JP2002327248A - 電子部品用低熱膨張性合金薄板および電子部品 - Google Patents

電子部品用低熱膨張性合金薄板および電子部品

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JP2002327248A JP2001135884A JP2001135884A JP2002327248A JP 2002327248 A JP2002327248 A JP 2002327248A JP 2001135884 A JP2001135884 A JP 2001135884A JP 2001135884 A JP2001135884 A JP 2001135884A JP 2002327248 A JP2002327248 A JP 2002327248A
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Atsushi Chino
淳 千野
Kaoru Sato
馨 佐藤
Junichi Kitabuki
順一 北吹
Tamako Ariga
珠子 有賀
Kyoji Watanabe
恭二 渡辺
Tomohiko Uchino
知彦 内野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたエッチング性を有する低熱膨張性合金
薄板を提供すること、および、形状不良の少ない電子部
品を提供すること。 【解決手段】 電子部品用低熱膨張性合金薄板は、N
i:30〜52mass%を含有するFe−Ni系合
金、または、Ni:26〜38mass%、Co:1〜
20mass%を含有するFe−Ni−Co系合金から
なり、合金中に含まれる硫化物系介在物の総量が0.0
010mass%≦硫化物系介在物総量≦0.0100
mass%である。また、電子部品は、前記電子部品用
低熱膨張性合金薄板をエッチングすることにより得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品用の低熱
膨張性合金薄板および電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】Fe−Ni系合金やFe−Ni−Co系
合金は、インバー特性を有する代表的なインバー合金で
ある。このようなインバー合金は、室温付近でほとんど
熱膨張が生じない。そのため、熱膨張を嫌う精密計測機
器、制御機器等の分野に広く応用されている。
【0003】例えば、低熱膨張性を有する合金を用いて
作製されるカラー受像管用シャドウマスクやICリード
フレーム等の電子部品は、非常に微細な加工を施され、
黒化処理され、製品化される。この微細加工は、上記合
金の薄板に通常フォトレジストを塗布し、感光及び現像
を施してレジストパターンをマスクとして選択的にエッ
チング加工することによって行われる。
【0004】上記電子部品に施されるエッチング技術に
は、エッチング速度が速いこと、寸法精度の高い形状を
得ることができること等が要求される。このように、シ
ャドウマスクやリードフレームのような電子部品には高
度なエッチング技術が必要とされる。
【0005】寸法精度の高いエッチング形状を得るため
には、レジストの密着性を確保するための油汚染等のな
い清浄な薄膜表面、マクロなエッチング不均一をもたら
す大型介在物の少ない表面制御等が要求される。また、
特に均一な孔径を有するマスクの製造上、エッチング条
件の依存性の少ないエッチング速度を有する合金の製造
が求められている。
【0006】このような要請に応えるために電子部品用
合金に関する種々の技術が提案されている。例えば、特
許第2523603号公報では介在物総量に関連した清
浄度を一定値以下とすることによりエッチング時の欠陥
発生が低減されることが開示されている。また、特開平
7−207415号公報では、MnおよびSの量ならび
に酸化物系介在物の断面清浄度を規定することで、エッ
チングファクターを高めることが可能であることが開示
されている。さらに、特開平8−74002号公報で
は、MnとSの形態制御で、すじむらを抑制したシャド
ウマスク用材料が得られることが開示されている。しか
し、このような介在物総量の制御、酸化物系介在物の制
御、MnとSの形態制御のみでは高品位のシャドウマス
クを穿孔するにあたっては不十分である。また、すじむ
らの抑制のみならず、個々のエッチング孔の欠陥を抑制
し、孔形状、孔径分布の均一化を図らなければ高品位の
シャドウマスクは得られない。実際、これら従来技術の
ように酸化物やMn,Sの形態制御による方法でエッチ
ング特性の制御を試みても、エッチング不良が生じる場
合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであって、優れたエッチング性
を有する低熱膨張性合金薄板を提供すること、および、
エッチングによる形状不良の少ない電子部品を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、合金中の硫
化物総量を制御することによって、合金のエッチング性
を向上させることができることを見出した。
【0009】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
であって、以下の(1)〜(5)を提供する。 (1) Ni:30〜52mass%を含有するFe−
Ni系合金からなり、合金中に含まれる硫化物系介在物
の総量が0.0010mass%≦硫化物系介在物総量
≦0.0100mass%であることを特徴とする電子
部品用低熱膨張性合金薄板。
【0010】(2) Ni:26〜38mass%、C
o:1〜20mass%を含有するFe−Ni−Co系
合金からなり、合金中に含まれる硫化物系介在物の総量
が0.0010mass%≦硫化物系介在物総量≦0.
