JP3709359B2 - 基板の熱処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱処理炉内へ半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、「基板」と称す)の基板を1枚ずつ搬入し光照射により基板を加熱して熱処理する基板の熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程においては、ランプアニール装置やCVD装置などのように、熱処理炉内へ基板、例えば半導体ウエハを1枚ずつ搬入し基板に光を照射するなどしてウエハを加熱し熱処理する枚葉式の熱処理装置が、各種の工程で広く使用されている。
【0003】
ところで、半導体デバイスの高集積化を図るためには、デバイスの微細化と共に高速動作化は重要な因子である。例えばダイオードの高速動作化には、PN接合の深さを浅くする必要があるので、ウエハに注入されたB、As、P等のイオンを、それが拡散しない状態で電気的に活性化させる必要がある。そのためには、ウエハをイオンの活性化温度まで高速で昇温(例えば150℃/秒)させ、昇温後に、イオンが拡散しない温度までウエハを急速に冷却させる装置が必要になる。
【0004】
ランプアニール装置は、上記のような必要性から開発されたものであるが、このランプアニール装置におけるウエハの冷却には、従来、加熱源であるランプを消灯させて自然冷却する方法が採られていた。また、熱処理が終わったウエハを内部に保持した熱処理炉の外壁面に向かって圧縮空気や窒素等をガス噴射装置のノズルから吹き出させ、熱処理炉の炉壁を冷却させて炉内のウエハを間接的に冷却する方法も行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウエハを自然冷却させる方法では、ウエハを急速に冷却させることは難しい。また、熱処理炉の炉壁を冷却させて炉内のウエハを間接的に冷却する方法は、ウエハを炉内からの取出し温度(例えば300℃〜500℃)まで速やかに冷却させることによってスループットを向上させることを主な目的としたものであり、この方法では、イオンの拡散が抑制される程度にウエハを急速冷却させることは困難である。すなわち、ウエハ上で浅いPN接合を形成するためには、低電圧イオン注入機を使用して必要量のイオンをウエハに浅く注入し、続いて行われる熱処理においてウエハをイオンの活性化温度(例えば1000℃)まで高速で昇温させた後、イオンの拡散が極力抑えられる温度(約700℃程度)まで短時間でウエハを冷却させる必要がある。ところが、ウエハを間接的に冷却させる従来の方法では、主として低温側における冷却速度を大きくし、取出し温度までウエハを冷却させる時間を短縮することはできるが、高温側においては、イオンの拡散が極力抑えられる温度までウエハを冷却させる時間を短くすることができない。
【0006】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、基板を高温側において急速に冷却させることができる基板の熱処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、少なくとも上部の炉壁が光透過性材料で形成され、内部に基板が搬入されて保持される熱処理炉と、この熱処理炉内に保持された基板の少なくとも上面に対向して配設され、前記光透過性材料で形成された炉壁を通して基板に光を照射して加熱する加熱手段と、を備えた基板の熱処理装置において、石英ガラスで形成され、前記熱処理炉内に保持された基板の下面と前記熱処理炉の下部炉壁との間に介在して配設され、前記熱処理炉内に保持された基板に近接して基板下面との間に冷却用気体の通路を形成する冷却位置と前記熱処理炉の下部炉壁と接触または近接する待機位置との間で往復移動可能に支持された介挿板と、この介挿板を往復移動させる駆動手段と、基板下面と前記介挿板の上面との間に形成された前記通路に冷却用気体を流す冷却用気体供給手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0008】
