JP2002325341A - ハーネスグロメットおよびハーネスグロメットの取付構造 - Google Patents

ハーネスグロメットおよびハーネスグロメットの取付構造

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JP2002325341A
JP2002325341A JP2001131270A JP2001131270A JP2002325341A JP 2002325341 A JP2002325341 A JP 2002325341A JP 2001131270 A JP2001131270 A JP 2001131270A JP 2001131270 A JP2001131270 A JP 2001131270A JP 2002325341 A JP2002325341 A JP 2002325341A
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grommet
harness
panel
back door
clamp
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Hisanori Sasaki
久典 佐々木
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハーネスグロメットおよびこれの取付構造に
関し、取付作業性の向上ならびに防水性の向上を図る。 【解決手段】 シールエリアSA2が設けられたパネル
9と、シールエリアSA1が設けられたハーネスグロメ
ット1を備え、ハーネスグロメット1は、弾性のグロメ
ット本体2と剛性のグロメット支持体3とから構成さ
れ、且つ、ハーネスグロメット1にクランプ3cとハー
ネス収容部2dが設けられ、パネル9に、ハーネスグロ
メット1に対応した溝部Gと、ハーネスグロメット1の
クランプ3cに対応した取付部9aが設けられ、ハーネ
スグロメット1に設けられたクランプ3cが、パネル9
に設けられた取付部9aに嵌め込まれることで、ハーネ
スグロメット1がパネル9に設けられた溝部Gに組付け
られると共に、パネル9に一様なシールエリアSA1,
SA2が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のバ
ックドアなどの開閉部位に取付けられるハーネスグロメ
ットおよびこれの取付構造に関し、取付作業性に優れる
と共に防水性に優れたハーネスグロメットおよびこれの
取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9〜図11は、従来のバックドアにお
ける配線構造の一形態を示すものである。このバックド
アにおける配線構造は実開昭56−356号公報で開示
されたものと類似のものである。
【0003】具体的に説明すると、自動車のハッチバッ
クタイプのものが示されてあり、自動車のバックドアも
しくはリヤドアが開けられた状態の拡大斜視図が図9〜
図11に示されている。ハッチバックとは、乗用車の後
側に取付けられているはね上げ式の扉、又は、このよう
な扉を備える自動車を指す。ハッチは、床や天井などに
設けられた出入り口や窓、また船舶の昇降口の扉や蓋な
どを指す言葉として広く使われている。
【0004】図9,図10に示されるバックドアの配線
構造を説明すると、このバックドアの配線構造は、後工
程でガラス10が取付けられるバックドアパネル9と、
ボデーパネル11と、このバックドアパネル9を回動自
在に支えるドアヒンジ13と、ルーフパネル11x、リ
ヤピラー11y、閉塞用パネル片11zなどから構成さ
れるボデーパネル11と、ボデーパネル11に取付けら
れたウエザストリップ12と、バックドア用グロメット
51とコネクタ6が取付けられたバックドア用ワイヤハ
ーネス4,4x,4yと、他のコネクタ7が取付けられ
たボデー用ワイヤハーネス5などによって構成されてい
る。リヤピラー11yは、インナパネル11nとアウタ
パネル11mなどが組合わされて枠組体となるように構
成されている。
【0005】まず、ボデーについて説明すると、ボデー
は車体のことを言い自動車において人が乗ったり荷物が
積まれる部分全体を指す。パネルは、羽目板など広い面
をもつ板のことで、具体的に自動車で使われるパネルと
して、外面のアウターパネル、ドア内側のドアパネルな
どが挙げられ、比較的ひろい面積を有する板状のものを
言う。
【0006】乗用車のドアは、一般に外側のアウターパ
ネル(外板)と、内側のインナーパネルを合わせたもの
で、窓ガラスを囲む枠いわゆるサッシもしくはドアフレ
ームが取付けられた構造になっている。このような構造
のドアはサッシドアと呼ばれている。サッシ付きのドア
として、ドアフレームとアウターパネルを一体にプレス
成形して製造されたものもあり、このようなドアは、プ
レスドアまたはフルドアと呼ばれている。
【0007】ピラーは支柱のことでルーフすなわち屋根
を支え車の強度の一部を担ったものである。車を横から
見て前から順にフロントピラー(Aピラー)、センター
ピラー(Bピラー)、リヤピラー(Cピラー)と呼ばれ
ている。リヤピラーはクォーターピラーと呼ばれること
もある。ハードトップ車では、視界を良好にして開放感
が得られるようにするためにセンターピラーが除かれて
いるものもある。
【0008】また、ヒンジは蝶番(ちょうつがい)のこ
とを指し、ドアやボンネットに取付けられ、回動自在な
働きをするものを言う。ヒンジとして、これの回転中心
部が固定されているワンポイントヒンジや、ヒンジがリ
ンク機構部で構成されたリンク式ヒンジなどが挙げられ
る。
【0009】ウエザストリップについて説明すると、ス
トリップはよく知られた日本語になっているが、英語の
「weatherstrip」は、細長いものと言う意味もある。ウ
エザストリップは、車室やトランクルームを密閉させる
もので、外気や音が車外から車内へ入ってこられないよ
うにするために、ドアやトラックリッドの周辺部位に取
付けられているゴム製のパッキンを言う。ウエザストリ
ップが設けられることにより、ドアが閉じられた際のシ
ョックが吸収されたり、自動車の走行中にドアやトラン
クリッドの振動が抑えられると言う効果も期待されるも
のである。
【0010】ワイヤハーネスについて説明すると、ワイ
ヤハーネスは一般に自動車などの電気回路のうち高圧回
路と始動回路以外の配線が束ねられたものを言うが、こ
こでは自動車の組立てラインにおいて電線などの組付け
が簡単にできるようにするために、電線を含む配線類が
まとめられた組配線のものを指す。またコネクタとは、
コネクタハウジングに、ターミナル、電線などの電気接
続用部品が備えられたものであり、電気的接続を目的と
した部品を指す。
【0011】グロメットについて説明すると、グロメッ
トは、車体や部品のケースなどに設けられた貫通部に、
ワイヤハーネス、チューブ、ホース、ケーブルなどの電
線、配線が通された際に、車体や部品のケースなどに設
けられた貫通孔のエッジすなわち角部によって、例えば
電線に傷がついてしまうことや電線が切裂かれて電線内
部の導体が露出されて、電気的なショート、漏電などと
いった不具合が発生してしまうようなことのないよう
に、電線、配線を保護する機能をもつものである。
【0012】また、グロメットは、防水性、防塵性、防
音性などにも貢献されるゴム製の部品であり、このよう
なグロメットは、自動車の車室から車外、車室からエン
ジンルームやトランクルームなどにワイヤハーネスなど
の電線を通すような場合に用いられる。グロメットの種
類として、ジャバラ型グロメット、ツボ型グロメット、
横出し型グロメット、二叉グロメットなどが挙げられ、
大きなものから小さなものまで様々な種類のグロメット
が見られる。
【0013】図9〜図11に示されるようなジャバラ型
グロメット51について説明すると、このものは蛇腹の
形状をしたもので、ワイヤハーネスの伸縮を吸収する働
きを持つものであり、ドアなどの開閉部位で伸縮の動き
があるところに使用されている。
【0014】従来、図9,図10に示されるバックドア
の配線構造を組立てようとした場合、図11の如く、ま
ず、蛇腹部51cが設けられたバックドア用グロメット
