JP4652521B2 - インクジェットインクのためのカチオン性アゾ染料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットインク組成物中の着色剤として有用な特定のカチオン性アゾ染料に関する。
【0002】
インクジェット印刷は、ディジタル信号に応答して画像記録要素にインク液滴を画素毎に付着させることによって画像を生じさせる非衝撃式の方法である。画像記録要素上へのインク液滴の付着を制御して所望の画像を生じさせるのに利用してもよい方法は様々である。連続式インクジェットとして知られる1つの方法では、液滴の連続流を帯電させて、画像記録要素の表面上に像様偏向させつつ、像形成されなかった液滴を捕獲して、インク溜めに戻す。ドロップ−オン−デマンド式インクジェットとして知られるもう1つの方法では、個々のインク液滴を画像記録要素上に必要に応じて射出し、所望の画像を形成させる。ドロップ−オン−デマンド式印刷においてインク液滴の射出を制御する一般的な方法には、圧電変換器および熱的なバブル形成が含まれる。インクジェットプリンターには、産業上のラベル貼付から卓上文書および絵画像形成のための短時間印刷までの範囲にわたる市場の端々までの広範な用途がある。
【0003】
種々のインクジェットプリンターに使用されるインクは、染料系または顔料系のいずれかに分類することができる。染料は、分散媒に溶解される着色剤である。顔料は、分散媒に不溶性であるけれども、小さな粒子の形で分散または懸濁され、分散剤の使用によって凝集または沈降しないように安定化されることが多い着色剤である。分散媒は、いずれの場合でも、室温で液体であっても固体であってもよい。一般的に使用される分散媒には、水、水と有機補助溶媒との混合物、および高沸点有機溶媒(例えば炭化水素、エステル、ケトンなど)が含まれる。
【0004】
インクジェットシステムにおける着色剤の選択は、画質にとって重要である。シアン、マゼンタ、イエロー、グリーン、オレンジなどの色については、ピーク波長(λ-max)、吸収曲線の幅、および副吸収が無いことが重要である。着色剤はまた、インク受容要素上への印刷後に高度の耐光堅牢度を有しているべきである。水性染料系インクについては、染料は、受容要素上に妥当な濃度を生じ、長期間の貯蔵に対して析出すること無く安定であることが可能な溶液を調製するのに十分水溶性である必要がある。染料系インクを用いる高品質インクジェット印刷には、明るい色相および良好な光安定性を提供する染料が必要とされる。これらの要求条件のすべてを満たす染料、特にイエロー染料を見出すのは困難である。
【0005】
高品質の、写真のように写実的なインクジェット印刷のための水性染料系インクには、優れた色彩並びに高い耐光堅牢度および耐水堅牢度を有する水溶性染料が必要とされる。概して、これらの染料は、紙、羊毛、および綿などの天然繊維の染色のために開発された酸性染料、直接染料、および反応性染料から選択される。これらの染料の水溶性は、スルホまたはカルボキシなどの負に帯電している置換基の導入に起因する。
【0006】
染料のもう1つのグループは、主にアクリルおよび酸改質ポリエステルなどの合成紡織繊維の染色のために開発された塩基性染料またはカチオン性染料である。これらの染料は、正に帯電している置換側基(例えばテトラアルキルアンモニウム)の導入、または非局在化カチオン系を含んでなる塩基性発色団(例えばシアニン、アザシアニン、またはアゾ (ジアザシアニン) )のいずれかのために、正に帯電している。
【0007】
【従来の技術】
米国特許第 5,560,996号明細書には、Basic Yellow 25 などのカチオン性アゾ染料およびBasic Yellow 2およびBasic Yellow 11 などの他のカチオン性イエロー染料を含む種々のカチオン性染料をインクジェットインクに使用することが開示されている。
【0008】
欧州特許出願第624628号明細書には、従来の織物の染色における四級化されたピラゾールアゾインドールカチオン性イエロー染料の合成および使用が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
米国特許第 5,560,996号には、染料が、水溶性、色彩、および/または光安定性に乏しいという問題がある。
【0010】
欧州特許出願第624628号には、当該染料をインクジェットインク組成物に使用してもよいとの開示はまったく無い。
【0011】
本発明の目的は、水性インクジェット印刷に有用な、明るく、水溶性で、かつ光安定性のカチオン性イエロー染料を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的および他の目的は、水、湿潤剤、およびピラゾールアゾインドール染料の四級化から誘導されるカチオン性アゾ染料を含んでなるインクジェットインク組成物に関する本発明によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
