JP2002324764A - 基板の熱処理装置 - Google Patents

基板の熱処理装置

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JP2002324764A
JP2002324764A JP2001126272A JP2001126272A JP2002324764A JP 2002324764 A JP2002324764 A JP 2002324764A JP 2001126272 A JP2001126272 A JP 2001126272A JP 2001126272 A JP2001126272 A JP 2001126272A JP 2002324764 A JP2002324764 A JP 2002324764A
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heat treatment
substrate
shutter plate
lamp
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Kiyohiro Sasaki
清裕 佐々木
Tatsufumi Kusuda
達文 楠田
Mitsukazu Takahashi
光和 高橋
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板を高温側において急速に冷却させること
ができる装置を提供する。 【解決手段】 熱処理炉10の光入射窓16とランプハ
ウス20のランプ20aとの間にシャッター板26を配
設し、熱処理時はシャッター板を退避位置に保持し、熱
処理が終了してランプへの給電停止と同時もしくはその
直前にシャッター板を退避位置から作動位置へ移動さ
せ、ランプの余熱による熱処理炉内のウエハWへの熱輻
射をシャッター板で遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱処理炉内へ半
導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク
用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、「基板」と
称す)の基板を1枚ずつ搬入し光照射により基板を加熱
して熱処理する基板の熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造工程においては、
ランプアニール装置やCVD装置などのように、熱処理
炉内へ基板、例えば半導体ウエハを1枚ずつ搬入し基板
に光を照射するなどしてウエハを加熱し熱処理する枚葉
式の熱処理装置が、各種の工程で広く使用されている。
【0003】ところで、半導体デバイスの高集積化を図
るためには、デバイスの微細化と共に高速動作化は重要
な因子である。例えばダイオードの高速動作化には、P
N接合の深さを浅くする必要があるので、ウエハに注入
されたB、As、P等のイオンを、それが拡散しない状
態で電気的に活性化させる必要がある。そのためには、
ウエハをイオンの活性化温度まで高速で昇温(例えば1
50℃/秒)させ、昇温後に、イオンが拡散しない温度
までウエハを急速に冷却させる装置が必要になる。
【0004】ランプアニール装置は、上記のような必要
性から開発されたものであるが、このランプアニール装
置におけるウエハの冷却には、従来、加熱源であるラン
プを消灯させて自然冷却する方法が採られていた。ま
た、熱処理が終わったウエハを内部に保持した熱処理炉
の外壁面に向かって圧縮空気や窒素等をガス噴射装置の
ノズルから吹き出させ、熱処理炉の炉壁を冷却させて炉
内のウエハを間接的に冷却する方法も行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウエハ
を自然冷却させる方法では、ウエハを急速に冷却させる
ことは難しい。また、熱処理炉の炉壁を冷却させて炉内
のウエハを間接的に冷却する方法は、ウエハを炉内から
の取出し温度(例えば300℃〜500℃)まで速やか
に冷却させることによってスループットを向上させるこ
とを主な目的としたものであり、この方法では、イオン
の拡散が抑制される程度にウエハを急速冷却させること
は困難である。すなわち、ウエハ上で浅いPN接合を形
成するためには、低電圧イオン注入機を使用して必要量
のイオンをウエハに浅く注入し、続いて行われる熱処理
においてウエハをイオンの活性化温度(例えば1000
℃)まで高速で昇温させた後、イオンの拡散が極力抑え
られる温度(約700℃程度)まで短時間でウエハを冷
却させる必要がある。ところが、ウエハを間接的に冷却
させる従来の方法では、主として低温側における冷却速
度を大きくし、取出し温度までウエハを冷却させる時間
を短縮することはできるが、高温側においては、イオン