51とコネクタ6が、バックドア用ワイヤハーネス4に
取付けられる。次に、インナパネル9nとアウタパネル
9mが組合わされて構成されたバックドアパネル9の貫
通孔9bから、バックドア用ワイヤハーネス4x,4y
がバックドアパネル9内の所定の部位までそれぞれ挿入
される。
【0015】その際に、バックドア用ワイヤハーネス4
x,4yは、バックドアパネル9の貫通孔9bの部位を
分岐点として、バックドアパネル9の横方向を構成する
枠組部9xの内部側とバックドアパネル9の縦方向を構
成する枠組部9yの内部側へ二手に分れるようにして挿
入されてゆく。ワイヤハーネスにおける分岐点とは、複
数の電線や電線束が異なる方向に伸ばされている始点を
言う。
【0016】そして、バックドア用ワイヤハーネス4に
取付けられたジャバラ型グロメット51の一方の取付部
51bが、バックドアパネル9の貫通孔9bに嵌め込ま
れる。次に、コネクタ6が取付けられたバックドア用ワ
イヤハーネス4が、ボテーパネル11の貫通孔11aよ
り挿入され、ジャバラ型グロメット51のもう一方の取
付部51aが、ボデーパネル11の貫通孔11aに嵌め
込まれる。
【0017】一方、コネクタ6に対応しこれの相手側の
コネクタ7が取付けられたボデー用ワイヤハーネス5
が、ボデーパネル11側の縦方向に形成されたリヤピラ
ー11yの内側へ予め準備されている(図11)。
【0018】そして、バックドア用ワイヤハーネス4に
取付けられたコネクタ6と、ボデー用ワイヤハーネス5
に取付けられたコネクタ7を嵌合させることで、ボデー
用ワイヤハーネス5からバックドア用ワイヤハーネス4
にかけて通電可能に接続される。従来は、このようにし
て図9および図10に示される通りのバックドアの配線
構造が組立てられていた。
【0019】従来技術の一例として挙げた前記実開昭5
6−356号公報に類似のものの他に、実開昭55−1
75548号、実開平1−91656号、特開平11−
20573号、特開平11−227545号なども従来
技術として挙げられる。
【0020】実開昭55−175548号公報は、基体
と、この基体に枢着された蓋体との間に架設されるハー
ネス類を挿通させるプロテクタに関し、ハーネス類の屈
曲部分での曲げ変形を阻止するストッパを設け、曲率半
径を大きくしてハーネス類の折損を防止したハーネス類
のプロテクタについて紹介されている。
【0021】実開平1−91656号公報は、車体に対
して回動自在に枢支されたテールゲートの枢支部側に設
けられるハーネスグロメット構造に関し、水密性を確保
した上で、車体とテールゲートとの間隔を狭くすること
ができ、車体の高さ寸法を低くすることもできるハーネ
スグロメット構造に関して紹介されている。
【0022】特開平11―20573号公報は、自動車
などのドア用ワイヤハーネスの取付け構造に関し、詳し
くはドアフレーム内に配装された種々の電装品へ接続さ
れるワイヤハーネスの集束端部を取付具およびグロメッ
トを通して車輌側からドア側板部に配策するワイヤハー
ネスの取付け構造に関して紹介されている。
【0023】特開平11−227545号公報は、自動
車ドア用回路体取付け部の止水構造に関し、特に、自動
車のドアフレームの側板部におけるドア用回路体に対す
る回路体取付け部としてのグロメットとウエザストリッ
プとの止水構造に関するものが紹介されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バックドアにおける配線構造にあっては、これを組立て
るために、バックドア用ワイヤハーネス4x,4yが、
バックドアパネル9の貫通孔9bよりバックドアパネル
9の内部側にそれぞれ挿入される作業や、コネクタ6が
取付けられたバックドア用ワイヤハーネス4が、ボテー
パネル11の貫通孔11aより挿入される作業が必要と
されていたので、組立工程において面倒であり組立作業
に時間を要し効率的でなかった。
【0025】また、バックドア用ワイヤハーネス4に取
付けられたジャバラ型グロメット51の一方の取付部5
1bが、バックドアパネル9の貫通孔9bに嵌め込まれ
る作業や、ジャバラ型グロメット51のもう一方の取付
部51aが、ボデーパネル11の貫通孔11aに嵌め込
まれる作業なども必要とされ、自動車メーカの組立てラ
インいわゆる流れ作業ラインにおいて、ワイヤハーネス
などの組付けに時間がかかると言う問題があった。
【0026】また、ジャバラ型グロメット51は全体が
ゴムで形成されているため、このジャバラ型グロメット
51は柔らかいものであり、組立工程において、ジャバ
ラ型グロメット51が所定の部位に取付けられる際に、
取付作業性が悪いと言うことも懸念されていた。
【0027】本発明は、上記した点に鑑み、例えば自動
車のバックドアなどの開閉部位に取付けられるハーネス
グロメットおよびこれの取付構造に関し、取付作業性が
向上されると共に、防水性に優れたハーネスグロメット
およびこれの取付構造を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載のハーネスグロメットは、弾
性のグロメット本体と剛性のグロメット支持体を備え、
該グロメット本体にハーネス収容部と取付部が設けら
れ、該グロメット本体の該取付部に対応して該グロメッ
ト支持体にクランプが立設され、該グロメット本体の該
ハーネス収容部に該グロメット支持体が取付けられるこ
とで、該グロメット本体の該取付部に該グロメット支持
体の該クランプが嵌め込まれると共に、該グロメット本
体の外部に該クランプが突出されたことを特徴とする。
上記構成により、グロメット本体の外部にクランプが突
出されたハーネスグロメットであるから、このハーネス
グロメットが相手取付部位に組付けられる際に、容易で
迅速に組付けられることとなる。従って、組付作業性に
優れたハーネスグロメットを提供できることとなる。ま
た、弾性のグロメット本体のハーネス収容部に、剛性の
グロメット支持体が取付けられて、ハーネスグロメット
が構成されたものであるから、ハーネスグロメットを相
手取付部位に組付ける際に、ハーネスグロメットは変形
され難いものとなり、取付作業性に優れたハーネスグロ
メットが提供されることとなる。また、弾性のグロメッ
ト本体のハーネス収容部に、剛性のグロメット支持体が
取付けられて、ハーネスグロメットが構成されるもので
あるから、ハーネスグロメットに外力が加えられても、
剛性のグロメット支持体は弾性のグロメット本体に守ら
れて、剛性のグロメット支持体は外力による破損から免
れることとなる。
【0029】また、請求項2記載のハーネスグロメット
は、請求項1記載のハーネスグロメットにおいて、前記
グロメット本体は、一方の壁と、他方の壁と、該一方の
壁と該他方の壁を結ぶ一方の傾斜部と、該一方の壁と該
他方の壁を結ぶ他方の傾斜部とから形成されて、前記ハ
ーネス収容部を備える中空の台形に形成されたことを特
徴とする。また、請求項3記載のハーネスグロメット
は、請求項2記載のハーネスグロメットにおいて、前記
グロメット本体の前記一方の傾斜部から、前記一方の壁
を経て、前記他方の傾斜部に至るまで、シールリップが
少なくとも1つ設けられたことを特徴とする。また、請
求項4記載のハーネスグロメットは、請求項1〜3の何
れか記載のハーネスグロメットにおいて、前記グロメッ
ト本体に設けられた前記取付部の周囲に、環状に形成さ
れ且つ終端部が存在しないシールリップが設けられたこ
とを特徴とする。上記構成により、パネルに設けられた
取付部から、パネルの内部に雨水が浸入されると言うこ
ともなく、雨水に起因した錆などの発生により、パネル
が内部から腐食されてしまうと言った不具合の発生は未
然に防止されることとなる。
【0030】また、本発明の請求項5記載のハーネスグ
ロメットの取付構造は、シールエリアが設けられたパネ
ルと、シールエリアが設けられたハーネスグロメットを
備え、該ハーネスグロメットは、弾性のグロメット本体
と剛性のグロメット支持体とから構成され、且つ、該ハ
ーネスグロメットにクランプとハーネス収容部が設けら
れ、該パネルに、該ハーネスグロメットに対応した溝部
と、該ハーネスグロメットの該クランプに対応した取付
