JP2002322396A - インクジェット記録液用水性着色粒子分散体、その製造方法及びインクジェット記録液 - Google Patents
インクジェット記録液用水性着色粒子分散体、その製造方法及びインクジェット記録液Info
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- JP2002322396A JP2002322396A JP2001291215A JP2001291215A JP2002322396A JP 2002322396 A JP2002322396 A JP 2002322396A JP 2001291215 A JP2001291215 A JP 2001291215A JP 2001291215 A JP2001291215 A JP 2001291215A JP 2002322396 A JP2002322396 A JP 2002322396A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高品質な画質、耐水性及び耐候性を備え
た画像を提供できるインクジェット記録液用の水性着色
粒子分散体、その製造方法および該水性着色粒子分散体
を含有させてなるインクジェット記録液を提供するこ
と。 【解決手段】 末端に水酸基を有するポリエステル樹脂
の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する
末端基を有するポリエステル樹脂及び/又は末端にカル
ボキシル基を有するポリエステル樹脂の末端カルボキシ
ル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環付加反応させて
生成する末端基を有するポリエステル樹脂(A)に、顔
料(B)を分散させた着色樹脂(I)が、水性媒体(I
I)中に粒子状で分散されている水性着色粒子分散体、
該着色樹脂(I)を、アルコ−ル及び/又はグリコ−ル
エ−テル系溶剤に溶解し、水性媒体(II)とを混合する
該分散体の製造方法、及び、該分散体を必須成分とする
インクジェット記録液。
た画像を提供できるインクジェット記録液用の水性着色
粒子分散体、その製造方法および該水性着色粒子分散体
を含有させてなるインクジェット記録液を提供するこ
と。 【解決手段】 末端に水酸基を有するポリエステル樹脂
の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する
末端基を有するポリエステル樹脂及び/又は末端にカル
ボキシル基を有するポリエステル樹脂の末端カルボキシ
ル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環付加反応させて
生成する末端基を有するポリエステル樹脂(A)に、顔
料(B)を分散させた着色樹脂(I)が、水性媒体(I
I)中に粒子状で分散されている水性着色粒子分散体、
該着色樹脂(I)を、アルコ−ル及び/又はグリコ−ル
エ−テル系溶剤に溶解し、水性媒体(II)とを混合する
該分散体の製造方法、及び、該分散体を必須成分とする
インクジェット記録液。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドから記
録液(インク)の液滴を吐出させ、紙等の被記録媒体上
に文字情報、画像等を記録するインクジェット記録液に
好適に使用できる水性着色粒子分散体、その製造方法お
よび該水性着色粒子分散体を含有させてなるインクジェ
ット記録液に関する。
録液(インク)の液滴を吐出させ、紙等の被記録媒体上
に文字情報、画像等を記録するインクジェット記録液に
好適に使用できる水性着色粒子分散体、その製造方法お
よび該水性着色粒子分散体を含有させてなるインクジェ
ット記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来インクジェット記録方法の分野にお
いては、画像形成のために使用される記録液として、染
料を水に溶解し、さらに必要に応じ有機溶剤や水溶性高
分子を添加したものが広く用いられている。しかし、か
かる方法では記録液が水溶性であるため、形成された画
像の耐水性が劣り、また紙等の繊維質の記録媒体中に浸
み込み易いため高い画像濃度が得られず、にじみ等の問
題も生じ、高画質の記録ができないのが現状であった。
さらに、染料を着色剤として使用するため、画像の耐候
性が劣り、屋外用途には使用できないものであった。
いては、画像形成のために使用される記録液として、染
料を水に溶解し、さらに必要に応じ有機溶剤や水溶性高
分子を添加したものが広く用いられている。しかし、か
かる方法では記録液が水溶性であるため、形成された画
像の耐水性が劣り、また紙等の繊維質の記録媒体中に浸
み込み易いため高い画像濃度が得られず、にじみ等の問
題も生じ、高画質の記録ができないのが現状であった。
さらに、染料を着色剤として使用するため、画像の耐候
性が劣り、屋外用途には使用できないものであった。
【0003】一方、上記従来技術の欠点を解消するた
め、染料あるいは顔料を樹脂でカプセル化して着色樹脂
粒子とする技術が特開平9−183931号公報等に開
示されている。しかし、このような技術を使用しても完
全なカプセル化は困難であり、その結果着色樹脂粒子自
体の経時的な安定性が劣るため粒子同士の凝集・沈降が
起こり、記録ヘッドの詰まりや画像のムラ等、種々の不
具合が生じる。また、耐候性を向上させる観点から、着
色剤に顔料を使用した場合、樹脂中への顔料分散が不良
となりやすく、さらに着色樹脂粒子の粒径を小さくする
ことが困難で、その結果粒子の沈降、記録ヘッドの詰ま
りなど、同様な弊害が大きくなる。従って、高い画像濃
度、精細な画質、良好な画像の耐水性及び耐候性等をす
べて満足するインクジェット記録液は得られていないの
が現状である。
め、染料あるいは顔料を樹脂でカプセル化して着色樹脂
粒子とする技術が特開平9−183931号公報等に開
示されている。しかし、このような技術を使用しても完
全なカプセル化は困難であり、その結果着色樹脂粒子自
体の経時的な安定性が劣るため粒子同士の凝集・沈降が
起こり、記録ヘッドの詰まりや画像のムラ等、種々の不
具合が生じる。また、耐候性を向上させる観点から、着
色剤に顔料を使用した場合、樹脂中への顔料分散が不良
となりやすく、さらに着色樹脂粒子の粒径を小さくする
ことが困難で、その結果粒子の沈降、記録ヘッドの詰ま
りなど、同様な弊害が大きくなる。従って、高い画像濃
度、精細な画質、良好な画像の耐水性及び耐候性等をす
べて満足するインクジェット記録液は得られていないの
が現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、現在のイン
クジェット記録方法においては、高濃度でにじみのない
高品質な画質、屋外でも使用に耐える耐水性及び耐候性
を備えた画像を提供できるインクジェット記録液が求め
られている。従って、本発明の課題は、高濃度でにじみ
のない高品質な画質、屋外でも使用に耐える耐水性及び
耐候性を備えた画像を提供できるインクジェット記録液
用の水性着色粒子分散体、その製造方法および該水性着
色粒子分散体を含有させてなるインクジェット記録液を
提供することにある。
クジェット記録方法においては、高濃度でにじみのない
高品質な画質、屋外でも使用に耐える耐水性及び耐候性
を備えた画像を提供できるインクジェット記録液が求め
られている。従って、本発明の課題は、高濃度でにじみ
のない高品質な画質、屋外でも使用に耐える耐水性及び
耐候性を備えた画像を提供できるインクジェット記録液
用の水性着色粒子分散体、その製造方法および該水性着
色粒子分散体を含有させてなるインクジェット記録液を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな状況に鑑みて鋭意検討を行った結果、末端に水酸基
を有するポリエステル樹脂の末端水酸基に、酸無水物を
開環付加反応させて生成する末端基を有するポリエステ
ル樹脂及び/又は末端にカルボキシル基を有するポリエ
ステル樹脂の末端カルボキシル基に、脂肪族モノエポキ
シ化合物を開環付加反応させて生成する末端基を有する
ポリエステル樹脂(A)に顔料(B)を分散させた着色
樹脂(I)を水性媒体(II)中に分散させた水性着色粒
子分散体を含有させてなるインクジェット記録液は、高
い画像濃度が実現でき、耐水性及び耐候性に優れた画像
が得られ、かつ記録ヘッドの詰まりもなく、長期間安定
した印字を行うことができること、また、上記ポリエス
テル樹脂(A)と顔料(B)とを必須成分とする混合物
を混練して着色樹脂(I)を調製し、その着色樹脂をア
ルコ−ル及び/又はグリコ−ルエ−テル系溶剤に溶解し
て得られた着色樹脂溶液(I−1)を用い、これと水性
媒体(II)とを混合することで、着色樹脂(I)が容易
に粒子状で水性媒体(II)中に分散し、粒子径の小さ
い、かつ粒子の分散安定性に優れた水性着色粒子分散体
が得られること、等を見い出し、本発明を完成するに至
った。
うな状況に鑑みて鋭意検討を行った結果、末端に水酸基
を有するポリエステル樹脂の末端水酸基に、酸無水物を
開環付加反応させて生成する末端基を有するポリエステ
ル樹脂及び/又は末端にカルボキシル基を有するポリエ
ステル樹脂の末端カルボキシル基に、脂肪族モノエポキ
シ化合物を開環付加反応させて生成する末端基を有する
ポリエステル樹脂(A)に顔料(B)を分散させた着色
樹脂(I)を水性媒体(II)中に分散させた水性着色粒
子分散体を含有させてなるインクジェット記録液は、高
い画像濃度が実現でき、耐水性及び耐候性に優れた画像
が得られ、かつ記録ヘッドの詰まりもなく、長期間安定
した印字を行うことができること、また、上記ポリエス
テル樹脂(A)と顔料(B)とを必須成分とする混合物
を混練して着色樹脂(I)を調製し、その着色樹脂をア
ルコ−ル及び/又はグリコ−ルエ−テル系溶剤に溶解し
て得られた着色樹脂溶液(I−1)を用い、これと水性
媒体(II)とを混合することで、着色樹脂(I)が容易
に粒子状で水性媒体(II)中に分散し、粒子径の小さ
い、かつ粒子の分散安定性に優れた水性着色粒子分散体
が得られること、等を見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】即ち、本発明は、末端に水酸基を有するポ
リエステル樹脂の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応
させて生成する末端基を有するポリエステル樹脂及び/
又は末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂の
末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環
付加反応させて生成する末端基を有するポリエステル樹
脂(A)に、顔料(B)を分散させた着色樹脂(I)
が、水性媒体(II)中に粒子状で分散されていることを
特徴とする、インクジェット記録液用水性着色粒子分散
体を提供するものである。
リエステル樹脂の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応
させて生成する末端基を有するポリエステル樹脂及び/
又は末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂の
末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環
付加反応させて生成する末端基を有するポリエステル樹
脂(A)に、顔料(B)を分散させた着色樹脂(I)
が、水性媒体(II)中に粒子状で分散されていることを
特徴とする、インクジェット記録液用水性着色粒子分散
体を提供するものである。
【0007】また、本発明は、末端に水酸基を有するポ
リエステル樹脂の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応
させて生成する末端基を有するポリエステル樹脂及び/
又は末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂の
末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環
付加反応させて生成する末端基を有するポリエステル樹
脂(A)と、顔料(B)とを必須成分とする混合物を混
練してなる着色樹脂(I)を、アルコ−ル及び/又はグ
リコ−ルエ−テル系溶剤に溶解し、得られた着色樹脂溶
液(I−1)と水性媒体(II)とを混合して水性媒体
(II)中に着色樹脂(I)を粒子状で分散させることを
特徴とする、インクジェット記録液用水性着色粒子分散
体の製造方法を提供するものである。
リエステル樹脂の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応
させて生成する末端基を有するポリエステル樹脂及び/
又は末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂の
末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環
付加反応させて生成する末端基を有するポリエステル樹
脂(A)と、顔料(B)とを必須成分とする混合物を混
練してなる着色樹脂(I)を、アルコ−ル及び/又はグ
リコ−ルエ−テル系溶剤に溶解し、得られた着色樹脂溶
液(I−1)と水性媒体(II)とを混合して水性媒体
(II)中に着色樹脂(I)を粒子状で分散させることを
