JP2002326131A - ピストンリング組付機および組付方法 - Google Patents

ピストンリング組付機および組付方法

Info

Publication number
JP2002326131A
JP2002326131A JP2001131860A JP2001131860A JP2002326131A JP 2002326131 A JP2002326131 A JP 2002326131A JP 2001131860 A JP2001131860 A JP 2001131860A JP 2001131860 A JP2001131860 A JP 2001131860A JP 2002326131 A JP2002326131 A JP 2002326131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston ring
arm
piston
assembling machine
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001131860A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4313960B2 (ja
Inventor
Koji Tomita
幸治 冨田
Yasuhiro Kawai
康裕 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Shinmei Industry Co Ltd
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Shinmei Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Shinmei Industry Co Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001131860A priority Critical patent/JP4313960B2/ja
Publication of JP2002326131A publication Critical patent/JP2002326131A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4313960B2 publication Critical patent/JP4313960B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
  • Automatic Assembly (AREA)
  • Hand Tools For Fitting Together And Separating, Or Other Hand Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンリングの塑性変形を生じることな
く、ピストンへのピストンリングの組付を、簡単、確
実、迅速に行う。 【解決手段】 アーム1の外壁1aを、ピストンリング
14のスライド面として使用し、サブアーム11を下降させ
て、その先端部11cで、ピストンリング14をアーム1の
外壁1aに沿って移動させる。そして、ピストンリング
14の径を拡張させる。さらに、アーム1の先端部へとピ
ストンリング14を案内し、当接部1bを経て、ピストン
2の所望のリング溝2cへと、ピストンリング14を組付
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンリングの
塑性変形を生じることなく、ピストンへのピストンリン
グの組付を、簡単、確実、迅速に行うための、ピストン
リング組付機および組付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の、ピストンリング組付機又は組付
工具の代表例として、いわゆる「テーパーコーンタイ
プ」、「リング拡張タイプ」および「カニバサミ拡張タ
イプ」の3種類が挙げられる。この中で、いわゆるテー
パーコーンタイプは、ピストン頂部にテーパーコーンを
被せ、当該テーパーコーンの壁面にそってピストンリン
グを移動させることによりピストンリング径を拡張し、
ピストンへの組付けを容易にする形式のものである。ま
た、いわゆるリング拡張タイプは、ピストンリングに挿
入可能な直径を有する円筒体を複数に分割し、各分割片
(拡張板)を放射状に離間させることでピストンリング
径を拡張し、当該拡張板をピストン頂部に被せて、ピス
トンリングをピストンへと組付ける形式のものである。
【0003】さらに、いわゆるカニバサミ拡張タイプ
は、ピストンリングに挿入可能な直径を有する薄肉円筒
体を、断面C字状に開放して、その開放端部を直径方向
外側へと平板状に延ばした「カニバサミ」を用いるもの
である。そして、カニバサミの前記平板状の延長部をピ
ストンリングの合口に合わせてピストンリングへと挿入
し、前記延長部を左右に押し広げることにより、ピスト
ンリング径を合口から拡張して後、カニバサミをピスト
ン頂部に被せることで、ピストンリングをピストンへと
組付けるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ピストンリング組付機又は組付工具は、以下のような課
題を包含していた。まず、いわゆるテーパーコーンタイ
プは、テーパーコーンが一体のブロック状の部材であ
り、その径を変更することができないので、径の異なる
ピストン毎に、専用のテーパーコーンを準備する必要が
あった。また、テーパーコーンをピストン頂部に被せる
ため、テーパーコーンの底部に設けられた窪みの直径
は、ピストン径に対し若干大径とすることが必要不可欠
であり、かつ、当該窪みの内周壁からテーパーコーンの
外壁までの肉厚を確保するという強度上の要請から、テ
ーパーコーンの最大径は必要以上に大きくなり、ピスト
ンリングの拡張量を弾性変形の範囲内に収めることが困
難であった。さらに、テーパーコーンの壁面によってピ
ストンリング径を拡張する際に、壁面とピストンリング
との間に又は合口部のエッジでカジリを生じ易く、これ
を防止するために、テーパーコーンの壁面には、硬質ク
ロームメッキ等の表面処理を施すことが必要不可欠であ
った。
【0005】また、いわゆるリング拡張タイプにおいて
も、前記拡張板を放射状に離間させて、ピストン頂部に
被せることにより、径を拡張したピストンリングをピス
トンへと組付けることから、前記拡張板をピストンに衝
突させないようにピストン径より大きく離間させる必要
があり、ピストンリングの拡張量を弾性変形の範囲内に
収めることは、上記テーパーコーンタイプよりも更に困
難であった。しかも、ピストンリングが拡張板から脱落
し易いという問題もあった。
【0006】また、いわゆるカニバサミ拡張タイプは、
ピストンリングの合口に力を加えてリング径を拡張する
ものであることから、一局集中的に変形が起こり、ピス
トンリングの塑性変形を最も生じ易いという問題と、ピ
ストンリングがカニバサミから脱落し易いという問題が
あった。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、ピストンリングの塑性