部が設けられ、該ハーネスグロメットに設けられた該ク
ランプが、該パネルに設けられた該取付部に嵌め込まれ
ることで、該ハーネスグロメットが該パネルに設けられ
た該溝部に組付けられると共に、該パネルに一様な該シ
ールエリアが形成されたことを特徴とする。上記構成に
より、ハーネスグロメットをパネルに容易で迅速に取付
けることができ、さらに、ハーネスグロメットがパネル
に組付けられることで、パネルに一様なシールエリアが
形成されたものであるから、部品点数が増やされること
なく、パネルにシールエリアが形成されることとなる。
また、パネルの周辺部位の部品点数が削減化されること
に伴って、パネル周辺部の軽量化が図られるものとな
る。
【0031】また、請求項6記載のハーネスグロメット
の取付構造は、請求項5記載のハーネスグロメットの取
付構造において、前記パネルに形成された一様な前記シ
ールエリアに、他のパネルに取付けられたシール部材が
当接されることで、該パネルと該他のパネルとの間が密
閉されたことを特徴とする。上記構成により、一様なシ
ールエリアが形成されたパネルが、シール部材が取付け
られた他のパネルに向けて閉じられた際に、一様な面の
シールエリアがパネルに形成されてあるから、パネルに
形成された一様な面のシールエリアと、他のパネルに取
付けられたシール部材とが均一に当接されて、両者の密
閉性が確保されることとなる。
【0032】また、請求項7記載のハーネスグロメット
の取付構造は、請求項6記載のハーネスグロメットの取
付構造において、前記パネルとして自動車に取付けられ
るバックドアパネルが用いられ、前記他のパネルとして
自動車を構成するボデーパネルが用いられたことを特徴
とする。上記構成により、従来、自動車の組立作業の際
に、自動車のドアの部分に、電線などの配線類やグロメ
ットをそれぞれ取付けると言った組立作業を行うには、
比較的、手間や時間がかかると言う問題があったが、自
動車を構成するボデーパネルや、この自動車に取付けら
れるバックドアパネルに本発明が採用されると、自動車
の組立作業が容易となり自動車の製造工程の迅速化が図
られることとなる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態に関
する具体例を図面を用いて説明する。前記従来の各物品
と同じ呼び名の部分については、それらに付された符号
と同一の符号が付され、その詳細な説明について省略さ
れている。
【0034】図1は、本発明に係るハーネスグロメット
およびハーネスグロメットの取付構造を示す斜視図であ
る。図2は、同じくハーネスグロメットおよびハーネス
グロメットの取付構造を示す縦断面図である。図3は、
同じくハーネスグロメットおよびハーネスグロメットの
取付構造を示す要部拡大図である。図4は、ハーネスグ
ロメットの組立状態を示す拡大斜視図である。図5は、
他のハーネスグロメットおよびハーネスグロメットの取
付構造を示す要部拡大図である。図6は、他のハーネス
グロメットの組立状態を示す拡大斜視図である。図7
は、ハーネスグロメットの組立状態を示す分解斜視図で
ある。図8は、グロメット支持体を示す拡大図である。
【0035】この明細書における「上下」、「縦横」の
定義は便宜上のものであり、必ずしもハーネスグロメッ
トおよびこれの取付構造の実使用時における方向と一致
するものではない。例えば、ハーネスグロメットとして
ドアハーネスの取付構造の組立工程において、ドアハー
ネスの取付構造はあらゆる角度に向けられて組立てられ
てもよい。本発明の目的が損なわれないのであれば、本
発明のハーネスグロメットおよびこれの取付構造は、い
かなる姿勢で取付けられて使用されても支障はない。
【0036】この明細書で言う電線とは、絶縁被覆体や
エナメル材などで保護された導体や、導体だけで他に被
覆されていない状態のものを含め、これらを総称して指
す。ワイヤハーネスに用いられるケーブルについて簡単
に説明すると、ケーブルは芯線とも呼ばれ、絶縁被覆体
やエナメル材などで保護された1本の導体、絶縁被覆体
やエナメル材などで保護された複数の導体からなる。
【0037】図1〜図6に示されるワイヤハーネス4,
5について詳しく説明する。ワイヤハーネス4,5は自
動車などの電気回路のうち高圧回路と始動回路以外の配
線が束ねられたものを言う場合もあるが、ここでは特に
規定されない。ワイヤハーネスは、これが取付けられる
自動車の種類、形式、グレードなどに応じ、自動車メー
カの組立てラインすなわち流れ作業ラインにおいて電線
などの組付けが簡単にできて便利であるようにするため
に、予め電線メーカで電線などの配線類がまとめられた
組配線のものを言う。自動車用電線はその殆どがハーネ
ス化されている。
【0038】自動車の始動、充電、照明などのための車
内配線用のものは低圧電線と呼ばれ、エンジンの点火装
置に用いられるものは高圧電線と呼ばれている。例え
ば、低圧電線に架橋ポリエチレン製の耐熱電線や架橋ビ
ニル製の耐熱電線が用いられ、高圧電線にゴム絶縁でシ
ース、耐油、耐オゾン性に優れたクロロプレンが用いら
れる。これらの電線は、使用される部位により、常に振
動を受けたり、高温、寒冷、機械油、風雨などに曝され
る。しかし、このような厳しい要求特性の条件下であっ
ても、自動車用電線などの自動車用部品は安定した性能
が維持されるように要求されている。
【0039】ケーブルは、複数の導体と絶縁被覆体とか
ら形成されて芯線を構成するものである。ケーブルなど
の絶縁被覆体の材質として、例えば軟質樹脂、ゴムなど
が挙げられる。ワイヤハーネス4,5などの組電線は、
主に、導体と絶縁被覆体とから構成されるケーブルと、
これを束ねるテープと、コネクタと、グロメットなどを
備え、自動車などに取付けられる際に必要な部位が折曲
げられて使用されるものである。
【0040】そのため導体の材質は、通電性が良好であ
るばかりでなく繰返しの折曲げにも耐えうるように可撓
性を有するものが好ましく、そのような金属線として軟
銅線などの銅系電線などが挙げられる。また、ケーブル
は複数の導体が束ねられると共に適度にねじられて、強
度などに優れた芯線の状態となっている。さらに、細い
サイズが維持されつつ銅線などの金属線からなる導体の
表面の絶縁性をより高くするために、エナメル材の被覆
された導体が、ワイヤハーネス4,5、ケーブルなどの
電線に用いられてもよい。
【0041】そして、導体を保護する絶縁被覆体もま
た、前記で説明したように繰返しの折曲げに耐えうる性
質を有する絶縁材料で形成されることが好ましく、例え
ば可撓性の絶縁材料であることが望ましい。そのような
材質として、例えば、塩化ビニル系ポリマー、ポリエチ
レン系ポリマーなどの熱可塑性樹脂材もしくは軟質樹脂
材、ゴム材、又はこれらの混合材などが挙げられる。ま
た必要に応じて絶縁材料に各種の充填材が添加されてあ
ってもよい。
【0042】これらの絶縁被覆材が例えば押出成形され
る際に、これと共にダイの押出孔の部分に銅線などの前
記導体が通されることにより、絶縁被覆体と導体とが複
合化されて、ケーブル、ワイヤハーネス4,5などの電
線が構成される。
【0043】テープなどにより各ケーブルが束ねられて
構成されたワイヤハーネス4,5は、自動車(図1,図
2)の形状に合せられるようにして必要部位が折曲げら
れて自動車の所定の部位に取付けられる。このようなワ
イヤハーネス4,5により自動車の各部品・装置間の電
気的な接続が為される。なお、必要に応じて他の電気回
路なども合わせて接続できるように、ドレイン線と共に
束ねられた各ケーブルのほかに、さらにダミー線がワイ
ヤハーネス4,5に設けられてあってもよい。
【0044】ワイヤハーネスとして、例えば、フラット
電線からなる回路体、丸導体のリボン電線からなる回路
体、フレキシブルプリント回路体(FPCと略称す
る)、フレキシブルフラット回路体(FFCと略称す
る)などが挙げられる。
【0045】フレキシブルプリント回路体(FPC)
は、絶縁シートに銅箔などの金属箔より形成される複数
の回路導体が印刷されて並設され、この上に保護層が設
けられた可撓性の印刷配線板である。一方、フレキシブ
ルフラット回路体(FFC)は、薄い条材、細い単線ま
たはエナメル線より構成される複数の回路導体が絶縁シ
