JP2002329775A - 静電チャック - Google Patents
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Abstract
になるように吸着保持することができるとともに、被加
工物の離脱性に優れ、かつ吸着時や離脱時におけるパー
ティクルの発生の少ない静電チャックを提供する。 【解決手段】板状セラミック体2の内部又は一方の主面
に静電吸着用電極3を有する静電チャック1において、
上記板状セラミック体2の他方の主面に、その外周部を
残して凹部4を形成し、この凹部底面5の周縁にガス溝
7を、凹部底面5の中央部には滑らかな窪み10をそれ
ぞれ設け、上記ガス溝7を除く凹部底面5を第一吸着面
11とするとともに、上記外周部を第二吸着面12とし
て構成する。
Description
D装置、イオンプレーティング装置、蒸着装置等の成膜
装置やエッチング装置において、例えば半導体ウエハ等
の被加工物を保持するのに用いる静電チャックに関する
ものである。
PVD装置、CVD装置、イオンプレーティング装置、
蒸着装置等の成膜装置やエッチング装置では、被加工物
を精度良く固定するため、平坦かつ平滑に仕上げられた
板状体の表面に強制的に吸着させることが行われてお
り、この吸着手段として、静電吸着力を利用した静電チ
ャックが用いられている。
れる従来の静電チャックは、板状セラミック体の内部や
その一方の主面(一方の最も広い面)に静電吸着用電極
を備えるとともに、上記板状セラミック体の他方の主面
(他方の最も広い面)を吸着面としたもので、静電吸着
用電極に電圧を印加して被加工物との間に誘電分極によ
るクーロン力や微少な漏れ電流によるジョンソン・ラー
ベック力等の静電吸着力を発現させることにより、被加
工物を吸着面に強制的に吸着固定させることができるよ
うになっており、この時、被加工物の保持精度は、吸着
面の面精度に倣うことから、吸着面全体を平滑かつ平坦
に仕上げたものが用いられていた。
は、その多くが真空中での処理のため、被加工物の温度
を如何に均一に保つか、また各種処理時に発生する熱を
如何に外部へ逃がすかが重要な要件となっている。ま
た、被加工物の処理時間を短くするためには、成膜やエ
ッチングに要する本来の時間以外の時間、即ち被加工物
を吸着面に載せてから静電吸着力により吸着保持するま
での時間及び吸着面から被加工物を離脱させるまでの時
間を短縮することも重要な要件となっている。
面は、前述したように平滑かつ平坦に仕上げられている
ため、静電吸着用電極への通電を止めても直ちに被加工
物を離脱させることができないといった課題があった。
状セラミック体の吸着面近傍と、被加工物の当接面近傍
にそれぞれ極性の異なる電荷を帯電または誘電分極させ
ることにより静電吸着力を発現させ、被加工物を吸着面
に吸着させるのであるが、被加工物を離脱させるため、
静電吸着用電極への通電を止めても板状セラミック体の
吸着面近傍の電荷が直ちになくならず、残留吸着力とし
て残るため、被加工物を吸着面より直ちに離脱させるこ
とができなかった。
しても、ミクロ的に見ると、静電チャックの吸着面と被
加工物との間には、吸着面の表面粗さや加工傷等の凹
凸、あるいは被加工物の反り等により実際に接触してい
る面積が小さく、さらに真空中では大気中にくらべて熱
伝導量が小さいこと、被加工物の中央部は周縁部に比較
して熱引けが悪いこと等の理由によって、成膜時やエッ
チング時に被加工物に発生した熱を均一に逃がすことが
できず、被加工物の温度分布を一様にすることができな
いため、成膜時の膜厚みが不均一となったり、エッチン
グ時の形状に悪影響を与えるといった課題があった。
様々なパターン形状を有する深さ数十〜数百μm程度の
ガス溝24を形成するとともに、上記ガス溝24に、H
eガス等の熱伝導性ガスを供給するためのガス導入孔2
5を備えた静電チャック21が提案されている(特開平
12−349140号公報、特開平9−283608号
公報、開平7−86385号公報等参照)。
着面23にガス溝24を設け、被加工物Wとの接触面積
を少なくすることができるため、静電吸着用電極26へ
の通電を止めた時、板状セラミック体22の吸着面近傍