変形を生じることなく、ピストンへのピストンリングの
組付を、簡単、確実、迅速に行うことを可能とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の請求項1に係るピストンリング組付機は、
複数のアームを、中心軸線に対し放射状にかつ先端部の
広がり角度を変更可能に配置し、前記アームの外壁を、
ピストンリングのスライド面とし、前記アームの先端部
を、ピストン頂部からの所定範囲を覆うようにしてピス
トン側面と当接する当接部としたことを特徴とする。
【0009】本発明によれば、前記中心軸線に対し放射
状にかつ先端部の広がり角度を変更可能に配置した複数
のアームの、外壁を、ピストンリングのスライド面とし
て使用し、当該アームの外壁に沿ってピストンリングを
移動させることによりピストンリング径を拡張すること
ができる。そして、前記アームの先端部へとピストンリ
ングを案内し、前記当接部を経てピストンへと組付ける
ことができる。また、ピストンリングが前記アームの外
壁に接触している限り、前記アームの先端部が広がって
いることにより、前記アームの先端からピストンリング
が脱落することを防止することができる。
【0010】また、本発明の請求項2に係るピストンリ
ング組付機は、請求項1記載のピストンリング組付機に
おいて、前記アームの当接部は、ピストン側面に当接し
た状態で、ピストンリングの拡張量を弾性変形の範囲内
に抑え得る形状を有するものである。
【0011】本発明によれば、アームの外壁に沿って移
動させることによりピストンリング径を拡張するピスト
ンリングは、その拡張量が弾性変形の範囲を越えること
なく、ピストンへと移動し、組付を完了することができ
る。
【0012】また、本発明の請求項3に係るピストンリ
ング組付機は、請求項1または2記載のピストンリング
組付機において、前記複数のアームは、ピストンリング
の周上の、合口部分を外した複数点に対し摺接するもの
である。
【0013】本発明によれば、前記アームの外壁によっ
てピストンリングに対し付与される拡張力は、ピストン
リングの合口部分を外した位置に作用するので、塑性変
形を起こし易い部分への直接的な拡張力の付与を、防ぐ
ことができる。しかも、ピストンリングの拡張変形は、
前記アームが摺接する位置で最大となり、前記アームか
ら外れた合口部分の径は、それとは逆に若干の縮小傾向
となる。
【0014】また、本発明の請求項4に係るピストンリ
ング組付機は、請求項1から3のいずれか1項記載のピ
ストンリング組付機において、前記アームの基端部を軸
支する回転軸を、前記中心軸線に対し離間接近可能に支
持したものである。
【0015】本発明によれば、前記アームの基端部を軸
支する回転軸を、前記中心軸線に対し離間接近可能に支
持することにより、アームの広がり角度をその基端部か
ら調節する。そして、ピストンの直径に関係無く、アー
ム先端部の当接部がピストン側面と平行に当接するよう
に調整し、ピストンリングの拡張量が、アーム先端部に
おいて必要以上に大きくならないようにする。
【0016】また、本発明の請求項5に係るピストンリ
ング組付機は、請求項1から4のいずれか1項記載のピ
ストンリング組付機において、前記アームで囲まれる位
置に、前記アーム先端部の最小広がり角度を決定する調
整手段を設けたものである。
【0017】本発明によれば、前記調整手段によって前
記アームの最小広がり角度を決定することで、ピストン
の直径よりも前記各アームの先端部を通る円の直径が小
さくなることに起因する、ピストン頂部への前記アーム
の当接部の衝突を防止する。
【0018】また、本発明の請求項6に係るピストンリ
ング組付機は、請求項1から5のいずれか1項記載のピ
ストンリング組付機において、前記アームの先端部を弾
性力によってピストン径に対し所定量だけ広げるため
の、拡張手段を備えるものである。
【0019】本発明によれば、前記アームの先端部を、
前記拡張手段で弾性力によってピストン径に対し所定量
だけ広げることにより、前記アーム先端部に設けた当接
部とピストンの側面との位置合わせの作業を容易とす
る。
【0020】また、本発明の請求項7に係るピストンリ
ング組付機は、請求項1から6のいずれか1項記載のピ
ストンリング組付機において、前記アームで囲まれる位
置に、ピストン頂部との当接面を、前記中心軸線方向へ
と移動可能に設けたものである。
【0021】本発明によれば、前記アームで囲まれる位
置に、ピストン頂部との当接面を、前記中心軸線方向へ
と移動可能に設け、当該当接面の中心軸線方向の位置を
変えることで、前記アームの先端部に設けた当接部が、
ピストン頂部からのピストン側面を覆う範囲を調節す
る。そして、所望のリング組付位置に、前記アームの先
端部を合わせる。
【0022】また、本発明の請求項8に係るピストンリ
ング組付機は、請求項1から7のいずれか1項記載のピ
ストンリング組付機において、前記アームの外壁に沿っ
て移動する、ピストンリングの押し出し手段を備えるも
のである。
【0023】本発明によれば、前記ピストンリングの押
し出し手段によって、当該アームの外壁に沿ってピスト
ンリングを移動させ、ピストンリング径を拡張し、さら
に、前記アームの先端部へとピストンリングを案内し、
前記当接部を経てピストンへと組付けることができる。
【0024】また、本発明の請求項9に係るピストンリ
ング組付機は、請求項8記載のピストンリング組付機に
おいて、前記押し出し手段は、前記アームの基端部から
先端部へと移動する際に、前記拡張手段に対抗して、弾
性力により前記アームの当接部をピストン側面に密着さ
せる付勢手段を兼ねるものである。
【0025】本発明によれば、前記アーム先端部に設け
た当接部とピストンの側面との、位置合わせの作業を容
易とすべく、前記拡張手段でピストン径に対し所定量だ
け広げられた前記アームの先端部を、前記当接部と前記
ピストンの側面との位置合わせを完了した後に、前記押
し出し手段によって、弾性力により前記アームの当接部
をピストン側面に密着させる。そして、ピストンリング
の拡張量が、アーム先端部において必要以上に大きくな
らないようにする。
【0026】また、本発明の請求項10に係るピストン
リング組付機は、請求項8または9記載のピストンリン
グ組付機において、前記押し出し手段は、前記アームの
上方で、ピストンリング内径よりも小径に格納可能とし
たものである。
【0027】本発明によれば、前記押し出し手段を、前
記アームの上方で、ピストンリング内径よりも小径に格
納することにより、当該ピストンリング組付機の上方か
ら、中心軸線に対し放射状に配置された前記各アームの
外壁へと、ピストンリングを落し込むことができる。そ
して、ピストンリングを前記各アームの外壁へと落し込
んだ後、前記押し出し手段によって、当該アームの外壁
に沿ってピストンリングを移動させ、ピストンリング径
を拡張し、さらに、前記アームの先端部へとピストンリ
ングを案内し、前記当接部を経てピストンへと組付ける
ことができる。
【0028】また、本発明の請求項11に係るピストン
リング組付機は、請求項8から10のいずれか1項記載
のピストンリング組付機において、前記押し出し手段の