特徴とする、インクジェット記録液用水性着色粒子分散
体の製造方法を提供するものである。
【0008】更に、本発明は、前記のインクジェット記
録液用水性着色粒子分散体を必須成分としてなることを
特徴とする、インクジェット記録液を提供するものであ
る。
録液用水性着色粒子分散体を必須成分としてなることを
特徴とする、インクジェット記録液を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明に使用する必須成分であるポリエステル
樹脂(A)は、末端に水酸基を有するポリエステル樹脂
の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する
末端基を有するポリエステル樹脂及び/又は末端にカル
ボキシル基を有するポリエステル樹脂の末端カルボキシ
ル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環付加反応させて
生成する末端基を有するポリエステル樹脂をいう。
明する。本発明に使用する必須成分であるポリエステル
樹脂(A)は、末端に水酸基を有するポリエステル樹脂
の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する
末端基を有するポリエステル樹脂及び/又は末端にカル
ボキシル基を有するポリエステル樹脂の末端カルボキシ
ル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環付加反応させて
生成する末端基を有するポリエステル樹脂をいう。
【0010】上記末端に水酸基を有するポリエステル樹
脂や、末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂
の製造に使用される原料としては、ポリエステル樹脂を
構成する公知慣用の原料が、特に制限なく使用すること
ができる。使用される原料で代表的なものは、ジカルボ
ン酸等の多塩基酸およびその無水物あるいはその低級ア
ルキルエステルの如き反応性誘導体(以下、これらを
「多塩基酸類」という。)と、ジオ−ル等の多価アルコ
−ル類が挙げられ、以下のものが好適に用いられる。
脂や、末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂
の製造に使用される原料としては、ポリエステル樹脂を
構成する公知慣用の原料が、特に制限なく使用すること
ができる。使用される原料で代表的なものは、ジカルボ
ン酸等の多塩基酸およびその無水物あるいはその低級ア
ルキルエステルの如き反応性誘導体(以下、これらを
「多塩基酸類」という。)と、ジオ−ル等の多価アルコ
−ル類が挙げられ、以下のものが好適に用いられる。
【0011】多塩基酸類として用いるジカルボン酸とし
ては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル
酸、イタコン酸、無水イタコン酸、修酸、マロン酸、コ
ハク酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、ドデシル無
水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、デカン
−1,10−ジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸;フタル
酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸およびその無
水物、ヘキサヒドロフタル酸およびその無水物、テトラ
ブロムフタル酸およびその無水物、テトラクロルフタル
酸およびその無水物、ヘット酸およびその無水物、ハイ
ミック酸およびその無水物、イソフタル酸、テレフタル
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸等の芳香族又は脂環式の二塩基酸類;など
が挙げられる。
ては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル
酸、イタコン酸、無水イタコン酸、修酸、マロン酸、コ
ハク酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、ドデシル無
水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハ
ク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、デカン
−1,10−ジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸;フタル
酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸およびその無
水物、ヘキサヒドロフタル酸およびその無水物、テトラ
ブロムフタル酸およびその無水物、テトラクロルフタル
酸およびその無水物、ヘット酸およびその無水物、ハイ
ミック酸およびその無水物、イソフタル酸、テレフタル
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸等の芳香族又は脂環式の二塩基酸類;など
が挙げられる。
【0012】さらに、3官能以上の多塩基酸類の一つと
して、1分子中に3個以上のカルボキシル基を有するカ
ルボン酸およびその反応性誘導体を使用することができ
る。これらの代表的なものを挙げると、トリメリット
酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカ
ルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等がある。
して、1分子中に3個以上のカルボキシル基を有するカ
ルボン酸およびその反応性誘導体を使用することができ
る。これらの代表的なものを挙げると、トリメリット
酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカ
ルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等がある。
【0013】これらの多塩基酸類は、それぞれ単独で使
用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
【0014】さらに、上記した多塩基酸類は、そのカル
ボキシル基の一部または全部がアルキルエステル、アル
ケニルエステル又はアリ−ルエステルとなっているもの
も使用できる。
ボキシル基の一部または全部がアルキルエステル、アル
ケニルエステル又はアリ−ルエステルとなっているもの
も使用できる。
【0015】また、ポリエステル樹脂(A)を調製する
際に原料成分として、例えば、ジメチロ−ルプロピオン
酸、ジメチロ−ルブタン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸
のような、1分子中に水酸基とカルボキシル基を併有す
る化合物あるいはそれらの反応性誘導体も使用できる。
際に原料成分として、例えば、ジメチロ−ルプロピオン
酸、ジメチロ−ルブタン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸
のような、1分子中に水酸基とカルボキシル基を併有す
る化合物あるいはそれらの反応性誘導体も使用できる。
【0016】さらに、安息香酸、p−tert−ブチル
安息香酸のような一塩基酸も本発明の効果を損なわない
範囲内で併用することができる。
安息香酸のような一塩基酸も本発明の効果を損なわない
範囲内で併用することができる。
【0017】次に、多価アルコ−ル類として使用できる
代表的なものを挙げると、エチレングリコ−ル、1,2
−プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、
1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−
ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、
トリエチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の
脂肪族ジオ−ル類;ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ル
F等のビスフェノ−ル類;ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイド付加物、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキ
サイド付加物等のビスフェノ−ルAアルキレンオキサイ
ド付加物;キシリレンジグリコ−ル、シクロヘキサンジ
メタノ−ル、水添ビスフェノ−ルA等のアラルキレング
リコ−ルまたは脂環族のジオ−ル類;などがある。
代表的なものを挙げると、エチレングリコ−ル、1,2
−プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、
1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−
ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、
トリエチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の
脂肪族ジオ−ル類;ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ル
F等のビスフェノ−ル類;ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイド付加物、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキ
サイド付加物等のビスフェノ−ルAアルキレンオキサイ
ド付加物;キシリレンジグリコ−ル、シクロヘキサンジ
メタノ−ル、水添ビスフェノ−ルA等のアラルキレング
リコ−ルまたは脂環族のジオ−ル類;などがある。
【0018】3官能以上の多価アルコール類として、3
個以上の水酸基を有する化合物も使用することができ、
その代表的なものとしては、グリセリン、トリメチロ−
ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ソルビト−ル、
1,2,3,6−ヘキサンテトロ−ル、1,4−ソルビ
タン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリト−
ル、2−メチルプロパントリオ−ル、1,3,5−トリ
ヒドロキシベンゼン、トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌレ−ト等がある。
個以上の水酸基を有する化合物も使用することができ、
その代表的なものとしては、グリセリン、トリメチロ−
ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ソルビト−ル、
1,2,3,6−ヘキサンテトロ−ル、1,4−ソルビ
タン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリト−
ル、2−メチルプロパントリオ−ル、1,3,5−トリ
ヒドロキシベンゼン、トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌレ−ト等がある。
【0019】また、下記に示すようなポリエポキシ化合
物も3官能以上の多価アルコ−ル類として使用すること
ができる。例えば、エチレングリコール、ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、水添ビスフェノールA等の如
き、各種の脂肪族ないしは脂環式ポリオールのポリグリ
シジルエーテル類;
物も3官能以上の多価アルコ−ル類として使用すること
ができる。例えば、エチレングリコール、ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、水添ビスフェノールA等の如
き、各種の脂肪族ないしは脂環式ポリオールのポリグリ
シジルエーテル類;
【0020】ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、
ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノール
F等の如き、各種のフェノ−ル性水酸基の2個を含有す
る化合物のポリグリシジルエーテル類;上記したフェノ
−ル性水酸基の2個を含有する化合物のエチレンオキシ
ドもしくはプロピレンオキシド付加体等の如き誘導体の
ジグリシジルエーテル類;
ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノール
F等の如き、各種のフェノ−ル性水酸基の2個を含有す
る化合物のポリグリシジルエーテル類;上記したフェノ
−ル性水酸基の2個を含有する化合物のエチレンオキシ
ドもしくはプロピレンオキシド付加体等の如き誘導体の
ジグリシジルエーテル類;
【0021】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等の如き、
各種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテ
ル類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−
トのポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタンテ
トラカルボン酸、プロパントリカルボン酸、フタル酸、
テレフタル酸、トリメリット酸等の如き、各種の脂肪族
ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジルエステ
ル類;
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等の如き、
各種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテ
ル類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−
トのポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタンテ
トラカルボン酸、プロパントリカルボン酸、フタル酸、
テレフタル酸、トリメリット酸等の如き、各種の脂肪族
ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジルエステ
ル類;
【0022】ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエ
ン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネン、
ビニルシクロヘキセン等の如き、各種の炭化水素系ジエ
ンのビスエポキシド類;ビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカル
ボキシレート等の如き、各種の脂環式ポリエポキシ化合
物;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の如き、各種の
ジエンポリマーのエポキシ化物;などが挙げられる。
ン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネン、
ビニルシクロヘキセン等の如き、各種の炭化水素系ジエ
ンのビスエポキシド類;ビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカル
ボキシレート等の如き、各種の脂環式ポリエポキシ化合
物;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の如き、各種の
ジエンポリマーのエポキシ化物;などが挙げられる。
【0023】これら上記した多価アルコ−ル類は、単独
で使用してもよいし2種以上のものを併用することもで
きる。さらに、これらの多価アルコ−ル類の他、ステア
リルアルコ−ルなどの1価の高級アルコ−ル等も本発明
の特徴を損なわない範囲で併用することができる。
で使用してもよいし2種以上のものを併用することもで
きる。さらに、これらの多価アルコ−ル類の他、ステア
リルアルコ−ルなどの1価の高級アルコ−ル等も本発明
の特徴を損なわない範囲で併用することができる。
【0024】本発明に使用するポリエステル樹脂(A)
は、末端に水酸基を有するポリエステル樹脂の末端水酸
基に酸無水物を開環付加反応させて得られる構造、及び
/又は末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂
の末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開
環付加反応させて得られる構造を有することを特徴とす
る。すなわち、かかる末端構造を有することにより、顔
料分散が良好となり同時にポリエステル樹脂(A)と顔
料(B)からなる着色粒子の水中での安定性が飛躍的に
改善され、かつその粒子径も小さくなる。
は、末端に水酸基を有するポリエステル樹脂の末端水酸
基に酸無水物を開環付加反応させて得られる構造、及び
/又は末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂
の末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開
環付加反応させて得られる構造を有することを特徴とす
る。すなわち、かかる末端構造を有することにより、顔
料分散が良好となり同時にポリエステル樹脂(A)と顔
料(B)からなる着色粒子の水中での安定性が飛躍的に
改善され、かつその粒子径も小さくなる。
【0025】末端に水酸基を有するポリエステル樹脂の
末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する末
端基を有するポリエステル樹脂(A1)は、その調製方
法に特に制限はないが、例えば、末端に水酸基を有する
ポリエステル樹脂を加熱溶融しておき、そこに酸無水物
を投入し、開環付加反応させることにより容易に調製で
きる。この際、酸無水物の開環によって生成するカルボ
キシル基が実質的にさらに他の水酸基と反応しない条件
で開環付加反応を行うことが重要である。すなわち、開
環によって生成するカルボキシル基の大半が実質的に他
の水酸基と反応し縮合してしまうと、本発明の効果を奏
し得なくなるので、この開環付加反応は実質的にかかる
脱水縮合反応が起こらない条件で進行させる必要があ
る。
末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する末
端基を有するポリエステル樹脂(A1)は、その調製方
法に特に制限はないが、例えば、末端に水酸基を有する
ポリエステル樹脂を加熱溶融しておき、そこに酸無水物
を投入し、開環付加反応させることにより容易に調製で
きる。この際、酸無水物の開環によって生成するカルボ
キシル基が実質的にさらに他の水酸基と反応しない条件
で開環付加反応を行うことが重要である。すなわち、開
環によって生成するカルボキシル基の大半が実質的に他
の水酸基と反応し縮合してしまうと、本発明の効果を奏
し得なくなるので、この開環付加反応は実質的にかかる
脱水縮合反応が起こらない条件で進行させる必要があ
る。
【0026】上記酸無水物としては、無水コハク酸、無
水フタル酸、無水トリメリット酸、ドデセニル無水コハ
ク酸等が挙げられるが、なかでも、炭素原子数が4〜2
0のアルキル基または炭素原子数が4〜20のアルケニ
ル基を有する酸無水物が好ましく、例えば、n−ドデセ
ニル無水フタル酸、イソドデセニル無水フタル酸、n−
ドデシル無水フタル酸、イソドデシル無水フタル酸、n
−オクチル無水フタル酸、n−オクテニル無水フタル
酸、n−ブテニル無水フタル酸、イソブテニル無水フタ
ル酸、n−ブチル無水フタル酸、イソブチル無水フタル
酸;n−ドデセニル無水マレイン酸、イソドデセニル無
水マレイン酸、n−ドデシル無水マレイン酸、イソドデ
シル無水マレイン酸、n−オクチル無水マレイン酸、n
−オクテニル無水マレイン酸、n−ブテニル無水マレイ
ン酸、イソブテニル無水マレイン酸、n−ブチル無水マ
レイン酸、イソブチル無水マレイン酸;n−ドデセニル
無水コハク酸、イソドデセニル無水コハク酸、n−ドデ
シル無水コハク酸、イソドデシル無水コハク酸、n−オ
クチル無水コハク酸、イソオクチル無水コハク酸、2−
エチルヘキシル無水コハク酸、n−オクテニル無水コハ
ク酸、n−ヘプチル無水コハク酸、n−ヘキシル無水コ
ハク酸、n−ペンチル無水コハク酸、ネオペンチル無水
コハク酸、n−ブテニル無水コハク酸、イソブテニル無
水コハク酸、n−ブチル無水コハク酸、イソブチル無水
コハク酸等が挙げられ、n−ドデセニル無水コハク酸、
イソドデセニル無水コハク酸、n−ドデシル無水コハク
酸、イソドデシル無水コハク酸が特に好ましい。
水フタル酸、無水トリメリット酸、ドデセニル無水コハ
ク酸等が挙げられるが、なかでも、炭素原子数が4〜2
0のアルキル基または炭素原子数が4〜20のアルケニ
ル基を有する酸無水物が好ましく、例えば、n−ドデセ
ニル無水フタル酸、イソドデセニル無水フタル酸、n−
ドデシル無水フタル酸、イソドデシル無水フタル酸、n
−オクチル無水フタル酸、n−オクテニル無水フタル
酸、n−ブテニル無水フタル酸、イソブテニル無水フタ
ル酸、n−ブチル無水フタル酸、イソブチル無水フタル
酸;n−ドデセニル無水マレイン酸、イソドデセニル無
水マレイン酸、n−ドデシル無水マレイン酸、イソドデ
シル無水マレイン酸、n−オクチル無水マレイン酸、n
−オクテニル無水マレイン酸、n−ブテニル無水マレイ
ン酸、イソブテニル無水マレイン酸、n−ブチル無水マ
レイン酸、イソブチル無水マレイン酸;n−ドデセニル
無水コハク酸、イソドデセニル無水コハク酸、n−ドデ
シル無水コハク酸、イソドデシル無水コハク酸、n−オ
クチル無水コハク酸、イソオクチル無水コハク酸、2−
エチルヘキシル無水コハク酸、n−オクテニル無水コハ
ク酸、n−ヘプチル無水コハク酸、n−ヘキシル無水コ
ハク酸、n−ペンチル無水コハク酸、ネオペンチル無水
コハク酸、n−ブテニル無水コハク酸、イソブテニル無
水コハク酸、n−ブチル無水コハク酸、イソブチル無水
コハク酸等が挙げられ、n−ドデセニル無水コハク酸、
イソドデセニル無水コハク酸、n−ドデシル無水コハク
酸、イソドデシル無水コハク酸が特に好ましい。
【0027】一方、末端にカルボキシル基を有するポリ
エステル樹脂の末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキ
シ化合物を開環付加反応させて生成する末端基を有する
ポリエステル樹脂(A2)は、調製方法に特に制限はな
いが、例えば、末端にカルボキシル基を有するポリエス
テル樹脂を加熱溶融し、そこに脂肪族モノエポキシ化合
物を開環付加反応させることによって容易に調製するこ
とができる。この際、脂肪族モノエポキシ化合物の開環
で生成する水酸基が実質的にさらに他のカルボキシル基
と反応しない条件で開環付加反応を行うことが重要であ
ることは、前記した水酸基と酸無水物の開環付加反応の
場合と同様である。
エステル樹脂の末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキ
シ化合物を開環付加反応させて生成する末端基を有する
ポリエステル樹脂(A2)は、調製方法に特に制限はな
いが、例えば、末端にカルボキシル基を有するポリエス
テル樹脂を加熱溶融し、そこに脂肪族モノエポキシ化合
物を開環付加反応させることによって容易に調製するこ
とができる。この際、脂肪族モノエポキシ化合物の開環
で生成する水酸基が実質的にさらに他のカルボキシル基
と反応しない条件で開環付加反応を行うことが重要であ
ることは、前記した水酸基と酸無水物の開環付加反応の
場合と同様である。
【0028】上記脂肪族モノエポキシ化合物としては、
なかでも、炭素原子数が4〜20のアルキル基または炭
素原子数が4〜20のアルケニル基を有する脂肪族モノ
エポキシ化合物が好ましく、例えば、例えば、カ−ジュ
ラE10(シェルケミカル社製分岐脂肪酸のグリシジル
エステル)、ヒマシ油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂
肪酸、桐油脂肪酸等、各種の飽和あるいは不飽和の脂肪
酸のモノグリシジルエステルや、イソノナン酸、バ−サ
チック酸等の分岐脂肪酸のモノグリシジルエステルなど
が挙げられ、カ−ジュラE10が特に好ましい。
なかでも、炭素原子数が4〜20のアルキル基または炭
素原子数が4〜20のアルケニル基を有する脂肪族モノ
エポキシ化合物が好ましく、例えば、例えば、カ−ジュ
ラE10(シェルケミカル社製分岐脂肪酸のグリシジル
エステル)、ヒマシ油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂
肪酸、桐油脂肪酸等、各種の飽和あるいは不飽和の脂肪
酸のモノグリシジルエステルや、イソノナン酸、バ−サ
チック酸等の分岐脂肪酸のモノグリシジルエステルなど
が挙げられ、カ−ジュラE10が特に好ましい。
【0029】上記酸無水物の開環によって生成するカル
ボキシル基が実質的にさらに他の水酸基と脱水縮合反応
を起こさない開環付加反応条件、および、上記脂肪族モ
ノエポキシ化合物の開環によって生成する水酸基が実質
的にさらに他のカルボキシル基と脱水縮合反応を起こさ
ない開環付加反応条件としては、特に限定はないが、例
えば、開環付加反応温度を脱水が起こる240℃程度の
温度から200℃程度に下げる、撹拌回転速度を低下さ
せて水の蒸発を抑制する、反応系中に窒素ガス等の不活
性ガスを導入している場合はその量を最小限に抑える、
減圧反応を行って脱水縮合をしている場合にその減圧反
応を停止し、常圧反応に戻す、等の方法が一般的であ
る。
ボキシル基が実質的にさらに他の水酸基と脱水縮合反応
を起こさない開環付加反応条件、および、上記脂肪族モ
ノエポキシ化合物の開環によって生成する水酸基が実質
的にさらに他のカルボキシル基と脱水縮合反応を起こさ
ない開環付加反応条件としては、特に限定はないが、例
えば、開環付加反応温度を脱水が起こる240℃程度の
温度から200℃程度に下げる、撹拌回転速度を低下さ
せて水の蒸発を抑制する、反応系中に窒素ガス等の不活
性ガスを導入している場合はその量を最小限に抑える、
減圧反応を行って脱水縮合をしている場合にその減圧反
応を停止し、常圧反応に戻す、等の方法が一般的であ
る。
【0030】末端に水酸基を有するポリエステル樹脂の
末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する末
端基、あるいは末端にカルボキシル基を有するポリエス