0100mass%であることを特徴とする電子部品用
低熱膨張性合金薄板。
【0011】(3) 上記(1)または(2)の電子部
品用低熱膨張性合金薄板において、Cu:0.01〜
0.2mass%をさらに含有することを特徴とする。
【0012】(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの
電子部品用低熱膨張性合金薄板において、前記硫化物系
介在物中に占める硫化銅の割合が6割以上であることを
特徴とする。
【0013】(5) 上記(1)〜(4)のいずれかの
電子部品用低熱膨張性合金薄板をエッチングすることに
より製造されることを特徴とする電子部品。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の合金薄板は、Ni:30〜52mas
s%を含有するFe−Ni系合金、または、Ni:26
〜38mass%、Co:1〜20mass%を含有す
るFe−Ni−Co系合金からなり、合金中に含まれる
硫化物系介在物の総量が0.0010mass%≦硫化
物系介在物総量≦0.0100mass%である。
【0015】まず、本発明に係る合金薄板の硫化物系介
在物総量について説明する。本発明者らはFe−Ni系
合金薄板やFe−Co−Ni系合金薄板から作成された
シャドウマスクについて、孔形状が不均一な部位と正常
な部位との違いを、元素分析機能を備えた走査型電子顕
微鏡で詳細に調査した。その結果、正常な部位近傍には
硫化銅を主体とする硫化物が均一に微細分散しているの
に対し、孔形状が不均一な部位近傍には硫化物が極まれ
にしか存在していないことが確認された。このような硫
化物の存在量の違いは、合金中のS量およびSを固定す
る元素、例えばMn量やCu量の違い、精錬条件の違い
等が原因で起こっているものと考えられる。
【0016】そこで、合金中の硫化物量とエッチング時
に発生する孔形不均一発生率との関連に着目して以下の
ような調査を行った。すなわち、種々の条件で製造した
Fe−Ni系合金薄板に、孔径90μm、孔ピッチ25
0μmのフォトマスクを使用して、周知のフォトエッチ
ング試験において材料感受性の強い条件(例えば、塩化
第二鉄溶液46ボーメ、溶液温度47℃、スプレー圧3
kg/cm)でエッチングを施し、孔の深さが20μ
mにおける孔形状を観察して評価した。この評価では、
図1(a)に示した孔形状の場合をエッチング良好、図
1(b)に示した孔形状の場合をエッチング不良と判断
し、エッチング孔形状不良率を求めた。この評価でエッ
チング孔形状不良率5%未満であれば実際のフォトエッ
チングラインにおいて全く問題のない水準である。
【0017】次に、フォトエッチングに供したFe−N
i系合金薄板から試料重量が約3g程度の板を数枚サン
プリングし、非水溶媒系電位電解抽出法で試料中の全介
在物を定量した。また、ハロゲン−メタノール溶解抽出
法で酸化物系介在物を定量した。そして、全介在物定量
結果と酸化物系介在物定量結果との差から硫化物系介在
物を定量した。
【0018】これらの定量法の詳細は、例えば、「最新
の鉄鋼状態分析(鎌田仁編、アグネ)」に詳しく記載さ
れており、非水溶媒系電位電解抽出法はほぼ全ての介在
物を抽出することができるのに対し、ハロゲン−メタノ
ール溶解抽出法は酸化物、窒化物は抽出できるが、硫化
物は溶解してしまい抽出できないことが良く知られてい
る。
【0019】したがって、この2種類の抽出法で得られ
た定量結果の差をとることで硫化物を定量することがで
きる。図2に、上記方法で測定された各供試材の硫化物
系介在物とエッチング孔形状不良率との関係を示す。ま
た、表1に一部の供試材の硫化物系介在物総量とエッチ
ング孔形状不良率とを示す。
【0020】
【表1】
【0021】図2より、合金薄板中の硫化物系介在物と
エッチング孔形状不良率との間に極めて強い相関がある
ことが確認できる。具体的には、合金薄板中の硫化物系
介在物総量が0.0010mass%から0.0100
mass%の間ではエッチング孔形状不良率が5%未満
に抑えられるが、0.0010maa%未満および0.