ートに並設されたものである。このようにワイヤハーネ
スは、複数のケーブルや芯線が束ねられて構成されるも
のであったり、複数の回路導体が並設されているものな
どでもよく、いかなる形態のワイヤハーネスが用いられ
てもよい。
【0046】また、複数のケーブルが束ねられてハーネ
ス化されたもの以外に、例えば電線と光ファイバとが複
合化されてハーネス化されたものであったり、さらに光
ファイバが束ねられて構成されたものであったり、ワイ
ヤハーネスの付加部品であるオプションハーネスや、ウ
ォッシャホース等のホース・チューブ類などと言った線
状体であってもよく、ハーネス化されたものとして、あ
らゆる形態の線状体が採用可能である。
【0047】ハーネスグロメット1,1′について、こ
れの一例であるバックドア用グロメット1,1′を用い
て説明する。図1の如く、グロメット本体2,2′とグ
ロメット支持体3から構成されるバックドア用グロメッ
ト1,1′は、その形状や使用のされ方からバックドア
貫通レスグロメットと呼んでもよい。ハーネスグロメッ
ト1,1′を構成する部品の1つであるグロメット本体
2,2′について説明する。
【0048】まず、図1〜図4,図7に示される形状の
ハーネスグロメット1のグロメット本体2について説明
する。ここで、図7に示されるグロメット本体におい
て、符号2で示されるグロメット本体2は、図1〜図4
に示されるグロメット本体2の部分拡大図であり、グロ
メット本体2は、便宜上、実線で描かれた略台形の第1
の固定部2jと、仮想線で描かれた周壁2mから形成さ
れるハーネス導入筒部2nを含むものとして表現されて
いる。
【0049】図1〜図4の如く、ハーネスグロメット1
のグロメット本体2は、バックドアパネル9に取付けら
れる第1の固定部2jと、ボデーパネル11側の閉塞部
11zすなわち閉塞用パネル片11zに取付けられる第
2の固定部2uと、前記第1の固定部2jから前記第2
の固定部2uまでを結ぶハーネス導入筒部2nより形成
されている。
【0050】グロメット本体2を形成するハーネス導入
筒部2nは、周壁2mが形成されて内部に断面が略楕円
形をしたハーネス収容室2dが設けられたものであり、
略筒状をした細長い形状となっている。ハーネス導入筒
部2nの形状は矩形筒状をしたものであってもよく、良
好にハーネス類が収容されるものであれば、グロメット
本体2のハーネス導入筒部2nや第2の固定部2uの形
状は、いかなる形状であってもよい。
【0051】図3および図4の如く、グロメット本体2
のハーネス収容室2dは、第1の固定部2jとハーネス
導入筒部2nにおいて、異なる形状のハーネス収容室2
dとなっている。このように、グロメット本体2に設け
られたハーネス収容室2dは、第1の固定部2j、ハー
ネス導入筒部2n、第2の固定部2uにおいて形状が異
なるものであるが、グロメット本体2のハーネス収容室
2dは、第1の固定部2jからハーネス導入筒部2nを
介して第2の固定部2uまで、グロメット本体2を貫通
するようにして設けられている。
【0052】グロメット本体2の第1の固定部2jと、
ハーネス導入筒部2nと、第2の固定部2uは一体に成
形されたものであり、一方の開口部2eと他方の開口部
2fと取付孔2g(図4,図7)以外に他の開口部位は
存在しない。このようにして、グロメット本体2の内部
に、第1の固定部2jからハーネス導入筒部2nを経て
第2の固定部2uに至るまで、貫通して形成された略ト
ンネル状のハーネス収容室2dが設けられている。グロ
メット本体2は軟質の材料からなる弾性中空体である。
そして、図3および図4の如く、一方の開口部2eから
他方の開口部2fにかけて貫通された収容室2d内に、
バックドア用ワイヤハーネス4,4x,4yが挿通され
る。
【0053】図3および図4の如く、グロメット本体2
の第2の固定部2uは、略フランジ形をした第1の取付
部2rと、この第1の取付部2rよりも小径の第2の取
付部2sと、前記第1の固定部2rと前記第2の固定部
2sとの間に設けられた取付溝2tから形成されたもの
である。
【0054】図1および図2の如く、閉塞用パネル片1
1zに貫通して設けられた取付孔に、グロメット本体2
の第2の固定部2u(図2)が取付けられる。グロメッ
ト本体2の第2の固定部2uに対応して設けられたボデ
ーパネル11を構成する閉塞パネル片11zの取付孔の
内径寸法は、グロメット本体2の第2の固定部2uに設
けられた第1の取付部2rの外径寸法、第2の取付部2
sの外径寸法、取付溝2tの内周径寸法の何れの寸法よ
りも小さい寸法に設定されている。また、ボデーパネル
11を構成する閉塞パネル片11zの厚さ寸法は、グロ
メット本体2の第2の固定部2uに設けられた第1の取
付部2rと第2の取付部2sとの間に形成されている取
付溝2tの幅寸法よりも、大きい寸法に設定されてい
る。
【0055】前述したように各寸法が設定されて、ボデ
ーパネル11の閉塞用パネル片11zに、ハーネスグロ
メット1のグロメット本体2を形成する第2の固定部2
uが取付けられると、グロメット本体2の第2の固定部
2uにゴム弾性による緊迫力が発現されて、ハーネスグ
ロメット1のグロメット本体2とボデーパネル11の閉
塞用パネル片11zとの間は良好に密封される。
【0056】このようにすれば、ボデーパネル11の閉
塞用パネル片11zに設けられた取付孔から、ボデーパ
ネル11の内部に雨水などの異物が浸入されると言う心
配もなく、雨水などによる錆の発生に起因して、鋼板製
のボデーパネル11が内部から腐食されてしまうと言っ
た不具合の発生を未然に防止することができる。
【0057】一方、図7に示されるグロメット本体の符
号2′で示されるグロメット本体2′は、図5および図
6に示されるグロメット本体2′を示したものであり、
グロメット本体2′は、便宜上、実線で描かれた略台形
の部位のみを指すものである。図5および図6に示され
るグロメット本体2′は、図3および図4に示されるグ
ロメット本体2の第1の固定部2jに相当する部分のも
のである。ここでは、便宜上、図7に示される略台形を
し且つ実線だけで示されるグロメット本体2′を固定部
2jと呼称もする。
【0058】図5および図6の如く、略台形をした収容
室2d′内に、バックドア用ワイヤハーネス4,4x,
4yが挿通される。そのため、グロメット本体2′は、
一方の開口部2eと他方の開口部2f′との2つの台形
をした開口部2e,2f′を備え、グロメット本体2′
の収容室2d′は、略台形をし且つ貫通されたトンネル
状に形成されている。
【0059】また、図7の如く、固定部2jは、一方の
壁2bと他方の壁2cと、この2つの壁2b,2cを結
ぶ一対の傾斜部2a,2a′すなわち一対の傾斜壁2
a,2a′から形成され、略台形をした軟質の材料から
なる弾性中空体となっている。略台形をした固定部2j
の内部に、この固定部2jの外側形状に相似した略台形
の収容室2d′が設けられている。
【0060】グロメット本体2,2′は、ニトリル系ゴ
ム(NBRと略称する)等の合成ゴム等により形成さ
れ、グロメット本体2,2′の収容室2d,2d′内に
取付けられるグロメット支持体3の材料よりも軟質な材
料で形成されている。ニトリル系ゴムは優れたゴム弾性
を備えると共に価格の点で有利なゴム材である。
【0061】図4,図6,図7の如く、グロメット本体
2,2′を形成する固定部2jに設けられた一対の傾斜
部2a,2a′のうち、一方の傾斜部2aの鋭角をした
端部から、取付孔2gが設けられた壁2bを経て、他方
の傾斜部2a′の鋭角をした端部に至るまで、グロメッ
ト本体2,2′を形成する固定部2jの外側の面に、シ
ールリップ2hすなわちグロメットリップが、途切れる
ことなく連続して複数ほど設けられている。
【0062】また、図7の如く、グロメット本体2,
2′を形成する固定部2jの表面に設けられた一対のシ
ールリップ2hのうち、一方のシールリップ2hから他
方のシールリップ2hにかけて、円環形状をし終端部の
存在しない他のシールリップ2iが、前記一対のシール
リップ2hと一体となるようにして設けられている。
【0063】前記円環形状をしたシールリップ2iは、
グロメット本体2,2′を形成する固定部2jの一方の
