JP2002326027A - 撹拌装置 - Google Patents

撹拌装置

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JP2002326027A JP2001135036A JP2001135036A JP2002326027A JP 2002326027 A JP2002326027 A JP 2002326027A JP 2001135036 A JP2001135036 A JP 2001135036A JP 2001135036 A JP2001135036 A JP 2001135036A JP 2002326027 A JP2002326027 A JP 2002326027A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撹拌羽根およびスクレーパに付着する撹拌対
象を大幅に減少させることができる撹拌装置を提供す
る。 【解決手段】 撹拌対象を収容するタンクと、該タンク
内部の撹拌対象を撹拌するための撹拌羽根と、当該撹拌
羽根の周端に突設され、前記タンク内壁に付着する撹拌
対象を掻き取るためのスクレーパとを備えた撹拌装置で
あって、前記撹拌羽根が、時計方向および反時計方向の
両方向に回転可能であり、前記スクレーパが、前記撹拌
羽根が時計方向に回転するときに前記タンク内壁に接触
する第1のエッジと、前記撹拌羽根が反時計方向に回転
するときに前記タンク内壁に接触する第2のエッジとを
有してなる撹拌装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は撹拌装置に関する。
さらに詳しくは、撹拌羽根およびスクレーパに付着する
撹拌対象を大幅に減少させることができる撹拌装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、化粧品、医薬品または食品な
どを製造するために、液体または粘着性を有する粉体な
どの撹拌対象を撹拌する撹拌装置がある。
【0003】従来の撹拌装置は、図5〜6に示されるよ
うに、撹拌対象を収容するタンク31と、タンク31内
部の撹拌対象を撹拌するための第1撹拌羽根32と、第
1撹拌羽根32の周端に突設され、タンク31の内壁に
付着する撹拌対象を掻き取るためのスクレーパ33とか
ら構成されている。
【0004】第1撹拌羽根32は、タンク31の内壁に
近い位置の撹拌対象を撹拌するループ状の羽根であり、
上端部において回転軸34の固定板37に固定されてい
る。また、第1撹拌羽根32は、タンク31の内壁に付
着する撹拌対象の比較的大きな塊を掻き取ることができ
るように、タンク31の内壁に対して45°程度の角度
で傾斜して配設されている。さらに、第1撹拌羽根32
の内側面には、複数のフィン32aが設けられている。
【0005】また、第1撹拌羽根32の内側の空間部に
は、タンク31の中央付近の撹拌対象を撹拌するための
第2撹拌羽根35が設けられ、当該第2撹拌羽根35の
シャフト36は固定軸34に対して回転自在に連結され
ている。
【0006】スクレーパ33は、図5〜6に示されるよ
うに、合成樹脂または合成ゴムなどからなる薄板状の部
材であり、前記第1撹拌羽根32の最外周の側面および
下面にピン止めなどにより揺動自在に取り付けられてい
る。
【0007】さらに、図5〜6に示される撹拌装置タン
ク31の底部には、シャフト39の周りを回転する撹拌
突起38、メイン排出口40およびサンプル採取口41
が配設されている。
【0008】図6に示されるように、従来の撹拌装置
は、図中反時計方向に第1および第2撹拌羽根32、3
5を回転させて撹拌対象の撹拌を行ない、それとともに
スクレーパ33の先端のエッジ33aが撹拌対象からの
圧力を受けてタンク31の内壁に押しつけられ、当該エ
ッジ33aによってタンク31に内壁に付着する撹拌対
象を掻き取ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の撹拌装
置では、粘性の高い液体や粘着性の強い粉体などの撹拌
対象を撹拌する場合、図6に示されるように、第1撹拌
羽根32およびスクレーパ33の回転方向に対する裏側
には、流動しない製品原料などの撹拌対象Sが付着し、
撹拌工程の終了まで剥離しないため、製品の均一性が得
られない場合がある。そのため、製品全体の配合バラン
スが損なわれて、所望の特性を有する製品を得ることが
できないという問題がある。
【0010】また、従来の撹拌装置では、第1撹拌羽根
32がタンク31の内壁面に対して45°程度傾斜して
配設されているため、第1撹拌羽根32の裏側に付着す
る撹拌対象Sは、洗浄工程の際に付着物が落ちにくいと
いう問題がある。