に存在する電荷が少なく残留吸着力を小さくできるた
め、被加工物Wの離脱性を高めることができるといった
利点があった。
1では、吸着面23にガス溝24を設けたことにより、
吸着面23と直接接触している部分の被加工物Wの温度
と、ガス溝24と接している部分の被加工物Wの温度と
の間には温度差が発生し、この温度差を小さくするた
め、被加工物Wを静電吸着力により吸着面23に吸着さ
せている際には、被加工物Wとガス溝24とで構成され
る空間にガス導入孔25よりHe等の熱伝導性ガスを供
給することで、ガス溝24と被加工物Wとの間の熱伝達
特性を高め、吸着面23と被加工物Wとの間の熱伝達効
率に近づけることにより、被加工物Wの温度分布が一様
となるように制御することが行われているが、このよう
に被加工物Wとガス溝24とで構成される空間にHe等
の熱伝導性ガスを供給したとしても、吸着面23の占め
る割合が多く、吸着面23とガス溝24とが交互に配置
された構造となっていること、被加工物Wの中央部は周
縁部に比較して熱引けが悪いこと等から十分に満足でき
るものではなく、被加工物Wのさらなる温度均一性が要
求されていた。
有するガス溝24を形成したものでは、ガス溝24によ
って区画される領域の吸着面23の周縁にはシャープエ
ッジが形成されており、被加工物Wがシリコンウエハの
ように比較的硬度の低いものである場合、その吸着時や
離脱時の摺動によって傷付けられたり、エッジ部が欠け
てパーティクルが発生するため、このパーティクルが被
加工物Wに付着すると、成膜精度やエッチング精度に悪
影響を与える恐れもあった。
均一になるように吸着保持することができるとともに、
被加工物の離脱性に優れ、かつ吸着時や離脱時における
パーティクルの発生の少ない静電チャックを提供するこ
とにある。
題に鑑み、板状セラミック体の内部又は一方の主面に静
電吸着用電極を設け、上記板状セラミック体の他方の主
面には、その外周部を残して凹部を形成し、この凹部底
面の周縁部にはガス溝を、凹部底面の中央部には滑らか
な窪みをそれぞれ設け、上記ガス溝を除く凹部底面を第
一吸着面とするとともに、上記外周部を第二吸着面とし
て静電チャックを構成したものである。
びガス溝を除く凹部底面は、板状セラミック体の一方の
主面と平行な平坦面とし、この平坦面から第二吸着面ま
での高さを0.5μm〜5μmとすることが好ましく、
さらには上記板状セラミック体の他方の主面を上方から
見た時、上記第一吸着面の面積に対する上記窪みの面積
の比率を1%〜15%とし、かつ上記凹部底面の平坦面
から上記窪みの底面までの深さを1μm〜10μmとす
ることが好ましい。
説明する。
示す斜視図、図2(a)は図1の静電チャックに被加工
物を載せた時の状態を示す断面図、図2(b)は図1の
静電チャックを用いて被加工物を吸着保持した時の状態
を示す断面図である。
ャック1は、シリコンウエハ等の被加工物Wと同程度の
大きさを有する円盤状をした板状セラミック体2の一方
の主面(一方の最も広い面)に静電吸着用電極3を備え
るとともに、上記板状セラミック体2の他方の主面(他
方の最も広い面)には、その外周部を残してその平面形
状が円形をした凹部4を備え、この凹部底面5の周縁に
は円環状のガス溝7を備えるとともに、凹部底面5の中
央には滑らかな窪み10を形成したもので、ガス溝7を
除く凹部底面5を被加工物Wの第一吸着面11とすると
ともに、上記外周部(凹部4を除く板状セラミック体2
の他方の主面)を被加工物Wの第二吸着面12としてあ
る。
て、凹部底面5は、窪み10及びガス溝7を除く凹部底
面5を、板状セラミック体2の一方の主面と平行な平坦
面17としてあり、この平坦面17から第二吸着面12
までの高さ(h)は、比較的浅く、具体的には0.5〜
5μmとしてある。
ィング法、PVD法、CVD法、スパッタリング法、メ
ッキ法等の膜形状手段により板状セラミック体2の一方
の主面に形成してあり、その材質としてはTi,W,M
o,Ni等の金属やその炭化物等により形成することが
できる。
面8に開口するガス導入孔9を間隔を開けて穿孔してあ
り、このガス導入孔9よりガス溝7を介してHe等の熱
伝達性ガスを被加工物Wと凹部4とで形成される空間に