の拡散が極力抑えられる温度までウエハを冷却させる時
間を短くすることができない。
【0006】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、基板を高温側において急速に冷却さ
せることができる基板の熱処理装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
少なくとも上部の炉壁が光透過性材料で形成され、内部
に基板が搬入されて保持される熱処理炉と、この熱処理
炉内に保持された基板の少なくとも上面に対向して配設
され、前記光透過性材料で形成された炉壁を通して基板
に光を照射して加熱する加熱手段と、を備えた基板の熱
処理装置において、前記熱処理炉の炉壁とその炉壁に対
向する前記加熱手段との間に配設され、加熱手段から熱
処理炉内の基板への熱輻射を遮断する余熱遮断手段と、
この余熱遮断手段を、前記熱処理炉の炉壁と前記加熱手
段との間に介在する作動位置とその作動位置から退避し
た退避位置との間で往復移動させる移動手段と、前記加
熱手段の駆動停止と同時もしくはその直前に前記余熱遮
断手段を退避位置から作動位置へ移動させるように前記
移動手段を制御する制御手段と、をさらに備えたことを
特徴とする。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載の熱
処理装置において、前記余熱遮断手段がシャッター板で
あることを特徴とする。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項2記載の熱
処理装置において、前記シャッター板は、前記加熱手段
と対向する面が高反射率で、前記熱処理炉の炉壁と対向
する面が低反射率であることを特徴とする。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項2または請
求項3記載の熱処理装置において、前記シャッター板を
冷却する冷却手段が設けられたことを特徴とする。
【0011】請求項1に係る発明の熱処理装置において
は、加熱手段により、熱処理炉内に保持された基板に光
が照射されて加熱され、基板が熱処理される。熱処理が
終了すると直ちに、加熱手段の駆動が停止するととも
に、制御手段により移動手段が制御されて、加熱手段の
駆動停止と同時もしくはその直前に余熱遮断手段が退避
位置から作動位置へ移動させられる。そして、余熱遮断
手段が熱処理炉の炉壁と加熱手段との間に介在すること
により、加熱手段の駆動停止直後の余熱による熱処理炉
内の基板への熱輻射が遮断される。このため、余熱遮断
手段を備えていない装置に比べ、高温側において基板の
温度が速やかに降下する。
【0012】請求項2に係る発明の熱処理装置では、シ
ャッター板が熱処理炉の炉壁と加熱手段との間に介在す
ることにより、加熱手段の余熱による基板への熱輻射が
遮断される。
【0013】請求項3に係る発明の熱処理装置では、シ
ャッター板の、加熱手段との対向面側が高反射率である
ことにより、加熱手段の余熱による輻射熱をシャッター
板が吸収してシャッター板の温度が上昇する、といった
ことが抑えられる。また、シャッター板の、熱処理炉の
炉壁との対向面側が低反射率であることにより、熱処理
炉内の基板からの輻射熱エネルギーをシャッター板が吸
収し、このため、基板の温度降下が助長される。
【0014】請求項4に係る発明の熱処理装置では、冷
却手段によりシャッター板が冷却されて、シャッター板
の温度が低下する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図面を参照しながら説明する。
【0016】図1は、この発明の実施形態の1例を示
し、半導体ウエハ等の基板の熱処理装置の1つであるラ
ンプアニール装置の概略構成を切断端面で示す図であ
る。
【0017】このランプアニール装置は、半導体ウエハ
Wの搬入および搬出を行なうための開口12を有する熱
処理炉10を備えている。熱処理炉10の開口12は、
シャッタ14によって開閉自在に閉塞される。熱処理炉
10の少なくとも上部の炉壁は、光入射窓16となって
いる。熱処理炉10の反応室18と加熱源であるランプ
ハウス20(詳細は図示せず)との間の隔壁である光入
射窓16は、赤外線透過性を有する材料、例えば石英ガ
ラスによって形成され、ランプハウス20のランプから
照射された輻射光を効率良く透過させる。この光入射窓
16は、取り外すことができるように石英ガラス製の窓
ホルダ22に組み込まれ、O−リング24によりシール
されて反応室18の上部に配設される。
【0018】熱処理炉10上部の光入射窓16とランプ
ハウス20との間には、シャッター板26が配設されて
いる。図2に、図1に示した装置の要部を簡略化した断
面図を示すように、シャッター板26は、二点鎖線で示
す(図1では実線で示す)作動位置と実線で示す退避位
