸点低揮発性溶
剤と併用することもできる。
【0050】本発明のインク組成物は、さらに多価アル
コール低級アルキルエーテルを含むことができる。多価
アルコール低級アルキルエーテルの好ましい例として
は、モノ、ジ、およびトリエチレングリコールC1-6
ルキルエーテル、モノ、ジ、およびトリプロピレングリ
コールC1-6アルキルエーテル、より好ましくはトリエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが
挙げられ、もっとも好ましいものはジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルである。その添加量は適宜決定さ
れてよいが、例えば5〜15重量%程度が好ましい。
【0051】また、本発明のインク組成物は、下記の式
で表されるアセチレングリコールを含むことができる。
【0052】
【化10】 (式中、R1、R2、R3、およびR4は、独立してそれぞ
れC1-6アルキルを表し、n+mは0から30を表
す。) 上記式で表されるアセチレングリコールのより好ましい
具体例としては、次の表に記載のものが挙げられる。
【0053】
【表1】
【0054】特に好ましくはNo.1および6のアセチ
レングリコールである。
【0055】アセチレングリコールとして市販されてい
るものを利用することも可能であり、例えばサーフィノ
ール82、104、440、465、TG(オルフィン
STG) (製造元:Air Product and Chemicals Inc.,、販売
元:日信化学工業株式会社)を利用することができる。
【0056】アセチレングリコールの添加量は適宜決定
されてよいが、例えば0.3〜1.8重量%程度が好ま
しい。
【0057】また、本発明の好ましい態様によれば、多
価アルコール低級アルキルエーテルとアセチレングリコ
ールとを組み合わせて用いる。この併用によって、被記
録材に付着したインク組成物が速やかに浸透し、カラー
インクジェット記録においてしばしば問題とされる、隣
接するドット間の混色などによる印字品質の劣化を有効
に防止できる。
【0058】さらに本発明のンク組成物は、その種々の
特性を改善するための添加剤を含んでなることができ
る。添加剤の例としては、例えば、粘度、表面張力、p
H、比抵抗等の各種物性値の調整や防腐、防カビ等の目
的で、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸塩等
のアニオン系界面活性剤;アセチレングリコール、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニ
オン系界面活性剤;セルロース類、ポリビニルピロリド
ンポリビニルアルコール、水溶性樹脂等の水溶性の天然
あるいは合成高分子物;ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン類;塩化リチウム、塩化アンモニウム、塩
化ナトリウムの無機塩類、ベンゾトリアゾールなどを添
加することができる。
【0059】本発明のインク組成物は、常法に従って製
造することができる。
【0060】例えば、各成分を充分混合溶解し、孔径
0.8μmのメンブランフィルターで加圧ろ過したの
ち、真空ポンプを用いて脱気処理してインクを調製す
る。
【0061】本発明のインクジェット記録方法における
被記録材としては、例えば紙、フィルム等の情報伝達用
シート、繊維及び皮革等が挙げられる。情報伝達用シー
トについては、表面処理されたもの、具体的にはこれら
の基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク
受容層を設けたものは通常インクジェット用専用紙(フ
ィルム)やインクジェット用光沢紙(フィルム)と呼ば
れ、例えばスーパーファイン専用光沢フィルム(セイコ
ーエプソン社製)、PM写真用紙(セイコーエプソン社
製)PMマット紙(セイコーエプソン社製)等が挙げら
れる。インク受容層の一例を挙げると、例えば多孔質シ
リカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等のインク中の
色素を吸着し得る無機微粒子をポリビニルアルコールや
ポリビニールピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記
基材表面に塗工することにより設けられる。なお、普通
紙にも利用できることはもちろんである。
【0062】
【実施例】以下に本発明を更に実施例により具体的に説
明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別
の記載のない限り重量基準である。
【0063】表2に示すシアンインク組成物、マゼンタ
インク組成物、イエローインク組成物を調整した。具体
的には表に記載の各成分を混合溶解し、0.45μmの
メンブランフィルターでろ過することによりインクジェ
ット用水性インク組成物を得た。表中数値は重量%を示
し、組成の残量はイオン交換水である。
【0064】
【表2】
【0065】<評価方法:耐オゾン性評価>表2に示す
インクセットをPM800C(セイコーエプソン(株)
製)のインクカートリッジに充填し、シアン、マゼン
タ、イエロー、コンポジットBkに付いて印字Duty
をコントロールすることでOD(Optical De
nsity)=0.9〜1.1の範囲に入るように印字
ハ゜ターンを作成し、評価紙(PM写真用紙:セイコーエプ
ソン株式会社製)に印字を行った。印字した評価紙を常
温室内において1日放置後、24℃60%RHの環境で
0.5ppmのオゾン雰囲気中に24時間、48時間投
入後の色差△Eを求めた。
【0066】色差 :△E = {(△L*2 +(△a
