JP2002324587A - 円筒型リチウム二次電池 - Google Patents
円筒型リチウム二次電池Info
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Abstract
性の高いリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 円筒型リチウム二次電池20は、中空円
筒状の軸芯14の周りに、正極2及び負極3をセパレー
タ1を介して捲回した電極群15を備えている。負極3
の端部から安全弁11側にはみ出したセパレータ1のは
み出し量A(mm)が、80゜C以上におけるセパレー
タ1の幅方向の熱収縮量B(mm)に対しA<2Bとな
るように、はみ出し量A(mm)が設定されている。
Description
係り、特に、所定圧で内圧を開放する内圧低減機構を有
する電池容器内に、正極活物質にリチウムマンガン複酸
化物を用いた正極と負極活物質に炭素材を用いた負極と
をセパレータを介して捲回した電極群と、この電極群を
浸潤する非水電解液と、を収容した円筒型リチウム二次
電池に関する。
は、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水
素電池等の水溶液系電池が主流であった。しかしなが
ら、電気機器の小型化、軽量化が進むにつれ、高エネル
ギー密度を有するリチウム二次電池が着目され、その研
究、開発及び商品化が急速に進められた結果、現在で
は、携帯電話やノートパソコン向けに小型民生用リチウ
ム二次電池が広く普及している。
気自動車(EV)や駆動の一部を電気モーターで補助す
るハイブリッド電気自動車(HEV)が各自動車メーカ
ーで開発され、その電源に用いられる電池には、より高
容量で高出力な二次電池が求められるようになってき
た。このような要求に合致する電源として、高電圧を有
する非水溶液系のリチウム二次電池が注目されている。
素材が用いられる。炭素材には、天然黒鉛や鱗片状、塊
状等の人造黒鉛、メソフェーズピッチ系黒鉛等の黒鉛系
材料とフルフリルアルコール等のフラン樹脂等を焼成し
た非晶質炭素材料が用いられている。
属酸化物が用いられており、中でも容量やサイクル特性
等のバランスからコバルト酸リチウムが広く用いられて
いるが、原料であるコバルトは資源量が少なくコスト高
となることから、電気自動車用やハイブリッド電気自動
車用電池の正極材としてはマンガン酸リチウム等のリチ
ウムマンガン複酸化物が有望視され開発が進められてい
る。
イオンの通過を許容するポリオレフィン系の多孔質膜、
例えば、ポリエチレン(PE)等の単層膜が使用されて
いる。セパレータは、捲回方向(高さ方向)及び捲回方
向に垂直な幅方向に、正極及び負極より長く調製されて
おり、両極端部の接触による短絡が防止されている。
ム二次電池の場合、電池の高容量化、高出力化に伴い安
全性が重視される傾向にあり、特に電気自動車やハイブ
リッド電気自動車用の電源に用いられるような高容量、
高出力の二次電池ともなると、大電流充電、大電流放電
が行われるので、小型民生用リチウム二次電池で一般に
採用されているような、異常時の電池内圧上昇に応じて
電気的に作動する電流遮断機構を電池構造内に設けるこ
とは難しい。
ッド電気自動車では、充放電制御システムが故障してし
まった場合の過充電時、不慮の衝突事故の場合に遭遇す
る可能性のある電池のクラッシュ時、異物突き刺し時、
外部短絡時等の電池異常時に電池自体の安全性を確保す
ることは、最低限必要かつ非常に重要な電池特性であ
る。ここでいう電池の安全性とは、電池が異常な状態に
さらされたときの電池挙動が、人体に被害を与えないこ
とは当然のことながら、車両への損害を最小限に抑える
ことを意味する。
より電池の温度は徐々に上昇し、セパレータが破断して
内部短絡が生じ、その短絡電流によって電池温度が急上
昇する。このときの発熱量によっては正極活物質の熱暴
走反応が生ずる。特に、内部短絡箇所が電極群中心部の
場合には、電極群中心部から離れた内圧低減機構側で内
部短絡が生ずる場合に比べ、内部短絡箇所周辺に正極活
物質が多く存在するので、熱暴走反応を引き起こす可能
性が高い。このような場合でも、電池を穏やかに使用不
能状態とすることができれば、電池の安全性が確保され
る。
でありながらも、極めて安全性の高い円筒型リチウム二
次電池を提供することを課題とする。
に、本発明は、所定圧で内圧を開放する内圧低減機構を
有する電池容器内に、正極活物質にリチウムマンガン複
酸化物を用いた正極と負極活物質に炭素材を用いた負極
とをセパレータを介して捲回した電極群と、この電極群