置との間を往復移動可能に、図示しない支持機構によっ
て支持されている。図2中の符号20aは、光源を構成
するハロゲンランプ等のランプであり、20bはリフレ
クタである。そして、シャッター板26は、図示しない
エアーシリンダ、モータ等を備えた移動機構により作動
位置と退避位置との間を移動させられ、特に退避位置か
ら作動位置へは素早く移動するような構成となってい
る。また、シャッター板26の移動機構を制御するコン
トローラ(図示せず)が設けられており、ウエハWの熱
処理が終了してランプハウス20のランプ20aへの電
力供給が停止させられると同時もしくはその直前に、コ
ントローラからの制御信号により移動機構が駆動され、
シャッター板26が退避位置から作動位置へ高速で移動
させられるようになっている。
【0019】シャッター板26は、素早く移動させるこ
とができるように、例えばアルミニウム、チタン等の軽
量素材で形成することが好ましい。また、ランプ20a
の余熱(ランプ20aへの電力供給を停止させても、ラ
ンプ20aのフィラメントは、直ぐには輝度が低下せ
ず、数秒間は光り続ける)によってシャッター板26の
温度が上昇するのを抑えるため、シャッター板26の、
ランプ20aと対向する面を高反射率にすることが好ま
しく、シャッター板26の上面は、例えば鏡面に研磨さ
れる。また、熱処理炉10内のウエハWからの輻射熱エ
ネルギーをシャッター板26が吸収するようにするた
め、シャッター板26の、熱処理炉10の光入射窓16
と対向する面を低反射率にすることが好ましく、シャッ
ター板26の下面は、例えば黒化処理される。
【0020】また、シャッター板26を冷却する冷却手
段を備えるようにしてもよい。例えば、シャッター板2
6の内部に冷却水の通路を形設し、その通路内に冷却水
を流すようにしたり、退避位置に保持されたシャッター
板26に対し圧縮空気や窒素等を吹き付けてシャッター
板26を冷却するガス噴射ノズルを配設したりするなど
してもよい。
【0021】なお、図示例のものは、一対のシャッター
板26、26を互いに反対方向へ移動させる両開き方式
であるが、1枚のシャッター板を一方から作動位置へ進
出させ一方の退避位置へ退出させるような構成としても
よい。
【0022】また、図示していないが、熱処理炉10の
開口12と対向する面側には、ウエハWを水平姿勢で支
持する支持アームを有し熱処理前のウエハWをアライメ
ントユニットから熱処理炉10内へ搬入し熱処理後のウ
エハWを熱処理炉10内から搬出するウエハ搬出入装置
が配設されている。
【0023】熱処理炉10の内部には、炭化珪素(Si
C)などによって形成されたウエハ支持リング28が配
設され、ウエハ支持リング28は、石英ガラスで形成さ
れたウエハ支持円筒ホルダ30の上端部に水平姿勢で固
着されている。ウエハ支持円筒ホルダ30は、ウエハW
の水平状態を調節するためのアジャスタ32を介してウ
エハ回転機構34上に保持されている。そして、ウエハ
Wは、ウエハ支持リング28上に支持され、ウエハ回転
機構34によって回転させられるようになっている。ま
た、ウエハWの下面に当接してウエハWを支持する複数
本、例えば3本の支持ピン36を有しそれら支持ピン3
6を上下方向へ往復移動させるウエハ押し上げ機構38
が設けられている。
【0024】熱処理前のウエハWは、ウエハ搬出入装置
の支持アームに支持されて熱処理炉10内へ搬入され、
ウエハ押し上げ機構38の上昇した支持ピン36上へ移
し替えられた後、支持ピン36が下降することにより、
ウエハ支持リング28上に載置され水平姿勢で支持され
る。また、熱処理後のウエハWは、ウエハ押し上げ機構
38の支持ピン36が上昇することにより、ウエハ支持
リング28上から浮上させられた後、支持ピン36上か
らウエハ搬出入装置の支持アーム上へ移し替えられ、ウ
エハ搬出入装置により熱処理炉10内から搬出される。
【0025】また、熱処理炉10の内部には、ウエハ支
持リング28上に支持されたウエハWの上面に対向し
て、赤外線透過性を有する材料、例えば石英ガラスによ
って形成され複数個のガス吹出し孔が穿設されたシャワ
ープレート40が配設されている。このシャワープレー
ト40と光入射窓16との間は、反応ガスが導入される
ガス導入室42となっており、ガス導入室42は、ガス
導入路44を通して反応ガス供給源に流路接続されてい
る。そして、反応ガス供給源から供給されガス導入室4
2内に導入された反応ガスは、シャワープレート40の
複数個のガス吹出し孔を通ってウエハ支持リング28上
のウエハWの上面全体へ均等に吹き出すようになってい
る。
【0026】熱処理炉10の下部炉壁は、反射板46に
よって構成されている。反射板46は、ステンレス鋼で
形成されており、ウエハWと対向する面は、高反射率を
得るために鏡面に研磨されている。この反射板46に
は、2種類の放射温度計、すなわち、支持リング温度検
