JP2002328200A - 放射線像変換パネルおよび放射線画像情報読取装置 - Google Patents
放射線像変換パネルおよび放射線画像情報読取装置Info
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Abstract
像変換パネル、および放射線画像情報読取装置を提供す
る。 【解決手段】 放射線像変換パネルの画像形成領域の外
側に基準面指定手段を設け、パネル表面の凹凸を基準面
指定手段の基準面もしくは基準面に平行な面に対して、
集光レンズの焦点深度の範囲内とし、また、このパネル
の基準面に沿って集光レンズとラインセンサとからなる
光検出手段を移動させて、パネルから放射線画像情報を
読み取る構成とする。
Description
ル、および放射線像変換パネルに記録されている放射線
画像情報を読み取る装置に関するものである。
線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や
赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積
した放射線エネルギーに応じて輝尽発光を示す性質を有
する蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)が知られている。こ
の蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネ
ルを、被検体を透過した、あるいは被検体から発せられ
た放射線に露光させ、被検体の放射線画像情報を該変換
パネルに一旦記録した後、該変換パネルの表面をレーザ
光などの励起光で走査して、順次輝尽発光を放出させ、
この発光を光電的に読み取って画像信号を得ることから
なる、放射線画像記録再生方法が既に実用化されてい
る。この読み取りを終えた変換パネルは、残存する放射
線エネルギーの消去が行われたのち、次の撮影(放射線
露出動作)のために備えられ、繰り返し使用される。
線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は、基
本構造として、支持体とその上に設けられた蓄積性蛍光
体層とからなるものである。ただし、蓄積性蛍光体層が
自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としな
い。また、蓄積性蛍光体層の上面(支持体に面していな
い側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体
層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護してい
る。
これを分散状態で含有支持する結合剤とからなる。ただ
し、蒸着法や焼結法によって形成される結合剤を含ま
ず、蓄積性蛍光体の凝集体のみから構成された蓄積性蛍
光体層や、蓄積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が
含浸された蓄積性蛍光体層も知られている。
として、従来の蓄積性蛍光体における放射線吸収機能と
エネルギー蓄積機能とを分離して、蓄積性蛍光体(エネ
ルギー蓄積性蛍光体)を含有する放射線像変換パネル
と、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍
光体(放射線吸収性蛍光体)を含有する蛍光スクリーン
との組合せを用いる放射線画像形成方法が提案されてい
る。この方法は、被検体からの放射線をまず、該蛍光ス
クリーンの放射線吸収性蛍光体により紫外乃至可視領域
の光に変換した後、その光を変換パネルのエネルギー蓄
積性蛍光体に取り込み、放射線画像情報として記録す
る。次いで、この変換パネルを励起光で走査して輝尽発
光を放出させ、この発光を光電的に読み取って画像信号
を得るものである。なお、放射線吸収性蛍光体は、放射
線像変換パネルに含有させることもできる。
画像形成方法では、得られた画像信号に階調処理、周波
数処理などの画像処理を施すことができ、少ない照射線
量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるとい
う利点がある。さらに、放射線像変換パネルは繰り返し
使用できるので、資源保護、経済効率の面からも有利で
ある。
放出される放射線画像情報を読み取る方法として、近
年、発光の読取時間の短縮や、読取装置のコンパクト
化、コストの低減などの観点から、画素分割を二次元固
体撮像素子や半導体ラインセンサなどの受光素子により
行ない、電気回路によって時系列画像信号を形成する方
法が提案されている。例えば、特公平5−32945号
公報には、蛍光灯等から発せられた光をスリットを通し
て放射線像変換パネルに照射することにより励起光を線
状に照射し(ライン励起)、そしてパネルから放出され
る輝尽光を励起光照射部分に対向して配置された多数の
光電変換素子からなるラインセンサにより検出する(ラ
イン検出)ための装置が記載されている。
ドと光電子増倍管等の光検出器との組合せでは、レーザ
光等の励起光の照射部分から発せられる光は集光ガイド
によってほぼ全部集光されるので、鮮鋭度等の画質はパ
ネルからの発光量、すなわち蓄積性蛍光体層の厚みによ
って決まる。従って、画質の均一な放射線画像を得るた
めには蛍光体層の層厚を一定にすることが重要であっ
た。
ンセンサに輝尽発光を効率良く集光するのに、セルフォ
ックレンズアレイ等の集光レンズが用いられ、光は集光
レンズによってラインセンサの受光面にて結像するよう
に集光される。集光レンズでは、明確な像が得られる受
光面の位置に許容範囲(焦点深度)があり、この焦点深
度とレンズの開口角とは反比例の関係にある。開口角を
広くして集光効率を上げようとすれば焦点深度は小さく
なる。そして、パネル表面と集光レンズとの距離の僅か
な変動でも、集光レンズに集光される発光領域が変わる
ため、集光効率が大きく変化して、鮮鋭度等の画質が低
下することになる。従って、この場合には画質は、蓄積
性蛍光体層の層厚よりも、集光レンズと蛍光体層表面と
の距離の変動による影響の方が大きい。
報が記録された放射線像変換パネルからライン検出によ
って得られる放射線画像の画質について検討を重ねた結
果、放射線像変換パネルの表面状態、特に蓄積性蛍光体
層表面の凹凸が画質の低下を招いていることを見い出し
た。すなわち、蓄積性蛍光体層は、前述したように塗布
法や気相堆積法などにより形成されるが、その表面を完
全に平らに形成することは殆ど不可能である。そして、
通常、蛍光体層表面には幅が数μm〜数十μmの範囲の
ミクロの凹凸と、それよりずっと大きい蛍光体層の厚み
