JP2002329365A - 差動リニアアンプ回路 - Google Patents
差動リニアアンプ回路Info
- Publication number
- JP2002329365A JP2002329365A JP2001133711A JP2001133711A JP2002329365A JP 2002329365 A JP2002329365 A JP 2002329365A JP 2001133711 A JP2001133711 A JP 2001133711A JP 2001133711 A JP2001133711 A JP 2001133711A JP 2002329365 A JP2002329365 A JP 2002329365A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- circuit
- linear amplifier
- differential linear
- amplifier circuit
- differentiating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Networks Using Active Elements (AREA)
- Amplifiers (AREA)
- Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
- Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
- Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 差動リニアアンプ回路の入力段の直流成分が
変化しても、次段に影響を与えないようにして、且つ、
NPNまたはPNP型バイポーラトランジスタだけを使
用した回路構成とすることで、必要な特性を維持し、L
SIのコストダウンが可能な差動リニアアンプ回路を提
供する。 【解決手段】 MOSトランジスタ42、43の入力端
子に微分回路5、6を付加する。その微分回路5、6の
構成は、MOSトランジスタ42、43のゲートに直列
に接続される容量1、2と、波形等価回路19外で生成
され、一定レファレンス電圧VREFを介してMOSト
ランジスタ42、43のゲートに接続される抵抗3、4
とで構成される。容量1と抵抗3および容量2と抵抗4
はそれぞれ微分回路5、6を構成する。
変化しても、次段に影響を与えないようにして、且つ、
NPNまたはPNP型バイポーラトランジスタだけを使
用した回路構成とすることで、必要な特性を維持し、L
SIのコストダウンが可能な差動リニアアンプ回路を提
供する。 【解決手段】 MOSトランジスタ42、43の入力端
子に微分回路5、6を付加する。その微分回路5、6の
構成は、MOSトランジスタ42、43のゲートに直列
に接続される容量1、2と、波形等価回路19外で生成
され、一定レファレンス電圧VREFを介してMOSト
ランジスタ42、43のゲートに接続される抵抗3、4
とで構成される。容量1と抵抗3および容量2と抵抗4
はそれぞれ微分回路5、6を構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードディスク装
置、光ディスク再生装置等の記録再生装置において、デ
ィスク状記録媒体から再生されたアナログ再生信号を波
形等価すための、波形等価回路に用いられる差動リニア
アンプ回路に関するものである。
置、光ディスク再生装置等の記録再生装置において、デ
ィスク状記録媒体から再生されたアナログ再生信号を波
形等価すための、波形等価回路に用いられる差動リニア
アンプ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの発展に伴って、そ
の記憶装置としてハードディスク装置、光ディスク再生
装置等の位置付けががますます重要になってきた。その
ことは、今後、これらの記憶容量及び処理スピードに対
する要求がますます厳しくなることを意味している。そ
して、記憶装置のメカ的な技術要素と、記憶媒体として
の要素技術に対する要求と併せて、電気的な回路技術に
対する要求も厳しくなってくると予想される。図9は、
従来の差動リニアアンプ回路の一例を示す構成図であ
る。この構成はP型MOSトランジスタ48、49のド
レイン側が共通に電源VCCに接続され、そのソース側
が接続されて抵抗46、47を介してPNP型バイポー
ラトランジスタ44、45のエミッタに接続され、その
ベースは共通にBAIAS2に接続されている。また、
それぞれのコレクタは、N型MOSトランジスタ42、
43のドレインとP型MOSトランジスタ48、49の
ベースに接続され、N型MOSトランジスタ42、43
のベースは、それぞれ、INP、INMに接続されてい
る。また、そのソースは、共通にNPN型バイポーラト
ランジスタ41のコレクタに接続され、そのベースは、
BIAS1に、エミッタは、GNDに接続されている。
の記憶装置としてハードディスク装置、光ディスク再生
装置等の位置付けががますます重要になってきた。その
ことは、今後、これらの記憶容量及び処理スピードに対
する要求がますます厳しくなることを意味している。そ
して、記憶装置のメカ的な技術要素と、記憶媒体として
の要素技術に対する要求と併せて、電気的な回路技術に
対する要求も厳しくなってくると予想される。図9は、
従来の差動リニアアンプ回路の一例を示す構成図であ
る。この構成はP型MOSトランジスタ48、49のド
レイン側が共通に電源VCCに接続され、そのソース側
が接続されて抵抗46、47を介してPNP型バイポー
ラトランジスタ44、45のエミッタに接続され、その
ベースは共通にBAIAS2に接続されている。また、
それぞれのコレクタは、N型MOSトランジスタ42、
43のドレインとP型MOSトランジスタ48、49の
ベースに接続され、N型MOSトランジスタ42、43
のベースは、それぞれ、INP、INMに接続されてい
る。また、そのソースは、共通にNPN型バイポーラト
ランジスタ41のコレクタに接続され、そのベースは、
BIAS1に、エミッタは、GNDに接続されている。
【0003】次に、この構成による差動リニアアンプ回
路の動作について説明する。抵抗40とNPN型バイポ
ーラトランジスタ41は、バイアス電圧BIAS1によ
り定電流源として動作する。またN型MOSトランジス
タ42、43は差動入力素子として動作し、PNP型バ
イポーラトランジスタ44と抵抗46は、N型MOSト
ランジスタ42の負荷素子として動作し、また、PNP
型バイポーラトランジスタ45と抵抗47は、N型MO
Sトランジスタ43の負荷素子として動作する。また、
PNP型バイポーラトランジスタ44と45は、バイア
ス電圧BIAS2の電圧を調整することで、それぞれ出
力OUTP、OUTMの直流電圧成分が、定電流値I0
を変えた時でも一定となるようにする働きをする。図9
において入力信号INP、INMの交流成分の電圧振幅