昇降用アクチュエータを備えるものである。
【0029】本発明によれば、当該アームの外壁に沿っ
てピストンリングを移動させ、ピストンリング径を拡張
し、さらに、前記アームの先端部へとピストンリングを
案内し、前記当接部を経てピストンへと組付ける作業
を、前記昇降用アクチュエータの駆動力によって行うこ
とができる。
【0030】また、本発明の請求項12に係るピストン
リング組付機は、請求項8から11のいずれか1項記載
のピストンリング組付機において、前記アームの外壁の
潤滑手段を備えるものである。
【0031】本発明によれば、前記潤滑手段によって、
前記アームの外壁の潤滑を行うことにより、前記アーム
の外壁に対するピストンリングのカジリを防止する。
【0032】また、本発明の請求項13に係るピストン
リング組付機は、請求項8から12のいずれか1項記載
のピストンリング組付機において、前記押し出し手段
は、前記アームの外側に隣接し、前記中心軸線に対し、
放射状かつ先端部の広がり角度を変更可能に配置したサ
ブアームとなっている。
【0033】本発明によれば、前記サブアームが前記ア
ームの外壁に沿って広がり角度を広げながら移動するこ
とにより、ピストンリングを前記アームの外壁に沿って
移動させ、ピストンリング径を拡張する。そして、前記
アームの先端部へとピストンリングを案内し、前記当接
部を経てピストンへと組付けることができる。
【0034】また、本発明の請求項14に係るピストン
リング組付機は、請求項1から13のいずれか1項記載
のピストンリング組付機において、ピストンリングの切
出し装置を直列に連結可能としたものである。
【0035】本発明は、ピストンリングの切出し装置か
らの、ピストンリングの自動供給を受けて、ピストンリ
ングの組付作業を連続的に行うことができる。
【0036】また、上記課題を解決するための、本発明
の請求項15に係るピストンリング組付方法は、ピスト
ンにピストンリングを組付けるため、ピストンリングの
径を拡張する際に、ピストンリングの合口部分を外した
周上の複数点に対し、内側から拡張力を付与することを
特徴とする。
【0037】本発明によれば、ピストンリングに対し付
与される拡張力は、ピストンリングの合口部分を外した
位置に付与することで、塑性変形を起こし易い部分へ
の、直接的な拡張力の付与を防ぐことができる。しか
も、ピストンリングの拡張変形は、前記拡張力を付与さ
れる位置で最大となり、前記アームから外れた合口部分
の径は、それとは逆に若干の縮小傾向となる。よって、
ピストンリングの塑性変形の防止に効果的となる。
【0038】また、本発明の請求項16に係るピストン
リング組付方法は、請求項15記載のピストンリング組
付方法において、前記ピストンリングの拡張量を、弾性
変形の範囲内に抑えることとしたものである。
【0039】本発明によれば、前記ピストンリングの拡
張量を、弾性変形の範囲内に抑えることで、ピストンリ
ングがピストンに組みつけられた状態で、所定の機能を
発揮させることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0041】図1には、本発明の実施の形態に係るピス
トンリング組付機の要部断面図を示している。ピストン
リング組付機は、中心軸線Cに対し放射状にかつ先端部
の広がり角度を変更可能に配置した、複数のアーム1を
備える。図示のピストンリング組付機は、アーム1を6
本備えている。アーム1の外壁1aは、後述のごとくピ
ストンリングのスライド面である。また、アーム1の先
端部1bは、ピストン2の頂部2aからの所定範囲を覆
うようにしてピストン側面2bと当接する、当接部とな
っている。図示の例では、アーム1の外壁1aは、若干
の角度差をもって交差する2つの平面で構成されてい
る。また、アーム1の当接部1bは、外壁1aの一部を
なす厚さ1mm以下(寸法は一例)の板状に形成すること
で、ピストン2の側面2bに当接した状態で、ピストン
リングの拡張量を弾性変形の範囲内に抑え得る形状とな
っている。
【0042】アーム1の基端部を軸支する回転軸3は、
中心軸線C上に位置するネジ軸4の、ブラケット4aに
よって支持されている。また、図示は省略するが、ブラ
ケット4aの、回転軸3との係合穴を、中心軸線Cに対
して放射状に伸びる長穴とすることにより、回転軸3
を、中心軸線Cに対し離間接近可能に支持している。
【0043】また、ネジ軸4には、拡張位置調整ブロッ
ク5をネジ嵌合させている。拡張位置調整ブロック5の
フランジ部5aは、アーム1の内壁1cに当接してい
る。そして、拡張位置調整ブロック5をネジ軸4に沿っ
て中心軸線Cの方向に移動させることにより、フランジ
部5aとアーム1の内壁1cとの当接位置を変えて、ア
ーム1先端部の、最小広がり角度を決定することができ
る。
【0044】さらに、ネジ軸4には、基準面調整ブロッ
ク6をネジ嵌合させている。基準面調整ブロック6は、
ピストン頂部との当接面6aを有している。そして、基
準面調整ブロック6を、ネジ軸4に沿って中心軸線Cの
方向に移動させることにより、アーム1の先端部に設け
た当接部1bが、ピストン側面2bを覆う範囲を調節す
る。そして、所望のリング組付位置に、アーム1の当接
部1bの先端を合わせることができる。加えて、アーム
1の内側には、弾性力によってピストン径に対し所定量
だけ広げる拡張手段として、バネ、ゴム等の環状の弾性
体7を設けている。
【0045】ネジ軸4のストッパー4bからは、スライ
ドロッド8が中心軸線Cに沿って上方へと伸びている。
また、スライドロッド8によって摺動案内されるスライ
ドベース9のブラケット9aには、回転軸10によって、
サブアーム11の基端部11aが軸支されている。サブアー
ム11は、アーム1の外側に隣接し、中心軸線Cに対し放
射状かつ先端部の広がり角度を変更可能に配置されてい
る。後述のごとく、サブアーム11は、アーム1の外壁1
aに沿って移動するピストンリングの押し出し手段を構
成している。
【0046】サブアーム11は、図3、図5に示すように
2枚の平行な板材で構成することで、アーム1を一部挟
み込むことが可能となっている。加えて、サブアーム11
は、アーム1の外壁1aに沿って移動する動作を円滑に
行うための、ローラー12を備えている。一方、サブアー
ム11の基端部11aは1枚のプレートで構成され、ここに
フック11b(図1)を備えている。
【0047】さらに、各サブアーム11のフック11bに
は、図4に示すように、ゴム等の弾性体13を掛け回して
いる。弾性体13は、サブアーム11の先端部11cが閉じる
方向へと弾性力を発生させるものである。そして、弾性
体13の弾性力によって、図2に示すように、サブアーム
11をアーム1の上方へと移動させたときに、中心軸線C
に対し放射状に配置された各サブアーム11が、ピストン
リング14の内径よりも小径の範囲内に収まるように、格
納することが可能となっている。また、弾性体13の弾性
力によって、サブアーム11は、アーム1の基端部(図
2)から先端部(図1)へと移動す際に、弾性体7に対
抗して、アーム1の当接部1bをピストン側面2bに密
着させる付勢手段としても機能する。
【0048】スライドベース9には、ネジ軸4のストッ
パー4bと対向するようにストッパー9bを設け、かか