ムラのようなマクロの凹凸とが存在している。ミクロの
凹凸は、ラインセンサの各光電変換素子に対応する一画
素内に収まるので画質に影響を及ぼすことはないが、マ
クロの凹凸は、蛍光体層表面から集光レンズまでの距離
を変動させるため、結果として画質の不均一な放射線画
像を与えることになる。
て放射線像変換パネルの垂直方向の位置決めは、変換パ
ネルを載せる台を固定して、台から集光レンズとライン
センサを含む光検出手段までの距離を一定として設定す
ることにより行われている。しかしながら、変換パネル
の厚みは、厳密にはその全面に渡って均一ではないた
め、台を固定しただけでは変換パネルと光検出手段との
距離を一定に保つには不十分であることが分った。
線画像を与える放射線像変換パネルを提供することにあ
る。また、本発明は、高速で、高画質の放射線画像を与
える放射線画像情報読取装置を提供することにもある。
線画像記録領域が設定された蓄積性蛍光体層を有し、該
蓄積性蛍光体層への励起光の照射により該放射線画像記
録領域から発せられる光を集光レンズを通して集光する
放射線画像情報読取装置と組み合わせて用いる放射線像
変換パネルであって、該変換パネル上の、該放射線画像
記録領域の外側に基準面指定手段が設けられており、該
変換パネルの放射線画像記録領域内の表面の凹凸が、該
基準面指定手段の基準面もしくは基準面に平行な面に対
して、該放射線画像記録領域から発せられる光を集光す
るための集光レンズの焦点深度の範囲内にあることを特
徴とする放射線像変換パネルにある。
様は以下の通りである。 (1)パネル表面の凹凸が、基準面もしくは基準面に平
行な面に対して±50μm以内、より好ましくは±20
μm以内にある放射線像変換パネル。 (2)基準面指定手段としてパネルの少なくとも相対す
る両側縁部に枠が設けられ、該枠の上面を結ぶ面が基準
面を成している放射線像変換パネル。 (3)剛性層と、剛性層上であってそれよりも内側に設
けられた蓄積性蛍光体層とを有する放射線像変換パネ
ル。 (4)剛性層の材料の弾性率が1×105kgf/cm2
以上であって、かつ層厚が100μm乃至10mmの範
囲にある放射線像変換パネル。 (5)剛性を有する保護層と、保護層に隣接してそれよ
りも内側に設けられた蓄積性蛍光体層とを有する放射線
像変換パネル。 (6)剛性を有する保護層の材料の弾性率が1×105
kgf/cm2以上であって、かつ層厚が200μm乃
至10mmの範囲にある放射線像変換パネル。
準面指定手段が設けられており、該変換パネルの放射線
画像記録領域内の表面の凹凸が、該基準面指定手段の基
準面もしくは基準面に平行な面に対して、該放射線画像
記録領域から発せられる光を集光するための集光レンズ
の焦点深度の範囲内にある放射線像変換パネルから記録
情報を読取るための、基準面検出手段を持ち、基準面も
しくはそれに平行な面に沿ってレンズで集光するライン
センサ放射線画像情報読取装置にもある。
に基準面指定手段が設けられ、該変換パネルの放射線画
像記録領域内の表面の凹凸が、該基準面指定手段の基準
面もしくは基準面に平行な面に対して、該放射線画像記
録領域から発せられる光を集光するための集光レンズの
焦点深度の範囲内にある放射線像変換パネルから記録情
報を読み取るための装置であって、放射線画像情報が蓄
積記録された放射線像変換パネルに励起光を順次線状に
照射するライン光源、該パネルの基準面指定手段に対し
て予め決められた関係を維持しながら、励起光の照射位
置に対応して移動し、該パネルの励起光照射部分から発
せられる発光光を一次元的に受光して光電変換を行う、
複数の光電変換素子を線状に配置してなるラインセン
サ、および該ラインセンサからの出力を該ラインセンサ
の移動に応じて順次読み取って、放射線画像情報を電気
的画像信号として得る読取手段を備えた放射線画像情報
読取装置にもある。
された上記の放射線像変換パネルに励起光を順次線状に
照射するライン光源、該パネルの基準面指定手段に接触
した状態で基準面に沿って該励起光の照射位置に対応し
て移動しながら、該パネルの励起光照射部分から発せら
れる発光光を一次元的に受光して光電変換を行う、複数
の光電変換素子を線状に配置してなるラインセンサ、お
よび該ラインセンサからの出力を該ラインセンサの移動
に応じて順次読み取って、放射線画像情報を電気的画像
信号として得る読取手段を備えた放射線画像情報読取装
置にもある。
ネルの構成を添付図面を参照しながら説明する。
ネルの構成の例を示す斜視図であって、(2)はそのI
−Iに沿った拡大断面図である。図1の(1)におい
て、放射線像変換パネル10は、蓄積性蛍光体層11、
および基準面指定手段12から構成される。基準面指定
手段12は、蛍光体層11表面の相対する両側端部にそ
れぞれ一定の幅で設けられた枠12a、12bからな
る。基準面Aは、この枠12aと12bの上面を結ぶこ
とにより形成される面(仮想的な面)である。
要求される画像領域によって決まるが、実際には画像領
域より広い領域が必要であり、通常は縦、横それぞれの
1.1倍以上(例えば、1.2倍)である。よって、パ
ネルの縦、横の長さはそれぞれ一般には10〜100c
mの範囲にある。また一般に、枠12a、12bの幅は
1〜100mmの範囲にあり、高さは0.1〜50mm
の範囲にある。
ル10の蓄積性蛍光体層11の表面は凹んでいて、その
凹みは、基準面Aに平行な面A’(仮想の面であり、後
述するラインセンサの位置決めは実際にはこの面に基づ
く)を中心として、深さ±d(d:集光レンズの焦点深
度)の範囲内にある。パネル10表面の凹みは、使用す
る集光レンズの種類によっても異なるが、面A’に対し
て深さ±50μm以内にあることが好ましく、更に好ま
しくは深さ±20μm以内である。
うに、集光レンズとラインセンサとからなる箱型の光検
出手段を枠12a、12bの上面に接触した状態で矢印
の方向に移動させながら行われるので、光検出手段は基
準面A内を移動することになる。従って、光検出手段に
内蔵された集光レンズも基準面Aに平行な面内を移動す
ることになり、蓄積性蛍光体層11表面からラインセン
サまでの距離の変動は常に、集光レンズの焦点深度dの
範囲内に収められる。
放射線像変換パネルについて、後述する放射線画像情報
読取装置(図5、6)を用いて放射線画像情報の読み取
りを行った場合のパネル表面の凹凸と得られた画像の鮮
鋭度との関係を、下記の表1に示す。なお、表面の凹凸
は、基準面に平行な面に対するずれであり、使用した集
光レンズの焦点深度(6lpでのMTFを10%以上確
保できる範囲)は300μmである。
成の別の態様を拡大断面図として示す。である。図2の
(1)において、パネルの蓄積性蛍光体層21の表面は
傾斜していて、基準面Aも同様に傾斜している。蛍光体