を浸潤する非水電解液と、を収容した円筒型リチウム二
次電池において、前記負極の端から前記内圧低減機構側
にはみ出したセパレータのはみ出し量Aが、80゜C以
上におけるセパレータの幅方向の熱収縮量Bに対しA<
2Bであることを特徴とする。
にはみ出したセパレータのはみ出し量Aを、80゜C以
上におけるセパレータの幅方向の熱収縮量Bに対しA<
2Bとしたので、電池異常時に電池温度が80゜C以上
になると、セパレータの熱収縮によりセパレータのはみ
出し量Aが減少して、電極群の内圧低減機構側の端部で
内部短絡が生じ易くなる。このため、電極群中心部での
短絡による正極活物質の熱暴走反応が事前に防止され、
穏やかに電池を使用不能状態とすることができる。この
とき、80゜C以下の温度で熱収縮を開始してしまうセ
パレータでは、例えばハイブリッド電気自動車での使用
を考慮した場合に頻繁な充放電による発熱のため電池異
常でないときにも内部短縮が早期に生じてしまい、ま
た、180゜Cを超える温度で熱収縮を開始するセパレ
ータでは内部短絡位置を内圧低減機構側に偏倚させても
正極活物質の熱暴走反応が生じてしまう場合があるの
で、熱収縮量Bが1mm以上となる熱収縮開始温度が8
0゜C以上180゜C以下のセパレータを用いることが
好ましい。
ハイブリッド電気自動車(HEV)に搭載される円筒型
リチウム二次電池に適用した実施の形態について説明す
る。
チウム二次電池20は、中空円筒状の軸芯14の周り
に、正極2及び負極3をセパレータ1を介して捲回した
電極群15を備えている。
て代表的なマンガン酸リチウム(LiMn2O4)を正
極活物質とし、正極活物質90重量部に対して、導電剤
として鱗片状黒鉛10重量部と、結着剤としてポリフッ
化ビニリデン(PVDF)5重量部と、を添加し、これ
に分散溶媒としてN−メチルピロリドンを添加、混練し
たスラリを、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均
一に塗布し、乾燥させた後、プレス、裁断して得られた
ものである。
て非晶質炭素粉末90重量部に、結着剤としてポリフッ
化ビニリデン10重量部を添加し、これに分散溶媒とし
てN−メチルピロリドンを添加、混練したスラリを、厚
さ10μmの圧延銅箔の両面に塗布し、乾燥させた後、
プレス、裁断して得られたものである。正極2及び負極
3の一側は、等間隔かつ矩形状に切り欠かれており、短
冊状の正極タブ2a、負極タブ3aが形成されている。
なお、負極3は正極2に比べ若干幅長とされている。
チレン(以下、PEという。)製微多孔膜が用いられて
いる。このポリエチレン製微多孔膜は熱によって1mm
以上の収縮を開始する熱収縮開始温度が80゜C以上1
80゜C以下に設定されている。ここで、セパレータの
熱収縮量は、JIS C2330に示される加熱収縮率
試験に準拠し、試験片(セパレータ)の幅方向の長さを
電池で用いる絶対量とし、恒温槽の温度を種々の温度に
変化させて幅方向の熱収縮量(長さ)Bを測定し、熱収
縮量Bが1mmとなるときの温度を熱収縮開始温度とし
た。
れ電極群15の互いに反対側の両端面に位置するように
配置されている。図2に示すように、電極群15の上端
側では、負極3の端部からセパレータ1がはみ出してい
る。このはみ出し量A(mm)は、熱収縮量B(mm)
との関係がA<2Bとなるように設定されている。同様
に、電極群15の下端側でも、はみ出し量A(mm)が
熱収縮量B(mm)との関係がA<2Bとなるように設
定されている。
タブ3aは円環状の集電体13、17の周面にそれぞれ
溶接されており、電極群15は有底円筒状の電池缶16
に挿入されている。電池缶16内には非水電解液が所定
量注入されており、上蓋12と電池缶16とがカシメ封
口されることにより円筒型リチウム二次電池20が組み
立てられている。上蓋12は電池内部の圧力が所定圧力
に達するとガスを放出する内圧低減機構としての安全弁
11を有して構成されている。なお、非水電解液には、
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート
(DMC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積
比で1:1:1に混合した混合有機溶媒中に、電解質と
して6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/
リットル溶解したものが用いられている。また、安全弁
11の破断(開放)圧は106Pa程度に設定されてい
る。
始温度が80゜C以上のPE製微多孔膜を用いて、はみ
