JP2002331073A - スロットマシン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リールの回転速度を所望時に減速可能とし、
初心者でも容易に目押し可能として、ゲームの面白みを
増大させ、入賞の確率を高める。ゲーム全体としてのス
ピード感・稼働率の低下は必要最小限とする。 【解決手段】 回転中のリール２ａ〜２ｃを順次停止さ
せ、全リール停止時の入賞ラインＬ１〜Ｌ５上の各リー
ルの図柄が、所定の組合せになっているとき、所定の払
出しを行うスロットマシンにおいて、低速化スイッチ１
１を付設する。マシンの制御手段は、リール２ａ〜２ｃ
中、最後に停止操作されるリール（最後のリール）の当
該停止操作前に低速化スイッチ１１が操作されたときで
あって、最後のリールを除く全リールが停止操作されて
いる場合に、最後のリールの回転速度を減速する。減速
は、初心者でも目押しできる程度に行われる。最後のリ
ールのみを減速の対象として、ゲーム全体を間延びさせ
ない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転中の複数のリ
ールを順次停止させ、全リール停止時の入賞ライン上に
並ぶ各リールの図柄が、所定の組合せになっているとき
に、所定の払出しを行うスロットマシンに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】スロットマシンは、回転軸方向に並んで
設けられた全てのリールを一斉に回転させた後、遊技者
が任意のタイミングで停止釦スイッチを順次押圧操作す
ることにより、対応するリールが順次停止する。そし
て、全リール停止時、図柄表示窓の入賞ライン上に所定
の図柄が並んだときに入賞として、その図柄の並びに応
じたメダル等の払出しを行うように構成されている。

【０００３】この種のスロットマシンにおいて、リール
の回転速度は、当初、一定であった。しかしこれでは、
特に初心者の場合に、リールの回転速度が速すぎ、入賞
ライン上に所定の入賞図柄を揃えることが難しかった。

【０００４】そこで従来、リールの回転速度（図柄の移
動速度）を低速に変更可能のスロットマシン（特開平５
−３９４３号公報、特開２０００−１３５３０８号公報
参照）が出現した。このようなスロットマシンによれ
ば、初心者でも、図柄の移動を目で追いながら、所望の
入賞ライン上に所望の図柄が停止するように、停止釦ス
イッチを押圧操作する、いわゆる目押しが可能となっ
て、ゲームの面白みが増大し、かつ入賞の確率が高めら
れるという効果がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のスロットマシンでは、次のような問題があった。ま
ず、上記特開平５−３９４３号公報に記載のスロットマ
シンでは、リールの回転速度を低速にする時期を遊技者
が任意に選択できず、面白みを増大させたり、入賞の確
率を高めるという効果が充分ではなかった。

【０００６】また、上記特開２０００−１３５３０８号
公報に記載のスロットマシンでは、リールの回転速度を
低速にする時期を遊技者が任意に選択できるが、全ての
リールが遊技者の選択した低速回転速度になってしま
う。そのため、ゲーム全体としてスピード感を損なわせ
るばかりか、１回のゲーム時間が長くなり稼働率を低下
させるという新たな問題が生じた。

【０００７】本発明は、上記従来技術の問題を解決する
ためになされたもので、リールの回転速度を所望時に減
速可能とし、特に初心者でも、容易に目押しが可能とな
って、ゲームの面白みが増大し、かつ入賞の確率が高め
られ、しかも、ゲーム全体のスピード感を損なわせた
り、稼働率を低下させる程までに、ゲーム時間を長引か
せることのないスロットマシンを提供することを目的と
する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明は、回転中の複数のリールを
個別に停止させ、全リール停止時の入賞ライン上に並ぶ
各リールに描かれた図柄が、所定の組合せになっている
ときに、その組合せに応じた払出し処理を行うスロット
マシンにおいて、低速化スイッチと、この低速化スイッ
チが、前記複数のリール中、最後に停止操作されるリー
ルの当該停止操作前に操作されたときであって、前記最
後に停止操作されるリールを除く全リールが停止操作さ
れている場合に、その最後に停止操作されるリールの回
転速度を所定の速度に減速する制御手段とを具備するこ
とを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図１は、本発明によるスロットマシ
ンの一実施形態を示す正面図である。図示するように、
スロットマシンは、筐体１の内部には、周面に複数種の
図柄が各々描かれた複数の、ここでは左、中、右の３個
のリール２ａ，２ｂ，２ｃを備える。