層21表面の傾斜は、基準面Aに平行な面A’を中心と
する深さ±dの範囲内にある。
光体層31の表面は波打っていて、基準面Aは湾曲して
いる。蛍光体層31表面の凹凸は、基準面Aに平行な面
A’を中心とする深さ±dの範囲内にある。
光体層表面の凹凸に対応して傾斜していてもあるいは湾
曲していてもよく、この枠を結んで形成される基準面も
同様に傾斜していても湾曲していてもよい。いずれの場
合であっても、放射線画像情報の読み取りに際して蛍光
体層表面からラインセンサまでの距離の変動は常に、集
光レンズの焦点深度dの範囲内に収められる。
態様に限定されるものではなく、放射線像変換パネルの
画像形成領域の外側に設けられてラインセンサの位置決
めのための基準面を形成することができる限り、任意の
形状とすることができる。
準面指定手段の別の例を示す断面図である。図3の
(1)において、基準面指定手段42(枠42a、42
b)は、蓄積性蛍光体層41の両側端縁部にそれぞれ設
けられ、枠42aと42bの上面を結んだ面が基準面A
である。
2(枠52a、52b)は、蓄積性蛍光体層51の両側
側部にそれぞれ設けられ、枠52aと52bの上面を結
んだ面が基準面Aである。なお、この場合には、蛍光体
層51表面の凹凸は基準面Aを中心とする深さ±dの範
囲内にある。
準面指定手段の別の例を示す断面図である。図4におい
て、放射線像変換パネル60の基準面指定手段62は、
蓄積性蛍光体層61表面の周囲端部に設けられている。
枠62の上面を結ぶ面が基準面Aである。
する方法について詳細に述べる。蓄積性蛍光体として
は、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射に
より、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す
輝尽性蛍光体が好ましい。
は特に好ましい。但し、MIはLi、Na、K、Rb及
びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、
Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少な
くとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、M
IIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し、そし
てAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、M
g、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。X、X’
およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、
bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.
5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
ともCsを含んでいることが好ましい。Xとしては少な
くともBrを含んでいることが好ましい。Aとしては特
にEu又はBiであることが好ましい。また、基本組成
式(I)には、必要に応じて、酸化アルミニウム、二酸
化珪素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を添加物と
して、MI1モルに対して、0.5モル以下の量で加え
てもよい。
化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはBa、
Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、E
u、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbから
なる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表
す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2
の範囲内の数値を表す。
が半分以上(モル比で)を占めることが好ましい。Ln
としては、特にEu又はCeであることが好ましい。ま
た、基本組成式(II)では表記上F:X=1:1のよう
に見えるが、これはBaFX型の結晶構造を持つことを
示すものであり、最終的な組成物の化学量論的組成を示
すものではない。一般に、BaFX結晶においてX-イ
オンの空格子点のF+(X-)中心が多く生成された状態
があって、600〜700nmの光に対する輝尽効率を
高める上で好ましい。このとき、FはXよりもやや過剰
にあることが多い。
るが、必要に応じて下記のような添加物を一種もしくは
二種以上を基本組成式(II)に加えてもよい。 bA, wNI, xNII, yNIII ただし、AはAl2O3、SiO2及びZrO2などの金属
酸化物を表す。MIIFX粒子同士の焼結を防止する上で
は、一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子で
MIIFXとの反応性が低いものを用いることが好まし
い。NIは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属の化合物を
表し、NIIは、Mg及び/又はBeからなるアルカリ土
類金属の化合物を表し、NIIIは、Al、Ga、In、
Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選
ばれる少なくとも一種の三価金属の化合物を表す。これ
らの金属化合物としては、特開昭59−75200号公
報に記載のようなハロゲン化物を用いることが好ましい
が、それらに限定されるものではない。
FXのモル数を1としたときの仕込み添加量であり、0
≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦
0.3の各範囲内の数値を表す。これらの数値は、焼成
やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては
最終的な組成物に含まれる元素比を表しているわけでは
ない。また、上記化合物には最終的な組成物において添
加されたままの化合物として残留するものもあれば、M
IIFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものも
ある。
応じて、Zn及びCd化合物;TiO2、BeO、Mg
O、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y2O3、La2