が小さい場合、差動リニアアンプ回路のトランスコンダ
クタンスgmは、定電流源の大きさをI0として、(式
1)で近似される。 gm=(I0×μ・Cox・W/L)0.5・・・(式1) ただし、μ、Cox、W、LはN型MOSトランジスタ42
および43のそれぞれキャリア移動度、単位面積当たり
のゲート酸化膜容量、チャンネル幅、チャンネル長を表
わす。(式1)から、トランスコンダクタンスgmは交流
入力電圧の大きさによらず一定であるので、交流出力電
流と交流入力電圧はリニアな関係にあることが分かる。
このため差動リニアアンプ回路と呼ばれる。また、(式
1)と後述する(式3)から定電流値I0の値により、
カットオフ周波数が決まることが分かる。したがって外
部よりディジタル値を設定すると、図示しないバイアス
回路により図9のバイアスBIAS1の電圧値が設定さ
れ、これにより定電流値I0が決定され、カットオフ周
波数を所望に設定することができる。
路の動作について説明する。抵抗40とNPN型バイポ
ーラトランジスタ41は、バイアス電圧BIAS1によ
り定電流源として動作する。またN型MOSトランジス
タ42、43は差動入力素子として動作し、PNP型バ
イポーラトランジスタ44と抵抗46は、N型MOSト
ランジスタ42の負荷素子として動作し、また、PNP
型バイポーラトランジスタ45と抵抗47は、N型MO
Sトランジスタ43の負荷素子として動作する。また、
PNP型バイポーラトランジスタ44と45は、バイア
ス電圧BIAS2の電圧を調整することで、それぞれ出
力OUTP、OUTMの直流電圧成分が、定電流値I0
を変えた時でも一定となるようにする働きをする。図9
において入力信号INP、INMの交流成分の電圧振幅
が小さい場合、差動リニアアンプ回路のトランスコンダ
クタンスgmは、定電流源の大きさをI0として、(式
1)で近似される。 gm=(I0×μ・Cox・W/L)0.5・・・(式1) ただし、μ、Cox、W、LはN型MOSトランジスタ42
および43のそれぞれキャリア移動度、単位面積当たり
のゲート酸化膜容量、チャンネル幅、チャンネル長を表
わす。(式1)から、トランスコンダクタンスgmは交流
入力電圧の大きさによらず一定であるので、交流出力電
流と交流入力電圧はリニアな関係にあることが分かる。
このため差動リニアアンプ回路と呼ばれる。また、(式
1)と後述する(式3)から定電流値I0の値により、
カットオフ周波数が決まることが分かる。したがって外
部よりディジタル値を設定すると、図示しないバイアス
回路により図9のバイアスBIAS1の電圧値が設定さ
れ、これにより定電流値I0が決定され、カットオフ周
波数を所望に設定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来の差
動リニアアンプ回路では、出力OUTP、OUTMの直
流電圧成分は、定電流値I0を変えた時、抵抗46、4
7のそれぞれの電圧降下が定電流値I0に比例して変わ
るため、大きく変化する。出力OUTP、OUTMの直
流電圧成分の変化が、そのまま次段の差動リニアアンプ
回路のMOSトランジスタ42、43の入力に伝わる
と、前記(式1)においてチャンネル長Lがゲート・ソ
ース間およびドレイン・ソース間電圧の変化によるチャ
ンネル長変調現象のために変化し、このため、トランス
コンダクタンスgmも変化してしまう。また、NPN、P
NP型バイポーラトランジスタおよびN型、P型MOS
トランジスタが必要であり、このため製造には高価なB
iCMOSプロセスを使用する必要があった。本発明
は、かかる課題に鑑み、差動リニアアンプ回路の入力段
に微分回路を設け、且つ、NPNまたはPNP型バイポ
ーラトランジスタだけを使用した回路構成とすること
で、必要な特性を維持し、且つ、CMOSプロセスに若
干の製造工程を追加した安価な製造プロセスを使用する
ことが出来るため、LSIのコストダウンが可能な差動
リニアアンプ回路を提供することを目的とする。
動リニアアンプ回路では、出力OUTP、OUTMの直
流電圧成分は、定電流値I0を変えた時、抵抗46、4
7のそれぞれの電圧降下が定電流値I0に比例して変わ
るため、大きく変化する。出力OUTP、OUTMの直
流電圧成分の変化が、そのまま次段の差動リニアアンプ
回路のMOSトランジスタ42、43の入力に伝わる
と、前記(式1)においてチャンネル長Lがゲート・ソ
ース間およびドレイン・ソース間電圧の変化によるチャ
ンネル長変調現象のために変化し、このため、トランス
コンダクタンスgmも変化してしまう。また、NPN、P
NP型バイポーラトランジスタおよびN型、P型MOS
トランジスタが必要であり、このため製造には高価なB
iCMOSプロセスを使用する必要があった。本発明
は、かかる課題に鑑み、差動リニアアンプ回路の入力段
に微分回路を設け、且つ、NPNまたはPNP型バイポ
ーラトランジスタだけを使用した回路構成とすること
で、必要な特性を維持し、且つ、CMOSプロセスに若
干の製造工程を追加した安価な製造プロセスを使用する
ことが出来るため、LSIのコストダウンが可能な差動
リニアアンプ回路を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するために、請求項1の発明は、ハードディスク装
置、光ディスク再生装置等の記録再生装置によってディ
スク状記録媒体から再生されたアナログ再生信号を波形
等価するための、波形等価回路に用いられる差動リニア
アンプ回路において、前記アナログ再生信号の入力信号
を微分する微分回路と、該微分回路の出力をゲート入力
とするMOSトランジスタと、NPN型バイポーラトラ
ンジスタにより構成された内部定電流源と、を備えたこ
とを特徴とする。ハードディスク装置、光ディスク再生
装置等によりディスク状記録媒体(以下、単にディスク
という)から再生されたアナログ再生信号は、その読取
機構あるいは回路構成により周波数特性が異なる。特
に、カットオフ周波数は、ディスクのヘッドの特性や、
ディスクの回転数等により変化してくる。従って、ディ
スクから再生されたアナログ再生信号をそのままの形で
使うことはできない。そこで、何らかの補正を掛けて波
形を等価する必要がある。それを行うのが波形等価回路
である。この波形等価回路の構成は、アクティブ型のハ
イパスフィルタとローパスフィルタにより構成されてい
る。これらのフィルタは、多段構成の差動リニアアンプ
回路で構成され、外部データによりそのバイアスが制御
されて、所望の特性を実現している。かかる発明によれ
ば、差動リニアアンプ回路の入力段に微分回路を設け、
かつ、NPN型バイポーラトランジスタだけを使用した
回路構成とすることで、差動リニアアンプ回路の出力の
直流電圧成分が変化しても必要な特性を維持し、かつC
MOSプロセスに若干の製造工程を追加した安価な製造
プロセスを使用することが出来るため、LSIのコスト
ダウンが可能となる。また、請求項2の発明は、ハード