テル樹脂の末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキシ化
合物を開環付加反応させて得られる末端基は、それぞれ
単独でポリエステル樹脂1分子中に含まれていてもよい
し、これらの末端基を両方有していてもよい。
末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する末
端基、あるいは末端にカルボキシル基を有するポリエス
テル樹脂の末端カルボキシル基に脂肪族モノエポキシ化
合物を開環付加反応させて得られる末端基は、それぞれ
単独でポリエステル樹脂1分子中に含まれていてもよい
し、これらの末端基を両方有していてもよい。
【0031】ポリエステル樹脂(A)の製造で用いる酸
無水物及び/又は脂肪族モノエポキシ化合物の使用量
は、特に制限されないが、ポリエステル樹脂(A)の製
造が容易なことから、末端に水酸基を有するポリエステ
ル樹脂及び/又は末端にカルボキシル基を有するポリエ
ステル樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部と
なる範囲が好ましく、なかでも1〜10重量部となる範
囲が特に好ましい。
無水物及び/又は脂肪族モノエポキシ化合物の使用量
は、特に制限されないが、ポリエステル樹脂(A)の製
造が容易なことから、末端に水酸基を有するポリエステ
ル樹脂及び/又は末端にカルボキシル基を有するポリエ
ステル樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部と
なる範囲が好ましく、なかでも1〜10重量部となる範
囲が特に好ましい。
【0032】また、本発明で使用するポリエステル樹脂
(A)としては、なかでも、下記の一般式(1)、
(2)及び(3)で表される構造の末端基からなる群か
ら選ばれる1種以上の末端基であることが、本発明の奏
する効果をより高くする上で好ましい。
(A)としては、なかでも、下記の一般式(1)、
(2)及び(3)で表される構造の末端基からなる群か
ら選ばれる1種以上の末端基であることが、本発明の奏
する効果をより高くする上で好ましい。
【化3】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なり、水素原子、炭
素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子数4〜20
のアルケニル基を表すが、両方ともに水素原子であるこ
とはない。また、R3 は炭素原子数が4〜20のアルキ
ル基又は炭素原子数が4〜20のアルケニル基を表し、
R4 は炭素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子数
4〜20のアルケニル基を表す。)
素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子数4〜20
のアルケニル基を表すが、両方ともに水素原子であるこ
とはない。また、R3 は炭素原子数が4〜20のアルキ
ル基又は炭素原子数が4〜20のアルケニル基を表し、
R4 は炭素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子数
4〜20のアルケニル基を表す。)
【0033】上記一般式(1)、(2)及び(3)中の
R1〜R4が示している炭素原子数4〜20のアルキル基
又は炭素原子数4〜20のアルケニル基の例としては、
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、ドデシル基、ドデセニル基等のアルキル基
ないしアルケニル基が挙げられるが、これらのアルキル
基又はアルケニル基は直鎖状でもよく、分岐状のもので
もよい。
R1〜R4が示している炭素原子数4〜20のアルキル基
又は炭素原子数4〜20のアルケニル基の例としては、
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、ドデシル基、ドデセニル基等のアルキル基
ないしアルケニル基が挙げられるが、これらのアルキル
基又はアルケニル基は直鎖状でもよく、分岐状のもので
もよい。
【0034】上記ポリエステル樹脂(A)を調製するに
は公知慣用の方法が使用できる。すなわち、ポリエステ
ル樹脂(A)を調製する方法としては、上記した原料成
分である多塩基酸類および多価アルコ−ル類を窒素雰囲
気中で加熱下に脱水縮合させて水酸基及び/又はカルボ
キシル基を有するポリエステル樹脂を調製し、さらに前
記した開環付加反応を行う方法が一般的である。この際
に使用される装置としては、窒素導入口、温度計、攪拌
装置、精留塔等を備えた反応容器の如き回分式の製造装
置が好適に使用できるほか、脱気口を備えた押出機や連
続式の反応装置、混練機等も使用できる。また、上記脱
水縮合の際、必要に応じて反応系を減圧することによっ
て、エステル化反応を促進することもできる。さらに、
エステル化反応の促進のために、公知慣用の触媒を添加
することもできる。
は公知慣用の方法が使用できる。すなわち、ポリエステ
ル樹脂(A)を調製する方法としては、上記した原料成
分である多塩基酸類および多価アルコ−ル類を窒素雰囲
気中で加熱下に脱水縮合させて水酸基及び/又はカルボ
キシル基を有するポリエステル樹脂を調製し、さらに前
記した開環付加反応を行う方法が一般的である。この際
に使用される装置としては、窒素導入口、温度計、攪拌
装置、精留塔等を備えた反応容器の如き回分式の製造装
置が好適に使用できるほか、脱気口を備えた押出機や連
続式の反応装置、混練機等も使用できる。また、上記脱
水縮合の際、必要に応じて反応系を減圧することによっ
て、エステル化反応を促進することもできる。さらに、
エステル化反応の促進のために、公知慣用の触媒を添加
することもできる。
【0035】次に、ポリエステル樹脂(A)の性状につ
いて説明する。ポリエステル樹脂(A)は、顔料の分散
性、水性媒体(II)中での分散安定性、画像の耐水性及
び耐候性等を考慮すると、特定の分子量の範囲にあるこ
とが好ましい。すなわち、ポリエステル樹脂(A)のG
PC法による重量平均分子量は5,000〜300,0
00の範囲にあることが好ましく、さらに、7,000
〜100,000の範囲であることが好ましい。
いて説明する。ポリエステル樹脂(A)は、顔料の分散
性、水性媒体(II)中での分散安定性、画像の耐水性及
び耐候性等を考慮すると、特定の分子量の範囲にあるこ
とが好ましい。すなわち、ポリエステル樹脂(A)のG
PC法による重量平均分子量は5,000〜300,0
00の範囲にあることが好ましく、さらに、7,000
〜100,000の範囲であることが好ましい。
【0036】さらに、着色粒子の水性媒体(II)中での
分散安定性をより良好にするためには、ポリエステル樹
脂(A)は、カルボキシル基を含有するポリエステル樹
脂であって、そのカルボキシル基の一部ないしは全部を
塩基性化合物で中和することにより水性媒体中で安定と
なるポリエステル樹脂(A)であることが好ましい。こ
のためポリエステル樹脂(A)の酸価は、5〜100m
gKOH/gの範囲にあることが好ましく、さらに10
〜50mgKOH/gの範囲であることがさらに好まし
い。また、かかる塩基性化合物としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ
化合物、それらの炭酸塩、それらの酢酸塩;アンモニア
水;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン
などのアルキルアミン類、ジエタノールアミンなどのア
ルカノールアミン類等を使用することができる。
分散安定性をより良好にするためには、ポリエステル樹
脂(A)は、カルボキシル基を含有するポリエステル樹
脂であって、そのカルボキシル基の一部ないしは全部を
塩基性化合物で中和することにより水性媒体中で安定と
なるポリエステル樹脂(A)であることが好ましい。こ
のためポリエステル樹脂(A)の酸価は、5〜100m
gKOH/gの範囲にあることが好ましく、さらに10
〜50mgKOH/gの範囲であることがさらに好まし
い。また、かかる塩基性化合物としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ
化合物、それらの炭酸塩、それらの酢酸塩;アンモニア
水;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン
などのアルキルアミン類、ジエタノールアミンなどのア
ルカノールアミン類等を使用することができる。
【0037】次に、本発明に使用する他の必須成分であ
る、顔料(B)について説明する。本発明において「顔
料」とは、着色剤であって、水、油、有機溶剤等に不溶
の粉末をいう。顔料(B)として使用できる代表的なも
のを挙げると、特に制限はないが、アゾ系、フタロシア
ニン系、ペリレン系、キナクリドン系などの多環式顔
料;酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄、酸化コバルト等の金
属酸化物;サ−マルブラック法、アセチレンブラック
法、チャンネルブラック法、ファ−ネスブラック法、ラ
ンプブラック法等により製造される各種のカ−ボンブラ
ックなどがある。これらはそれぞれ単独で使用できる
し、2種以上を併用してもよい。
る、顔料(B)について説明する。本発明において「顔
料」とは、着色剤であって、水、油、有機溶剤等に不溶
の粉末をいう。顔料(B)として使用できる代表的なも
のを挙げると、特に制限はないが、アゾ系、フタロシア
ニン系、ペリレン系、キナクリドン系などの多環式顔
料;酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄、酸化コバルト等の金
属酸化物;サ−マルブラック法、アセチレンブラック
法、チャンネルブラック法、ファ−ネスブラック法、ラ
ンプブラック法等により製造される各種のカ−ボンブラ
ックなどがある。これらはそれぞれ単独で使用できる
し、2種以上を併用してもよい。
【0038】本発明の製造方法で使用する顔料(B)の
使用量は、特に制限はないが、水性媒体(II)への着色
樹脂(I)の分散性、画像品質等を考慮した場合、ポリ
エステル樹脂(A)と顔料(B)の全重量を基準とし
て、0.2〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
使用量は、特に制限はないが、水性媒体(II)への着色
樹脂(I)の分散性、画像品質等を考慮した場合、ポリ
エステル樹脂(A)と顔料(B)の全重量を基準とし
て、0.2〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
【0039】本発明においては、水性着色粒子を構成す
る必須成分であるポリエステル樹脂(A)及び顔料
(B)以外に他の成分を加えることもできる。使用でき
る他の成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、顔料分散剤等の添加剤類、アクリル樹脂、メラミン
樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリカ−ボネ−ト、石油樹脂、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイドなどの他の樹脂類等を例
示することができる。
る必須成分であるポリエステル樹脂(A)及び顔料
(B)以外に他の成分を加えることもできる。使用でき
る他の成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、顔料分散剤等の添加剤類、アクリル樹脂、メラミン
樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリカ−ボネ−ト、石油樹脂、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイドなどの他の樹脂類等を例
示することができる。
【0040】次に、本発明の製造方法について説明す
る。本発明の水性着色粒子分散体は、以下の方法により
製造される。すなわち、ポリエステル樹脂(A)及び
顔料(B)を必須成分とする混合物を混練する工程、
得られた着色樹脂(I)をアルコ−ル及び/又はグリコ
−ルエ−テル系溶剤に溶解して着色樹脂溶液(I−1)
とする工程、得られた着色樹脂溶液(I−1)と水性
媒体(II)とを混合して水性媒体(II)中に着色樹脂
(I)を粒子状で分散させて水性分散体とする工程から
なる。
る。本発明の水性着色粒子分散体は、以下の方法により
製造される。すなわち、ポリエステル樹脂(A)及び
顔料(B)を必須成分とする混合物を混練する工程、
得られた着色樹脂(I)をアルコ−ル及び/又はグリコ
−ルエ−テル系溶剤に溶解して着色樹脂溶液(I−1)
とする工程、得られた着色樹脂溶液(I−1)と水性
媒体(II)とを混合して水性媒体(II)中に着色樹脂
(I)を粒子状で分散させて水性分散体とする工程から
なる。
【0041】工程において使用される装置に特に制限
はないが、ポリエステル樹脂(A)に顔料(B)が良好
に湿潤し、顔料(B)がポリエステル樹脂(A)中に良
好に分散させることができるものであればよい。これら
の装置の例としては、1軸あるいは2軸の各種の混練機
若しくは押出機、加圧ニ−ダ−、2本あるいは3本ロ−
ル等がある。次に、工程において、着色樹脂(I)は
アルコ−ル及び/又はグリコ−ルエ−テル系溶剤に溶解