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の熱処理装置において、前記冷却用気体供給手段の気体吹出し口を前記介挿板の中心部に形設したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の熱処理装置において、前記介挿板の上面側に、前記気体吹出し口から噴出した冷却用気体が基板の中心部下面へ直接に当たらないようにする遮蔽板部を形設するとともに、前記気体吹出し口から噴出した冷却用気体を放射状に外周方向へ導く複数の通気溝を等配して形設したことを特徴とする。
【0011】
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、前記冷却用気体供給手段によって基板の下面と前記介挿板の上面との間の前記通路に流される冷却用気体がヘリウムガスであることを特徴とする。
【0013】
【0014】
請求項1に係る発明の熱処理装置においては、加熱手段により、熱処理炉内に保持された基板に光が照射されて加熱され、基板が熱処理される。熱処理が終了すると直ちに、加熱手段による基板の加熱が止められるとともに、それとほぼ同時に、基板の下面と介挿板の上面との間に形成された通路に冷却用気体供給手段によって冷却用気体が流される。この冷却用気体により基板の熱量が急激に奪われて、基板が高温側において急速に冷却させられる。そして、基板の熱処理が行われている間、介挿板は、熱処理炉の下部炉壁と接触または近接する待機位置に停止しており、熱処理が終了して基板の加熱が止められるとほぼ同時に、介挿板は、駆動手段によって待機位置から冷却位置の方へ移動させられ、基板に近接して基板下面との間に冷却用気体の通路を形成する。
また、介挿板が石英ガラスで形成されているので、基板と熱処理炉の下部炉壁との間に介挿板が介在していても、熱処理炉の下部炉壁面で行われる放射温度計等による基板や基板支持部材の温度計測に支障を生じない。
【0015】
請求項2に係る発明の熱処理装置では、冷却用気体は、介挿板の中心部に形設された気体吹出し口から基板下面と介挿板上面との間の通路内へ噴出し、その通路内を外周方向に向かって流れる。
【0016】
請求項3に係る発明の熱処理装置では、介挿板の気体吹出し口から噴出した冷却用気体は、遮蔽板部に吹き付けられた後に遮蔽板部に沿って横方向に流れを変える。したがって、気体吹出し口から噴出した冷却用気体が基板の中心部下面へ直接に当たらないので、基板の中心部が局部的に冷却されることが防止される。そして、冷却用気体は、介挿板に形成された複数の通気溝を通って放射状に外周方向へ流れる。このように等配された複数の通気溝を通って冷却用気体が均等に流れることにより、基板が均一に冷却されることになる。
【0017】
【0018】
請求項4に係る発明の熱処理装置では、冷却用気体として熱伝導率の大きいヘリウムガスが基板下面と介挿板上面との間の通路に流されるので、冷却効果が上がる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、この発明の実施形態の1例を示し、半導体ウエハ等の基板の熱処理装置の1つであるランプアニール装置の概略構成を切断端面で示す図である。
【0021】
このランプアニール装置は、基板Wの搬入および搬出を行なうための開口12を有する熱処理炉10を備えている。熱処理炉10の開口12は、シャッタ14によって開閉自在に閉塞される。熱処理炉10の少なくとも上部の炉壁は、光入射窓16となっている。熱処理炉10の反応室18と加熱源であるランプハウス20(詳細は図示せず)との間の隔壁である光入射窓16は、赤外線透過性を有する材料、例えば石英ガラスによって形成され、ランプハウス20のランプから照射された輻射光を効率良く透過させる。この光入射窓16は、取り外すことができるように石英ガラス製の窓ホルダ22に組み込まれ、O−リング24によりシールされて反応室18の上部に配設される。
【0022】
また、図示していないが、熱処理炉10の開口12と対向する面側には、基板Wを水平姿勢で支持する支持アームを有し熱処理前の基板Wをアライメントユニットから熱処理炉10内へ搬入し熱処理後の基板Wを熱処理炉10内から搬出する基板搬出入装置が配設されている。