【0011】本発明はかかる問題を解消するためになさ
れたものであり、撹拌羽根およびスクレーパに付着する
撹拌対象を大幅に減少させることができる撹拌装置を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の撹拌装置は、撹
拌対象を収容するタンクと、該タンク内部の撹拌対象を
撹拌するための撹拌羽根と、当該撹拌羽根の周端に突設
され、前記タンク内壁に付着する撹拌対象を掻き取るた
めのスクレーパとを備えた撹拌装置であって、前記撹拌
羽根が、時計方向および反時計方向の両方向に回転可能
であり、前記スクレーパが、前記撹拌羽根が時計方向に
回転するときに前記タンク内壁に接触する第1のエッジ
と、前記撹拌羽根が反時計方向に回転するときに前記タ
ンク内壁に接触する第2のエッジとを有してなることを
特徴としている。
【0013】前記スクレーパが、前記撹拌羽根に揺動自
在に取り付けられてなるのが好ましい。
【0014】前記スクレーパの第1のエッジおよび第2
のエッジが、線対称の位置に配置されてなるのが好まし
い。
【0015】前記スクレーパが、前記第1エッジおよび
第2エッジに近づくにつれて先細りになる形状を呈して
なるのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
の撹拌装置をさらに詳細に説明する。図1は本発明の撹
拌装置の一実施の形態を示す縦断面説明図、図2は図1
の撹拌装置のタンク内部を上から見た図、図3は図1の
スクレーパの要部拡大斜視図および図4は図1のスクレ
ーパの揺動を示す平面説明図である。
【0017】図1〜2に示される撹拌装置は、双方向に
掻き取ることができる形状のスクレーパ3をタンク1の
内壁に対して傾斜していない第1撹拌羽根2に取り付け
たものであり、図2に示されるように、正転または逆転
のいずれの方向に回転させてもタンク1の内壁にスクレ
ーパ3のエッジ3a、3bが密着し、タンク1の内壁に
付着する付着物を効果的に掻き取ることができる。
【0018】図1〜2に示される撹拌装置は、撹拌対象
を収容するタンク1と、タンク1内部の撹拌対象を撹拌
するための第1撹拌羽根2と、第1撹拌羽根2の周端に
突設され、タンク1の内壁に付着する撹拌対象を掻き取
るためのスクレーパ3とから構成されている。
【0019】本実施の形態の撹拌装置は、従来の装置と
異なり、双方向の撹拌ができるようになっている。具体
的には、正転または逆転について時間設定で切り換える
ことができるように、タイマーによる制御を行ない、駆
動モータについてはインバータ制御を行なうのが好まし
い。
【0020】第1撹拌羽根2は、タンク1の内壁に近い
位置の撹拌対象を撹拌するループ状の羽根であり、上端
部において回転軸4の固定板7に固定されており、第1
撹拌羽根2の内側面には、複数のフィン2aが設けられ
ている。また、図1に示される第1撹拌羽根2は、タン
ク1の内壁に対して傾斜していないため、製品が落ちや
すく、洗浄効率を向上させることができる。
【0021】第1撹拌羽根2の内側の空間部には、タン
ク1の中央付近の撹拌対象を撹拌するための第2撹拌羽
根5が設けられ、当該第2撹拌羽根5のシャフト6は回
転軸4に対して回転自在に連結されている。この第2撹
拌羽根5は、第1撹拌羽根2に対して、通常、独立して
任意な回転方向、回転速度を得ることができ、撹拌対象
を撹拌するための最適な条件となるように回転させられ
る。
【0022】さらに、図1〜2に示される撹拌装置タン
ク1の底部には、シャフト9の周りを回転する撹拌突起
8、メイン排出口10およびサンプル採取口11が配設
されている。
【0023】本実施の形態のスクレーパ3は、図1〜4
に示されるように、第1撹拌羽根2が時計方向に回転す
るときにタンク1の内壁に接触する第1のエッジ3a
と、第1撹拌羽根2が反時計方向に回転するときにタン
ク1内壁に接触する第2のエッジ3bとを有しているた
め、双方向の回転についてタンク1内壁の付着物の掻き
取りを行なうことができる。
【0024】スクレーパ3の材質について、本発明では
とくに限定されないが、たとえば合成樹脂や合成ゴムな
どを採用することができるが、とくに耐摩耗性および耐
腐食性などにすぐれたポリカーボネートなどのエンジニ
アリングプラスチックを採用するのが好ましい。さら
に、スクレーパ3の表面をフッ素樹脂でコーティングす
れば、撹拌対象が付着しにくくなる。
【0025】スクレーパ3は、図3〜4に示されるよう
に、第1撹拌羽根2の最外周の側面および下面にハンガ
13を介して、ピン14により揺動自在に取り付けられ
ている。したがって、第1撹拌羽根2が時計方向または
反時計方向のいずれの方向に回転するときでも、スクレ
ーパ3はピン14回りに揺動して第1エッジ3aまたは