される。ここで使用されるアルコ−ル系溶剤には特に制
限はなく、ポリエステル樹脂(A)を溶解できるもので
あれば使用することができる。これらアルコ−ル類の代
表的なものを例示すると、メタノ−ル、エタノ−ル、プ
ロパノ−ル、ブタノ−ル、アミルアルコ−ル、ヘキサ−
ノ−ル、オクタノ−ル、シクロヘキサノ−ル、ベンジル
アルコ−ル等の1価アルコ−ル類、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ト
リエチレングリコ−ル、グリセリン等のグリコ−ル類等
がある。また、本発明においてグリコ−ルエ−テル系溶
剤とは、グリコ−ル類のアルキルエ−テル又はグリコ−
ル類のアルキルエ−テルエステルを総称するものとす
る。かかるグリコ−ルエ−テル系溶剤としては、ポリエ
ステル樹脂(A)を溶解できるものであれば特に制限は
なく、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、エチレ
ングリコ−ルモノエチルエ−テル、エチレングリコ−ル
モノブチルエ−テル、エチレングリコ−ルジメチルエ−
テル、エチレングリコ−ルジエチルエ−テル、エチレン
グリコ−ルジブチルエ−テル、プロピレングリコ−ルモ
ノメチルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノエチルエ
−テル、プロピレングリコ−ルモノブチルエ−テル、ジ
エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレング
リコ−ルモノエチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモ
ノブチルエ−テル、トリエチレングリコ−ルモノメチル
エ−テル、トリエチレングリコ−ルモノエチルエ−テ
ル、トリエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、エチ
レングリコ−ルモノエチルエ−テルアセテ−ト、ジエチ
レングリコ−ルモノエチルエ−テルアセテ−ト、プロピ
レングリコ−ルモノエチルエ−テルアセテ−ト等を例示
することができる。これらのアルコ−ル又はグリコ−ル
エ−テル系溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いし、
2種以上を併用することもできる。工程において使用
する上記アルコ−ル及び/又はグリコ−ルエ−テル系溶
剤は、最終のインクジェット記録液の成分としてそのま
ま使用することができるので、本発明の製造方法におけ
る工程中において、これら溶剤類を除去する必要がな
く、製造工程が著しく簡略化され、時間的・コスト的な
利点も大きいという顕著な効果をももたらす。
はないが、ポリエステル樹脂(A)に顔料(B)が良好
に湿潤し、顔料(B)がポリエステル樹脂(A)中に良
好に分散させることができるものであればよい。これら
の装置の例としては、1軸あるいは2軸の各種の混練機
若しくは押出機、加圧ニ−ダ−、2本あるいは3本ロ−
ル等がある。次に、工程において、着色樹脂(I)は
アルコ−ル及び/又はグリコ−ルエ−テル系溶剤に溶解
される。ここで使用されるアルコ−ル系溶剤には特に制
限はなく、ポリエステル樹脂(A)を溶解できるもので
あれば使用することができる。これらアルコ−ル類の代
表的なものを例示すると、メタノ−ル、エタノ−ル、プ
ロパノ−ル、ブタノ−ル、アミルアルコ−ル、ヘキサ−
ノ−ル、オクタノ−ル、シクロヘキサノ−ル、ベンジル
アルコ−ル等の1価アルコ−ル類、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ト
リエチレングリコ−ル、グリセリン等のグリコ−ル類等
がある。また、本発明においてグリコ−ルエ−テル系溶
剤とは、グリコ−ル類のアルキルエ−テル又はグリコ−
ル類のアルキルエ−テルエステルを総称するものとす
る。かかるグリコ−ルエ−テル系溶剤としては、ポリエ
ステル樹脂(A)を溶解できるものであれば特に制限は
なく、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、エチレ
ングリコ−ルモノエチルエ−テル、エチレングリコ−ル
モノブチルエ−テル、エチレングリコ−ルジメチルエ−
テル、エチレングリコ−ルジエチルエ−テル、エチレン
グリコ−ルジブチルエ−テル、プロピレングリコ−ルモ
ノメチルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノエチルエ
−テル、プロピレングリコ−ルモノブチルエ−テル、ジ
エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレング
リコ−ルモノエチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモ
ノブチルエ−テル、トリエチレングリコ−ルモノメチル
エ−テル、トリエチレングリコ−ルモノエチルエ−テ
ル、トリエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、エチ
レングリコ−ルモノエチルエ−テルアセテ−ト、ジエチ
レングリコ−ルモノエチルエ−テルアセテ−ト、プロピ
レングリコ−ルモノエチルエ−テルアセテ−ト等を例示
することができる。これらのアルコ−ル又はグリコ−ル
エ−テル系溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いし、
2種以上を併用することもできる。工程において使用
する上記アルコ−ル及び/又はグリコ−ルエ−テル系溶
剤は、最終のインクジェット記録液の成分としてそのま
ま使用することができるので、本発明の製造方法におけ
る工程中において、これら溶剤類を除去する必要がな
く、製造工程が著しく簡略化され、時間的・コスト的な
利点も大きいという顕著な効果をももたらす。
【0042】さらに、工程において、着色樹脂(I)
をアルコ−ル及び/又はグリコ−ルエ−テル系溶剤に溶
解させて得られた着色樹脂溶液(I−1)は、必要に応
じて加熱及び/又は加圧し、水性媒体(II)と混合され
る。その結果、着色樹脂(I)が粒子状で水性媒体(I
I)中に微細に分散した水性分散体が得られる。
をアルコ−ル及び/又はグリコ−ルエ−テル系溶剤に溶
解させて得られた着色樹脂溶液(I−1)は、必要に応
じて加熱及び/又は加圧し、水性媒体(II)と混合され
る。その結果、着色樹脂(I)が粒子状で水性媒体(I
I)中に微細に分散した水性分散体が得られる。
【0043】この際に使用できる分散装置には特に制限
はないが、通常の機械的撹拌が可能な装置等を使用する
ことができる。かかる装置としては、特に制限はない
が、代表的な市販品を例示すると、マントンゴ−リン高
圧ホモジナイザ−(ゴ−リン社)、連続式超音波ホモジ
ナイザ−(日本精機株式会社)、ナノマイザ−(ナノマ
イザ−社)、マイクロフルイダイザ−(みずほ工業株式
会社)、ハレル型ホモジナイザ−、スラッシャ(三井鉱
山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユ−ロテック)
などの装置を例示することができ、なかでも回転型連続
式分散装置である「キャビトロン」が好ましい。
はないが、通常の機械的撹拌が可能な装置等を使用する
ことができる。かかる装置としては、特に制限はない
が、代表的な市販品を例示すると、マントンゴ−リン高
圧ホモジナイザ−(ゴ−リン社)、連続式超音波ホモジ
ナイザ−(日本精機株式会社)、ナノマイザ−(ナノマ
イザ−社)、マイクロフルイダイザ−(みずほ工業株式
会社)、ハレル型ホモジナイザ−、スラッシャ(三井鉱
山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユ−ロテック)
などの装置を例示することができ、なかでも回転型連続
式分散装置である「キャビトロン」が好ましい。
【0044】上記回転型連続式分散装置キャビトロン
は、スリットを有するリング状の突起を備えた固定子
と、スリットを有するリング状の突起を備えた回転子と
が、間隔を保って相互に咬み合うように同軸上に設けら
れた構造を有する回転型連続分散装置であり、これを用
いた分散方法は、この分散装置の固定子と回転子の中心
部分に、着色樹脂溶液(I−1)と水性媒体(II)とを
供給し、回転子を回転させながら該スリットと該間隔と
を通して中心部分から外周の方向に流動させることによ
り、水性媒体(II)中に着色樹脂(I)を粒子状で分散
させる方法である。
は、スリットを有するリング状の突起を備えた固定子
と、スリットを有するリング状の突起を備えた回転子と
が、間隔を保って相互に咬み合うように同軸上に設けら
れた構造を有する回転型連続分散装置であり、これを用
いた分散方法は、この分散装置の固定子と回転子の中心
部分に、着色樹脂溶液(I−1)と水性媒体(II)とを
供給し、回転子を回転させながら該スリットと該間隔と
を通して中心部分から外周の方向に流動させることによ
り、水性媒体(II)中に着色樹脂(I)を粒子状で分散
させる方法である。
【0045】以下、図面により上記のような回転型連続
式分散装置を用いた本発明の製造方法について詳しく説
明する。
式分散装置を用いた本発明の製造方法について詳しく説
明する。
【0046】図1は本発明の製造方法に用いられる回転
型連続式分散装置の固定子の一例を示す斜視図、図2は
本発明の製造方法に用いられる回転型連続式分散装置の
回転子の一例を示す斜視図、図3は本発明に用いる回転
型連続式分散装置の要部の一例を表した断面図、図4は
図3のA−A’断面を側面から見たときの固定子突起と
回転子突起の組み合わせ状態を表した図である。
型連続式分散装置の固定子の一例を示す斜視図、図2は
本発明の製造方法に用いられる回転型連続式分散装置の
回転子の一例を示す斜視図、図3は本発明に用いる回転
型連続式分散装置の要部の一例を表した断面図、図4は
図3のA−A’断面を側面から見たときの固定子突起と
回転子突起の組み合わせ状態を表した図である。
【0047】図1〜図4に示すように、回転型連続式分
散装置の固定子1は、中心に設置され、その中心に液入
口2を備えている。固定子1の円形状の面上には、固定
子1と同心円でリング状に並べられた突起3が1段又は
2段以上の多段状に備えられており、従って、突起3同
士の間隙には、円周溝4が形成されている。そして、突
起3同士の間には複数のスリット5が形成されている。
散装置の固定子1は、中心に設置され、その中心に液入
口2を備えている。固定子1の円形状の面上には、固定
子1と同心円でリング状に並べられた突起3が1段又は
2段以上の多段状に備えられており、従って、突起3同
士の間隙には、円周溝4が形成されている。そして、突
起3同士の間には複数のスリット5が形成されている。
【0048】この分散装置内の固定子1に対向する内壁
の中心には駆動軸6が設置され、駆動装置に接続されて
回転される。回転子7は、固定子1と平行で、かつ中心
が揃うように駆動軸6の先端に固定されている。固定子
1に対向する回転子7の面上には、回転子7と同心円で
リング上に並べられた突起8が一段または2段以上の多
段状に備わっている。従って、突起8同士の間隙には、
固定子1と同様に、環状の溝9が形成されている。そし
て、突起8同士の間には複数のスリット10が形成され
ている。
の中心には駆動軸6が設置され、駆動装置に接続されて
回転される。回転子7は、固定子1と平行で、かつ中心
が揃うように駆動軸6の先端に固定されている。固定子
1に対向する回転子7の面上には、回転子7と同心円で
リング上に並べられた突起8が一段または2段以上の多
段状に備わっている。従って、突起8同士の間隙には、
固定子1と同様に、環状の溝9が形成されている。そし
て、突起8同士の間には複数のスリット10が形成され
ている。
【0049】この固定子1と回転子7とは、固定子1の
突起3と回転子7の突起8が僅かな間隙を保つように、
咬み合わされた状態で使用に供される。
突起3と回転子7の突起8が僅かな間隙を保つように、
咬み合わされた状態で使用に供される。
【0050】この分散装置の液入口部2に、着色樹脂溶
液(I−1)と加熱された水性媒体(II)が供給され、
これらからなる混合物は回転子7が回転すると、最も内
側に位置する回転子7の突起8のスリット10に入り、
遠心力により該回転子7の突起8の外側から環状の溝9
に吐出され、次いで最も内側に位置する固定子1の突起
3のスリット5に入る。さらに、このスリット5に流入
した混合物は、固定子1の環状の溝4に押し出される。
このようにして当該混合物は、回転子7の回転により遠
心力を受け、スリット内を液入口から吐出口へと流動す
る。一方、回転子7と固定子1のスリットのずれにより
混合物の遠心流れの封じ込めと開放が繰り返されて差圧
が発生する。さらに、回転子7と固定子1の微少隙間で
混合液に対し剪断力が働く。この中心から外周方向への
流れと円周方向流れが直角に衝突し、それによって、強
力な撹拌・破砕効果が発生し、これにより着色樹脂溶液
(I−1)中の着色樹脂(I)が、加熱された水性媒体
(II)中に粒子状で分散した分散体が得られる。
液(I−1)と加熱された水性媒体(II)が供給され、
これらからなる混合物は回転子7が回転すると、最も内
側に位置する回転子7の突起8のスリット10に入り、
遠心力により該回転子7の突起8の外側から環状の溝9
に吐出され、次いで最も内側に位置する固定子1の突起
3のスリット5に入る。さらに、このスリット5に流入
した混合物は、固定子1の環状の溝4に押し出される。