ディスク装置、光ディスク再生装置等の記録再生装置に
よりディスク状記録媒体から再生されたアナログ再生信
号を波形等価するための、波形等価回路に用いられる差
動リニアアンプ回路において、前記アナログ再生信号の
入力信号を微分する微分回路と、該微分回路の出力をゲ
ート入力とするMOSトランジスタと、PNP型バイポ
ーラトランジスタにより構成された内部定電流源と、を
備えたことを特徴とする。
決するために、請求項1の発明は、ハードディスク装
置、光ディスク再生装置等の記録再生装置によってディ
スク状記録媒体から再生されたアナログ再生信号を波形
等価するための、波形等価回路に用いられる差動リニア
アンプ回路において、前記アナログ再生信号の入力信号
を微分する微分回路と、該微分回路の出力をゲート入力
とするMOSトランジスタと、NPN型バイポーラトラ
ンジスタにより構成された内部定電流源と、を備えたこ
とを特徴とする。ハードディスク装置、光ディスク再生
装置等によりディスク状記録媒体(以下、単にディスク
という)から再生されたアナログ再生信号は、その読取
機構あるいは回路構成により周波数特性が異なる。特
に、カットオフ周波数は、ディスクのヘッドの特性や、
ディスクの回転数等により変化してくる。従って、ディ
スクから再生されたアナログ再生信号をそのままの形で
使うことはできない。そこで、何らかの補正を掛けて波
形を等価する必要がある。それを行うのが波形等価回路
である。この波形等価回路の構成は、アクティブ型のハ
イパスフィルタとローパスフィルタにより構成されてい
る。これらのフィルタは、多段構成の差動リニアアンプ
回路で構成され、外部データによりそのバイアスが制御
されて、所望の特性を実現している。かかる発明によれ
ば、差動リニアアンプ回路の入力段に微分回路を設け、
かつ、NPN型バイポーラトランジスタだけを使用した
回路構成とすることで、差動リニアアンプ回路の出力の
直流電圧成分が変化しても必要な特性を維持し、かつC
MOSプロセスに若干の製造工程を追加した安価な製造
プロセスを使用することが出来るため、LSIのコスト
ダウンが可能となる。また、請求項2の発明は、ハード
ディスク装置、光ディスク再生装置等の記録再生装置に
よりディスク状記録媒体から再生されたアナログ再生信
号を波形等価するための、波形等価回路に用いられる差
動リニアアンプ回路において、前記アナログ再生信号の
入力信号を微分する微分回路と、該微分回路の出力をゲ
ート入力とするMOSトランジスタと、PNP型バイポ
ーラトランジスタにより構成された内部定電流源と、を
備えたことを特徴とする。
【0006】請求項1の差動リニアアンプ回路に対し
て、請求項2の差動リニアアンプ回路は、NPN型バイ
ポーラトランジスタがPNP型バイポーラトランジスタ
に代わり、入力のN型MOSトランジスタがP型MOS
トランジスタに代わったものであり、請求項1と同様な
動作をする。かかる発明によれば、請求項1と同様な作
用効果を奏する。また、請求項3の発明は、前記微分回
路を構成する抵抗が、MOSトランジスタで構成されて
いることも本発明の有効な手段である。微分回路または
抵抗は、N型MOSトランジスタまたはゲートの直流バ
イアス電圧を、レファレンス電圧に設定するためのもの
であり、数MΩ以上であればよい。したがって正確な抵
抗値である必要がないので、MOSトランジスタを使用
しても、回路特性上問題はない。かかる技術手段によれ
ば、微分回路を構成する抵抗を、MOSトランジスタで
構成することで、LSI上で抵抗が占める面積を小さく
でき、さらにコストダウンが可能である。なお、P型M
OSトランジスタを使用しているが、これをゲート電位
がVCC電源に固定のN型MOSトランジスタで置き換
えても同様の効果がある。また、請求項4の発明は、前
記微分回路を構成する抵抗が、アイランド抵抗で構成さ
れていることも本発明の有効な手段である。微分回路ま
たは抵抗として、N型アイランドを使用する。N型アイ
ランドの比抵抗は極めて大きいがバラツキも大きいた
め、正確な抵抗値を必要とする場所には使うことはでき
ないが、微分回路を構成する抵抗は、数MΩ以上であれ
ばよく、正確な抵抗値である必要がないので、N型アイ
ランドを抵抗として使用しても回路特性上問題はない。
かかる技術手段によれば、微分回路を構成する抵抗を、
比抵抗の大きいN型アイランドで構成することで、LS
I上で抵抗が占める面積を小さくでき、さらにコストダ
ウンが可能である。また、請求項5の発明は、前記微分
回路を構成する容量が、並列接続された複数個の容量に
より構成されていることも本発明の有効な手段である。
微分回路の容量を、並列接続された複数個の容量で構成
するために、酸化膜を挟んでポリシリコンにより容量を
構成する。そして、その容量を複数並列接続しておき、
製造後レーザ光を照射して切断することで、容量値を設
定するようにする。かかる技術手段によれば、製造後レ
ーザ光を照射して切断することができるため、微分回路
の時定数の切り替えが可能となり、波形等価回路として
必要な周波数特性を確保することができる。
て、請求項2の差動リニアアンプ回路は、NPN型バイ
ポーラトランジスタがPNP型バイポーラトランジスタ
に代わり、入力のN型MOSトランジスタがP型MOS
トランジスタに代わったものであり、請求項1と同様な
動作をする。かかる発明によれば、請求項1と同様な作
用効果を奏する。また、請求項3の発明は、前記微分回
路を構成する抵抗が、MOSトランジスタで構成されて
いることも本発明の有効な手段である。微分回路または
抵抗は、N型MOSトランジスタまたはゲートの直流バ
イアス電圧を、レファレンス電圧に設定するためのもの
であり、数MΩ以上であればよい。したがって正確な抵
抗値である必要がないので、MOSトランジスタを使用
しても、回路特性上問題はない。かかる技術手段によれ
ば、微分回路を構成する抵抗を、MOSトランジスタで
構成することで、LSI上で抵抗が占める面積を小さく
でき、さらにコストダウンが可能である。なお、P型M
OSトランジスタを使用しているが、これをゲート電位
がVCC電源に固定のN型MOSトランジスタで置き換
えても同様の効果がある。また、請求項4の発明は、前
記微分回路を構成する抵抗が、アイランド抵抗で構成さ
れていることも本発明の有効な手段である。微分回路ま
たは抵抗として、N型アイランドを使用する。N型アイ
ランドの比抵抗は極めて大きいがバラツキも大きいた
め、正確な抵抗値を必要とする場所には使うことはでき
ないが、微分回路を構成する抵抗は、数MΩ以上であれ
ばよく、正確な抵抗値である必要がないので、N型アイ
ランドを抵抗として使用しても回路特性上問題はない。
かかる技術手段によれば、微分回路を構成する抵抗を、
比抵抗の大きいN型アイランドで構成することで、LS
I上で抵抗が占める面積を小さくでき、さらにコストダ
ウンが可能である。また、請求項5の発明は、前記微分
回路を構成する容量が、並列接続された複数個の容量に
より構成されていることも本発明の有効な手段である。