四級化されたピラゾールアゾインドールカチオン性イエロー染料が従来技術のカチオン性イエロー染料に勝る色彩、水溶性、および光安定性を提供することが見出された。
【0014】
本発明の好ましい態様では、四級化されたピラゾールアゾインドールカチオン性イエロー染料は以下の構造式によって表されるものであってもよい。
【0015】
【化1】
【0016】
上式中、
R3 およびR4 は、各々独立に、炭素原子が1〜6個の置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリル基、炭素原子が6〜10個の置換もしくは未置換のアリール基、炭素原子が5〜10個の置換もしくは未置換のヘタリール基、またはアルキレンオキシド残基が2〜20個のポリオキシアルキレン基を表し、
【0017】
R1 は、水素またはR3 およびR4 について上記に列挙されているものと同じ基を表し、
【0018】
R2 、Y、およびZは、各々独立に、R1 について上記に列挙されているものと同じ基、ハロゲン、ニトロ、シアノ、炭素原子が1〜6個の置換もしくは未置換のアルコキシ基、炭素原子が1〜10個の置換もしくは未置換のアルコキシ−、もしくはアリールオキシ−カルボニル基、カルバモイル、炭素原子が1〜20個の置換もしくは未置換のアルキル−、アラルキル−、アリール−、ジアリール−、もしくはジアルキル−カルバモイル基、スルファモイル、炭素原子が1〜20個の置換もしくは未置換のアルキル−、アラルキル−、アリール−、ジアリール−、もしくはジアルキル−スルファモイル基、アシルアミノ、ウレイド、スルホニルアミノ、アミノ、炭素原子が1〜20個の置換もしくは未置換のアルキル−、アラルキル−、アリール−、ジアリール−、もしくはジアルキル−アミノ基、第四級アンモニウム基、またはホスホニウム基を表し、
【0019】
mは0〜4の整数を表し、
nは0〜2の整数を表し、そして
X- はアニオンを表し、
【0020】
YまたはZのいずれか2つがいっしょになって、5〜7員の飽和もしくは不飽和の複素乾または炭素環の縮合環を表すことができ、
【0021】
R1 とR2 、R3 とR4 、R1 とY、およびR4 とZが結合して、5〜7員の複素環または炭素環を形成することができる。
【0022】
本発明の好ましい態様では、上式中のR1 はHまたはメチルを表す。もう1つの好ましい態様では、R2 はH、メチル、フェニル、エトキシカルボニル、またはフェニルを表す。もう1つの好ましい態様では、R3 はメチル、エチル、アリル、またはフェニルを表す。さらにもう1つの好ましい態様では、R4 はメチル、エチル、またはアリルを表す。そのうえもう1つの好ましい態様では、YはHを表す。そのうえさらにもう1つの好ましい態様では、ZはH、シアノ、メチル、またはフェニルを表す。
【0023】
上記定義において、置換もしくは未置換のアルキル基の例には、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシエチル、 3-(N,N-ジメチルアミド) プロピル、およびベンジルが含まれる。置換もしくは未置換のアリール基の例には、フェニル、ナフチル、および4-クロロフェニルが含まれる。置換もしくは未置換のヘタリール基の例には、ピリジル、イミダゾリル、およびキノリルが含まれる。アルキレンオキシド残基が2〜20個のポリオキシアルキレン基の例には、3,6,9-トリオキサデシル、 11-ヒドロキシ -3,6,9-トリオキサ -5,8-ジメチルドデシル、および 11-ヒドロキシ -3,6,9-トリオキサウンデシルが含まれる。ハロゲンの例には、クロロ、フルオロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。
【0024】
置換もしくは未置換のアルコキシ基の例には、メトキシ、イソプロポキシ、および2-ヒドロキシエトキシが含まれる。炭素原子が1〜10個の置換もしくは未置換のアルコキシ−またはアリールオキシ−カルボニル基の例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2-メトキシ−エトキシカルボニル、およびフェノキシ−カルボニルが含まれる。置換もしくは未置換のアルキル−、アラルキル−、アリール−、ジアリール−、またはジアルキル−カルバモイル基の例には、N-メチルカルバモイル、N-メチル -N-フェニル−カルバモイル、 N-p-(トリメチルアンモニウム)-フェニルカルバモイル、およびN,N-ビス (4-ジメチルアミノフェニル) カルバモイルが含まれる。
【0025】