このようにして当該混合物は、回転子7の回転により遠
心力を受け、スリット内を液入口から吐出口へと流動す
る。一方、回転子7と固定子1のスリットのずれにより
混合物の遠心流れの封じ込めと開放が繰り返されて差圧
が発生する。さらに、回転子7と固定子1の微少隙間で
混合液に対し剪断力が働く。この中心から外周方向への
流れと円周方向流れが直角に衝突し、それによって、強
力な撹拌・破砕効果が発生し、これにより着色樹脂溶液
(I−1)中の着色樹脂(I)が、加熱された水性媒体
(II)中に粒子状で分散した分散体が得られる。
【0051】この分散装置の回転子7の回転数は駆動軸
に接続された駆動モーターで制御される。回転数が大き
く周速が大きいほど大きい遠心力と剪断力を受けて、水
性媒体(II)中に粒子状で分散した着色樹脂(I)の粒
子径が小さくなる。直径10cmの回転子を使用して重
量平均粒子径が100nm以下のインクジェット記録液
用水性着色粒子分散体を製造する場合、好ましい回転数
は3,000〜10,000rpmである。
に接続された駆動モーターで制御される。回転数が大き
く周速が大きいほど大きい遠心力と剪断力を受けて、水
性媒体(II)中に粒子状で分散した着色樹脂(I)の粒
子径が小さくなる。直径10cmの回転子を使用して重
量平均粒子径が100nm以下のインクジェット記録液
用水性着色粒子分散体を製造する場合、好ましい回転数
は3,000〜10,000rpmである。
【0052】このような回転型連続式分散装置を使用す
る場合、着色樹脂溶液(I−1)の良好な流動性を維持
するために、当該分散装置には保温のためのジャケット
を設置することが好ましい。そして、分散装置内の温度
は、着色樹脂溶液(I−1)の温度、供給する水性媒体
(II)の温度、および、ジャケットによる保温効果と装
置内での剪断により発生する熱量のバランスを取ること
により、一定温度に制御される。
る場合、着色樹脂溶液(I−1)の良好な流動性を維持
するために、当該分散装置には保温のためのジャケット
を設置することが好ましい。そして、分散装置内の温度
は、着色樹脂溶液(I−1)の温度、供給する水性媒体
(II)の温度、および、ジャケットによる保温効果と装
置内での剪断により発生する熱量のバランスを取ること
により、一定温度に制御される。
【0053】かかる分散装置内の圧力は、水性媒体(I
I)の装置内における蒸気圧と高速回転する回転子によ
る吐出圧で決まる。また、得られた水性着色粒子分散体
を冷却して得られる分散体の取り出しは、取り出し口に
自動圧力制御弁を設けて、内部圧を一定に保ちつつ、分
散液を大気圧下に連続的に取り出すのが好ましい。
I)の装置内における蒸気圧と高速回転する回転子によ
る吐出圧で決まる。また、得られた水性着色粒子分散体
を冷却して得られる分散体の取り出しは、取り出し口に
自動圧力制御弁を設けて、内部圧を一定に保ちつつ、分
散液を大気圧下に連続的に取り出すのが好ましい。
【0054】次に、本発明の水性着色粒子分散体の性状
について説明する。本発明の水性着色粒子分散体は、ポ
リエステル樹脂(A)と顔料(B)とを必須の成分とす
る着色樹脂(I)が水性媒体中に粒子状で安定に存在し
ているものである。かかる樹脂粒子の重量平均粒子径
は、記録ヘッドの目詰まりを防止するため、5〜100
0nm(ナノメ−トル)の範囲にあることが好ましく、
10〜100nmの範囲にあることがより好ましい。
について説明する。本発明の水性着色粒子分散体は、ポ
リエステル樹脂(A)と顔料(B)とを必須の成分とす
る着色樹脂(I)が水性媒体中に粒子状で安定に存在し
ているものである。かかる樹脂粒子の重量平均粒子径
は、記録ヘッドの目詰まりを防止するため、5〜100
0nm(ナノメ−トル)の範囲にあることが好ましく、
10〜100nmの範囲にあることがより好ましい。
【0055】なお、本発明で用いる水性媒体(II)と
は、水を主成分とする液体であればよく、水以外の成分
として、各種水溶性塩類、水不溶性の塩類、ポリビニル
アルコ−ル、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシ
メチルセルロ−ス、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸
等の水溶性高分子、各種の界面活性剤、メタノ−ル、エ
タノ−ル、ジアセトンアルコ−ル、アセトン、エチレン
グリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等の水溶性溶剤等を
含むこともできる。
は、水を主成分とする液体であればよく、水以外の成分
として、各種水溶性塩類、水不溶性の塩類、ポリビニル
アルコ−ル、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシ
メチルセルロ−ス、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸
等の水溶性高分子、各種の界面活性剤、メタノ−ル、エ
タノ−ル、ジアセトンアルコ−ル、アセトン、エチレン
グリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等の水溶性溶剤等を
含むこともできる。
【0056】次に、本発明のインクジェット記録液につ
いて説明する。本発明のインクジェット記録液は、上記
水性着色粒子分散体を必須の成分とし、さらに必要に応
じて各種の添加剤等を加えて調製される。これら添加剤
としては、多価アルコ−ル類のような湿潤剤、表面張力
調整剤として各種の界面活性剤、シリコ−ン系化合物等
の消泡剤等を好適に使用することができる。
いて説明する。本発明のインクジェット記録液は、上記
水性着色粒子分散体を必須の成分とし、さらに必要に応
じて各種の添加剤等を加えて調製される。これら添加剤
としては、多価アルコ−ル類のような湿潤剤、表面張力
調整剤として各種の界面活性剤、シリコ−ン系化合物等
の消泡剤等を好適に使用することができる。
【0057】
【実施例】次に、合成例、実施例および比較例を挙げて
本発明を具体的に説明する。ただし、本発明の技術的な
範囲は以下の実施例に限定されるものではない。なお、
例中において「部」、「%」は、特にことわりがない限
り、重量基準である。
本発明を具体的に説明する。ただし、本発明の技術的な
範囲は以下の実施例に限定されるものではない。なお、
例中において「部」、「%」は、特にことわりがない限
り、重量基準である。
【0058】合成例1〔ポリエステル樹脂(A)の合
成〕 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−及び精留塔を備え
た内容量5リットルのフラスコに、ビスフェノ−ルAの
エチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2、水
酸基価360mgKOH/g)1745部及び1,4−
シクロヘキサンジメタノ−ル169部を仕込み、フラス
コ内の気相中に窒素ガスを導入しながら1時間を要して
温度を130℃まで上げ、内容物が溶解したことを確認
した後、ジブチル錫オキサイド1.5部及びテレフタル
酸897部を投入し、さらに5時間を要して温度を24
0℃まで上げた。次いで、同温度で4時間反応させ、酸
価が5.1mgKOH/g、水酸基価が12.6mgK
OH/g、環球法による軟化点が118℃の末端に水酸
基を有するポリエステル樹脂を調製した。次いで、同温
度でドデセニル無水コハク酸113部を投入し、最終的
に、GPC法による重量平均分子量が18,000で、
酸価が12.0mgKOH/gのポリエステル樹脂を得
た。これをポリエステル樹脂(A−1)と略記する。な
お、GPC法による重量平均分子量の測定は、Shod
ex GPC SYSTEM−21〔昭和電工(株)製〕を
使用して行なった。
成〕 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−及び精留塔を備え
た内容量5リットルのフラスコに、ビスフェノ−ルAの
エチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2、水
酸基価360mgKOH/g)1745部及び1,4−
シクロヘキサンジメタノ−ル169部を仕込み、フラス
コ内の気相中に窒素ガスを導入しながら1時間を要して
温度を130℃まで上げ、内容物が溶解したことを確認
した後、ジブチル錫オキサイド1.5部及びテレフタル
酸897部を投入し、さらに5時間を要して温度を24
0℃まで上げた。次いで、同温度で4時間反応させ、酸
価が5.1mgKOH/g、水酸基価が12.6mgK
OH/g、環球法による軟化点が118℃の末端に水酸
基を有するポリエステル樹脂を調製した。次いで、同温
度でドデセニル無水コハク酸113部を投入し、最終的
に、GPC法による重量平均分子量が18,000で、
酸価が12.0mgKOH/gのポリエステル樹脂を得
た。これをポリエステル樹脂(A−1)と略記する。な
お、GPC法による重量平均分子量の測定は、Shod
ex GPC SYSTEM−21〔昭和電工(株)製〕を
使用して行なった。
【0059】合成例2(同上) 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−、精留塔を備えた
内容量5リットルのフラスコに、ビスフェノ−ルAのエ
チレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2、水酸
基価360mgKOH/g)627部、ジエチレングリ
コ−ル477部、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル
156部及びトリメチロ−ルプロパン66部を仕込み、
系内が均一になったことを確認した後、ジブチル錫オキ
サイド1.5部を投入した。さらに系の温度を150℃
まで上げ、テレフタル酸1466部を投入し、フラスコ
内の気相中に窒素ガスを導入しながら3時間を要して温
度を240℃まで上げた。留出する水を系外に除去しな
がら内容物の酸価が24mgKOH/g以下となるまで
同温度で縮合反応を進めて末端にカルボキシル基を有す
るポリエステル樹脂を調製した。次いで、同温度でカ−
ジュラE10〔シェルケミカル社製の分岐脂肪酸(炭素
数10)のグリシジルエステル〕113部を加え、同温
度で1時間反応させて、最終的に、GPC法による重量
平均分子量が14,500で、酸価が13.5mgKO
H/gのポリエステル樹脂を得た。これをポリエステル
樹脂(A−2)と略記する。
内容量5リットルのフラスコに、ビスフェノ−ルAのエ
チレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2、水酸
基価360mgKOH/g)627部、ジエチレングリ
コ−ル477部、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル
156部及びトリメチロ−ルプロパン66部を仕込み、
系内が均一になったことを確認した後、ジブチル錫オキ
サイド1.5部を投入した。さらに系の温度を150℃
まで上げ、テレフタル酸1466部を投入し、フラスコ
内の気相中に窒素ガスを導入しながら3時間を要して温
度を240℃まで上げた。留出する水を系外に除去しな
がら内容物の酸価が24mgKOH/g以下となるまで
同温度で縮合反応を進めて末端にカルボキシル基を有す
るポリエステル樹脂を調製した。次いで、同温度でカ−
ジュラE10〔シェルケミカル社製の分岐脂肪酸(炭素
数10)のグリシジルエステル〕113部を加え、同温
度で1時間反応させて、最終的に、GPC法による重量
平均分子量が14,500で、酸価が13.5mgKO
H/gのポリエステル樹脂を得た。これをポリエステル
樹脂(A−2)と略記する。
【0060】合成例3〔比較対照用ポリエステル樹脂
(A´)の合成〕 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−及び精留塔を備え
た内容量5リットルのフラスコに、ビスフェノ−ルAの
エチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2、水
酸基価360mgKOH/g)1745部及び1,4−
シクロヘキサンジメタノ−ル169部を仕込み、フラス
コ内の気相中に窒素ガスを導入しながら1時間を要して
温度を130℃まで上げ、内容物が溶解したことを確認
した後、ジブチル錫オキサイド1.5部、テレフタル酸
897部及びイソフタル酸105部を投入し、さらに5
時間を要して温度を240℃まで上げた。次いで、同温
度で2時間反応させ、酸価が10.8mgKOH/g、
環球法による軟化点が112℃のポリエステル樹脂を調
製した。このポリエステル樹脂のGPC法による重量平
均分子量は13,400であった。これを比較対照用ポ
リエステル樹脂(A´)と略記する。
(A´)の合成〕 攪拌装置、窒素導入管、温度センサ−及び精留塔を備え
た内容量5リットルのフラスコに、ビスフェノ−ルAの
エチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2、水
酸基価360mgKOH/g)1745部及び1,4−
シクロヘキサンジメタノ−ル169部を仕込み、フラス
コ内の気相中に窒素ガスを導入しながら1時間を要して
温度を130℃まで上げ、内容物が溶解したことを確認
した後、ジブチル錫オキサイド1.5部、テレフタル酸
897部及びイソフタル酸105部を投入し、さらに5
時間を要して温度を240℃まで上げた。次いで、同温