【００１０】また、筐体１の前面には、図柄表示窓３、
メダル投入口４、始動レバー５、停止釦スイッチ６ａ，
６ｂ，６ｃ、ゲームスイッチ７、当たりランプ８、メダ
ル排出口９、メダル受け皿１０等が設けられている。本
発明においては、筐体１の前面には低速化釦スイッチ１
１も設けられている。

【００１１】この場合、上記３個のリール２ａ〜２ｃ
は、図柄表示窓３の内側に位置し、その周面に各々描か
れた図柄がリール２ａ〜２ｃの回転により回転、変動す
る様子が図柄表示窓３から透視可能である。

【００１２】またリール２ａ，２ｂ，２ｃは、その停止
時に、各リール共、３駒分の図柄が図柄表示窓３に対向
し、それらの図柄が上、中、下、斜めの各入賞ラインＬ
１〜Ｌ５上に整列するようになっている。

【００１３】始動レバー５は、３個のリール２ａ〜２ｃ
を一斉に回転させるための操作レバーである。左、中、
右の停止釦スイッチ６ａ，６ｂ，６ｃは、左、中、右の
リール２ａ，２ｂ，２ｃに対応し、それら左、中、右の
リール２ａ，２ｂ，２ｃを各別に停止させるためのスイ
ッチである。

【００１４】メダル投入口４は、ゲーム開始時にメダル
（図示せず）を投入する部分であり、またメダル受け皿
１０は、メダル排出口９から排出されるメダルを収容す
る部分である。

【００１５】当たりランプ８は、後述する内部抽選の当
たりを点灯により遊技者に知らせるランプである。低速
化釦スイッチ１１は、始動レバー５の操作後において、
最後に停止操作されるリールの回転速度を所定の速度に
減速（低速化）したい場合に操作される低速化スイッチ
である。

【００１６】図２は、上記スロットマシンの回路構成例
を示す図である。この図において、図１と同一又は相当
部分に同一符号を付して説明すると、制御回路２１は、
ＣＰＵ２２と、このＣＰＵ２２にバス２３を介して接続
されたＲＯＭ２４及びＲＡＭ２５から構成されている。

【００１７】上記ＣＰＵ２２は、制御回路２１の主構成
をなすもので、ＲＯＭ２４に格納されたプログラムや各
種データを読み出し、また停止釦スイッチ６ａ〜６ｃ、
低速化釦スイッチ１１及び後述始動レバースイッチ等の
ＯＮ／ＯＦＦ状態を検出しつつ上記プログラムを実行し
てスロットマシン各部を制御する。ＲＡＭ２５は、主と
してＣＰＵ２２によるプログラム実行時の作業エリアと
して用いられる。

【００１８】上記バス２３には、インタフェース２６を
介してリール駆動回路２７が、また、インタフェース２
８を介して表示回路２９が、各々接続されている。リー
ル駆動回路２７は、制御回路２１（ＣＰＵ２２）からの
指令を受けて、図１に示すリール２ａ，２ｂ，２ｃ駆動
用のステッピングモータ３０，３１，３２を回転させ、
あるいは停止させる。表示回路２９は、当たりランプ８
等を点消灯させる。

【００１９】始動レバー５（図１参照）の操作によりＯ
Ｎ／ＯＦＦする始動レバースイッチ３３、停止釦スイッ
チ６ａ，６ｂ，６ｃ及び低速化釦スイッチ１１は、各々
インタフェース３３を介してバス２３に接続されてい
る。

【００２０】本発明では、上記制御回路２１は、低速化
釦スイッチ１１が、図１に示すリール２ａ〜２ｃ中、最
後に停止操作されるリール（最後のリール）の当該停止
操作前に操作されたときであって、その最後のリールを
除く全リールが停止操作されている場合に、その最後の
リールの回転速度を減速（低速化）する機能を有する。
減速は、初心者でも目押しできる程度に行われる。

【００２１】その他、制御回路２１が、スロットマシン
としての一般的な機能を有することは、従来技術と特に
変わらない。例えば、始動レバースイッチ３３のＯＮに
より、内部抽選を行い、リール２ａ〜２ｃを一斉に回転
開始させたり、また、停止釦スイッチ６ａ，６ｂ，６ｃ
の押圧操作により、対応するリール２ａ，２ｂ，２ｃを
停止させ、全リール２ａ〜２ｃ停止後、所定の払出し処
理を行う等の機能は、従来技術と同様に備えている。

【００２２】次に、動作について図３を併用して説明す
る。制御回路２１は、図１に示すメダル投入口４にメダ
ルが投入され、かつ、始動レバー５が操作されて始動レ
バースイッチ３３がＯＮしたことを検出すると、ゲーム
をスタートさせ、以下の制御を行う。

【００２３】ステップ３０１では内部抽選を行う。この
抽選は、例えば図１に示す入賞ラインＬ１〜Ｌ５上の図
柄が７，７，７に揃う、ビッグボナースと称される大当
たりを内部的に引く抽選である。この抽選に当たれば、
当たりランプ８を点灯させて遊技者に抽選の当たりを知
らせる。同時に、リール駆動用のステッピングモータ３
０〜３２を回転させ、全リール２ａ〜２ｃ（図１参照。
以下同様。）を一斉に回転開始させる。抽選に外れた場
合には、当たりランプ８を点灯させることなく、全リー
ル２ａ〜２ｃを一斉に回転開始させる。ここでは、抽選
に当たった例を示している（ステップ３０２〜３０
３）。

【００２４】その後、最初の停止釦スイッチ、例えば左
の停止釦スイッチ６ａのＯＮ（最初のリール２ａの停止
操作）が検出されると、ステッピングモータ３０を停止
させ、最初のリール、ここでは左のリール２ａを停止さ
せる（ステップ３０４）。次に、２番目の停止釦スイッ
チ、例えば中の停止釦スイッチ６ｂのＯＮ（２番目のリ
ール２ｂの停止操作）が検出されると、ステッピングモ
ータ３１を停止させ、２番目のリール、ここでは中のリ
ール２ｂを停止させる（ステップ３０５）。ステップ３
０５を経ると、ＯＮされていない停止釦スイッチは右の
停止釦スイッチ６ｃのみ、すなわち停止操作されていな
いリールは最後のリール２ｃのみとなるので、制御回路
２１は低速化釦スイッチ１１のＯＮ／ＯＦＦ状態を判定
する（ステップ３０６）。

【００２５】ゲームスタートからステップ３０６に至る
までの間に、遊技者が最後のリール２ｃの回転速度の減
速を望んで、低速化釦スイッチ１１をＯＮ（操作）して
いれば、リール駆動回路２７によってステッピングモー
タ３２の回転速度が減速される。したがって、最後のリ
ール２ｃの回転速度が減速（低速化）される（ステップ
３０７）。これにより、遊技者が初心者であっても容易
に目押できるようになる。図４は最後のリール２ｃが矢
印イ方向に減速回転している様子を示す。

【００２６】ステップ３０８において、最後の停止釦ス
イッチ、ここでは右の停止釦スイッチ６ｃのＯＮ（最後
のリール２ｃの停止操作）が検出されると、ステッピン
グモータ３２を停止させ、最後のリール、ここでは右の
リール２ｃを停止させる。また、入賞ライン上の図柄の
組合せを判定（入賞判定）し、判定結果に応じた払出し
処理（所定枚数のメダルの払出し、あるいは非払出し）
を行う。ステップ３０９では当たりランプ８を消灯し、
その後、ゲームは終了する。

【００２７】ここで、低速化釦スイッチ１１のＯＮの時
期と、最後のリール２ｃの回転速度の減速時期との関係
について説明する。まず、ゲームスタート後、ステップ
３０５の経過前までに、より詳しくは２番目の停止釦ス
イッチ６ｂのＯＮが検出されるまでに、低速化釦スイッ
チ１１がＯＮされている場合には、最後のリール２ｃ
は、２番目の停止釦スイッチ６ｂのＯＮが検出された時
点、すなわち２番目のリール２ｂの停止操作時点から減
速回転する。

【００２８】２番目の停止釦スイッチ６ｂのＯＮ（２番
目のリール２ｂの停止操作）が検出された後に、低速化
釦スイッチ１１がＯＮされた場合には、最後のリール２
ｃは、その低速化釦スイッチ１１のＯＮが検出された時
点から減速回転する。