O3、In2O3、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O
5、ThO2等の金属酸化物;Zr及びSc化合物;B化
合物;As及びSi化合物;テトラフルオロホウ酸化合
物;ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸、
およびヘキサフルオロジルコニウム酸の1価もしくは2
価の塩からなるヘキサフルオロ化合物;V、Cr、M
n、Fe、Co及びNiなど遷移金属の化合物などを添
加してもよい。さらに、本発明においては上述した添加
物を含む蛍光体に限らず、基本的に希土類付活アルカリ
土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる
組成を有するものであれば如何なるものであってもよ
い。
光体に限定されるものではなく、X線などの放射線を吸
収して紫外乃至可視領域に(瞬時)発光を示す蛍光体で
あってもよい。そのような蛍光体の例としては、LnT
aO4:(Nb,Gd)系、Ln2SiO5:Ce系、L
nOX:Tm系(Lnは希土類元素である)、CsX系
(Xはハロゲンである)、Gd2O2S:Tb、Gd2O2
S:Pr,Ce、ZnWO4、LuAlO3:Ce、Gd
3Ga5O12:Cr,Ce、HfO2等を挙げることがで
きる。
体層は、例えば気相堆積法の一種である電子線蒸着法に
より、以下のようにして形成することができる。なお、
気相堆積法によって形成される蛍光体層は、結合剤を含
有せず、蓄積性蛍光体のみからなり、蓄積性蛍光体の柱
状結晶と柱状結晶の間には空隙(クラック)が存在す
る。このため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率
を高めることができ、高感度であって、高鮮鋭度の画像
を得ることができる。特に電子線蒸着法では、形状が良
好で配列の整った柱状結晶が得られると同時に、蒸着源
を局所的に加熱して瞬時に蒸発させるので、蒸着源のう
ち蒸気圧の高い物質が優先的に蒸発して(例えば、付活
剤が蛍光体母体よりも先行して蒸発する)、蒸発源とし
て仕込んだ蛍光体の組成と形成された蛍光体層中の蛍光
体の組成とが不一致となるようなことが殆どない。
被蒸着物である基板を蒸着装置内に設置し、装置内を排
気して3×10-10〜3×10-12kg/cm2程度の真
空度とする。このとき、真空度をこの程度に保持しなが
ら、Arガス、Neガスなどの不活性ガスを導入しても
よい。基板としては、石英ガラスシート、アルミニウム
などからなる金属シート、およびアラミドなどからなる
樹脂シートを用いることができる。
レット)の形状に加工しておくことが好ましい。加圧圧
縮は、一般に800〜1000kg/cm2の範囲の圧
力を掛けて行う。圧縮の際に、50〜200℃の範囲の
温度に加温してもよく、また圧縮後、得られた錠剤に脱
ガス処理を施してもよい。これにより、蒸発源の相対密
度を高めることができる。蒸発源の相対密度が低いと、
蛍光体が均一に蒸発しないで蒸着膜の膜厚が不均一とな
ったり、突沸物が基板に付着したり、更には蛍光体自体
が不均一に蒸発して蒸着膜中に蛍光体の付活剤や添加物
が偏析したりする。さらに、蓄積性蛍光体の代わりにそ
の原料もしくは原料混合物を用いることも可能である。
発源に照射する。このとき、電子線の加速電圧を1.5
kV以上で、5.0kV以下に設定することが望まし
い。加速電圧が1.5kVより低いと、電圧が不安定に
なって、電子線のビームポジションが変動してしまった
り、蒸発源の電子線による走査面の形状が変化して蒸発
面を平坦に保つことが困難となる。反対に、加速電圧が
5.0kVより高い場合には、蒸発により気相成長する
蛍光体の柱状結晶が不揃いとなる。
蛍光体は加熱されて蒸発、飛散し、基板表面に堆積す
る。蛍光体の堆積する速度、すなわち蒸着速度は一般に
は0.1〜1000μm/分の範囲にあり、好ましくは
1〜100μm/分の範囲にある。なお、電子線の照射
を複数回に分けて行って2層以上の蛍光体層を形成して
もよいし、あるいは複数の電子銃を用いて異なる蛍光体
を共蒸着させてもよい。また、蛍光体の原料を用いて基
板上で蛍光体を合成すると同時に蛍光体層を形成するこ
とも可能である。さらに、蒸着の際に必要に応じて被蒸
着物(基板)を冷却または加熱してもよいし、あるいは
蒸着終了後に蛍光体層を加熱処理(アニール処理)して
もよい。
抗加熱法等の他の蒸着法あるいはスパッタ法など公知の
各種の気相堆積法を利用することができる。
が基板に対してほぼ垂直な方向に成長した蛍光体層が得
られる。蛍光体層は、蓄積性蛍光体のみからなり、蓄積
性蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙(クラッ
ク)が存在する。また、蛍光体層の表面には一般に、幅
が1〜数十μmの個々の柱状結晶の高さの微小な違いに
よるミクロな凹凸、および図1または図2に示したよう
な表面全体に渡るマクロな傾斜や波打ち、凹み、膨らみ
などが生じている。
集光レンズの焦点深度の範囲内に収めるために、研磨処
理など公知の各種の表面処理を施すことが好ましい。特
に、図1の(1)において矢印の方向と直交する方向に
はできる限り平面性が高いことが望ましい。
体の粒子および結合剤を適当な有機溶剤に分散溶解した
塗布液を塗布、乾燥することにより形成して、蛍光体粒
子とそれを分散支持する結合剤とからなる蛍光体層とし
てもよい。結合剤は公知の各種の結合剤樹脂から適宜選
択して用いることができる。
側面の一部には、基準面指定手段が設けられる。基準面
指定手段は、ポリエチレンテレフタレートフィルムなど
の有機高分子フィルムやガラス板などを適当な接着剤を
用いて蛍光体層に接合することにより設けることができ
る。あるいは、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などの有機
高分子物質を含む溶液を蛍光体層に塗布、乾燥すること
により形成してもよいし、あるいはまた、無機化合物を
蒸着などによって蛍光体層上に枠状に形成してもよい。
ることにより、蓄積性蛍光体層と基準面指定手段とから
なる放射線像変換パネルが得られる。
(剛性層)が設けられていてもよく、上記の基板を剥ぎ
取らないでそのまま支持体として用いてもよい。あるい
は、蛍光体層を基板より剥ぎ取った後、別の適当な支持
体上に接着剤などを用いて接合してもよい。支持体の材
料としては、従来より放射線像変換パネルの支持体とし
て公知の各種の材料を用いることができる。また、公知
の放射線像変換パネルにおいて、パネルとしての感度も
しくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、二
酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もし
くはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸
収層などを設けることが知られている。本発明に用いら
れる支持体についても、これらの各種の層を設けること
ができ、それらの構成は所望のパネルの目的、用途など
に応じて任意に選択することができる。さらに、得られ
る画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層
側の表面(支持体の蛍光体層側の表面に下塗層(接着性
付与層)、光反射層あるいは光吸収層などの補助層が設
けられている場合には、それらの補助層の表面であって
もよい)には微小な凹凸が形成されていてもよい。
には、その材料の弾性率が、1×105kgf/cm2以
上であることが好ましく、より好ましくは2×105乃
至1×108kgf/cm2の範囲にある。また、剛性層
は、放射線吸収が少ないことが望ましく、X線吸収率が
一般には20%以下であり、好ましくは10%以下であ
る。さらに、耐湿性の点から気密性に優れ、透湿度が低
いことが望ましい。このような剛性層の材料としては、
ガラスシート;アルミニウム等の金属シート;炭素繊維
強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラス
チック(GFRP)などからなるプラスチックシート;
および多孔質セラミックなどからなるセラミックシート
を挙げることができる。剛性層の層厚は、一般には10
0μm乃至10mmの範囲にあって、好ましくは1乃至
10mmの範囲にある。なお、保護層が剛性を有する場
合には、必ずしも剛性層を設ける必要はない。
に、蓄積性蛍光体層を保護層よりも内側に形成してその
周囲に封止部材を設けてもよい。封止部材としては、気
密性に優れ、透湿度が低いものが好ましく、具体的に
は、下記の接着剤や、低融点ガラスなどの封着用ガラス
を挙げることができる。あるいは、ガラス、セラミック
ス、金属、プラスチックなどからなる枠体(スペーサ)
を、保護層と剛性層との間に下記接着剤または接着性の
充填材を用いて接合してもよい。枠体は、一体化されて
いることが好ましい。
低いものが好ましく、例えばエポキシ系樹脂、フェノー
ル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル
系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂、クロロプレン系ゴム、ニトリル系ゴムなどの有機
高分子系接着剤;およびシリコーン系接着剤を挙げるこ
とができる。
パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避の
ために、保護層を設けてもよい。保護層は、励起光の入
射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明で
あることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝
撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保護す
ることができるように、化学的に安定で防湿性が高く、
かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
メチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂な
どのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解し
て調製した溶液を蓄積性蛍光体層の上に塗布することで
形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレート
などの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護
層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な
接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着
などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられ
る。また、保護層中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、
二酸化チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフル
オロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り
剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添
加剤が分散含有されていてもよい。保護層の層厚は一般
に、高分子物質からなる場合には約0.1〜20μmの
範囲にあり、ガラス等の無機化合物からなる場合には1
00〜1mmの範囲にある。
発光光の射出角度を抑えて集光レンズに入射する発光光
の光量を増大させる目的で、空気層や屈折率層などの光
学不連続層を設けることが好ましい。光学不連続層は、
例えば蛍光体層上に保護層を熱圧着などにより形成して
不連続に接合することにより、不連続な薄い空気層とし
て設けることができる。あるいは、蛍光体層の周囲にス
ペーサを設ける場合には保護層をスペーサに接着して設
けることにより、蛍光体層と保護層との間に空間を形成
したり、高分子材料からなるビーズ等を充填してもよ
い。
性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フ
ッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(また
は分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面
に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹
脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。ま
た、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパー
フルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することも