るストッパー同士の当接位置を、サブアーム11の下降限
度位置とする(図1)。一方、スライドロッド8の上端
部にもストッパー15が固定されており、かかるストッパ
ー15にスライドベース9の上面が当接した位置を、サブ
アーム11の上昇限度位置とする(図2)。なお、サブア
ーム11が下降限度位置にあるとき(図1)サブアーム11
の先端部11cと、アーム1の当接部1bの先端とは一致
する。
【0049】さらに、図6に部分的にのみ図示するが、
ピストンリング組付機は、アーム1の外壁1bの潤滑手
段を備えている。図6(a)は、潤滑手段として、サブ
アーム11に給油フェルト16を設けた例を示している。ま
た、図6(b)は、潤滑手段として、アーム1の外壁1
aに、サブアーム11のローラー12がはまり込む溝1dを
設け、かかる溝1dにグリスを充填するものである。溝
1d内のグリスは、ローラー12に付着することによっ
て、アーム1の外壁1aに塗付される。なお、図6
(b)の溝1dを用いる場合には、サブアーム11の通常
の昇降動作として、ローラ12が溝1dにはまり込まない
低位置でサブアーム11の上昇を停止させ、数回に1回程
度の割合で、ローラ12が溝1dにはまり込む高さまでサ
ブアーム11を上昇させることで、必要量のグリスを外壁
1aに塗布することができる。
【0050】なおかつ、図示は省略するが、スライドベ
ース9をスライドロッド8に沿って摺動させるための昇
降用アクチュエータを、ネジ軸4のブラケット4aと、
スライドベース9との間等に設けることも可能である。
この場合には、サブアーム11をアーム1の外壁1aに沿
って移動させる際の駆動力を、当該アクチュエータによ
って発生させ、サブアーム11の昇降動作を自動化するこ
とができる。
【0051】ここで、本発明の実施の形態に係るピスト
ンリング組付機を用い、ピストン2にピストンリング14
を組付ける手順を説明する。
【0052】まず、図2に示すように、サブアーム11を
上昇限度位置とした状態で、アーム1の先端部を、ピス
トン頂部2aに被せる。このとき、事前に、アーム1の
当接部1bの先端が、ピストンリングを組付けるべきリ
ング溝(図示の例では、符号2cで示すリング溝)の端
面に到達するように、基準面調整ブロック6の当接面6
aの位置を調整しておく。また、ピストン2の直径より
も各アーム1の当接部1bの先端を通る円の直径が小さ
くなることによる、ピストン頂部2aへの当接部1bの
衝突を防止するため、拡張位置調整ブロック5の位置に
ついても、事前に、その位置を調整しておく。
【0053】アーム1の先端部をピストン頂部2aに被
せる際には、アーム1の先端部は、弾性体7の弾性力に
よって、ピストン2の直径に対し所定量だけ拡張されて
いる。よって、アーム1の当接部1bと、ピストン2の
側面2bとの位置合わせの作業が容易となり、アーム1
の当接部1bをピストン頂部2aに衝突させてしまうと
いうような、操作ミスを防ぐことができる。
【0054】続いて、本装置の上方からピストンリング
14を落し込む。前述のごとく、サブアーム11は、ピスト
ンリング14の内径よりも小径の範囲内に収まるように、
格納されている。よって、ピストンリング14は、サブア
ーム11の周囲を通り抜けて、アーム1の外壁1aを結ぶ
円の直径が、ピストンリング14の内径を越えることとな
る位置まで落ち込み、ピストンリング14は、アーム1に
引っ掛かるようにして止まる。この際、各アーム1が、
ピストンリング14の合口部分(図示省略)を外した複数
点に対し当接するように、ピストンリング14は適当な方
法によって位置決めされて落下する。図2のピストンリ
ング14は、かかる状態を示している。なお、ピストンリ
ング14がアーム1の外壁1bに接触している限り、アー
ム1の先端部が広がっていることにより、アーム1の先
端からピストンリング14が脱落することを防止すること
ができる。
【0055】ここで、サブアーム11を下降させると、サ
ブアーム11はアーム1の外壁1aに沿って移動し、その
先端部11cをピストンリング14に当接させる。さらに、
サブアーム11の下降を続けると、アーム1の外壁1a
は、ピストンリング14のスライド面として機能し、外壁
1bに沿ってピストンリング14を移動させることによ
り、ピストンリング14径を拡張することができる。
【0056】また、サブアーム11は、アーム1の基端部
(図2)から先端部(図1)へと移動す際に、弾性体13
の弾性力によって、アーム1を拡張する弾性体7に対抗
して、アーム1の当接部1bをピストン側面2bに密着
させることができる。そして、図1に示す下降限度位置
までサブアーム11を下降させ、アーム1の当接部1bの
先端から、ピストン2のリング溝2cへと、ピストンリ
ング14を落し込む。すると、ピストンリング14は、自ら
の弾性によって径を縮小させ、リング溝2cへの組付を
完了させる。
【0057】かかる後に、サブアーム11を上昇限度位置
11まで上昇させると、再び弾性体13の弾性力によって、
各サブアーム11は、ピストンリング14の内径よりも小径
の範囲内に収まるように格納され、図2の状態に復帰す
る。
【0058】上記構成をなす本発明の実施の形態により
得られる作用効果は、以下の通りである。まず、中心軸
線Cに対し放射状にかつ先端部の広がり角度を変更可能
に配置した複数のアーム1の、外壁1aを、ピストンリ
ング14のスライド面として使用し、アーム1の外壁1a
に沿ってピストンリング14を移動させることにより、ピ
ストンリング径を拡張することができる。そして、アー
ム1の先端部へとピストンリング14を案内し、当接部1
bを経て、ピストン2の所望のリング溝2cへと組付け
ることができる。
【0059】前述のごとく、アーム1の外壁1aは若干
の角度差をもって交差する2つの平面で構成されてお
り、かつ、当接部1bにつながる平面部分は、ピストン
2の側面2bと平行となるように、アーム1の基端部を
軸支する回転軸3の位置を調整して使用される。よっ
て、ピストンリング14がピストン2の側面と平行な当接
部1bに位置するとき、ピストンリング14の拡張量は最
大となり、それ以上拡張されることはない。さらに、当
接部1bは、外壁1aの一部をなす厚さ1mm以下の板状
に形成されていることから、アーム1の先端部へとピス
トンリング14を案内し、当接部1bを経てピストン2の
リング溝2cへと組付ける際に、ピストンリング14が、
必要以上に拡張されることを防ぐことができる。そし
て、ピストンリング14はその拡張量が弾性変形の範囲を
越えることなく、ピストン2へと移動し、所望のリング
溝2c組付を完了することができる。
【0060】しかも、各アーム1が、ピストンリング14
の合口部分を外した複数点に対し摺接するように、ピス
トンリング14は位置決めされるので、アーム1の外壁1
aによってピストンリング14に対し付与される拡張力
は、ピストンリング14の合口部分を外した位置に作用す
ることとなる。前述のごとく、合口部分へ直接的に拡張
力を付与すると、ピストンリング14に塑性変形を起こし
易くなるという問題があるが、本発明の実施の形態によ
れば、係る問題の発生を防ぐことができる。しかも、ピ
ストンリングの拡張変形は、前記アームが摺接する位置