置換もしくは未置換のアルキル−、アラルキル−、アリール−、ジアリール−、またはジアルキル−スルファモイル基の例には、N-メチル−スルファモイル、N-メチル -N-フェニル−スルファモイル、 N-p-(トリメチルアンモニウム)-フェニルスルファモイル、およびN,N-ビス (4-ジメチルアミノフェニル)-スルファモイルが含まれる。アシルアミノ基の例には、アセトアミド、メトキシエチルアセトアミド、およびベンズアミドが含まれる。ウレイド基の例には、N-メチルウレイド、ウレイド、および N,N'-ジメチルウレイドが含まれる。
【0026】
スルホニルアミノ基の例には、メタンスルホンアミド、p-トルエンスルホンアミド、および 2-(トリメチルアンモニウム)-エタンスルホンアミドが含まれる。置換もしくは未置換のアルキル−、アラルキル−、アリール−、ジアリール−、またはジアルキル−アミノ基の例には、メチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、メトキシエチルアミノ、およびアニリノが含まれる。第四級アンモニウム基の例には、トリメチルアンモニウムおよびベンジルジメチルアンモニウムが含まれる。ホスホニウム基の例には、トリフェニルホスホニウムおよびトリメチルホスホニウムが含まれる。
【0027】
X- の例には、塩化物、メトスルフェート、アセテート、クロロアセテート、トリフルオロアセテート、メタンスルホネート、p-トルエンスルホネート、ラクテート、シトレート、グルコネート、および3-ウレイドプロピオネートが含まれる。好ましい態様では、X- は、メトスルフェートまたはラクテートである。
【0028】
上記の如く、本発明に用いられる染料およびそれらの合成は、欧州特許出願第624628号明細書に記載されている。
【0029】
カチオン性染料の水溶性は、対イオンX- の性状によってかなり影響される。溶解性に好ましい対イオンは、合成中の導入が容易ではないことが多い。イオン交換樹脂を介するイオン交換または透析/限外濾過は困難であり、時間がかかり、かつ/または高価であることが多い。さらに、これらの染料の好ましい塩の形は水溶性が高いため、これらを単離し、精製し、特性決定することが困難であることが多い。
【0030】
本発明の特に望ましい態様は、上記構造IにおけるR1 がHである場合に得られる。この場合、当該カチオン性染料(例えば、下記II)の電気的に中性な、脱プロトン化された形を、カチオン性染料を塩基で処理することによって好都合に単離し、精製し、特性決定してもよい。インクの調製時に、対イオンの共役酸の水溶液に染料の電気的に中性な形を単に溶解させることによって、所望の対イオンを有するカチオン性染料を再生してもよい。この方法を以下に示す。
【0031】
【化2】
【0032】
構造IIに係るカチオン性四級化ピラゾールアゾインドール染料の電気的に中性な、脱プロトン化された形を介して、本発明に使用される染料の所望の塩の形を調製するための方法を、下記実施例に記載する。
本発明に用いられるカチオン性四級化ピラゾールアゾインドール染料の電気的に中性な、脱プロトン化された形の代表例を下記に列挙する。
【0033】
【化3】
【0034】
【表1】
【0035】
本発明に使用される他の染料には以下のものが含まれる。
【0036】
【化4】
【0037】
【表2】
【0038】
一般に、上記染料は、インクジェットインク組成物の 0.2〜5質量%、好ましくは 0.5〜3質量%を構成する。
【0039】
本発明のインクジェット組成物に湿潤剤を用いて、インクが乾固したり、プリントヘッドのオリフィス中で固まるのを防ぐのを助けてもよい。使用することができる湿潤剤の例には、多価アルコール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、2-メチル -2,4-ペンタンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、およびチオグリコール)、アルキレングリコールから誘導される低級アルキルのモノエーテルまたはジエーテル(例えばエチレングリコールのモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル、ジエチレングリコールのモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル、プロピレングリコールのモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル、トリエチレングリコールのモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテル、ジエチレングリコールのジメチルエーテルまたはジエチルエーテル、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル)、窒素含有環式化合物(例えばピロリドン、N-メチル -2-ピロリドン、および1,3-ジメチル -2-イミダゾリジノン)、および硫黄含有化合物(例えばジメチルスルホキシドおよびテトラメチレンスルホン)が含まれる。本発明の組成物に好ましい湿潤剤は、ジエチレングリコール、グリセロール、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルである。