出用放射温度計48とウエハ温度検出用放射温度計50
とが取着されている。支持リング温度検出用放射温度計
48は、ウエハ支持リング28上のウエハWの外周縁か
ら5mm程度外方側の位置に焦点が当たるように設置さ
れている。ウエハ温度検出用放射温度計50は、複数位
置、例えばウエハWのほぼ中央に相当する位置、ウエハ
Wの半径に相当する位置およびウエハWの外周に相当す
る位置にそれぞれ取り付けられている。
【0027】反射板46、ウエハ回転機構34、アジャ
スタ32、ウエハ支持円筒ホルダ30、ウエハ支持リン
グ28などは、一体的に金属ベローズ52に連結されて
おり、反射板等上下機構54によって駆動され、これに
より、反応室18の容積が変化させられる構造となって
いる。この容積の変化は、ウエハWの位置によってウエ
ハ上段位置A、ウエハ中段位置Bおよびウエハ下段位置
Cの3段階がある。ウエハ上段位置Aは、ウエハWの熱
処理時の位置であり、ウエハ中段位置Bは、ウエハWと
反射板46との間に溜まっているガスをパージする位置
であり、ウエハ下段位置Cは、熱処理炉10内にウエハ
Wを出し入れする位置である。
【0028】熱処理炉10の上部には、ウエハWの熱処
理時の排気を行うための上段排気口56が形設されてい
る。そして、ウエハWの熱処理中には、反応ガスは、ガ
ス導入路44を通ってガス導入室42内に導入され、シ
ャワープレート40の複数個のガス吹出し孔からウエハ
支持リング28上のウエハWの上面全体へ吹き出した
後、ウエハWの外周からウエハ支持リング28の上面を
通り、上段排気口56から熱処理炉10外へ排出され
る。
【0029】また、上段排気口56の下側に、ウエハ中
段位置BにおいてウエハWと反射板46との間に溜まっ
ているガスをパージするために、反応ガスを熱処理10
内へ導入するパージガス導入口58が形設されている。
さらに、パージガス導入口58の下側に中段排気口60
が形設されている。中段排気口60は、反応室18とウ
エハ回転機構34周りとをガスの流れで分離するために
設けている。すなわち、反応室18内のガス(時には腐
食性ガスの場合もある)がウエハ回転機構34周りに流
れ込まないように、またウエハ回転機構34周りのガス
(粒子状ゴミも含む)が反応室18内へ舞い上がらない
ように、中段排気によって調節しながらガスを排気して
いる。
【0030】また、ウエハ回転機構34や金属ベローズ
52などから排出される可能性のある粒子状ゴミを速や
かに熱処理炉10外へ排気するために、ガスパージ口6
2および下段排気口64が形設されている。ガスパージ
口62からは通常窒素ガスが導入され、反射板46の上
下移動に伴って反応室18の空間容積が増減することに
より、反応室18内のガスがウエハ回転機構34周りに
流れたり、また逆にウエハ回転機構34周りのガスが反
応室18内へ流れ込むのを防止するように、反応室18
の空間容積の増減に合わせて導入ガス流量を調節してい
る。
【0031】さらに、シャッタ14の開閉に伴うウエハ
搬出入用の開口12から反応室18への大気の巻き込み
を防止するため、パージガス導入口58から熱処理炉1
0内へ導入された窒素ガス等のパージガスが炉口方向へ
流れるようにする炉口排気口66が設けられている。
【0032】図1中の符号68は、反射板等上下機構5
4によって上下方向へ移動させられるウエハWがウエハ
上段位置Cを超えてさらに上昇しないようにするための
ストッパである。また、符号70は、ウエハWがウエハ
上段位置Cで熱処理されている時に放射温度計48、5
0にランプハウス20からのランプ光が回り込まないよ
うにランプの迷光を遮断するための遮光リングであり、
この遮光リング70は、SiC等で環状に形成されてい
る。
【0033】上記した構成を有するランプアニール装置
において、ウエハWの熱処理は、ランプハウス20のラ
ンプ20aからウエハWに光が照射されてウエハWが加
熱され、通常通り行われる。この熱処理の期間中、シャ
ッター板26は、図2に実線で示した退避位置に保持さ
れて、熱処理炉10上部の光入射窓16とランプハウス
20のランプ20aとの間が全面的に開放される。ウエ
ハWの熱処理が終了して、ランプ20aへの給電が停止
されると、それと同時もしくはその直前に、コントロー
ラからの制御信号により移動機構が駆動され、シャッタ
ー板26が退避位置から図2に二点鎖線で示した(図1
に実線で示した)作動位置へ素早く移動させられる。そ
して、シャッター板26によってランプ20aの余熱に
よる熱輻射が遮断され、熱処理炉10内のウエハWにラ
ンプ20aの輻射熱が伝達されないようにされる。この
ため、シャッター板26を備えていない装置に比べ、熱
処理終了直後における高温側において、ウエハWの温度
が速やかに降下することになる。その後の適当な時期
に、シャッター板26は、作動位置から退避位置へ移動
させられる。
【0034】図4に、ハロゲンランプ(定格電力:2.