*2 + (△b*2} 1/2 (式中、△L* 、△a*、△b*は試験前と試験後におけ
るL*a** 表色系のそれぞれの座標の差を意味す
る。)
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】本発明のシアンインク組成物、マゼンタ
インク組成物、イエローインク組成物からなるインクセ
ットは、オゾン等の酸化性ガスに対して変色が少なく耐
ガス性の良好な善くジェット記録を実現できる。この結
果から本発明のインク組成物は戸外での使用棟今まで以
上に広い使用用途にインクジェット印刷記録の適用を可
能にするものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 2H086 BA56 BA59 4J039 BC03 BC07 BC09 BC13 BC19 BC20 BC32 BC52 BC54 BC61 BC65 BC73 BC77 BC79 BE02 BE12 EA15 EA16 EA17 EA34 EA35 EA38 FA02 FA03 FA07 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアンインク組成物、マゼンタインク組
    成物、およびイエローインク組成物、を含んでなるイン
    クセットであって、 シアンインク組成物が、染料とし
    て、式(I)で表される染料を含んでなるものであり、
    マゼンタインク組成物が、染料として、式(XIII)で表
    される染料、C.I.リアクティブレッド147、およ
    びC.I.リアクティブレッド180からなる群から選
    択される少なくとも一種を含んでなるものであり、かつ
    イエローインク組成物が、C.I.ダイレクトイエロ
    ー86、およびC.I.ダイレクトイエロー132から
    なる群から選択される少なくとも一種を含んでなるイン
    クセット。 【化1】 (式中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
    属、アルキルアミン、アルカノールアミンのカチオンま
    たはアンモニウムを示す。a、b、c、dは0又は1
    で、そしてその和は1〜4の整数である。) 【化2】 (式中、 R301、R302、およびR303はそれぞれ独立し
    て、置換もしくは非置換のC1-9アルキル、C1-9アルコ
    キシ、ハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシル、置換も
    しくは非置換のカルバモイル、置換もしくは非置換のス
    ルファモイル、置換もしくは非置換のアミノ、ニトロ、
    基−SO2307(ここで、R307はエステル形成基、置
    換旗は非置換のC1-9アルキル、または置換または非置
    換のC6-1 5アリールを表す)、基−COOM(ここで、
    Mは水素原子、またはアルカリ金属、アンモニア、もし
    くはアミン類由来のカチオン種を表す)、または基−C
    OR308(ここで、R308はエステル形成基を表す)を表
    し、 mは0、1、または2を表し、 R304およびR305
    はそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の
    1-18アルキル、置換もしくは非置換のC2-18アルケニ
    ル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置
    換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリサイクリッ
    ク基、または置換もしくは非置換のヘテロサイクリック
    基を表し、R306は基−NR309310(ここで、R309
    よびR310は、独立してそれぞれ水素原子、置換または
    非置換のC1-18アルキルまたは置換または非置換のアリ
    ールを表す)または基−OR311(ここで、R311はR
    304と同義である)を表す)
  2. 【請求項2】 シアンインク組成物、マゼンタインク組
    成物およびイエローインク組成物が、前記染料を0.3
    〜6.0重量%含んでなるものである、請求項1に記載
    のインクセット。
  3. 【請求項3】 シアンインク組成物、マゼンタインク組
    成物およびイエローインク組成物が、水溶性有機溶剤を
    5〜35重量%含んでなるものである、請求項1〜2の
    いずれか一項に記載のインクセット。
  4. 【請求項4】 シアンインク組成物、マゼンタインク組
    成物およびイエローインク組成物が、多価アルコール低
    級アルキルエーテル5〜15重量%と、下記の式で表さ
    れるアセチレングリコール0.3〜1.8重量%とをさ
    らに含んでなるものである、請求項1〜3のいずれか一
    項に記載のインクセット。 【化3】 (式中、R1、R2、R3、およびR4は、独立してそれぞ
    れC1-6アルキルを表し、n+mは0から30を表
    す。)
  5. 【請求項5】 インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を
    記録媒体に付着させて印字を行うカラーインクジェット
    記録方法であって、インク組成物として請求項1〜4の
    いずれか一項に記載のインクセットを用いる、インクジ
    ェット記録方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の記
    録方法によって記録が行われた、記録物。
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