微分回路の容量を、並列接続された複数個の容量で構成
するために、酸化膜を挟んでポリシリコンにより容量を
構成する。そして、その容量を複数並列接続しておき、
製造後レーザ光を照射して切断することで、容量値を設
定するようにする。かかる技術手段によれば、製造後レ
ーザ光を照射して切断することができるため、微分回路
の時定数の切り替えが可能となり、波形等価回路として
必要な周波数特性を確保することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施形
態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載
される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配
置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそ
れのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎな
い。まず、実施形態の説明に入る前に、必要な周辺技術
について説明することは、差動リニアアンプを理解する
上で有効である。図6は、ハードディスク装置、光ディ
スク再生装置等に用いられる波形等価回路の一例を示す
構成図である。波形等価回路は、前記で説明した通り、
ハードディスク装置、光ディスク再生装置等の記録再生
装置によりディスク状記録媒体から再生されたアナログ
再生信号に、補正を掛けて波形を等価する役目である。
この構成は、2次のローパスフィルタ(2次LPF)2
0、22と、2次のハイパスフィルタ(2次HPF)2
4と、2次HPF24の出力信号の振幅を増幅する増幅
器25と、2次LPF20と増幅器25の出力信号をア
ナログ加算するアナログ加算器21と、1次のローパス
フィルタ(1次LPF)23と、ディジタル・アナログ
変換器(DAC)26、27から構成される。
態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載
される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配
置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそ
れのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎな
い。まず、実施形態の説明に入る前に、必要な周辺技術
について説明することは、差動リニアアンプを理解する
上で有効である。図6は、ハードディスク装置、光ディ
スク再生装置等に用いられる波形等価回路の一例を示す
構成図である。波形等価回路は、前記で説明した通り、
ハードディスク装置、光ディスク再生装置等の記録再生
装置によりディスク状記録媒体から再生されたアナログ
再生信号に、補正を掛けて波形を等価する役目である。
この構成は、2次のローパスフィルタ(2次LPF)2
0、22と、2次のハイパスフィルタ(2次HPF)2
4と、2次HPF24の出力信号の振幅を増幅する増幅
器25と、2次LPF20と増幅器25の出力信号をア
ナログ加算するアナログ加算器21と、1次のローパス
フィルタ(1次LPF)23と、ディジタル・アナログ
変換器(DAC)26、27から構成される。
【0008】次に、この構成による波形等価回路の動作
について説明する。DAC26は外部から所定のディジ
タル値を入力することにより、増幅器25の利得(ゲイ
ン)を設定し、これにより波形整形回路19のブースト
量が決定される。また、DAC27は外部から所定のデ
ィジタル値を入力することにより2次LPF20、2
2、2次HPF24、1次LPF23のゲインを設定
し、これにより波形整形回路19のカットオフ周波数が
決定される。図7は、波形等価回路19の周波数ゲイン
特性例を示す周波数特性図である。図7においてf0は
カットオフ周波数を表わす。なお、ここで1次LPF、
2次LPF、2次HPFとは、それぞれの入出力伝達関
数の分母が、jを虚数、ωを角周波数として、1次の場
合はjωの1次式になっているフィルタであり、2次の
場合はjωの2次式になっているフィルタである。
について説明する。DAC26は外部から所定のディジ
タル値を入力することにより、増幅器25の利得(ゲイ
ン)を設定し、これにより波形整形回路19のブースト
量が決定される。また、DAC27は外部から所定のデ
ィジタル値を入力することにより2次LPF20、2
2、2次HPF24、1次LPF23のゲインを設定
し、これにより波形整形回路19のカットオフ周波数が
決定される。図7は、波形等価回路19の周波数ゲイン
特性例を示す周波数特性図である。図7においてf0は
カットオフ周波数を表わす。なお、ここで1次LPF、
2次LPF、2次HPFとは、それぞれの入出力伝達関
数の分母が、jを虚数、ωを角周波数として、1次の場
合はjωの1次式になっているフィルタであり、2次の
場合はjωの2次式になっているフィルタである。
【0009】次に、フィルタの内部構成について説明す
る。1次LPF23、2次LPF20、22、2次HP
F24は、それぞれ差動リニアアンプ回路と容量を複数
個組み合わせることで構成される。図8は、2次LPF
20、22の構成の一例を示す回路図である。この構成
は、差動リニアアンプ回路31〜34と、容量C1〜C
6で構成されている。このフィルタの入出力伝達関数T
(s)は(式2)で表わされる。 T(s) = ( gm1・gm2/C1・C2 )/( s2 + s( gm3/C2 ) + ( gm2・gm4/C1・C2 )) ・・・(式2) ただし、s=jωであり、gm1〜gm4は差動リニアアンプ
回路31〜34のトランスコンダクタンスを表わす。こ
こでトランスコンダクタンスとは交流出力電流値と交流
入力電圧の比(交流出力電流値/交流入力電圧)を指
す。gm1=gm2=gm3=gm4=gmとした場合、カットオフ周
波数f0は(式3)で与えられる。 f0=gm/2π( C1・C2 )0.5・・・(式3) なお、波形等価回路19のカットオフ周波数は、2次L
PF20、22のカットオフ周波数にほぼ等しい。以上
の周辺技術を踏まえて、以下に本実施形態の説明に入
る。図1は、本発明の第1の実施形態の差動リニアアン
プ回路の構成図である。図9の従来例と同じ構成要素に
は、同じ参照番号が付せられているので、重複する説明
は省略する。図1の構成と図9の構成の異なる点は、P
NPトランジスタ44,45が無く、MOSトランジス
タ42、43の入力端子に微分回路5、6を付加した点
である。本発明の微分回路5、6の構成は、MOSトラ
ンジスタ42、43のゲートに直列に接続される容量
1、2と、波形等価回路19外で生成され、一定レファ
レンス電圧VREFを介してMOSトランジスタ42、
43のゲートに接続される抵抗3、4とで構成される。
容量1と抵抗3および容量2と抵抗4はそれぞれ微分回
路5、6を構成する。