【0040】
受容基材が高度にサイジング処理された紙である場合は特に、本発明の水性インクに水混和性有機溶媒を添加して、インクが受容基材に浸透するのを助けてもよい。このような溶媒の例には、アルコール(例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、フルフリルアルコール、およびテトラヒドロフルフリルアルコール)、ケトンまたはケトアルコール(例えばアセトン、メチルエチルケトン、およびジアセトンアルコール)、エーテル(例えばテトラヒドロフランおよびジオキサン)、およびエステル(例えば乳酸エチル、炭酸エチレン、および炭酸プロピレン)が含まれる。
【0041】
界面活性剤を添加して、インクの表面張力を適当なレベルに調整してもよい。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性、または非イオン性であってもよい。
【0042】
本発明の組成物に殺生剤を添加して、水性インク中でのカビ、菌類などの微生物の生育を抑制してもよい。本発明のインク組成物に好ましい殺生剤は、最終濃度が0.0001〜 0.5質量%のProxel(商標)GXL (Zeneca Spesialties Co.)である。
【0043】
有機または無機の酸または塩基の添加によって、本発明の水性インク組成物のpHを調整してもよい。有用なインクは、使用されている染料のタイプによって、2〜10の好ましいpHを有していてもよい。典型的な無機酸には、塩化水素酸、燐酸、および硫酸が含まれる。典型的な有機酸には、メタンスルホン酸、酢酸、および乳酸が含まれる。典型的な無機塩基には、アルカリ金属の水酸化物および炭酸塩が含まれる。典型的な有機塩基には、アンモニア、トリエタノールアミン、およびテトラメチレンジアミンが含まれる。
【0044】
本発明の典型的なインク組成物は、例えば、以下の物質を含んでいてもよい。着色剤(0.05〜20質量%)、水(20〜95質量%)、湿潤剤(5〜70質量%)、水混和性補助溶媒(2〜20質量%)、界面活性剤( 0.1〜10質量%)、殺生剤(0.05〜5質量%)、およびpH調節剤( 0.1〜10質量%)。
【0045】
本発明のインクジェットインク組成物に任意に存在していてもよいさらなる添加剤には、増粘剤、導電性向上剤、コゲーション防止剤、乾燥剤、および脱泡剤が含まれる。
【0046】
本発明によって提供されるインクジェットインクを、インクジェットプリンターのプリントヘッドの複数のノズルまたはオリフィスからインク液滴を噴出することによってインク受容層基材への液体インク液滴の適用を制御するインクジェット印刷に用いてもよい。
【0047】
インクジェット印刷に有用なインク受容基材は当業者に周知である。このような基材の代表例は、米国特許第 5,605,750号、同 5,723,211号、および同 5,789,070号の各明細書、並びに欧州特許出願公開明細書第813 978 A1号において開示されている。
以下の例は、本発明の用途を説明するものである。
【0048】
【実施例】
染料10の合成
以下の手順は、本発明に用いられるカチオン性ピラゾールアゾインドール染料およびそれらの脱プロトン化された、電気的に中性な先駆物質を調製するのに使用される手順の典型である。
【0049】
ニトロシル硫酸(14.5g(0.1785モル)の亜硝酸ナトリウムおよび 200gの濃硫酸から新たに調製されたもの)と、プロピオン酸および酢酸の1:5混合物(1:5酸) 150mLとの冷たい(0〜5℃)混合物に、34.6g( 0.2モル)の1-フェニル -3-メチル -5-アミノピラゾールを添加した。0〜5℃で2時間攪拌した後、 0.5gの尿素を添加することによって過剰の亜硝酸を破壊し、この混合物を、周囲温度で、 500mLの酢酸中の26.2g(0.17モル)の2-メチルインドールの溶液に添加した。1時間攪拌した後、 250gの酢酸ナトリウムを添加し、続いて 300mLの水を添加した。さらに1時間攪拌した後、2000mLの水を添加し、濾過によって固体を収集し、水でよく洗った。次に、この粗生成物を 500mLの沸騰アセトニトリルで蒸解し、冷却し、濾過して、52.5gの2-メチル-3-(1-フェニル -3-メチルピラゾール -5-イルアゾ) インドールを黄色の固体として得た。