で最大となり、前記アームから外れた合口部分の径は、
それとは逆に若干の縮小傾向となるので、ピストンリン
グ14の実質的な拡張量を抑えることができるという利点
もある。
【0061】また、アーム1の基端部を軸支する回転軸
3は、中心軸線Cに対し離間接近可能に支持されている
ので、ピストン2の直径に応じて、アーム1の広がり角
度をその基端部から調節することができる。よって、ピ
ストン2の直径に関係無く、アームの当接部1bを、ピ
ストン2の側面2bと平行に当接するように調整するこ
とが可能となり、ピストンリング14をピストン2のリン
グ溝2cに組付ける際に、ピストンリング14が弾性変形
の範囲を越えることを、確実に防止することができる。
【0062】したがって、直径の異なるピストンへの対
応も容易となる。また、より広範囲の径のピストンに対
応するために、例えば、直径70〜80mm用、80〜90mm用、
90〜100mm用の3種類のアーム1およびサブアーム11を
用意し、適宜交換することで、さらに多くのピストンへ
の、ピストンリングの組付機として用いることが可能と
なる。
【0063】また、ネジ軸4にネジ嵌合させた拡張位置
調整ブロック5によって、アーム1の最小広がり角度を
決定することにより、ピストン2の直径よりも各アーム
1の先端部を通る円の直径が小さくなることに起因す
る、ピストン頂部2aへのアーム1の当接部1bの衝突
を、防止することができる。
【0064】また、アーム1の内側には、弾性力によっ
てピストン径に対し所定量だけ広げる拡張手段として、
バネ、ゴム等の環状の弾性体7を設け、その弾性力によ
ってアーム1の先端部をピストン2の直径に対し所定量
だけ広げることにより、アーム先端部に設けた当接部1
bと、ピストン2の側面2bとの位置合わせの作業を容
易とすることができるので、操作ミスにより、当接部1
bをピストン頂部2aへと衝突させてしまうことを防ぐ
ことができる。
【0065】さらに、ネジ軸4にネジ嵌合させた基準面
調整ブロック6によって、アーム1の先端部に設けた当
接部1bがピストン頂部2aからのピストン側面2bを
覆う範囲を、調節することができる。よって、1stリ
ング用リング溝、2ndリング用リング溝等、所望のリ
ング溝に対しても、アーム1の当接部1bの先端を合わ
せて、ピストンリング14の組付を確実に行うことができ
る。
【0066】また、ピストンリングの押し出し手段とし
て機能するサブアーム11を下降させることによって、ア
ーム1の外壁1aに沿ってピストンリング14を移動さ
せ、ピストンリング径を拡張し、さらに、アーム1の先
端部へとピストンリング14を案内し、当接部1bを経
て、ピストン2の所望のリング溝2cに対しピストンリ
ング14を組付けることができる。
【0067】しかも、サブアーム11は、弾性体13の弾性
力により、アーム1の基端部から先端部へと移動する際
に、弾性体7に対抗して、アーム1の当接部をピストン
側面2bに密着させる付勢手段を兼ねることから、ピス
トンリング14が、必要以上に拡張されることを防ぎ、ピ
ストンリング14はその拡張量が弾性変形の範囲を越える
ことなく、ピストン2へと移動し、所望のリング溝2c
組付を完了することができる。
【0068】さらに、サブアーム11は、図2に示すよう
に、アーム1の上方で、ピストンリング14の内径よりも
小径に格納することにより、ピストンリング組付機の上
方から、アーム1の外壁へと、ピストンリング14を落し
込むことができる。よって、本組付機へのピストンリン
グ14の供給時に、組付機の姿勢を上下逆方向にして供給
する等の操作は不要であり、ピストンリング14の供給作
業を容易とすることができる。そして、ピストンリング
14をアームの外壁14へと落し込んだ後、サブアーム11の
先端部11cで、アーム1の外壁1aに沿ってピストンリ
ング14を移動させ、ピストンリング径を拡張し、さら
に、アーム1の先端部へとピストンリング14を案内し
て、ピストン2の所望のリング溝2cへと組付けること
ができる。
【0069】また、サブアーム11の昇降用アクチュエー
タを設けた場合には、ピストンリング14をピストン2の
所望のリング溝2cへと組付ける作業を、前記昇降用ア
クチュエータの駆動力によって、自動的に行うことが可
能となる。加えて、図6(a)、(b)に示す潤滑手段
によって、アーム1の外壁1aに潤滑剤を塗付すること
により、外壁1aに対するピストンリング14のカジリを
防止することができる。そして、アーム1に硬質クロー
ムメッキ等の表面処理を施すことを不用とし、当該ピス
トンリング組付機の製造日数の短縮に貢献することがで
きる。
【0070】図7には、本発明の実施の形態に係るピス
トンリング組付機を用い、手作業によりピストンリング
の組付を行うための、作業環境を構成したものである。
ピストンリング組付機20は、図1に示す組付機と基本構
成を同一とし、さらに、ピストンリングの切出し装置21
を直列に連結可能としたものである。そして、ピストン
リング組付機20に連結されたリング切出し装置21は、ス
プリングバランサー22に吊り上げられている。ピストン
リング組付機20の直下にはピストン冶具23を配置し、か
かるピストン冶具23の上にピストン2をセットする。そ
して、作業者は、手動によってピストンリング組付機20
を下降させ、前述の組付手順に沿って、ピストンリング
の組付作業を行うものである。
【0071】かかる構成によれば、リング切出し装置21
からの、ピストンリングの自動供給を受けて、ピストン
リングの組付作業を連続的に行うことが可能となる。こ
のように、本発明の実施の形態に係るピストンリング組
付機は、手作業によりピストンリングの組付を行うため
の、作業環境を構成した場合においても、ピストンリン
グの塑性変形を生じることなく、ピストンへのピストン
リングの組付を、簡単、確実、迅速に行うことが可能と
なる。したがって、比較的少量のピストンリング組付け
作業に、特に適している。例えば、レース用エンジン
等、部品の組付精度が極めて高い少量生産のピストンの
ピストンリングを組付ける場合等に、特に適するもので
ある。
【0072】
【実施例】本発明の実施の形態に係るピストンリング組
付機によれば、ピストンリングの拡張量を、アーム1の
当接部1bの厚さに抑えることができる。例えば、ピス
トンリングが弾性変形する範囲として、ピストンリング
の直径D+2mm以内という規格が決められているような
場合でも、アーム1の当接部1bの厚さを、本発明の実
施の形態のごとく1mmとすれば、対角線上に位置する
各アーム1の当接部1bの厚さの分だけピストンリング
を拡張する(その拡張量は、〔1mm+1mm=2m
m〕)のみとなる。よって、ピストンリングの拡張量は
所望の規格内に収まり、ピストンリングに塑性変形を発
生させることを防止することができる。勿論、レース用
エンジンのピストンリングの場合のように、ピストンリ
ングが弾性変形する範囲内が、さらに狭いような場合で
あっても、アーム1の当接部1bの厚さを薄くすること
で、対応することができる。
【0073】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係る
ピストンリング組付機によれば、ピストンリングの塑性
