JP2002331272A - フッ素含有固体廃棄物の処理方法 - Google Patents
フッ素含有固体廃棄物の処理方法Info
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Abstract
しかも、安全に処理して、処理物からのフッ素の溶出を
防止することができるフッ素含有固体廃棄物の処理方法
を提供する。 【解決手段】フッ素含有固体廃棄物に、リン酸化合物及
びカルシウム化合物を添加して混練することを特徴とす
るフッ素含有固体廃棄物の処理方法。
Description
棄物の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
フッ素含有固体廃棄物を、容易かつ効率的に、しかも、
安全に処理して、処理物からのフッ素の溶出を防止する
ことができるフッ素含有固体廃棄物の処理方法に関す
る。
素含有排水処理に際して発生する汚泥、フッ素汚染土
壌、フッ素を含有する産業廃棄物などのフッ素含有固体
廃棄物は、埋立処分するにあたっては、フッ素の溶出を
防止する処理を施すことが望ましい。従来、フッ素含有
廃水の処理方法は数多く提案されているが、フッ素含有
固体廃棄物の処理方法についての提案は少ない。例え
ば、特開2000−247694号公報には、鉄鋼スラ
グ中に含有されるフッ素の溶出を効果的に抑制し得る鉄
鋼スラグの安定化処理法として、鉄鋼スラグ融体にアル
ミニウム化合物を添加し、凝固過程において安定なCa
O−Al2O3−F系化合物をスラグ中に析出させるとと
もに、添加スラグの雨水や地下水などへの溶解に際し
て、鉄鋼スラグから溶出するカルシウムイオン及びアル
ミニウムイオンを用いて、鉄鋼スラグから溶出するフッ
素を捕捉する方法が提案されている。このように、フッ
素を含有する特定の固体廃棄物の処理方法については、
いくつかの提案がなされているが、一般的なフッ素含有
固体廃棄物に汎用的に適用し得る処理方法は、まだ見い
だされていない。
固体廃棄物を、容易かつ効率的に、しかも、安全に処理
して、処理物からのフッ素の溶出を防止することができ
るフッ素含有固体廃棄物の処理方法を提供することを目
的としてなされたものである。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、フッ素含有固体廃
棄物に、リン酸化合物及びカルシウム化合物を添加して
混練することにより、フッ素を安定なフルオロアパタイ
トとして固定化し、溶出を防止し得ることを見いだし、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、フッ素含有固体廃棄物に、リン酸化合物
及びカルシウム化合物を添加して混練することを特徴と
するフッ素含有固体廃棄物の処理方法を提供するもので
ある。
るフッ素含有固体廃棄物に特に制限はなく、例えば、半
導体製造業、金属精錬業、金属表面処理業、窯業などの
工場排水処理の際に発生する汚泥、都市ゴミ焼却排ガス
の洗煙水の処理の際に発生する汚泥、フッ素により汚染
された土壌、フッ素樹脂やフッ素ゴムなどの廃棄物、鉄
鋼スラグ、フッ化物ガラスの廃棄物などを挙げることが
できる。本発明方法に用いるリン酸化合物としては、例
えば、正リン酸、次亜リン酸、メタ亜リン酸、ピロ亜リ
ン酸、正亜リン酸、次リン酸、メタリン酸、ピロリン
酸、三リン酸、縮合リン酸などのリン酸類、リン酸二水
素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナト
リウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウ
ム、リン酸三カリウムなどのリン酸塩類などを挙げるこ
とができる。これらの中で、正リン酸(H3PO4)、リ
ン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸水素二
ナトリウム(Na2HPO4)及び縮合リン酸を特に好適
に使用することができる。本発明方法において、リン酸
化合物の添加量に特に制限はなく、固体廃棄物のフッ素
含有量などに応じて適宜選択することができるが、通常
はフッ素含有固体廃棄物100重量部に対して、0.5
〜20重量部であることが好ましく、2〜15重量部で
あることがより好ましい。本発明方法に用いるカルシウ
ム化合物としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カ
ルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、次亜塩素
酸カルシウム、塩素酸カルシウム、過塩素酸カルシウ
ム、リン酸二水素カルシウム、次亜リン酸カルシウム、
亜リン酸カルシウム、硝酸カルシウムなどを挙げること
ができる。これらの中で、水酸化カルシウム及び塩化カ
ルシウムを特に好適に用いることができる。本発明方法
において、カルシウム化合物の添加量に特に制限はな
く、固体廃棄物のフッ素含有量などに応じて適宜選択す
ることができるが、通常はフッ素含有固体廃棄物100
重量部に対して、0.5〜20重量部であることが好ま
しく、2〜15重量部であることがより好ましい。
物へのリン酸化合物とカルシウム化合物の添加順序に特
に制限はなく、リン酸化合物とカルシウム化合物のいず
れを先に添加することもでき、あるいは、両者を同時に
又は交互に添加することもできる。また、混練が困難な
場合には、必要に応じて、フッ素含有固体廃棄物に水を
添加することができる。水の添加量は、フッ素含有固体
廃棄物100重量部に対して、5〜30重量部であるこ
とが好ましい。水の添加量によって、処理後のフッ素溶
出防止効果に差は生じないので、水の添加量は、作業性
などの面から任意に設定することができる。本発明方法
において、リン酸化合物とカルシウム化合物を添加した
フッ素含有固体廃棄物の混練方法に特に制限はなく、フ
ッ素含有固体廃棄物の性状や量などに応じて適宜選択す
ることができ、例えば、コンクリートミキサなどを用い
て閉鎖空間で混練することができ、あるいは、油圧ショ
ベルなどを用いて開放空間で混練することもできる。本
発明方法において、フッ素含有固体廃棄物にリン酸化合
物とカルシウム化合物を添加して混練することにより、
フッ素の溶出を防止し得る機構は、フッ素含有固体廃棄
物中のフッ素が、リン酸化合物及びカルシウム化合物と
反応し、安定なフルオロアパタイトとして固定化される
ためであると推定される。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 フッ酸製造工程で副産物として発生するフッ素を含有す
る石こうの処理を行った。このフッ素含有石こう50g
を容量500mLのポリプロピレン製ビーカーに採り、水
5.0g、正リン酸1.5g、水酸化カルシウム1.5g
を添加し、充分に混ざるようにスパーテルで5分間混練
した。この処理物について、環境庁告示13号試験に準
じて、溶出試験を行った。容量250mLのポリエチレン
製広口びんに、処理物20gと純水200mLを入れて密
栓し、振盪回数200回/分、振盪幅4.5cmに調整し
た振盪機に取り付け、常温で6時間連続して振盪した。
次いで、びんの中の水をろ過し、ろ液のフッ化物イオン
の濃度を、JIS K 0102 34.2 イオン電極法
にしたがって測定した。フッ素の溶出量は、1.5mg/
Lであった。 実施例2 正リン酸と水酸化カルシウムの添加量をそれぞれ2.5
gとした以外は、実施例1と同様にして、試験を行っ
た。フッ素の溶出量は、0.9mg/Lであった。 実施例3 正リン酸と水酸化カルシウムの添加量をそれぞれ5.0
gとした以外は、実施例1と同様にして、試験を行っ
た。フッ素の溶出量は、0.5mg/Lであった。 比較例1 正リン酸と水酸化カルシウムを添加しない以外は、実施
例1と同様にして、試験を行った。フッ素の溶出量は、
4.2mg/Lであった。
化カルシウムを添加しない比較例1では、フッ素が4.
2mg/L溶出するのに対して、正リン酸と水酸化カルシ
ウムを添加した実施例1〜3では、フッ素の溶出量が減
少し、かつ、正リン酸と水酸化カルシウムの添加量が多
いほどフッ素の溶出量が少なくなることから、正リン酸
と水酸化カルシウムの添加によりフッ素が固定化され、
溶出が防止されることが分かる。
法によれば、廃棄物にリン酸化合物とカルシウム化合物
を添加して混練するという簡単な操作により、フッ素含
有固体廃棄物を、容易かつ効率的に、しかも、安全に処
理して、処理物からのフッ素の溶出を防止することがで
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】フッ素含有固体廃棄物に、リン酸化合物及
びカルシウム化合物を添加して混練することを特徴とす
るフッ素含有固体廃棄物の処理方法。
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