【0023】
熱処理炉10の内部には、炭化珪素(SiC)などによって形成された基板支持リング26が配設され、基板支持リング26は、石英ガラスで形成された基板支持円筒ホルダ28の上端部に水平姿勢で固着されている。基板支持円筒ホルダ28は、基板Wの水平状態を調節するためのアジャスタ30を介して基板回転機構32上に保持されている。そして、基板Wは、基板支持リング26上に支持され、基板回転機構32によって回転させられるようになっている。また、基板Wの下面に当接して基板Wを支持する複数本、例えば3本の支持ピン34を有しそれら支持ピン34を上下方向へ往復移動させる基板押し上げ機構36が設けられている。
【0024】
熱処理前の基板Wは、基板搬出入装置の支持アームに支持されて熱処理炉10内へ搬入され、基板押し上げ機構36の上昇した支持ピン34上へ移し替えられた後、支持ピン34が下降することにより、基板支持リング26上に載置され水平姿勢で支持される。また、熱処理後の基板Wは、基板押し上げ機構36の支持ピン34が上昇することにより、基板支持リング26上から浮上させられた後、支持ピン34上から基板搬出入装置の支持アーム上へ移し替えられ、基板搬出入装置により熱処理炉10内から搬出される。
【0025】
また、熱処理炉10の内部には、基板支持リング26上に支持された基板Wの上面に対向して、赤外線透過性を有する材料、例えば石英ガラスによって形成され複数個のガス吹出し孔が穿設されたシャワープレート38が配設されている。このシャワープレート38と光入射窓16との間は、反応ガスが導入されるガス導入室40となっており、ガス導入室40は、ガス導入路42を通して反応ガス供給源に流路接続されている。そして、反応ガス供給源から供給されガス導入室40内に導入された反応ガスは、シャワープレート38の複数個のガス吹出し孔を通って基板支持リング26上の基板Wの上面全体へ均等に吹き出すようになっている。
【0026】
熱処理炉10の下部炉壁は、反射板44によって構成されている。反射板44は、ステンレス鋼で形成されており、基板Wと対向する面は、高反射率を得るために鏡面に研磨されている。反射板44には、内部に冷却水の通路46が形設されており、反射板44は、通路46内に冷却水が流されることにより冷却されるようになっている。この反射板44には、2種類の放射温度計、すなわち、支持リング温度検出用放射温度計48と基板温度検出用放射温度計50とが取着されている。支持リング温度検出用放射温度計48は、基板支持リング26上の基板Wの外周縁から5mm程度外方側の位置に焦点が当たるように設置されている。基板温度検出用放射温度計50は、複数位置、例えば基板Wのほぼ中央に相当する位置、基板Wの半径に相当する位置および基板Wの外周に相当する位置にそれぞれ取り付けられている。
【0027】
反射板44の、基板Wに対向する面側には、可動介挿板52が配設されている。可動介挿板52は、例えば石英ガラスによって形成されている。この可動介挿板52の下面側には、反射板44の外壁面側に取り付けられた複数の昇降駆動用エアーシリンダ54の作動ロッドの上端部がそれぞれ固着されている。そして、可動介挿板52は、エアーシリンダ54によって上下方向に高速で移動させられ、基板支持リング26上の基板Wの下面と近接する上部の冷却位置と反射板44と接触または近接する待機位置との間を往復移動する。この可動介挿板52が上部の冷却位置に移動したときに、基板Wの下面と可動介挿板52との間に狭いガス通路が形成される。
【0028】