0100mass%超では5%以上になっている。これ
は、硫化物系介在物総量を0.0010mass%未満
にするとエッチングの起点が不足し、エッチングが不均
一に進行してしまうためである。一方、硫化物系介在物
総量が0.0100mass%を超えるとエッチングの
進行が速く制御性が確保できなくなるとともに、酸化物
系介在物および硫化物系介在物が複合析出しやすくな
り、孔形異常を引き起こしやすくなるためである。
【0022】また、表1より、同一の硫化物系介在物総
量でもその中に占める硫化銅の割合が高い場合の方が、
エッチング孔形状不良率が小さいことが確認できる。
【0023】以上の結果に基づき、本発明ではエッチン
グ孔形状不良率を実際のフォトエッチングラインにおい
て全く問題のない水準に抑える観点から、合金中に含ま
れる硫化物系介在物総量を0.0010mass%から
0.0100mass%の間に制御することとした。ま
た、好ましくは、硫化物系介在物の中に占める硫化銅の
割合を60%超とする。これにより、エッチング孔形状
不良率をより低く抑えることができる。
【0024】次に、本発明に係る合金薄板の成分組成に
ついて説明する。IC用リードフレームやカラー受像管
用シャドウマスクのような電子部品には、熱膨張による
性能劣化を防ぐために、低熱膨張性を有する材料が用い
られる。このような低熱膨張性の要求を満たすために、
本発明では、Ni:30〜52mass%を含有するF
e−Ni系合金、または、Ni:26〜38mass
%、Co:1〜20mass%を含有するFe−Ni−
Co系合金を用いる。これらの合金は、室温ないし10
0℃の温度範囲における平均熱膨張係数が2.0×10
−6以下となるような優れた低熱膨張性を有するので、
電子部品に要求される低熱膨張性能を十分満足すること
ができる。
【0025】また、上記Fe−Ni系合金またはFe−
Ni−Co系合金の成分組成に加えて、硫化物の形態を
微細に制御する機能を有するCuを0.01mass%
以上添加することが好ましい。しかし、過剰に添加する
と製造性を劣化させることからCuは0.2mass%
以下であることが好ましい。
【0026】本発明の合金は、上記元素以外にSi,M
n,B,N,Oを含有してもよいが、これらの元素はS
i≦0.07mass%、Mn≦0.5mass%、B
≦0.02mass%、N≦0.005mass%、O
≦0.003mass%とすることが好ましい。以下、
このような範囲とした理由について説明する。
【0027】Siは、溶鋼に添加することができ、脱酸
元素として有効である。しかし、過剰に含有すると電子
部品等として製品化する際の黒化処理において、表層に
濃縮するため、黒色酸化膜を均質に形成することを阻害
するおそれがある。このため、鋼塊中のSi含有量は
0.07mass%以下であることが好ましい。
【0028】Mnは、熱間脆性を防ぐ機能を有するの
で、Mnの添加によって良好な熱間加工性を確保するこ
とができる。しかし、過剰に添加すると黒化処理におい
て表層に濃縮するため、黒色酸化膜を均質に形成するこ
とを阻害するおそれがある。このため、鋼塊中のMn含
有量は0.5mass%以下であることが好ましい。
【0029】Bは、熱間加工性を向上する効果がある
が、過剰に含有すると黒化処理において鋼板表層に濃縮
し、黒色酸化膜を均質に形成することを阻害する。この
ため、鋼塊中のB含有量は0.02mass%以下であ
ることが好ましい。
【0030】Nは、時効硬化の要因となり、また、冷間
加工等の加工性を低下させるので、0.005mass
%以下であることが好ましい。
【0031】Oは、冷間加工前の軟質化焼鈍時に再結晶
粒の好適な成長を阻害し、冷間加工性を低下させるた
め、0.003mass%以下であることが好ましい。
【0032】上記本発明の低熱膨張性合金薄板は、例え
ば、以下に示す方法で製造することができる。まず、転
炉精錬および二次精錬等により上記の組成に調整された
鋼を溶製し、連続鋳造または造塊および分塊圧延してス
ラブとするか、または、電気炉で精錬し、さらにVAD
(真空−電弧脱ガス法)およびVOD(真空−酸素脱炭
法)で精錬した鋼を連続鋳造または造塊および分塊圧延
によりスラブとする。
【0033】次いで、このようにして得られたスラブ
は、常法に従って熱間圧延、冷間圧延、焼鈍、アルカリ