壁2bの略中央部に設けられた取付孔2gすなわち貫通
孔2gの開口部の形状に対応して設けられている。この
円環形状をしたシールリップ2iは、略真円形状をし終
端部が存在しない環状のリップであり、グロメット本体
2,2′を形成する一方の壁2bの略中央部に設けられ
た取付孔2gの開口部の周縁近傍に設けられている。
【0064】このような部位に略真円形状をし終端部が
存在しない環状のシールリップ2iが形成されると、図
3または図5に示されるバックドア用グロメット1,
1′がバックドアパネル9に取付けられて、図1に示さ
れるような組付け状態となった際に、図3または図5に
示されるバックドアパネル9に形成された溝部Gの溝底
部Gbに設けられた貫通孔9aから、雨水が浸入される
と言うことがなくなる。
【0065】バックドアパネル9に形成された溝部Gの
溝底部Gbに設けられた貫通孔9aから、バックドアパ
ネル9の内部に雨水が浸入されると、鋼板製のバックド
アパネル9内に入り込んだ雨水などの異物が長期間の亘
ってバックドアパネル9内に留まることが考えられる。
そして、このような状態となると鋼板製のバックドアパ
ネル9に錆が発生され、これによってバックドアパネル
9が内部から腐食されてしまうといった不具合発生の心
配もあった。
【0066】しかし、バックドア用グロメット1,1′
を構成するグロメット本体2,2′の一方の壁2bの略
中央部に設けられた取付孔2gの開口部の形状に対応し
て、前記真円形状をし終端部が存在しない環状のシール
リップ2iが形成されてあれば、バックドアパネル9に
形成された溝部Gの溝底部Gbに設けられた貫通孔9a
から、バックドアパネル9の内部に雨水などの異物が浸
入されると言うこともなく、雨水などによる錆の発生に
起因して、鋼板製のバックドアパネル9が内部から腐食
されてしまうと言った不具合の発生を未然に防止するこ
とができる。
【0067】次にハーネスグロメット1,1′を構成す
るもう一つの部品であるグロメット支持体3について説
明する。図7および図8の如く、グロメット支持体3
は、略矩形板状をした基部3bと、この基部3bの両側
に設けられた一対の傾斜部3a,3a′いわゆるテーパ
部3a,3a′と、略矩形板状をした基部3bの略中央
部に立設されたクランプ3cを備えたものである。
【0068】クランプについて説明すると、ここでは、
ワイヤハーネスが自動車に取付けられるために用いられ
る部品を指し、孔差込み、ボルト締め、ブラケット差込
み、フランジ差込みなどの各種の形式のものが挙げられ
る。クランプはクリップとも呼ばれている。
【0069】バックドア用グロメット1,1′に構成さ
れるクランプ3cの形状について、図8を用いて詳しく
説明する。グロメット支持体3の基部3b上に立設され
たクランプ3cは、平板形状をした基部3bの平面部分
から略垂直に伸ばされるようにして設けられている。そ
して前記クランプ3cは、平板形状をした基部3b近傍
部の根元部3dと、クランプ3cが相手係合孔へ取付け
られて係止される際に重要な働きをする傘部3fと、前
記根元部3dから前記傘部3fまでを結ぶ支持部3eを
備えている。
【0070】クランプ3cに形成された傘部3fについ
て詳しく説明すると、この傘部3fは、緩やかな曲面部
位を形成する先端部3jと、緩やかな曲面形状をした一
対の傾斜面3iを備える傾斜部3iすなわち係止羽根3
iと、このクランプ3cが相手係合孔へ取付けられた際
に、相手係合孔からクランプ3cが容易に抜出されずに
確実に係止されるための係止部3hと、この係止部3h
から基部3bに向けて設けられ、且つクランプ3cが相
手係合孔から容易に抜出されないための働きをする固定
用突部3gとから形成されている。
【0071】係止部3hすなわち係止面3hは、平板形
状をした基部3bの平面部分に略平行な面で形成されて
いる。また固定用突部3gすなわち固定用突起3gは、
この係止面3hに対して略垂直に平板形状をした基部3
bの平面部分に向けて突出されている。
【0072】グロメット支持体3は、折曲げ成形可能な
薄肉鋼板や、射出成形が可能な合成樹脂で、且つ、熱可
塑性的な性質を有する合成樹脂などにより形成され、前
記グロメット本体2,2′の材料よりも剛性を有し、且
つ、硬質な材料で形成されている。
【0073】例えば、薄肉鋼板に折曲げ加工が施され
て、グロメット支持体3の基部3bおよび一対の傾斜部
3a,3a′が形成され、略矩形板状をした基部3bの
略中心部分にクランプ3cが取付けられる貫通孔が設け
られ、この貫通孔に合成樹脂で形成されたクランプ3c
が圧入されると共に嵌合されることによって固定され、
これにより、基部3bおよび一対の傾斜部3a,3a′
と、クランプ3cを備えるグロメット支持体3が構成さ
れてもよい。
【0074】また、所定の射出成形用金型のキャビティ
内に、グロメット支持体3を構成する基部3bおよび一
対の傾斜部3a,3a′から形成される鋼板部材がセッ
トされ、その後、射出成形が可能な熱可塑性合成樹脂が
所定の射出成形用金型のキャビティ内に注入されて、グ
ロメット支持体3を構成する略矩形板状をした基部3b
の略中心部分に設けられた貫通孔から、前記合成樹脂製
のクランプ3cが立設されるようにインサート成形され
てもよい。
【0075】また、基部3bと一対の傾斜部3a,3
a′とクランプ3cの部分から形成されるグロメット支
持体3全体が、一種類の射出成形が可能な合成樹脂であ
り、また、一種類の熱可塑性的な性質を有する合成樹脂
で形成されると、部品点数が減らされ、これに伴って各
部品の管理にかけられる手間や工数が削減され、結果と
して価格の低減化が図られることになり好ましい。
【0076】このような射出成形が可能な合成樹脂であ
り、また、熱可塑性的な性質を有する合成樹脂として、
例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBTと略
称する)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂
(ABSと略称する)、ポリアミド樹脂(PAと略称す
る)、ポリプロピレン樹脂(PPと略称する)などが挙
げられ、また、ホットメルト材が用いられてもよく、さ
らに必要に応じて合成樹脂に各種の充填材が添加されて
あってもよい。
【0077】本発明の実施の形態で用いられるグロメッ
ト支持体3は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PB
T)から形成され、寸法安定性、強度の安定性、電気的
特性などの点で優れている。ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂(PBT)として、例えばPBT−H01などが
挙げられる。また前記PBTのほかに、ポリアミド系の
ホットメルト材が用いられて、グロメット支持体3の射
出成形、モールド成形が行われた。
【0078】図7の如く、本発明の一実施形態のバック
ドア用グロメット1,1′は、弾性のグロメット本体
2,2′と剛性のグロメット支持体3とを備えるもので
ある。グロメット本体2,2′にハーネス収容室2d,
2d′と取付孔2gが設けられている。また、グロメッ
ト本体2,2′の取付孔2gに対応して、グロメット支
持体3にクランプ3cが立設されている。
【0079】そして、グロメット本体2,2′のハーネ
ス収容室2d,2d′にグロメット支持体3が取付けら
れることで、グロメット本体2,2′の取付孔2gにグ
ロメット支持体3のクランプ3cが嵌め込まれると共
に、グロメット本体2,2′の外部にクランプ3cが突
出される(図4,図6)。
【0080】このようにすれば、グロメット本体2,
2′の外部にクランプ3cが突出されたバックドア用グ
ロメット1,1′であるから、このバックドア用グロメ
ット1,1′がバックドアパネル9(図3,図5)に組
付けられる際に、容易で迅速に組付けられることとな
る。
【0081】従って、組付作業性に優れたバックドア用
グロメット1,1′を自動車メーカに提供することがで
きる。また、弾性のグロメット本体2,2′のハーネス
収容室2d,2d′に、剛性のグロメット支持体3が取
付けられて、バックドア用グロメット1,1′が構成さ