できる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて
更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィ
ラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚
は通常は0.5〜20μmの範囲にある。
く、その場合には保護層の材料は弾性率が1×105k
gf/cm2以上であることが好ましく、より好ましく
は2×105乃至1×108kgf/cm2の範囲にあ
る。保護層は、透明であって(励起光および発光光に対
する透過率が高く)、高い平行平面性を有し、そして気
密性に優れ、透湿度が低いことが望ましい。このような
条件を満たす保護層の代表的なものとしてはガラスシー
トがある。具体的には、セントラル硝子(株)製のFl
0.7、0.85、1.0;日本板硝子(株)製のUF
F0.40、0.50、0.55、0.70;および旭
硝子(株)製のPROQS40SXを挙げることができ
る。保護層の層厚は一般には、200μm乃至10mm
の範囲にある。
蓄積性蛍光体層を形成し、次いでその上に剛性層を設け
てもよい。また、蛍光体層と剛性層との間には、パネル
の平行平面性を高めるために、充填材層が設けられても
よい。充填材層は、剛性層よりも密度が低くて軽く、か
つ放射線吸収が少ないことが望ましい。そのような充填
材層に使用される充填材の例としては、不織布、合成繊
維や天然繊維、またはこれらの織物やガラス繊維;発泡
ウレタン、発泡ポリエチレンテレフタレート、多孔質セ
ラミック、ミクロフィルタなどの微細な孔(空隙)を有
するもの;一般的な樹脂、特に密度が1.7g/cm3
以下の樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂;および中空粒子(中空ポリマーなど)を結合剤に
混合したものを挙げることができる。
リスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソ
プレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴ
ム、シリコンゴムなどの熱可塑性エラストマーを挙げる
ことができる。
上に塗布などにより充填材層を形成し、次いで剛性層を
この充填材により接合する。充填材が接着性を有しない
場合には、蛍光体層上に充填材を接着剤により接着し、
次いでこの充填材層上に剛性層を接着剤により接着す
る。充填材層の層厚は、一般には100μm乃至10m
mの範囲にあり、好ましくは1乃至5mmの範囲にあ
る。
樹脂塗布層を設けた場合には、基準面指定手段は、これ
らの層表面および/またはこれらの層と蛍光体層の側面
に設けられ、これらの層表面の凹凸が集光レンズの焦点
深度の範囲内に収まるようにされる。
ネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各
種のバリエーションを含むものであってもよい。たとえ
ば、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目的とし
て、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し
発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよ
い。
本発明の放射線画像情報読取装置について、蓄積性蛍光
体として輝尽性蛍光体を含有する場合を例に取って、添
付図面を参照しながら説明する。図5は本発明の放射線
画像情報読取装置の例を示す構成図であり、図6は、図
5のI−I線に沿った断面図である。
読取装置は、放射線像変換パネル10を水平に載置する
台71、パネル10表面に対して略平行に線状の励起光
Lを出射するブロードエリアレーザ(以下、BLDとい
う)72、励起光Lの光路上に設けられ、励起光Lを平
行ビームとするコリメータレンズとトーリックレンズと
からなる光学系73、順次角度を変えながら励起光Lを
反射して、パネル10表面に矢印X方向に沿って延びる
線状に照射する可変ミラー74、パネル10の枠12
a、12bの上部に接した状態で基準面Aに沿って矢印
Y方向に可変ミラー74の動きに連動して移動しなが
ら、励起光Lの照射によりパネル10から発せられる輝
尽発光光Mを集光して検出する箱型の光検出手段75、
及び光検出手段75から出力される信号Sをパネル10
の部位に対応させて演算処理して、電気的画像信号とし
て出力する画像情報読取手段80を備えた構成である。
なお、これらの放射線画像情報読取装置において、ブロ
ードエリアレーザ72から可変ミラー74までの励起光
照射部と光検出手段75を中心とする輝尽発光光検出部
とは一体として移動するように構成されていることが好
ましい。
ラインセンサ78に集光させる屈折率分布形レンズアレ
イ(多数の屈折率分布形レンズが配列されてなるレンズ
であり、以下、セルフォックレンズアレイという)7
6、セルフォックレンズアレイ76を透過した輝尽発光
光Mに僅かに混在する、パネル10表面で反射した励起
光Lをカットし輝尽発光光Mを透過する励起光カットフ
ィルタ77、および励起光カットフィルタ77を透過し
た輝尽発光光Mを受光して光電変換する多数の光電変換
素子79が配列されたラインセンサ78を内蔵してい
る。光検出手段75は、パネル10の基準面A上を、常
に励起光Lの照射域の真上に位置するように移動する。
ように蓄積性蛍光体層11と枠状の基準面指定手段12
a、12bとから構成され、基準面Aを有する。
矢印X方向に配置され、波長630〜690nmの可視
領域の光を発する。可変ミラー74は、角度を変えなが
ら励起光Lを反射して、励起光Lを順次矢印Y方向に移
動させながらパネル10上に矢印X方向に沿って延びる
線状に照射する。
センサ78の受光面において、パネル10上の輝尽発光
光Mの発光域を1対1の大きさで結像する像面とする作
用をなす。
(例えば、1000個以上)の光電変換素子(CCD、
電荷結合素子)79が配列された構成である。多数の光
電変換素子79はそれぞれ、縦100μm×横100μ
m程度の大きさの受光面を有しており、一画素に対応し
ている。各受光面は、放射線像変換パネル10表面にお
ける縦100μm×横100μm程度の領域から発せら
れる輝尽発光光Mを受光する。
を用いた放射線画像情報の読み取りは、次のようにして
実施することができる。まず、被検体を透過したX線等
の放射線が照射されるなどして被検体の放射線画像情報
が蓄積記録された放射線像変換パネル10が、台71上