変形を生じることなく、ピストンへのピストンリングの
組付を、簡単、確実、迅速に行うことが可能となる。
【0074】また、本発明の請求項2に係るピストンリ
ング組付機によれば、ピストンリングの組付時に、ピス
トンリングに塑性変形が生じることを防止し、ピストン
リングがピストンに組みつけられた状態で、所定の機能
を発揮させることができる。
【0075】また、本発明の請求項3に係るピストンリ
ング組付機によれば、塑性変形を起こし易い部分への直
接的な拡張力の付与を防ぎ、しかも、合口部分の径を若
干の縮小傾向とすることができるので、ピストンリング
の組付時に、ピストンリングに塑性変形が生じることを
防止することができる。
【0076】また、本発明の請求項4に係るピストンリ
ング組付機によれば、ピストンの直径に関係無く、アー
ム先端部の当接部がピストン側面と平行に当接するよう
に調整し、ピストンリングの拡張量が、アーム先端部に
おいて必要以上に大きくならないようにする。そして、
ピストンリングをピストンに組付ける際に、ピストンリ
ングが弾性変形の範囲を越えることを、確実に防止する
ことができる。
【0077】また、本発明の請求項5に係るピストンリ
ング組付機によれば、ピストン頂部への前記アームの当
接部の衝突を防止して、ピストンへのピストンリングの
組付を、簡単、確実、迅速に行うことが可能となる。
【0078】また、本発明の請求項6に係るピストンリ
ング組付機によれば、前記アーム先端部に設けた当接部
とピストンの側面との位置合わせの作業を容易として、
前記当接部がピストン頂部に衝突することを防ぐことが
できる。よって、ピストンへのピストンリングの組付
を、簡単、確実、迅速に行うことが可能となる。
【0079】また、本発明の請求項7に係るピストンリ
ング組付機によれば、前記アームの先端部を、所望のリ
ング組付位置に合わせて、ピストンリングの組付を確実
に行うことができる。
【0080】また、本発明の請求項8に係るピストンリ
ング組付機によれば、前記ピストンリングの押し出し手
段によって、当該アームの外壁に沿ってピストンリング
を移動させ、ピストンリング径を拡張し、さらに、前記
アームの先端部へとピストンリングを案内し、前記当接
部を経てピストンへと組付けることで、ピストンへのピ
ストンリングの組付を、簡単、確実、迅速に行うことが
可能となる。
【0081】また、本発明の請求項9に係るピストンリ
ング組付機によれば、前記当接部と前記ピストンの側面
との位置合わせを完了した後に、前記押し出し手段によ
って、前記アームの当接部をピストン側面に密着させ、
ピストンリングの拡張量が、アーム先端部において必要
以上に大きくなることを防ぐ。そして、ピストンリング
をピストンに組付ける際に、ピストンリングが弾性変形
の範囲を越えることを、確実に防止することができる。
【0082】また、本発明の請求項10に係るピストン
リング組付機によれば、当該組付機へのピストンリング
の供給作業を容易とすることができ、ピストンへのピス
トンリングの組付を、簡単、確実、迅速に行うことが可
能となる。
【0083】また、本発明の請求項11に係るピストン
リング組付機によれば、当該アームの外壁に沿ってピス
トンリングを移動させ、ピストンリング径を拡張し、さ
らに、前記アームの先端部へとピストンリングを案内
し、前記当接部を経てピストンへと組付ける作業を、前
記昇降用アクチュエータの駆動力によって行うことで、
組付作業の自動化を図ることが可能となる。
【0084】また、本発明の請求項12に係るピストン
リング組付機によれば、前記アームの外壁に対するピス
トンリングのカジリを防止することができる。また、ア
ームに硬質クロームメッキ等の表面処理を施すことを不
用とし、当該ピストンリング組付機の製造日数の短縮に
貢献することができる。
【0085】また、本発明の請求項13に係るピストン
リング組付機によれば、前記サブアームが前記アームの
外壁に沿って広がり角度を広げながら移動することによ
り、ピストンリングを前記アームの外壁に沿って移動さ
せ、ピストンリング径を拡張することができる。そし
て、前記アームの先端部へとピストンリングを案内し、
前記当接部を経てピストンへと組付けることができる。
よって、ピストンへのピストンリングの組付を、簡単、
確実、迅速に行うことが可能となる。
【0086】また、本発明の請求項14に係るピストン
リング組付機によれば、ピストンリングの切出し装置か
らの、ピストンリングの自動供給を受けて、ピストンへ
のピストンリングの組付を、簡単、確実、迅速に行うこ
とが可能となる。
【0087】また、本発明の請求項15に係るピストン
リング組付方法によれば、塑性変形を起こし易い部分へ
の直接的な拡張力の付与を防ぎ、しかも、合口部分の径
を若干の縮小傾向とすることができるので、ピストンリ
ングの組付時に、ピストンリングに塑性変形が生じるこ
とを防止することができる。よって、ピストンリングが
ピストンに組みつけられた状態で、所定の機能を発揮さ
せることができる。
【0088】また、本発明の請求項16に係るピストン
リング組付方法によれば、ピストンリングの組付時に、
ピストンリングに塑性変形が生じることを防止すること
ができ、ピストンリングがピストンに組みつけられた状
態で、所定の機能を発揮させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るピストンリング組付
機の要部断面図であり、サブアームが下降限度位置にあ
る状態を示すものである。
【図2】図1にピストンリング組付機において、サブア
ームが上昇限度位置にある状態を示すものである。
【図3】図1に示すピストンリング組付機の、サブアー
ムを示す側面図である。
【図4】図1のA−A線における断面図である。
【図5】図1に示すピストンリング組付機の、アームと
サブアームとの関係を部分的に示す下面図である。
【図6】ピストンリング組付機の潤滑手段を例示する部
分断面図である。
【図7】図1に示すピストンリング組付機を用い、手作
業によりピストンリングの組付を行うための、作業環境
を構成した例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 アーム 1a 外壁 1b 当接部 1c 内壁 1d 溝 2 ピストン 2a 頂部 2b 側面 2c リング溝 3 回転軸 4 ネジ軸 5 拡張位置調整ブロック 6 基準面調整ブロック 7 弾性体 8 スライドロッド 9 スライドベース 10 回転軸 11 サブアーム 11a 基端部 11b フック 11c 先端部 12 ローラー 13 弾性体 14 ピストンリング C 中心軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 康裕 愛知県豊田市衣ヶ原3丁目20番地 新明工 業株式会社内 Fターム(参考) 3C030 BB20 BC21 CC08 3C031 DD31 3J044 AA18 CA00 CB00 CB24 EA05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアームを、中心軸線に対し放射状
    にかつ先端部の広がり角度を変更可能に配置し、前記ア