6kW)の応答曲線の1例を示す。ランプへ電力を供給
する(電力ON)と、ランプのフィラメントの温度は、
数秒の遅れを生じるが急激に上昇し、一定温度に到達す
る。その後、ランプへの電力供給を停止する(電力OF
F)と、フィラメントの温度は、数秒の遅れを伴って急
激に降下する。この場合、電力のONおよびOFF時に
フィラメント温度の数秒の応答遅れが無ければ、被加熱
物(ウエハ)の昇降温特性が良くなるが、現実には、フ
ィラメントの熱容量やフィラメントを形成する螺旋状コ
イルに励起される逆起電力によって数秒の応答遅れを生
じる。例えば、定格電力点灯の場合、フィラメントの温
度は約3000Kに達するが、電力OFF後に40%
(約1200K)まで応答するのに、約2秒程度を要す
る。この2秒程度の応答遅れが、熱処理終了直後の高温
(700℃〜1100℃)側におけるウエハの冷却速度
に大きく影響することになる。このため、従来のランプ
アニール装置では、熱処理終了直後の高温側におけるウ
エハの冷却速度を高めようとしても限度があった。本発
明に係るランプアニール装置では、上記したように熱処
理炉10上部の光入射窓16とランプハウス20との間
にシャッター板26を備えるといった構成により、熱処
理終了直後の高温側におけるウエハの冷却速度を高める
ことを可能にしたのである。
【0035】図5に、ウエハの昇降温曲線および降温速
度曲線の1例を示す。この図において、実線Aおよび実
線aがそれぞれ、シャッター板を備えたランプアニール
装置における昇降温曲線および降温速度曲線であり、破
線Bおよび破線bがそれぞれ、シャッター板を備えてい
ない従来のランプアニール装置における昇降温曲線およ
び降温速度曲線である。この図示例では、設定昇温速度
が約200℃/秒であり、ウエハの温度を1050℃ま
で上昇させ、加熱開始時から15秒が経過するまでウエ
ハの温度を1050℃に保持した後、ランプへの給電を
停止させている。
【0036】図5に示した例では、シャッター板の無い
装置における冷却速度は、ランプへの給電停止直後に最
大となって約90℃/秒(降温速度:約−90℃/秒)
であるのに対し、シャッター板を備えた装置における冷
却速度は、ランプへの給電停止直後で約120℃/秒
(降温速度:約−120℃/秒)となり、約33%の向
上が認められた。
【0037】また、図6に示した例では、設定昇温速度
が約200℃/秒であり、ウエハの温度を1050℃ま
で到達させた後、直ちにランプへの給電を停止させてい
る。最近におけるイオン注入後の活性化アニールでは、
イオン注入層を活性化させるだけでイオンを拡散させな
いように、図6に示すような温度プロファイルが用いら
れることが多い。この図において、実線Cおよび実線c
がそれぞれ、シャッター板を備えたランプアニール装置
における昇降温曲線および降温速度曲線であり、破線D
および破線dがそれぞれ、シャッター板を備えていない
従来のランプアニール装置における昇降温曲線および降
温速度曲線である。この例でも、シャッター板を備える
ことにより、図5に示した例と同様の冷却効果が得られ
ている。
【0038】上記した実施形態では、熱処理炉10の上
部炉壁を、石英ガラス板からなる光入射窓16とし、そ
の光入射窓16に対向してランプハウス20を配設した
構成のランプアニール装置について説明したが、この発
明は、図3に示すように、熱処理炉72の炉壁全体が石
英ガラスで形成され、熱処理炉72の上部炉壁および下
部炉壁にそれぞれ対向してランプハウス20を配設した
構成のランプアニール装置についても、同様に適用可能
である。この場合には、熱処理炉72の上部炉壁および
下部炉壁と各ランプハウス20との間に、それぞれシャ
ッター板26を配設する。
【0039】
【発明の効果】請求項1に係る発明の基板の熱処理装置
を使用すると、基板を高温側において急速に冷却させる
ことができ、例えばダイオードの製造プロセスにおい
て、ウエハをイオンの活性化温度まで高速で昇温させた
後に、イオンが拡散しない温度までウエハを急速に冷却
させることが可能になる。
【0040】請求項2に係る発明の熱処理装置では、シ
ャッター板により加熱手段の余熱による基板への熱輻射
を確実に遮断することができる。
【0041】請求項3に係る発明の熱処理装置では、加
熱手段の余熱による輻射熱によってシャッター板の温度
が上昇することを抑えることができるとともに、基板の
温度降下を助長することができる。