れたものであるから、バックドア用グロメット1,1′
をバックドアパネル9に組付ける際に、バックドア用グ
ロメット1,1′は変形され難いものとなり、取付作業
性に優れたバックドア用グロメット1,1′を自動車メ
ーカに提供することができる。
【0082】また、弾性のグロメット本体2,2′のハ
ーネス収容室2d,2d′に、剛性のグロメット支持体
3が取付けられて、バックドア用グロメット1,1′が
構成されるものであるから、バックドア用グロメット
1,1′に外力が加えられても、剛性のグロメット支持
体3は弾性のグロメット本体2,2′に守られて、剛性
のグロメット支持体3は外力による破損から免れる。
【0083】詳しく説明すると、図7の如く、グロメッ
ト本体2,2′の開口部2eからグロメット支持体3が
グロメット本体2,2′の収容室2d,2d′内に挿入
され、このようにしてグロメット本体2,2′にグロメ
ット支持体3が取付けられる。その際に、グロメット本
体2,2′はゴムなどの軟質な材料で形成されているの
で、グロメット本体2,2′が適度に弾性変形されなが
ら、硬質な材料で形成されたグロメット支持体3がグロ
メット本体2,2′の収容室2d,2d′内に挿入され
る。また、グロメット支持体3のクランブ3cがグロメ
ット本体2,2′の取付孔2gに挿通され、このように
して図4または図6に示されるバックドア用グロメット
1,1′が構成される。
【0084】図7の如く、グロメット支持体3を形成す
る基部3bの略中央に立設されたクランプ3cに対応し
て、グロメット本体2,2′を形成する一方の壁2bの
略中央部に取付孔2gすなわち貫通孔2gが設けられて
いる。そしてグロメット本体2,2′の収容室2d,2
d′内にグロメット支持体3を取付けることにより、図
4または図6に示される通りのバックドア用グロメット
1,1′が組立てられると共に、バックドア用グロメッ
ト1,1′にクランプ3cが設けられる。
【0085】このようにして、図3〜図6に示される通
りのグロメット本体2,2′にグロメット支持体3が取
付けられて構成されるバックドア用グロメット1,1′
が、図3または図5に示されるバックドアパネル9に容
易で迅速に取付けられるようにするために、前述で図4
または図6と共に説明したように、バックドア用グロメ
ット1,1′の一方の壁2bの略中央部にクランプ3c
が設けられている。
【0086】また、図4,図6,図7の如く、バックド
ア用グロメット1,1′を構成するグロメット本体2,
2′の固定部2j(第1の固定部2j)は、一方の壁2
bと、他方の壁2cと、一方の壁2bと他方の壁2cを
結ぶ一方の傾斜壁2aと、一方の壁2bと他方の壁2c
を結ぶ他方の傾斜壁2a′とから形成されて、ハーネス
収容室2d,2d′を備える中空の台形に形成されてい
る。
【0087】さらに、バックドア用グロメット1,1′
を構成するグロメット本体2,2′の一方の傾斜壁2a
から、一方の壁2bを経て、他方の傾斜壁2a′に至る
まで、バックドアパネル9の溝部G(図3,図5)に密
着される一対のシールリップ2hが設けられている。ま
た、さらにグロメット本体2,2′に設けられた取付孔
2gは、貫通形状をした取付孔2gであり、この取付孔
2gすなわち貫通孔2gの開口部の周囲に、環状に形成
され且つ終端部が存在しないシールリップ2i(図7)
が設けられている。前述した各シールリップ2h,2i
は、一部が互いに併用されて形成されたものである。
【0088】このようにすれば、バックドアパネル9に
設けられた貫通孔9a(図3,図5)から、バックドア
パネル9の内部に雨水が浸入されると言うこともなく、
雨水に起因した錆などの発生により、バックドアパネル
9が内部から腐食されてしまうと言った不具合の発生を
未然に防止することができる。
【0089】図1および図2の如く、ルーフパネル11
xと、リヤピラー11yと、閉塞用パネル片11zなど
から構成されるボデーパネル11に対し、バックドアパ
ネル9がドアヒンジ13を介して開閉自在に動かせるこ
とに関連して、図3〜図6に示されるバックドア用グロ
メット1,1′を構成するグロメット本体2,2′のハ
ーネス収容室2d,2d′内に引き通されたバックドア
用ワイヤハーネス4,4x,4yは、グロメット本体
2,2のハーネス収容室2d,2d′内で可動自在なよ
うに配策されていてもよい。
【0090】すなわち、バックドア用ワイヤハーネス
4,4x,4yは、バックドア用グロメット1,1′に
係止されたり固定されることなく、単に、バックドア用
グロメット1,1′を構成するグロメット本体2,2′
のハーネス収容室2d,2d′内に引き通された状態と
なるようにしてもよい。
【0091】このようにすれば、バックドアパネル9が
ボデーパネル11に対して開かれたり閉じられたりする
際に、バックドア用ワイヤハーネス4,4x,4yに無
理な力が加わらないこととなり、バックドア用ワイヤハ
ーネス4,4x,4yは長期に亘って折損されることも
ないものと期待される。
【0092】一方、バックドア用グロメット1,1′の
密封性を重視するのであれば、図3〜図6に示されるバ
ックドア用グロメット1,1′のハーネス収容室2d,
2d′内に、例えばポッティング処理Pを施して、ハー
ネス収容室2d,2d′内に引き通されたワイヤハーネ
ス4,4x,4yを伝わって、雨水などが車内へ浸入さ
れないようにすればよい。
【0093】このように、バックドア用グロメット1,
1′のハーネス収容室2d,2d′内にポッティング処
理Pが施されて、ハーネス収容室2d,2d′内を密封
すれば、ハーネスグロメット1′の防水性はより向上さ
れたものとなる。ポッティング処理Pについて簡単に説
明すると、エポキシ系重合体などの軟質系ゴムもしくは
軟質系樹脂を所定の部位に流し込んで密封させる処理を
言う。ワイヤハーネス4,4x,4yが挿入されたハー
ネスグロメット1′の収容室2d,2d′内に、エポキ
シ系重合体などの軟質系ゴムもしくは軟質系樹脂が流し
込まれ、これによりハーネスグロメット1′の内部は確
実に密封される。
【0094】図1および図2に示される第1の固定部2
jとハーネス導入筒部2nと第2の固定部2uから形成
されたグロメット本体2を備えるハーネスグロメット1
に置換えて、図5および図6に示される形態の上記ハー
ネスグロメット1′が用いられた場合、図1および図2
に示される符号2jの部位やこれの周辺部に、ゴム栓な
どの封止部材が併用して取付けられると、バックドアに
取付けられたワイヤハーネス4の周辺に関する防水性が
より向上されることとなる。
【0095】図1の如く、バックドア用ワイヤハーネス
4x,4yは、インナパネル9nとアウタパネル9mと
が組合わされて構成されるバックドアパネル9に取付け
られる。バックドア用ワイヤハーネス4x,4yは、バ
ックドアパネル9のガラス10が取付けられる端部の周
辺近傍部の表面に取付けられる。
【0096】詳しく説明すると、バックドア用ワイヤハ
ーネス4xは、パックドアパネル9のインナパネル9n
とバックドア用ガラス10の境界部近傍の横向きに形成
された枠組部9xに沿うようにして、バックドアパネル
9を構成するインナパネル9nの枠組部9xに取付けら
れる。
【0097】一方、バックドア用ワイヤハーネス4y
は、パックドアパネル9のインナパネル9nとバックド
ア用ガラス10の境界部近傍の縦向きに形成された枠組
部9yに沿うようにして、バックドアパネル9を構成す
るインナパネル9nの枠組部9yに取付けられる。
【0098】また、図4または図6に示されるバックド
ア用グロメット1,1′のグロメット支持体3に設けら
れたクランプ3cが、図3または図5の如く、バックド
アパネル9の溝部Gに設けられた貫通孔9aに完全に差
込まれる。このようにして、バックドア用グロメット
1,1′がバックドアパネル9に取付けられる。
【0099】図1〜図6の如く、バックドア用グロメッ
ト1,1′の近傍部よりバックドア用ワイヤハーネス4
が分岐されている。バックドア用ワイヤハーネス4の分
岐点は、バックドア用グロメット1,1′の収容室2
d,2d′を含むこれの近傍部に位置し、ここよりバッ
クドア用ワイヤハーネス4x,4yは二手に分れて延長
されている。コネクタ6が取付けられたバックドア用ワ