る。1次LPF23、2次LPF20、22、2次HP
F24は、それぞれ差動リニアアンプ回路と容量を複数
個組み合わせることで構成される。図8は、2次LPF
20、22の構成の一例を示す回路図である。この構成
は、差動リニアアンプ回路31〜34と、容量C1〜C
6で構成されている。このフィルタの入出力伝達関数T
(s)は(式2)で表わされる。 T(s) = ( gm1・gm2/C1・C2 )/( s2 + s( gm3/C2 ) + ( gm2・gm4/C1・C2 )) ・・・(式2) ただし、s=jωであり、gm1〜gm4は差動リニアアンプ
回路31〜34のトランスコンダクタンスを表わす。こ
こでトランスコンダクタンスとは交流出力電流値と交流
入力電圧の比(交流出力電流値/交流入力電圧)を指
す。gm1=gm2=gm3=gm4=gmとした場合、カットオフ周
波数f0は(式3)で与えられる。 f0=gm/2π( C1・C2 )0.5・・・(式3) なお、波形等価回路19のカットオフ周波数は、2次L
PF20、22のカットオフ周波数にほぼ等しい。以上
の周辺技術を踏まえて、以下に本実施形態の説明に入
る。図1は、本発明の第1の実施形態の差動リニアアン
プ回路の構成図である。図9の従来例と同じ構成要素に
は、同じ参照番号が付せられているので、重複する説明
は省略する。図1の構成と図9の構成の異なる点は、P
NPトランジスタ44,45が無く、MOSトランジス
タ42、43の入力端子に微分回路5、6を付加した点
である。本発明の微分回路5、6の構成は、MOSトラ
ンジスタ42、43のゲートに直列に接続される容量
1、2と、波形等価回路19外で生成され、一定レファ
レンス電圧VREFを介してMOSトランジスタ42、
43のゲートに接続される抵抗3、4とで構成される。
容量1と抵抗3および容量2と抵抗4はそれぞれ微分回
路5、6を構成する。
【0010】次に、この構成による差動リニアアンプ回
路の動作について、図6、図8と併せて参照して説明す
る。前記で説明した通り、従来の構成の場合、出力OU
TP、OUTMの直流電圧成分は、定電流値I0を変え
た時、抵抗46、47のそれぞれの電圧降下が定電流値
I0に比例して変わるため、大きく変化する。出力OU
TP、OUTMの直流電圧成分の変化が、そのまま次段
の差動リニアアンプ回路のMOSトランジスタ42、4
3の入力に伝わると、前記(式1)においてチャンネル
長Lがゲート・ソース間およびドレイン・ソース間電圧
の変化によるチャンネル長変調現象のために変化し、こ
のため、トランスコンダクタンスgmも変化する。一方、
図6の2次LPF20、22の入力電圧の直流バイアス
電圧はレファレンス電圧VREFに等しいため、図8の
差動リニアアンプ回路31と32〜34でトランスコン
ダクタンスが異なることになり、波形等価回路19のカ
ットオフ周波数を(式3)で表わすことが出来なくな
る。しかし、図1の差動リニアアンプ回路の場合、例え
ば、図8の差動リニアアンプ回路31の出力の直流電圧
成分が変化しても、次段の差動リニアアンプ回路32の
MOSトランジスタ42、43の入力電圧は、微分回路
5、6を設けたために、変化しない。したがって、図8
の差動リニアアンプ回路31〜34のトランスコンダク
タンスgmは全て等しく保たれるので、波形等価回路19
のカットオフ周波数は従来と同様に、(式3)で表わす
ことが出来る。また、NPN型バイポーラトランジスタ
だけを使っているために、P型基板を使用するCMOS
プロセスに、一部工程を追加するだけで製造することが
可能である。図3は、このプロセスにより製造されたL
SIのP型MOSトランジスタ、N型MOSトランジス
タ、NPN型バイポーラトランジスタの3素子の断面模
式図である。図3において、NPN型バイポーラトラン
ジスタのコレクタは、CMOSのN型アイランドと同じ
工程で形成され、P型ベースを形成する工程を追加する
だけで、NPN型バイポーラトランジスタを形成するこ
とができる。図2は、本発明の第2の実施形態の差動リ
ニアアンプ回路の構成図である。この構成は、電源VC
Cに接続され抵抗50を介して、PNP型バイポーラト
ランジスタ51のエミッタに接続され、そのベースは、
BIAS1に接続され、コレクタは、P型MOSトラン
ジスタ52,53のドレインに共通に接続される。その
ゲートはそれぞれ微分回路5、6に接続され、ソース
は、それぞれ抵抗56,57とN型MOSトランジスタ
58,59のゲートとOUTM、OUTPに接続され
る。抵抗56,57の他端は、N型MOSトランジスタ
58,59のドレインを共通にして接続され、そのソー
スは共通にGNDに接続される。1〜6の図1と同じ番
号は同一の構成要素を示す。
路の動作について、図6、図8と併せて参照して説明す
る。前記で説明した通り、従来の構成の場合、出力OU
TP、OUTMの直流電圧成分は、定電流値I0を変え
た時、抵抗46、47のそれぞれの電圧降下が定電流値
I0に比例して変わるため、大きく変化する。出力OU
TP、OUTMの直流電圧成分の変化が、そのまま次段
の差動リニアアンプ回路のMOSトランジスタ42、4
3の入力に伝わると、前記(式1)においてチャンネル
長Lがゲート・ソース間およびドレイン・ソース間電圧
の変化によるチャンネル長変調現象のために変化し、こ
のため、トランスコンダクタンスgmも変化する。一方、
図6の2次LPF20、22の入力電圧の直流バイアス
電圧はレファレンス電圧VREFに等しいため、図8の
差動リニアアンプ回路31と32〜34でトランスコン
ダクタンスが異なることになり、波形等価回路19のカ
ットオフ周波数を(式3)で表わすことが出来なくな
る。しかし、図1の差動リニアアンプ回路の場合、例え
ば、図8の差動リニアアンプ回路31の出力の直流電圧
成分が変化しても、次段の差動リニアアンプ回路32の
MOSトランジスタ42、43の入力電圧は、微分回路
5、6を設けたために、変化しない。したがって、図8
の差動リニアアンプ回路31〜34のトランスコンダク
タンスgmは全て等しく保たれるので、波形等価回路19
のカットオフ周波数は従来と同様に、(式3)で表わす
ことが出来る。また、NPN型バイポーラトランジスタ
だけを使っているために、P型基板を使用するCMOS
プロセスに、一部工程を追加するだけで製造することが
可能である。図3は、このプロセスにより製造されたL
SIのP型MOSトランジスタ、N型MOSトランジス
タ、NPN型バイポーラトランジスタの3素子の断面模
式図である。図3において、NPN型バイポーラトラン
ジスタのコレクタは、CMOSのN型アイランドと同じ
工程で形成され、P型ベースを形成する工程を追加する
だけで、NPN型バイポーラトランジスタを形成するこ
とができる。図2は、本発明の第2の実施形態の差動リ
ニアアンプ回路の構成図である。この構成は、電源VC
Cに接続され抵抗50を介して、PNP型バイポーラト
ランジスタ51のエミッタに接続され、そのベースは、
BIAS1に接続され、コレクタは、P型MOSトラン