供給するようになっている。
ック体2の一方の主面側に、金属材料からなるベース板
13をガラスや樹脂系接着剤等の接合剤層18にて接合
してあり、ベース板13には、ガス導入孔9と連通する
ガス供給孔14を備えるとともに、静電吸着用電極3と
連通する電極取出孔15を穿孔してあり、この電極取出
孔15より静電吸着用電極3に接合された給電端子16
を取り出すようになっている。
に凹部4及び窪み10を形成する手段としては、ブラス
ト加工やエッチング加工によっても形成することができ
るが、好ましくはロータリー加工機を用いた研削加工に
て製作することが好ましく、このロータリー加工機を用
いれば、研磨代が残った粗加工の状態から仕上げ加工ま
で一貫して加工することができ、また、精度良く仕上げ
ることができる。
底面5の中央に滑らかな窪み10を形成するには、往復
運動する砥石の加工速度を凹部底面5の中央部で故意に
遅くしたり、凹部底面5の中央部での砥石の抜けを大き
くすることによって製作することができる。
物Wを固定するには、図2(a)に示すように、被加工
物Wの周縁部が板状セラミック体2の第二吸着面12と
当接するように、被加工物Wを板状セラミック体2の他
方の主面側に載せた状態で、給電端子16間に通電する
と、静電吸着用電極3と被加工物Wとの間に静電吸着力
が発現し、被加工物Wを板状セラミック体2の他方の主
面に吸着固定することができるようになっている。
ように、被加工物Wの中央部は第一吸着面側に引っ張ら
れて第一吸着面11の平坦部17と当接するのに対し、
被加工物Wの周縁部は第一吸着面11より高い位置にあ
る第二吸着面12と当接しているため、被加工物Wは結
果的にその中央部が下凸となるように湾曲した状態で固
定されることになるのであるが、本件発明者の研究によ
れば、成膜精度やエッチング精度等の各種処理精度を高
めるためには、板状セラミック体2の他方の主面全体を
平坦な吸着面とし、被加工物Wを吸着した時の平坦度を
高めるよりも、被加工物Wの温度分布を一様にする方が
重要であることを突き止め、各種処理精度に大きな影響
を与えない凹部4の高さ(h)について研究したとこ
ろ、上述したように、0.5〜5μmとすれば良いこと
を見出した。
ると、吸着時における被加工物Wの平面度が悪くなりす
ぎるため、成膜時には膜厚みが不均一となり、エッチン
グ時には形状悪化を引き起こすなど各種処理精度に悪影
響を与えるとともに、被加工物Wを吸着保持するのに十
分な静電吸着力が得られなくなるからであり、逆に凹部
4の高さ(h)が0.5μm未満となると、後述するよ
うに被加工物Wと凹部4とで構成される空間に熱伝導性
ガスを供給した時、被加工物Wと第二吸着面12との隙
間からの漏れ量が多くなり過ぎ、成膜時やエッチング時
における環境(真空度等)に影響を与え、結果として各
種処理精度に悪影響を与える恐れがあるからである。
凹部底面5をなす平坦面17から第二吸着面12までの
高さのことを言う。
物Wとで形成される空間にHe等の熱伝導性ガスを数1
000パスカル(Pa)の圧力で供給することにより、
被加工物Wと凹部底面5との間の熱伝達特性を高めるの
であるが、第一吸着面11の全面が平坦であると、被加
工物Wの中央部は周縁部と比較して熱引けが悪いため、
中央部の温度分布が周縁部より高くなり、被加工物W全
体の温度分布を均一にすることができないのであるが、
本発明の静電チャック1では、凹部底面5の中央部に滑
らかな窪み10を設け、凹部底面5の周縁に設けたガス
溝7から熱伝導性ガスが凹部4の中央部に流れ易くなる
ようにし、中央部における熱伝達特性を高めるようにし
てあることから、被加工物全体の温度分布を極めて均一
にすることができ、この後、成膜やエッチング等の各種
処理を施した時に、被加工物Wに熱が発生したとしても
その温度均一性が阻害されることがない。
ば、板状セラミック体2の他方の主面には、その外周部
を残して凹部4を設け、被加工物Wの周縁部を第二吸着
面12に吸着させ、かつ被加工物Wの中央部を第一吸着
面11に吸着させるようにしてあることから、被加工物
Wとの接触面積を少なくでき、その結果、静電吸着用電
極3への通電を止めれば、直ちに被加工物Wを離脱させ