【００２９】いずれにしても、リールの回転速度を所望
時に減速できるので、特に初心者でも、容易に目押しが
可能となって、ゲームの面白みが増大し、かつ入賞の確
率が高められる。しかも本発明においては、最後のリー
ルを停止させる場合にのみ、リールの回転速度を減速可
能としたので、ゲーム全体のスピード感を損なわせた
り、稼働率を低下させる程までに、ゲーム時間を長引か
せることはない。

【００３０】なお上述実施形態では、図１に示す左、
中、右の３個のリール２ａ，２ｂ，２ｃ中、右のリール
２ｃが最後に停止されるリール（最後のリール）として
説明したが（図４参照）、これのみに限定されることは
なく、左のリール２ａ又は中のリール２ｂを最後のリー
ルとしてもよい。図５は、左のリール２ａが最後のリー
ルとして矢印イ方向に減速回転している様子を示し、図
６は、中のリール２ｂが最後のリールとして矢印イ方向
に減速回転している様子を示す。図４〜図６では、入賞
ラインＬ４，Ｌ１，Ｌ２上に停止している２つの図柄が
共に７となっている場合を例示しているが、このような
図柄の組合せになっていることが、最後のリールを減速
させ得る条件とされることはない。すなわち、停止して
いる２つの図柄が揃っていない場合でも、最後のリール
を所望時に減速可能であり、これによれば、特定の図柄
を目押しで入賞ラインＬ１〜Ｌ５上に停止させる練習を
することができる。

【００３１】左のリール２ａ又は中のリール２ｂが最後
のリールとなる場合の例としては、詳細を省略するが、
図柄をリプレイ図柄（大当たり状態を再開させる図柄）
で揃わないようにするための、いわゆるリプレイ外しを
行う場合が挙げられる。このように、右のリール２ｃ以
外のリール２ａ又は２ｂが最後に停止される場合でも、
本発明においては、その最後に停止されるリール２ａ又
は２ｂの回転速度を所望時に減速できる。したがって、
種々のリール停止操作手順を採る全ての遊技者につい
て、最後のリールを停止させる場合に目押しが容易にな
り、面白みが増大し、かつ入賞の確率を高めることがで
きる。

【００３２】リールの個数も上述実施形態のような３個
のみに限定されることはない。更に、リールは画像表示
装置で表示されるリール（リール像）であってもよい。
この場合は、図２中のリール駆動回路２７及びステッピ
ングモータ３０〜３２は不要となる。

【００３３】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、リー
ルの回転速度（図柄の移動速度）を所望時に減速できる
ので、初心者でも、図柄の移動を目で追いながら停止ス
イッチを操作する、目押しを容易に行い得、したがっ
て、ゲームの面白みが増大し、かつ入賞の確率が高めら
れる。しかも本発明においては、最後のリールを停止さ
せる場合にのみ、リールの回転速度を減速可能としたの
で、ゲーム全体のスピード感を損なわせたり、稼働率を
低下させる程までに、ゲーム時間を長引かせることはな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるスロットマシンの一実施形態を示
す正面図である。

【図２】同じく回路構成例を示す図である。

【図３】同じくの動作を説明するためのフローチャート
である。

【図４】最後に停止されるリールとして、右のリールが
減速回転している様子を示す図である。

【図５】同じく左のリールが減速回転している様子を示
す図である。

【図６】同じく中のリールが減速回転している様子を示
す図である。

【符号の説明】

２ａ，２ｂ，２ｃ リール ６ａ，６ｂ，６ｃ 停止釦スイッチ １１ 低速化釦スイッチ（低速化スイッチ） ２１ 制御回路（制御手段） Ｌ１〜Ｌ５ 入賞ライン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転中の複数のリールを個別に停止さ
   せ、全リール停止時の入賞ライン上に並ぶ各リールに描
   かれた図柄が、所定の組合せになっているときに、その
   組合せに応じた払出し処理を行うスロットマシンにおい
   て、 低速化スイッチと、 この低速化スイッチが、前記複数のリール中、最後に停
   止操作されるリールの当該停止操作前に操作されたとき
   であって、前記最後に停止操作されるリールを除く全リ
   ールが停止操作されている場合に、その最後に停止操作
   されるリールの回転速度を所定の速度に減速する制御手
   段とを具備することを特徴とするスロットマシン。