    ームの外壁を、ピストンリングのスライド面とし、前記
    アームの先端部を、ピストン頂部からの所定範囲を覆う
    ようにしてピストン側面と当接する当接部としたことを
    特徴とするピストンリング組付機。
  2. 【請求項2】 前記アームの当接部は、ピストン側面に
    当接した状態で、ピストンリングの拡張量を弾性変形の
    範囲内に抑え得る形状を有していることを特徴とする請
    求項1記載のピストンリング組付機。
  3. 【請求項3】 前記複数のアームは、ピストンリングの
    周上の、合口部分を外した複数点に対し摺接することを
    特徴とする請求項1または2記載のピストンリング組付
    機。
  4. 【請求項4】 前記アームの基端部を軸支する回転軸
    を、前記中心軸線に対し離間接近可能に支持したことを
    特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のピスト
    ンリング組付機。
  5. 【請求項5】 前記アームで囲まれる位置に、前記アー
    ム先端部の最小広がり角度を決定する調整手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の
    ピストンリング組付機。
  6. 【請求項6】 前記アームの先端部を弾性力によってピ
    ストン径に対し所定量だけ広げるための、拡張手段を備
    えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記
    載のピストンリング組付機。
  7. 【請求項7】 前記アームで囲まれる位置に、ピストン
    頂部との当接面を、前記中心軸線方向へと移動可能に設
    けたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記
    載のピストンリング組付機。
  8. 【請求項8】 前記アームの外壁に沿って移動する、ピ
    ストンリングの押し出し手段を備えることを特徴とする
    請求項1から7のいずれか1項記載のピストンリング組
    付機。
  9. 【請求項9】 前記押し出し手段は、前記アームの基端
    部から先端部へと移動する際に、前記拡張手段に対抗し
    て、弾性力により前記アームの当接部をピストン側面に
    密着させる付勢手段を兼ねることを特徴とする請求項8
    記載のピストンリング組付機。
  10. 【請求項10】 前記押し出し手段は、前記アームの上
    方で、ピストンリング内径よりも小径に格納可能である
    ことを特徴とする請求項8または9記載のピストンリン
    グ組付機。
  11. 【請求項11】 前記押し出し手段の昇降用アクチュエ
    ータを備えることを特徴とする請求項8から10のいず
    れか1項記載のピストンリング組付機。
  12. 【請求項12】 前記アームの外壁の潤滑手段を備える
    ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項記載
    のピストンリング組付機。
  13. 【請求項13】 前記押し出し手段は、前記アームの外
    側に隣接し、前記中心軸線に対し、放射状かつ先端部の
    広がり角度を変更可能に配置したサブアームであること
    を特徴とする請求項8から12のいずれか1項記載のピ
    ストンリング組付機。
  14. 【請求項14】 ピストンリングの切出し装置を直列に
    連結可能であることを特徴とする請求項1から13のい
    ずれか1項記載のピストンリング組付機。
  15. 【請求項15】 ピストンにピストンリングを組付ける
    ため、ピストンリングの径を拡張する際に、ピストンリ
    ングの合口部分を外した周上の複数点に対し、内側から
    拡張力を付与することを特徴とするピストンリング組付
    方法。
  16. 【請求項16】 前記ピストンリングの拡張量を、弾性
    変形の範囲内に抑えることを特徴とする請求項15記載
    のピストンリング組付方法。
JP2001131860A 2001-04-27 2001-04-27 ピストンリング組付機 Expired - Fee Related JP4313960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001131860A JP4313960B2 (ja) 2001-04-27 2001-04-27 ピストンリング組付機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001131860A JP4313960B2 (ja) 2001-04-27 2001-04-27 ピストンリング組付機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002326131A true JP2002326131A (ja) 2002-11-12
JP4313960B2 JP4313960B2 (ja) 2009-08-12

Family

ID=18979970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001131860A Expired - Fee Related JP4313960B2 (ja) 2001-04-27 2001-04-27 ピストンリング組付機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4313960B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007005061A1 (de) * 2007-01-26 2008-07-31 Lsm Sondermaschinen Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Montage wenigstens eines Kolbenrings an einem Kolben
CN101190515B (zh) * 2006-11-24 2011-01-19 重庆宗申发动机制造有限公司 发动机活塞油环的装配方法
CN101973014A (zh) * 2010-11-12 2011-02-16 重庆潍柴发动机厂 一种活塞环压装工具
CN103894965A (zh) * 2012-12-24 2014-07-02 珠海格力电器股份有限公司 活塞安装装置
KR20160002017A (ko) * 2014-06-30 2016-01-07 이연남 실린더 피스톤의 패킹 조립장치
WO2018074519A1 (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 日本バルカー工業株式会社 ピストンパッキン装着用治具
JP2018069444A (ja) * 2016-10-21 2018-05-10 日本バルカー工業株式会社 ピストンパッキン装着用治具
CN108608191A (zh) * 2018-07-16 2018-10-02 安徽江淮纳威司达柴油发动机有限公司 一种集成式发动机活塞装配辅具