出し量A(mm)及び熱収縮量B(mm)の関係をA<
2Bとなるように、はみ出し量Aを調整して電極群15
を作製することで、セパレータ1の温度が熱収縮開始温
度80゜Cになったときに、セパレータ1の熱収縮によ
りセパレータのはみ出し部が収縮し負極3端部より短く
なる。このため、安全弁11近傍に内部短絡箇所を偏倚
させることが可能となるので、電極群15内部での短絡
による正極活物質の熱暴走反応への移行前に安全弁11
が破断して電池内のガスを外部へ逃がし、穏やかに電池
を使用不能状態にすることができる。また、回生電力に
よるによる充電が頻繁に行われ電池温度の上昇を伴うH
EVでの電池使用状況を考慮した場合、熱収縮開始温度
が80゜C以上のセパレータ1を使用することで、充電
等による発熱で電池異常状態でないときに、電極群15
の安全弁11側で内部短絡が発生することもない。
短絡箇所を偏倚させるようにしたので、万一電池内圧が
急上昇したときでも、速やかに電池内圧を低減させるこ
とが可能である。
比べ若干幅長とされており、電極群15の上端側では、
正極2端部と負極3端部との位置が異なるため(図2参
照)、電池異常時には、セパレータ1の熱収縮により負
極3端部側面と正極2端部側面とが内部短絡を起こすの
で、確実かつ穏やかに電池を使用不能状態にすることが
できる。従って、正極活物質の熱暴走反応を確実に抑制
でき、極めて安全性の高い電池を実現することができ
る。
えると、内部短絡箇所を安全弁11近傍に偏倚させて
も、正極活物質の熱暴走反応を抑えることが困難となる
場合があるので、熱収縮開始温度を180゜C以下のセ
パレータ1を使用することが好ましく、セパレータ1の
温度を180゜C以下で熱収縮させ、熱暴走反応への移
行が生じる前に、穏やかに電池を使用不能状態にして、
安全性を確保している。
ム二次電池20では、セパレータ1のはみ出し量Aを8
0゜C以上における熱収縮量Bに対してA<2Bとした
ので、高容量、高出力でありながらも電池異常時の安全
性の高い電池とすることができる。
PE製微多孔膜を用いた例を示したが、一般的にポリオ
レフィン系の多孔質膜、例えば、ポリエチレン(P
E)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)等の単層膜やこれらの多層膜、例え
ば、PE、PTFE、PEをこの順に積層した三層膜を
用るようにしてもよい。また、セパレータの厚さが40
μmのものを用いた例を示したが、厚さもこれに限定さ
れるものではなく、一般的に数十μmのセパレータを用
いることができる。
CとDMCとDECとを体積比で1:1:1に混合した
混合有機溶媒中に、電解質としてLiPF6を1モル/
リットル溶解したものを用いたが、用いられるリチウム
塩や有機溶媒は特に制限されるものはなく、例えば、電
解質としては、LiClO4、LiAsF6,LiPF
6,LiBF4,LiB(C6H5)、CH3SO3L
i,CF3SO3Li等やこれらの混合物を用いること
ができる。また、有機溶媒としては、プロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタ
ン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、
ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、ア
セトニトリル、プロビオニトリル等またはこれらの2種
類以上の混合溶媒を用いることができる。
の電池について説明する。なお、比較のために作製した
比較例の電池についても併記する。
1では、セパレータ1に、はみ出し量Aが3(mm)、
収縮量2Bが6(mm)(熱収縮量B=3mm)、熱収
縮開始温度が80(゜C)、材質がPE製の微多孔膜を
用いて、容量4.0Ahの円筒型リチウム二次電池を作
製した。
例2及び実施例3では、セパレータ1のはみ出し量Aを
それぞれ4(mm)、5(mm)とした以外は実施例1
と同様に円筒型リチウム二次電池を作製した。
では、セパレータ1のはみ出し量Aを5(mm)、収縮
量2Bを8(mm)(熱収縮量B=4mm)とした以外
は実施例1と同様に円筒型リチウム二次電池を作製し
た。
例5〜実施例7では、セパレータ1の熱収縮開始温度を
それぞれ120、180、200(゜C)、材質をそれ
ぞれPP、PE/PTFE/PE、PEとした以外は実
施例1と同様に円筒型リチウム二次電池を作製した。こ
こで、PE/PTFE/PEとは、ポリエチレン、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエチレンをこの順に積層