イヤハーネス4が、バックドア用グロメット1,1′の
一方の開口部2eから収容室2d,2d′を介して他方
の開口部2f,2f′を経て引き通されている。
【0100】一方、コネクタ7が取付けられたボデー用
ワイヤハーネス5が、ボデーパネル11側のインナパネ
ル11nとアウタパネル11mからなるリヤピラー11
yの内側へ取付けられる(図1)。そして、バックドア
用ワイヤハーネス4に取付けられたコネクタ6と、ボデ
ー用ワイヤハーネス5に取付けられたコネクタ7とが嵌
合されて、通電可能に接続される。
【0101】図3〜図6に示されるハーネスグロメット
1,1′が、図3または図5に示されるバックドアパネ
ル9に取付けられて、バックドアパネル9内の防水性が
確保されると共に、バックドアパネル9にウエザストリ
ップ12(図1)に対応したシールエリアSA1,SA
2(図1)が形成される様子について説明する。
【0102】図1〜図3,図5の如く、本発明のバック
ドア用グロメット1,1′の取付構造の一実施形態は、
シールエリアSA2が設けられたバックドアパネル9
と、シールエリアSA1が設けられたバックドア用グロ
メット1,1′とを備えるものである。
【0103】図3〜図7の如く、バックドア用グロメッ
ト1,1′は、弾性のグロメット本体2,2′と剛性の
グロメット支持体3とから構成され、且つ、バックドア
用グロメット1,1′にクランプ3cとハーネス収容室
2d,2d′が設けられたものである。また、図3また
は図5の如く、バックドアパネル9に、バックドア用グ
ロメット1,1′に対応した溝部Gと、バックドア用グ
ロメット1,1′のクランプ3cに対応した貫通孔9a
が設けられている。
【0104】そして、図1〜図3,図5の如く、バック
ドア用グロメット1,1′に設けられたクランプ3c
が、バックドアパネル9に設けられた貫通孔9aに嵌め
込まれることで、バックドア用グロメット1,1′がバ
ックドアパネル9に設けられた溝部Gに組付けられると
共に、バックドアパネル9に一様なウエザストリップ用
シールエリアSA1,SA2(図1)が形成される。
【0105】このようにすれば、バックドア用グロメッ
ト1,1′をバックドアパネル9に容易で迅速に取付け
ることができ、さらに、バックドア用グロメット1,
1′がバックドアパネル9に組付けられることで、バッ
クドアパネル9に一様なウエザストリップ用シールエリ
アSA1,SA2が形成されるものであるから、部品点
数を増やすことなく、バックドアパネル9にウエザスト
リップ用シールエリアSA1,SA2を形成させること
が可能となる。また、バックドアパネル9の周辺部位の
部品点数が削減化されることに伴って、バックドアパネ
ル9周辺部の軽量化が図られるものとなる。
【0106】詳しく説明すると、グロメット本体2,
2′とグロメット支持体3から構成されるバックドア用
グロメット1,1′が、バックドアパネル9の溝部Gに
嵌め込まれて、バックドア用グロメット1,1′の嵌合
面と溝部Gの嵌合面が接触される。このようにしてハー
ネスグロメット1,1′がバックドアパネル9に取付け
られる。すると、図4,図6,図7に示されるグロメッ
ト本体2,2′を形成する一対の傾斜部2a,2a′す
なわちテーパ部2a,2a′の外面部と一方の壁2bの
外面部が、図3または図5に示されるバックドア9に設
けられた溝部Gの一対の傾斜部Ga,Ga′と溝底部G
bに押し当てられる。このようにしてバックドアパネル
9とバックドア用グロメット1,1′との間に防水性が
確保される。
【0107】図4,図6,図7に示される一対のシール
リップ2h、すなわち、グロメット本体2,2′を形成
する一対の傾斜部2a,2a′の外面部と一方の壁2b
の外面部に設けられた一対のシールリップ2hが、図3
または図5に示されるバックドアパネル9の溝部Gを形
成する一対の傾斜部Ga,Ga′の表面と溝底部Gbの
表面に押し付けられる。これにより、図4,図6,図7
に示されるグロメット本体2,2′の表側の面に形成さ
れた一対のシールリップ2hが適度に変形され、このよ
うにしてバックドアパネル9とバックドア用グロメット
1,1′との間に防水性が確保される。
【0108】図3または図5の如く、グロメット本体
2,2′を形成する他方の壁2cの表側の面は一様な滑
らかな平面形状となっており、このようにして、バック
ドア用グロメット1,1′を構成するグロメット本体
2,2′に、ウエザストリップ12(図1)に対応する
シールエリアSA1が形成されている。
【0109】そして、図3または図5に示されるバック
ドア用グロメット1,1′がバックドアパネル9に取付
けられることにより、バックドア用グロメット1,1′
を構成するグロメット本体2,2′の他方の壁2cの表
側の面に形成されたシールエリアSA1と、バックドア
パネル9の所定の部位の表面に設けられたシールエリア
SA2が略一致されて、バックドアパネル9の所定の部
位に、ウエザストリップ12に対応したシールエリアS
A1,SA2が形成される。
【0110】このようにすれば、バックドアパネル9に
形成されたシールエリアSA1,SA2は、略一様な平
面となるので、図1および図2に示されるバックドアが
閉じられた際に、バックドアパネル9に形成された略一
様な平面のシールエリアSA1,SA2と、ボデーパネ
ル11に取付けられたウエザストリップ12のシール面
とが均一に当接されて防水性が確保される。
【0111】すなわち、図1および図2の如く、バック
ドアパネル9に形成された一様なウエザストリップ用シ
ールエリアSA1,SA2に、ボデーパネル11に取付
けられたウエザストリップ12が当接されることで、バ
ックドアパネル9とボデーパネル11との間が密閉され
る。
【0112】このようにして、一様なウエザストリップ
用シールエリアSA1,SA2が形成されたバックドア
パネル9が、ウエザストリップ12が取付けられたボデ
ーパネル11に向けて閉じられた際に、一様な面のウエ
ザストリップ用シールエリアSA1,SA2がバックド
アパネル9に形成されてあるから、バックドアパネル9
に形成された一様な面のウエザストリップ用シールエリ
アSA1,SA2と、ボデーパネル11に取付けられた
ウエザストリップ12とが均一に当接されて、両者の密
閉性が確保されることとなる。
【0113】本発明のハーネスグロメットおよびこれの
取付構造のものは、上述した乗用車のハッチバック式の
ドアに限らず、フロントドア、リアドア、トランクルー
ムに対応したトランクカバー、エンジンルームに対応し
たボンネットもしくはフードなど、自動車の各開閉部位
に適用させることができ、また、自動車以外のあらゆる
開閉部位にも応用して展開させることができるものであ
る。
【0114】しかし、本発明のハーネスグロメット1,
1′の取付構造として、これを自動車のバックドアを含
むこれの周辺に適用させることが好ましい。すなわち、
前記パネル9として自動車に取付けられるバックドアパ
ネル9が用いられ、前記他のパネル11として自動車を
構成するボデーパネル11が用いられると、自動車の組
立工程において、組付け作業性が向上されることとな
る。
【0115】従来、自動車の組立作業の際に、自動車の
ドアの部分に、電線などの配線類やグロメットをそれぞ
れ取付けると言った組立作業を行うには、比較的、手間
や時間がかかると言う問題があった。しかし、自動車を
構成するボデーパネル11や、この自動車に取付けられ
るバックドアパネル9に本発明が採用されると、自動車
の組立作業が容易となり自動車の製造工程の迅速化を図
ることが可能となる。また、組立工程が迅速化されるこ
とにより、人件費、管理費などが削減され、結果として
自動車の価格の低減化を図ることも可能となる。
【0116】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、グロメット本体の外部にクランプが突出されたハー
ネスグロメットであるから、このハーネスグロメットが
相手取付部位に組付けられる際に、容易で迅速に組付け
られることとなる。従って、組付作業性に優れたハーネ
スグロメットを提供することができる。また、弾性のグ
ロメット本体のハーネス収容部に、剛性のグロメット支
持体が取付けられて、ハーネスグロメットが構成された