また、可動介挿板52には、その上面側にガス吹出し口が開口した(詳細な構造については後述する)ガス供給管56が一体に連接されている。ガス供給管56は、反射板44の中央位置を貫通し、気密状態を保持しつつ上下方向に摺動可能に配設されている。このガス供給管56は、冷却用気体供給装置(図示せず)に接続されている。冷却用気体としては、ヘリウムガスなどの熱伝導率の大きいものを使用すると冷却効果を上げるのに有利であるが、それら以外の気体を使用しても差し支えない。ここでは、冷却用気体としてヘリウムガスを用いることとし、ヘリウムガス供給装置から冷却されたヘリウムガスがガス供給管56を通って供給されるようにする。そして、エアーシリンダ54およびヘリウムガス供給装置を制御するコントローラ(図示せず)が設けられており、基板Wの熱処理が終了してランプハウス20のランプが消灯させられると同時もしくはその前後に、コントローラからの制御信号により、エアーシリンダ54が作動させられて、可動介挿板52が待機位置から冷却位置へ高速で移動させられるとともに、可動介挿板52の移動と同時もしくはその直前にヘリウムガス供給装置が作動させられて、ガス供給管56を通って基板Wの下面と可動介挿板52との間のガス通路にヘリウムガスが導入されるようになっている。
【0029】
これらの反射板44ならびに可動介挿板52およびエアーシリンダ54の他、基板回転機構32、アジャスタ30、基板支持円筒ホルダ28、基板支持リング26などは、一体的に金属ベローズ58に連結されており、反射板等上下機構60によって駆動され、これにより、反応室18の容積が変化させられる構造となっている。この容積の変化は、基板Wの位置によって基板上段位置A、基板中段位置Bおよび基板下段位置Cの3段階がある。基板上段位置Aは、基板Wの熱処理時の位置であり、基板中段位置Bは、基板Wと可動介挿板52との間に溜まっているガスをパージする位置であり、基板下段位置Cは、熱処理炉10内に基板Wを出し入れする位置である。
【0030】
熱処理炉10の上部には、基板Wの熱処理時の排気を行うための上段排気口62が形設されている。そして、基板Wの熱処理中には、反応ガスは、ガス供給管42を通ってガス導入室40内に導入され、シャワープレート38の複数個のガス吹出し孔から基板支持リング26上の基板Wの上面全体へ吹き出した後、基板Wの外周から基板支持リング26の上面を通り、上段排気口62から熱処理炉10外へ排出される。
【0031】
また、上段排気口62の下側に、基板中段位置Bにおいて基板Wと可動介挿板52との間に溜まっているガスをパージするために、反応ガスを熱処理10内へ導入するパージガス導入口64が形設されている。さらに、パージガス導入口64の下側に中段排気口66が形設されている。中段排気口66は、反応室18と基板回転機構32周りとをガスの流れで分離するために設けている。すなわち、反応室18内のガス(時には腐食性ガスの場合もある)が基板回転機構32周りに流れ込まないように、また基板回転機構32周りのガス(粒子状ゴミも含む)が反応室18内へ舞い上がらないように、中段排気によって調節しながらガスを排気している。
【0032】
また、基板回転機構32や金属ベローズ58などから排出される可能性のある粒子状ゴミを速やかに熱処理炉10外へ排気するために、ガスパージ口68および下段排気口70が形設されている。ガスパージ口68からは通常窒素ガスが導入され、反射板44の上下移動に伴って反応室18の空間容積が増減することにより、反応室18内のガスが基板回転機構32周りに流れたり、また逆に基板回転機構32周りのガスが反応室18内へ流れ込むのを防止するように、反応室18の空間容積の増減に合わせて導入ガス流量を調節している。
【0033】
さらに、シャッタ14の開閉に伴う基板搬出入用の開口12から反応室18への大気の巻き込みを防止するため、パージガス導入口64から熱処理炉10内へ導入された窒素ガス等のパージガスが炉口方向へ流れるようにする炉口排気口72が設けられている。
【0034】
図1中の符号74は、反射板等上下機構60によって上下方向へ移動させられる基板Wが基板上段位置Cを超えてさらに上昇しないようにするためのストッパである。また、符号76は、基板Wが基板上段位置Cで熱処理されている時に放射温度計48、50にランプハウス20からのランプ光が回り込まないようにランプの迷光を遮断するための遮光リングであり、この遮光リング76は、SiC等で環状に形成されている。
【0035】
次に、可動介挿板52の構成の1例を図3ないし図5に基づいて説明する。図3は、可動介挿板52の斜視図であり、図4は、可動介挿板52の中央部分を拡大して示す部分平面図であり、図5は、図4のV−V矢視断面図である。