した三層膜である。
例1及び比較例2では、セパレータ1のはみ出し量Aを
共に3(mm)、収縮量2Bをそれぞれ2(mm)、3
(mm)(熱収縮量B=1.0、1.5mm)とした以
外は実施例1と同様に円筒型リチウム二次電池を作製し
た。
例及び比較例の電池について、過充電試験を実施し、そ
のときの現象と電池缶表面の最高到達温度についての比
較した。過充電試験は、初期安定化運転後に満充電状態
から1時間率(1C)で定電流充電し、現象発生まで充
電する条件とした。下表2に過充電試験の試験結果を示
す。
のはみ出し量Aと熱収縮量BとがA<2Bの関係にある
実施例1〜3の電池では、現象発生時の電池表面の最高
到達温度は120゜C以下であり、現象も僅かに白煙が
発生するのみで、いずれも安全性に優れた電池であっ
た。また、熱収縮開始温度が高くなった場合においても
A<2Bであれば最高到達温度は僅かに上昇するもの
の、正極活物質であるマンガン酸リチウムの熱暴走反応
が生じずに穏やかに使用不能となった(実施例4〜
7)。しかしながら、A=2B及びA>2Bの関係にあ
る比較例1〜2の電池は、現象発生時の電池表面の最高
到達温度が380〜400゜Cに達し、内圧低減機構の
開裂口から激しく白煙と共に内容物を噴出した。
を80゜C以上における熱収縮量Bに対しA<2Bとし
た実施例1〜7の電池の場合、過充電時における電池の
最高到達温度を低く抑え、現象も穏やかな、安全性に優
れた電池とすることができることが分かった。
負極の端から内圧低減機構側にはみ出したセパレータの
はみ出し量Aを、80゜C以上におけるセパレータの幅
方向の熱収縮量Bに対し、A<2Bとしたので、電池異
常時に電池温度が80゜C以上になると、セパレータの
収縮によりセパレータはみ出し量Aが減少して、電極群
の内圧低減機構側の端部で内部短絡が生じ易くなり、電
極群中心部での短絡による正極活物質の熱暴走反応が事
前に防止され、穏やかに電池を使用不能状態とすること
ができる、という効果を得ることができる。
二次電池の断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 所定圧で内圧を開放する内圧低減機構を
有する電池容器内に、正極活物質にリチウムマンガン複
酸化物を用いた正極と負極活物質に炭素材を用いた負極
とをセパレータを介して捲回した電極群と、この電極群
を浸潤する非水電解液と、を収容した円筒型リチウム二
次電池において、前記負極の端から前記内圧低減機構側
にはみ出したセパレータのはみ出し量Aが、80゜C以
上におけるセパレータの幅方向の熱収縮量Bに対しA<
2Bであることを特徴とする円筒型リチウム二次電池。 - 【請求項2】前記熱収縮量Bが1mm以上となる熱収縮
開始温度が80゜C以上180゜C以下であることを特
徴とする請求項1に記載の円筒型リチウム二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001131104A JP4186430B2 (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 円筒型リチウム二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001131104A JP4186430B2 (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 円筒型リチウム二次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002324587A true JP2002324587A (ja) | 2002-11-08 |
JP4186430B2 JP4186430B2 (ja) | 2008-11-26 |
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007053055A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Toyota Motor Corp | 電池 |
JP2008091269A (ja) * | 2006-10-04 | 2008-04-17 | Nissan Motor Co Ltd | 薄型電池 |
-
2001
- 2001-04-27 JP JP2001131104A patent/JP4186430B2/ja not_active Expired - Fee Related
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