電解処理が施され、所定の厚さのFe−Ni系合金また
はFe−Ni−Co系合金薄板とされる。具体的には、
例えば、上記スラブを熱間圧延、冷間圧延、焼鈍、冷間
仕上圧延した後、アルカリ電解処理して薄板とする。
【0034】この際、合金薄板中に含まれる硫化物系介
在物総量および硫化物系介在物中の硫化銅の割合は、例
えば、上記転炉精錬および二次精錬におけるスラグ組
成、精錬温度、脱酸条件等を適宜調整することにより、
あるいは、上記焼鈍における焼鈍温度等を適宜調整する
ことにより制御することができる。
【0035】例えば、精錬時のスラグ組成ではCaOの
割合が一般的には低い方が、また焼鈍温度は低い方が硫
化物系介在物総量を制御する上では好ましい。しかしな
がら、スラグ組成は脱酸条件と密接に結びついており、
また焼鈍温度も機械的特性値と密接に結びついている。
したがって、これら各種要因を加味した上で製造条件を
選択することで、硫化物系介在物総量および硫化物系介
在物中の硫化銅の割合を制御することが可能となる。
【0036】以上のようにして得られた合金薄板を素材
としてフォトエッチング処理を施すことにより、カラー
受像管用シャドウマスクやIC用リードフレーム等の電
子部品を得ることができる。このようにして得られた電
子部品はエッチングによる形状不良が少ないので、その
精度は極めて高い。
【0037】
【実施例】[実施例1]電気炉、VADおよびVODに
よる一連の精錬により、Ni:36mass%、C:
0.003mass%、Si:0.03mass%、M
n:0.3mass%、Cr:0.02mass%、
O:0.001mass%、N:0.005mass
%、Al:0.03mass%、P:0.04mass
%、Cu:0.01〜0.053mass%、残部が実
質的にFeからなるFe−Ni系合金を成分調整して溶
製し、これを鋳造して鋼塊を得た。この鋼塊に対し、熱
間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、冷間仕上圧延、アルカ
リ電解処理の工程を施し、板厚0.13mmのシャドウ
マスク用薄板とした。この際、本実施例においては、前
記製造工程におけるVADおよびVODスラグ組成、C
u添加量および焼鈍温度等を調整することにより、合金
薄板中の硫化物系介在物総量および硫化物系介在物中の
硫化銅の割合を種々変化させた。
【0038】以上のようにして得られた合金薄板から硫
化物系介在物定量用の試験片を採取し、非水溶媒系電位
電解抽出法で試料中の全介在物を定量した後に、ハロゲ
ン−メタノール溶解抽出法で酸化物系および窒化物系の
介在物を定量し、全介在物定量結果と酸化物系および窒
化物系の介在物定量結果との差から硫化物系介在物を定
量した。また、得られた合金薄板に、孔径90μm、孔
ピッチ250μmのフォトマスクを使用して、周知のフ
ォトエッチング試験において材料感受性の強い条件(例
えば、塩化第二鉄溶液46ボーメ、溶液温度47℃、ス
プレー圧3kg/cm)でエッチングを施し、孔の深
さが20μmにおける孔形状を観察し、前記同様、図1
(a)に示す孔形状の場合を良好、図1(b)に示した
孔形状の場合を不良と判断し、それぞれの合金薄板にお
けるエッチング孔形状不良率(%)を算出した。これら
の結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2に示すように、硫化物系介在物総量が
本発明の範囲内である本発明例のNo.1〜8の合金薄
板においては、いずれもエッチング孔形状不良率が5%
以下に抑えられている。特に、硫化物系介在物中の硫化
銅の割合が60%を超えたNo.2,4,6,8の合金
薄板においては、エッチング孔形状不良率が2%以下に
まで低減されている。これに対して、比較例であるN
o.9〜12においては、硫化物系介在物総量が本発明
の範囲外であるため、いずれもエッチング孔形状不良率
が5%を超えていた。
【0041】[実施例2]電気炉、VADおよびVOD
による一連の精錬により、Ni:32.4mass%、
Co:5.8mass%、C:0.003mass%、
Si:0.03mass%、Mn:0.3mass%、
Cr:0.02mass%、O:0.001mass
%、N:0.003mass%、Al:0.03mas
s%、P:0.04mass%、Cu:0.01〜0.