に載置される。BLD72から、パネル10の表面に対
して略平行に発せられた線状の励起光Lは、その光路上
に設けられたコリメータレンズとトーリックレンズとか
らなる光学系73により平行ビームとされ、次いで可変
ミラー74により反射されて、パネル10上に矢印X方
向に沿って延びる線状に照射される。励起光Lは、可変
ミラー74の稼動により、逐次矢印Y方向に移動しなが
らパネル10上に線状に照射される。
起により、パネル10の照射域およびその近傍から、蓄
積記録されている放射線画像情報に応じた強度の輝尽発
光光Mが発せられる。
きに連動してパネル10の基準面A上を移動する光検出
手段75のセルフォックレンズアレイ76により、ライ
ンセンサ78を構成する各光電変換素子79の受光面に
集光される。この光検出手段75の移動速度は画像読取
手段80に入力される。
を透過した輝尽発光光Mに僅かに混在する、パネル10
表面で反射した励起光Lは、励起光カットフィルタ77
によりカットされる。
発光光Mは光電変換され、そして光電変換して得られた
各信号Qは、画像情報読取手段80に入力される。画像
情報読取手段80にて各信号Qは、光検出手段75の移
動速度に基づいてパネル10の部位に対応して演算処理
され、画像データとして画像表示装置(図示なし)に出
力される。
は、図5および図6に示した態様に限定されるものでは
なく、光源、光源とパネルとの間の集光光学系、パネル
とラインセンサとの間の光学系、およびラインセンサは
それぞれ、公知の種々の構成を採用することができる。
する代わりに、図7に示すようにパネルの両側端部を長
手方向に沿って支持部材で固定支持し、この支持部材に
沿って、別に用意した光検出手段を移動させる構成であ
ってもよい。
概略部分断面図であり、装置内におけるパネルの支持手
段と光検出手段との位置関係を表している(矢印は放射
線の照射方向および励起光の照射方向を意味する)。図
7において、放射線像変換パネル20(81:上側表面
に透明保護膜そして下側表面に支持体シートを備えた蓄
積性蛍光体層、83:接着層、84:剛性層、85:縁
貼り)の基準面指定手段82は、剛性層84の露出した
表面部分であり、この基準面指定手段82を含む両側端
部にて、板バネからなる支持手段86a、86bにより
水平に固定支持されている。板バネ86a、86bの上
面86c、86dは装置側の基準面を形成している。光
検出手段87は、その下方両端に脚部87a、87bを
有し、読み取り時には板バネ86a、86b上をその基
準面86c、86dに沿って移動する。
像変換パネルを水平または垂直に固定した状態で放射線
撮影および画像情報の読み取りを行うことが可能とな
り、装置を小型化することができる。この場合に、放射
線像変換パネルは、それ自体の重みによる撓みを防ぐた
めに、蓄積性蛍光体層の少なくとも片面に剛性層または
剛性を有する保護層を設けた構成とすることが望まし
い。
であってもよく、蛍光灯、冷陰極蛍光灯、LED(発光
ダイオード)アレイなども用いることができる。ライン
光源から発せられる励起光は、連続的に出射するもので
あってもよいし、あるいは出射と停止を繰り返すパルス
光であってもよい。ノイズ低減の観点からは、高出力の
パルス光であることが好ましい。
イクロレンズアレイを用いることもできる。ラインセン
サとしてはCCDセンサ以外に、アモルファスシリコン
センサ、バックイルミネータ付きのCCD、MOSイメ
ージセンサなどを用いることができる。また、箱型の光
検出手段は、パネルの基準面と接触する部分に突起など
が設けられていてもよい。
るために、パネルとラインセンサとの間の光学系を1:
1結像系に設定したが、拡大縮小光学系を利用してもよ
い。ただし、集光効率を高めるためには等倍または拡大
光学系を用いることが好ましい。
画像データ信号に対して種々の信号処理を施す画像処理
手段、画像データ信号が表す可視像をCRTやドライフ
ィルムなどに出力表示する画像出力手段、カセッテ内部
に収容された放射線像変換パネルをカセッテから引き出
す吸着手段、あるいは読み取り終了後のパネルになお残
存する放射線エネルギーを適切に放出させる消去手段な
どを更に備えた構成を採用することもできる。
換パネルの構成の別の例を示す概略断面図である。
ウレタン系樹脂とを重量比20:1で有機溶剤中に分散
させて、蛍光体分散液を得た後、この蛍光体分散液を剥
離可能な仮支持体上に塗布機により塗布し、乾燥して、
蛍光体膜を製造する。該蛍光体膜を仮支持体から剥離し
て、下塗り材料を介して支持体シート上に加熱圧着し、
ついで蛍光体膜の表面に保護膜を塗布形成して、支持体
付き蓄積性蛍光体膜(410mm×430mm、層厚:
約250μm)を形成した。 2)研磨したアルミニウム板(剛性層、430mm×4
50mm、厚み:10mm)の表面に、片面低粘着両面
シート(接着層、厚み:60μm)を介して上記支持体
付き蓄積性蛍光体膜の支持体側を貼り合わせた。 3)蛍光体層および接着層の周縁部に、シリコーン樹脂
溶液を塗布、乾燥して縁貼りを形成し、図7に示したよ
うな放射線像変換パネルを得た。
表面の凹凸を測定したところ、平面精度は基準面に平行
な面に対して±13μmであった。
63mm)の表面に、輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)
を電子線蒸着により蒸着させて、蛍光体の柱状結晶がほ
ぼ垂直方向に密に林立した構造の蓄積性蛍光体層(サイ
ズ:410mm×430mm、層厚:約500μm)を
形成した。 2)別に、ガラスシート(剛性保護層、430mm×4
50mm、厚み:8mm)の周囲にアクリル系樹脂を主
成分とする接着剤(封止樹脂)を用いてガラススペーサ
(厚み:500μm)を設けた。 3)次に、このガラススペーサの上に、上記蓄積性蛍光
体層を有するガラス基板を蛍光体層を下に向けて光学不
連続層を介して貼り合わせ、図8に示すような放射線像
変換パネルを得た。
に保護層93、光学不連続層94、蒸着蓄積性蛍光体層
91、および蒸着基板95からなり、蒸着蓄積性蛍光体
層91の周囲は、ガラススペーサ96と封止樹脂層9
7、98とにより封止されている。そして、基準面指定
手段92は保護層93の周囲表面部分(ガラススペーサ
に対応する部分)である。この放射線変換パネルでは、
X線の照射は下側から行ない、読取りは上側から行な
う。
蛍光体層表面の凹凸を測定したところ、平面精度は基準
面に対して±20μmであった。
み:8mm)の表面に、CsBr:Eu輝尽性蛍光体を
電子線蒸着により蒸着させて、蛍光体の柱状結晶がほぼ
垂直方向に密に林立した構造の蓄積性蛍光体層(サイ
ズ:410mm×430mm、層厚:約500μm)を
形成した。 2)封止性能を持たせるために、透明防湿フィルム(厚
み:60μm、GL-AU、凸版印刷(株)製)を接着剤を用
いて蛍光体層および剛性層の表面に接着して、保護層を
設けた。このようにして、図9に示す放射線像変換パネ
ルを得た。
に保護層103、蓄積性蛍光体層101、および剛性層
104からなり、基準面指定手段102は剛性層104
の露出した表面部分である。この放射線変換パネルで
は、X線の照射及び読取りは上側から行なう。
測定したところ、平面精度は基準面に平行な面に対して
±50μmであった。
み:8mm)の表面に、CsBr:Eu輝尽性蛍光体を
電子線蒸着により蒸着させて、蛍光体の柱状結晶がほぼ
垂直方向に密に林立した構造の蓄積性蛍光体層(410
mm×430mm、層厚:約500μm)を形成した。 2)剛性層の周囲にアクリル系樹脂を主成分とする接着
剤(封止樹脂)を用いてガラススペーサ(厚み:500
μm)を設けた。 3)次に、このガラススペーサとガラスシート(保護
層、430mm×450mm、厚み:0.7mm)を接
着剤を用いて貼り合わせ、図10に示すような放射線像
変換パネルを得た。
順に保護層113、光学不連続層114、蓄積性蛍光体
層111、および剛性層115からなり、蛍光体層11
1の周囲は、ガラススペーサ116と封止樹脂層11
7、118とにより封止されている。基準面指定手段1
12は保護層113の周囲表面部分(ガラススペーサに
対応する部分)である。この放射線変換パネルでは、X
線の照射及び読取りは上側から行なう。
測定したところ、平面精度は基準面に対して±50μm
であった。
準面指定手段を設け、かつパネル表面の凹凸を集光系の
焦点深度の範囲内に収め、そして画像情報の読み取りは
光検出手段をパネルの基準面に接触した状態で移動させ
て実施することにより、パネルの垂直方向の位置合せを
正確に行うことができ、パネル表面とラインセンサとの
距離の変動を、パネルの厚みムラに関係なく常に集光系
の焦点深度内に維持することができる。この垂直方向の
位置合せを正確に行えることにより、高速であってかつ
鮮鋭度等の画質の均一な放射線画像を得ることができ
る。このため、本発明の放射線像変換パネルおよび読取
装置は、医療診断用ラジオグラフィーや工業用ラジオグ
ラフィー、並びにフルオロスコピーに利用した場合に有
利となる。
の例を示す斜視図であり、そして(2)はそのI−Iに
沿った拡大断面図である。
示す拡大断面図である。
面図である。
面図である。
成図である。
読取装置との組合せの別の例を示す概略部分断面図であ
る。
示す概略断面図である。
示す概略断面図である。
を示す概略断面図である。
2 基準面指定手段(枠) A 基準面 A’ 基準面に平行な面 71 台 72 ブロードエリアレーザ(BLD) 73 コリメータレンズとトーリックレンズからなる光
学系 74 可変ミラー 75 光検出手段 76 セルフォックレンズアレイ 77 励起光カットフィルタ 78 ラインセンサ 79 光電変換素子 80 画像情報読取手段 L 励起光 M 輝尽発光光 S 信号
Claims (10)
- 【請求項1】 中央部に放射線画像記録領域が設定され
た蓄積性蛍光体層を有し、該蓄積性蛍光体層への励起光
の照射により該放射線画像記録領域から発せられる光を
集光レンズを通して集光する放射線画像情報読取装置と
組み合わせて用いる放射線像変換パネルであって、該変
換パネル上の、該放射線画像記録領域の外側に基準面指
定手段が設けられており、該変換パネルの放射線画像記
録領域内の表面の凹凸が、該基準面指定手段の基準面も
しくは基準面に平行な面に対して、該放射線画像記録領
域から発せられる光を集光するための集光レンズの焦点
深度の範囲内にあることを特徴とする放射線像変換パネ
ル。 - 【請求項2】 パネル表面の凹凸が基準面もしくは基準
面に平行な面に対して±50μm以内にある請求項1に
記載の放射線像変換パネル。 - 【請求項3】 パネル表面の凹凸が基準面もしくは基準
面に平行な面に対して±20μm以内にある請求項2に
記載の放射線像変換パネル。 - 【請求項4】 基準面指定手段として、パネルの少なく
とも相対する両側縁部に枠が設けられ、該枠の上面を結
ぶ面が基準面を成している請求項1乃至3のうちのいず
れかの項に記載の放射線像変換パネル。 - 【請求項5】 剛性層と、剛性層上であってそれよりも
内側に設けられた蓄積性蛍光体層とを有する請求項1乃
至4のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネ
ル。 - 【請求項6】 剛性層の材料の弾性率が1×105kg
f/cm2以上であって、層厚が100μm乃至10m
mの範囲にある請求項5に記載の放射線像変換パネル。 - 【請求項7】 剛性を有する保護層と、保護層に隣接し
てそれよりも内側に設けられた蓄積性蛍光体層とを有す
る請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の放射線
像変換パネル。 - 【請求項8】 剛性を有する保護層の材料の弾性率が1
×105kgf/cm2以上であって、かつ層厚が200
μm乃至10mmの範囲にある請求項7に記載の放射線
像変換パネル。 - 【請求項9】 放射線画像記録領域の外側に基準面指定
手段が設けられており、該変換パネルの放射線画像記録
領域内の表面の凹凸が、該基準面指定手段の基準面もし
くは基準面に平行な面に対して、該放射線画像記録領域
から発せられる光を集光するための集光レンズの焦点深
度の範囲内にある放射線像変換パネルから記録情報を読
取るための、基準面検出手段を持ち、基準面もしくはそ
れに平行な面に沿ってレンズで集光するラインセンサ放
射線画像情報読取装置。 - 【請求項10】 放射線画像記録領域の外側に基準面指
定手段が設けられており、該変換パネルの放射線画像記
録領域内の表面の凹凸が、該基準面指定手段の基準面も
しくは基準面に平行な面に対して、該放射線画像記録領
域から発せられる光を集光するための集光レンズの焦点
深度の範囲内にある放射線像変換パネルから記録情報を
読み取るための装置であって、放射線画像情報が蓄積記
録された放射線像変換パネルに励起光を順次線状に照射
するライン光源、該パネルの基準面指定手段に対して予
め決められた関係を維持しながら、励起光の照射位置に
対応して移動し、該パネルの励起光照射部分から発せら
れる発光光を一次元的に受光して光電変換を行う、複数
の光電変換素子を線状に配置してなるラインセンサ、お
よび該ラインセンサからの出力を該ラインセンサの移動
に応じて順次読み取って、放射線画像情報を電気的画像
信号として得る読取手段を備えた放射線画像情報読取装
置。
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