ジスタ52,53のドレインに共通に接続される。その
ゲートはそれぞれ微分回路5、6に接続され、ソース
は、それぞれ抵抗56,57とN型MOSトランジスタ
58,59のゲートとOUTM、OUTPに接続され
る。抵抗56,57の他端は、N型MOSトランジスタ
58,59のドレインを共通にして接続され、そのソー
スは共通にGNDに接続される。1〜6の図1と同じ番
号は同一の構成要素を示す。
【0011】次に、この構成による差動リニアアンプ回
路の動作について説明する。抵抗50とPNP型バイポ
ーラトランジスタ51は、バイアス電圧BIAS1によ
り定電流源として動作する。またP型MOSトランジス
タ52、53は、差動入力素子として動作し、抵抗56
と57はそれぞれP型MOSトランジスタ52、53の
負荷素子として動作する。図1の第1の実施形態の差動
リニアアンプ回路に対して、図2の本実施形態の差動リ
ニアアンプ回路は、NPN型バイポーラトランジスタ
が、PNP型バイポーラトランジスタに、入力のN型M
OSトランジスタが、P型MOSトランジスタに変わっ
たものであり、図1と同様な動作をする。また、(式
2)もμ、Cox、W、LがP型MOSトランジスタ52お
よび53のそれぞれキャリア移動度、単位面積当たりの
ゲート酸化膜容量、チャンネル幅、チャンネル長を表わ
す以外は同様である。したがって、波形整形回路19の
カットオフ周波数は従来と同様に、(式3)で表わすこ
とができると共に、PNP型バイポーラトランジスタだ
けを使っているために、N型基板を使用するCMOSプ
ロセスに一部工程を追加するだけで製造することが可能
であり、LSIのコストダウンが実現できる。図4は、
前記実施形態の微分回路5または6の第1の実施例を示
す。図1の抵抗3または4に代えて、ゲートがGND電
位に固定されたP型MOSトランジスタ7を使用してい
る。微分回路5または6の抵抗3または4は、例えば図
1においては、N型MOSトランジスタ42または43
のゲートの直流バイアス電圧を、レファレンス電圧VR
EFに設定するためのものであり、数MΩ以上であれば
よい。したがって正確な抵抗値である必要がないので、
MOSトランジスタを使用しても、回路特性上問題はな
い。抵抗3、4をMOSトランジスタで構成することで
LSI上で抵抗3、4が占める面積を小さくでき、さら
にコストダウンが可能である。図4の実施例ではP型M
OSトランジスタを使用しているが、これをゲート電位
がVCC電源に固定のN型MOSトランジスタで置き換
えても同様の効果がある。
路の動作について説明する。抵抗50とPNP型バイポ
ーラトランジスタ51は、バイアス電圧BIAS1によ
り定電流源として動作する。またP型MOSトランジス
タ52、53は、差動入力素子として動作し、抵抗56
と57はそれぞれP型MOSトランジスタ52、53の
負荷素子として動作する。図1の第1の実施形態の差動
リニアアンプ回路に対して、図2の本実施形態の差動リ
ニアアンプ回路は、NPN型バイポーラトランジスタ
が、PNP型バイポーラトランジスタに、入力のN型M
OSトランジスタが、P型MOSトランジスタに変わっ
たものであり、図1と同様な動作をする。また、(式
2)もμ、Cox、W、LがP型MOSトランジスタ52お
よび53のそれぞれキャリア移動度、単位面積当たりの
ゲート酸化膜容量、チャンネル幅、チャンネル長を表わ
す以外は同様である。したがって、波形整形回路19の
カットオフ周波数は従来と同様に、(式3)で表わすこ
とができると共に、PNP型バイポーラトランジスタだ
けを使っているために、N型基板を使用するCMOSプ
ロセスに一部工程を追加するだけで製造することが可能
であり、LSIのコストダウンが実現できる。図4は、
前記実施形態の微分回路5または6の第1の実施例を示
す。図1の抵抗3または4に代えて、ゲートがGND電
位に固定されたP型MOSトランジスタ7を使用してい
る。微分回路5または6の抵抗3または4は、例えば図
1においては、N型MOSトランジスタ42または43
のゲートの直流バイアス電圧を、レファレンス電圧VR
EFに設定するためのものであり、数MΩ以上であれば
よい。したがって正確な抵抗値である必要がないので、
MOSトランジスタを使用しても、回路特性上問題はな
い。抵抗3、4をMOSトランジスタで構成することで
LSI上で抵抗3、4が占める面積を小さくでき、さら
にコストダウンが可能である。図4の実施例ではP型M
OSトランジスタを使用しているが、これをゲート電位
がVCC電源に固定のN型MOSトランジスタで置き換
えても同様の効果がある。
【0012】次に、第2の実施例として、微分回路5ま
たは6の抵抗3または4を、図3のN型アイランドを使
用する場合について説明する。N型アイランドの比抵抗
は極めて大きいが、バラツキも大きいため、正確な抵抗
値を必要とする抵抗40、46、47、50、56、5
7としては使うことはできないが、前述の説明で述べた
ように数MΩ以上であればよく、正確な抵抗値である必
要がないので、N型アイランドを抵抗として使用しても
回路特性上問題はない。抵抗3、4を比抵抗の大きいN
型アイランドで構成することでLSI上で抵抗3、4が
占める面積を小さくでき、さらにコストダウンが可能で
ある。
たは6の抵抗3または4を、図3のN型アイランドを使
用する場合について説明する。N型アイランドの比抵抗
は極めて大きいが、バラツキも大きいため、正確な抵抗
値を必要とする抵抗40、46、47、50、56、5
7としては使うことはできないが、前述の説明で述べた
ように数MΩ以上であればよく、正確な抵抗値である必
要がないので、N型アイランドを抵抗として使用しても
回路特性上問題はない。抵抗3、4を比抵抗の大きいN
型アイランドで構成することでLSI上で抵抗3、4が
占める面積を小さくでき、さらにコストダウンが可能で
ある。
【0013】次に、第3の実施例として、微分回路5ま
たは6の抵抗3または4を、容量を使用する場合につい
て説明する。図5(a)は、微分回路5または6の容量1
または2が、並列接続された複数個の容量により構成さ
れていることを示すLSIの上面模式図である。図5
(b)は、図5(a)の点線で切断した断面模式図である。
図5(b)において、Si基板上に形成されたポリシリコ
ン10とポリシリコン13、ポリシリコン11とポリシ
リコン14、ポリシリコン12とポリシリコン15は、
それぞれ第2酸化膜を挟んで容量を構成している。そし
て、図5(a)のように複数の容量を並列接続すること
で、製造後レーザ光を照射し、接続線A、B、Cを切断
することで容量値を設定することができるため、微分回
路5、6の時定数の切り替えが可能となり、波形等価回
路19として必要な周波数特性を確保することが出来
る。以上のごとく本発明は、差動リニアアンプ回路の入
力段に微分回路を設け、かつ、NPN型バイポーラトラ
ンジスタだけを使用した回路構成とすることで、差動リ
ニアアンプ回路の出力の直流電圧成分が変化しても必要