【0042】請求項4に係る発明の熱処理装置では、加
熱手段の余熱による輻射熱によってシャッター板の温度
が上昇しても、その温度を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の1例を示し、半導体ウエ
ハ等の基板の熱処理装置の1つであるランプアニール装
置の概略構成を切断端面で示す図である。
【図2】図1に示した装置の要部を簡略化した断面図で
ある。
【図3】この発明の別の実施形態を示し、ランプアニー
ル装置の要部を簡略化した断面図である。
【図4】ランプアニール装置の光源として使用されるハ
ロゲンランプの応答曲線の1例を示す図である。
【図5】ウエハの昇降温曲線および降温速度曲線の1例
を示す図であって、図中の実線Aおよび実線aがそれぞ
れ、本発明に係るランプアニール装置における昇降温曲
線および降温速度曲線であり、破線Bおよび破線bがそ
れぞれ、従来のランプアニール装置における昇降温曲線
および降温速度曲線である。
【図6】ウエハの昇降温曲線および降温速度曲線の別の
例を示す図であって、図中の実線Cおよび実線cがそれ
ぞれ、本発明に係るランプアニール装置における昇降温
曲線および降温速度曲線であり、破線Dおよび破線dが
それぞれ、従来のランプアニール装置における昇降温曲
線および降温速度曲線である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ 10、72 熱処理炉 12 ウエハ搬出入用の開口 14 シャッタ 16 光入射窓 18 反応室 20 ランプハウス 20a ランプ 26 シャッター板 28 ウエハ支持リング 30 ウエハ支持円筒ホルダ 32 アジャスタ 34 ウエハ回転機構 38 ウエハ押し上げ機構 40 シャワープレート 42 ガス導入室 44 ガス導入路 46 熱処理炉の下部炉壁をなす反射板 48、50 放射温度計 52 金属ベローズ 54 反射板等上下機構 56、60、64 排気口 58 パージガス導入口 62 ガスパージ口 66 炉口排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楠田 達文 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 (72)発明者 高橋 光和 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天神 北町1番地の1 大日本スクリーン製造株 式会社内 Fターム(参考) 5F045 DP03 EC05 EF05 EF20 EJ01 EJ02 EJ09 EJ10 EK12 EK24 EM10 EN04 GB05 HA16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも上部の炉壁が光透過性材料で
    形成され、内部に基板が搬入されて保持される熱処理炉
    と、 この熱処理炉内に保持された基板の少なくとも上面に対
    向して配設され、前記光透過性材料で形成された炉壁を
    通して基板に光を照射して加熱する加熱手段と、を備え
    た基板の熱処理装置において、 前記熱処理炉の炉壁とその炉壁に対向する前記加熱手段
    との間に配設され、加熱手段から熱処理炉内の基板への
    熱輻射を遮断する余熱遮断手段と、 この余熱遮断手段を、前記熱処理炉の炉壁と前記加熱手
    段との間に介在する作動位置とその作動位置から退避し
    た退避位置との間で往復移動させる移動手段と、 前記加熱手段の駆動停止と同時もしくはその直前に前記
    余熱遮断手段を退避位置から作動位置へ移動させるよう
    に前記移動手段を制御する制御手段と、をさらに備えた
    ことを特徴とする基板の熱処理装置。
  2. 【請求項2】 前記余熱遮断手段がシャッター板である
    請求項1記載の基板の熱処理装置。
  3. 【請求項3】 前記シャッター板は、前記加熱手段と対
    向する面が高反射率で、前記熱処理炉の炉壁と対向する
    面が低反射率である請求項2記載の基板の熱処理装置。
  4. 【請求項4】 前記シャッター板を冷却する冷却手段が
    設けられた請求項2または請求項3記載の基板の熱処理
    装置。
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