第2エッジ3bのいずれかのエッジを確実にタンク1の
内壁に密着させて付着物の掻き取りを効果的に行なうこ
とができる。
【0026】図3〜4に示されるスクレーパ3は、第1
のエッジ3aおよび第2のエッジ3bが、線対称の位置
に配置されているため、スクレーパ3が時計方向または
反時計方向のいずれの方向に回転してもほぼ同等の条件
で付着物を掻き取ることができる。
【0027】さらに、スクレーパ3は、第1エッジ3a
および第2エッジ3bに近づくにつれて先細りになる形
状、たとえば台形断面形状を呈しているため、双方向の
回転について鋭いエッジを向けることができるとともに
スクレーパの剛性も高いという利点がある。
【0028】本実施の形態ではスクレーパ3がループ状
の第1撹拌羽根2の外周面に設けられた例をあげて説明
したが、本発明では撹拌羽根の形状に付いてはとくに限
定するものではなく、イカリ形の撹拌羽根の外周縁に本
発明の双方向掻き取り可能なスクレーパを設けてもよ
い。
【0029】本発明の撹拌装置で撹拌される撹拌対象に
ついては、本発明ではとくに限定するものではないが、
たとえば粘性の高い液体または粘着性を有する粉体な
ど、具体的には化粧品ではコールドクリームやファンデ
ーションなど、医薬品では軟膏や飲み薬用シロップな
ど、または食品ではマヨネーズやねりわさびなどが撹拌
可能である。
【0030】つぎに、実験データに基づいて、本実施の
形態の撹拌装置と従来の撹拌装置との撹拌処理後の撹拌
対象の付着状態を比較する。
【0031】実験データ1 従来の全容量250リットルの撹拌装置に200kgの
製品原料を仕込み、30Pa・sの化粧品クリームを製
造し、第1撹拌羽根およびスクレーパに付着した原料の
重量を測定したところ、全体重量の2%であり、第1撹
拌羽根全体を洗浄するのに1時間程度の時間を必要とし
た。
【0032】一方、本実施の形態における双方向掻き取
り可能なスクレーパ3が取り付けられ、しかも傾斜して
いない第1撹拌羽根2を備えた撹拌装置では、正転およ
び逆転を5分間隔程度で切り換えて同じ仕込み量で製造
したところ、第1撹拌羽根2およびスクレーパ3のいず
れにも化粧品クリームはほとんど付着しておらず、第1
撹拌羽根の洗浄も20分で完了した。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、液体や粘着性を有する
粉体を撹拌する際に正転または逆転のいずれの方向に回
転させてもタンク内壁の付着物を掻き取ることができる
スクレーパを採用したことにより、撹拌羽根およびスク
レーパに付着する付着物が減少し、均一な製品を得るこ
とができる。したがって、製品の品質が安定し、洗浄工
程が簡略化するため、撹拌装置のメンテナンスのコスト
を低減することができ、その結果、化粧品などの液状製
品の製造コストを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撹拌装置の一実施の形態を示す縦断面
説明図である。
【図2】図1の撹拌装置のタンク内部を上から見た図で
ある。
【図3】図1のスクレーパの要部拡大斜視図である。
【図4】図1のスクレーパの揺動を示す平面説明図であ
る。
【図5】従来の撹拌装置の縦断面図である。
【図6】図5の撹拌装置のタンク内部を上から見た図で
ある。
【符号の説明】
1 タンク 2 第1撹拌羽根 3 スクレーパ 5 第2撹拌羽根

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撹拌対象を収容するタンクと、該タンク
    内部の撹拌対象を撹拌するための撹拌羽根と、当該撹拌
    羽根の周端に突設され、前記タンク内壁に付着する撹拌
    対象を掻き取るためのスクレーパとを備えた撹拌装置で
    あって、前記撹拌羽根が、時計方向および反時計方向の
    両方向に回転可能であり、前記スクレーパが、前記撹拌
    羽根が時計方向に回転するときに前記タンク内壁に接触
    する第1のエッジと、前記撹拌羽根が反時計方向に回転
    するときに前記タンク内壁に接触する第2のエッジとを
    有してなる撹拌装置。
  2. 【請求項2】 前記スクレーパが、前記撹拌羽根に揺動
    自在に取り付けられてなる請求項1記載の撹拌装置。
  3. 【請求項3】 前記スクレーパの第1のエッジおよび第
    2のエッジが、線対称の位置に配置されてなる請求項1
    または2記載の撹拌装置。
  4. 【請求項4】 前記スクレーパが、前記第1エッジおよ
    び第2エッジに近づくにつれて先細りになる形状を呈し
    てなる請求項1、2または3記載の撹拌装置。
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