JP2002332394A - ポリエステル樹脂組成物及び熱収縮性フィルム状体 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及び熱収縮性フィルム状体

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克信 望月
Madoka Furuta
円 古田
Michihiro Kawai
道弘 河合
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、可塑化効率及び耐ブリード性に優れ
たポリエステル樹脂組成物及び熱収縮性フィルム状体
(フィルム及びシート)を提供する。 【解決手段】 本ポリエステル樹脂組成物は、ポリエス
テル樹脂100質量部、及びアルキル基の炭素数が3〜
18であるテレフタル酸ジアルキルエステル1〜100
質量部を含有する。上記ポリエステル樹脂は非晶性ポリ
エステル樹脂(例えばテレフタル酸残基、エチレングリ
コール残基及びシクロヘキサンジメタノール残基で構成
される樹脂等)とすることができる。上記テレフタル酸
ジアルキルエステルは、テレフタル酸ジn−ブチル、テ
レフタル酸ジi−ブチル、テレフタル酸ジ2−エチルへ
キシル等とすることができる。熱収縮性フィルム状体は
上記ポリエステル樹脂組成物を用いて製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル樹脂組
成物及び熱収縮性フィルム状体に関し、更に詳しくは、
透明性、可塑化効率及び耐ブリード性に優れたポリエス
テル樹脂組成物及び熱収縮性フィルム状体に関する。本
発明のポリエステル樹脂組成物は、全ての型のフィル
ム、特に熱収縮性フィルム状体(フィルム及びシートを
含む意味に用いる。)を製造するために有用である。本
発明の熱収縮性フィルム状体は、例えば、ガラス、金
属、セラミック及びプラスチックのボトル、箱、缶、
管、並びに木材のラベル、保護、小包及び包装等に有用
である。特に、食品や医薬品の容器のラベル又は食品、
医薬品若しくは乾電池等の保護ラップとして好適に用い
ることができる。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は、結晶性、強度、耐
薬品性及び透明性等の諸性質に優れており、フィルム、
繊維、ボトル、押出成型品等の様々な用途に使用されて
いる。特に非晶性ポリエステルは、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)等の結晶性ポリエステルと比較し
て、成形性、耐衝撃性及びラミネート性に優れている。
中でも、フィルム用途ではその優れた機械的特性と経済
性のため、包装用等の大量に需要のある分野で用いられ
ており、例えば、非晶性ポリエステルの熱収縮フィルム
がペットボトルのラベル等に用いられている。
【0003】上記のようにフィルム用途、特にラベル等
に用いる場合、ポリエステル樹脂の性質として、収縮後
の仕上がりが透明で、しわや気泡がないものであること
が求められる。また、ポリエステル樹脂の収縮開始温度
が低いと、熱収縮フィルムの収縮工程にかかる負担を少
なくすることができることから、収縮開始温度が低いと
いう性質も求められている。この点につき、例えば、長
鎖アルキル脂肪酸のモノグリセリドを非晶性ポリエステ
ルの可塑剤として用いることにより、収縮開始温度を下
げ、かつ、収縮後の外観を損なわない収縮フィルム用可
塑化ポリエステルが開示されている(特開平10−67
923号公報)。
【0004】しかし、上記のように長鎖アルキル脂肪酸
のモノグリセリドを非晶性ポリエステルの可塑剤として
用いたポリエステルフィルムは、耐熱性試験において可
塑剤がブリード(樹脂表面に可塑剤が液状ににじみ出る
現象)するという問題がある。このため、かかるポリエ
ステルフィルムを用いた場合、熱収縮工程においてフィ
ルム表面がべたついたり、あるいは、フィルム全体にお
いて均一な性能を保持することが困難となるという問題
がある。さらに長期間経過するとフィルムの柔軟性が失
われ、破損しやすくなるなどの恐れもある。すなわち、
耐ブリード性(ブリードしにくい性質)は、可塑剤にと
って極めて重要な課題である。そこで従来より、透明
性、可塑化効率に優れて収縮後の外観を損なわないとい
う性質と共に、耐ブリード性にも優れたポリエステル樹
脂組成物が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、透明性及び可塑化効率に優れ
るとともに耐ブリード性にも優れるポリエステル樹脂組
成物及び熱収縮性フィルム状体を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テル樹脂の性能と可塑剤との関係について鋭意検討した
結果、アルキル基の炭素数が所定範囲のテレフタル酸ジ
アルキルエステルを可塑剤として用いると、透明性、可
塑化効率及び耐ブリード性の優れたポリエステル樹脂組
成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリ
エステル樹脂100質量部、及びアルキル基の炭素数が
3〜18であるテレフタル酸ジアルキルエステル1〜1
00質量部を含有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。上記「テレフタル酸ジアルキルエステル」は、
アルキル基の炭素数が3〜18、好ましくは3〜15、
更に好ましくは4〜10、特に好ましくは4〜8であ
る。アルキル基の炭素数が3未満であると、ポリエステ
ル樹脂組成物の可塑性が低下するので好ましくなく、一
方、18を越えると、ポリエステル樹脂との相溶性が悪
くなる結果、耐ブリード性が低下するので好ましくな
い。このアルキル基は、直鎖、分岐構造又は脂環構造で
あってもよいし、飽和結合からなってもよいし不飽和結
合を含んでもよい。更に、このアルキル基には、アルコ
キシアルキル基も含まれる。上記アルキル基として具体
的には、例えば、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチ
ル、2−エチルへキシル、ノニル、イソノニル、ラウリ
ル、ヘキサデシル、ステアリル等が挙げられる。この中
でn−ブチル又はi−ブチルが好ましく、これを用いる
と、得られる樹脂の透明性が特に優れるために好まし
い。また、上記不飽和結合を含むアルキル基としては、
その不飽和結合の数は問わないが、通常は1又は2であ
り、例えばオレイル基等が挙げられる。更に、上記アル
コキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル
基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシ
エチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基等が
挙げられる。尚、上記アルキル基は、同じ基であっても
よく、また、異なる基であってもよい。また、これらの
テレフタル酸ジアルキルエステルのうち、1種を用いて
もよいし、又は2種以上を併用してもよい。
【0009】上記テレフタル酸ジアルキルエステルの含
有量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜1
00質量部、好ましくは3〜30質量部、より好ましく
は5〜25質量部である。これが1質量部未満では、十
分に可塑化しないので好ましくない。一方、100質量
部を超えると、得られるポリエステル樹脂の透明性が損
なわれたり、機械的物性に劣る結果となるので好ましく
ない。
【0010】上記「ポリエステル樹脂」は、酸残基とア
ルコール残基とからなるものであれば、その酸成分及び
アルコール成分の種類については特に限定はない。上記
酸成分としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ド
デカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、又は1,3−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。こ
れらのうちの1種を用いてもよいし又は2種以上を用い
てもよい。これのうちで、テレフタル酸、イソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が強度等のフィ
ルム物性を優れたものにするために特に好ましい。ま
た、上記酸成分としては、上記において示した酸に対応
する酸無水物、エステル及び酸塩化物等も含まれる。
【0011】上記アルコール成分としては、例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、ビスフェノールA等の一般的なジオ
ールの1種又は2種以上が挙げられる。この中で、特に
エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールが、
種々の加工条件において、透明性が優れたものとなるた
めに好ましい。
【0012】上記酸成分及び上記アルコール成分から上
記ポリエステル樹脂を製造する方法、条件については特
に限定はなく、例えば、ポリエステル樹脂は、ジカルボ
ン酸とアルコールのエステル化であっても、ジカルボン
酸ジメチルエステルとアルコールのエステル交換反応で
製造してもよい。
【0013】上記ポリエステル樹脂は、結晶性であって
も、半結晶性であっても、非晶性であってもよいが、請
求項2に示すように、非晶性ポリエステルであることが
好ましい。非晶性ポリエステルは、ポリエチレンテレフ
タレート等の結晶性ポリエステルと比較して、成形性、
耐衝撃性及びラミネート性等の点で特に優れており、更
に上記テレフタル酸ジアルキルエステルを添加すること
により、可塑化効率にも優れ且つブリードのないフィル
ム状体を容易に提供できるので好ましい。尚、この非晶
性ポリエステルとは、非晶性若しくは結晶性の低いポリ
エステルのことであり、具体的には、示差走査熱量計の
融解熱量が20J/g未満のポリエステルである。この
融解熱量は、好ましくは15J/g以下、より好ましく
は10J/g以下である。
【0014】この非晶性ポリエステル樹脂の具体例とし
ては、テレフタル酸とエチレングリコール及びシクロヘ
キサンジメタノールとの重縮合物(両ジオールの合計質
量を基準として、シクロヘキサンジメタノールの割合が
30〜90質量%、好ましくは50〜80質量%であ
る。)等が挙げられる。尚、これらの縮合物であって
も、その比率を変えることにより、結晶性又は非結晶性
の構造を有するポリエステル樹脂とすることができる。
【0015】また、上記結晶性ポリエステル樹脂として
は、通常、テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮
合物(PET)等が挙げられ、公知の方法で作られるP
ET樹脂の他、リサイクルPET等を用いることができ
る。上記テレフタル酸ジアルキルエステルを可塑剤とし
て用いることにより、リサイクルされたポリエステル樹
脂でも容易に再生利用を可能にすることができる。
【0016】本発明のポリエステル樹脂組成物は、通
常、上記ポリエステル樹脂中に上記テレフタル酸ジアル
キルエステルを混合することによって製造される。この
混合方法としては、いずれの方法であってもよく、適当
な溶融ブレンド法、例えば、回分混合、一軸スクリュー
押出、又は二軸スクリュー押出等が挙げられる。また、
上記テレフタル酸ジアルキルエステルは、上記ポリエス
テル樹脂中に重合開始前から混合しても、重合しつつ混
合してもよいし、あるいは重合の最後に混合してもよ
い。
【0017】本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記
各成分を必須とするが、その他に、通常、ポリエステル
樹脂組成物としての基本的性能を維持、向上するため
に、本発明の目的を阻害しない範囲で、種々の添加剤を
必要に応じて適宜添加することができる。例えば、可塑
剤として、上記テレフタル酸ジアルキルエステル以外の
可塑剤であるジオクチルフタレート(DOP)、脂肪酸
モノグリセリド等を併用することができる。この配合割
合は、テレフタル酸ジアルキルエステル100質量部に
対して、0.1〜200質量部、好ましくは20〜10
0質量部である。その他の添加剤として、例えば、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、粘着防止剤、安定剤、
離型剤、金属奪活剤、帯電防止剤、充填剤等が挙げられ
る。
【0018】本発明の熱収縮性フィルム状体は、請求項
2又は3に記載のポリエステル樹脂組成物を用いて製造
されたものである。ここで、「フィルム状体」とは、フ
ィルム状及びシート状の両方を含む意味に用いられる。
この熱収縮性フィルム状体は、上記に示されるポリエス
テル樹脂組成物を所定形状に押出し、プレス等により所
望の形態に成形されて製造される。このプレスは、通
常、加熱、加圧下に行われる。
【0019】本発明のポリエステル樹脂組成物及びこれ
を用いた成形体(特に熱収縮性フィルム状体)は、上記
構成を備えることにより、耐ブリード性に優れると共
に、機械的特性、透明性にも優れているという性質を備
える。具体的には、透明性としては、JIS K710
5の6.4「ヘーズ」に準じて測定した濁度(H)を
9.0以下、好ましくは8.8以下、透過率(H)を9
0以下、好ましくは87以下、より好ましくは85以
下、散乱(D)を8.5以下、好ましくは8.0以下、
より好ましくは7.7以下とすることができる。また、
JIS K7113に準じて測定した引張試験において
(試験片:2号ダンベル、引張速度100mm/mi
n)、引張強度は30N/mm2以上、好ましくは35
N/mm2以上、より好ましくは40N/mm2以上と
し、伸び率は250%以上、好ましくは300%以上と
し、100%モジュラスを25N/mm2以下、好まし
くは20N/mm2以下、より好ましくは18N/mm2
以下とすることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更
に詳しく説明する。 (1)テレフタル酸ジアルキルエステルの調製 テレフタル酸ジメチル(450g)、n−ブタノール
(343.3g)及びテトラブチルチタネート(0.1
1g)をフラスコに入れて220℃に昇温し、次いで、
n−ブタノール(343.3g)を3時間かけて滴下し
ながら、生成する水及びn−ブタノールの混合物を留出
させた。昇温開始から7時間かけて生成する水及びn−
ブタノールの混合物を420.0g留出させた後、真空
により、反応系から余分なn−ブタノールを除去した。
その結果、701gの反応生成物が得られた。この反応
生成物について1HNMR測定を行った結果、98%の
純度で、テレフタル酸ジn−ブチルであることが判っ
た。
【0021】(2)ポリエステル樹脂組成物の調製 上記(1)で調製したテレフタル酸ジアルキルエステル
を用いて、以下に示す方法により実施例1及び比較例1
〜2の各ポリエステル樹脂組成物を調製した。 <実施例1>「PET−G」(イーストマンケミカル社
製「EASTER GN071」)100gを、165
℃の温度条件で5インチ試験用ミキシングロールにて溶
融し、その溶融物に可塑剤として上記(1)で得られた
テレフタル酸ジn−ブチル(DBT)を少量づつ添加し
て混練を継続した。この「PET−G」は、テレフタル
酸残基と、エチレングルコール残基及びシクロヘキサン
ジメタノール残基とから構成されているものであり、示
差走査熱量計の融解熱量は0J/gであった(測定限界
以下であった。)。上記(1)で得られたDBTの添加
量が20gとなった段階で添加及び混練を終了してロー
ルシートを取り出し、次いで190℃の温度で熱プレス
を行い、1mm厚のテストサンプルを得た。
【0022】<比較例1>可塑剤として上記(1)で得
られたDBTの代わりにアセチル化モノグリセリド(理
研ビタミン株式会社製「リケマールPL−012G」)
を使用した以外は実施例1と同じ条件で、1mm厚のテ
ストサンプルを得た。 <比較例2>可塑剤を用いない以外は、実施例1と同じ
条件で1mm厚のテストサンプルを得た。
【0023】(3)性能試験 上記実施例1及び比較例1〜2の各テストシートを用い
て、以下に示す方法により、引張試験、伸び率の測定、
100%モジュラスの測定、透明性の測定及びブリード
試験を実施した。その結果を以下の表1に示す。 引張試験(伸び率及び100%モジュラスの測定) インストロン5564(INSTRON CORPOR
ATION製)を使用して、JIS K7113に準じ
て実施した。試験片は2号型ダンベル形試験片とし、引
張速度は100mm/分とした。
【0024】透明性試験 JIS K7105の6.4ヘーズ(曇度)に準じて測
定した。透過率は、以下の方法により測定した。測定装
置は、COLOR MEASURING SYSTEM
Σ80(日本電色工業株式会社製)を使用した。 ブリード試験 65℃、90%の湿熱条件下に上記実施例1及び比較例
1〜2のサンプルシートを1時間放置後、サンプルシー
ト表面のベタツキを評価した。表1中、「○」はベタツ
キがないことを示し、「×」はベタツキがあることを示
す。
【0025】
【表1】
【0026】(4)実施例の効果 表1より、可塑剤を用いていない比較例2のポリエステ
ル樹脂組成物では、耐ブリード性及び引張強度には優れ
る反面、伸び率に劣り、100%モジュラスが高い(す
なわち柔軟性に劣る。)。また、可塑剤としてアセチル
化モノグリセリドを用いた比較例1のポリエステル樹脂
組成物では、ブリード試験において表面がべたつき、耐
ブリード性に劣ることが判る。
【0027】一方、表1より、実施例1のポリエステル
樹脂組成物は、比較例1及び2とほぼ同様に透明性は良
好である。また、引張試験において、引張強度、伸び
率、100%モジュラス共に良好な値を示し、熱収縮性
フィルムにおいて成形性に問題がないことが分かる。ま
た、実施例1のポリエステル樹脂組成物は、比較例1の
ポリエステル樹脂組成物と異なり、20gという比較的
多く添加量であっても、ブリード試験において表面のベ
タツキが認められず、耐ブリード性に優れているもので
あることが判る。また、実施例1のポリエステル樹脂組
成物は、比較例1の場合と同添加量で同様に十分に可塑
化され、比較例1の場合と同様の可塑化効率が得られ
た。更に、実施例1と同じ可塑剤を5質量部又は10質
量部配合して得られたポリエステル樹脂組成物も、良好
に可塑化され、ブリードは認められなかった。尚、本発
明において使用されるテレフタル酸ジアルキルエステル
に代えて汎用の可塑剤であるジオクチルフタレートを使
用した組成物は、透明性の低下が大きく、表面へのブリ
ードが認められるものであった。
【0028】尚、本発明においては、上記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて、本発明の
範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例え
ば、本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記組成及び
配合割合に限られず、本発明の範囲内における種々の組
成及び配合割合とすることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物によれ
ば、可塑剤として所定の炭素数のテレフタル酸ジアルキ
ルエステルを用いたことにより、透明性、可塑化効率に
優れると共に、耐ブリード性にも優れた性質を備えるも
のとすることができる。このため、例えば、ペットボト
ルのラベル等に有用に用いることができる。また、上記
所定の炭素数のテレフタル酸ジアルキルエステルを用い
ることにより、ポリエステル樹脂としてリサイクルされ
たポリエステルを用いることもできるので、ポリエステ
ルのリサイクルを更に進めることが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 道弘 名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成 株式会社内 Fターム(参考) 3E086 AA01 AB01 AC22 AD16 BA02 BA15 BB77 BB90 4F071 AA43 AA45 AC10 AE04 AF30 AH04 AH05 BB04 BC01 4J002 CF041 CF051 CF061 CF081 CF091 CF161 EH146 GG01 GG02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂100質量部、及びア
    ルキル基の炭素数が3〜18であるテレフタル酸ジアル
    キルエステル1〜100質量部を含有することを特徴と
    するポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記ポリエステル樹脂は非晶性ポリエス
    テル樹脂である請求項1記載のポリエステル樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 上記ポリエステル樹脂は、テレフタル酸
    残基と、エチレングリコール残基及びシクロヘキサンジ
    メタノール残基とから構成されている請求項2に記載の
    ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載のポリエステル樹
    脂組成物を用いて製造された熱収縮性フィルム状体。
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