な特性を維持し、かつCMOSプロセスに若干の製造工
程を追加した安価な製造プロセスを使用することが出来
るため、LSIのコストダウンを可能としたものであ
る。
たは6の抵抗3または4を、容量を使用する場合につい
て説明する。図5(a)は、微分回路5または6の容量1
または2が、並列接続された複数個の容量により構成さ
れていることを示すLSIの上面模式図である。図5
(b)は、図5(a)の点線で切断した断面模式図である。
図5(b)において、Si基板上に形成されたポリシリコ
ン10とポリシリコン13、ポリシリコン11とポリシ
リコン14、ポリシリコン12とポリシリコン15は、
それぞれ第2酸化膜を挟んで容量を構成している。そし
て、図5(a)のように複数の容量を並列接続すること
で、製造後レーザ光を照射し、接続線A、B、Cを切断
することで容量値を設定することができるため、微分回
路5、6の時定数の切り替えが可能となり、波形等価回
路19として必要な周波数特性を確保することが出来
る。以上のごとく本発明は、差動リニアアンプ回路の入
力段に微分回路を設け、かつ、NPN型バイポーラトラ
ンジスタだけを使用した回路構成とすることで、差動リ
ニアアンプ回路の出力の直流電圧成分が変化しても必要
な特性を維持し、かつCMOSプロセスに若干の製造工
程を追加した安価な製造プロセスを使用することが出来
るため、LSIのコストダウンを可能としたものであ
る。
【0014】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、請求
項1は、差動リニアアンプ回路の入力段に微分回路を設
け、かつ、NPN型バイポーラトランジスタだけを使用
した回路構成とすることで、差動リニアアンプ回路の出
力の直流電圧成分が変化しても必要な特性を維持し、か
つCMOSプロセスに若干の製造工程を追加した安価な
製造プロセスを使用することが出来るため、LSIのコ
ストダウンが可能となる。請求項2は、請求項1と同様
な作用効果を奏する。請求項3は、微分回路を構成する
抵抗を、MOSトランジスタで構成することで、LSI
上で抵抗が占める面積を小さくでき、さらにコストダウ
ンが可能である。なお、P型MOSトランジスタを使用
しているが、これをゲート電位がVCC電源に固定のN
型MOSトランジスタで置き換えても同様の効果があ
る。請求項4は、微分回路を構成する抵抗を、比抵抗の
大きいN型アイランドで構成することで、LSI上で抵
抗が占める面積を小さくでき、さらにコストダウンが可
能である。請求項5は、製造後レーザ光を照射して切断
することができるため、微分回路の時定数の切り替えが
可能となり、波形等価回路として必要な周波数特性を確
保することができる。
項1は、差動リニアアンプ回路の入力段に微分回路を設
け、かつ、NPN型バイポーラトランジスタだけを使用
した回路構成とすることで、差動リニアアンプ回路の出
力の直流電圧成分が変化しても必要な特性を維持し、か
つCMOSプロセスに若干の製造工程を追加した安価な
製造プロセスを使用することが出来るため、LSIのコ
ストダウンが可能となる。請求項2は、請求項1と同様
な作用効果を奏する。請求項3は、微分回路を構成する
抵抗を、MOSトランジスタで構成することで、LSI
上で抵抗が占める面積を小さくでき、さらにコストダウ
ンが可能である。なお、P型MOSトランジスタを使用
しているが、これをゲート電位がVCC電源に固定のN
型MOSトランジスタで置き換えても同様の効果があ
る。請求項4は、微分回路を構成する抵抗を、比抵抗の
大きいN型アイランドで構成することで、LSI上で抵
抗が占める面積を小さくでき、さらにコストダウンが可
能である。請求項5は、製造後レーザ光を照射して切断
することができるため、微分回路の時定数の切り替えが
可能となり、波形等価回路として必要な周波数特性を確
保することができる。
【図1】本発明の第1の実施形態の差動リニアアンプ回
路の構成図である。
路の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の差動リニアアンプ回
路の構成図である。
路の構成図である。
【図3】本発明の差動リニアアンプ回路を含むLSIの
断面模式図と、微分回路の第2の実施例を示す図であ
る。
断面模式図と、微分回路の第2の実施例を示す図であ
る。
【図4】本発明の微分回路の第1の実施例を示す図であ
る。
る。
【図5】本発明の微分回路の第3の実施例を示す図であ
る。
る。
【図6】本発明の波形等価回路の一例を示す構成図であ
る。
る。
【図7】本発明の波形等価回路の周波数ゲイン特性例を
示す周波数特性図である。
示す周波数特性図である。
【図8】本発明の2次LPFの構成の一例を示す回路図
である。
である。
【図9】従来の差動リニアアンプ回路の一例を示す構成
図である。
図である。
1、2 容量 3、4 抵抗 5、6 微分回路 4046、47 抵抗 41 NPN型バイポーラトランジスタ 42、43 MOSトランジスタ 48、49 P型MOSトランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03F 3/45 H01L 27/04 C H03H 11/04 V 27/06 321G Fターム(参考) 5D044 BC01 BC03 CC04 FG01 FG05 5F038 AC05 AC15 AR05 AR26 AV03 DF01 DF03 EZ20 5F048 AB10 AC05 AC10 BA01 BB05 CA01 5J066 AA01 AA12 CA87 CA92 CA98 FA20 HA02 HA10 HA17 HA18 HA25 HA27 HA29 KA26 KA30 KA34 KA42 KA46 MA21 ND01 ND11 ND22 ND23 PD02 QA02 QA04 SA00 TA01 TA03 5J098 AA02 AA03 AA11 AA14 AB03 AD25 CA08
Claims (5)
- 【請求項1】 ディスク状記録媒体から再生されたアナ
ログ再生信号を波形等価するための、波形等価回路に用
いられる差動リニアアンプ回路において、 前記アナログ再生信号の入力信号を微分する微分回路
と、該微分回路の出力をゲート入力とするMOSトラン
ジスタと、NPN型バイポーラトランジスタにより構成
された内部定電流源と、を備えたことを特徴とする差動
リニアアンプ回路。 - 【請求項2】 ディスク状記録媒体から再生されたアナ
ログ再生信号を波形等価するための、波形等価回路に用
いられる差動リニアアンプ回路において、 前記アナログ再生信号の入力信号を微分する微分回路
と、該微分回路の出力をゲート入力とするMOSトラン
ジスタと、PNP型バイポーラトランジスタにより構成
された内部定電流源と、を備えたことを特徴とする差動
リニアアンプ回路。 - 【請求項3】 前記微分回路を構成する抵抗が、MOS
トランジスタで構成されていることを特徴とする請求項
1、2に記載の差動リニアアンプ回路。 - 【請求項4】 前記微分回路を構成する抵抗が、アイラ