ものであるから、ハーネスグロメットを相手取付部位に
組付ける際に、ハーネスグロメットは変形され難いもの
となり、取付作業性に優れたハーネスグロメットを提供
することができる。また、弾性のグロメット本体のハー
ネス収容部に、剛性のグロメット支持体が取付けられ
て、ハーネスグロメットが構成されるものであるから、
ハーネスグロメットに外力が加えられても、剛性のグロ
メット支持体は弾性のグロメット本体に守られて、剛性
のグロメット支持体は外力による破損から免れる。
【0117】また、請求項2〜4の何れか記載の発明に
よれば、パネルに設けられた取付部から、パネルの内部
に雨水が浸入されると言うこともなく、雨水に起因した
錆などの発生により、パネルが内部から腐食されてしま
うと言った不具合の発生を未然に防止することができ
る。
【0118】また、請求項5記載の発明によれば、ハー
ネスグロメットをパネルに容易で迅速に取付けることが
でき、さらに、ハーネスグロメットがパネルに組付けら
れることで、パネルに一様なシールエリアが形成された
ものであるから、部品点数を増やすことなく、パネルに
シールエリアを形成させることが可能となる。また、パ
ネルの周辺部位の部品点数が削減化されることに伴っ
て、パネル周辺部の軽量化を図ることができる。
【0119】また、請求項6記載の発明によれば、一様
なシールエリアが形成されたパネルが、シール部材が取
付けられた他のパネルに向けて閉じられた際に、一様な
面のシールエリアがパネルに形成されてあるから、パネ
ルに形成された一様な面のシールエリアと、他のパネル
に取付けられたシール部材とが均一に当接されて、両者
の密閉性は確保される。
【0120】また、請求項7記載の発明によれば、従
来、自動車の組立作業の際に、自動車のドアの部分に、
電線などの配線類やグロメットをそれぞれ取付けると言
った組立作業を行うには、比較的、手間や時間がかかる
と言う問題があったが、自動車を構成するボデーパネル
や、この自動車に取付けられるバックドアパネルに本発
明が採用されると、自動車の組立作業が容易となり自動
車の製造工程の迅速化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハーネスグロメットおよびハーネ
スグロメットの取付構造を示す斜視図である。
【図2】同じくハーネスグロメットおよびハーネスグロ
メットの取付構造を示す縦断面図である。
【図3】同じくハーネスグロメットおよびハーネスグロ
メットの取付構造を示す要部拡大図である。
【図4】ハーネスグロメットの組立状態を示す拡大斜視
図である。
【図5】他のハーネスグロメットおよびハーネスグロメ
ットの取付構造を示す要部拡大図である。
【図6】他のハーネスグロメットの組立状態を示す拡大
斜視図である。
【図7】ハーネスグロメットの組立状態を示す分解斜視
図である。
【図8】グロメット支持体を示す拡大図である。
【図9】従来のバックドアの配線構造を示す斜視図であ
る。
【図10】同じく従来のバックドアの配線構造を示す拡
大説明図である。
【図11】同じく従来のバックドアの配線構造を示す分
解斜視図である。
【符号の説明】
1,1′ ハーネスグロメット(バックドア用グ
ロメット) 2,2′ グロメット本体 2a 傾斜部(一方の傾斜部、傾斜壁、テー
パ部) 2a′ 傾斜部(他方の傾斜部、傾斜壁、テー
パ部) 2b 一方の壁(壁) 2c 他方の壁(壁) 2d,2d′ ハーネス収容部(収容室、ハーネス収
容室) 2e 開口部(一方の開口部) 2f,2f′ 開口部(他方の開口部) 2g 取付部(取付孔、貫通孔) 2h,2i シールリップ 2j 固定部(第1の固定部) 2m 周壁 2n ハーネス導入筒部 2u 第2の固定部 2r 第1の取付部 2s 第2の取付部 2t 取付溝 3 グロメット支持体 3a,3a′ 傾斜部(テーパ部) 3b 基部 3c クランプ 3d 根元部 3e 支持部 3f 傘部 3g 固定用突起(固定用突部) 3h 係止部(係止面) 3i 傾斜部(傾斜面、係止羽根) 3j 先端部 4,4x,4y ワイヤハーネス(バックドア用ワイヤ
ハーネス) 5 ワイヤハーネス(ボデー用ワイヤハー
ネス) 6,7 コネクタ 9 パネル(バックドアパネル) 9a 取付部(貫通孔) 9b 貫通孔 9m アウタパネル 9n インナパネル 9x,9y 枠組部 10 ガラス(バックドア用ガラス) 11 他のパネル(ボデーパネル) 11a 貫通孔 11m アウタパネル 11n インナパネル 11x ルーフパネル 11y リヤピラー 11z 閉塞部(閉塞用パネル片) 12 シール部材(ウエザストリップ) 13 ドアヒンジ 51 バックドア用グロメット(ジャバラ型
グロメット) 51a,51b 取付部 51c 蛇腹部 G 溝部 Ga,Ga′ 傾斜部 Gb 溝底部 P ポッティング処理 SA1,SA2 シールエリア(ウエザストリップ用シ
ールエリア)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02G 3/38 F16L 5/02 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性のグロメット本体と剛性のグロメッ
    ト支持体を備え、該グロメット本体にハーネス収容部と
    取付部が設けられ、該グロメット本体の該取付部に対応
    して該グロメット支持体にクランプが立設され、該グロ
    メット本体の該ハーネス収容部に該グロメット支持体が
    取付けられることで、該グロメット本体の該取付部に該
    グロメット支持体の該クランプが嵌め込まれると共に、
    該グロメット本体の外部に該クランプが突出されたこと
    を特徴とするハーネスグロメット。
  2. 【請求項2】 前記グロメット本体は、一方の壁と、他
    方の壁と、該一方の壁と該他方の壁を結ぶ一方の傾斜部
    と、該一方の壁と該他方の壁を結ぶ他方の傾斜部とから
    形成されて、前記ハーネス収容部を備える中空の台形に
    形成されたことを特徴とする請求項1記載のハーネスグ
    ロメット。
  3. 【請求項3】 前記グロメット本体の前記一方の傾斜部
    から、前記一方の壁を経て、前記他方の傾斜部に至るま
    で、シールリップが少なくとも1つ設けられたことを特
    徴とする請求項2記載のハーネスグロメット。
  4. 【請求項4】 前記グロメット本体に設けられた前記取
    付部の周囲に、環状に形成され且つ終端部が存在しない
    シールリップが設けられたことを特徴とする請求項1〜
    3の何れか記載のハーネスグロメット。
  5. 【請求項5】 シールエリアが設けられたパネルと、シ
    ールエリアが設けられたハーネスグロメットを備え、該
    ハーネスグロメットは、弾性のグロメット本体と剛性の
    グロメット支持体とから構成され、且つ、該ハーネスグ
    ロメットにクランプとハーネス収容部が設けられ、該パ
    ネルに、該ハーネスグロメットに対応した溝部と、該ハ
    ーネスグロメットの該クランプに対応した取付部が設け
    られ、該ハーネスグロメットに設けられた該クランプ
    が、該パネルに設けられた該取付部に嵌め込まれること
    で、該ハーネスグロメットが該パネルに設けられた該溝
    部に組付けられると共に、該パネルに一様な該シールエ
    リアが形成されたことを特徴とするハーネスグロメット
    の取付構造。
  6. 【請求項6】 前記パネルに形成された一様な前記シー
    ルエリアに、他のパネルに取付けられたシール部材が当
    接されることで、該パネルと該他のパネルとの間が密閉
    されたことを特徴とする請求項5記載のハーネスグロメ
    ットの取付構造。
  7. 【請求項7】 前記パネルとして自動車に取付けられる
    バックドアパネルが用いられ、前記他のパネルとして自
    動車を構成するボデーパネルが用いられたことを特徴と
    する請求項6記載のハーネスグロメットの取付構造。
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