ることができ、被加工物Wの離脱時間を大幅に低減する
ことができる。
は、第ニ吸着面12の幅(t)を1mm〜10mmとす
ることが好ましい。なぜなら、第ニ吸着面12の幅
(t)が1mm未満となると、この部分での静電吸着力
が小さく、第ニ吸着面12に被加工物Wの周縁部を当接
しておくことができず、凹部4に供給した熱伝導性ガス
が外部に漏れ易くなるからであり、逆に、第ニ吸着面1
2の幅(t)が10mmを超えると、吸着時に被加工物
Wの中央部が下凸に滑らかに湾曲できず、第一吸着面1
1と固定接触できなくなるため、熱伝導性ガスを導入し
た際に被加工物Wの第一吸着面11に対応した部分で熱
伝導が変化し、被加工物Wの面内の温度分布差が大きく
なるといった不都合があるからである。なお、第ニ吸着
面12の幅(t)はその外周にわたって必ずしも一様で
ある必要性はなく、部分的に狭い箇所や広い箇所があっ
ても良いが、このような場合、第ニ吸着面12の狭い箇
所の幅(t)は1mm以上、第ニ吸着面12の広い箇所
の幅(t)は10mm以下となるようにすることが好ま
しく、さらには1〜5mmとすることが良い。
は、第二吸着面12の表面粗さを滑らかに仕上げ、被加
工物Wが吸着保持された時に隙間ができるだけ少なくな
るようにする必要があり、具体的には算術平均粗さ(R
a)で0.6μm以下とすることが良い。
二吸着面12と凹部側面6との交差部にシャープエッジ
が形成されることになるが、凹部4の高さ(h)が0.
5〜5μmと浅く、静電吸着力により被加工物Wを吸着
保持したとしても第二吸着面12と凹部側面6とで構成
されるシャープエッジには大きな押圧力が作用し難いた
め、欠け等が発生し難いものの、好ましくはR面等の面
取りを施しておくことが良い。
上方から見た時、第一吸着面11の面積に対する窪み1
0の面積の比率は1%〜15%とするとともに、第一吸
着面11の平坦面17から窪み10の底面までの深さ
(s)は1μm〜10μmとすることが好ましい。
10の面積の比率が1%未満であったり、第一吸着面1
1の平坦面17から窪み10の底面までの深さ(s)が
1μm未満であると、第一吸着面11全体に対して窪み
10が占める割合が小さすぎたり、窪み10が浅すぎる
ため、凹部4の中央に熱伝導性ガスを導いて熱伝達特性
を高める効果が小さく、被加工物Wの温度ばらつきを抑
えるという効果が十分に発揮できないからであり、ま
た、第一吸着面11の平坦面17から窪み10の底面ま
での深さ(s)が10μmを超えると、凹部4の中央へ
流れる熱伝導性ガスの流量が多くなりすぎて被加工物W
の中央部における温度が周縁部よりも低くなり、被加工
物Wの温度ばらつきを抑えることができなくなるからで
あり、さらに、第一吸着面11の面積に対する窪み10
の面積の比率が15%を超えると、静電吸着力により被
加工物Wが窪み10の表面に倣って吸着され、被加工物
Wの平面度が悪くなりすぎ、成膜時には膜厚みが不均一
となり、エッチング時には形状悪化を引き起こすなど各
種処理精度に悪影響を与えるからである。
とは、鋭利な角部を持たず、平滑な表面にて形成された
窪み10のことである。
することから、できるだけ平滑に仕上げることが好まし
く、具体的には第一吸着面11の表面粗さを算術平均粗
さ(Ra)で1.2μm以下とすることが好ましい。
材質としては、アルミナ質焼結体、窒化珪素質焼結体、
窒化アルミニウム質焼結体、イットリウム−アルミニウ
ム−ガーネット質焼結体(以下、YAG質焼結体とい
う)、単結晶アルミナ(サファイア)を用いることがで
き、これらの中でも窒化アルミニウム質焼結体は熱伝達
率が50W/m・k以上、高いものでは熱伝達率100
W/m・k以上を有し、熱伝導性に優れることから、被
加工物Wの均熱性を高める点で好ましく、また、単結晶
アルミナ(サファイア)を用いれば、セラミック焼結体
と違いボイドや脱粒がないため、パーティクルの発生を
極力嫌う場合に好適である。
面から他方の主面までの厚み(H)は0.5mm〜2m
mとすることが好ましい。なぜなら、板状セラミック体
2の厚み(H)は、静電吸着力に影響を与えるからで、
2mmを超えると、実用的な静電吸着力が得られないか
らであり、逆に板状セラミック体2の厚み(H)が0.