【0036】
可動介挿板52の上面は、基板支持リング26上に支持された状態における基板Wの下面と基板支持リング26の下面との段差に対応するように、段付き面に形成されている。そして、僅かに高く形成された円形の上段面78に、放射状に複数本、図示例では8本の通気溝80が等配して形設されている。また、上段面78の中央部には、円形のガス導入孔82が形設されており、ガス導入孔82と各通気溝80とがそれぞれ連通している。ガス導入孔82の底面部には、ガス供給管56のガス吹出し口84が開口している。また、ガス導入孔82の上部は、遮蔽板部86によって閉塞されている。
【0037】
図3ないし図5に示した構成の可動介挿板52では、ガス供給管56を通って供給されガス吹出し口84からガス導入孔82内へ上向きに噴出したヘリウムガスは、遮蔽板部86に吹き付けられた後に遮蔽板部86に沿って横方向に流れを変えることになる。このため、気体吹出し口84から噴出したヘリウムガスが基板Wの中心部下面へ直接に当たることがない。したがって、基板Wの中心部が局部的に急速に冷却される、といった不都合を無くすことができる。そして、ガス導入孔82内へ導入されたヘリウムガスは、ガス導入孔82内から各通気溝80内へそれぞれ流入し、複数の通気溝80を通って放射状に外周方向へ流れることになる。
【0038】
上記した構成を有するランプアニール装置において、基板Wの熱処理は、ランプハウス20のランプから基板Wに光が照射されて基板Wが加熱され、通常通り行われる。この熱処理の以前から熱処理中を通して、図2に部分拡大断面図を示すように、可動介挿板52は、二点鎖線で示すように反射板44と接触または近接する待機位置に停止している。そして、可動介挿板52は、水冷された反射板44とほぼ同じ温度、例えば30℃〜50℃の温度に冷却されている。
【0039】
基板Wの温度が目標温度、例えば1000℃に到達して熱処理が終了すると、エアーシリンダ54を作動させて、可動介挿板52を素早く上昇させ、実線で示すように可動介挿板52を冷却位置に停止させる。このとき、基板Wの下面と可動介挿板52の上面との間に狭い隙間、例えば1mm以下、好ましくは0.7mm〜0.3mmの隙間からなるガス通路88が形成される。また、可動介挿板52の移動と同時あるいはその直前もしくは直後にヘリウムガス供給装置を作動させて、ガス供給管56を通って基板Wの下面と可動介挿板52との間のガス通路88にヘリウムガスを導入する。さらに、可動介挿板52の移動およびガス通路88へのヘリウムガスの導入と同時もしくはその前後に、ランプハウス20のランプへの電力供給を停止してランプを消灯させる。
【0040】
基板Wの下面と可動介挿板52との間のガス通路88に導入されたヘリウムガスは、ガス通路88内を放射状に外周方向へ流れ、このヘリウムガスによって基板Wの熱量が急激に奪われる。また、基板支持リング26上の基板Wに低温の可動介挿板52が近接することにより、可動介挿板52が基板Wの熱量を急激に奪う。このようにして、基板Wは高温側において急速に冷却させられる。そして、基板Wの温度が所定温度、例えば700℃以下まで下降すると、ヘリウムガスの導入を停止させ、その後に熱処理炉10内へ窒素ガスを導入してヘリウムガスをパージする。また、エアーシリンダ54を作動させて、可動介挿板52を冷却位置から待機位置へ戻し、処理を終了する。図6に、以上の一連の操作過程のフローチャートの1例を示す。
【0041】
なお、上記した実施形態では、反射板44の内部に冷却水の通路46を形設して反射板44が冷却されるようにし、待機位置にある可動介挿板52が反射板44と接触または近接することにより、可動介挿板52が反射板44によって冷却されるような構成とされているが、待機位置において可動介挿板52を冷却させる構成を備えている必要は特に無い。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の基板の熱処理装置を使用すると、基板を高温側において急速に冷却させることができ、例えばダイオードの製造プロセスにおいて、基板をイオンの活性化温度まで高速で昇温させた後に、イオンが拡散しない温度まで基板を急速に冷却させることが可能になる。