度で2時間反応させ、酸価が10.8mgKOH/g、
環球法による軟化点が112℃のポリエステル樹脂を調
製した。このポリエステル樹脂のGPC法による重量平
均分子量は13,400であった。これを比較対照用ポ
リエステル樹脂(A´)と略記する。
【0061】実施例1 ポリエステル樹脂(A−1)900部とカーボンブラッ
ク(キャボット社製エルフテックス8)100部とをヘ
ンシェルミキサ−で予備混合した後、2軸連続混練機
(バレル温度100℃)を用いて溶融混練して着色樹脂
(I)を得た。次いで、内容積が2リットルのフラスコ
に着色樹脂(I)500部とトリエチレングリコ−ルモ
ノブチルエ−テル250部を仕込み、撹拌しながら温度
を80℃に加熱して着色樹脂溶液(I−1)を得た。こ
の着色樹脂溶液(I−1)を80℃に加熱しながらキャ
ビトロンCD1010(ユ−ロテック社製分散装置)に
毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体
タンクにトリエチルアミンをイオン交換水で希釈した
4.1%濃度のトリエチルアミン水溶液を入れ、熱交換
器で80℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度
で、上記着色樹脂溶液(I−1)と同時にキャビトロン
に移送し、キャビトロンを回転子の回転速度7500r
pmの条件で運転して、固形分が33.0%の水性着色
粒子分散体を得た。
ク(キャボット社製エルフテックス8)100部とをヘ
ンシェルミキサ−で予備混合した後、2軸連続混練機
(バレル温度100℃)を用いて溶融混練して着色樹脂
(I)を得た。次いで、内容積が2リットルのフラスコ
に着色樹脂(I)500部とトリエチレングリコ−ルモ
ノブチルエ−テル250部を仕込み、撹拌しながら温度
を80℃に加熱して着色樹脂溶液(I−1)を得た。こ
の着色樹脂溶液(I−1)を80℃に加熱しながらキャ
ビトロンCD1010(ユ−ロテック社製分散装置)に
毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体
タンクにトリエチルアミンをイオン交換水で希釈した
4.1%濃度のトリエチルアミン水溶液を入れ、熱交換
器で80℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度
で、上記着色樹脂溶液(I−1)と同時にキャビトロン
に移送し、キャビトロンを回転子の回転速度7500r
pmの条件で運転して、固形分が33.0%の水性着色
粒子分散体を得た。
【0062】得られた水性着色粒子分散体80部に、グ
リセリン7部、イオン交換水12.5部及びデモ−ルN
〔花王(株)製ナフタレンスルフォン酸系界面活性剤〕
0.5部を加え混合して、インクジェット記録液を得
た。このインクジェット記録液中に粒子状で分散してい
る着色樹脂(I)の重量平均粒子径は52nm(ナノメ
−トル)であった。これをインクジェット記録液(J−
1)と略記する。
リセリン7部、イオン交換水12.5部及びデモ−ルN
〔花王(株)製ナフタレンスルフォン酸系界面活性剤〕
0.5部を加え混合して、インクジェット記録液を得
た。このインクジェット記録液中に粒子状で分散してい
る着色樹脂(I)の重量平均粒子径は52nm(ナノメ
−トル)であった。これをインクジェット記録液(J−
1)と略記する。
【0063】実施例2 ポリエステル樹脂(A−1)900部とカーボンブラッ
ク(キャボット社製エルフテックス8)100部の代わ
りに、ポリエステル樹脂(A−2)900部とKET
BLUE 123〔大日本インキ化学工業(株)製銅フタ
ロシアニンブル−系顔料〕100部を使用した以外は実
施例1と同様にして、インクジェット記録液を得た。こ
のインクジェット記録液中に粒子状で分散している着色
樹脂(I)の重量平均粒子径は120nmであった。こ
れをインクジェット記録液(J−2)と略記する。
ク(キャボット社製エルフテックス8)100部の代わ
りに、ポリエステル樹脂(A−2)900部とKET
BLUE 123〔大日本インキ化学工業(株)製銅フタ
ロシアニンブル−系顔料〕100部を使用した以外は実
施例1と同様にして、インクジェット記録液を得た。こ
のインクジェット記録液中に粒子状で分散している着色
樹脂(I)の重量平均粒子径は120nmであった。こ
れをインクジェット記録液(J−2)と略記する。
【0064】実施例3 ポリエステル樹脂(A−1)900部とカーボンブラッ
ク(キャボット社製エルフテックス8)100部の代わ
りに、ポリエステル樹脂(A−1)600部とTone
r Yellow HG〔クラリアントジャパン(株)製
ベンズイミダゾロン系黄色顔料〕400部を使用した以
外は実施例1と同様にして、インクジェット記録液を得
た。このインクジェット記録液中に粒子状で分散してい
る着色樹脂(I)の重量平均粒子径は63nmであっ
た。これをインクジェット記録液(J−3)と略記す
る。
ク(キャボット社製エルフテックス8)100部の代わ
りに、ポリエステル樹脂(A−1)600部とTone
r Yellow HG〔クラリアントジャパン(株)製
ベンズイミダゾロン系黄色顔料〕400部を使用した以
外は実施例1と同様にして、インクジェット記録液を得
た。このインクジェット記録液中に粒子状で分散してい
る着色樹脂(I)の重量平均粒子径は63nmであっ
た。これをインクジェット記録液(J−3)と略記す
る。
【0065】実施例4 ポリエステル樹脂(A−1)900部とカーボンブラッ
ク(キャボット社製エルフテックス8)100部の代わ
りに、ポリエステル樹脂(A−2)700部とTone
r Magenta E02〔クラリアントジャパン
(株)製キナクリドン系赤色顔料〕300部を使用した以
外は実施例1と同様にして、インクジェット記録液を得
た。このインクジェット記録液中に粒子状で分散してい
る着色樹脂(I)の重量平均粒子径は36nmであっ
た。これをインクジェット記録液(J−4)と略記す
る。
ク(キャボット社製エルフテックス8)100部の代わ
りに、ポリエステル樹脂(A−2)700部とTone
r Magenta E02〔クラリアントジャパン
(株)製キナクリドン系赤色顔料〕300部を使用した以
外は実施例1と同様にして、インクジェット記録液を得
た。このインクジェット記録液中に粒子状で分散してい
る着色樹脂(I)の重量平均粒子径は36nmであっ
た。これをインクジェット記録液(J−4)と略記す
る。
【0066】比較例1(比較対照用インクジェット記録
液の調製) 内容積が3リットルのセパラブルフラスコにポリエステ
ル樹脂(A´)450部、カ−ボンブラック(キャボッ
ト社製エルフテックス8)50部及びメチルエチルケト
ン250部を仕込み、撹拌しながら温度を60℃まで上
げて着色樹脂溶液を調製した。次いで、この着色樹脂溶
液に、ジメチルエタノ−ルアミン6.0gを加えてポリ
エステル樹脂(A´)のカルボキシル基を中和した。さ
らに、系の温度を40℃に下げ、別途準備しておいたデ
モ−ルN〔花王(株)製ナフタレンスルフォン酸系界面活
性剤〕0.5%水溶液の750部を、攪拌しながら30
分間で滴下し、水性着色粒子分散体を得た。次いで、フ
ラスコ内圧を常圧から徐々に5.3Paまで減圧しなが
ら、メチルエチルケトンを留去した後、グリセリン13
0部とイオン交換水244部を加えてインクジェット記
録液を得た。この記録液中の着色樹脂粒子の重量平均粒
子径は1.2μm(1200nm)であった。これを比
較対照用インクジェット記録液(j−1)と略記する。
液の調製) 内容積が3リットルのセパラブルフラスコにポリエステ
ル樹脂(A´)450部、カ−ボンブラック(キャボッ
ト社製エルフテックス8)50部及びメチルエチルケト
ン250部を仕込み、撹拌しながら温度を60℃まで上
げて着色樹脂溶液を調製した。次いで、この着色樹脂溶
液に、ジメチルエタノ−ルアミン6.0gを加えてポリ
エステル樹脂(A´)のカルボキシル基を中和した。さ
らに、系の温度を40℃に下げ、別途準備しておいたデ
モ−ルN〔花王(株)製ナフタレンスルフォン酸系界面活
性剤〕0.5%水溶液の750部を、攪拌しながら30
分間で滴下し、水性着色粒子分散体を得た。次いで、フ
ラスコ内圧を常圧から徐々に5.3Paまで減圧しなが
ら、メチルエチルケトンを留去した後、グリセリン13
0部とイオン交換水244部を加えてインクジェット記
録液を得た。この記録液中の着色樹脂粒子の重量平均粒
子径は1.2μm(1200nm)であった。これを比
較対照用インクジェット記録液(j−1)と略記する。
【0067】比較例2(同上) ポリエステル樹脂(A´)450部とカ−ボンブラック
(キャボット社製エルフテックス8)50部の代わり
に、ポリエステル樹脂(A´)350部とKayase
t Magenta J−011〔日本化薬(株)製赤色
直接染料:C.I.DR−227)150部を使用した
以外は比較例1と同様にして、インクジェット記録液を
得た。この記録液中の着色樹脂粒子の重量平均粒子径は
46nmであった。これを比較対照用インクジェット記
録液(j−2)と略記する。
(キャボット社製エルフテックス8)50部の代わり
に、ポリエステル樹脂(A´)350部とKayase
t Magenta J−011〔日本化薬(株)製赤色
直接染料:C.I.DR−227)150部を使用した
以外は比較例1と同様にして、インクジェット記録液を
得た。この記録液中の着色樹脂粒子の重量平均粒子径は
46nmであった。これを比較対照用インクジェット記
録液(j−2)と略記する。
【0068】試験例1〜4及び比較試験例1〜2 実施例1〜4及び比較例1〜2で調製したインクジェッ
ト記録液(J−1)〜(J−4)及び(j−1)〜(j
−2)の評価(重量平均粒子径の測定、記録液の安定性
評価、印字画質の評価、耐水性の評価、耐光性の評価、
記録ヘッドの詰まり易さの評価)を以下のようにして行
った。結果を第1表及び第2表に示す。
ト記録液(J−1)〜(J−4)及び(j−1)〜(j
−2)の評価(重量平均粒子径の測定、記録液の安定性
評価、印字画質の評価、耐水性の評価、耐光性の評価、
記録ヘッドの詰まり易さの評価)を以下のようにして行
った。結果を第1表及び第2表に示す。
【0069】(1)重量平均粒子径の測定;マイクロト
ラックUPA150(Leeds plus Nort
hlop社製光散乱式粒度分布計)を用いて重量平均粒
子径の値(nm)を求めた。
ラックUPA150(Leeds plus Nort
hlop社製光散乱式粒度分布計)を用いて重量平均粒
子径の値(nm)を求めた。
【0070】(2)記録液の安定性の評価;インクジェ
ット記録液を70℃で14日間保存した後の重量平均粒
子径で評価した。この数値が初期値と近い程保存安定性
が良好であることを表す。
ット記録液を70℃で14日間保存した後の重量平均粒
子径で評価した。この数値が初期値と近い程保存安定性
が良好であることを表す。
【0071】(3)印字画質の評価;EPSON社製イ
ンクジェットプリンタ−:MJ−830Cを使用し、漢
字混じり日本語文字(明朝体、14ポイント)をA4サ
イズ普通紙に印字し、文字の鮮明度及びひげ状のにじみ
の程度を以下の基準で5段階目視評価した。 5:鮮明でにじみがない。 4:概ね鮮明であるが部分的ににじみがある。 3:複雑な漢字が不鮮明。 2:かな文字部分にもにじみが多い。 1:全体に不鮮明。
ンクジェットプリンタ−:MJ−830Cを使用し、漢
字混じり日本語文字(明朝体、14ポイント)をA4サ
イズ普通紙に印字し、文字の鮮明度及びひげ状のにじみ
の程度を以下の基準で5段階目視評価した。 5:鮮明でにじみがない。 4:概ね鮮明であるが部分的ににじみがある。 3:複雑な漢字が不鮮明。 2:かな文字部分にもにじみが多い。 1:全体に不鮮明。
【0072】(4)耐水性の評価;印字画質の評価の際
に印字した普通紙を20℃で24時間放置した後、静水
中に1分間浸漬してから引き上げ、自然乾燥させた後に
印字画像を下記の基準で5段階目視評価した。 5:鮮明でにじみがほとんどない。 4:にじみが若干認められる。 3:画線部分が広がっている。 2:文字の判読が困難。 1:文字がほとんど消失。
に印字した普通紙を20℃で24時間放置した後、静水
中に1分間浸漬してから引き上げ、自然乾燥させた後に
印字画像を下記の基準で5段階目視評価した。 5:鮮明でにじみがほとんどない。 4:にじみが若干認められる。 3:画線部分が広がっている。 2:文字の判読が困難。 1:文字がほとんど消失。
【0073】(5)耐候性の評価;普通紙にベタ印字し
た試験片を用い、キセノンウェザ−メ−タ−Ci35A
〔アトラス(Atlas)社製促進耐候性試験機、照射
強度0.5J/sec/m2 、ブラックパネル温度63
℃、相対湿度55%〕を使用して、連続照射100時間
後の試験片と未照射試験片の色差(△E)で評価した。
この値が大きい程耐候性が悪いことを示す。
た試験片を用い、キセノンウェザ−メ−タ−Ci35A
〔アトラス(Atlas)社製促進耐候性試験機、照射
強度0.5J/sec/m2 、ブラックパネル温度63
℃、相対湿度55%〕を使用して、連続照射100時間
後の試験片と未照射試験片の色差(△E)で評価した。
この値が大きい程耐候性が悪いことを示す。
【0074】(6)記録ヘッドの詰まり易さの評価;イ
ンクジェットプリンタ−(EPSON社製MJ−830
C)で10分間連続印字した後、プリンタ−を停止し、
40℃で相対湿度25%の環境下に10日間放置した。
放置後、再度印字を開始し放置前と同等の品質の印字が
得られるまでに要した復帰動作の回数で評価した。この