【0050】
425mLのブチロニトリル中の49g( 0.124モル)の上記ピラゾールアゾインドール染料の懸濁液に、 115.5g(0.62モル)のメチル -p-トルエンスルホネートを添加し、得られた混合物を加熱して3時間環流させた。0〜5℃に冷却し、固体を収集し、冷ブチロニトリル、続いてエチルエーテルで濯ぎ、そして乾燥して、 66.16g(理論値の85%)のp-トルエンスルホン酸2-メチル-3-(1-フェニル -2,3-ジメチルピラゾール -5-イルアゾ)-インドリウムを橙黄色の固体として得た。
【0051】
750mLのメタノールと 100mLの水との混合物中の36.5g(0.0729モル)の上記カチオン性染料のp-トルエンスルホン酸塩の懸濁液に、水酸化ナトリウムの10%水溶液を58mL添加した。周囲温度で1時間攪拌した後、この混合物を1500mLの水で希釈し、得られた固体を濾過によって収集し、乾燥して、 23.84g(理論値の99.3%)の染料10(5%酢酸水溶液中でのλ-max 440nm)を得た。
【0052】
以下の対照標準染料を比較例として評価した。
【0053】
【化5】
【0054】
【化6】
【0055】
インクの調製
ジエチレングリコールおよびグリセロール(各々6質量%)の湿潤材、殺生剤Proxel GXL(商標)( 0.003質量%)、および界面活性剤Surfynol 465(商標)(Air Products Co.)( 0.5質量%)を含有している脱イオン水に適当な量の上記染料を溶解させることによって、本発明の染料および対照標準染料を含有しているインクを調製した。乳酸を任意に添加して、染料を可溶化し、かつ/または電気的に中性な、脱プロトン化された形の染料を対応する乳酸塩に転化させるのを助けた。
【0056】
上記染料濃度は、溶液の吸収スペクトルに基づいて、最終的なインクが、1:1000に希釈した場合に、およそ 1.0の透過光学濃度を生ずるように選択した。対照標準染料C−3の場合には、染料があまりに不溶性であったので、乳酸を添加しても妥当な濃度のインクを調製することができなかった。この脱プロトン化された形(C−4)を乳酸といっしょに利用することにより、より水溶性の塩が得られ、インクを調合することができるようになった。表Iに種々のインクの詳細を示す。
【0057】
【表3】
【0058】
テスト画像の印刷
次に、上記インクを0.45μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターを通して濾過し、清潔なHewlett-Packard インクカートリッジ No. HP 51629Aに入れ、Hewlett-Packard Deskjet 600 (商標)プリンターのブラックインク置き場に取り付けた。一連の21階調の濃度パッチからなり、大きさがおよそ15×13mmであり、5%のドット付着量から 100%のドット付着量までの範囲にわたるテスト画像を市販のKodak Inkjet Photographic Quality Paper, Catalog No. 899-9161 上に印刷し、周囲温度および周囲湿度で24時間乾燥させた。
【0059】
テスト画像の評価
上記ステップ画像の最大パッチのステータスAの赤、緑、および青の反射濃度を、X-Rite 820(商標)濃度計を使用して測定した。D-max青濃度を表IIに列挙する。 1.5を超える最大濃度が適格である。青対緑(B/G)の濃度比(色純度の尺度)もまた各々の印刷画像について計算した。高いB/G比は、不必要な吸収がより少なく、色純度がより良好である(好ましい)ことを示唆している。
【0060】
次に、上記階段状の画像を、50キロルクスの高強度昼光照射および50%の相対湿度条件下で1週間にわたって光退色に付した。これらの階段状画像のステータスAの青濃度を再測定し、D-maxのパッチについてのステータスAの青濃度の損失(%)を計算した。10%未満の損失が好ましい。
【0061】
【表4】
【0062】
上記の結果は、本発明に用いら得る染料が、従来技術のC−1およびC−4よりもはるかに光安定性が高いことを示している。本発明に用いられる染料はまた、一般に、同等またはより良好な光安定性および濃度を保ちつつ、C−2よりも良好な色相を有する。
【0063】
【発明の効果】
四級化ピラゾールアゾインドールカチオン性イエロー染料は、従来技術のカチオン性イエロー染料に勝る色彩、水溶性、および光安定性の組み合わせを提供する。
Claims (1)
- 水、湿潤剤、およびピラゾールアゾインドール染料の四級化から誘導されるカチオン性アゾ染料を含んでなるインクジェットインク組成物。
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