【0043】
また、介挿板が待機位置から冷却位置へ移動して基板に近接することにより、基板下面との間に狭い通路を形成することができる。
さらに、基板と熱処理炉の下部炉壁との間に介挿板が介在しても、熱処理炉の下部炉壁面で行われる放射温度計等による基板や基板支持部材の温度計測に支障を生じることがない。
【0044】
請求項2に係る発明の熱処理装置では、冷却用気体を基板の中心部から外周方向に向かって流すことができる。
【0045】
請求項3に係る発明の熱処理装置では、基板の中心部が局部的に冷却されることを防止し、また、複数の通気溝を通って冷却用気体を均等に流すことにより、基板を均一に冷却することができる。
【0046】
【0047】
請求項4に係る発明の熱処理装置では、冷却効果を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態の1例を示し、基板の熱処理装置の1つであるランプアニール装置の概略構成を切断端面で示す図である。
【図2】 図1に示した装置の一部を拡大した縦断面図である。
【図3】 図1に示した装置の構成要素の1つである可動介挿板の構成の1例を示す斜視図である。
【図4】 図3に示した可動介挿板の中央部分を拡大して示す部分平面図である。
【図5】 図4のV−V矢視断面図である。
【図6】 図1に示したランプアニール装置を使用して行われる基板の熱処理操作の1例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 熱処理炉
12 基板搬出入用の開口
14 シャッタ
16 光入射窓
18 反応室
20 ランプハウス
26 基板支持リング
28 基板支持円筒ホルダ
30 アジャスタ
32 基板回転機構
36 基板押し上げ機構
38 シャワープレート
40 ガス導入室
42、56 ガス供給管
44 熱処理炉の下部炉壁をなす反射板
46 冷却水の通路
48、50 放射温度計
52 可動介挿板
54 昇降駆動用エアーシリンダ
58 金属ベローズ
60 反射板等上下機構
62、66、70 排気口
64 パージガス導入口
68 ガスパージ口
72 炉口排気口
78 可動介挿板の上段面
80 通気溝
82 ガス導入孔
84 ガス吹出し口
86 遮蔽板部
88 ガス通路
W 基板

Claims (4)

  1. 少なくとも上部の炉壁が光透過性材料で形成され、内部に基板が搬入されて保持される熱処理炉と、
    この熱処理炉内に保持された基板の少なくとも上面に対向して配設され、前記光透過性材料で形成された炉壁を通して基板に光を照射して加熱する加熱手段と、
    を備えた基板の熱処理装置において、
    石英ガラスで形成され、前記熱処理炉内に保持された基板の下面と前記熱処理炉の下部炉壁との間に介在して配設され、前記熱処理炉内に保持された基板に近接して基板下面との間に冷却用気体の通路を形成する冷却位置と前記熱処理炉の下部炉壁と接触または近接する待機位置との間で往復移動可能に支持された介挿板と、
    この介挿板を往復移動させる駆動手段と、
    基板下面と前記介挿板の上面との間に形成された前記通路に冷却用気体を流す冷却用気体供給手段と
    さらに備えたことを特徴とする基板の熱処理装置。
  2. 前記冷却用気体供給手段の気体吹出し口が前記介挿板の中心部に形設された請求項1記載の基板の熱処理装置。
  3. 前記介挿板の上面側に、前記気体吹出し口から噴出した冷却用気体が基板の中心部下面へ直接に当たらないようにする遮蔽板部が形設されるとともに、前記気体吹出し口から噴出した冷却用気体を放射状に外周方向へ導く複数の通気溝が等配して形設された請求項2記載の基板の熱処理装置。
  4. 前記冷却用気体供給手段によって基板の下面と前記介挿板の上面との間の前記通路に流される冷却用気体がヘリウムガスである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板の熱処理装置。
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