ンド抵抗で構成されていることを特徴とする請求項1、
2に記載の差動リニアアンプ回路。 - 【請求項5】 前記微分回路を構成する容量が、並列接
続された複数個の容量により構成されていることを特徴
とする請求項1〜4に記載の差動リニアアンプ回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001133711A JP2002329365A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 差動リニアアンプ回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001133711A JP2002329365A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 差動リニアアンプ回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002329365A true JP2002329365A (ja) | 2002-11-15 |
Family
ID=18981518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001133711A Pending JP2002329365A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 差動リニアアンプ回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002329365A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005102226A (ja) * | 2003-09-23 | 2005-04-14 | Samsung Electronics Co Ltd | 高周波電圧制御発振器 |
JP2005223419A (ja) * | 2004-02-03 | 2005-08-18 | Fujitsu Ltd | イコライザ回路 |
KR100614928B1 (ko) | 2005-08-17 | 2006-08-25 | 삼성전기주식회사 | 선형화를 위한 미분 중첩회로 |
JP2015076581A (ja) * | 2013-10-11 | 2015-04-20 | ソニー株式会社 | 光送信回路、光送信装置、および、光伝送システム |
-
2001
- 2001-04-27 JP JP2001133711A patent/JP2002329365A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005102226A (ja) * | 2003-09-23 | 2005-04-14 | Samsung Electronics Co Ltd | 高周波電圧制御発振器 |
JP2005223419A (ja) * | 2004-02-03 | 2005-08-18 | Fujitsu Ltd | イコライザ回路 |
KR100614928B1 (ko) | 2005-08-17 | 2006-08-25 | 삼성전기주식회사 | 선형화를 위한 미분 중첩회로 |
JP2015076581A (ja) * | 2013-10-11 | 2015-04-20 | ソニー株式会社 | 光送信回路、光送信装置、および、光伝送システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3208975B2 (ja) | アクティブフィルタ制御方式 | |
JP3333239B2 (ja) | 可変利得回路 | |
JP5635506B2 (ja) | フィルタ回路及びこれを備えた光ディスク装置 | |
JP2801103B2 (ja) | 全差動ユニティ・ゲイン演算増幅器 | |
US20050232101A1 (en) | Filter circuit | |
JP2002280877A (ja) | トランスコンダクタ及びそれを用いたフィルタ回路 | |
JP2795753B2 (ja) | 集積回路用フィルタ回路 | |
Dehaene et al. | A 50-MHz standard CMOS pulse equalizer for hard disk read channels | |
JP4245892B2 (ja) | Mos型トランジスタのソースとドレイン間を制御可能な等価抵抗として用いる回路 | |
JP2005004881A (ja) | 磁気記録再生装置 | |
JP2002329365A (ja) | 差動リニアアンプ回路 | |
US12073860B2 (en) | Circuit for biasing an external resistive sensor | |
US20230314117A1 (en) | Circuit for biasing an external resistive sensor | |
JP2000082937A (ja) | 時分割アナログフィルタ制御方法および磁気ディスクシステム | |
US6853510B2 (en) | High-speed low-capacitive load common mode feedback | |
JP3061205B2 (ja) | アクテイブフイルタ回路 | |
KR19980082771A (ko) | 트랜스컨덕턴스 가변방법 및 회로와 그를 이용한 가변 대역 필터 및 가변 이득 증폭기 | |
EP0696846B1 (en) | High-pass filter structure with programmable zeros | |
De Veirman et al. | Monolithic 10-30 MHz tunable bipolar Bessel lowpass filter | |
JP3114927B2 (ja) | 電流供給回路とこれを用いたフィルター回路 | |
CN110601670A (zh) | 一种麦克风可编程增益放大器集成电路 | |
US7312658B2 (en) | Differential amplifier with two outputs and a single input of improved linearity | |
JP2008022468A (ja) | トランスコンダクタンス装置 | |
Veerendranath et al. | ±0.5 V, 254 μ W Second-Order Tunable Biquad Low-Pass Filter with 7.3 fJ FOM Using a Novel Low-Voltage Fully Balanced Current-Mode Circuit | |
JP2001209901A (ja) | 磁気ディスクメモリ装置 |