053mass%、残部が実質的にFeからなるFe−
Ni−Co系合金を成分調整して溶製し、これを鋳造し
て鋼塊を得た。この鋼塊に対し、熱間圧延、酸洗、冷間
圧延、焼鈍、冷間仕上圧延、アルカリ電解処理の工程を
施し、板厚0.13mmのシャドウマスク用薄板とし
た。この際、実施例1と同様に、前記製造工程における
VADおよびVODスラグ組成、Cu添加量および焼鈍
温度等を調整することにより、合金薄板中の硫化物系介
在物総量および硫化物系介在物中の硫化銅の割合を種々
変化させた。
【0042】以上のようにして得られたNo.13〜2
1の合金薄板について、実施例1と同様の方法で硫化物
系介在物総量を定量し、エッチング性を評価した結果を
表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3に示すように、硫化物系介在物総量が
本発明の範囲内である本発明例のNo.13〜18の合
金薄板においては、いずれもエッチング孔形状不良率が
5%以下に抑えられている。特に、硫化物系介在物中の
硫化銅の割合が60%を超えたNo.14,16,18
の合金薄板においては、エッチング孔形状不良率が2%
以下にまで低減されている。これに対して、比較例であ
るNo.19〜21においては、硫化物系介在物総量が
本発明の範囲外であるため、いずれもエッチング孔形状
不良率が5%を超えていた。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、所
定組成のFe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金をベー
スに合金中の硫化物系介在物総量を規定したので、エッ
チング性に優れた低熱膨張性合金薄板が得られる。した
がって、本発明の合金薄板を用いることにより、製造時
にエッチングによって生じる形状不良が少ない電子部品
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】エッチング孔形状の模式図
【図2】合金薄板中の硫化物系介在物総量とエッチング
孔形状不良率との関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北吹 順一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 有賀 珠子 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 恭二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 内野 知彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni:30〜52mass%を含有する
    Fe−Ni系合金からなり、合金中に含まれる硫化物系
    介在物の総量が0.0010mass%≦硫化物系介在
    物総量≦0.0100mass%であることを特徴とす
    る電子部品用低熱膨張性合金薄板。
  2. 【請求項2】 Ni:26〜38mass%、Co:1
    〜20mass%を含有するFe−Ni−Co系合金か
    らなり、合金中に含まれる硫化物系介在物の総量が0.
    0010mass%≦硫化物系介在物総量≦0.010
    0mass%であることを特徴とする電子部品用低熱膨
    張性合金薄板。
  3. 【請求項3】 Cu:0.01〜0.2mass%をさ
    らに含有することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の電子部品用低熱膨張性合金薄板。
  4. 【請求項4】 前記硫化物系介在物中に占める硫化銅の
    割合が6割以上であることを特徴とする請求項1から請
    求項3のいずれか1項に記載の電子部品用低熱膨張性合
    金薄板。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1項に
    記載の電子部品用低熱膨張性合金薄板をエッチングする
    ことにより製造されることを特徴とする電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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