5mm未満となると、板状セラミック体2の他方の主面
に凹部4及び窪み10やガス溝7を形成した時、板状セ
ラミック体2の一方の主面から窪み10の底面やガス溝
底面8までの距離が0.3mm未満となり、静電吸着用
電極3に電圧をかけた際に絶縁破壊を起こす恐れがある
からである。
一方の主面に静電吸着用電極3を備えた静電チャック1
を例にとって説明したが、図3(a)(b)に示すよう
に、板状セラミック体2の内部に静電吸着用電極3を埋
設し、板状セラミック体2の他方の主面に、その外周部
を残して高さ(h)が0.5〜5μmの凹部4を設け、
この凹部底面5の周縁部にガス溝7を形成するととも
に、凹部底面5の中央には滑らかな窪み10を設け、ガ
ス溝7を除く凹部底面5を被加工物Wとの第一吸着面1
1とするとともに、凹部4の外周部を第二吸着面12と
した静電チャック1にも適用できることは言う迄もな
い。
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、改良や変更したものでも良いことは言う迄もない。
と図4に示す従来の静電チャック21を用意し、各静電
チャック1,21を用いてシリコンウエハを固定し、各
ガス導入孔14,25からHeガスを供給した時のシリ
コンウエハの温度分布を調べる実験を行った。
は、窒化アルミニウム質焼結体からなる板厚が1mmの
板状セラミック体2の一方の主面に、スパッタリング法
によりタングステンからなる金属膜を所定のパターン形
状に被着して静電吸着用電極3を形成するとともに、板
状セラミック体2の他方の主面には、その外周部を残し
てロータリー加工機にて凹部4を形成し、この時、凹部
底面5の中央部には窪み10が形成されるようにした。
次に、凹部底面5の周縁部にマシニング加工によって環
状のガス溝7を形成した後、各ガス溝底面8に連通する
ガス導入孔14を穿孔した後、板状セラミック体2の一
方の主面に、静電吸着用電極3を覆うように、シリコン
系接着剤を介してアルミニウムからなるベース板13を
接合し、上記静電吸着用電極3に給電端子16を接合す
ることにより製作した。
mm、第一吸着面11の外径を190mm、窪み10の
面積を5000mm2、凹部底面5の平坦面17から第
二吸着面12までの高さ(h)を3μm、凹部底面5の
平坦面17から窪み10の底面までの深さ(s)を5μ
mとした。
ルミニウム質焼結体からなる板厚が3mmの板状セラミ
ック体22の一方の主面に、スパッタリング法によりタ
ングステンからなる金属膜を所定のパターン形状に被着
して静電吸着用電極26を形成するとともに、板状セラ
ミック体22の他方の主面には、ブラスト加工によって
中心から放射状に延びる深さが50μmのガス溝24を
3本形成し、ガス溝底面にガス導入孔25を穿孔した
後、板状セラミック体22の一方の主面に、静電吸着用
電極26を覆うように、シリコン系接着剤を介してアル
ミニウムからなるベース板を接合し、上記静電吸着用電
極26に給電端子を接合することにより製作した。
0mm、吸着面23の面積の総和を23020mm2、
ガス溝24の面積を570mm2とした。
インチのシリコンウエハを載せ、各静電吸着用電極3,
26に通電して静電吸着力を発現させた状態で、ガス導
入孔14,25よりHeガスを2666パスカル(P
a)の圧力で供給したときのシリコンウエハの温度分布
と平面度を測定した。なお、このときの設定温度を10
0℃とした。
来の静電チャック21と比較してシリコンウエハを吸着
固定した時の平面度は若干劣るものの、シリコンウエハ
の温度バラツキが3℃と優れていた。
し、第一吸着面11の平坦面17から第二吸着面12ま
での高さ(h)を異ならせた時のHeガスの漏れ量とシ
リコンウエハの平面度を測定する実験を行った。
面12までの高さ(h)とシリコンウエハの平面度との
関係は図4に、第一吸着面11の平坦面17から第二吸
着面12までの高さ(h)とHeガスのリーク量につい
ては図5にそれぞれ示す通りである。
ら第二吸着面12までの高さ(h)が5μmを超える
と、吸着保持したシリコンウエハの平面度が成膜精度や
エッチング精度に影響を与える5μmを超えてしまい、
また、第一吸着面11の平坦面17から第二吸着面12
までの高さ(h)が0.5μm未満となると、Heガス
の漏れ量が増大する傾向にあった。
ら第二吸着面12までの高さ(h)は0.5〜5μmと
することが良く、さらに好ましくは3〜5μmとすれば
良いことが判る。
二吸着面12までの高さ(h)を3μmとし、窪み10
の面積と窪み10の深さを変更することにより、第一吸
着面11の面積に対する窪み10の面積が占める割合、
及び第一吸着面11の平坦面17から窪み10の底面ま
での深さ(s)をそれぞれ異ならせた時のシリコンウエ
ハの温度分布と平面度を測定する実験を行った。
面11の面積に対する窪み10の面積が占める割合を1
%〜15%とすることで、シリコンウエハの平面度を5
μm以下に抑えることができ、第一吸着面11の平坦面
17から窪み10の底面までの深さ(s)を1μm〜1
0μmとすれば、シリコンウエハの温度バラツキを5℃
以内とすることができ、シリコンウエハの温度分布を均
一にできることが判る。
第二吸着面12までの高さ(h)を3μm、第一吸着面
11の平坦面17から窪み10の底面までの深さ(s)
を5μmとし、窪み10の面積を変更することにより、
第一吸着面11の面積に対する窪み10の面積が占める
割合を異ならせた時のシリコンウエハの離脱性について
調べる実験を行った。
10を設けることにより、シリコンウエハの離脱時間を
10sec以下と、大幅に短縮できることが判る。
又は一方の主面に静電吸着用電極を設け、上記板状セラ
ミック体の他方の主面には、その外周部を残して凹部を
形成し、この凹部底面の周縁にはガス溝を、凹部底面の
中央部には滑らかな窪みをそれぞれ設け、上記ガス溝を
除く凹部底面を第一吸着面とするとともに、上記外周部
を第二吸着面として静電チャックを構成したことによっ
て、被加工物の温度分布が均一になるように吸着保持す
ることができるため、本発明の静電チャックを用いて成
膜処理を施せば、均一な膜厚みを持った膜を被着するこ
とができ、また、エッチング処理を施せば、所定形状の
加工を行うことができる。
離脱時に被加工物を引っ掻くシャープエッジが少ないた
め、被加工物を傷付けることがなく、パーティクルの発
生を従来の静電チャックと比較してさらに低減すること
ができるとともに、被加工物の離脱性にも優れることか
ら、成膜やエッチングのトータル時間を短縮し、生産効
率を向上させることができる。
である。
た時の状態を示す断面図、(b)は図1の静電チャック
を用いて被加工物を吸着保持した時の状態を示す断面図
である。
図である。
(h)とシリコンウエハの平面度との関係を示すグラフ
である。
(h)とHeガスのリーク量との関係を示すグラフであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】板状セラミック体の内部又は一方の主面に
静電吸着用電極を備え、上記板状セラミック体の他方の
主面には、その外周部を残して凹部を有し、該凹部底面
の周縁部にはガス溝を備え、かつ上記凹部底面の中央部
には窪みを具備してなり、上記ガス溝を除く凹部底面を
第一吸着面とするとともに、上記外周部を第二吸着面と
したことを特徴とする静電チャック。 - 【請求項2】上記窪み及びガス溝を除く凹部底面は、板
状セラミック体の一方の主面と平行な平坦面であって、
該平坦面から第二吸着面までの高さが0.5μm〜5μ
mであることを特徴とする請求項1に記載の静電チャッ
ク。 - 【請求項3】上記板状セラミック体の他方の主面を上方
から見た時、上記第一吸着面の面積に対する上記窪みの
面積の比率が1%〜15%で、かつ上記第一吸着面の平
坦面から上記窪みの底面までの深さが1μm〜10μm
であることを特徴とする請求項2に記載の静電チャッ
ク。
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