CN111438661A (zh) * 2020-05-28 2020-07-24 广西玉柴机器股份有限公司 一种多机型活塞环装配机

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101632656B1 (ko) 2015-02-06 2016-06-22 주식회사 일진 더스트커버를 고정하는 링부재의 조립 시스템

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101190515B (zh) * 2006-11-24 2011-01-19 重庆宗申发动机制造有限公司 发动机活塞油环的装配方法
DE102007005061A1 (de) * 2007-01-26 2008-07-31 Lsm Sondermaschinen Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Montage wenigstens eines Kolbenrings an einem Kolben
DE102007005061B4 (de) * 2007-01-26 2009-04-09 Lsm Sondermaschinen Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Montage wenigstens eines Kolbenrings an einem Kolben
CN101973014A (zh) * 2010-11-12 2011-02-16 重庆潍柴发动机厂 一种活塞环压装工具
CN103894965A (zh) * 2012-12-24 2014-07-02 珠海格力电器股份有限公司 活塞安装装置
KR20160002017A (ko) * 2014-06-30 2016-01-07 이연남 실린더 피스톤의 패킹 조립장치
KR101587723B1 (ko) * 2014-06-30 2016-01-21 이연남 실린더 피스톤의 패킹 조립장치
JP2018069444A (ja) * 2016-10-21 2018-05-10 日本バルカー工業株式会社 ピストンパッキン装着用治具
WO2018074519A1 (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 日本バルカー工業株式会社 ピストンパッキン装着用治具
KR20190053246A (ko) * 2016-10-21 2019-05-17 주식회사 발카 피스톤 패킹 장착용 지그
CN109843511A (zh) * 2016-10-21 2019-06-04 株式会社华尔卡 活塞垫圈装配用工具
CN109843511B (zh) * 2016-10-21 2021-11-23 株式会社华尔卡 活塞垫圈装配用工具
KR102342908B1 (ko) * 2016-10-21 2021-12-23 주식회사 발카 피스톤 패킹 장착용 지그
TWI754685B (zh) * 2016-10-21 2022-02-11 日商華爾卡股份有限公司 活塞迫緊安裝用治具
JP7068793B2 (ja) 2016-10-21 2022-05-17 株式会社バルカー ピストンパッキン装着用治具
CN108608191A (zh) * 2018-07-16 2018-10-02 安徽江淮纳威司达柴油发动机有限公司 一种集成式发动机活塞装配辅具
CN108608191B (zh) * 2018-07-16 2023-09-29 安徽康明斯动力有限公司 一种集成式发动机活塞装配辅具
CN111438661A (zh) * 2020-05-28 2020-07-24 广西玉柴机器股份有限公司 一种多机型活塞环装配机

Also Published As

Publication number Publication date
JP4313960B2 (ja) 2009-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2420331B1 (en) Punch die and method of supplying lubricating oil
JP2002326131A (ja) ピストンリング組付機および組付方法
EP3685654A3 (en) Trimmer head assembly for a trimmer
EP1735126B1 (en) Swing clamp apparatus with spring biased cam assembly
JPH102387A (ja) 抗張手段のための緊定装置
EP2522455A1 (en) Retainer assembling apparatus and retainer assembling method
US10751808B2 (en) Positioning assembly and method
JP5035535B2 (ja) サークリップ取付け用工具
CN108161408B (zh) 一种连杆衬套压入装置
CN106624839B (zh) 旋转轴支撑装置
JP2004314178A (ja) 機械的結合に用いる道具用の金型
RU2666041C1 (ru) Способ изготовления плавающего соединения и плавающее соединение, изготовленное указанным способом
US10760450B2 (en) Gas turbine and method for replacing bearing thereof
CN209970529U (zh) 用于工件的中心定位装置
JP4179549B2 (ja) スナップリング組付装置
JP6959282B2 (ja) シールリング装着用器具
JP5029829B2 (ja) パッキン装着用治具
CA2921947C (en) Hydraulic lash adjuster
JP3742713B2 (ja) シール部材およびスナップリングの組み付け装置
CA2945108A1 (en) Rotary bending devices
JPH0761580B2 (ja) 部品挿入ユニット
JPH11300645A (ja) 止め輪装着治具
JP2583674B2 (ja) 筒状ワークの保持装置
CN210452506U (zh) 双向伸缩装置
CN104002122B (zh) 汽车机油冷却器水管接头的防位置偏差的压装机构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080924

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090422

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090518

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140522

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees