JP2003156595A - 蓄積性蛍光体シート - Google Patents

蓄積性蛍光体シート

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JP2003156595A
JP2003156595A JP2002086667A JP2002086667A JP2003156595A JP 2003156595 A JP2003156595 A JP 2003156595A JP 2002086667 A JP2002086667 A JP 2002086667A JP 2002086667 A JP2002086667 A JP 2002086667A JP 2003156595 A JP2003156595 A JP 2003156595A
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phosphor sheet
stimulable phosphor
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sheet
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JP2002086667A
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Seiji Tazaki
誠二 田崎
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラインスキャン方式の読取装置での使用に適
し、高画質の放射線画像を与える蓄積性蛍光体シートを
提供する。 【解決手段】 X線吸収率が20%以下の剛性支持体の
上に蓄積性蛍光体層が積層されている蓄積性蛍光体シー
トであって、その蓄積性蛍光体シートが、蛍光体シート
を相対向する二辺で固定支持して水平に保持したときの
撓み量が1000μm以下である剛性の高い蓄積性蛍光
体シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄積性蛍光体を利
用する放射線画像情報記録再生方法に用いられる蓄積性
蛍光体シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線などの放射線が照射されると、放射
線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や
赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積
した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する
蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用
して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の蓄積性蛍
光体シートに、被検体を透過したあるいは被検体から発
せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一
旦蓄積記録した後、蛍光体シートにレーザ光などの励起
光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発
光光を光電的に読み取って画像信号を得ることからな
る、放射線画像情報記録再生方法が広く実用に共されて
いる。読み取りを終えた蛍光体シートは、残存する放射
線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備
えられて繰り返し使用される。
【0003】放射線画像情報記録再生方法に用いられる
蓄積性蛍光体シート(放射線像変換蛍光体シートともい
う)は、基本構造として、支持体とその上に設けられた
蓄積性蛍光体層とからなり、可撓性を有している。ただ
し、蓄積性蛍光体層が自己支持性である場合には必ずし
も支持体を必要としない。また、蓄積性蛍光体層の上面
(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設
けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的
な衝撃から保護している。
【0004】蛍光体層としては、蓄積性蛍光体とこれを
分散状態で含有支持する結合剤とからなるもの、蒸着法
や焼結法によって形成される結合剤を含まないで蓄積性
蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、および蓄積性
蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されているも
のなどが知られている。
【0005】また、上記放射線画像情報記録再生方法の
別法として本出願人による特願2000−400426
号明細書には、従来の蓄積性蛍光体における放射線吸収
機能とエネルギー蓄積機能とを分離して、少なくとも蓄
積性蛍光体(エネルギー蓄積用蛍光体)を含有する蓄積
性蛍光体シートと、放射線を吸収して紫外乃至可視領域
に発光を示す蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を含有する
蛍光スクリーンとの組合せを用いる放射線画像形成方法
が提案されている。この方法は、被検体を透過などした
放射線をまず、該スクリーンまたは蛍光体シートの放射
線吸収用蛍光体により紫外乃至可視領域の光に変換した
後、その光を蛍光体シートのエネルギー蓄積用蛍光体に
て放射線画像情報として蓄積記録する。次いで、この蛍
光体シートに励起光を走査して発光光を放出させ、この
発光光を光電的に読み取って画像信号を得るものであ
る。このような蓄積性蛍光体シート及び蛍光スクリーン
も、本発明に包含される。
【0006】放射線画像情報記録再生方法(および放射
線画像形成方法)は上述したように数々の優れた利点を
有する方法であるが、この方法に用いられる蓄積性蛍光
体シートにあっても、できる限り高感度であってかつ画
質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるもので
あることが望まれている。
【0007】蓄積性蛍光体シートから放射線画像情報を
読み取る方式として、図1および図2に示すようなライ
ンスキャン読取方式が提案されている。この読取方式に
よれば、発光光の読取時間の短縮、装置の小型化および
コストの低減を図ることができる。
【0008】図1は、放射線画像情報読取装置の構成の
例を概略的に示す斜視図であり、図2は、該装置の構成
を示す概略断面図である。図1及び図2において、読取
装置は、蓄積性蛍光体シート1を水平に固定する支持手
段(図示なし)、蛍光体シート1に励起光を照射する照
射手段20、蛍光体シート1から発生する発光光を検出
する検出手段30、および一体化された照射手段20と
検出手段30を矢印Y方向に移動させる搬送手段(図示
なし)から構成される。
【0009】蓄積性蛍光体シート1は、支持手段により
固定されて水平に保持されている。照射手段20のブロ
ードエリアレーザ21から発せられた励起光は、トーリ
ックレンズ等からなる集光光学系22を通して、反射ミ
ラー23により反射されて、蛍光体シート1の表面に矢
印X方向に線状に集光される。蛍光体シート1の表面か
ら線状に発生した発光光は、検出手段30の結像レンズ
31を通してラインセンサ32上に結像され、ラインセ
ンサ32により光電変換されて電気的な画像信号として
検出される。ラインセンサ32は、矢印X方向に多数並
んだ光電変換素子を有する。なお、発光光に混入した励
起光は、励起光カットフィルタ33によりカットされ
る。一体化された照射手段20と検出手段30は、上記
励起光の照射および発光光の検出を実行しながら、搬送
手段により矢印Y方向に移動して、蛍光体シート1に記
録されている放射線画像情報が読み取られる。
【0010】上記のラインスキャン読取方式では、結像
レンズ31として屈折率分布型レンズアレイ等が用いら
れるが、このような結像レンズは蛍光体シートの水平度
低下に対する許容範囲が狭く(結像レンズを通してライ
ンセンサ上に結像させる結像関係が成り立つ範囲、すな
わち、焦点深度)、この許容範囲を外れると励起点がず
れたり、集光光量が減少することになる。よって、蛍光
体シートの水平性が低いことは、画質が低下する大きな
原因となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の放射線画像情報
読取装置や、画像情報の記録手段を更に備えた放射線画
像情報記録再生装置において、蓄積性蛍光体シートは水
平状態や垂直状態で読み取られるために、蛍光体シート
の支持手段によっては、蛍光体シート自体の重みによっ
て撓んで水平性が低下することがある。特に、後者の小
型化された装置では、蛍光体シートの一方の側から放射
線を照射して画像情報を記録し、他方の側から読み取る
方式を採用していることが多く、その場合に励起光や発
光光を遮らないようにするために、蛍光体シートの支持
は長手方向に沿って両端のみからなされるので、蛍光体
シートの水平性が損なわれる傾向にある(図4参照)。
【0012】本出願人は、二層の剛性層の間に輝尽性蛍
光体層と該剛性層よりも密度の低い充填材層とが積層さ
れてなる蓄積性蛍光体シートについて、既に特許出願し
ている(特願2001−104144号)。この蓄積性
蛍光体シートによれば、両側の剛性層によって蛍光体シ
ート全体に高い剛性を持たせることができるので蛍光体
シートの自重による撓みを低減することができるもの
の、読み取り側の剛性層が一定以上の剛性と厚みを有す
るため、剛性層による励起光や発光光の吸収が避けられ
ず、画質を低下させる原因となりがちである。
【0013】一方、蓄積性蛍光体シートの支持体は、放
射線照射側となるため、画質の点から、放射線吸収がで
きる限り少ないものであることが望ましい。
【0014】本発明者は、蓄積性蛍光体シートの自重撓
みについて具体的に検討した結果、ラインスキャン読取
方式を採用する実際の装置において、放射線画像の画質
を低下させない蛍光体シートの自重撓み量を新たに見い
出し、本発明に至ったものである。さらに、支持体が、
その放射線吸収率が20%以下であって、かつ蛍光体シ
ートの自重撓みを低減するのに十分な剛性を有するとき
の曲げ弾性率と厚みの条件範囲を新たに見い出した。
【0015】従って、本発明は、撓みの少ない、高画質
の放射線画像を与える蓄積性蛍光体シートを提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、X線吸収率が
20%以下の剛性支持体上に蓄積性蛍光体層が積層され
てなる蓄積性蛍光体シートであって、該蓄積性蛍光体シ
ートが、該蛍光体シートを相対向する二辺で固定支持し
て水平に保持したときの撓み量が1000μm以下であ
ることを特徴とする蓄積性蛍光体シートにある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の蓄積性蛍光体シートにお
いて、蛍光体シートの撓み量は500μm以下であるこ
とが好ましく、200μm以下であることが特に好まし
い。また、剛性支持体のX線吸収率は10%以下である
ことが好ましい。
【0018】支持体は炭素繊維強化プラスチックシート
からなることが好ましい。そしてその場合に、支持体の
曲げ弾性率は、1.3GPa〜800GPa(約1.3
×102乃至8×104kgf/mm2)の範囲にあり、かつそ
の厚みは1乃至3.5mmの範囲にあることが好まし
い。特に好ましくは、支持体の曲げ弾性率が50GPa
〜400GPa(約5000乃至40000kgf/mm2
の範囲にあって、かつその厚みが1.5乃至2.5mm
の範囲にある。
【0019】蛍光体層の支持体とは反対側の表面には保
護層が設けられていることが好ましく、そして蛍光体層
は蓄積性蛍光体からなる層であることが好ましい。
【0020】以下に、本発明の蓄積性蛍光体シートの構
成を添付図面を参照しながら説明する。図3は、本発明
の蓄積性蛍光体シートの構成の例を示す概略断面図であ
る。図3において、蓄積性蛍光体シート10は、剛性を
有する支持体11、蓄積性蛍光体層12、および保護層
13から構成される。蓄積性蛍光体層12と保護層13
は、支持体11上であってその周囲端部より内側に設け
られている。
【0021】本発明において、蓄積性蛍光体シートは、
図4に示すように、蛍光体シートを相対向する二辺で固
定端支持して水平に保持したときに、その撓み量Xが5
00μm以下となるようにされている。
【0022】図4は、読取装置内における蓄積性蛍光体
シートの相対向する二辺を固定支持する機構を概略的に
示す断面図である。図4において、蓄積性蛍光体シート
10は保護層12側を上にして、支持手段40により、
相対向する二辺の端部が固定されて水平に保持されてい
る。通常は、蛍光体シート10の長辺の端部が固定され
る。蛍光体シート10の蓄積性蛍光体層12は、図3に
示したように支持体11の周囲端部より内側に設けられ
ているので、支持体11のみが支持手段40により挟持
固定された状態にある。そして、蛍光体シート10の上
部には、検出手段30(結像レンズ31、ラインセンサ
32、励起光カットフィルタ33)が配置され、検出手
段30は紙面の上下方向に移動可能とされている。
【0023】本発明において撓み量Xは、撓み量の最大
値を意味し、通常は蛍光体シート10の中央位置におけ
る撓み量である。蛍光体シート10の撓み量Xを500
μm以下に抑えることによって、蛍光体シート10の蓄
積性蛍光体層12の放射線画像が記録されうる全ての領
域から発生する発光光を、結像レンズ31を通してライ
ンセンサ32上にむらなく結像させることができ、蛍光
体シート10に記録された放射線画像情報をむらなく正
確に読み取ることができる。好ましくは、蛍光体シート
の撓み量は200μm以下である。
【0024】なお、蓄積性蛍光体シートの撓み量Xの測
定に際して、蛍光体シートの相対向する二辺での固定支
持は、図4に示すように必ずしも長辺の端部全体で支持
する必要はなく、例えば少なくとも三点、一方の端部に
おいて一点と相対する他方の端部において間隔をあけた
二点とからなる固定点支持であってもよい。
【0025】本発明において、支持体11は、剛性を有
し、かつX線などの放射線に対する吸収率が20%以下
でなければならない。好ましくは、放射線吸収率は10
%以下である。このような支持体として特に好ましいの
は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)シートであ
る。
【0026】図5は、CFRPシートの撓み量を200
μm以下とするために、スパン長を様々な長さに変えた
ときのCFRPシートの厚みと曲げ弾性率との関係を示
すグラフである。図5から、蓄積性蛍光体シート全体の
撓み量Xを上記範囲内とするためには、スパン長に対し
てCFRP支持体が次のような条件を満たすのが望まし
いことが分かる。
【0027】 ───────────────────────────────── スパン長(mm) 厚み(mm) 曲げ弾性率(GPa) ───────────────────────────────── 200〜300 1〜3.5 1.3〜140 300〜400 1〜3.5 5〜400 400〜500 1〜3.5 10〜800 ─────────────────────────────────
【0028】好ましくは、以下の通りである。 ───────────────────────────────── スパン長(mm) 厚み(mm) 曲げ弾性率(GPa) ───────────────────────────────── 200〜300 1〜2.5 3〜100 300〜400 1〜2.5 10〜300 400〜500 1〜2.5 30〜400 ─────────────────────────────────
【0029】特に好ましくは、CFRP支持体の厚みは
1.5〜2.5mmの範囲にあり、曲げ弾性率は50〜
400GPa(約5000〜40000kgf/mm2)の範
囲にある。この範囲内であれば、スパン長がいずれであ
っても、CFRP支持体は放射線吸収率が10%以下で
あり、かつこれに蛍光体層などを付設したとしても、得
られた蛍光体シート全体の自重撓み量を200μm以下
に抑えることができる。
【0030】なお、本発明において蓄積性蛍光体シート
は、図3に示した構成に限定されるものではなく、例え
ば蛍光体層12が支持体11の表面全体に設けられてい
てもよいし、あるいはまた後述するように公知の各種の
補助層が更に付設された構成としてもよい。
【0031】次に、本発明の蓄積性蛍光体シートを製造
する方法について、蛍光体が蓄積性蛍光体である場合を
例にとって詳細に述べる。
【0032】剛性を有する支持体としては、上記の炭素
繊維強化プラスチック(CFRP)シートの他に、ガラ
ス繊維強化プラスチック(GFRP)などからなるプラ
スチックシート;ガラスシート;放射線吸収の比較的少
ないアルミニウム、マグネシウム合金、ベリリウムなど
からなる金属シート;および多孔質セラミックなどから
なるセラミックシートを挙げることができる。また、支
持体は二種類以上のシートを積層した構成であってもよ
い。その場合に、組み合わされるシートとしては、上記
シートの他に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂など
の各種樹脂材料からなるシートを挙げることができる。
これら樹脂材料には、アルミナ、二酸化チタン、硫酸バ
リウムなどの光反射性物質を充填してもよく、あるいは
空隙を設けてもよい。または、カーボンブラックなどの
光吸収性物質を充填してもよい。剛性を有するシートが
外側(蛍光体層とは反対側)となるようにする。
【0033】支持体上には、所望により蛍光体シートと
しての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させ
るために、アルミナ、二酸化チタン、硫酸バリウムなど
の光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブ
ラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などが設け
られてもよい。あるいはまた、支持体と蛍光体層との接
着性を高めるための下塗層など各種の補助層が設けられ
てもよい。
【0034】支持体(または補助層)の上には蛍光体層
が設けられる。蓄積性蛍光体としては、波長が400〜
900nmの範囲の励起光の照射により、300〜50
0nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ま
しい。そのような輝尽性蛍光体の例は、特公平7−84
588号、特開平2−193100号および特開平4−
310900号の各公報に詳しく記載されている。
【0035】これらのうちでも、基本組成式(I): MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I) で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体
は特に好ましい。ただし、MIはLi、Na、K、Rb
及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
カリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、B
a、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表
し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選
ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表
し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、N
a、Mg、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選
ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。
X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表
す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦
b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
【0036】上記基本組成式(I)中のMIとしては少
なくともCsを含んでいることが好ましい。Xとしては
少なくともBrを含んでいることが好ましい。Aとして
は特にEu又はBiであることが好ましい。また、基本
組成式(I)には、必要に応じて、酸化アルミニウム、
二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を添加
物として、MI1モルに対して、0.5モル以下の量で
加えてもよい。
【0037】また、基本組成式(II): MIIFX:zLn ‥‥(II) で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン
化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはBa、
Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、E
u、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbから
なる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表
す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2
の範囲内の数値を表す。
【0038】上記基本組成式(II)中のMIIとしては、
Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとして
は、特にEu又はCeであることが好ましい。また、基
本組成式(II)では表記上F:X=1:1のように見え
るが、これはBaFX型の結晶構造を持つことを示すも
のであり、最終的な組成物の化学量論的組成を示すもの
ではない。一般に、BaFX結晶ではX-イオンの空格
子点であるF+(X-)中心が多く生成された状態が、6
00〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好
ましい。このとき、FはXよりもやや過剰にあることが
多い。
【0039】なお、基本組成式(II)では省略されてい
るが、必要に応じて下記のような添加物を一種もしくは
二種以上を基本組成式(II)に加えてもよい。 bA, wNI, xNII, yNIII ただし、AはAl23、SiO2及びZrO2などの金属
酸化物を表す。MIIFX粒子同士の焼結を防止する上で
は、一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子で
IIFXとの反応性が低いものを用いることが好まし
い。NIは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属の化合物を
表し、NIIは、Mg及び/又はBeからなるアルカリ土
類金属の化合物を表し、NIIIは、Al、Ga、In、
Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選
ばれる少なくとも一種の三価金属の化合物を表す。これ
らの金属化合物としては、特開昭59−75200号公
報に記載のようなハロゲン化物を用いることが好ましい
が、それらに限定されるものではない。
【0040】また、b、w、x及びyはそれぞれ、MII
FXのモル数を1としたときの仕込み添加量であり、0
≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦
0.3の各範囲内の数値を表す。これらの数値は、焼成
やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては
最終的な組成物に含まれる元素比を表しているわけでは
ない。また、上記化合物には最終的な組成物において添
加されたままの化合物として残留するものもあれば、M
IIFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものも
ある。
【0041】その他、上記基本組成式(II)には更に必
要に応じて、特開昭55−12145号公報に記載のZ
n及びCd化合物;特開昭55−160078号公報に
記載の金属酸化物であるTiO2、BeO、MgO、C
aO、SrO、BaO、ZnO、Y23、La23、I
23、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25、Th
2;特開昭56−116777号公報に記載のZr及
びSc化合物;特開昭57−23673号公報に記載の
B化合物;特開昭57−23675号公報に記載のAs
及びSi化合物;特開昭59−27980号公報に記載
のテトラフルオロホウ酸化合物;特開昭59−4728
9号公報に記載のヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオ
ロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価
もしくは2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物;特開
昭59−56480号公報に記載のV、Cr、Mn、F
e、Co及びNiなどの遷移金属の化合物などを添加し
てもよい。さらに、本発明においては上述した添加物を
含む蛍光体に限らず、基本的に希土類付活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成
を有するものであれば如何なるものであってもよい。
【0042】ただし、本発明において蛍光体は蓄積性蛍
光体に限定されるものではなく、X線などの放射線を吸
収して紫外乃至可視領域に(瞬時)発光を示す蛍光体で
あってもよい。そのような蛍光体の例としては、LnT
aO4:(Nb,Gd)系、Ln2SiO5:Ce系、L
nOX:Tm系(Lnは希土類元素である)、CsX系
(Xはハロゲンである)、Gd22S:Tb、Gd22
S:Pr,Ce、ZnWO4、LuAlO3:Ce、Gd
3Ga512:Cr,Ce、HfO2等を挙げることがで
きる。
【0043】本発明において蛍光体層は、例えば気相堆
積法の一種である電子線蒸着法により、下記の方法で支
持体上に形成することができる。気相堆積法によれば、
結合剤を含有しないで蛍光体の柱状結晶からなる蛍光体
層が得られる。このため、励起光の進入効率や発光光の
取出し効率を上げることができるので高感度であり、ま
た励起光の平面方向への散乱を防ぐことができるので高
鮮鋭度の画像を得ることが可能となる。また、電子線蒸
着法では、形状が良好で配列の整った柱状結晶が得られ
る。
【0044】まず、蒸発源である蓄積性蛍光体、および
被蒸着物である支持体を蒸着装置内に設置し、装置内を
排気して1×10-5〜1×10-2Pa程度の真空度とす
る。このとき、真空度をこの程度に保持しながら、Ar
ガス、Neガスなどの不活性ガスを導入してもよい。
【0045】蓄積性蛍光体は、加圧圧縮によりタブレッ
ト(錠剤)の形状に加工しておくことが好ましい。加圧
圧縮は、一般に800〜1000kg/mm2の範囲の圧
力を掛けて行う。圧縮の際に、50〜200℃の範囲の
温度に加温してもよく、また圧縮後、得られたタブレッ
トを減圧下で加熱することなどにより脱水、脱ガス処理
を施してもよい。タブレットの相対密度は80%以上9
8%以下であることが好ましく、含水量は0.5重量%
以下であることが好ましい。さらに、蛍光体の代わりに
その原料もしくは原料混合物を用いることも可能であ
る。
【0046】電子銃から電子線を発生させて、蒸発源に
照射する。このとき、装置内の雰囲気中の水分圧を7.
0×10-3Pa以下にすることが望ましい。また、電子
線の加速電圧を1.5kV以上で、5.0kV以下に設
定することが望ましい。電子線の照射により、蒸発源で
ある蓄積性蛍光体は加熱されて蒸発、飛散し、保護層材
料の表面に堆積する。蒸着速度は一般には0.1〜10
00μm/分の範囲にあり、好ましくは1〜100μm
/分の範囲にある。なお、電子線の照射を複数回に分け
て行って二層以上の蛍光体層を形成してもよいし、ある
いは複数の電子銃を用いて異なる蛍光体を共蒸着させて
もよい。また、蛍光体の原料を用いて剛性体上で蛍光体
を合成すると同時に蛍光体層を形成することも可能であ
る。さらに、蒸着の際に必要に応じて被蒸着物(剛性
体)を冷却または加熱してもよいし、あるいは蒸着終了
後に蛍光体層を加熱処理(アニール処理)してもよい。
【0047】このようにして、支持体上に蓄積性蛍光体
からなる柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した層が得られ
る。蛍光体層の層厚は、通常は50〜1000μmの範
囲にあり、好ましくは200μm〜700mmの範囲に
ある。この蛍光体層は、結合剤を含有せず、蛍光体のみ
からなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙
(クラック)が存在する。
【0048】なお、気相堆積法は上記の電子線蒸着法に
限定されるものではなく、抵抗加熱法等の他の蒸着法あ
るいはスパッタ法、化学蒸着(CVD)法など公知の各
種の方法を利用することができる。
【0049】あるいは、蓄積性蛍光体層は、蓄積性蛍光
体の粒子および結合剤を適当な有機溶剤に分散溶解した
塗布液を調製し、この塗布液を塗布機を用いて支持体上
に塗布し、乾燥して形成することにより、蛍光体粒子と
それを分散支持する結合剤とからなる蛍光体層としても
よい。塗布液中における結合剤と蛍光体との比率は通
常、1:1乃至1:100(重量比)の範囲にあり、好
ましくは1:8乃至1:40(重量比)の範囲にある。
結合剤は公知の各種の結合剤樹脂から適宜選択して用い
ることができる。
【0050】この蛍光体層の表面には、蓄積性蛍光体シ
ートの取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護
層を設けることが望ましい。保護層は、励起光の入射や
発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明である
ことが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や
化学的影響から蓄積性蛍光体シートを充分に保護するこ
とができるように、化学的に安定で防湿性が高く、かつ
高い物理的強度を持つことが望ましい。
【0051】保護層としては、セルロース誘導体、ポリ
メチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂な
どのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解し
て調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成さ
れたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの
有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護層形成
用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤
を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などに
よって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。ま
た、保護層中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化
チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフルオロオ
レフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、お
よびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が
分散含有されていてもよい。保護層の層厚は一般に、高
分子物質からなる場合には約0.1〜20μmの範囲に
あり、ガラス等の無機化合物からなる場合には100〜
1000μmの範囲にある。
【0052】保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染
性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フ
ッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(また
は分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面
に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹
脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。ま
た、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパー
フルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することも
できる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて
更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィ
ラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚
は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素
樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防
止剤などのような添加成分を用いることができる。特に
架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有
利である。
【0053】なお、蓄積性蛍光体層は、必ずしも支持体
上に直接形成する必要はなく、別に用意した基板(仮支
持体)上に蛍光体層を形成した後、蛍光体層を基板から
引き剥がし、支持体上に接着剤を用いて接着してもよ
い。
【0054】蓄積性蛍光体シートに保護層が設けられる
場合には、蓄積性蛍光体層を保護層上に形成することも
できる。その場合に、蛍光体層と支持体との間には蛍光
体シートの平行平面性を高めるために、充填材層が設け
られてもよい。充填材層は、支持体よりも密度が低くて
軽く、かつ放射線吸収が少ないことが望ましい。そのよ
うな充填材層に使用される充填材の例としては、不織
布、合成繊維や天然繊維、またはこれらの織物、そして
ガラス繊維;発泡ウレタン、発泡ポリエチレンテレフタ
レート、多孔質セラミック、ミクロフィルタなどの微細
な孔(空隙)を有するもの;一般的な樹脂、特に密度が
1.7以下の樹脂、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂;および中空粒子(中空ポリマーなど)を
結合剤に混合したものを挙げることができる。
【0055】充填材が接着性を有する場合には、蛍光体
上に塗布などにより充填材層を形成し、次いで支持体を
この充填材により接合する。充填材が接着性を有しない
場合には、蛍光体層上に充填材を接着剤により接着し、
次いでこの充填材層上に支持体を接着剤により接着す
る。充填材層の層厚は、一般には100乃至10000
μmの範囲にあり、好ましくは1000乃至5000μ
mの範囲にある。
【0056】上述のようにして本発明の蓄積性蛍光体シ
ートが得られるが、本発明の蛍光体シートの構成は、公
知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。
たとえば、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目
的として、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を
吸収し輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着
色してもよい。
【0057】
【実施例】[実施例1] 1)ポリエチレンテレフタレートシート(第二支持体、
厚み:188μm)の表面に、アクリル系樹脂を主成分
とする接着剤を塗布して、下塗層の塗膜を形成した。 2)別に、アルミナ微粒子とアクリル系樹脂を重量比1
0:1で有機溶剤中に分散させて、光反射性物質分散液
を調製した。この分散液を、塗膜の上に塗布機により塗
布し、乾燥して、下塗層(層厚:約20μm)および光
反射層(層厚:約100μm)を形成した。 3)輝尽性蛍光体粒子(BaF(Br,I):Eu)と
ウレタン系樹脂とを重量比20:1で有機溶剤中に分散
させて、蛍光体分散液を得た後、この蛍光体分散液を光
反射層の表面に塗布機により塗布し、乾燥して、蛍光体
層(層厚:約250μm)を形成した。 4)ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:10
μm)を、接着剤を用いて蛍光体層の表面に接着して保
護層を設けた。このようにして、順に支持体、下塗層、
光反射層および蛍光体層からなる蛍光体シート(サイ
ズ:410mm×430mm)を作製した。 5)この蛍光体シートを、その支持体側を下に向けて、
CFRPシート(第一支持体、サイズ:430mm×4
50mm、厚み:2mm、曲げ弾性率:200GPa)
の表面に接着剤を用いて接着して、図6に示すような蓄
積性蛍光体シートを得た。
【0058】図6は、本発明の蓄積性蛍光体シートの構
成の別の一例を示す概略断面図である。図6において、
蓄積性蛍光体シートは、順に第一支持体11、第二支持
体11a、下塗層14、光反射層15、蓄積性蛍光体層
12、および保護層13からなる。
【0059】得られた蓄積性蛍光体シートの第一支持体
の長辺を、図4に示したように固定支持して水平に保持
した状態で、中心位置の撓み量を測定したところ、撓み
量Xは65μmであった。
【0060】また、支持体全体(第一支持体及び第二支
持体)のX線吸収率は約5%であった。なお、X線吸収
率は次のようにして測定した。 (1)第一支持体と第二支持体とが積層されたシート片
で、蓄積性蛍光体シートの一部領域を覆った状態で、X
線照射する。 (2)X線照射後、上記シート辺を除去し、蓄積性蛍光
体シートを蓄積性蛍光体シート読取機(富士写真フィル
ム(株)製、商品名:BAS2000)で読み取って、
下記の式を利用して、X線吸収率を算出した。
【0061】
【数1】 X線吸収率 = 1 − (PSL1/PSL0) [但し、PSL1はシート片で覆った部分の測定値であ
り、PSL0はシート片で覆わなかった部分の測定値で
ある。]
【0062】この蛍光体シートの支持体側から被検体を
通してX線を照射し、保護層側から図1に示したような
装置を用いて読み取りを行ったところ、画質の良好な画
像が得られた。保護層付設による画質の低下は観察され
なかった。
【0063】[実施例2] 1)無アルカリガラスシート(保護層、サイズ:430
mm×450mm、厚み:0.7mm)の表面に、輝尽
性蛍光体(CsBr:Eu)を電子線蒸着により蒸着さ
せて、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した
構造の蓄積性蛍光体層(サイズ:410mm×430m
m、層厚:約500μm)を形成した。 2)別に、実施例1の光反射性物質分散液を仮支持体上
に塗布、乾燥して、光反射層(層厚:約100μm)を
形成した。 3)この光反射層を仮支持体より引き剥がし、蛍光体層
の表面にアクリル系樹脂を主成分とする接着剤を用いて
接着して、接着層(層厚:約2μm)および光反射層
(層厚:約100μm)を形成した。 4)光反射層の表面および保護層の露出している表面
(周辺部分)にエポキシ樹脂を塗布した後、このエポキ
シ樹脂によりCFRPシート(支持体、サイズ:430
mm×450mm、厚み:2mm、曲げ弾性率:200
GPa)を接着して、充填材層(層厚:約500μm)
および支持体を設けた。このようにして、図7に示すよ
うな蓄積性蛍光体シートを得た。
【0064】図7は、本発明の蓄積性蛍光体シートの構
成の別の一例を示す概略断面図である。図7において、
蓄積性蛍光体シートは、順に支持体11、充填材層1
6、光反射層15、接着層17、蓄積性蛍光体層12、
および保護層13からなる。
【0065】得られた蓄積性蛍光体シートの長辺を、図
4に示したように固定支持して水平に保持した状態で、
中心位置の撓み量を測定したところ、撓み量Xは72μ
mであった。また、支持体のX線吸収率は約5.5%で
あった。この蛍光体シートの支持体側から被検体を通し
てX線を照射し、保護層側から図1に示したような装置
を用いて読み取りを行ったところ、画質の良好な画像が
得られた。
【0066】[実施例3] 1)無アルカリガラスシート(第二支持体、サイズ:4
30mm×450mm、厚み:0.5mm)の表面に、
輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)を電子線蒸着によって
蒸着させて、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林
立した構造の蓄積性蛍光体層(サイズ:410mm×4
30mm、層厚:約500μm)を形成した。 2)この蛍光体層を有するガラスシートを支持体側を下
に向けて、CFRPシート(第一支持体、サイズ:43
0mm×450mm、厚み:2mm、曲げ弾性率:20
0GPa)の表面に接着剤を用いて接着した。 3)封止性能を持たせるために、防湿フィルム(厚み:
60μm、GL-AU、凸版印刷(株)製)を接着剤を用い、
蛍光体層表面および第二支持体表面に順次接着して、保
護層を設けた。このようにして、図8に示すような蓄積
性蛍光体シートを得た。
【0067】図8は、本発明の蓄積性蛍光体シートの構
成の別の一例を示す概略断面図である。図8において、
蓄積性蛍光体シートは、順に第一支持体11、第二支持
体11a、蓄積性蛍光体層12、および保護層13aか
らなる。
【0068】得られた蓄積性蛍光体シートの支持体の長
辺を、図4に示したように固定支持して水平に保持した
状態で、中心位置の撓み量を測定したところ、撓み量X
は68μmであった。また、支持体全体(第一支持体及
び第二支持体)のX線吸収率は約10%であった。この
蓄積性蛍光体シートの支持体側から被検体を通してX線
を照射し、保護層側から図1に示したような装置を用い
て読み取りを行ったところ、画質の良好な画像が得られ
た。
【0069】
【発明の効果】本発明の蓄積性蛍光体シートでは、支持
体に剛性を持たせて蛍光体シート全体の自重撓み量を一
定値以下とすることにより、蛍光体シートの水平性を顕
著に高めて、蛍光体シートに記録された放射線画像情報
をむらなく正確に読み取ることが可能となり、よって画
質の良好な放射線画像を再生することが可能になる。ま
た、蓄積性蛍光体シート全体の剛性が支持体によって維
持されているので、蛍光体層の表面側に剛性体を設ける
必要がなく、また蛍光体層表面の保護層をその材質によ
らず薄くすることができるので、読み取りの際に励起効
率や発光効率の低下を回避することができる。これによ
っても、高画質の放射線画像を得ることができる。
【0070】従って、本発明の蓄積性蛍光体シートは、
ラインスキャン方式の読取装置に適している。特に、蛍
光体シートの一方の側から放射線を照射して、他方の側
から読み取りを行う方式を採用する小型化された蓄積性
蛍光体シート内蔵型の放射線画像情報記録再生装置に有
利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射線画像情報読取装置の構成の例を示す概略
斜視図である。
【図2】図1の装置の構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明の蓄積性蛍光体シートの構成の例を示す
概略断面図である。
【図4】蓄積性蛍光体シートの相対向する二辺を固定す
る機構の例を示す概略断面図である。
【図5】CFRPシートの厚みと曲げ弾性率との関係を
示すグラフである。
【図6】本発明の蓄積性蛍光体シートの構成の別の例を
示す概略断面図である。
【図7】本発明の蓄積性蛍光体シートの構成の別の例を
示す概略断面図である。
【図8】本発明の蓄積性蛍光体シートの構成の別の例を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、10 蓄積性蛍光体シート 11 剛性支持体 12 蓄積性蛍光体層 13、13a 保護層 14 下塗層 15 光反射層 16 充填材層 17 接着層 20 照射手段 30 検出手段 31 結像レンズ 32 ラインセンサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線吸収率が20%以下の剛性支持体上
    に蓄積性蛍光体層が積層されてなる蓄積性蛍光体シート
    であって、該蓄積性蛍光体シートが、該蛍光体シートを
    相対向する二辺で固定支持して水平に保持したときの撓
    み量が1000μm以下であることを特徴とする蓄積性
    蛍光体シート。
  2. 【請求項2】 蓄積性蛍光体シートの該撓み量が200
    μm以下である請求項1に記載の蓄積性蛍光体シート。
  3. 【請求項3】 支持体のX線吸収率が10%以下である
    請求項1または2に記載の蓄積性蛍光体シート。
  4. 【請求項4】 支持体が炭素繊維強化プラスチックシー
    トからなる請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載
    の蓄積性蛍光体シート。
  5. 【請求項5】 支持体の曲げ弾性率が1.3GPa〜8
    00GPaの範囲にあり、かつその厚みが1乃至3.5
    mmの範囲にある請求項4に記載の蓄積性蛍光体シー
    ト。
  6. 【請求項6】 支持体の曲げ弾性率が50GPa〜40
    0GPaの範囲にあって、かつその厚みが1.5乃至
    2.5mmの範囲にある請求項5に記載の蓄積性蛍光体
    シート。
  7. 【請求項7】 蛍光体層の支持体とは反対側の表面に保
    護層が設けられている請求項1乃至6のうちのいずれか
    の項に記載の蓄積性蛍光体シート。
  8. 【請求項8】 蛍光体層が輝尽性蛍光体からなる層であ
    る請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載の蓄積性
    蛍光体シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005265596A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 放射線画像変換パネル
JP2006084332A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 放射線画像変換パネル、放射線画像変換パネルの製造方法及び放射線画像変換パネルの撮影方法
JP2009287929A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Toshiba Corp シンチレータパネルおよび放射線検出器

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