回数が多い程、記録ヘッドの詰まりが生じていることを
表す。
ンクジェットプリンタ−(EPSON社製MJ−830
C)で10分間連続印字した後、プリンタ−を停止し、
40℃で相対湿度25%の環境下に10日間放置した。
放置後、再度印字を開始し放置前と同等の品質の印字が
得られるまでに要した復帰動作の回数で評価した。この
回数が多い程、記録ヘッドの詰まりが生じていることを
表す。
【0075】
【表1】第1表
【0076】
【表2】第2表
【0077】
【発明の効果】実施例及び比較例に示したとおり、本発
明の水性着色粒子分散体を用いてなるインクジェット記
録液を使用すると、高品質の印字画像が得られ、その画
像の耐水性及び耐候性も良好であることが明らかであ
る。また、本発明のインクジェット記録液は保存安定性
も良好で、記録ヘッドの詰まりもほとんど起こさず極め
て有用であり、万年筆、水性ボ−ルペン等の筆記具にも
使用することができる。
明の水性着色粒子分散体を用いてなるインクジェット記
録液を使用すると、高品質の印字画像が得られ、その画
像の耐水性及び耐候性も良好であることが明らかであ
る。また、本発明のインクジェット記録液は保存安定性
も良好で、記録ヘッドの詰まりもほとんど起こさず極め
て有用であり、万年筆、水性ボ−ルペン等の筆記具にも
使用することができる。
【図1】 本発明に用いる回転型連続式分散装置の固定
子の一例を示す斜視図である。
子の一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明に用いる回転型連続式分散装置の回転
子の一例を示す斜視図である。
子の一例を示す斜視図である。
【図3】 本発明に用いる回転型連続式分散装置の要部
の一例を表した断面図である。
の一例を表した断面図である。
【図4】 図3のA−A′部を側面から見たときの固定
子突起と回転子突起の組み合わせ状態を表した図であ
る。
子突起と回転子突起の組み合わせ状態を表した図であ
る。
1 固定子 2 液入口 3 固定子の突起 4 固定子の円周溝 5 固定子突起のスリット 6 回転子の駆動軸 7 回転子 8 回転子の突起 9 回転子の円周溝 10 回転子突起のスリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 愛甲 直美 千葉県千葉市若葉区若松町361−87 (72)発明者 阿部 庸一 千葉県市原市八幡2181−1−404 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA55 BA59 BA60 4J037 AA02 AA08 AA11 AA15 AA22 CA08 CB04 CB07 CC24 CC29 DD11 EE28 EE43 EE48 FF22 FF25 4J039 AE06 AF05 AF07 BA04 BA13 BA31 BA35 BA37 BA38 BC07 BC13 BE01 BE12 CA06 EA34 EA38 EA47 GA24
Claims (10)
- 【請求項1】 末端に水酸基を有するポリエステル樹脂
の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する
末端基を有するポリエステル樹脂及び/又は末端にカル
ボキシル基を有するポリエステル樹脂の末端カルボキシ
ル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環付加反応させて
生成する末端基を有するポリエステル樹脂(A)に、顔
料(B)を分散させた着色樹脂(I)が、水性媒体(I
I)中に粒子状で分散されていることを特徴とする、イ
ンクジェット記録液用水性着色粒子分散体。 - 【請求項2】 ポリエステル樹脂(A)が、末端に水酸
基を有するポリエステル樹脂の末端水酸基に、炭素原子
数4〜20のアルキル基又は炭素原子数4〜20のアル
ケニル基を有する酸無水物を開環付加反応させて生成す
る末端基を有するポリエステル樹脂及び/又は末端にカ
ルボキシル基を有するポリエステル樹脂の末端カルボキ
シル基に炭素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子
数4〜20のアルケニル基を有する脂肪族モノエポキシ
化合物を開環付加反応させて生成する末端基を有するポ
リエステル樹脂である、請求項1記載のインクジェット
記録液用水性着色粒子分散体。 - 【請求項3】 ポリエステル樹脂(A)の末端基が、下
記の一般式(1)、(2)及び(3)で表される構造の
末端基からなる群から選ばれる1種以上の末端基であ
る、請求項1記載のインクジェット記録液用水性着色粒
子分散体。 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なり、水素原子、炭
素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子数4〜20
のアルケニル基を表すが、両方ともに水素原子であるこ
とはない。また、R3 は炭素原子数が4〜20のアルキ
ル基又は炭素原子数が4〜20のアルケニル基を表し、
R4 は炭素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子数
4〜20のアルケニル基を表す。) - 【請求項4】 ポリエステル樹脂(A)が中和されたカ
ルボキシル基を有するものである、請求項1、2又は3
記載のインクジェット記録液用水性着色粒子分散体。 - 【請求項5】 末端に水酸基を有するポリエステル樹脂
の末端水酸基に酸無水物を開環付加反応させて生成する
末端基を有するポリエステル樹脂及び/又は末端にカル
ボキシル基を有するポリエステル樹脂の末端カルボキシ
ル基に脂肪族モノエポキシ化合物を開環付加反応させて
生成する末端基を有するポリエステル樹脂(A)と、顔
料(B)とを必須成分とする混合物を混練してなる着色
樹脂(I)を、アルコ−ル及び/又はグリコ−ルエ−テ
ル系溶剤に溶解し、得られた着色樹脂溶液(I−1)と
水性媒体(II)とを混合して水性媒体(II)中に着色樹
脂(I)を粒子状で分散させることを特徴とする、イン
クジェット記録液用水性着色粒子分散体の製造方法。 - 【請求項6】 ポリエステル樹脂(A)が、末端に水酸
基を有するポリエステル樹脂の末端水酸基に、炭素原子
数4〜20のアルキル基又は炭素原子数4〜20のアル
ケニル基を有する酸無水物を開環付加反応させて生成す
る末端基を有するポリエステル樹脂及び/又は末端にカ
ルボキシル基を有するポリエステル樹脂の末端カルボキ
シル基に炭素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子
数4〜20のアルケニル基を有する脂肪族モノエポキシ
化合物を開環付加反応させて生成する末端基を有するポ
リエステル樹脂である、請求項5記載のインクジェット
記録液用水性着色粒子分散体の製造方法。 - 【請求項7】 ポリエステル樹脂(A)の末端基が、下
記の一般式(1)、(2)及び(3)で表される構造の
末端基からなる群から選ばれる1種以上の末端基であ
る、請求項5記載のインクジェット記録液用水性着色粒
子分散体。 【化2】 (式中、R1及びR2は、同一又は異なり、水素原子、炭
素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子数4〜20
のアルケニル基を表すが、両方ともに水素原子であるこ
とはない。また、R3 は炭素原子数が4〜20のアルキ
ル基又は炭素原子数が4〜20のアルケニル基を表し、
R4 は炭素原子数4〜20のアルキル基又は炭素原子数
4〜20のアルケニル基を表す。) - 【請求項8】 スリットを有するリング状の突起を備え
た固定子と、スリットを有するリング状の突起を備えた
回転子とが、間隔を保って相互に咬み合うように同軸上
に設けられた構造を有する回転型連続分散装置を用い、
この分散機の固定子と回転子の中心部分に、着色樹脂溶
液(I−1)と水性媒体(II)とを供給して、回転子を
回転させながら該スリットと該間隔とを通して中心部分
から外周の方向に流動させることにより、着色樹脂溶液
(I−1)中の着色樹脂(I)を水性媒体(II)中に粒
子状で分散させる、請求項5記載のインクジェット記録
液用水性着色粒子分散体の製造方法。 - 【請求項9】 ポリエステル樹脂(A)の酸価が、5〜
100mgKOH/gであり、水性媒体(II)が塩基性
物質を含有する水性媒体である、請求項5又は8記載の
インクジェット記録液用水性着色粒子分散体の製造方
法。 - 【請求項10】 請求項1〜4のいずれか1項記載のイ
ンクジェット記録液用水性着色粒子分散体を必須成分と
してなることを特徴とする、インクジェット記録液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001291215A JP2002322396A (ja) | 2001-02-22 | 2001-09-25 | インクジェット記録液用水性着色粒子分散体、その製造方法及びインクジェット記録液 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-46495 | 2001-02-22 | ||
JP2001046495 | 2001-02-22 | ||
JP2001291215A JP2002322396A (ja) | 2001-02-22 | 2001-09-25 | インクジェット記録液用水性着色粒子分散体、その製造方法及びインクジェット記録液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002322396A true JP2002322396A (ja) | 2002-11-08 |
Family
ID=26609892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001291215A Pending JP2002322396A (ja) | 2001-02-22 | 2001-09-25 | インクジェット記録液用水性着色粒子分散体、その製造方法及びインクジェット記録液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002322396A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010504419A (ja) * | 2006-09-26 | 2010-02-12 | アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ | 顔料濃厚物 |
WO2019007922A1 (en) | 2017-07-06 | 2019-01-10 | Clariant International Ltd | SOLID PIGMENT DISPERSION, PROCESS FOR PREPARING SAME, AND INK JAR INK JET PREPARATION METHOD BASED ON AQUEOUS OR ORGANIC SOLVENT |
EP4140754A2 (en) | 2021-07-30 | 2023-03-01 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming method and printed matter |
US12110405B2 (en) | 2020-10-01 | 2024-10-08 | Ricoh Company, Ltd. | Aqueous dispersion, method of manufacturing aqueous dispersion, and ink |
-
2001
- 2001-09-25 JP JP2001291215A patent/JP2002322396A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010504419A (ja) * | 2006-09-26 | 2010-02-12 | アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ | 顔料濃厚物 |
WO2019007922A1 (en) | 2017-07-06 | 2019-01-10 | Clariant International Ltd | SOLID PIGMENT DISPERSION, PROCESS FOR PREPARING SAME, AND INK JAR INK JET PREPARATION METHOD BASED ON AQUEOUS OR ORGANIC SOLVENT |
US12110405B2 (en) | 2020-10-01 | 2024-10-08 | Ricoh Company, Ltd. | Aqueous dispersion, method of manufacturing aqueous dispersion, and ink |
EP4140754A2 (en) | 2021-07-30 | 2023-03-01 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming method and printed matter |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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